JP3673035B2 - 超音波トランスジューサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧電セラミックスから形成された圧電振動子を複数個一列に配列した圧電体を使用して超音波を出力し、その反射した超音波を受信する超音波トランスジューサに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置や探傷装置に使用されている超音波トランスジューサでは、超音波を送受信する素子として圧電振動子を使用しているが、細長い短冊状の圧電セラミックスから形成された圧電振動子多数個を一列に配列した電子フォーカスを行うことができるアレイ状の超音波トランスジューサが現在最も多く使用されている。
【0003】
このアレイ状の超音波トランスジューサでは多数個の各素子( 圧電振動子 )の電極からそれぞれ送受信信号の授受を行うためリード線及びアース線を接続する必要がある。すなわち、制御回路からこのリード線を通して送信信号( 制御信号 )を各素子へ出力し、各素子から受信信号がこのリード線を通して信号処理回路へ入力される。
そのリード線及びアース線を各素子の電極に接続する方法として、フレキシブルプリント配線板を電極面に接続したり、振動子側面の回し込み電極部分にリード線を接続する等の方法が一般的にとられている。
【0004】
振動子電極にフレキシブルプリント配線板を接続する方法としては、一般に半田付けや導電性接着剤、溶接、異方性導電フィルム等を使用する方法が知られている。
一般的に振動子電極の材料としては、従来の圧電セラミックスでは焼き付け銀電極が最も多く使用されているのに対し、複合圧電体ではスパッタや蒸着、メッキ等による金属薄膜等が使用されている。
【0005】
超音波トランスジューサの駆動電極を引き出す方法としては、圧電板の電極にフレキシブルプリント配線板( FPC )を接続し、このFPCの配線パターンを利用して引き出す方法がある。この引出方法では、圧電板に単一のFPCを電気接続した後、圧電板とFPCとをFPCの配線パターンに合せて切断することによってアレイ状の超音波トランスジューサを実現する。
コンベックス( 凸形 )形状の超音波トランスジューサを実現する方法としては圧電板とFPCとを切断した後、アレイ方向にコンベックス形状に屈曲し、予めFPCに設けられたFPC配線パターン間隙であって、かつ圧電板近傍に至るスリットを利用してFPCを折り畳み収納する方法が開発されている。
【0006】
図12( a )の上面図、図12( b )の側面図及び図15に示すように、超音波トランスジューサは、圧電板101とバッキング材103にFPC102が一部分挟み込まれた構造となっている。FPC102には、銅等により形成された配線パターン( 引出線 )104-1〜104-16 が形成されており、配線パターン104-4と104-5との間隙、配線パターン104-8と104-9との間隙、配線パターン104-12 と104-13 との間隙に予備スリット105-1〜105-3が形成してある。
【0007】
FPC102の配線パターン104-1〜104-16 が形成された表面に圧電板101が固定され、圧電板の電極と各配線パターン104-1〜104-16 とが電気的に接続されている。
バッキング材103は音響特性を向上させるため、圧電板101の背面に固定されている。
図13に示すように、FPC102上の配線パターン104-1〜104-16 の各間隔は、信号引出が容易になるように、圧電板101側から離れる方向に向かって除々に広がるように形成されている。
【0008】
図14( a )の上面図及び図14( b )の側面図に示すように、超音波トランスジューサは、上述した構造体を各配線パターン104-1〜104-16 に基づいて分割することによりアレイ型超音波トランスジューサが形成される。
すなわち、圧電板101は、16本の配線パターン104-1〜104-16 と1対1に対応した16個の圧電板( 圧電素子、振動素子 )101-1〜101-16 に分割され、FPC102は、予備スリット105-1〜105-3により、4個の分割基板102-1〜102-4に分割される。しかし、バッキング材103は、スリット溝が形成されるものの分割せずに、この超音波トランスジューサを一体型として保持している。なお、この分割の工程の前後に、音響整合層の形成やアース電極の引出し等が行われる。
【0009】
さらに、コンベックス形状( 凸形形状 )にするためには、バッキング材103を圧電板101-1〜101-16 のアレイ配列方向沿って凸状に屈曲させ、図15に示すように、FPC102の各分割基板102-1〜102-4を折曲げて、図16に示すように重ねることにより、この超音波トランスジューサを収納性良く取扱うことができる。
【0010】
電子スキャン方式の超音波トランスジューサでは、スキャン方向( 超音波振動子のアレイ配列方向 )の音場形成を電子制御で行っているので、その音場特性を向上させるためには、アレイ配列方向の振動素子の配列ピッチを小さく微細にしたものが開発されている。
図17は、電子スキャン方式の超音波トランスジューサのスライス方向( 超音波振動子のアレイ配列方向に直交する方向 )の概略の構成を示す断面図である。
【0011】
この超音波トランスジューサは、圧電セラミックス層111を中層として、上層に音響整合層112が形成され、下層にバッキング材113が形成されている。さらに、音響整合層112の上層( 超音波送受信面側 )に音響レンズ114が設けられている。
【0012】
圧電セラミックス層111は、図示しないがアレイ配列方向( 図面の紙面に垂直な方向 )に圧電素子( 振動素子 )が複数個配列されており、この圧電セラミックス層111の配列に応じて音響整合層112も分割されており、バッキング材113の上面部もそれに応じた形状になっている。
圧電セラミックス層111の上面( 音響整合層112との境界面 )には共通電極が形成され、この共通電極はグラウンド( 0 [V] )に接続されている。圧電セラミックス層111の下面( バッキング材113との境界面 )には駆動電極が形成され、この圧電セラミックス層111とバッキング材113との間に、FPC115が介挿されている。そして各個別電極とFPCの配線パターンとは1対1に対応して電気的に接続されている。
