JP3568741B2 - 半導体評価装置および半導体製造システム - Google Patents
半導体評価装置および半導体製造システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP3568741B2 JP3568741B2 JP20626997A JP20626997A JP3568741B2 JP 3568741 B2 JP3568741 B2 JP 3568741B2 JP 20626997 A JP20626997 A JP 20626997A JP 20626997 A JP20626997 A JP 20626997A JP 3568741 B2 JP3568741 B2 JP 3568741B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- measurement
- impurity distribution
- scm
- simulation
- sample
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01Q—SCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
- G01Q40/00—Calibration, e.g. of probes
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L22/00—Testing or measuring during manufacture or treatment; Reliability measurements, i.e. testing of parts without further processing to modify the parts as such; Structural arrangements therefor
- H01L22/10—Measuring as part of the manufacturing process
- H01L22/14—Measuring as part of the manufacturing process for electrical parameters, e.g. resistance, deep-levels, CV, diffusions by electrical means
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L22/00—Testing or measuring during manufacture or treatment; Reliability measurements, i.e. testing of parts without further processing to modify the parts as such; Structural arrangements therefor
- H01L22/20—Sequence of activities consisting of a plurality of measurements, corrections, marking or sorting steps
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S977/00—Nanotechnology
- Y10S977/84—Manufacture, treatment, or detection of nanostructure
- Y10S977/849—Manufacture, treatment, or detection of nanostructure with scanning probe
- Y10S977/852—Manufacture, treatment, or detection of nanostructure with scanning probe for detection of specific nanostructure sample or nanostructure-related property
- Y10S977/854—Semiconductor sample
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Radiology & Medical Imaging (AREA)
- Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体試料の不純物分布や表面形状を分析する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
不純物分布を分析する手法の一つに、SCM(Scanning Capacitance Microscopy)測定がある(J.of Elec.Mat.vol25,no2,p301,1996年)。図30は従来のSCM測定装置1の全体構成を示すブロック図である。図30のSCM測定装置1は、試料16が載置されるステージ11と、ステージ11をXY方向に走査するXY走査回路12と、XY走査回路12を制御する制御回路13と、測定データや制御データ等が格納されるデータ格納部14と、先端部15が試料16の表面に接触されるプローブ17と、センサ18と、CV測定器19とを備えている。プローブ先端部15で検出された信号は、基端部のカンチレバー20を介してセンサ18に入力されて増幅された後、UHF伝送線L1を介してCV測定器19に入力される。
