JP3683763B2 - 天候検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行中における時々刻々に変化するその地点の天候状態を感知して検出した信号を、既設のナビゲーションシステムブロック等へ伝達させて安全運転に寄与する、天候検出装置および天候対応型情報提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、移動中に特定地域の気象情報を入手する手段として、テレビ、ラジオ、インターネット等から入手する方法が知られている。一方、車両の走行地点における気象情報を得る方法として、特開平10−138878号および特開平8−210865号の各公報に開示される発明が知られている。
【0003】
特開平10−138878号に開示される発明は、ウインドウガラスの室外側に当たる雨滴及び室内側に付着する結露を同時に検出して、室外の雨滴を識別可能な雨滴・くもり検出器及びワイパ・デフロスタ制御装置に関する発明である。また、特開平8−210865号に開示される発明は、ワイパースイッチを降雨検出手段として、ワイパースイッチがONかOFFかによって、降雨を検知するナビゲーション装置に関する発明である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の天候を判断する装置には、次のような問題がある。まず、インターネット等の通信手段によって天候を判断する装置を用いた場合には、車両の走行地点を包含する比較的広範囲の天候を知ることはできるものの、車両の走行地点の天候を知ることはできない。したがって、インターネット等から、曇りとの情報を得た場合であっても、車両の走行地点で雨が降っている場合もある。
【0005】
また、特開平10−138878号に開示される発明は、複数の発光素子及び受光素子、レンズ、反射鏡、熱電冷却素子等から成る複雑な構成である。このため、故障しやすく、かつコストが高い装置となる。加えて、この装置は、車両、船舶、航空機等に純正で装着される装置であるため、個人が好みに応じて、手軽に装着することはできない。
【0006】
また、特開平8−210865号に開示される発明は、ワイパースイッチと直接接続して検出する構造である。このため、この装置は、車両、船舶、航空機等に純正で装着しなければならない。したがって、上述の公報記載の発明と同様に、個人が好みに応じて、手軽に装着することはできない。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、車両の走行地点の天候を正確に判断すること、個人が好みに応じて手軽に装着すること、低コストを可能とする天候検出装置および天候対応型情報提供システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の天候検出装置は、車両のワイパーの動きを、ワイパーと非接触状態で検出するワイパー動作検出手段と、ワイパー動作検出手段からの信号に基づいて、天候を判断する天候判断手段と、天候判断手段の判断に応じて、異なる情報を提供するための信号を送出する情報提供信号送出手段とで構成し、ワイパー動作検出手段を、ワイパーの動作するウィンドウに向けて発光すると共に、ワイパー自体あるいはワイパーと連動する連動部材で反射した反射光を受光する光反射センサーとするようにしている。このため、個人が車両を購入後、必要に応じて後から装着できる利便性に富む天候検出装置となる。加えて、非接触にて、ワイパー動作を感知することができる。さらに、情報提供手段に接続することによって、ワイパー動作から判断した天候に応じて、異なる情報を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る天候検出装置および天候対応型情報提供システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1に示すように、天候対応型情報提供システムは、天候検出装置1と、情報提供手段であるカーナビゲーションシステムブロック2とから構成されている。天候検出装置1は、光量センサ搭載ブロック10と、温度センサ搭載ブロック11と、ワイパーセンサ搭載ブロック12と、天候感知システム処理ブロック13とから、主に構成されている。
【0020】
光量センサ搭載ブロック10は、可視光を測定する可視光測定センサ100を備えている。温度センサ搭載ブロック11は、車外の温度を測定する温度センサ110を備えている。ワイパーセンサ搭載ブロック12は、ワイパー動作検出センサ120を備えている。また、ワイパーセンサ搭載ブロック12は、ワイパーに向けて発光可能な発光部121を備えている。ワイパーセンサ搭載ブロック12は、ワイパー動作検出センサ120で検出した信号をデジタル処理することができる。
