JP3601845B2 - 集光装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、空間での光を伝送媒体とする情報通信の分野で用いられる集光装置に関するものである。また、光センサ等の光学レンズ系としても適用できる集光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術としては、例えば、以下に示すようなものがあった。
【0003】
図11はかかる従来の光空間通信における光受信機の系の構成例図であり、図11(a)は半導体受光素子の受光面にレンズを用いないで直接的に受信光を当てる光受信機の系の構成図、図11(b)は半導体受光素子の受光面の前に集光用の通常のレンズを設けた光受信機の系の構成図、図11(c)はレンズの受光面積が大きく且つ焦点距離を短くする場合の光受信機の系の構成図である。
【0004】
まず、図11(a)の場合は、受信機としての受光面積は、半導体受光素子1の受光面2の面積そのままであり、半導体受光素子1に入射される光量が少なく、交信可能な光伝送距離は近距離に制限される。
【0005】
また、遠距離での光空間通信を実現するには、レンズ等を用いてより広い面積からの光を効率良く集光し、半導体受光素子の受光面に当てる必要がある。
【0006】
そこで、図11(b)の場合は、半導体受光素子1の受光面2の前に単レンズ3を設けた例である。光を高効率に集光して遠距離での光伝送を可能とするには、単レンズ3の受光面積を大きくする必要があるが、単レンズ3の焦点距離が長くなり、これにしたがって視野角範囲は狭くなってしまう。
【0007】
従来の送信機側、受信機側共に位置固定の光空間通信では、視野角が狭いことはあまり問題とならないが、自動車等の移動体を対象とした光空間通信方式では、通信対象の相対位置が変動する関係上、用いる光学レンズ系には比較的広い視野角範囲が必要とされる。
【0008】
そこで、レンズの受光面積を大きくし、且つ焦点距離を短くするには、図11(c)に示すように、レンズ4は多群多枚数構成が必要となる。したがって、大きさ、重量共に大きくなり、且つ高コストとなってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、以上述べた従来の自動車等の移動体を対象とした光空間通信方式では、通信対象となる移動体と移動体あるいは移動体と固定局の相対位置が変動する関係上、固定通信の場合と比較して、比較的広い視野角範囲の受信機指向性が必要とされる。同時に、不必要な外来雑音光を阻止して、高い通信品質を確保するためには、有限の指向角範囲内の受信に制限する必要がある。
【0010】
また、上記のような光空間通信方式では、情報量が多く、速い符号伝送速度の通信が要求される関係上、半導体受光素子の受光面は小面積でなければならない。
【0011】
したがって、遠距離での光空間通信を実現するには、半導体受光素子の受光面に効率良く光を集光する必要がある。
【0012】
以上のような要求を満たす光学レンズ系は、先に述べた単レンズでは技術的に満足できるものは得られず、係るレンズ系は多群多数枚構成を必要とし、大きさ、重量共に大きくなり、且つ高コストになってしまうという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記問題点を除去し、所定の視野角範囲内からの信号光を、効率良く集光することにより、小型軽量で、低コストな集光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、集光装置において、入射端面と、前記入射端面よりも面積の小さい出射端面と、前記入射端面と前記出射端面との間の、互いに対向する2対の面からなる4つの側面とを有する集光装置において、前記4つの側面は反対面であり、前記入射端面は、1方向に対する指向性を制限しつつ他の方向に対して広角な指向性を持たせるために、前記4つの側面のうち、1対の側面に対応する方向に対して曲面を有する形状にするようにしたものである。
【0015】
【作用】
本発明によれば、光学レンズ材料からなる角錐体あるいは円錐体からなる本体のテーパ面での光学的反射を利用して、入射端面からの入射光を、その本体の出射端面に誘導する。
【0016】
また、その本体内での光路軌跡による集光に加えて、その本体の入射端面の形状、テーパ角度などを変更することにより、導光管としての集光装置の指向特性及び受光素子との結合特性を所与の特性に設定することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0019】
