JP3694601B2 - 多層配線基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線基板及び半導体素子収納用パッケージ等に好適な、特にビルドアップ法により形成された多層配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化には目ざましいものがあり、携帯情報端末の発達や、コンピューターを持ち運んで操作するいわゆるモバイルコンピューティングの普及によって、このような電子機器に用いられる多層配線基板には、更に小型化、薄型化かつ高精細化等が要求されている。
【0003】
一方、通信機器に代表されるような高速動作が求められる電子機器では、その普及に伴って高い周波数の信号に対して正確なスイッチングが可能であること等の要求を満足する多層配線基板が求められている。
【0004】
このような諸要求に応えるためには、多層配線基板の配線を高密度化することが必要とされるが、従来の銅張積層板にドリルを用いて穿孔し、バイアホール導体並びに配線パターンを形成して積層するという多層プリント配線基板では、小径のスルーホールを加工するドリル径に限界があること、及び多層化による高アスペクト比のスルーホールの信頼性に限界があること、絶縁層を薄く形成するために製造コストが増大すること等から、高密度化と製造コストの低減に限界があった。
【0005】
そこで、前記欠点を解消して配線の高密度化と、製造コストの低減を図る一つの手段として、絶縁基板上に配線回路層と絶縁層を交互に形成するという工程を繰り返して多層配線基板を製造するビルドアップ法が知られている。
【0006】
かかるビルドアップ法は、例えば、銅箔をエッチングして形成した配線回路層を有する両面銅張ガラスエポキシ基板をコア基板とし、この両面銅張ガラスエポキシ基板の表面に絶縁層として感光性エポキシ樹脂を塗布し、バイアホールを形成する部分の感光性エポキシ樹脂を露光、現像して除去した後、得られた絶縁層上に無電解メッキ法や電解メッキ法により銅の被覆層を形成し、該被覆層をエッチングすることによりバイアホール導体及び配線回路層を形成する。その後、前記感光性エポキシ樹脂による絶縁層の形成と、銅の被覆層によるバイアホール導体及び配線回路層の形成を繰り返して多層化し、最後に、ドリル等によりスルーホール用の貫通孔を設け、該貫通孔内にめっき層を形成して層間の配線回路層間を電気的に接続することにより多層配線基板とするものである(特開平9−64514号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ビルドアップ法もその普及に伴って以下のような課題が明かとなってきた。即ち、前記ビルドアップ法で形成した多層配線基板は、コア基板の両面銅張ガラスエポキシ基板とビルドアップ法で形成した絶縁層や配線回路層との密着性が劣るという課題があり、特にアラミド不織布に樹脂を含浸させて成る絶縁基板をコア基板とすると、このコア基板の熱膨張率が一般的に用いられているエポキシ系樹脂に比較して低いため、このコア基板表面に形成したエポキシ系樹脂などの絶縁層を成す樹脂との熱膨張差が大きくなる結果、ビルドアップ法で形成した前記絶縁層や配線回路層がコア基板から剥離し易いという問題があった。
【0008】
従って、本発明は、ビルドアップ法で形成した多層配線層とコア基板との密着力が向上した高密度配線化が可能な多層配線基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題に鑑み鋭意検討した結果、コア基板を形成する絶縁材料として、1分間半減期温度が異なる2種以上の重合開始剤を熱硬化性樹脂中に混合して用いることにより、硬化時にその表面に微小な凹凸が形成され、コア基板の表面の表面粗さを大きくすることができる結果、このコア基板表面にビルドアップ法によって絶縁層や配線回路層を有する多層配線層を形成すると、コア基板と多層配線層との密着力が向上することを見いだし、本発明に至った。
【0010】
即ち、本発明の多層配線基板は、熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が異なる少なくとも2種の重合開始剤を混合した混合物を硬化してなる絶縁基板の少なくとも表面に配線回路層が被着形成され、且つ前記絶縁基板の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上のコア基板の表面に、絶縁層と配線回路層とからなる多層配線層を形成してなることを特徴とするものであり、特に、前記少なくとも2つの重合開始剤の開始温度が10℃以上異なること、さらには、前記コア基板における絶縁基板中に、0.2〜10μmの平均粒径を有するセラミック粉末を10〜70体積%の割合で含有することが望ましい。