音響レンズは、スライス方向に超音波を収束させる機能を有し、最適な音場形成を行う。
【0013】
また、図18に示すように、超音波トランスジューサの圧電体( 振動素子 )121の下面( 背面=超音波の出力面の反対側の面 )に形成された駆動電極122及びその上面( 前面=超音波の出力面 )に形成された共通電極123から信号線及びアース線を引出すのに、まず、共通電極123を圧電体121の背面まで引き回し、信号線を引出すための信号用FPC124の先端部を駆動電極122に半田付け等で接続し、またアース線を引出すためのアース板125の先端部を共通電極123の背面に引き回された部分に半田付け等で接続している。
なお、これらのFPC124と電極122,123との半田付け等による接続後、バッキング材126及び音響整合層127がそれぞれ圧電体121の背面及び前面に形成される。
【0014】
また、診断能を向上させるため、より高分解能な超音波トランスジューサが要求されており、柱状の圧電セラミックスの間隙に樹脂を注入し、前面( 超音波送受信面 )及び背面に電極を形成した複合圧電体を圧電板として使用する超音波トランスジューサが開発されている。
この複合圧電体は、圧電セラミックスを柱状でかつ小形状にすることによって圧電体の電気・超音波の変換効率を増大し、超音波トランスジューサの感度を増大させること、圧電体に占める圧電セラミックスの比率を小さくして圧電板の音響インピーダンスを低減することによって生体との音響整合を向上するという特徴を持っている。
【0015】
複合圧電体の製造方法の1例を、以下に説明する。
まず、図19( a )に示すような圧電セラミックス板121の一方の面において、ダイシングマシーンやワイヤソー等により図19( b )に示すように、予め設定された深さで格子状の溝122を形成する。すなわち、圧電セラミックス板121の反対側の面はそのまま残す。
次に、図19( c )に示すように、格子状の溝122にエポキシ樹脂を充填して加熱硬化あるいは室温硬化させる。
このエポキシ樹脂が完全に硬化した後、図19( d )に示すように、圧電セラミックス板121の溝122の形成面の反対側のそのまま残した面を研削加工又は研磨加工により、予め設定された深さを厚さとして、完全に圧電セラミックスが柱状に分割されるまで成形する。このとき、柱状の各圧電セラミックスはエポキシ樹脂により確実に接合されている。
【0016】
このようにして製造された、2次元配列の柱状の圧電セラミックスエレメントをエポキシ樹脂で接合した複合圧電体には、その前面及び背面に薄膜電極が蒸着法又はスパッタ法等によって形成される。
アレイ型の超音波トランスジューサを実現するためには、複合圧電体にアレイ形状に分割された電極を形成した後、音響整合層、バッキング材等を形成する方法や複合圧電体上に一面に電極を形成し、音響整合層、バッキング材等を形成した後、アレイ形状に音響整合層及び電極を分割する方法などがある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
電極からの信号引出しに使用するFPCは、配線パターンの精度に製造上の限界があり、超音波トランスジューサのアレイ方向の配列ピッチが小さく、配列数が多くなった場合、主に配線パターンのピッチ誤差が大きくなり、超音波トランスジューサのアレイ型の圧電体のアレイ配列ピッチの精度にも悪い影響を与える虞があるという問題があった。
さらに、超音波トランスジューサのアレイ方向の配列ピッチ及び配列数が、FPCの製造上の限界を越えてしまうと、FPCの製造が困難になるか又はFPCの製造の歩留まりが低下して、FPCのコスト上昇になり、それにともなって著音波トランスジューサのコスト上昇になるという問題があった。
【0018】
また、FPCの配線パターンの間隙が所定幅より狭くなると、予備スリットを形成することができなくなり、コンベックス形状の超音波トランスジューサが実現できなくなるという問題があった。
また、圧電セラミックスを分割してアレイ状に配列した複数個の振動素子を形成したとき、振動素子のスライス方向の長さが同じで、振動素子のアレイ方向( スキャン方向 )の長さ( 幅 )を小さくすると、振動素子の形状はより細長い棒状となり衝撃に対する強度が低下し、外力による衝撃により振動素子に損傷が発生しやすくなる。そのため外力による衝撃が振動素子に影響しないようにする必要がある。
【0019】
また、スライス方向の音場形成のため音響レンズを超音波トランスジューサの前面に配置して使用しているが、音響レンズの音響的な減衰を受けて、超音波の送受信感度が低下するという問題があった。特に、音響レンズの焦点を近傍に設定する場合、音響レンズの厚さが厚くなり、減衰が大きくなって、超音波の送受信感度の低下が大きくなるという問題があった。
また、複合圧電体の前面及び背面一面に薄膜電極を形成した後、薄膜電極を各振動素子毎に分割するものでは、薄膜電極の複合圧電体への付着強度及び薄膜電極自体の強度が小さい等の理由により、その分割工程で、薄膜電極の一部が複合圧電体から剥離する不良や薄膜電極が断裂する不良が生じるという問題があった。
【0020】
また、複合圧電体は、前述したように、電極材料として、焼け付け銀電極が使用できないため、薄膜電極等の電極が使用されており、薄膜電極から信号線の引出しを行う場合、薄膜電極等の薄膜電極の強度が弱いことや接合性が悪いことから、ハンダ付けによる接合が使用できず導電性接着剤を使用している。しかし、導電性接着剤では接合強度が低いため、接合面積を大きくする必要がある。この薄膜電極から信号線の引出しを行う部分( 接合部分 )は振動の無効部分であるから、送受信効率を向上させるためには、振動の無効部分を削減する必要があり、導電性接着剤の接合部分を小さくしなければならないという問題があった。