【0003】
SCM測定装置1は、UHF共振容量センサと同じ原理で容量を測定する。プローブの先端15が試料16上に置かれると、プローブの先端15、センサ18、伝送線L1および試料16のすべてが共鳴器の一部となる。すなわち、プローブの先端15と試料16との間の容量Cの変化が負荷となって共鳴周波数が変化し、共鳴周波数のわずかな変化により共鳴振幅が大きく変化する。この共鳴器では、attofarads(10−18F)の感度が得られる。
【0004】
図30のSCM測定装置1は、プローブ先端15と試料16との間に電界(kHz帯域のACバイアス)を加えることにより、プローブ先端15付近の試料16中に所望の容量変化を与える。プローブ先端15直下の自由キャリアは、ACバイアスにより、プローブ先端15に引きつけられたり反発されたりする。このような空乏状態や蓄積状態は、キャパシタ平板間の距離を変えるのと等価である。空乏層の深さ、すなわち、キャパシタの平板間の距離変化は3つの量、すなわち、▲1▼印加電界の強度、▲2▼プローブ先端と測定対象との間の誘電体の品質と厚さ(通常酸化膜)、▲3▼自由キャリア濃度で決定される。
【0005】
キャリアは、印加電界を遮蔽または終端させると見なすことができ、電界が強いほど、あるいはキャリア濃度が低いほど、表面から奥深くまで空乏化される。逆に、電界が弱いほど、あるいはキャリア濃度が高いほど、空乏電界は表面近傍で終端する。
【0006】
仮に、半導体試料が均一な不純物分布と二つの厚さの誘電体膜を有する場合には、空乏層は試料表面に形成された薄い酸化膜よりも深くまで延びる。同様に、キャリア濃度の高い領域と低い領域とを合わせ持つ試料については、同じレベルの印加電圧で比較した場合に、キャリア濃度の低い領域の方が空乏層は厚くなる。
【0007】
図30のSCM測定装置1は、キャリアの動きを測定するものであり、キャリア濃度が低いほど、あるいは表面酸化膜が薄いほど、信号強度の大きい信号を出力する。SCM測定により得られた信号は、dC/dV、すなわち、印加電圧の変化に対する空乏層容量の変化である。SCM測定では、試料表面に交流電圧を印加するため、上記dVはピーク・ツー・ピーク電圧と考えてよい。言い換えれば、上記dVはプローブ先端直下に形成される空乏層全体の変化量と考えることができる。
【0008】
図30のSCM測定装置1は、試料表面に印加する電圧Vと容量Cとの関係をCVカーブの形で出力する。より具体的には、一定の振幅電圧dVを試料に印加した場合の容量の変調成分dCを、画像イメージとして生成する。また、試料に対するDCバイアスも調整可能であり、DCバイアスを調整することにより、ACバイアスの基準電位が変化する。
【0009】
図31はn型半導体の典型的な高周波CV特性を表した図であり、p型半導体の場合には、CV特性の極性が図31とは逆になる。図示のように、ゲート端子またはプローブ先端に正のバイアス電圧を印加すると電子が半導体表面に引きつけられて蓄積する。蓄積状態では、キャパシタ平板間の距離を短くしたのと同じになり、キャパシタ全体の容量は、誘電体(多くの場合、酸化膜)の容量に等しくなる。
【0010】
一方、ゲート端子またはプローブ先端に印加する電圧を負の方向に振るにつれ、空乏層が広がって容量が下がる。また、キャリア濃度が低いほど空乏層の広がる速度が速くなり、電圧の変化に対して容量値が急激に低下する。したがって、キャリア濃度が低いほどCVカーブの傾きが大きくなる。すなわち、SCM測定装置はCV特性の傾き検出器と考えることもできる。
【0011】
ところで、試料表面を分析する手法の一つに、AFM(Atomic Force Microscopy)測定がある。図33は従来のAFM測定装置5の全体構成を示すブロック図である。図33のAFM測定装置5は、プローブ21と、試料22が載置される圧電素子(PZT)23と、PZT23をXY方向に走査するXY走査回路24と、XY走査回路24を制御する制御回路25と、測定データや制御データ等が格納されるデータ格納部26と、PZT23を制御するサーボ回路27と、フォトディテクタ28と、ミラー29と、レーザダイオード30とを備えている。
【0012】
プローブ先端31と試料22間の距離を1μm〜100オングストロームの範囲で変化させると、プローブ先端31と試料22との間には次のような力が働く。近距離(〜100オングストローム程度)では原子間力が主で、試料面から3〜4オングストロームまでは斥力が、それより遠くなると引力が働く。一方、遠距離になると、電荷または極性物質の電子双極子による静電気力や、磁荷による静磁気力が引力として作用する。
【0013】
図33のAFM測定装置5では、試料表面の凹凸をプローブ基端部のカンチレバー32の変位量に変換し、その変位量を光梃子の原理を利用して検出する。すなわち、レーザダイオード30をプローブ先端部31に照射し、その反射光をフォトディテクタ28で検出する。そして、反射光がフォトディテクタ28の中央部に集光するように、サーボ回路27によってPZT23上に載置された試料22を上下させ、この上下させるための信号を試料表面の形状を表す画像に変換する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図30のSCM測定装置1を用いれば試料内の不純物分布を分析でき、また、図33のAFM測定装置5を用いれば試料の表面形状を分析できる。ところが、これら装置を用いた従来のSCM測定やAFM測定には以下の問題があった。
【0015】
