JP3680721B2 - Pos端末装置、posシステム、及びpos端末装置の在高管理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、商品やサービスの購入の際に金銭管理を行うPOSシステム並びにPOS端末に関する。また、本発明はそのようなPOS端末における現金管理の方法に関する。
【従来の技術】
POSシステムなどにおいては、各種の金銭管理が行なわれている。
各種店舗の一日の営業時間中に行なわれる作業は、おおよそ以下のようなものである。
1)釣銭, 釣札の事前準備。
2)釣銭, 釣札額のPOS での入力。
3)来店客から商品代金を預かり, 預かり金の入力。
4)来店客にお釣( 釣銭, 釣札) を返す。
5)ドロア内にあるべき現金の集計
6)ドロア内に実際に収納された現金の集計。
7)ドロア内にあるべき現金と収納されている現金の差額算出。
8)ドロア内の現金が過剰になった場合の中間回収。
9)一日の売上げ金の収納
10)売上げ金の銀行への預け入れ。
例えば、各種の店舗では客に手渡すための釣銭を準備する必要がある。店舗では開店前に各POS端末に必要な額の釣銭、特に小銭が準備される。この際に、客が支払った現金を釣銭に充当することは可能であるが、特定額の貨幣などについては事前に準備した釣銭が途中で不足する場合があるので、釣銭補充を適宜行なう必要がある。一方、高額紙幣については釣銭として客に手渡されることがないため、開店時間中にこれらの現金を回収する必要もある。
また、店員の交替時あるいは閉店時には、各POS端末のドロア内に本来あるべき現金額と実際にドロア内にある現金額とを対比、その額の過不足を調べることにより、過不足が生じた原因などを追求するようにしている。
【発明が解決しようとする課題】
そのため、従来は以下のような問題点が生じる可能性が非常に高かった。
特に釣銭の扱いについては、
1)店舗が釣銭相当額を予め金融機関に預金する必要がある。
店舗が預金する現金用の準備金は、店舗が自由に運用することができない性質のものである。従って、釣銭用の預金などはなるべくその額を減らすことが好ましい。
2)銀行での釣銭準備の作業に手間がかかる。
特に釣銭用には、各金種の現金(特に硬貨)を分類し、所定枚数毎にまとめるなどの作業を行なう必要がある。近年ではこのような釣銭準備に手間がかかることなどの理由により、金融機関が釣銭準備のための手数料を店舗から徴収する場合もある。この手数料は、一般的には利用高に対して所定の割合(数パーセント)の金額とされるが、一日当たり数百万円の釣銭を準備する必要があるような店舗では、年間に支払い手数料も数百万円程度となり、店の負担が増してしまうという問題が生じる。
3)釣銭の準備自体が重労働である。
釣銭を準備するためには、まず店員が金融機関から釣銭用の現金を受け取る必要がある。仮に店員が金融機関に出向いて現金を受け取るのであれば、金融機関と店舗との間の往復時間に少なくても数十分を要する。この時間も当然店員の労働時間と考える必要があるため、この時間分の人件費が必要となる。ここで5店舗分の釣銭準備作業に要するコストの一例を考える。現金の受け取りに一店あたり2名が担当し、店舗−金融機関の往復時間が30分、店員の時給を2000円とし、年間300日この作業を行なうと仮定した場合、釣銭の準備作業だけで年間およそ300百万円ほどの費用を必要とする。
また、開店前に金融機関から受け取った現金を店舗内の各端末装置に準備する必要がある。この作業にも2名の店員をあて、作業時間が45分、5店舗分で店員の時給を1500円と仮定した場合には、釣銭の準備に年間およそ400万円を必要とする。
なお、釣銭の補充は開店時のみに行なえばよいといった性格のものではなく、営業時間中に必要に応じて釣銭を補充する必要がある。特に少額貨幣については客から受け取る額に比べて釣銭として客に渡す額の方が多くなる傾向にあり、営業中にこれらの貨幣が足りなくなる可能性が非常に高いために、一日に数回釣銭を補充しなければならないケースもある。
また、特定の金種、例えば1万円札は顧客から受け取る一方で釣銭として利用されることはないため、ドロア内にたまる一方である。そのため、これらの紙幣等は防犯上の意味も含めて営業時間中に適宜回収する必要がある。
このように、営業時間中の現金の補充・回収のための手間もかかる。
4)営業が終了した後は、基本的には店内の現金、つまり売上金は全額が金融機関に送金される。この場合、現金を受け取る場合と同様に要員が必要となってしまう。