【0011】
また、前記配線基板の表面の配線回路層は、樹脂フィルム上に作製した配線導体層を転写して形成されて成ることが望ましい。
【0012】
本発明の多層配線基板によれば、コア基板の絶縁基板を、熱硬化性樹脂と重合開始剤との反応によって硬化させて形成する場合、1分間半減期温度が異なる少なくとも2種の重合開始剤を混合した組成物を用いることにより、硬化過程で、低い1分間半減期温度にて一部の樹脂の硬化が進行する結果、樹脂は一部硬化した樹脂と未硬化の軟質状態の樹脂との混合物状態となり、さらにこの状態で昇温して高い1分間半減期温度に達すると、残存していた未硬化の樹脂の硬化が進行する。この時、硬化する樹脂成分に押されるようにして先に硬化していた樹脂成分が表面にせりあがり基板表面に凹凸が形成されることになる。このような現象は、前記樹脂中にセラミック粉末を配合している場合、さらに顕著となる。
【0013】
その結果、コア基板の表面に形成された凹凸が、ビルドアップ法で形成される感光性樹脂による絶縁層や、メッキによる配線回路層を有する多層配線層のコア基板との密着力を向上させる作用をなす。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の多層配線基板について一実施例を図面に基づき詳述する。図1は、本発明の多層配線基板の一実施例を示す断面図である。
図1によれば、本発明の多層配線基板は、絶縁基板1の表面に配線回路層2が被着形成されたコア基板3の表面に、ビルドアップ法によって形成された絶縁層4、配線回路層5とから成る多層配線層6を具備するものである。なお、コア基板3の内部には、配線回路層7やビアホール導体8が形成されていてもよい。
【0015】
(コア基板)
本発明によれば、上記コア基板3における絶縁基板1が、熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が異なる少なくとも2種の重合開始剤を混合した混合物を硬化してなる絶縁材料からなることが重要である。
【0016】
ここで、用いられる1分間半減期温度が異なる重合開始剤としては、表1に示すように、主として過酸化物などの種々のものが挙げられる。
【0017】
【表1】
Figure 0003694601
【0018】
1分間半減期温度が異なる少なくとも2種の重合開始剤としては、その1分間半減期温度差が10℃未満の場合には、樹脂の硬化はほぼ同時に進行するために、前述のような基板表面に凹凸が形成されにくい。また、1分間半減期温度の差が100℃を超えると、硬化温度の差が大きくなり過ぎ、高い硬化温度がでの硬化中に先に硬化した樹脂にクラックや分解を生じたりする恐れがある。従って、本発明における1分間半減期温度差、言い換えれば1分間半減期温度差が10〜100℃が望ましく、特に絶縁基板の変形や樹脂の偏析を防止する点からは20〜100℃が望ましく、更には30〜60℃が最適である。
【0019】
前記重合開始剤によって硬化される熱硬化性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ビスマレイミドトリアジン(BTレジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が使用でき、特に耐熱性に優れ、吸湿性が低く、高周波領域での電気特性に優れるという点からはPPEやポリイミド樹脂が最適である。
【0020】
また、この樹脂中には、無機質フィラーを配合させることによって効率的に且つ均一な凹凸面を形成することができる。用いられる無機質フィラーとしては、シリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2 3 )、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)等のセラミック粉末が使用でき、該セラミック粉末は、その粒径が大きすぎると配線回路層の断線を招くおそれがあることから、その平均粒径が0.2〜10μmであることが望ましく、その含有量は10〜70体積%の範囲内がより好適である。更に、この絶縁基板材料中には、ガラスクロスやアラミド不織布の補強剤を含んでいてもよい。また、これらのフィラーに対しては、樹脂との濡れ性を向上させるためにフィラー表面をカップリング処理を施してもよい。
【0021】
