JP3625094B2 - 吸水性樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水性樹脂およびその製造方法、特に、塩水吸水性に優れた吸水性樹脂およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸水性樹脂として、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物や架橋ポリアクリル酸の部分中和物などの種々のものが古くから知られている。このような吸水性樹脂は、一般に、真水に対しては自重の数百倍から数千倍の高い吸水能力を発揮し得るが、塩類を含む水に対する吸水能力は極めて小さい。このため、吸水性樹脂の分野では、塩類を含む水に対する吸水能力を高める試みが種々なされている。
【0003】
塩類を含む水に対する吸水能力が高められた吸水性樹脂として、耐塩性が小さなイオン性の吸水性樹脂と、耐塩性が大きな非イオン性の吸水性樹脂とを組合わせたものが考えられている。
【0004】
このような吸水性樹脂として、例えば、下記のものが提案されている。
(1)カルボキシル基およびその塩を含有するエチレン性不飽和モノマーと、一方の末端に疎水基を有するポリオキシアルキレングリコールアリルエーテルとの共重合体からなる水膨潤性ポリマー(特開昭62−27408号)。
(2)カルボキシル基およびその塩を含有するエチレン性不飽和モノマーと、一方の末端にアルキル基を有するアルキルポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体からなる水膨潤性ポリマー(特開平3−93815号)。
(3)カルボキシル基およびその塩を含有するイオン性ポリマーに、非イオン性ポリマーのポリビニルアルコールおよびポリエチレンオキサイドを混合し、この混合物にパーオキサイド系ラジカル開始剤を加えて加熱架橋して得られた吸水性樹脂(特開平1−92226号)。
(4)イオン性の吸水性樹脂と架橋ポリエチレンオキサイドとを有機溶剤の存在下で均一に混合し、その後溶剤を蒸発除去して得られた吸水性樹脂(特開昭63−31539号)。
(5)イオン性吸水性樹脂微粉末、非イオン性吸水性樹脂微粉末および樹脂バインダーからなる吸水性樹脂(特開昭63−315230号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の各種吸水性樹脂では、イオン性吸水性樹脂が有する高吸水能および高速吸水性などの長所と、非イオン性吸水性樹脂が有する耐塩性などの長所とが同時に発揮され、イオン性吸水性樹脂の低耐塩性および非イオン性樹脂の低吸水性がある程度は改善される。しかし、これらの吸水性樹脂では、吸水能力が経時的に低下し、塩類を含む水に対する良好な吸水性が安定的に維持されない。
【0006】
本発明の目的は、吸水性樹脂について、塩類を含む水に対する吸水性を高めかつ安定化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カルボキシル基またはカルボン酸塩を有する水溶性のエチレン性不飽和モノマーを逆相懸濁液中で第1段階目の重合反応により重合してポリマーゲルとし、次いで、得られたポリマーゲルに非イオン性のモノマーを主成分とする水溶性モノマーの水溶液を吸収させて第2段階目の重合反応を行うことにより得られた吸水性樹脂が、イオン成分および非イオン成分の両者を含み、塩類を含む水に対する吸水性が高く、しかもその吸水性が安定していて劣化しにくいことを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係る吸水性樹脂は、炭化水素溶媒中で、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの存在下において水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合する第1の工程と、第1の工程の後、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させる第2の工程と、第2の工程を終了した重合反応系に非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体を添加してさらに逆相懸濁重合する第3の工程と、を含む重合操作により得られるものである。なお、前記重合操作において、第3の工程は2回以上繰り返されていてもよい。
【0009】
この吸水性樹脂において、上述の第1の工程および/または上述の第3の工程での逆相懸濁重合は、例えば架橋剤の存在下で行なわれる。
【0010】
また、第1の工程および第3の工程で用いる水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらのアルカリ塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0011】
さらに、第3の工程で用いられる非イオン性マクロモノマーは、例えば、下記の一般式(1)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(2)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(3)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、および下記の一般式(4)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アリルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種である。(なお、本明細書においては、「アクリル」と「メタアクリル」とを合わせて「(メタ)アクリル」と表示する。)
【0012】
【化4】
Figure 0003625094
【0013】
なお、一般式(1)、(2)、(3)および(4)中、R は水素またはメチル基、R は水素、メチル基またはエチル基、R は1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基をそれぞれ示している。nは、その平均値が1〜500であり、mは、その平均値が0〜200である。nとmとは、n≧mおよびΣ(n+m)=1〜500の条件を満たしている。
【0014】
本発明に係る上述の吸水性樹脂は、通常、非イオン性吸水成分に富む表層部分と、イオン性吸水成分に富む中心部分とを備えている。また、本発明の他の観点に係る吸水性樹脂は、非イオン性吸水成分に富む表層部分と、イオン性吸水成分に富む中心部分とを備え、海水吸収量が38〜66g/gである。
【0015】
本発明に係る吸水性樹脂の製造方法は、炭化水素溶媒中で、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの存在下において水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合する第1の工程と、第1の工程の後、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させる第2の工程と、第2の工程を終了した重合反応系に非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を添加してさらに逆相懸濁重合する第3の工程とを含んでいる。
【0016】
なお、この製造方法では、第3の工程を2回以上繰り返してもよい。
【0017】
なお、この製造方法において、第1の工程および/または第3の工程での逆相懸濁重合は、例えば、架橋剤の存在下で行われる。
【0018】
また、第1の工程で用いる水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液中の単量体濃度および第3の工程で用いる非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液中の単量体濃度は、通常、それぞれ25重量%以上である。