さらに、薄膜電極から信号線の引出しを行う場合、その信号線の引出し部分は、例えば図18に示すように、FPC124,125の先端が、圧電体121とバッキング材126との間に入り込んで剛性上の不連続点となり、例えば圧電体の切断によるアレイ形成時に印加される外力に対する応力が集中して損傷する可能性が高くなるという問題があった。
また、前面の引出し部分を設けた場合も同様に、剛性上の不連続点となり、外力に対する応力が集中して損傷する可能性が高くなるという問題があった。
【0021】
そこでこの発明は、圧電板の電極からの信号線の引出しを高い精度で行うことができる超音波トランスジューサを提供することを目的とする。
また、圧電板の電極からの信号線を引き出す部分の損傷を防止することができる超音波トランスジューサを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1局面において、圧電セラミックスから形成された圧電振動子をN個一列に配列した圧電体を使用して超音波を出力し、その反射した超音波を受信する超音波トランスジューサにおいて、前記各圧電振動子の超音波出力面及びこの超音波出力面の反対側の面に形成された各電極に電気的に接続された並列的に配列された総計N本の配線パターンが形成されたM枚のフレキシブルプリント配線板を設けたことを特徴とする超音波トランスジューサである。
本発明は第2局面において、圧電セラミックスから形成された圧電振動子をN個一列に配列した圧電体を使用して超音波を出力し、その反射した超音波を受信する超音波トランスジューサにおいて、前記各圧電振動子の超音波出力面及びこの超音波出力面の反対側の面に形成された各電極に電気的に接続された並列的に配列された総計N本の配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板を設け、このフレキシブルプリント配線板に形成された各配線パターンに、予め設定された間隔で導電体の露出した露出部を設け、前記各圧電振動子は、前記フレキシブルプリント配線板上に形成された配線パターンの配列方向と直交する方向にK個に分割され、これらの分割物の間の間隙に樹脂を充填して形成され、複数の分割物は、前記フレキシブルプリント配線板の各配線パターンに形成された複数の露出部を介して、対応する配線パターンに共通に接続されることを特徴とする超音波トランスジューサである。
本発明は第3局面において、圧電セラミックスから形成された圧電振動子を使用して超音波を出力し、その反射した超音波を受信する超音波トランスジューサにおいて、前記圧電振動子の超音波出力面及びこの超音波出力面の反対側の面に形成された各電極に電気的に接続された中継電極を設け、この中継電極は、前記各電極に電気的に接続する導電材により形成された電極接続部と、前記圧電振動子へ駆動電力を供給すると共に前記圧電振動子からの受信信号を引出す引出線を電気的に接続する導電材により形成された引出線接続部と、前記電極接続部と前記引出線接続部とを電気的に接続して保持する保持部材とから構成され、前記中継電極は、前記圧電振動子からなる圧電体の超音波出力面の反対側の面に前記背面部材に埋設されて前記各電極と電気的に接続されており、前記中継電極の前記圧電体の超音波出力面の反対側の面における占有範囲は、超音波の出力範囲の前記圧電体の超音波出力面の反対側の面に延長された範囲と重ならないように制限されていることを特徴とする超音波トランスジューサである。
【0026】
請求項7対応の発明は、請求項6対応の発明において、中継電極は、圧電振動子の側面又は圧電振動子の超音波出力面の反対側の面に形成された背面部材の側面に設けられたものである。
請求項8対応の発明は、請求項6及び請求項7のいずれか1項対応の発明において、中継電極は、導電性接着剤を使用して各電極と電気的に接続したものである。
請求項9対応の発明は、請求項6及び請求項8のいずれか1項対応の発明において、中継電極は、圧電振動子からなる圧電体の超音波出力面の反対側の面に背面部材に埋設されて各電極と電気的に接続されており、中継電極の圧電体の超音波出力面の反対側の面における占有範囲は、超音波の出力範囲の圧電体の超音波出力面の反対側の面に延長された範囲と重ならないように制限されているものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1を参照して説明する。
図1( a )及び図1( b )は、この発明を適用した超音波トランスジューサを示す上面図及び側面図である。
振動素子に分割する前の圧電セラミックス板1の前面( 超音波出力面、上面 )及び背面( 超音波出力面の反対側の面、下面 )の表面に予め焼付銀電極を形成しておき、この焼付銀電極に隙間ない配列で複数枚のフレキシブルプリント配線板( 以下FPCと称する )2〜5を電気的に接続する。それぞれのFPC2〜5は、前記圧電セラミックス板1を分割して形成される振動素子の電極引出しのための配線パターンが形成されている。前記各FPC2〜5は、配線パターンがそれに対応する圧電振動素子の位置に接続されるように位置合せして前記圧電セラミックス板1に接続される。前記圧電セラミックス板1の背面には、一部前記FPC2〜5を挟んで、バッキング材6が形成されている。
【0028】
前記各FPC2〜5の両辺縁部は、前記圧電セラミックス板1に配線パターンを位置合せして接続した際に他のFPCと重ね合わないように、最辺縁の配線パターンからその両最辺縁外周端までの寸法を規定している。すなわち、前記圧電セラミックス板1との接続部において、最辺縁配線パターンの中心と最辺縁外周までの距離が、この超音波トランスジューサのアレイ配列ピッチ( 圧電セラミックス板1を分割して形成される振動素子の配列ピッチ )より小さくなっている。
【0029】
前記FPC2〜5にそれぞれ形成された配線パターンの配列ピッチは同一ではなく、最辺縁配列パターンとそれに隣接する( 内側の )配線パターンとの間隙t1は他の( 内側の )配線パターンの配列ピッチt2よりも狭くし、隣接するFPCの隣接する最辺縁配線パターン間の間隙t3は、前記他の配線パターンの配列ピッチを同一とした場合の配列ピッチ( 例えば振動素子の配列ピッチ )よりも大きくしてある。
【0030】