5)釣銭補充・現金回収のタイミングを見計らうことが難しかった。
各POS端末の現金の状況をリアルタイムで把握することができなければ、どのPOS端末で釣銭補充が必要となっているのか、補充が必要な釣銭の金種とその額はどの程度なのか、あるいは回収が必要な高額紙幣はどの程度なのか、といったことを判断することができない。そのため、釣銭補充が間に合わなかったり、逆に不必要な補充作業が発生したりする可能性が高い。
本発明は、上記のような問題に鑑み、より効率的な金銭管理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、上位のストアサーバに接続され、更に入出金された現金を金種別に計数する機能を有する釣銭・釣札機が接続されるPOS端末装置であって、1取引毎に、前記釣銭・釣札機に投入される客からの受取額、前記釣銭・釣札機より排出される客への返金額とから定まる前記釣銭・釣札機内の金種別在高情報を前記釣銭・釣札機より受信することを特徴とする。
また、本発明は、POS端末装置と、前記POS端末装置の上位に接続されるストアサーバとを備え、前記POS端末装置には更に入出金された現金を金種別に計数する機能を有する釣銭・釣札機が接続されるPOSシステムであって、前記POS端末装置は、1取引毎に、前記釣銭・釣札機に投入される客からの受取額、前記釣銭・釣札機より排出される客への返金額とから定まる前記釣銭・釣札機内の金種別在高情報を前記釣銭・釣札機より受信し、受信した該在高情報を、前記ストアサーバに送信するとともに、前記ストアサーバは、前記POS端末装置から受信した前記在高情報を集計するように動作することを特徴とする。
また、前記ストアサーバは、前記POS端末装置から受信した在高情報に基づいて、当該POS端末装置の釣銭過不足額を算出し、算出された釣銭過不足額を出力するように動作することを特徴とする。
さらに、前記POS端末装置は、操作者を識別する情報を前記在高情報とともに前記ストアサーバに送信するとともに、前記ストアサーバは、前記POS端末装置から受信した前記在高情報を操作者毎に集計するように動作することを特徴とする。
また、上位装置と接続され、1取引毎の精算処理を実行する金銭管理機能を備えたPOS端末装置であって、前記POS端末装置は、顧客から預かる現金を入金するとともに、顧客に返金する釣銭を出金し、かつ入出金された現金を金種別に計数可能な釣銭・釣札機に接続されるとともに、顧客から預かる金券類を収納するためのドロアを有し、前記計数機能により特定された前記釣銭・釣札機内の金種別在高情報を受信し、受信した該在高情報と、前記ドロア内の金券在高情報とを前記上位装置に送信することを特徴とする。
さらに、上位のストアサーバに接続され、更に入出金された現金を金種別に計数する機能を有する釣銭・釣札機が接続されるPOS端末装置の現金管理方法であって、顧客から預かる金券はPOS端末装置のドロアに収納し、顧客から預かる現金は前記釣銭・釣札機に入金し、顧客に返金する釣銭用現金は前記釣銭・釣札機より出金し、前記計数機能により特定される、入出金額の増減により特定される前記釣銭・釣札機内の現金の金種別在高を受信することにより、現金の在高を確定することを特徴とする。
本発明によれば、金種別の計数機能を有する釣銭・釣札機をPOS端末装置に接続詞、客から預かった現金は釣銭・釣札機に投入し、客に返金する釣銭は釣銭・釣札機より出金し、計数機能により導き出される釣銭・釣札機内の在高情報を受信することにより、釣銭・釣札機内の釣銭の残存状況を金種別に把握することが可能となる。
これにより、POS開局時、また運用中において、釣銭の過不足を随時判断し、効率的な補充/回収が可能となる。
また、釣銭・釣札機からの情報をサーバ側で集計することから、複数のPOS端末装置の現金在高を一カ所にて把握できる為、例えば店舗内の釣銭の回収/補充を担当する係員が固定されている場合において、係員の負担を軽減できる。
しかも、この在高情報を、操作者を識別する情報とともにサーバに送信することが可能であり、操作者毎の現金管理が可能となる。
さらに、現金の出入りは釣銭・釣札機で行うことから、POSのドロア内の現金の金種別管理が不要となり、キャッシャが顧客から現金を預かったり、釣銭を返金する毎に金種を手入力することなく、全体の現金の在高を把握することが可能となる。
また、現金の出入りは釣銭・釣札機にて行い、釣銭・釣札機で受け入れることのできない金券の類の出入りはPOS端末装置のドロアにて行い、釣銭・釣札機内の在高情報とPOS端末装置内の金券の情報を合わせるだけで、総金銭量を導き出すことができる。