【0019】
さらに、第3の工程で用いる非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液は、通常、第1の工程で用いる前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の50〜300重量%に設定される。
【0020】
さらに、第1の工程および第3の工程で用いる水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらのアルカリ塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0021】
さらに、第3の工程で用いられる非イオン性マクロモノマーは、例えば、下記の一般式(1)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(2)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(3)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、および下記の一般式(4)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アリルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0022】
【化5】
Figure 0003625094
【0023】
なお、一般式(1)、(2)、(3)および(4)中、R 、R 、R 、nおよびmは、上述と同様である。
【0024】
第1の工程で用いられる界面活性剤は、例えば、非イオン界面活性剤、または非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との併用物である。
【0025】
また、界面活性剤は、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、および一端または両端にドデシルグリコール基からなる疎水基を有しかつポリオキシエチレン鎖により形成されるポリ(オキシエチレン)グリコール/ドデシルグリコールブロック共重合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0026】
さらに、界面活性剤は、例えば、下記の一般式(5)で示される、重合可能な界面活性剤である。
【化6】
Figure 0003625094
一般式(5)中、R は、少なくとも9個の炭素原子を有する炭化水素基、R は、アクリロイル基、メタクリロイル基またはマレオイル基をそれぞれ示している。また、lは30〜70である。
【0027】
第1の工程で用いられる高分子保護コロイドは、例えば、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0028】
第2の工程においては、例えば、界面活性剤および/または高分子保護コロイドを冷却操作により析出させて界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させている。
【0029】
第1の工程で用いられる炭化水素溶媒は、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンからなる群から選ばれた少なくとも1種である。
【0030】
なお、架橋剤を用いる場合は、架橋剤として、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、またはN,N’−メチレンビスアクリルアミドが用いられる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明に係る吸水性樹脂は、次の製造方法に従って製造することができる。以下、製造方法について説明する。
【0032】
先ず、炭化水素溶媒中で、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合する(第1の工程)。ここで用いられる炭化水素溶媒は、脂肪族炭化水素溶媒、脂環族炭化水素溶媒または芳香族炭化水素溶媒である。脂肪族炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロインなどが挙げられる。脂環族炭化水素溶媒としては、例えば、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどが挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどが挙げられる。これらの炭化水素溶媒のうち好ましいものは、工業的に品質が一定しておりかつ入手が容易で安価なn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンである。
【0033】
なお、上述の炭化水素溶媒は、2種以上が混合して用いられてもよい。
【0034】
この工程で用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を構成する水溶性エチレン性不飽和単量体は、特に限定されるものではなく、種々のものを用いることができる。水溶性エチレン性不飽和単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸,2−(メタ)アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸およびこれらのアルカリ塩、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート,ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有不飽和単量体やその4級化物などを挙げることができる。このような水溶性エチレン性不飽和単量体は、2種以上混合して用いられてもよい。
【0035】
また、上述の水溶性エチレン性不飽和単量体には、(メタ)アクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの非イオン性単量体が混合されてもよい。
【0036】
なお、この工程で用いる水溶性エチレン性不飽和単量体として好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらのアルカリ塩である。
【0037】
この工程で用いられる、上述の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の単量体濃度は、用いる単量体の飽和濃度以下であれば特に制限されない。但し、重合開始温度まで加温するために必要なエネルギーや重合槽の容量当りの製品取得率などで表される重合反応効率、重合体の乾燥に要する熱エネルギー、および製品重合体粉体の粒子径の大きさなどの点で、当該濃度は、一般に25重量%〜飽和濃度に設定するのが好ましい。
【0038】
上述の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合する際には、炭化水素溶媒中に界面活性剤または高分子保護コロイドを存在させる。界面活性剤と高分子保護コロイドとは併用されてもよい。
【0039】
ここで用いられる界面活性剤は、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合できるものであれば特に限定されない。利用可能な界面活性剤の具体例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、および一端または両端にドデシルグリコール残基からなる疎水基を有しかつポリオキシエチレン鎖により形成されるポリ(オキシエチレン)グリコール/ドデシルグリコールブロック共重合体などの非イオン界面活性剤が挙げられる。このような非イオン界面活性剤は、2種以上が混合して用いられてもよい。