前記圧電セラミックス板1に前記各FPC2〜5を接続した後、バッキング材、音響整合層等を固定し、最終的に前記FPC2〜5の各配線パターンに沿って、図1( b )に示すように圧電セラミックス板、音響整合層、バッキング材等を分割することによって、この超音波トランスジューサが完成する。なお、簡単のため、図1( b )には音響整合層等は省略してある。
さらに、この超音波トランスジューサをコンベックス型にするためには、この超音波トランスジューサを前記各FPC2〜5の配線パターンに沿って分割した後、アレイ方向に凸状に屈曲させる。このとき、それぞれの前記各FPC2〜5が独立した方向に、コンベックス型超音波トランスジューサとして小型に収納性良く折り畳むことが可能となる。
【0031】
このように第1の実施の形態によれば、圧電セラミックス板1を分割して形成する振動素子からブロック的に信号線の引出しをする複数枚の前記FPC2〜5を使用し、FPCの最辺縁配線パターンとそれに隣接する配線パターンとの間隙を他の配線パターンの配列ピッチよりも狭くし、隣接するFPCの隣接する最辺縁配線パターン間の間隙を他の配線パターンの配列ピッチより大きくしてあることにより、FPCにスリットを形成する必要がなく、より配列ピッチの小さい超音波トランスジューサの振動素子の信号線引出しに高い精度で対応することができ、しかもコンベックス型として小型に収納性良く折り畳むことができる。
【0032】
この発明の第2の実施の形態を図2乃至図7を参照して説明する。この第2の実施の形態は、スライス方向において複数個に分割された振動素子を使用した点に特徴がある。
図2は、この発明を適用した超音波トランスジューサを示す斜視図であり、図3は、超音波トランスジューサを示すFPCの配線パターン部分のスライス方向の断面図である。なお、図2は、超音波トランスジューサの一部を示すもので、全体の超音波トランスジューサは矢印A方向に繋がって伸びている。この図2中、矢印A方向は超音波トランスジューサのアレイ方向を示し、矢印S方向は超音波トランスジューサのスライス方向を示している。
【0033】
圧電体12の上面( 前面=超音波の出力面 )に形成された共通電極13上に音響整合層14が形成されている。また、前記圧電体12の下面( 背面=超音波の出力面の反対側の面 )に形成された駆動電極15と電気的にも接続された複数枚のFPC11が固定され、このFPC11の下面にバッキング材16が固定されている。
前記圧電体12は、圧電セラミックス材により形成された振動素子12-1と、この振動素子12-1間に充填された樹脂部12-2とから構成されている。
図3に示すように、前記FPC11の配線パターンには、突起状の導体露出部がちょうど前記圧電体12の各振動素子のスライス方向の配列ピッチと同じ間隔で形成されており、この導体露出部を電気的に接続することにより圧電体12の下面に形成された前記駆動電極15と前記FPC11の配線パターンとは電気的に確実に接続される。
【0034】
図4は、スライス方向に前記樹脂部12-2を挟んで1列に配列された複数個の前記振動素子12-1の電気接続の状態を示す図である。
すなわち、このスライス方向に1列に配列された前記各振動素子12-1の下面の駆動電極15には、FPC11の配線パターンを通して駆動部17から1つのチャンネルを駆動する駆動信号が供給されるようになっている。この駆動信号は、各配線パターン毎に独立しており、この配線パターンに沿ってスライス方向に配列された振動素子は1個の振動子として同一信号系で接続され、アレイ方向に位置が異なる振動素子はそれぞれ異なる信号系で接続されている。
また、超音波トランスジューサの全ての前記各振動素子12-1の上面の共通電極13は、共通にグラウンド( 0 [V])に接続されている。
【0035】
図5は、前記FPC11に形成された配線パターンを示す図である。
前記FPC11には、スライス方向に伸びている配線パターン21-1,21-2,21-3,21-4が形成されており、各配線パターン21-1〜21-4上には振動素子12-1のスライス方向の配列ピッチで導体露出部22-1〜22-8,…が設けられている。これらの導体露出部22-1〜22-8,…は、マトリックス状に2次元的に配列されている。
【0036】
図6は、前記導体露出部22を示す断面図である。
前記各FPC11は、ベース層23の上に接着剤24により配線パターンを形成する導体層25が形成され、この導体層25の上に接着剤26により絶縁材から形成されたカバーレイ27が形成されている。
前記導体露出部22は、前記導電層25上の所定位置の前記カバーレイ27に貫通孔を形成して、前記導体層25に電気的に接続されて前記カバーレイ27を通って前記カバーレイ27の上表面に突出する構造になっている。
【0037】
このような構成の第2の実施の形態の超音波トランスジューサの製造方法は、分割する前の圧電セラミックス板の背面( 超音波の出力面の反対側の面、図3では下面 )に駆動電極15を形成し、この駆動電極15にアレイ方向における振動素子の配置位置に合わせてFPC11を位置決めして、FPC11の各配線パターンの導体露出部22をそれぞれ駆動電極15に電気的に接続して各FPC11を圧電セラミックス板の背面に固定する。
この電気的な接続方法としては、半田付け、導電性接着剤、異方導電性フィルムによる方法や、電気絶縁性接着材を使用して圧力を加えて接続する方法などがある。
【0038】
次に、圧電セラミックス板の背面( 下面 )を覆うように、FPC11の背面にバッキング材16を形成する。
次に、圧電セラミックス板の前面( 超音波の出力面、図2では上面 )をスライス方向において複数個に分割するための所定幅を持つ複数本の分割溝( アレイ方向に伸びる溝 )を予め設定されたピッチ( 振動素子のスライス方向の配列ピッチに対応するピッチ )で形成する。このとき、この分割溝は、FPC11の配線パターンを損傷しないように、圧電セラミックス板まであるいは圧電セラミックス板の厚さの途中まで到達すれば良い。
次に、分割溝内に樹脂を充填する。
【0039】
次に、圧電セラミックス板をスライス方向において分割したもの及び樹脂の前面に共通電極13をスパッタ、蒸着等の薄膜形成の方法により形成する。