図1に示すように、透明な四角錐体の本体11からなり、開口面(入射端面)12及び出射端面13を平面とした集光装置(導光管)10を構成している。
【0020】
この集光装置10は光学ガラス或いは有機光学材料で構成され、各面は光学的な鏡面に仕上げられている。(これは、光学的ミラー反射面とするのではなく、表面の凹凸をなくす処理のことである。)
特に、有機光学材料で構成する場合には、鋳型による鋳造方法により、各面の良好な形状精度及び表面仕上げの構造が、安価に大量生産可能である。
【0021】
また、テーパ面14は光学的ミラー反射面をなしている。これは、アルミニウム等の金属薄膜の蒸着法あるいは通常の鏡製作の場合の銀鏡反射法等により製作される。
【0022】
図2は本発明の第2の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0023】
この図に示すように、透明な四角錐体の本体21からなり、開口面22を水平方向のみを曲面22aとした蒲鉾形となし、出射端面23を平面とした集光装置(導光管)20を構成している。テーパ面24は光学的ミラー反射面をなしている。
【0024】
図3は本発明の第3の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0025】
この図に示すように、透明な四角錐体の本体31からなり、開口面32を垂直方向のみを曲面32aとした蒲鉾形となし、出射端面33を平面とした集光装置(導光管)30を構成している。テーパ面34は光学的ミラー反射面をなしている。
【0026】
図2又は図3の集光装置(導光管)20,30は、外来雑音光の影響が考えられる水平或いは垂直方向のいずれか一方の指向角を制限して、他の一方向に比較的広角な指向性を持たせる場合に有効な形状である。例えば、自動車等の移動体間で光空間通信を行う場合、水平方向のみに指向角を持たせ、信号光が得られず太陽からの外来雑音光等が考えられる垂直方向の指向角を制限する場合に好適である。
【0027】
図4は本発明の第4の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0028】
この図に示すように、透明な四角錐体の本体41からなり、開口面42を垂直方向及び水平方向を曲面、つまり、球面42aとし、出射端面43を平面とした集光装置(導光管)40を構成している。テーパ面44は光学的ミラー反射面をなしている。
【0029】
この集光装置40は、外来雑音光の影響が考えられる水平及び垂直方向の両方の指向角を制限する場合に好適である。
【0030】
図5は本発明の第5の実施例を示す集光装置(導光管)の構成図であり、図5(a)はその集光装置(導光管)の側面図、図5(b)その集光装置(導光管)の正面図である。
【0031】
この図に示すように、透明な円錐体の本体51からなり、開口面52を球面52aとし、出射端面53を平面とした集光装置(導光管)50を構成している。テーパ面54は光学的ミラー反射面をなしている。
【0032】
これは、機械加工で導光管を作製する場合、この形状は比較的加工が容易であるという利点がある。一定方向からの外来雑音光が考えられず、全ての方向に同じ指向特性に設定する場合に好適である。
【0033】
また、図1〜図4に示した透明な四角錐体を基本とした集光装置の場合、水平方向、垂直方向の指向特性を所定の値に設定するためには、テーパ面の夫々水平及び垂直方向テーパ角の選定、開口面及び出射端面の四辺形の夫々の縦横比の選定、開口面を球面にするか蒲鉾形にするか等の選択が可能である。
【0034】
図6は本発明の集光装置(導光管)の基本原理を説明するための説明図、図7は本発明の集光装置(導光管)の構造モデルを示す図である。
【0035】
図1〜図5の実施例のテーパ面を有する集光装置の中心軸Aを含む水平面内において、入射光に水平方向の中心軸Aに対する偏角を与えた場合についての集光装置内での光路軌跡を示したものである。
【0036】
図6(a)の場合は、集光装置60の本体61の開口面62から入射した光は、テーパ面64での反射無しに集光装置60内を通過し、出射端面63から出射する場合であり、中心軸Aに近く、且つその中心軸Aに対する偏角が比較的小さい入射光の場合に相当する。
【0037】
図6(b)及び図6(c)の場合は、開口面62から入射した光は、集光装置内で1回又は2回、テーパ面64で反射を経過した後に、出射端面63から出射される場合を示し、入射光の入射位置が中心軸から遠い程、あるいは偏角が大きい程テーパ面64での反射の回数は増加する。
【0038】