【0040】
また、このような非イオン界面活性剤は、アニオン界面活性剤と併用して用いることもできる。アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルメチルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩などが挙げられる。
【0041】
また、界面活性剤としては、下記の一般式(5)で示されるものが用いられてもよい。
【0042】
【化7】
Figure 0003625094
【0043】
一般式(5)中、R は、少なくとも9個の炭素原子を有する炭化水素基であり、例えば、アルキルフェニル基やアルキルナフチル基が挙げられ、より具体的には、例えばノニルフェニル基が挙げられる。R は、ラジカル重合可能な基であり、具体的にはアクリロイル基、メタクリロイル基またはマレオイル基である。また、エチレンオキシド部分の縮合度を示すlは、30〜70である。
【0044】
一方、高分子保護コロイドとしては、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合できるものであれば、種々のものを用いることができる。例えば、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。なお、高分子保護コロイドは、上述のアニオン界面活性剤と併用して用いることもできる。
【0045】
なお、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの使用量は、通常、この工程で用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0046】
この工程では、所望により、さらに架橋剤が用いられてもよい。架橋剤を用いた場合は、得られる吸水性樹脂の吸水時のゲル強度が向上し、吸水ゲルの経時安定性が改善される。
【0047】
この工程で用いることができる架橋剤は、重合性不飽和基または反応性官能基を2個以上有するものである。重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤としては、エチレングリコール,プロピレングリコール,トリメチロールプロパン,グリセリンポリオキシエチレングリコール,ポリオキシプロピレングリコール,ポリグリセリンなどのポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、上述のポリオール類とマレイン酸,フマール酸などの不飽和酸類とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどのビスアクリルアミド類、ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、トリレンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N’’−トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンなどが例示できる。
【0048】
なお、上述の重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤として好ましいものは、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、N,N’,N’’−トリアリルイソシアヌレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミドである。
【0049】
一方、反応性官能基を2個以上有する架橋剤としては、例えば、ジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ化合物、イソシアネート化合物などを用いることができ、このうち、ジグリシジルエーテル化合物が好ましい。ジグリシジルエーテル化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。このうち特に好ましいものは、エチレングリコールジグリシジルエーテルである。
【0050】
また、ハロエポキシ化合物としては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリンなどが例示できる。さらに、イソシアネート化合物としては、2、4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが例示できる。
【0051】
上述の架橋剤は、既述のように吸水性樹脂の吸水時のゲル強度を向上させることができるが、使用量が過剰になると吸水能力の低下をもたらす場合があるため、使用量を適切に設定する必要がある。このため、架橋剤の使用量は、通常、この工程で用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体の0.001〜5重量%に設定される。
【0052】
第1の工程での逆相懸濁重合を行う際には、通常、ラジカル重合開始剤を用いる。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの、一般的に使用される水溶性ラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。このようなラジカル重合開始剤は、亜硫酸塩などと併用してレドックス系開始剤として用いることもできる。
【0053】
また、ラジカル重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤を用いることもできる。ただし、油溶性ラジカル重合開始剤を用いる場合は、生成する重合体が一般に水溶性になるため、本発明の吸水性樹脂を得るためには上述の架橋剤を用いる必要がある。なお、油溶性ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどを用いるのが好ましい。
【0054】
ラジカル重合開始剤の使用量は、通常、この工程で用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体の0.005〜1.0モル%である。0.005モル%よりも少ない場合は重合反応に長時間を要することになり、1.0モル%を超える場合は急激な重合反応が起こるため危険である。
【0055】
第1の工程における逆相懸濁重合は、上述の各種材料を用いて通常の手法により実施することができる。この際、重合温度は、使用する重合開始剤により異なるが、通常、20〜110℃、好ましくは40〜80℃である。重合温度が20℃よりも低い場合は、重合速度が低下して重合時間が長くなるので経済的ではない。逆に、110℃より高い場合は、重合熱を除去するのが困難になり、円滑な重合反応を行うのが困難になる。
【0056】
上述のような第1の工程の終了後、第1の工程で用いた界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させる(第2の工程)。界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させないで後述する第3の工程に移行した場合は、第3の工程で用いる単量体が第1の工程で得られた含水ゲルに吸収される前に懸濁状態となるため、最終的に得られる樹脂が、第1の工程で用いたイオン性モノマーを主成分とする吸水性樹脂粉末と第3の工程で用いる非イオン性マクロモノマーを主成分とする吸水性樹脂粉末との単なる混合物となる。すなわち、このような第2の工程を経ないで第3の工程に移行した場合は、本発明の目的とする吸水性樹脂が得られない。
【0057】