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態によるPOSシステムの概要構成図であり、例えばスーパーマーケット等で利用されるものを例示している。
図1において、1はストアサーバ(以下SSV)であり、SSV1には現金収納機2が接続されている。POS端末(3a,3b,3c)を扱うキャッシャは、POS端末装置(3a,3b,3c)に現金がある場合、しかるべきタイミングにて現金収納機2にドロア(4a,4b,4c)を持ち込み、ドロア内の現金等は現金収納機2に収納されることになる。
SSV1に接続される現金収納機2は、キャッシャを識別できるコードを入力することができ、現金が投入された時には、キャッシャ識別コードに対応してドロア内現金の計数結果を記憶でき、その結果をSSV1に送信できる。
本実施形態では、ドロア(3a,3b,3c)内には現金以外の商品券類が収納されることになる。そして、現金収納機2ではキャッシャ識別コードに対応した商品券額を入力することができ、キャッシャ識別コードに対応して入力された商品券額の合計を記憶でき、その結果もSSV1に送信される。
一方SSV1はキャッシャ別の精算処理を行なう。ここで、
A:キャッシャ別の総精算データ
(キャッシャが取り扱った現金;POS側から送信)
B:POS側から送信される釣銭釣札機の現金偏差
(キャッシャが扱った釣銭釣札機内の現金:POS側から送信)
C:ドロア内の現金額
(本実施形態ではドロア内の商品券の総額:POS側から、或いは現金収納機か ら送信)
とした場合、理論上、A=B+Cとなる。SSV1では、これら、POSあるいは現金収納機から送信されるデータより、キャッシャ毎の現金の過不足を算出する。
POS端末3a〜3cでは、顧客が購入する商品の精算が行なわれる。それぞれのPOS端末には、現金が収納されるドロア4a〜4cが設けられる。また、各POS端末には釣銭釣札機(以下TC)5a〜5cが接続される。各TC5a〜5cには、釣銭として客に手渡されるべき現金が収納されている。そして、客の支払いの際に釣銭に相当する金額の金銭が放出される。また客から受け取った現金はTCに収納され、金種が判別された後に金種毎に分類され、釣銭準備金に充当されることになる。なお、計数できなかったり金種判別ができないような現金は、TCからリジェクトされる。図2は、TCにおける現金の出入りを概略的に図示した図面である。
ここで、各POS3a〜3cからは、それぞれ接続されたTC5a〜5c内の現金在高を取得でき、現金在高は金種毎に把握できる。また、各POS3a〜3cが得たTC5a〜5c内の現金在高は各POS3a〜3cからSSV1に送信される。そして、各POS3a〜3cから送信されたTC5a〜5c内の現金在高は、POS番号及びキャッシャ番号と関連付けて、SSV1内の格納領域に格納される。
一方、支払い時に商品券等が利用された場合には、これをTC5a〜5cに投入することはできない。そのため、このような商品券などの商品券類は、ドロア4a〜4cに収納されることとなる。
なお、金種が判別できないなどの理由によりTC5a〜5cからリジェクトされた金銭や、TC5a〜5cが満杯となり収納しきれなくなった金銭などを、ドロア4a〜4cに収納するようにしても良い。
これらのドロア4a〜4cに収納される類の現金については、その金種等のデータは、キャッシャがPOS3a〜3cを操作することにより手入力されるか、現金収納機2にドロア4a〜4cを持ち込むことにより入力されることになるが、少額であることからキャッシャにとっては実質的な負担にはならない。
なお、図1に図示されたPOSシステムではいわゆるフローティングキャッシャ方式が採用されている。この場合には、個々のキャッシャは自分のドロアを持っており、POSをキャッシャが利用する場合には、自身のドロアをPOSにセットする。また、キャッシャが一方のPOSから他方のPOSに移動する場合には、キャッシャは自分のドロアを一方のPOSから取り外し、移動先のPOSにセットする。一方、TCはそれぞれのPOS固有のものであり、キャッシャがPOSを交替しても釣銭・釣札機は移動しないし、内部の現金もそのままである。そのため、本実施形態においては、それぞれのキャッシャがそれぞれのPOSで業務を行なった期間の、TC内の現金の増減を把握するための処理が行なわれる。