次に、この共通電極13の上面に音響整合層14を形成する。
次に、アレイ方向において複数個( チャンネル数 )に分割するための予め設定された幅の複数本の分割溝( スライス方向に伸びる溝 )を予め設定されたピッチ( 振動素子のアレイ方向の配列ピッチに対応するピッチ )で形成する。この分割溝は、この音響整合層14、共通電極13、圧電セラミックス板をスライス方向に分割したもの及び樹脂、FPC11及びバッキング材16の厚さの途中までに到達すれば良い。
【0040】
このように第2の実施の形態によれば、スライス方向において複数個に分割し、それらの間隙に樹脂を充填した圧電体( 複合圧電体の類似物 )を使用し、FPC11の配線パターンに突起した導体露出部22を振動素子のスライス方向のピッチに対応した間隔で形成し、この導体露出部22で振動素子と配線パターンとを接続したことにより、確実に電気的な接続を高い強度で行うことができ、引出し部における断線等の損傷を防止することができる。
【0041】
その結果、長い1枚のセラミックスから形成された振動素子に比べて、この圧電体の樹脂を挟んだ短いセラミックスから形成された振動素子12-1は、振動素子自体の強度が高く、しかも外力の衝撃を樹脂部12-2が分散して吸収するため、振動素子12-1の損傷を防止することができる。
なお、図7に示すように、圧電セラミックス板のスライス方向の分割数をより大きくして、振動素子のスライス方向の幅をより小さくすると、複合圧電体として機能し、電気機械的結合係数はより増大し、圧電体の音響インピーダンスをより減少させることができる。
【0042】
この発明の第3の実施の形態を図8を参照して説明する。なお、この第3の実施の形態の超音波トランスジューサは、前述の第2の実施の形態と基本的には同一の構成を有しているが、そのスライス方向の形状が異なっており、その点に特徴がある。
図8は、この発明を適用した超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図である。
スライス方向に略凹レンズ状に屈曲された圧電体21の上面( 前面=超音波の出力面 )に形成された共通電極22上に音響整合層23が圧電体21の屈曲形状に沿って形成されている。また、前記圧電体21の下面( 背面=超音波の出力面の反対側の面 )に形成された駆動電極24と電気的にも接続されたFPC25が固定され、このFPC25の下面にバッキング材26が固定されている。
前記圧電体21は、圧電セラミックス材により形成された振動素子21-1と、この振動素子21-1間に充填された樹脂部21-2とから構成されている。
複数個の振動素子の電気接続の状態及び、前記各FPC25上に形成された配線パターン及び導体露出部等の構成は前述の第2の実施の形態( 図4乃至図6参照 )と同一であるので、ここではその説明は省略する。
【0043】
このような構成の第3の実施の形態の超音波トランスジューサの製造方法は、分割する前の圧電セラミックス板の背面( 超音波の出力面の反対側の面 )に駆動電極24を形成し、この駆動電極24に、アレイ方向における振動素子の配置位置に合わせてFPC25を位置決めし、FPC25の各配線パターンの導体露出部をそれぞれ駆動電極24に電気的に接続してFPC25を圧電セラミックス板の背面に固定する。
次に、圧電セラミックス板の前面( 超音波の出力面 )をスライス方向において複数個に分割するための所定幅を持つ複数本の分割溝( アレイ方向に伸びる溝 )を予め設定されたピッチ( 振動素子のスライス方向の配列ピッチに対応するピッチ )で形成する。このとき、この分割溝は、FPC25の配線パターンを損傷しないように、圧電セラミックス板まで到達させる。
【0044】
次に、スライス方向に分割された圧電セラミックス板が固定されている全てのFPC25を、スライス方向に略凹レンズ状に屈曲させる。
次に、この屈曲した状態の各FPC25の背面を覆うように、バッキング材26を形成する。
次に、分割溝内に樹脂を充填する。
次に、圧電セラミックス板をスライス方向に分割したもの及び樹脂の前面に共通電極22をスパッタ、蒸着等の薄膜形成の方法により形成する。
次に、この共通電極22の上面に音響整合層23を形成する。
【0045】
次に、アレイ方向において複数個( チャンネル数 )に分割するための予め設定された幅の複数本の分割溝を予め設定されたピッチ( 振動素子のアレイ方向の配列ピッチに対応するピッチ )で形成する。この分割溝は、この音響整合層23、共通電極22、圧電セラミックス板をスライス方向において複数個に分割したもの及び樹脂、FPC25及びバッキング材26の厚さの途中までに到達すれば良い。
さらに、音響整合層23の前面に、超音波の減衰が少ない材料で撮影対象物の表面との接触性を考慮した形状の保護用被膜( 保護層 )を形成しても良い。また、略凹レンズ状の音響整合層23の前面の凹部を保護層により埋めて、超音波トランスジューサの前面として平坦な形状にしても良い。
【0046】
このように第3の実施の形態によれば、前述した第2の実施の形態の効果を得ることができると共に、スライス方向に屈曲した振動素子を形成することができるので、超音波が収束して焦点を形成するように屈曲形状を適切に選択すれば従来の音響レンズを使用せずに、スライス方向の音場形成が可能であり、音響レンズによる超音波の減衰がなく、超音波感度を向上させることができる。
なお、この実施の形態では超音波トランスジューサの製造方法として、圧電セラミックス板にFPC25を固定した後、直ぐに圧電セラミックス板をスライス方向において複数個に分割して、略凹レンズ状に屈曲させ、屈曲させた後バッキング材を形成する方法で説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、圧電セラミックス板にFPC25を固定した後、FPC25の背面に屈曲するのに適したバッキング材( 薄いバッキング材 )やその他の部材を形成してから、圧電セラミックス板をスライス方向において複数個に分割して、略凹レンズ状に屈曲させても良いものである。
【0047】