上記した光路軌跡は、テーパ面64の中心軸に対する偏角をθg とすると、テーパ面による反射を経過する毎に、集光装置内での光路の中心軸に対する絶対値は2θg ずつ増加する。また、開口面及び出射端面は、導光管を構成している光学材料の屈折率と大気の屈折率との界面であり、その両端面の形状により、集光装置内の光路とその集光装置外の入射光及び出射光との屈折関係が定まる。
【0039】
図7に示すように、集光装置70の本体71の中心軸Aを含む水平面内において、開口面72の水平方向半幅、つまり、入射端面半径をDa 、開口面72における入射光の入射位置をDin、中心軸Aに対する入射光の偏角をθinとして、集光装置70を通過するDin/Da とθinとの関係を、図8及び図9に示す。
【0040】
なお、図7において、73は出射端面、74はテーパ面、Rg は入射端面の球面半径、θr は開口角度、θg はテーパ角度、Db は出射端面半径、θout は中心軸Aに対する出射光の偏角である。
【0041】
図8(a)は中心軸Aに対する入射光の偏角θinと、入射光が出射される割合Prとの特性図であり、横軸にθin(度)、縦軸に入射光が出射される割合Prを示している。図8(b)は出射端面の指向特性図であり、条件として、Da /Db =10.0,Rg /Da =3.0,θg =15°の場合が示されている。
【0042】
図9(a)は、図8(a)と同様であり、中心軸Aに対する入射光の偏角θinと入射光が出射される割合Prとの特性図であり、横軸にθin(度)、縦軸に入射光が出射される割合Prを示している。図9(b)は出射端面の指向特性図であり、条件として、Da /Db =10.0,Rg /Da =2.5,θg =15°の場合が示されている。
【0043】
これらの図から明らかなように、本発明の集光装置(導光管)における特徴的な集光効果を示している。
【0044】
図10は本発明の集光装置(導光管)について、開口面側から見た集光装置内の光路軌跡の例を示す図であり、図10(a)は四角錐体を基本とした場合、図10(b)は円錐体を基本とした場合を示している。
【0045】
図において、開口面の点Pinからの入射光は、集光装置内で点R1 ,R2 ,…とテーパ面での反射を経過して、出射端面の点Pout から出射することになる。
【0046】
この場合、図示したように、集光装置内での光路は、回転しながら進行することになる。しかし、図6及び図7で説明した集光特性の基本的な事項は普遍的である。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)高速度の符号伝送通信に使用される受信機内の受光素子の実効的な受光面積が大きくでき、且つ移動体間での光通信に必要な比較的広角な指向特性を持たせ得る集光装置を、軽量小型さらに低コストで実現できる。
(2)適用形態に対応して、水平及び垂直方向の指向特性を夫々任意の値に容易に設定できるようにしたため、一定方向のみに極めて急峻な指向範囲の遮断特性を持たせることも可能であり、周辺建物等からの反射を介した光通信に有害な各種の外来雑音光を遮断して、高品質の通信状態を確保できる利点がある。
(3)光センサに用いる場合も同様に、外来雑音光を遮断し、必要な指向角範囲の光だけを得ることで、センサの誤動作を防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図6】本発明の集光装置(導光管)の基本原理を説明するための説明図である。
【図7】本発明の集光装置(導光管)の構造モデルを示す図である。
【図8】本発明の集光装置(導光管)の集光特性を示す図(その1)である。
【図9】本発明の集光装置(導光管)の集光特性を示す図(その2)である。
【図10】本発明の集光装置(導光管)の開口面側から見た光路軌跡の例を示す図である。
【図11】従来の光空間通信における光受信機の系の構成例図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70 集光装置(導光管)
11,21,31,41,51,61,71 本体
12,22,32,42,52,62,72 開口面(入射端面)
13,23,33,43,53,63,73 出射端面
14,24,34,44,54,64,74 テーパ面
22a,32a 曲面
42a,52a 球面
【産業上の利用分野】
本発明は、空間での光を伝送媒体とする情報通信の分野で用いられる集光装置に関するものである。また、光センサ等の光学レンズ系としても適用できる集光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術としては、例えば、以下に示すようなものがあった。