図1に戻り、SSV1は以下のような機能を備える。なお、一部の機能については周知のPOSシステムと同様の機能となっている。
・POSターミナルの価格コントロール
図1に図示されるPOSシステムにおいては、各々のPOS3a〜3cにプライスルックアップテーブル(PLU)が備えられており、商品購入時にはバーコードの読取やキーボードからの商品コード等の入力に基づいてPLUが検索され、商品価格や商品名などの情報を読み出して精算処理が実行される。ここで、新規商品の追加や商品の削除、価格変更などのために、これらのPLUファイルのメンテナンスを行なう必要がある。これらのPLUファイルメンテナンスはSSV1により行なわれる。
また、特にスーパーマーケットなどの場合には特売が行なわれるが、そのための特売データの生成と各POS3a〜3cへの送信もSSV1で行なわれる。
・売上データの集計
SSV1には、各POS3a〜3cから各取引毎の売上データが送信され、SSV1は、これらの売上データを、キャッシャ別に、或いはチェッカー別に集計する。
一方、各POS3a〜3cは以下のような機能を備える。
・来店客の買上げ商品の読取
・顧客への請求額の計算
・取引毎のレシートやジャーナルの印刷
・取引ログのSSV1への送信
・取引別の集計
次に、図1に図示されたPOSシステムにおける現金管理の手順について説明する。
まず、POS3aでの手陣について説明する。POS3aにはドロア4aとTC5aが備えられている。前述した通り、本実施形態においては、基本的に、現金(紙幣,硬貨)の出入りはTC5aにて行い、商品券類の出入りはドロア4aにて行う。このうち、ドロア4aはキャッシャがPOS3aを移動・交替する際にキャッシャと一緒に移動する。一方、TC5aはPOS3aに対して固定である。
ここで、POS3a内の集計領域(つまりドロア4a+TC5a)に格納されているべき現金額をHe(0)とし、ドロア4a内に開局前に存在している商品券の額をD(0)、TC5a内にある前日からの繰り越し準備金額(=開局前の釣銭準備金額)をM(0)とする。この場合、
He(0)=D(0)+M(0)(なお、「0」は「開局前」を指す)
で表される。通常、ドロア内4aの商品券は、前日の業務終了時に回収されるため、この場合にはD(0)=0である。一方、TC5a内に現金を保留させておくのであれば、M(0)=前日の閉局時点においてTC5a内に存在していた現金金額となるはずである。
続いて、キャッシャが業務を開始するために、POS(1)の開局操作が行なわれる。この際にキャッシャは、釣銭準備金δM(1)(硬貨及び札)をTC5aに投入する。投入された釣銭準備金δM(1)はTC5aの計数機能により金種別に計数される。
ここで、各金額は、
ドロア4a内にある商品券額
=D(1) (=0:開局時に開局時に商品券は存在しない)
TC5a内にある現金額(紙幣,硬貨)
=M(1)=M(0)+δM(1)
となる。
なお、各符号に付された数字は開局時点を「1」とした通番であり、処理が行なわれる毎に「1」増加するものとする。また、各符号に付された「δ」は、その操作時点での金額の増減分を示す。
開局操作に続いて、POS3aではキャッシャ登録が行なわれる。ここではキャッシャを識別するためのキャッシャ番号Ca(j)がキャッシャ自身により入力される。なお、キャッシャ番号に付された符号「j」はキャッシャ固有の符号である。
続いて、POS3aからSSV1に対して図3(a)に図示された形式の電文が送信される。なお、各データの詳細はいずれも上述した通りである。
・POS3aの識別データ:POS(1)
・キャッシャの識別データ:Ca(j)
・ドロア4aの商品券の額:D(1)
・TC5a内にある現金金額(紙幣,硬貨):M(1)
ここで、M(1)は、POS3aからTC5aに対して在高報告要求が出された結果、TC5aから返信された応答の値となる。前述の通りTC5aには投入された現金及び放出された現金の額を計数する機能が備えられており、この計数結果に基づいてその時点でTC5a内に収納されている現金の額を金種別に算出することが可能である。
一方、SSV1はPOS3aからの電文を受信して、その内容を集計テーブルに書き込む。
このような開局操作の後にPOS3aを利用した精算処理が実行される。
続いて、来店客が商品を購入する際の精算・登録処理について説明する。
まず、キャッシャは客が購入しようとする商品に付されたバーコードをスキャンする。これに基づいて、POS3aではPLU(Price Look Up)ファイルが参照され、当該商品の価格等の商品情報が検索される。そして、検索された商品価格や商品名などの情報が、POS3aのディスプレイ上に表示される。