この発明の第4の実施の形態を図9乃至図11を参照して説明する。
図9は、この発明を適用した超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図である。
複合圧電体31は、例えば図7又は図19( d )に示すようなものである。この複合圧電体31の上面( 前面=超音波の出力面 )には、金属薄膜の共通電極32が形成されており、その下面( 背面=超音波の出力面の反対側の面 )には、金属薄膜の駆動電極33が前記複合圧電体31を構成する各振動素子( 図示せず )毎に形成されている。なお、ここでは電極として、金属薄膜を使用した例で説明するが、導電性の樹脂を使用しても良いものである。ただし、複合圧電体31では焼け付け銀電極は使用できない。
【0048】
なお、前記共通電極32は、前記複合圧電体31の下面までスライス方向に引き回されており、また、前記駆動電極33は、前記複合圧電体31の上面まで前記共通電極32とは反対側からスライス方向に引き回されている。
前記共通電極32の上面には、音響整合層34が両端部を覆わない( 共通電極及び引き回された駆動電極が露出したままとなる )ようにスライス方向の幅を短くして形成されており、前記駆動電極33の下面及び前記共通電極32の引き回された部分の下面に、すなわち前記複合圧電体31の下面全面にわたって、バッキング材35が形成されている。
【0049】
前記共通電極32の下面までの引き回し部分( 露出部分 )及び前記駆動電極33の上面までの引き回し部分( 露出部分 )には、導電性ペースト( 又は導電性接着剤 )36,37により引出用基板38,39が電気的・機械的に接続されている。
前記各引出用基板38,39には、前記共通電極32及び前記駆動電極33の形状に対応する電極層38-1,39-1が、前記引出用基板38,39の側面の表面を一周するように形成されており、前記各引出用基板38,39の前記共通電極32又は前記駆動電極33に接続される部分を内側としたときに、前記各引出用基板38,39の電極層38-1,39-1の外側部分の一部又は全面は、焼き付け銀電極により形成されている。
この各引出用基板38,39の焼き付け銀電極には、それぞれアース線を引出すためのアース板40及び信号線を引出すための信号用FPC41の配線パターンが半田付け等により接続されている。
【0050】
このような構成の第4の実施の形態においては、複合圧電体31の薄膜の強度の低い共通電極32及び駆動電極33は、それぞれ強度の高い引出用基板38,39の電極層38-1,39-1に一旦引出された後、この電極層38-1,39-1に形成されている焼け付け銀電極に半田付けされたFPC40,41の各配線パターンに引出される。
このように第4の実施の形態によれば、複合圧電体31の電極32,33の信号線及びアース線の引出しを引出用基板38,39を介してFPC40,41により行うことにより、FPC40,41の配線パターンの制約を受けずに、引出用基板38,39の電極層38-1,39-1の形状を複合圧電体31の共通電極32及び駆動電極33の形状に合わせることにより、十分な電気的接続面積及び自由な接続姿勢を得ることができ、FPC40,41はこの引出用基板38,39の焼き付け銀電極に半田付けにより接続されるので、結果的に複合圧電体31の電極32,33とFPC40,41とを高い強度で電気的に接続することができる。
【0051】
また、FPC40,41を引出用基板38,39を介して複合圧電体31の電極32,33に接続したことにより、FPC40,41の接続位置、接続姿勢を自由に選択することができるので、従来のようなFPCの折曲げが必要なく、超音波トランスジューサの形状の選択性が大きくなり、小形化を実現することができると共に、コンベックス型超音波トランスジューサにも対応することができる。 さらに、複合圧電体31の背面の全面に対してバッキング材35を形成することができ、剛性の不連続点がなく、切断( 分割 )によるアレイ形成時に印加される外力に対する応力が分散して損傷が生じにくいという効果を得ることができる。 また、引出用基板38,39は、複合圧電体31のスライス方向の側端を覆うことになるので、複合圧電体31の保護する効果を得ることができる。
【0052】
この第4の実施の形態の変形例を図10及び図11に示す。
図10は、第1の変形例の超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図である。
複合圧電体51の上面には、金属薄膜の共通電極52が形成されており、その下面には、金属薄膜の駆動電極53が前記複合圧電体51を構成する各振動素子( 図示せず )毎に形成されている。なお、前記共通電極52は、前記複合圧電体51の下面までスライス方向に引き回されており、また、前記駆動電極53は、前記複合圧電体51の上面まで前記共通電極52とは反対側からスライス方向に引き回されている。
【0053】
前記共通電極52の上面及び前記駆動電極53の引き回された部分の上面に、すなわち、前記複合圧電体51の上面全面にわたって、音響整合層54が形成されており、前記駆動電極53の端部( 上面へ引き回される側に端部 )の下面及び前記共通電極52の下面に引き回された部分の下面にそれぞれ、導電性ペースト( 又は導電性接着剤 )55,56により引出用基板57,58の上面が電気的・機械的に接続されている。前記複合圧電体51( 駆動電極53 )の下面の前記引出用基板57,58の間及び下面にわたってバッキング材59が形成されている。すなわち、バッキング材59の中に引出用基板57,58が埋め込まれて一体型を形成している。
【0054】
前記引出用基板57,58には、前記共通電極52及び前記駆動電極53の形状配置に対応する形状の電極層57-1,58-1が、前記引出用基板57,58の側面の表面を一周するように形成されており、前記各引出用基板57,58の前記バッキング材59で覆われていない面の少なくとも一部又は全部は、焼き付け銀電極により形成されている。
この各引出用基板57,58の焼き付け銀電極には、それぞれアース線を引出すためのアース板60及び信号線を引出すための信号用FPC61の配線パターンが半田付け等により接続されている。