本発明によれば、上記絶縁材料を用いてコア基板を作製するには、前記未硬化状態の熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が2種以上の重合開始剤、場合によって無機質フィラーを含む組成物を混練した後、この混練物をドクターブレード法、カレンダーロール法、圧延法などによって所定の厚みにシート成形する。また、他の方法としては、上記混練物をガラスクロス、アラミド樹脂による織布、不織布中に含浸させてシート化することも可能である。
【0022】
次に、このシートを少なくとも2段階の熱処理によって硬化させる。まず、低温重合開始剤による1分間半減期温度よりも高く、高温重合開始剤による1分間半減期温度よりも低い温度で5分以上保持して、熱硬化性樹脂の一部を熱硬化させる。その後、昇温して高温重合開始剤による1分間半減期温度以上の温度に5分以上保持して、残存した未硬化の熱硬化性樹脂を熱硬化させて、シート中の全ての熱硬化性樹脂を完全硬化させる。
【0023】
この高温での硬化時、硬化した樹脂と未硬化の軟質状態の樹脂との混合物状態から残存していた未硬化の樹脂の硬化が進行する過程で、後に硬化する樹脂成分に押されるようにして先に硬化していた樹脂成分が表面にせりあがり基板表面に凹凸を形成することができる。この時に形成される凹凸によって、最終的に絶縁基板表面の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上となることが重要である。
【0024】
これは、絶縁基板の上記表面粗さが0.1μm未満では、その表面に形成される多層配線層が、加熱冷却の繰り返しによってコア基板から剥離し易くなるためである。前記表面粗さが粗くなればなる程、多層配線層のコア基板への密着力は高くなるが、あまり粗くなると多層配線層とコア基板との間に気泡が入り易くなって逆に密着力を低下させる虞があることから表面粗さ(Ra)は0.5〜3μm程度がより良好である。
【0025】
コア基板の表面、あるいは表面と内部には、配線回路層あるいは配線回路層間を電気的に接続するためのビアホール導体を配設することができる。表面の配線回路層の形成は、上記のように絶縁基板全体の完全硬化後に、金属箔を接着剤を用いて密着させた後、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト除去によって回路パターンを形成することができるが、本発明によれば、前記コア基板を硬化処理する前に、軟質状態のコア基板に対して、転写法によって配線回路層を転写した後に前記熱硬化処理を施すことにより、表面の配線回路層をコア基板表面に埋め込むことができるために、配線回路層の厚さ分の突起がなくなり、ビルドアップ法による多層配線層間への気泡の巻き込みを防止するとともに、多層配線基板全体の平滑性を高めることができる。
【0026】
具体的には、図2の工程図に示すように、前記未硬化状態の熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が2種以上の重合開始剤、場合によって無機質フィラーを含む組成物を混練してなる絶縁シート11に対して、図2(a)に示すように、パンチングあるいはレーザー等により100〜200μmの径のスルーホール12を形成する。
【0027】
次に、図2(b)に示すように、前記スルーホール12内に金属ペーストを充填して乾燥し、スルーホール導体13を形成する。
【0028】
金属ペーストは、金属粉末、有機樹脂及び溶剤から成り、金属粉末としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)から選ばれる少なくとも1種又はそれらの合金によって構成するのが望ましい。
【0029】
また、前記金属ペースト中の有機樹脂としては、前述した熱硬化性樹脂の他、セルロース等の樹脂も使用でき、また、溶剤としては使用する有機樹脂が溶解可能な溶剤であればいずれでも良く、例えば、イソプロピルアルコールやテルピネオール、2−オクタノール、ブチルカルビトールアセテート(BCA)等が挙げられる。
【0030】
次いで、スルーホール導体13が形成された絶縁シート11の表面の少なくとも一方の露出端部に金属箔から成る配線回路層を転写法によって形成する。具体的には、図2(c)に示すように、表面に銅箔からなる逆パターンの配線回路層14が形成された転写フィルム15を絶縁シート11に積層圧着した後、転写フィルム15を引き剥がすことによって、配線回路層14を絶縁シート11表面に埋め込むことができる。この時に印加する圧力は密着性と界面の気泡を除去する点から、1〜200kg/cm2 の加圧力が好ましく、より望ましくは20〜70kg/cm2 の範囲となる。
【0031】