客が購入しようとする商品の全てが登録されると、キャッシャはPOS3aに設けられた精算キーを押下する。これによって代金が算出され、キャッシャが客から代金を預かる。次に、キャッシャは預かった現金をTC5aに投入する。もし商品券等が利用された場合には、預かった商品券をドロア4aに投入するとともに、その商品券の相当額をPOS3aから入力する。続いてPOS3aにより放出されるべき釣銭額が算出され、TC5aから算出された額の釣銭が放出され、客に手渡される。
このように、商品券の入力はPOS3aの図示せぬキーボードから行うことになるが、現金については、TC5aの現金計数機能を利用し、キャッシャが預かった現金をTC5aに投入することで、投入された現金額が預かり金額として自動的に入力される。同様に、放出されるべき釣銭についても、TC5aより放出されることから、出金額についても自動的も入力される。この投入された現金額と放出された現金額とから、TC5a内の増減額δM(2)は一義的に定まる。なお、既に述べた通り、TC5aに投入された預かり金は、そのまま釣銭補充金となる。 この後、この時点における各金額が算出される。具体的には、
D(2) =D(1)+δD(2)
M(2) =M(1)+δM(2)
である。そして、これらの算出された金額は、一時的にPOS3aに記憶される。
以降、精算処理が順次行なわれるごとに、n回目の精算時点における各種の金額
D(n) =D(n−1)+δD(n)
M(n) =M(n−1)+δM(n)
が算出される。
この後、キャッシャが交替、あるいは業務が終了する場合、キャッシャCa(j)によるPOS3aでの操作を終了させるための処理・操作が実行される。そして、以下のデータが、図3(b)に図示された形態の電文としてSSV1に送信される。
・ドロア4a内の商品券額:D(n)
・TC5a内にある金額:M(n)
一方、SSV1はPOS(1)からのデータを受信し、キャッシャCa(j)が開局時から現在までに扱った現金等の総額(理論値)DCa(1、j、n)を、以下のようにして算出する。
DCa(1、j、n)=(D(n)−D(1))+(M(n)−M(1))
なお、DCa(1、j、n)の「1」はPOS3aを識別する番号を、「j」はキャッシャを識別する番号を、「n」は最終の取引通番をそれぞれ示している。そして、SSV1ではPOS3aから受信したデータを集計テーブルに書き込む。
同様に、キャッシャ(i)がPOS3bを開局後操作した場合、POS3bにおける各金額は、
D(m) =D(m−1)+δD(m)
M(m) =M(m−1)+δM(m)
となる。そして、開局後m+1の時点でキャッシャ交替となる場合には、キャッシャCa(i)はPOS3bでの操作を終了し、POS3aでキャッシャCa(j)が行なった際と同様に
・ドロア4b内にある商品券額:D(m)
・TC5b内にある金額:M(m)
がPOS3bからSSV1に図3(c)に図示される電文形式で送信される。
これによって、SSV1はキャッシャCa(i)が開局時から現在までに扱った現金等の総額(理論値)DCa(2、i、m)を
DCa(2、i、m)=(D(m)−D(1))+(M(m)−M(1))
として算出する。
次に、この時点でキャッシャCa(j)がPOS3bでの操作を開始する場合について説明する。なお、キャッシャCa(j)と一緒にドロア4aが移動し、POS3bにセットされる。
この場合には、キャッシャCa(j)がPOS3bでの操作を開始するための処理を行なう。これに合わせて、SSV1に以下のデータが図3(d)に図示されるような形式で送信される。
・ドロア4aに存在する商品券額:D(m)
・TC5bの内部に存在する金額:M(m)
この時、D(m)の値は、ドロア4aにそれまで存在していた値、すなわちD(n)の値と置き換わる。一方、M(m)については変動がない。
続いて、キャッシャCa(j)がPOS3bを用いて精算処理を行なう。その度に、各金額が算出され、キャッシャCa(j)の交替からL番目の処理が終了した時点での金額が、
D(m+L) =D(m+L−1)+δD(m+L)
M(m+L) =M(m+L−1)+δM(m+L)
と算出される。
この後、キャッシャの交替、あるいは業務が終了する場合、先と同様にキャッシャCa(j)によるPOS3bの操作終了となる。そして、
・ドロア4a内にある商品券類:D(m+L)