【0003】
図11はかかる従来の光空間通信における光受信機の系の構成例図であり、図11(a)は半導体受光素子の受光面にレンズを用いないで直接的に受信光を当てる光受信機の系の構成図、図11(b)は半導体受光素子の受光面の前に集光用の通常のレンズを設けた光受信機の系の構成図、図11(c)はレンズの受光面積が大きく且つ焦点距離を短くする場合の光受信機の系の構成図である。
【0004】
まず、図11(a)の場合は、受信機としての受光面積は、半導体受光素子1の受光面2の面積そのままであり、半導体受光素子1に入射される光量が少なく、交信可能な光伝送距離は近距離に制限される。
【0005】
また、遠距離での光空間通信を実現するには、レンズ等を用いてより広い面積からの光を効率良く集光し、半導体受光素子の受光面に当てる必要がある。
【0006】
そこで、図11(b)の場合は、半導体受光素子1の受光面2の前に単レンズ3を設けた例である。光を高効率に集光して遠距離での光伝送を可能とするには、単レンズ3の受光面積を大きくする必要があるが、単レンズ3の焦点距離が長くなり、これにしたがって視野角範囲は狭くなってしまう。
【0007】
従来の送信機側、受信機側共に位置固定の光空間通信では、視野角が狭いことはあまり問題とならないが、自動車等の移動体を対象とした光空間通信方式では、通信対象の相対位置が変動する関係上、用いる光学レンズ系には比較的広い視野角範囲が必要とされる。
【0008】
そこで、レンズの受光面積を大きくし、且つ焦点距離を短くするには、図11(c)に示すように、レンズ4は多群多枚数構成が必要となる。したがって、大きさ、重量共に大きくなり、且つ高コストとなってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、以上述べた従来の自動車等の移動体を対象とした光空間通信方式では、通信対象となる移動体と移動体あるいは移動体と固定局の相対位置が変動する関係上、固定通信の場合と比較して、比較的広い視野角範囲の受信機指向性が必要とされる。同時に、不必要な外来雑音光を阻止して、高い通信品質を確保するためには、有限の指向角範囲内の受信に制限する必要がある。
【0010】
また、上記のような光空間通信方式では、情報量が多く、速い符号伝送速度の通信が要求される関係上、半導体受光素子の受光面は小面積でなければならない。
【0011】
したがって、遠距離での光空間通信を実現するには、半導体受光素子の受光面に効率良く光を集光する必要がある。
【0012】
以上のような要求を満たす光学レンズ系は、先に述べた単レンズでは技術的に満足できるものは得られず、係るレンズ系は多群多数枚構成を必要とし、大きさ、重量共に大きくなり、且つ高コストになってしまうという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記問題点を除去し、所定の視野角範囲内からの信号光を、効率良く集光することにより、小型軽量で、低コストな集光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、集光装置において、入射端面と、前記入射端面よりも面積の小さい出射端面と、前記入射端面と前記出射端面との間の、互いに対向する2対の面からなる4つの側面とを有する集光装置において、前記4つの側面は反対面であり、前記入射端面は、1方向に対する指向性を制限しつつ他の方向に対して広角な指向性を持たせるために、前記4つの側面のうち、1対の側面に対応する方向に対して曲面を有する形状にするようにしたものである。
【0015】
【作用】
本発明によれば、光学レンズ材料からなる角錐体あるいは円錐体からなる本体のテーパ面での光学的反射を利用して、入射端面からの入射光を、その本体の出射端面に誘導する。
【0016】
また、その本体内での光路軌跡による集光に加えて、その本体の入射端面の形状、テーパ角度などを変更することにより、導光管としての集光装置の指向特性及び受光素子との結合特性を所与の特性に設定することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0019】
図1に示すように、透明な四角錐体の本体11からなり、開口面(入射端面)12及び出射端面13を平面とした集光装置(導光管)10を構成している。
【0020】
この集光装置10は光学ガラス或いは有機光学材料で構成され、各面は光学的な鏡面に仕上げられている。(これは、光学的ミラー反射面とするのではなく、表面の凹凸をなくす処理のことである。)