【0021】
光量センサ搭載ブロック10、ワイパーセンサ搭載ブロック12および天候感知システム処理ブロック13は、一体型の形状をなしており、車内に固定される。一方、温度センサ搭載ブロック11は、上記ブロック10,12,13とは別に、車外に固定される。ただし、これらの各ブロックを10,12,13を一体型としなくても良い。
【0022】
天候感知システム処理ブロック13は、アナログ・デジタル変換部(以下、ADCという)131と、特定用途向けIC(以下、ASICという)132と、中央演算処理部(以下、CPUという)133と、信号受信部134と、デジタル信号送受信部135とから、主に構成されている。天候感知システム処理ブロック13は、各センサ搭載ブロック10,11,12からの信号をそれぞれ受け取り、各信号から天候を判断すると共に、天候に応じて、カーナビゲーションシステムブロック2にデジタル信号を送出する機能を有している。
【0023】
ADC131は、可視光測定センサ100および温度センサ110からの各アナログ信号を、デジタル信号に変換する。ASIC132は、ワイパーセンサ搭載ブロック12からのデジタル信号を受け取ると共に、ADC131からのデジタル信号を受け取る。また、ASIC132は、CPU133に、これらデジタル信号を送る。CPU133は、ASIC132から送られてくる各デジタル信号から、天候を判断する。具体的には、晴れか、くもりか、雨降りか、降雪か等を判断する。さらには、可視光の強度やワイパーの動作速度から、晴れの程度や雨の強さも判断可能である。
【0024】
ASIC132は、CPU133の判断結果に関する信号を受け取り、これをデジタル信号送受信部135を介して、カーナビゲーションシステムブロック2に送る。カーナビゲーションシステムブロック2は、天候に依存した信号から、予め記憶されている多種多様な情報を選択して、カーナビゲーションの液晶表示に情報を表示させたり、あるいは情報を音声にて出力させる。
【0025】
次に、可視光測定センサ100について、図2に基づいて説明する。
【0026】
可視光測定センサ100は、太陽から放出される可視光を、可視光吸収フィルタ101を通して受光する。可視光吸収フィルタ101を通すのは、以下の理由からである。快晴時には、10万ルクス以上の明るさとなる。しかし、かかる明るさを測定できる可視光測定センサは、極めて少なく、価格が高い。そこで、可視光吸収フィルタ101を通して明るさを低減させることによって、通常の可視光測定センサ100でも快晴の判断を可能とするようにしている。なお、可視光測定センサ100は、アモルファスシリコン等の受光部を有し、太陽光の強弱に比例した電流が流れる機構を有している。
【0027】
次に、ワイパーセンサ搭載ブロック12の動作について、図3に基づいて説明する。
【0028】
ワイパー動作検出センサ120は、フロントガラスを透過させて、ワイパー150の裏面に向けて発光する。ワイパー動作検出センサ120は、ワイパー150の裏面にて反射した反射光を、フロントガラスを通して受光する。ワイパー150が全く動いていなければ、ワイパー動作検出センサ120は、ほとんど反射光を受光しない。
【0029】
一方、ワイパー150が動いている時には、ワイパー動作検出センサ120は、ワイパー150の動く速度に応じた回数だけ、反射光を受け取る。ワイパー150の動作速度が大きいほど、単位時間あたりの受光回数は、増加する。ワイパー150では、通常、停止、間欠、低速および高速の4段階の切り替え方式が、採用されている。したがって、単位時間あたりの受光回数から、上記の4段階のうちいずれであるかを判断することができる。これによって、雨が降っているか否かに加えて、小雨か、通常の雨降りか、どしゃぶりかの判断が可能となっている。
【0030】
なお、ワイパー動作を感知する上で、ワイパー150が効率よく光を反射をする必要がある。このため、ワイパー150の裏面、すなわち、ワイパー150とフロントガラスが接触する樹脂部分あるいはゴム部分は、白色の材料としている。あるいは、黒色のワイパー150を挟むように、連動部材として、白色のワイパーカバー(=白色反射板)を設けるようにしている。このようにすると、光の反射効率が高くなり、ワイパーの動作を正確に検知しやすくなる。
【0031】
また、ワイパー150は、フロントガラスの汚れを拭うために動かす場合もある。しかし、汚れを拭う時のワイパー150は、通常、短時間しか駆動しない。したがって、ワイパー動作検出センサ120は、ワイパー150を検出している時間から、雨が降っているためにワイパー150を使用しているか、それとも汚れを拭うためにワイパー150を使用しているかを、判断するようにしている。