・TC5b内にある金額:M(m+L)
が図3(e)に図示された電文形式でSSV1に送信される。
これによって、SSV1はキャッシャCa(j)が移動時時から現在までにPOS3bで扱った現金等の総額(理論値)DCa(2、j、m+L)を
DCa(2、j、m+L)
=(D(m+L)−D(m))+(M(m+L)−M(m))
が算出される。
ここで、キャッシャCa(j)はPOS3aとPOS3bとを利用しているため、キャッシャCa(j)が扱った現金等の総額
DCa(j)=DCa(1、j、n)+DCa(2、j、m+L)
が算出され、集計テーブルにキャッシャ毎に記録される。
なお、図4はこれらの処理の流れをおおまかに図示した図面であり、特定のキャッシャが途中でPOS3aからPOS3bに交替する例を図示するものである。
開局時には、POS3aからSSV1に対してその時点における情報(図3(a)に相当)が通知される。
一方、キャッシャがPOS3aからPOS3bに交替する場合には、まずPOS3aからSSV1に対して交替(終了)の通知が行なわれ、その際に上述した情報(図3(b)に相当)がPOS3aからSSV1に送信される。そして、 POS3bからSSV1に対して交替(開始)の通知が行なわれ、その際に上述した情報(図3(d)に相当)がPOS3bからSSV1に送信される。
キャッシャがPOS3bの操作を終了する際には、POS3bからSSV1へ交替(終了)及び精算(終了)の通知が行なわれ、その際に上述した情報(図3(e)に相当)がPOS3bからSSV1に送信される。
なお、上述した通り、本実施形態ではドロア4aには現金を収納せず、商品券のみを収納するものであるが、TC5a,5bに現金が収納しきれずに、止むを得ず現金をドロア4aに収納する事態が起こり得る。
これら不測の事態を考慮して、キャッシャがPOS3bの操作を終了する際には、キャッシャはドロア4aを現金収納機2に持ち込み、その場でドロア4a内の現金を投入・計数するようにすると良い。
現金収納機2で計数された金額はSSV1に送信され、SSV1でキャッシャ別に集計される。上述した不測の事態により、ドロア内に現金が収納されている場合、その金額は現金収納機2で計数されるまで確定しないが、このような事態が起こることは少なく、基本的には、現金はTC内でほぼ全て管理されているので支障はない。
図5は、店舗で印刷される店内の現金の所在ごとの、金種別の在高表の例を図示した図面である。なお、図5は閉局処理時、つまり店舗の業務終了の段階で作成された在高表を図示している。
図5の在高表は、各POSに設けられたTC内に保留されている現金と、店舗内の現金収納機内に保留されている現金との枚数を、金種毎に集計したものである。
図示される通り、在高表には各POS/収納機内の現金総額と、個々の金種毎の収納枚数とが記される。ここで、TCには、翌日の開局時に収納される適切枚数が金種毎に予め設定されている。これは、店舗の営業時間中にどれだけ客から預かり、またどれだけ釣銭として放出するかといった経験則から導き出されるものであり、極力補充、或いは回収の機会を減らすための適正値である。
本実施例における適正枚数は、500円硬貨については50枚、その他の硬貨、および1000円札については100枚ずつ、また5000円札については20毎と設定されている。なお、10000円札については、釣銭として放出される可能性がないため、適正枚数は設定されない。図5に図示された在高表では、各金種毎のTCの収納部への不足枚数も、在高と合わせて印刷される。各マスの下段の数字が不足枚数に該当する。
従って、店員は翌日の業務開始前に、どのPOSに併設されたTCに、どの金種をどの程度補充すればよいのかを容易に把握することができ、開店前の釣銭補充の作業を効率よく行なうことが可能となる。
なお、図5の例は閉局処理時のものであるが、店舗の営業期間中はPOSから上述した各種金額情報が、例えば一取引終了毎にSSV1に転送されてくるようにし、在高表を電文受信毎に適宜更新するようにしてもよい。このように在高表を適宜更新し、必要に応じて参照できるようにすることで、各POSにおける各時点の現金在高の状況を容易に把握することができる。これによって、釣銭の補充や高額紙幣の回収が必要なPOSが判るため、釣銭補充・高額紙幣の回収を効率的に行なうことが可能となる。