特に、有機光学材料で構成する場合には、鋳型による鋳造方法により、各面の良好な形状精度及び表面仕上げの構造が、安価に大量生産可能である。
【0021】
また、テーパ面14は光学的ミラー反射面をなしている。これは、アルミニウム等の金属薄膜の蒸着法あるいは通常の鏡製作の場合の銀鏡反射法等により製作される。
【0022】
図2は本発明の第2の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0023】
この図に示すように、透明な四角錐体の本体21からなり、開口面22を水平方向のみを曲面22aとした蒲鉾形となし、出射端面23を平面とした集光装置(導光管)20を構成している。テーパ面24は光学的ミラー反射面をなしている。
【0024】
図3は本発明の第3の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0025】
この図に示すように、透明な四角錐体の本体31からなり、開口面32を垂直方向のみを曲面32aとした蒲鉾形となし、出射端面33を平面とした集光装置(導光管)30を構成している。テーパ面34は光学的ミラー反射面をなしている。
【0026】
図2又は図3の集光装置(導光管)20,30は、外来雑音光の影響が考えられる水平或いは垂直方向のいずれか一方の指向角を制限して、他の一方向に比較的広角な指向性を持たせる場合に有効な形状である。例えば、自動車等の移動体間で光空間通信を行う場合、水平方向のみに指向角を持たせ、信号光が得られず太陽からの外来雑音光等が考えられる垂直方向の指向角を制限する場合に好適である。
【0027】
図4は本発明の第4の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【0028】
この図に示すように、透明な四角錐体の本体41からなり、開口面42を垂直方向及び水平方向を曲面、つまり、球面42aとし、出射端面43を平面とした集光装置(導光管)40を構成している。テーパ面44は光学的ミラー反射面をなしている。
【0029】
この集光装置40は、外来雑音光の影響が考えられる水平及び垂直方向の両方の指向角を制限する場合に好適である。
【0030】
図5は本発明の第5の実施例を示す集光装置(導光管)の構成図であり、図5(a)はその集光装置(導光管)の側面図、図5(b)その集光装置(導光管)の正面図である。
【0031】
この図に示すように、透明な円錐体の本体51からなり、開口面52を球面52aとし、出射端面53を平面とした集光装置(導光管)50を構成している。テーパ面54は光学的ミラー反射面をなしている。
【0032】
これは、機械加工で導光管を作製する場合、この形状は比較的加工が容易であるという利点がある。一定方向からの外来雑音光が考えられず、全ての方向に同じ指向特性に設定する場合に好適である。
【0033】
また、図1〜図4に示した透明な四角錐体を基本とした集光装置の場合、水平方向、垂直方向の指向特性を所定の値に設定するためには、テーパ面の夫々水平及び垂直方向テーパ角の選定、開口面及び出射端面の四辺形の夫々の縦横比の選定、開口面を球面にするか蒲鉾形にするか等の選択が可能である。
【0034】
図6は本発明の集光装置(導光管)の基本原理を説明するための説明図、図7は本発明の集光装置(導光管)の構造モデルを示す図である。
【0035】
図1〜図5の実施例のテーパ面を有する集光装置の中心軸Aを含む水平面内において、入射光に水平方向の中心軸Aに対する偏角を与えた場合についての集光装置内での光路軌跡を示したものである。
【0036】
図6(a)の場合は、集光装置60の本体61の開口面62から入射した光は、テーパ面64での反射無しに集光装置60内を通過し、出射端面63から出射する場合であり、中心軸Aに近く、且つその中心軸Aに対する偏角が比較的小さい入射光の場合に相当する。
【0037】
図6(b)及び図6(c)の場合は、開口面62から入射した光は、集光装置内で1回又は2回、テーパ面64で反射を経過した後に、出射端面63から出射される場合を示し、入射光の入射位置が中心軸から遠い程、あるいは偏角が大きい程テーパ面64での反射の回数は増加する。
【0038】
上記した光路軌跡は、テーパ面64の中心軸に対する偏角をθg とすると、テーパ面による反射を経過する毎に、集光装置内での光路の中心軸に対する絶対値は2θg ずつ増加する。また、開口面及び出射端面は、導光管を構成している光学材料の屈折率と大気の屈折率との界面であり、その両端面の形状により、集光装置内の光路とその集光装置外の入射光及び出射光との屈折関係が定まる。