【0032】
光量センサ搭載ブロック10、ワイパーセンサ搭載ブロック12および天候感知システム処理ブロック13は、ワイパー150の動作を検知する必要から、図3に示すように、車両のダッシュボードの固定するのが好ましい。ただし、ダッシュボード以外の場所、たとえば、ハンドル等に固定しても良い。このように、ワイパー150と非接触状態にて、ワイパー150の動作を検出し、天候の判断をすることが可能である。このため、ユーザがオプションで、車両に搭載することができる。
【0033】
次に、温度センサ110について、説明する。
【0034】
温度センサ110は、走行車両の外気温度を検知しやすい場所に設けられる。具体的には、車両の天井に設置されるのが、好ましい。ボンネットだと、エンジンからの輻射熱の影響を受けやすいからである。温度センサ110の設置により、ワイパー150使用時において、雨か雪かの判断ができる。
【0035】
次に、天候検出装置1の動作について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0036】
まず、車両の主電源がオンになると、天候検出装置である気象感知システムは、国、季節および時刻の情報を考慮して、日中か否かを判断する(ステップS201)。時刻のみでは、可視光の測定をできる程の明るさかどうかはわからないからである。たとえば、日本の真夏であれば、午後6時でも、日中であると判断されるが、日本の真冬であれば、午後5時以降は日中と判断されない。なお、ステップS201で、日中と判断されなかった場合には、ステップS211に移行する。
【0037】
次に、日中と判断した場合には、CPU133は、天候検出装置1の可視光測定センサ100からの信号に基づき、快晴か否かを判断する(ステップS202)。具体的には、10万ルクス以上であれば快晴、10万ルクス未満であれば快晴ではないと、判断される。
【0038】
快晴の場合において、CPU133は、ワイパー動作検出センサ120からの信号に基づいて、ワイパー150がオフか否かを判断する(ステップS203)。この結果、ワイパー150がオフであれば、CPU133は、快晴であるとの判断をして、快晴モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS204)、動作を終了する。
【0039】
一方、ステップS203において、ワイパー150がオンであれば、CPU133は、温度センサ110からの信号に基づいて、車外温度が0℃以下かどうかを判断する(ステップS205)。車外温度が0℃以下でなければ、CPU133は、天気雨あるいはスコールであるとの判断をして、天気雨モードあるいはスコールモードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS206)、動作を終了する。一方、車外温度が0℃以下であれば、CPU133は、天気雪であるとの判断をして、天気雪モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS207)、動作を終了する。
【0040】
次に、ステップS202において、10万ルクス以下の場合には、CPU133は、晴天か否かを判断する(ステップS208)具体的には、5万ルクス以上か否かが判断される。この結果、5万ルクス以上であれば、続いて、CPU133は、ワイパー動作検出センサ120からの信号に基づいて、ワイパー150がオフか否かを判断する(ステップS209)。この結果、ワイパー150がオフであれば、CPU133は、晴天であるとの判断をして、晴天モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS210)、動作を終了する。一方、ステップS209において、ワイパー150がオンの場合には、ステップS205に移行して、前述のように、ステップS206またはステップS207を経て、動作を終了する。
【0041】
また、ステップS208において、5万ルクス未満の場合には、CPU133は、ワイパー150がオフかどうかを判断する(ステップS211)。ワイパー150がオフの場合には、CPU133は、曇りであるとの判断をして、曇天モードの信号をカーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS212)、動作を終了する。
【0042】