このようにして、配線回路層14およびスルーホール導体13を有する絶縁シート11を前述したように、少なくとも2段階の熱硬化処理を施すことにより、図2(d)に示すような、表面に凹凸が形成されたコア基板16を作製することができる。この時、熱硬化処理のうち1段目の熱処理を配線回路層14を転写する際の圧力印加とともに行うことによって工程の簡略化を行うこともできる。
【0032】
また、コア基板を多層構造にする場合には、前記配線回路層14およびスルーホール導体13を有する絶縁シート11を複数層形成し、これらを積層一体化した後、前述した少なくとも2段階の熱硬化処理を施すことにより、図1に示すような多層構造のコア基板を作製することができる。
【0033】
さらに、上記のようにして作製したコア基板に対しては、所望により表面の配線回路層14に対して硫酸あるいは塩酸、所望により過酸化水素を含んだエッチング液を前記配線基板にスプレーすることにより、配線回路層14表面にも凹凸を形成することができる。これにより、前記配線回路層14表面を0.1μm以上の表面粗さ(Ra)に粗くすることが可能となり、さらに後述するビルドアップ法による多層配線層との密着性を高めることができる。
【0034】
次に、上記のようにして作製されたコア基板の表面に、ビルドアップ法により絶縁層と配線回路層を順次形成する。ビルドアップ法としては、周知の方法を採用でき、具体的には、コア基板の表面全面に感光性樹脂からなる絶縁層を塗布した後、バイアホールを形成する部分の感光性エポキシ樹脂を露光、現像して取り除く。その後、その絶縁層表面に無電解メッキ法や電解メッキ法によって銅などの金属層を一面に形成した後、非配線回路部分をエッチング除去することにより配線回路層およびビアホール導体を形成することができる。
【0035】
その後、上記感光性樹脂からなる絶縁層の塗布、バイアホールの形成、金属層形成、エッチングによる配線回路層形成を繰り返すことにより、多層配線層を形成することができる。
【0036】
また、他の方法としては、コア基板の表面に、樹脂付き銅箔を積層した後、フォトレジストで露光現像を行って配線回路層の形成を行い、さらにレーザーでバイアホールを形成後、メッキによってバイアホール導体を形成する。その後、上記樹脂付き銅箔の積層、配線回路層の形成、バイアホール導体の形成を繰り返すことにより多層配線層を形成することができる。
【0037】
本発明によれば、上述したように、表面に微細な突起による凹凸が形成されたコア基板を用いることにより、ビルドアップ法による多層配線層形成時に感光性樹脂を凹凸によるアンカー効果によってコア基板表面に感光性樹脂からなる絶縁層を強固に密着させ、コア基板とビルドアップ法により形成した絶縁層や配線回路層からなる多層配線層とを強固に接続し信頼性を向上させることができる。
【0038】
【実施例】
先ず、コア基板の絶縁基板を構成する絶縁材料として、前記表1の重合開始剤のうちから、1種または2種を選択し、これをイミド樹脂中に1重量%の割合で添加混合し、更に、平均粒径が5μmのSiO2 粉末を30体積%の割合で配合し、それに有機溶剤を添加混合しドクターブレード法でグリーンシートを成形した。
【0039】
次に、得られたグリーンシートに炭酸ガスレーザーにより直径0.1mmのバイアホールを形成し、該バイアホール内に粒径約5μmの銀をメッキした銅粉末から成る銅ペーストを充填した。
【0040】
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂から成る転写シートの表面に接着剤を塗布して粘着性を付与し、厚さ18μmの銅箔を一面に接着した後、フォトレジスト(ドライフィルム)を塗布して露光現像を行った後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して非パターン部をエッチング除去し、線幅が40μm、配線間の間隔が40μmの逆パターンの配線回路層を形成した。
【0041】
そして、前記グリーンシートに上記配線回路層を形成した転写シートを位置決めして密着させ、該転写シートのみを剥離して配線回路層をグリーンシート表面に転写した。また、前記同様にしてバイホール導体および配線回路層を形成したグリーンシートを積層して20kg/cm2 の圧力で圧着するとともに、2種の重合開始剤を含む場合には、低温重合開始剤の1分間半減期温度よりも高く、高温重合開始剤の1分間半減期温度よりも低い温度で加熱した。また、1種の重合開始剤しか含まない場合もそれぞれ表2に示す温度で3分間加熱処理した。
【0042】
その後、高温重合開始剤の1分間半減期温度よりも高い温度に60分間保持して完全硬化させてコア基板を作製した。
【0043】