このようにこの変形例によれば、引出用基板57,58の全体が完全にバッキング材59内に収納されるように引出用基板57,58をバッキング材59と一体化したことにより、剛性の不連続点がなく、切断( 分割 )によるアレイ形成時に印加される外力に対する応力が分散して、損傷が生じにくいという効果を得ることができ、かつ、より小さい小形化を実現する効果も得ることができる。
【0055】
図11は、第2の変形例の超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図である。
複合圧電体71の上面には、金属薄膜の共通電極72が形成されており、その下面には、金属薄膜の駆動電極73が前記複合圧電体71を構成する各振動素子( 図示せず )毎に形成されている。なお、前記共通電極72は、前記複合圧電体1の下面までスライス方向に引き回されており、また、前記駆動電極73は、前記複合圧電体71の上面まで前記共通電極72とは反対側からスライス方向に引き回されている。
【0056】
前記共通電極72の上面及び前記駆動電極73の引き回された部分の上面に、すなわち、前記複合圧電体71の上面全面にわたって、音響整合層74が形成されており、前記駆動電極73の端部( 上面へ引き回される側の端部 )の下面及び前記共通電極72の下面に引き回された部分の下面にそれぞれ、導電性ペースト( 又は導電性接着剤 )75,76により引出用基板77,78の上面が電気的・機械的に接続されている。前記複合圧電体71( 駆動電極73 )の下面の前記引出用基板77,78の間にバッキング材79が形成されている。前述の変形例とは異なり、この引出用基板77,78の下面には、バッキング材79は形成されない。
【0057】
前記引出用基板77,78には、前記共通電極72及び前記駆動電極73の形状配置に対応する形状の電極層77-1,78-1が、前記引出用基板77,78の側面の表面を一周するように形成されており、前記各引出用基板77,78の前記バッキング材79で覆われいない面の一部又は全面は、焼き付け銀電極により形成されている。
この各引出用基板78,79の焼き付け銀電極には、それぞれアース線を引出すためのアース板80及び信号線を引出すための信号用プリント基板( 信号用PC )81の配線パターンが半田付け等により接続されている。なお、各プリント基板( PC )80,81は、前述したFPCに比べて機械的強度がかなり大きくなっており、前記バッキング材79と同等かもしくはそれ以上の強度となっている。
【0058】
図9乃至図11を参照して説明した第4の実施の形態において、引出用基板38,39,57,58,77,78は、強度が高くかつ加工性の良いセラミックスで形成され、電極層38-1,39-1,57-1,58-1,77-1,78-1は焼き付け銀電極で構成されている。このため、圧電体を切断( 分割 )することによってアレイを形成するときに印加される外力に対する応力が電極部分に加わる( 集中する )ことなく( 分散して )引出用基板及び圧電体が破損なく保持される。
【0059】
引出用基板の素材としてはセラミックスに限定されず、ガラスエポキシ樹脂等でも可能である。
特に、図9に示す例において、引出用基板のFPC、アース板を接続する面の複合圧電体31の厚み方向の長さ( 高さ )は、圧電体を切断によってアレイを形成する際、引出用基板も分割される程度に短くかつFPC、アース板を接続する際、支障のない程度に長くしてある。すなわち、復号圧電体31の厚さの1.5倍以上4倍以下の長さにしてある。
【0060】
また、図10に示す例において、引出用基板のFPC、アース板を接続する面の復号圧電体51の厚み方向の長さ( 高さ )は、圧電体を切断によってアレイを形成する際、引出用基板も分割される程度に短くかつFPC、アース板を接続する際、支障のない程度に長くしてある。すなわち、復号圧電体51の厚さの1倍以上3倍以下の長さにしてある。
【0061】
また、図11に示す例において、引出用基板のFPC、アース板を接続する面の復号圧電体71の厚み方向の長さ( 高さ )は、圧電体を切断によってアレイを形成する際、引出用基板も分割される程度に短くかつFPC、アース板を接続する際、支障のない程度に長くしてある。すなわち、復号圧電体71の厚さの3倍以下の長さにしてある。
【0062】
このようにこの変形例によれば、上述した変形例の効果に加えて、さらに超音波トランスジューサの断面積を、圧電体の背面の断面積とほぼ同等にすることができるので、より細いプローブへの組み込みが可能となる。
なお、この第4の実施の形態及びその2つの変形例について、複合圧電体を使用した例について説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、スライス方向において分割されていない1個の振動素子が配列され、アレイ方向において複数個配列された圧電体を使用したものにも適用できるものである。
なお、ここでは2つの変形例を示したが、この発明は、引出用基板等の仲介部材を介してFPCを圧電体の電極と電気的に接続することが要旨であるので、この要旨を逸脱しない範囲で、さらに各種変形が可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、圧電板の電極からの信号線の引出しを高い精度で行うことができる超音波トランスジューサを提供できる。
また、圧電板の電極からの信号線の引出しを高い精度で行うことができ、しかもこの引出し部分の損傷を防止することができる超音波トランスジューサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の超音波トランスジューサを示す上面図及び側面図。
【図2】この発明の第2の実施の形態の超音波トランスジューサを示す斜視図。
【図3】同実施の形態の超音波トランスジューサを示すFPCの配線パターン部分のスライス方向の断面図。
【図4】同実施の形態の超音波トランスジューサのスライス方向に配列された複数個の振動素子の電気接続の状態を示す図。