まず、プローブ先端は数百オングストロームの寸法を有するため、その寸法以下の測定は事実上不可能であり、SCM測定にしても、AFM測定にしても、プローブ先端の寸法により解像度が制限される。また、SCM測定では、平行平板のキャパシタを仮定して、試料中の空乏層端のキャリア密度を割り出している。しかしながら、実際には、プローブ先端の形状は平板と仮定できるほど十分な大きさを有していないため、試料中の空乏層端を平行平板と仮定すると誤差が生じる。
【0016】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、試料中の不純物分布や試料表面の形状を精度よく分析することをができる半導体評価装置および半導体製造システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、プローブ先端と試料との間の容量Cと、プローブ先端を介して試料に印加される電圧Vとの関係を表すCV特性を測定するSCM測定手段を備えた半導体評価装置において、既知の不純物分布を有する基準試料に対するCV特性を前記SCM測定手段により測定した結果に基づいて、予め入力されたプローブ先端の形状データを校正するプローブ形状校正手段と、前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料に対するCV特性と、前記SCM測定手段により測定された測定試料に対するCV特性との比較結果に基づいて、測定試料内の不純物分布を特定するSCMシミュレーション手段と、を備える。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1に記載の半導体評価装置において、前記SCMシミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料内の不純物分布が1種類に特定されたか否かを判定する不純物分布特定判定手段と、不純物分布が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記SCM測定手段における測定条件を修正するSCM測定条件修正手段と、を備え、前記SCMシミュレーション手段は、前記修正された測定条件の下で前記SCM測定手段により測定された測定試料に対するCV特性との比較結果に基づいて、不純物分布を特定する。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の半導体評価装置において、測定試料における、ゲート−基板間容量、ゲート−ソース間容量、ゲート−ドレイン間容量、しきい値、ドレイン電流、基板電流およびゲート電流のうち少なくとも一つを含む電気的特性を測定する電気的特性測定手段と、前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布に基づいて演算された電気的特性と、前記電気的特性測定手段により測定された電気的特性との比較結果に基づいて、前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布を修正する電気的特性シミュレーション手段と、を備える。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1または2に記載の半導体評価装置において、前記SCMシミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料内の不純物分布が1種類に特定されたか否かを判定する第1の不純物分布特定判定手段と、不純物分布が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記SCM測定手段における測定条件の修正回数が所定回数以内であるか否かを判定する測定条件修正回数判定手段と、前記修正回数が前記所定回数以内であれば、前記SCM測定手段における測定条件を修正し、前記修正回数が前記所定回数を越えていれば、測定試料における、ゲート−基板間容量、ゲート−ソース間容量、ゲート−ドレイン間容量、しきい値、ドレイン電流、基板電流およびゲート電流のうち少なくとも一つを含む電気的特性を測定する電気的特性測定手段と、この電気的特性測定手段により測定された電気的特性と、前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布に基づいて演算された電気的特性との比較結果に基づいて、前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布を修正する電気的特性シミュレーション手段と、前記電気的特性シミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料内の不純物分布が1種類に特定されたか否かを判定する第2の不純物分布特定判定手段と、この第2の不純物分布特定判定手段により不純物分布が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記電気的特性測定手段における測定条件を修正する電気的特性条件修正手段と、を備え、前記第1の不純物分布特定判定手段により不純物分布が1種類に特定されたと判定された場合には、前記SCMシミュレーション手段で特定された不純物分布を最終的な不純物分布とし、前記第1の不純物分布特定により不純物分布が1種類に特定されなかったと判定され、かつ前記第2の不純物分布特定判定手段により不純物分布が1種類に特定されたと判定された場合には、前記電気的特性シミュレーション手段で修正された不純物分布を最終的な不純物分布とする。