かくして得られた配線基板について、その表面の絶縁基板の表面粗さ(Ra)を測定しその結果を表2に示した。
【0044】
続いて、コア基板の表面に感光性エポキシ樹脂をスピンコート法により塗布した後、所定温度で加熱して絶縁層を形成し、バイアホールを形成する部分の感光性エポキシ樹脂を露光、現像して取り除いた。
【0045】
その後、前記絶縁膜の表面及びバイアホール内に無電解メッキ法や電解メッキ法により銅被覆層を形成し、該銅被覆層をエツチングすることにより配線回路層とバイアホール導体を形成した。
【0046】
そして、前記同様の工程を4回繰り返して感光性樹脂による絶縁層と、配線回路層及びバイアホール導体から成る多層配線層を形成した後、最外層に配線回路層を保護するエポキシ樹脂から成るソルダーレジストを被覆して評価用の多層配線基板を作製した。
【0047】
かくして得られた評価用の多層配線基板について、多層配線層の銅配線回路層に金具を取り付け、該銅配線回路層を引き剥がすときに必要な力を測定して、配線の密着強度を求めて密着性を評価した。
【0048】
一方、前記評価用の多層配線基板を−55℃と+125℃の温度でヒートサイクル試験を200サイクル行った後、試験後の多層配線層の剥離の有無を確認した。
【0049】
なお、前記評価用の多層配線基板を切断し、断面における配線回路層やバイアホール導体の形成付近を観察したところ、コアの配線基板の変形や、配線回路層、バイアホール導体等の接続不良、配線の断線等の不良はいずれも認められなかった。
【0050】
また、前記評価用の多層配線基板を湿度85%、温度85℃の高温多湿雰囲気に100時間放置したが、本発明の多層配線基板ではいずれも目視で判別できる程度の変化は生じておらず、1000時間放置後に周辺部にわずかな層の剥離が認められたが、動作には全く影響のないことを確認した。
【0051】
【表2】
Figure 0003694601
【0052】
表2から明らかなように、1種類の重合開始剤のみを使用した試料No.1、7では表面粗さが0.07μm以下と小さく、ビルドアップ法による多層配線層の密着力が弱く、いずれもヒートサイクル試験で剥離したり、クラックを生じた。これに対して、2種の重合開始剤を用いた本発明の多層配線基板においては、コア基板の絶縁基板の表面粗さが0.1μm以上と大きく、その結果、多層配線層の密着力が改善されてヒートサイクル試験でも不良は発生していないことが確認できた。
【0053】
また、試料No.5と試料No.6との比較から、2種の重合開始剤の1分間半減期温度差が10℃以上であることが効果的であることも理解された。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、コア基板を構成する絶縁基板として、1分間半減期温度の異なる少なくとも2種の重合開始剤を含む絶縁材料を用いることにより、コア基板表面に凹凸を形成することができるために、ビルドアップ法で形成した多層配線層のコア基板との密着力を向上させ、配線の高密度化と低コスト化を実現した多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明におけるコア基板の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 配線回路層
3 コア基板
4 絶縁層
5 配線回路層
6 多層配線層

Claims (4)

  1. 熱硬化性樹脂と、1分間半減期温度が異なる少なくとも2種の重合開始剤を混合した混合物を硬化してなる絶縁基板の少なくとも表面に配線回路層が被着形成され、且つ前記絶縁基板の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上のコア基板の表面に、絶縁層と配線回路層とからなる多層配線層を形成してなることを特徴とする多層配線基板。
  2. 前記少なくとも2種の重合開始剤の1分間半減期温度が10℃以上異なることを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
  3. 前記コア基板における絶縁基板中に、0.2〜10μmの平均粒径を有するセラミック粉末を10〜70体積%の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
  4. 前記配線基板の少なくとも表面の配線回路層が樹脂フィルム上に作製した配線導体層を転写して形成されて成ることを特徴とする請求項1に記
    載の多層配線基板。
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