【0039】
図7に示すように、集光装置70の本体71の中心軸Aを含む水平面内において、開口面72の水平方向半幅、つまり、入射端面半径をDa 、開口面72における入射光の入射位置をDin、中心軸Aに対する入射光の偏角をθinとして、集光装置70を通過するDin/Da とθinとの関係を、図8及び図9に示す。
【0040】
なお、図7において、73は出射端面、74はテーパ面、Rg は入射端面の球面半径、θr は開口角度、θg はテーパ角度、Db は出射端面半径、θout は中心軸Aに対する出射光の偏角である。
【0041】
図8(a)は中心軸Aに対する入射光の偏角θinと、入射光が出射される割合Prとの特性図であり、横軸にθin(度)、縦軸に入射光が出射される割合Prを示している。図8(b)は出射端面の指向特性図であり、条件として、Da /Db =10.0,Rg /Da =3.0,θg =15°の場合が示されている。
【0042】
図9(a)は、図8(a)と同様であり、中心軸Aに対する入射光の偏角θinと入射光が出射される割合Prとの特性図であり、横軸にθin(度)、縦軸に入射光が出射される割合Prを示している。図9(b)は出射端面の指向特性図であり、条件として、Da /Db =10.0,Rg /Da =2.5,θg =15°の場合が示されている。
【0043】
これらの図から明らかなように、本発明の集光装置(導光管)における特徴的な集光効果を示している。
【0044】
図10は本発明の集光装置(導光管)について、開口面側から見た集光装置内の光路軌跡の例を示す図であり、図10(a)は四角錐体を基本とした場合、図10(b)は円錐体を基本とした場合を示している。
【0045】
図において、開口面の点Pinからの入射光は、集光装置内で点R1 ,R2 ,…とテーパ面での反射を経過して、出射端面の点Pout から出射することになる。
【0046】
この場合、図示したように、集光装置内での光路は、回転しながら進行することになる。しかし、図6及び図7で説明した集光特性の基本的な事項は普遍的である。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)高速度の符号伝送通信に使用される受信機内の受光素子の実効的な受光面積が大きくでき、且つ移動体間での光通信に必要な比較的広角な指向特性を持たせ得る集光装置を、軽量小型さらに低コストで実現できる。
(2)適用形態に対応して、水平及び垂直方向の指向特性を夫々任意の値に容易に設定できるようにしたため、一定方向のみに極めて急峻な指向範囲の遮断特性を持たせることも可能であり、周辺建物等からの反射を介した光通信に有害な各種の外来雑音光を遮断して、高品質の通信状態を確保できる利点がある。
(3)光センサに用いる場合も同様に、外来雑音光を遮断し、必要な指向角範囲の光だけを得ることで、センサの誤動作を防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施例を示す集光装置(導光管)の斜視図である。
【図6】本発明の集光装置(導光管)の基本原理を説明するための説明図である。
【図7】本発明の集光装置(導光管)の構造モデルを示す図である。
【図8】本発明の集光装置(導光管)の集光特性を示す図(その1)である。
【図9】本発明の集光装置(導光管)の集光特性を示す図(その2)である。
【図10】本発明の集光装置(導光管)の開口面側から見た光路軌跡の例を示す図である。
【図11】従来の光空間通信における光受信機の系の構成例図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70 集光装置(導光管)
11,21,31,41,51,61,71 本体
12,22,32,42,52,62,72 開口面(入射端面)
13,23,33,43,53,63,73 出射端面
14,24,34,44,54,64,74 テーパ面
22a,32a 曲面
42a,52a 球面
Claims (1)
- 移動体間で光通信を行う際に用いられる集光装置において、前記集光装置は、
入射端面と、
前記入射端面よりも面積の小さい出射端面と、
前記入射端面と前記出射端面との間の、互いに対向する2対の面からなる4つの側面とを有し、
前記4つの側面は反射面であり、
前記入射端面は、垂直方向に対する指向性を制限しつつ水平方向に対して広角な指向性を持たせるために、前記4つの側面のうち、水平方向に対して曲面を有する形状であることを特徴とする集光装置。
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