界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させる方法としては、通常、第1の工程の終了後に得られた溶液を冷却し、界面活性剤および/または高分子保護コロイドを析出させる方法が採用される。なお、析出した界面活性剤や高分子保護コロイドは、所望により濾過して取り除いてもよい。
【0058】
界面活性剤および/または高分子保護コロイドを析出させる場合の冷却温度は、界面活性剤や高分子保護コロイドの種類または溶媒の種類により異なる。例えば、ヘキサグリセリルモノベヘニレートとn−ヘプタンを用いた場合は38〜40℃、ヘキサグリセリルモノベヘニレートとシクロヘキサンを用いた場合は27〜30℃、ソルビタンモノステアレートとn−ヘプタンを用いた場合は29〜31℃である。
【0059】
なお、界面活性剤として、上述の一般式(5)で示されるものを用いた場合は、当該界面活性剤がラジカル重合可能な基を有しているために、それ自体が第1の工程において水溶性エチレン性不飽和単量体と重合し、重合終了後にはその作用が消失することになる。
【0060】
上述の工程の終了後、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用が消失された重合反応系に非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を添加してさらに逆相懸濁重合する(第3の工程)。
【0061】
この工程で用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体は、第1の工程で用い得る水溶性エチレン性不飽和単量体の群から選ばれる。第3の工程で用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体は、第1の工程で用いられるものと同一であってもよいし、異なっていてもよいが、通常は、例えば経済性の点および反応操作上の点より、第1の工程で用いられるものと同一のものを用いるのが好ましい。
【0062】
一方、当該水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液に含まれる非イオン性マクロモノマーとしては、例えば、一方の末端に重合性エチレン不飽和基を有しかつ他方の末端に炭素数が1〜8個の炭化水素鎖を有するものが用いられる。このような非イオン性マクロモノマーとしては、プロペノイック酸イソシアネートエチルエステルとポリアルキレングリコールとのウレタン反応生成物であるカルバミンエステル類(下記の一般式(1))、ベンゼン−1−(1−イソシアネート−1−メチルエチル)−3(または4)−(1−メチルエテニル)とポリアルキレングリコールとのウレタン反応生成物であるカルバミンエステル類(下記の一般式(2))、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(下記の一般式(3))およびポリアルキレングリコール(メタ)アリルエーテル(下記の一般式(4))が例示できる。
【0063】
【化8】
Figure 0003625094
【0064】
一般式(1)〜(4)中、R は、水素またはメチル基を示し、R は、水素、メチル基またはエチル基を示している。また、R は、1〜8個(好ましくは1〜5個)の炭素原子を有する炭化水素基を示している。nは、平均値が1〜500であり、mは、平均値が0〜200である。また、nおよびmは、n≧mであり、かつΣ(n+m)=1〜500の条件を満たしている。
【0065】
なお、R の炭素数が9個以上の場合は、当該炭化水素基の疎水性が大きくなるため、そのような基を含む非イオン性マクロモノマーは、それ自体が界面活性作用を発揮することになる。そうなると、当該非イオン性マクロモノマーを含む水溶液は、この工程での重合反応時に第1の工程で得られた含水ゲルに吸収されずにそれ自体が溶媒中で逆相懸濁重合してしまうことになる。また、このような非イオン性マクロモノマーを用いて製造された吸水性樹脂は、水とのなじみ性が小さく、吸水時の初期段階で水をはじき易いため、吸水速度が遅くなる。これに対し、上述のようにR の炭素数が8個以下、特に5個以下の場合は、非イオン性マクロモノマーが界面活性を示さず、また、水とのなじみを適度に有する。このため、これにより得られた吸水性樹脂は、高湿時でも表面のべたつきが少なく自由流動性が良好であり、また、水をはじきにくいため吸水速度が高い。
【0066】
上述の一般式(1)〜(4)で示される非イオン性マクロモノマーのうち、一般式(2)および一般式(4)で示される非イオン性マクロモノマーは、加水分解性が優れている。このため、これらのマクロモノマーを用いて製造した吸水性樹脂は、含水状態下でもその保水能力が劣化しにくく、長時間安定した吸水性能を発揮し得る。さらに、一般式(2)で示されるマクロモノマーは、その重合性がアクリル酸またはその塩の重合性と近似しているため、水溶性エチレン性不飽和単量体としてアクリル酸またはその塩を用いた場合は、この工程での重合反応が極めて円滑に進行し得る。
【0067】
上述の非イオン性マクロモノマーは、2種以上が併用されてもよい。
【0068】
上述の非イオン性マクロモノマーは、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液に混合して用いられる。このような非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液において、非イオン性マクロモノマーの含有割合が小さい場合は、得られる吸水性樹脂の表層部の非イオン性吸水成分の割合が小さくなり、当該吸水性樹脂が充分な耐塩性能を示さない場合がある。したがって、非イオン性マクロモノマーの割合は、通常、水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.01〜100モルに設定するのが好ましく、0.02〜10モルに設定するのがより好ましい。なお、この割合は、非イオン性マクロモノマーが有するオキシアルキレン基の縮合度により変動し得る。
【0069】
また、この水溶液には、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの非イオン性単量体が含まれていてもよい。特に、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミドなどの単量体が含まれる場合は、特定の温度に加熱すると、その温度で吸水能力が大きく変動する感熱性の吸水性樹脂を得ることができる。
【0070】
この工程で用いられる非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の量は、第1の工程で用いられた水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の50〜300重量%に設定するのが好ましい。この量が50重量%未満の場合は、目的とする吸水性樹脂が得られにくい。逆に、300重量%を超える場合は、当該水溶液の一部が第1の工程で得られた含水ゲル中に吸収されない場合があり、その結果、吸収されなかった当該水溶液中に含まれる単量体は、それ自体で界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失した炭化水素溶媒中において重合し、塊状化したり、あるいは極めて大きな粗粒状の吸水性樹脂を生成し易い。
【0071】
この工程における逆相懸濁重合は、第1の工程の場合と同様の条件で行うことができる。ここでは、第1の工程の場合と同様に、架橋剤が用いられてもよいしまた、ラジカル重合開始剤として第1の工程で用いたものと同様のものが用いられる。なお、ラジカル重合開始剤は、水溶液の状態で、上述のエチレン性不飽和単量体水溶液とともに添加される。
【0072】