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体評価装置において、前記プローブ形状校正手段は、前記基準試料に対するCV特性を前記SCM測定手段により測定する基準CV特性測定手段と、入力されたプローブ先端の形状データに基づいて、前記基準試料に対するCV特性を演算する第1のデバイスシミュレーション手段と、前記基準CV特性測定手段で測定されたCV特性と、前記第1のデバイスシミュレーション手段で演算されたCV特性とが一致するように、前記第1のデバイスシミュレーション手段での演算に用いられるプローブ先端の形状データを修正するプローブ先端形状修正手段と、を有する。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体評価装置において、前記SCMシミュレーション手段は、前記SCM測定手段で測定された測定試料に対するCV特性に基づいて、測定試料内の不純物分布を推定する不純物分布推定手段と、前記プローブ形状校正手段により校正されたプローブ先端の形状データと、前記不純物分布推定手段により推定された不純物分布とに基づいて、測定試料に対するCV特性を演算する第2のデバイスシミュレーション手段と、前記SCM測定手段で測定された測定試料に対するCV特性と、前記第2のデバイスシミュレーション手段で演算されたCV特性とが一致するように、前記不純物分布推定手段で推定された不純物分布を修正する不純物分布修正手段と、を有する。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体評価装置において、前記SCMシミュレーション手段は、所定の製造条件に基づいて、測定試料内の不純物分布を演算するプロセスシミュレーション手段と、前記プローブ形状校正手段により校正されたプローブ先端の形状データと、前記プロセスシミュレーション手段により演算された不純物分布とに基づいて、測定試料に対するCV特性を演算する第2のデバイスシミュレーション手段と、前記SCM測定手段で測定された測定試料に対するCV特性と、前記第2のデバイスシュミレーション手段で演算されたCV特性とが一致するように、前記プロセスシミュレーション手段での演算に用いられる製造条件を修正するPSパラメータ修正手段と、を有する。
【0024】
請求項8の発明は、試料の上方に置かれたプローブ先端と試料との間に働く力に基づいて、試料の表面形状を分析するAFM測定手段を備えた半導体評価装置において、基準試料の表面形状を前記AFM測定手段により測定した結果に基づいて、予め入力されたプローブ先端の形状データを校正するプローブ形状校正手段と、前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料の表面形状と、前記AFM測定手段により測定された測定試料の表面形状との比較結果に基づいて、測定試料の表面形状を特定するAFMシミュレーション手段と、を備える。
【0025】
請求項9の発明は、請求項8に記載の半導体評価装置において、前記AFMシミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料の表面形状が1種類に特定されたか否かを判定する表面形状特定判定手段と、表面形状が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記AFM測定手段による測定条件を修正するAFM測定条件修正手段と、を備え、前記AFMシミュレーション手段は、前記修正された測定条件の下で前記AFM測定手段により測定された表面形状との比較結果に基づいて、測定試料の表面形状を特定する。
【0026】
請求項10の発明は、請求項8または9に記載の半導体評価装置において、前記AFM測定手段による測定結果に基づいて、測定試料の表面が平らであるか否かを判定する表面平坦判定手段を備え、前記AFMシミュレーション手段は、前記表面平坦判定手段により表面が平らでないと判定された場合のみ演算処理を行う。
【0027】
請求項11の発明は、請求項8〜10のいずれかに記載の半導体評価装置において、前記AFMシミュレーション手段は、前記AFM測定手段により測定された測定試料の表面形状と、前記プローブ形状校正手段により校正されたプローブ先端の形状データとに基づいて、測定試料の表面形状を演算する第3のデバイスシミュレーション手段と、前記AFM測定手段により測定された表面形状と、前記第3のデバイスシミュレーション手段により演算された表面形状とが一致するように、前記第3のデバイスシミュレーション手段での演算に用いられる表面形状データを修正する表面形状修正手段と、を有する。
【0028】
請求項12の発明は、請求項8〜10のいずれかに記載の半導体評価装置において、前記AFMシミュレーション手段は、所定の製造条件に基づいて、測定試料の表面形状を演算する形状シミュレーション手段と、前記AFM測定手段により測定された表面形状と、前記形状シミュレーション手段により演算された表面形状とが一致するように、前記形状シミュレーション手段での演算に用いられる製造条件を修正する製造条件修正手段と、を有する。
【0029】