【図5】同実施の形態の超音波トランスジューサのFPCの上面に形成された配線パターンを示す図。
【図6】同実施の形態の超音波トランスジューサのFPCの上面の導体露出部を示す断面図。
【図7】同実施の形態の超音波トランスジューサの変形例を示すFPCの配線パターン部分のスライス方向の断面図。
【図8】この発明の第3の実施の形態の超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図。
【図9】この発明の第4の実施の形態の超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図。
【図10】同実施の形態の第1の変形例の超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図。
【図11】同実施の形態の第2の変形例の超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図。
【図12】従来の超音波トランスジューサを示す上面図及び側面図。
【図13】従来の超音波トランスジューサのFPCの上面に形成された配線パターンを示す図。
【図14】従来のアレイ型超音波トランスジューサを示す上面図及び側面図。
【図15】従来のコンベックス形状のアレイ型超音波トランスジューサを製作するときのFPCの分割基板を折曲げた状態を示すスライス方向の側面図。
【図16】従来のコンベックス形状のアレイ型超音波トランスジューサを示す側面図。
【図17】従来の電子スキャン方式の超音波トランスジューサのスライス方向の概略の構成を示す断面図。
【図18】従来の他の例の超音波トランスジューサを示すスライス方向の断面図。
【図19】従来の複合圧電体の製造工程を示す図。
【符号の説明】
1…圧電セラミックス板、
2〜5,11-1,25,40,41,
60,61…FPC( フレキシブルプリント配線板 )、
6,16,26,35,59,79…バッキング材、
12,21,31,51,71…複合圧電体、
13,22,32,52,72…共通電極、
14,23,34,54,74…音響整合層、
15,24,33,53,73…駆動電極、
22-1〜22-8…導体露出部、
38,39,57,58,77,78…引出用基板、
80,81…プリント基板。

Claims (7)

  1. 圧電セラミックスから形成された圧電振動子をN個一列に配列した圧電体を使用して超音波を出力し、その反射した超音波を受信する超音波トランスジューサにおいて、
    前記各圧電振動子の超音波出力面及びこの超音波出力面の反対側の面に形成された各電極に電気的に接続された並列的に配列された総計N本の配線パターンが形成されたM枚のフレキシブルプリント配線板を設けたことを特徴とする超音波トランスジューサ。
  2. 圧電セラミックスから形成された圧電振動子をN個一列に配列した圧電体を使用して超音波を出力し、その反射した超音波を受信する超音波トランスジューサにおいて、
    前記各圧電振動子の超音波出力面及びこの超音波出力面の反対側の面に形成された各電極に電気的に接続された並列的に配列された総計N本の配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板を設け、
    このフレキシブルプリント配線板に形成された各配線パターンに、予め設定された間隔で導電体の露出した露出部を設け、
    前記各圧電振動子は、前記フレキシブルプリント配線板上に形成された配線パターンの配列方向と直交する方向にK個に分割され、
    これらの分割物の間の間隙に樹脂を充填して形成され、
    複数の前記分割物は、前記フレキシブルプリント配線板の各配線パターンに形成された複数の露出部を介して、対応する配線パターンに共通に接続されることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  3. 前記各圧電振動子を前記フレキシブルプリント配線板上に形成された配線パターンの配列方向と直交する方向に湾曲させて、前記各圧電振動子から出力する超音波を所定の焦点に収束させたことを特徴する請求項記載の超音波トランスジューサ。
  4. 前記圧電体は、複数個の柱形状の圧電セラミックスとこれらの圧電セラミックスの間の間隙に充填した樹脂とから構成された複合圧電体であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の超音波トランスジューサ。
  5. 圧電セラミックスから形成された圧電振動子を使用して超音波を出力し、その反射した超音波を受信する超音波トランスジューサにおいて、
    前記圧電振動子の超音波出力面及びこの超音波出力面の反対側の面に形成された各電極に電気的に接続された中継電極を設け、
    この中継電極は、前記各電極に電気的に接続する導電材により形成された電極接続部と、前記圧電振動子へ駆動電力を供給すると共に前記圧電振動子からの受信信号を引出す引出線を電気的に接続する導電材により形成された引出線接続部と、前記電極接続部と前記引出線接続部とを電気的に接続して保持する保持部材とから構成され、
    前記中継電極は、前記圧電振動子からなる圧電体の超音波出力面の反対側の面に前記背面部材に埋設されて前記各電極と電気的に接続されており、前記中継電極の前記圧電体の超音波出力面の反対側の面における占有範囲は、超音波の出力範囲の前記圧電体の超音波出力面の反対側の面に延長された範囲と重ならないように制限されていることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  6. 前記中継電極は、前記圧電振動子の側面又は前記圧電振動子の超音波出力面の反対側の面に形成された背面部材の側面に設けられたことを特徴とする請求項6記載の超音波トランスジューサ。
  7. 前記中継電極は、導電性接着剤を使用して前記各電極と電気的に接続したことを特徴とする請求項5及び請求項6のいずれか1項記載の超音波トランスジューサ。
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