このような第3の工程において、非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液は、第1の工程で得られた含水ゲル内に吸収され、当該含水ゲル内で重合される。このため、このような方法により製造される本発明の吸水性樹脂は、表層部が第3の工程により得られた非イオン性の吸水成分に富み、中心部が第1の工程により得られたイオン性の吸水成分に富む樹脂粒子、換言すると、表層部から中心部に向けて非イオン性の吸水性樹脂に富む状態からイオン性の吸水性樹脂に富む状態に除々に変化する粒子状で得られる。
【0073】
なお、この製造方法では、上述の第3の工程を2回以上繰り返してもよい。このように第3の工程を繰り返した場合は、粒子径の大きな吸水性樹脂粉末を得ることができる。
【0074】
本発明の吸水性樹脂により塩類を含む水(以下、塩水という)が吸水される場合、先ず、吸水性樹脂粒子の表層部に塩水が吸収される。吸収された塩水は、非イオン性の吸水性樹脂成分に富む表層部を通過するに従って、当該塩水に含まれるイオンが徐々にブロックされる。この結果、吸水性樹脂粒子の中心部には当該イオンの含有量が小さな塩水が徐々に浸透して行くことになる。すなわち、当該塩水の濃度は、中心部へ移行するにしたがって、徐々に低下することになる。こうして中心部に浸透して来た塩水は、塩類濃度が低下しているため、イオン性の吸水性樹脂に富む中心部により効率的に吸収される。
【0075】
本発明の吸水性樹脂は、例えば、生理用品や紙オシメなどの衛生用品、農園芸用保水材、電線ケーブルや土木建築分野での止水材、汚泥の凝固材、乾燥剤、油中の水分除去剤、その他の用途に幅広く利用され得る。
【0076】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0077】
製造例1(非イオン性マクロモノマーの製造)
撹拌機、ディーンスタークトラップ、コンデンサー、温度計、ガス吹き込み管およびパージ管を備えた反応容器を用意し、これにトルエン300gと平均40個のオキシエチレン単位を含有するn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)エタノール380g(0.2モル)とを仕込んだ。この溶液を還流しながら約110℃に加熱し、痕跡の水分を共沸により系外に除去した。
【0078】
この溶液を90℃に冷却し、28%ビスマスオクトエート(触媒)3.0gを加えて良く混合した。その後、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(サイテック株式会社社製のm−TMI)42gをさらに添加して90℃で1.5時間反応させた。反応液を70℃に冷却後、2,6−ジ−tert−4−メチルフェノール(重合抑制剤)0.1gを添加して混合した。
【0079】
得られた混合液を回転式エバポレーターに移して溶剤を除去し、冷却した。これにより、ワックス状のn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)40エチルイソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルカルバミルエステルを得た。
【0080】
製造例2(非イオン性マクロモノマーの製造)
撹拌機、コンデンサーおよびディーンスタークトラップを備えた反応容器を用意し、これにトルエン300g、平均40個のオキシエチレン単位を含有するn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)エタノール380g(0.2モル)、メタクリル酸17.2g(0.2モル)、p−トルエンスルホン酸(触媒)3.0gおよびメトキシハイドロキノン1.0gを仕込んだ。これを還流温度まで加熱し、1.5時間還流を続けた。なお、還流時にエステル化反応により生成した水は、ディーンスタークトラップに採取した。
【0081】
次に、得られた反応混合物を冷却し、無水炭酸ナトリウム(固体)により中和処理した後に濾過した。その後、溶剤のトルエンを真空ストリップした。これにより、僅かに黄色を帯びたワックス状のn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)40エチルメタクリレートを得た。
【0082】
製造例3(非イオン性マクロモノマーの製造)
撹拌機、コンデンサー、ディーンスタークトラップおよび温度計を備えた反応容器を用意し、これに平均60個のオキシエチレン単位を含有するiso−プロポキシポリ(エチレンオキシ)エタノール550g(0.2モル)とキシレン300gとを仕込んで撹拌しながら加熱して共沸蒸留により脱水した。
【0083】
これに、ナトリウムメトキシド(30%メタノール溶液)を純分換算で10.8g(0.2モル)添加して還流温度に加熱し、生成したメタノールを蒸留により全て除去した。その後、反応混合物を60℃に冷却し、これに塩化アリル15.5g(0.2モル)を少量づつ注意深く添加した。これを110℃に加熱して1時間この温度に保持した。
【0084】
1時間後、反応混合物を濾過装置を経由して回転式エバポレーターに移し、真空下、100℃でキシレンを除去した。その最終生成物を冷却し、ワックス状のiso−プロポキシポリ(エチレンオキシ)60エチルアリルエーテルを得た。
【0085】
製造例4(非イオン性マクロモノマーの製造)
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート42gの代わりに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製)26gを用いた点以外は製造例1と同様の操作を行ない、ワックス状のn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)40エチル・メタアクリロイルオキシエチルカルバミルエステルを得た。
【0086】
製造例5〜7(非イオン性マクロモノマーの製造)
平均40個のオキシエチレン単位を含有するn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)エタノール380gに代えて、下記の一般式(6)および表1により規定されるアルコール類を用いた点以外は製造例1と同様の操作を行ない、ワックス状のカルバミルエステル類を得た。
【0087】
【化9】
Figure 0003625094
【0088】
【表1】
Figure 0003625094
【0089】
なお、ここで得られたカルバミルエステル類は、メトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチル・イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルカルバミルエステル(製造例5)、エトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチル・イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルカルバミルエステル(製造例6)およびn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)30(プロピレンオキシ)10エチル・イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルカルバミルエステル(製造例7)である。
【0090】
製造例8〜10(非イオン性マクロモノマーの製造)
平均40個のオキシエチレン単位を含有するn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)エタノール380gに代えて、上記一般式(6)および表2により規定されるアルコール類を用いた点以外は製造例4と同様の操作を行ない、ワックス状のカルバミルエステル類を得た。
【0091】
【表2】
Figure 0003625094
【0092】