一方、ワイパー150がオンの時には、CPU133は、間欠ワイパーの状態か否かを判断する(ステップS213)。この結果、間欠ワイパーの状態であれば、CPU133は、温度センサ110からの信号に基づいて、車外温度が0℃以下かどうかを判断する(ステップS214)。車外温度が0℃以下でなければ、CPU133は、小雨であるとの判断をして、小雨モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS215)、動作を終了する。一方、車外温度が0℃以下であれば、CPU133は、小雪であるとの判断をして、小雪モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS216)、動作を終了する。
【0043】
一方、ステップS213において、間欠ワイパーでない場合には、CPU133は、低速ワイパーの状態か否かを判断する(ステップS217)。この結果、低速ワイパーの状態であれば、CPU133は、温度センサ110からの信号に基づいて、車外温度が0℃以下かどうかを判断する(ステップS218)。車外温度が0℃以下でなければ、CPU133は、雨であるとの判断をして、雨モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS219)、動作を終了する。一方、車外温度が0℃以下であれば、CPU133は、雪であるとの判断をして、雪モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS220)、動作を終了する。
【0044】
一方、ステップS217において、低速ワイパーではない状態(すなわち、高速ワイパーの状態)の場合には、CPU133は、温度センサ110からの信号に基づいて、車外温度が0℃以下かどうかを判断する(ステップS221)。車外温度が0℃以下でなければ、CPU133は、どしゃ降り雨であるとの判断をして、どしゃ降りモードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS222)、動作を終了する。一方、車外温度が0℃以下であれば、CPU133は、どか雪であるとの判断をして、どか雪モードの信号を、カーナビゲーションシステムブロック2に送り(ステップS223)、動作を終了する。
【0045】
このように、天候検出装置1からの各天候モードの信号を受けたカーナビゲーションシステムブロック2は、カーナビゲーション本体の液晶表示あるいはスピーカを通じて、天候に応じた情報を提供する。天候検出装置1は、純正としなくても良いので、個人でも自在に装着できる。なお、天候対応型情報提供システムは、カーナビゲーションシステムブロック2のみならず、カーオーディオあるいは車両内に設られたイルミネーションに対しても応用可能である。
【0046】
また、商品PR用の展示ブースにおいては、光反射センサを利用して人体が展示物に接近すると感知して、自動的にデモストレーションを開始する機器にも応用することができる。オーディオあるいはイルミネーションに上述した説明に準じて、PRに沿った音楽を流したり、イルミネーションを点灯すること等も応用できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、車両の走行地点の天候を正確に判断すること、個人が好みに応じて手軽に装着すること、低コストを可能とする天候検出装置および天候対応型情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天候検出装置を含む天候対応型情報提供システムの実施の形態における各構成部を示すブロック図である。
【図2】図1の天候検出装置に含まれる可視光測定センサの検知機構を示す図である。
【図3】図1の天候検出装置に含まれるワイパー動作検出部の検知機構を示す図である。
【図4】図1の天候検出装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 天候検出装置
2 カーナビゲーションシステムブロック(情報提供手段)
100 可視光測定センサ(光強度測定手段)
110 温度センサ(温度測定手段)
120 ワイパー動作検出センサ(ワイパー動作検出手段)
132 ASIC(情報提供信号送出手段)
133 CPU(天候判断手段)
150 ワイパー
Claims (1)
- 車両のワイパーの動きを、上記ワイパーと非接触状態で検出するワイパー動作検出手段と、上記ワイパー動作検出手段からの信号に基づいて、天候を判断する天候判断手段と、上記天候判断手段の判断に応じて、異なる情報を提供するための信号を送出する情報提供信号送出手段と、を備え、
上記ワイパー動作検出手段は、上記ワイパーの動作するウィンドウに向けて発光すると共に、上記ワイパー自体あるいは上記ワイパーと連動する連動部材で反射した反射光を受光する光反射センサーとしたことを特徴とする天候検出装置。
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