SSV1が、TC内の金種の補充/回収を判断するためには、各POSから送られてくる在高情報(図3の電文)受信する必要があるが、逆に、SSV1からPOS/TCに対して在高要求を行い、POS/TCから回答を送信させるようにしてもよい。これによって、SSV1側でどのPOS/TCで釣銭補充あるいは現金回収を必要としているのかを把握することができる。
図6は、上記の動作を時系列で説明した図面である。
図6(a)のケースでは、POSが主体的にSSV1に対して在高を通知する例を説明している。SSV1への在高に先立って、POSはTCに対して在高情報を要求する。これに応じて、TCではその内部に収納されている各金種毎の在高を算出、POSに通知する。
TCからの回答を受信後、POSはその内容をSSV1に通知する。これによって、SSV1はPOSの在高を把握することが可能となる。
図6(b)は、SSV1からPOSに問い合わせを行なう形態を説明した図面である。この場合、SSV1からPOSに対してTCの在高報告要求が送出される。これに応じて、POSはTCに対し在高報告を要求する。あとは図6(a)の例と同様に、TCからPOS端末に在高が報告され、その結果がSSV1に報告される。
図6(a)、(b)いずれの例についても、POSからの報告を受けてSSV1では釣銭補充、現金の中間回収の要否を判断する。
【発明の効果】
このように、本発明では、各POS端末を操作するキャッシャが各自POS端末/釣銭釣札機内の現金在高を把握する必要がなくなり、キャッシャの手間を省くことも、キャッシャによるミスをなくすこともできるようになる。そして、効率的な釣銭補充・現金回収を行なうことが可能となる。
また、閉店時点における釣銭準備金がそのまま保留しておくことが可能となるので、これによって、開店時に金融機関から釣銭準備金を運んだり、閉店時に金融機関に現金を持ち込む必要性を最小限に止めることが可能となる。
さらに、金融機関への事前の釣銭準備金の預金や、金融機関に支払う必要があった各種の手数料、あるいは店員等の人件費を低減させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるPOSシステムの概要構成図である。
【図2】釣銭釣札機への現金の出入りを概念的に図示した図面である。
【図3】POSからSSV1に転送される電文の形式を示す図面である。
【図4】キャッシャ操作に応じたPOS−SSV−現金収納機間の情報の流れを図示した図面である。
【図5】一実施形態による現金在高表の一例を示す図面である。
【図6】SSV−POS−TC間の在高情報の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 SSV
2 現金収納機
3a,3b,3c POS端末
4a,4b,4c ドロア
5a,5b,5c TC
Claims (2)
- 店舗内に設けられ、入出金された現金を金種別に計数する機能を有する釣銭・釣札機が接続されたPOS端末装置と、前記POS端末装置が接続されるストアサーバと、からなるPOSシステムであって、
前記POS端末装置は、1取引毎に、前記釣銭・釣札機に投入される客から受取る現金種別、前記釣銭・釣札機より排出される客へ返金する現金種別とから定まる前記釣銭・釣札機内の金種別在高情報を前記釣銭・釣札機より受信し、所定のタイミングで前記ストアサーバに送信するとともに、
前記ストアサーバは、前記店舗内の前記各POS端末装置から受信した前記金種別在高情報を集計し、前記集計された金種別在高情報および予め設定された釣銭・釣札の適切収納数に基づいて前記各POS端末装置の金種別の釣銭過不足を算出し、前記算出された金種別の釣銭過不足を前記POS端末装置別に一覧によって比較可能となるように出力することを特徴とするPOSシステム。 - 店舗内に設けられ、入出金された現金を金種別に計数する機能を有する釣銭・釣札機が接続されたPOS端末装置が接続されるストアサーバであって、
前記店舗内の前記POS端末装置が、1取引毎に、前記釣銭・釣札機に投入される客から受取る現金種別、前記釣銭・釣札機より排出される客へ返金する現金種別とから定まる前記釣銭・釣札機内の金種別在高情報を所定のタイミングで受信し、
前記金種別在高情報を集計し、前記集計された金種別在高情報および予め設定された釣銭・釣札の適切収納数に基づいて、前記POS端末装置の金種別の釣銭過不足を算出し、前記算出された金種別の釣銭過不足を前記POS端末装置別に一覧によって比較可能となるように出力することを特徴とするストアサーバ。
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