なお、ここで得られたカルバミルエステル類は、メトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチル・メタアクリロイルオキシエチルカルバミルエステル(製造例8)、エトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチル・メタアクリロイルオキシエチルカルバミルエステル(製造例9)およびn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)30(プロピレンオキシ)10エチル・メタアクリロイルオキシエチルカルバミルエステル(製造例10)である。
【0093】
製造例11〜13(非イオン性マクロモノマーの製造)
平均40個のオキシエチレン単位を含有するn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)エタノール380gに代えて、上記一般式(6)および表3により規定されるアルコール類を用いた点以外は製造例2と同様の操作を行ない、ワックス状のメタアクリレート類を得た。
【0094】
【表3】
Figure 0003625094
【0095】
なお、ここで得られたメタアクリレート類は、メトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチルメタクリレート(製造例11)、エトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチルメタクリレート(製造例12)およびn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)30(プロピレンオキシ)10エチルメタクリレート(製造例13)である。
【0096】
製造例14(非イオン性マクロモノマーの製造)
メタアクリル酸17.2gに代えてアクリル酸14.4gを用いる点以外は製造例2と同様の操作を行ない、ワックス状のn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)40エチルアクリレートを得た。
【0097】
製造例15〜17(非イオン性マクロモノマーの製造)
平均40個のオキシエチレン単位を含有するn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)エタノール380gに代えて、上記一般式(6)および表4により規定されるアルコール類を用いた点以外は製造例14と同様の操作を行ない、ワックス状のアクリレート類を得た。
【0098】
【表4】
Figure 0003625094
【0099】
なお、ここで得られたアクリレート類は、メトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチルアクリレート(製造例15)、エトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチルアクリレート(製造例16)およびn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)30(プロピレンオキシ)10エチルアクリレート(製造例17)である。
【0100】
製造例18〜20(非イオン性マクロモノマーの製造)
平均60個のオキシエチレン単位を含有するiso−プロポキシポリ(エチレンオキシ)エタノール550gに代えて、上記一般式(6)および表5により規定されるアルコール類を用いた点以外は製造例3と同様の操作を行ない、ワックス状のアリルエーテルマクロモノマー類を得た。
【0101】
【表5】
Figure 0003625094
【0102】
なお、ここで得られたアクリレート類は、メトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチルアリルエーテル(製造例18)、エトキシポリ(エチレンオキシ)50(プロピレンオキシ)10エチルアリルエーテル(製造例19)およびn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)30(プロピレンオキシ)10エチルアリルエーテル(製造例20)である。
【0103】
実施例1(吸水性樹脂の製造)
(第1の工程)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた1リットルの円筒型丸底フラスコにn−ヘプタン550mlを加え、これにHLBが13.1のヘキサグリセリルモノベヘニレート(滑面活性剤:日本油脂株式会社製のノニオンGV−106)1.38gを添加して撹拌しながら50℃に昇温して溶解した。その後、フラスコの内容物を30℃に冷却した。
【0104】
一方、500mlの三角フラスコに濃度が80重量%のアクリル酸水溶液92gを加え、外部より冷却しつつ濃度が20重量%の水酸化ナトリウム水溶液15.2gを滴下してアクリル酸の75モル%を中和した。この液にエチレングリコールジグリシジルエール18.4mgを添加し、さらに過硫酸カリウム0.11gを加えて溶解した。
【0105】
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する75モル%部分中和アクリル酸塩水溶液を上述の円筒型丸底フラスコの内容物中に加え、滑面活性剤を含むn−ヘプタン溶液に分散させると共に系内を窒素で充分に置換した。その後、加熱昇温し、浴温を70℃に設定して30分間保持し、重合反応を行なった。
【0106】
(第2の工程)
第1の工程により得られた重合物含有スラリー液を20℃に冷却し、界面活性剤の作用を消失させた。
【0107】
(第3の工程)
500mlの三角フラスコを用い、上述の方法に従って濃度が80重量%のアクリル酸水溶液9.2gから中和度が75モル%の部分中和アクリル酸ナトリウム水溶液24gを調製した。これに、製造例1で得られたn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)40エチル・イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルカルバミルエステル100g、エチレングリコールジグリシジルエーテル10mgおよび脱イオン水150gを加えて混合し、さらに過硫酸カリウム0.05gを加えて溶解した。
【0108】
こうして得られた、重合開始剤と架橋剤とを含む部分中和アクリル酸ソーダ/マクロモノマー混合水溶液274gを、第2の工程の終了後に20℃に保持した重合物スラリー液にゆっくりと滴下し、当該混合水溶液を30分かけて重合物に吸収させた。その後、フラスコ内を窒素で充分置換し、その内容物を70℃まで昇温して30分保持し、二段階目の重合反応を行なった。
【0109】
続いて、減圧乾燥により溶剤(n−ヘプタン)および水を除去した。これにより、球状の重合体粉末196gが得られた。
【0110】
実施例2〜20(吸水性樹脂の製造)
第3の工程で用いる混合水溶液として表6に示す組成のものを用いた点以外は実施例1と同様に操作し、球状で粒度分布巾が狭い重合体粉末を得た。
【0111】
【表6】
Figure 0003625094
【0112】
【表7】
Figure 0003625094
【0113】
実施例21(吸水性樹脂の製造)
(第1の工程)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた1リットルの円筒型丸底フラスコ反応器にn−ヘプタン550mlを加え、これに無水マレイン酸を付加させた変性ポリエチレン(高分子保護コロイド:三井石油化学株式会社製のHi−wax1105A)0.92gを加えて溶解した。
【0114】
一方、500mlの三角フラスコ中で、アクリル酸の80重量%水溶液92gを20重量%の水酸化ナトリウム水溶液152gにより中和し、中和度が75モル%のアクリル酸ソーダ水溶液を得た。これに、濃度が1%の過硫酸カリウム水溶液5.5g、濃度が2%のエチレングリコールジグリシジルエーテル1.84gおよび平均50個のオキシエチレン単位を含むノニルフェノールエチレンオキシド付加物のマレイン酸エステル(サイテック株式会社製のAerosol ME M−NP50)0.46gを加えた。
【0115】
こうして得られた、重合開始剤、架橋剤および高分子保護コロイドを含む部分中和アクリル酸ソーダ水溶液を上述のフラスコ反応器に撹拌しながら少しずつ添加し、同時にフラスコ反応器内を窒素で置換し続けて、水相逆相懸濁液を形成した。その後、温度を70℃に昇温し、この温度を30分間保ちながら重合反応を行なった。
【0116】
(第2の工程)
重合反応後、フラスコ反応器の内容物を45℃に冷却し、高分子保護コロイドの作用を消失させた。
【0117】
(第3の工程)
500mlの三角フラスコ中で、アクリル酸の80重量%水溶液9.2gを20重量%の水酸化ナトリウム水溶液15.2gにより中和し、中和度が75モル%のアクリル酸ソーダ水溶液を得た。これに、製造例1で得られたn−ブトキシポリ(エチレンオキシ)40エチル・イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルカルバミルエステル100g、濃度が2%のエチレングリコールジグリシジルエーテル1.84g、脱イオン水150gおよび濃度が1%の過硫酸カリウム水溶液5.5gを加え、重合開始剤と架橋剤とを含む部分中和アクリル酸ソーダ/マクロモノマー混合水溶液を得た。この混合水溶液は、10℃に冷却して保管した。
【0118】
第2の工程後に得られた、温度が45℃の重合物スラリーを内容物として含む1リットルの円筒型丸底フラスコ反応器を窒素で置換し、撹拌しながら上述の混合水溶液をゆっくりとフラスコ反応器内に滴下し、45℃の温度で30分間かけて当該混合水溶液をフラスコ反応器内の重合物に吸収させた。次に、温度を70℃に昇温させ、30分間二段階目の重合反応を行なった。
【0119】
重合反応の終了後、フラスコ反応器内の内容物を減圧下で乾燥し、n−ヘプタンおよび水を除去した。これにより、平均粒径が370μmの球状の重合体粉末203gを得た。なお、得られた重合体粉末には、100μmの篩を通過する微粉末は含まれていなかった。
【0120】
比較例(吸水性樹脂の製造)
第3の工程で用いる混合水溶液として、重合開始剤と架橋剤とを含む部分中和アクリル酸ソーダ/マクロモノマー混合水溶液274gに代えて、第1の工程で用いた、過硫酸カリウム0.11gとエチレングリコールジグリシジルエーテル18.4mgとを含む75モル%中和のアクリル酸ソーダ水溶液(濃度=37重量%)244gを用いた点以外は実施例1と同様にして球状の重合体粉末175gを得た。
【0121】
評価
各実施例および比較例で得られた重合体粉末について、吸水性樹脂としての特性(吸水性能および吸水速度)を評価した。評価の方法は下記の通りである。結果を表9に示す。
【0122】
(吸水性能)
脱イオン水吸収量、塩水吸収量および海水吸収量を評価した。
【0123】
◎脱イオン水吸収量
250メッシュのナイロン製の袋に試料0.2gを入れ、このナイロン袋をイオン交換処理により得た脱イオン水1,000ml中に4時間浸漬した後に取り出して15分間水切りした。その後、重量を測定し、浸漬処理により増加した重量の5倍を脱イオン水吸収量(g/g)とした。
【0124】
◎塩水吸収量
試料1gを0.9%塩化ナトリウム水溶液1,000ml中に分散して吸水膨潤させた後、200メッシュの金網を用いて濾過した。15分間水切りし、得られた金網上の膨潤吸水試料の重量を測定した。膨潤により増加した重量を0.9%食塩水吸収量(g/g)とした。
【0125】
◎海水吸収量
試料1gを下記の表8に示す組成の合成海水1,000ml中に分散し、充分に吸水膨潤させた後に200メッシュの金網を用いて濾過した。15分間水切りを行なった後に金網上の膨潤吸水試料の重量を測定した。膨潤により増加した重量を海水吸収量(g/g)とした。
【0126】
【表8】
Figure 0003625094
【0127】
(吸水速度)
試料5gをシャーレ内で約3.5cmφに広げ、これにピペットを用いて0.9%食塩水2ccを滴下した。滴下した食塩水が完全に吸水されるまでの時間を測定し、これを吸水速度(水濡れ性)とした。
【0128】
【表9】
Figure 0003625094
【0129】
なお、実施例1、2、9および17並びに比較例については、膨潤ゲルの経時安定性も評価した。ここでは、試料10gに0.9%食塩水90gを加えて吸水させて膨潤ゲルを得、この膨潤ゲルを黒色のポリエチレン袋に入れて18℃に保たれた室内に保管した場合のかたさの変化を経時的に観察した。評価の基準は下記の通りである。結果を表10に示す。
【0130】
A:硬いゲル。
B:柔らかいゲル。
C:流動性のあるゲル。
【0131】
【表10】
Figure 0003625094
【0132】
【発明の効果】
本発明に係る吸水性樹脂は、上述のように水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合してから界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させ、続けて非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を加えて同様に逆相懸濁重合することにより製造されているので、塩類を含む水に対する吸水性が高くかつ安定している。
【0133】
本発明に係る吸水性樹脂の製造方法は、上述のように水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合してから界面活性剤および/または高分子保護コロイドの作用を消失させ、続けて非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を加えて同様に逆相懸濁重合しているため、塩類を含む水に対する吸水性が高くかつ安定した吸水性樹脂を製造することができる。

Claims (21)

  1. 炭化水素溶媒中で、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの存在下において水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合する第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記界面活性剤および/または前記高分子保護コロイドの作用を消失させる第2の工程と、
    前記第2の工程を終了した重合反応系に非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を添加してさらに逆相懸濁重合する第3の工程と、
    を含む重合操作により得られる吸水性樹脂。
  2. 前記第3の工程を2回以上繰り返すことにより得られる、請求項1に記載の吸水性樹脂。
  3. 前記第1の工程および/または前記第3の工程での前記逆相懸濁重合を架橋剤の存在下で行う、請求項1または2に記載の吸水性樹脂。
  4. 前記第1の工程で用いる前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液が、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらのアルカリ塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1、2または3に記載の吸水性樹脂。
  5. 前記第3の工程で用いられる前記非イオン性マクロモノマーが、下記の一般式(1)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(2)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(3)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、および下記の一般式(4)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アリルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1、2、3または4に記載の吸水性樹脂。
    Figure 0003625094
    (一般式(1)、(2)、(3)および(4)中、
    は水素またはメチル基、Rは水素、メチル基またはエチル基、Rは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基をそれぞれ示し、
    nは、その平均値が1〜500であり、mは、その平均値が0〜200であり、かつ、nとmとは、n≧mおよびΣ(n+m)=1〜500の条件を満たす。)
  6. 非イオン性吸水成分に富む表層部分と、イオン性吸水成分に富む中心部分とを備えている、請求項1、2、3、4または5に記載の吸水性樹脂。
  7. 海水吸収量が38〜66g/gである、請求項6に記載の吸水性樹脂。
  8. 炭化水素溶媒中で、界面活性剤および/または高分子保護コロイドの存在下において水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を逆相懸濁重合する第1の工程と、
    前記第1の工程の後、前記界面活性剤および/または前記高分子保護コロイドの作用を消失させる第2の工程と、
    前記第2の工程を終了した重合反応系に非イオン性マクロモノマーを含む水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を添加してさらに逆相懸濁重合する第3の工程と、
    を含む吸水性樹脂の製造方法。
  9. 前記第3の工程を2回以上繰り返す、請求項8に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  10. 前記第1の工程および/または前記第3の工程での前記逆相懸濁重合を架橋剤の存在下で行う、請求項8または9に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  11. 前記第1の工程で用いる前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液中の単量体濃度および前記第3の工程で用いる前記非イオン性マクロモノマーを含む前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液中の単量体濃度が、それぞれ25重量%以上である、請求項8、9または10に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  12. 前記第3の工程で用いる前記非イオン性マクロモノマーを含む前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を、前記第1の工程で用いる前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の50〜300重量%に設定する、請求項8、9、10または11に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  13. 前記第1の工程および前記第3の工程で用いる前記水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液が、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらのアルカリ塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項8、9、10、11または12に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  14. 前記第3の工程で用いられる前記非イオン性マクロモノマーが、下記の一般式(1)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(2)で示されるカルバミルエステル類、下記の一般式(3)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、および下記の一般式(4)で示されるアルキルポリオキシアルキレングリコール(メタ)アリルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項8、9、10、11、12または13に記載の吸水性樹脂の製造方法。
    Figure 0003625094
    (一般式(1)、(2)、(3)および(4)中、
    は水素またはメチル基、Rは水素、メチル基またはエチル基、Rは1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基をそれぞれ示し、
    nは、その平均値が1〜500であり、mは、その平均値が0〜200であり、かつ、nとmとは、n≧mおよびΣ(n+m)=1〜500の条件を満たす。)
  15. 前記界面活性剤が、非イオン界面活性剤、または非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との併用物である、請求項8、9、10、11、12、13または14に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  16. 前記界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、および一端または両端にドデシルグリコール基からなる疎水基を有しかつポリオキシエチレン鎖により形成されるポリ(オキシエチレン)グリコール/ドデシルグリコールブロック共重合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項8、9、10、11、12、13または14に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  17. 前記界面活性剤が、下記の一般式(5)で示される、重合可能な界面活性剤である、請求項8、9、10、11、12、13または14に記載の吸水性樹脂の製造方法。
    Figure 0003625094
    (一般式(5)中、
    は、少なくとも9個の炭素原子を有する炭化水素基、
    は、アクリロイル基、メタクリロイル基またはマレオイル基、
    をそれぞれ示し、
    lは、30〜70である。)
  18. 前記高分子保護コロイドが、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項8、9、10、11、12、13、14、15、16または17に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  19. 前記第2の工程において、前記界面活性剤および/または前記高分子保護コロイドを冷却操作により析出させて前記界面活性剤および/または前記高分子保護コロイドの作用を消失させる、請求項8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  20. 前記炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンおよびキシレンからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  21. 前記架橋剤が、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、またはN,N’−メチレンビスアクリルアミドである、請求項10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20に記載の吸水性樹脂の製造方法。
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