請求項13の発明は、ロット単位で半導体装置を製造する半導体製造装置を備えた半導体製造システムにおいて、前記半導体製造装置で製造された前記半導体装置の電気的特性を測定する電気的特性測定手段と、この電気的特性測定手段により電気的特性に異常が検出された前記半導体装置について、不純物分布および表面形状の少なくとも一方を分析する請求項1〜12のいずれかに記載の半導体評価装置と、この半導体評価装置による分析結果に基づいて逆抽出された製造条件と、前記半導体製造装置における製造条件とのずれを検出する製造条件誤差検出手段と、この製造条件誤差検出手段により検出された製造条件のずれに基づいて、前記半導体製造装置における製造条件を変更する製造条件変更手段と、を備える。
【0030】
請求項1の発明を、例えば図1〜図5に対応づけて説明すると、「SCM測定手段」はSCM測定装置1に、「プローブ形状校正手段」は図3のフローチャートに、「SCMシミュレーション手段」は図4,5のフローチャートに対応する。
【0031】
請求項2の発明を、例えば図6に対応づけて説明すると、「不純物分布特定判定手段」は図6のステップS44に、「SCM測定条件修正手段」は図6のステップS45に対応する。
【0032】
請求項3の発明を、例えば図7〜図10に対応づけて説明すると、「電気的特性測定手段」は電気的特性評価装置4に、「電気的特性シミュレーション手段」は図9,10のフローチャートに対応する。
【0033】
請求項4の発明を、例えば図7〜図11に対応づけて説明すると、「第1の不純物分布特定判定手段」は図11のステップS84に、「シミュレーション精度判定手段」はステップS85に、「SCM測定条件修正手段」はステップS86に、「電気的特性測定手段」は電気的特性評価装置4に、「電気的特性シミュレーション手段」はステップS88に、「第2の不純物分布特性判定手段」はステップS89に、「電気的特性条件修正手段」はステップS91に、それぞれ対応する。
【0034】
請求項5の発明を、例えば図3に対応づけて説明すると、「基準CV特性測定手段」は図3のステップS11に、「第1のデバイスシミュレーション手段」はステップS13に、「プローブ先端形状修正手段」はステップS15に、それぞれ対応する。
【0035】
請求項6の発明を、例えば図4に対応づけて説明すると、「不純物分布推定手段」はステップS21に、「第2のデバイスシミュレーション手段」はステップS22に、「不純物分布修正手段」はステップS24に、それぞれ対応する。
【0036】
請求項7の発明を、例えば図5に対応づけて説明すると、「プロセスシミュレーション手段」はステップS31に、「第2のデバイスシミュレーション手段」はステップS32に、「PSパラメータ修正手段」はステップS34に、それぞれ対応する。
【0037】
請求項8の発明を、例えば図13に対応づけて説明すると、「プローブ形状校正手段」はステップS101に、「AFMシミュレーション手段」はステップS103に、それぞれ対応する。
【0038】
請求項9の発明を、例えば図17に対応づけて説明すると、「表面形状特定判定手段」はステップS134に、「AFM測定条件修正手段」はステップS135に、それぞれ対応する。
【0039】
請求項10の発明を、例えば図19に対応づけて説明すると、「表面平坦判定手段」はステップS143に対応する。
【0040】
請求項11の発明を、例えば図15に対応づけて説明すると、「第3のデバイスシミュレーション手段」はステップS111に、「表面形状修正手段」はステップS113に、それぞれ対応する。
【0041】
請求項12の発明を、例えば図16に対応づけて説明すると、「形状シミュレーション手段」はステップS121に、「製造条件修正手段」はステップS124に、それぞれ対応する。
【0042】
請求項13の発明を、例えば図26,27に対応づけて説明すると、「電気的特性測定手段」は図26のステップS233に、「半導体評価手段」は図27のステップS251〜S254に、「製造条件誤差検出手段」は図27のステップS255に、「製造条件変更手段」は図26のステップS236に、それぞれ対応する。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した半導体評価装置および半導体製造システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0044】
〔第1の実施形態〕
図1は本発明における半導体評価装置の第1の実施形態の概略構成図である。図1の半導体評価装置は、図30と同じ構成のSCM測定装置1と、SCM測定装置1を制御する制御部2と、SCM測定装置1で測定されたデータや制御部2を制御するための制御データ等が格納されるデータ格納部3とを備えている。
【0045】
図2は制御部2が行うメイン処理を示すフローチャートである。図2のステップS1では、図3に詳細を示すプローブ形状校正処理を行う。この処理では、初期入力されたプローブ先端の形状データを、基準試料に対するSCM測定結果に基づいて校正する。校正されたデータは、後述するSCMシミュレーション処理で使用される。このプローブ形状校正処理の詳細は後述する。
【0046】
次に、図2のステップS2では、SCM測定装置1を用いてSCM測定を行い、測定試料のCV特性を検出する。ステップS3では、図4または図5に詳細を示すSCMシミュレーション処理を行う。この処理では、SCM測定装置1による測定結果に基づいて推定された不純物分布を基に、測定試料のCV特性を演算し、演算されたCV特性と、SCM測定により得られたCV特性とが一致するように、不純物分布を修正する。次にステップS4では、修正された不純物分布を画像データや数値データに変換して、不図示の表示装置やプリンタなどに出力する。
【0047】
次に、図2のステップS1のプローブ形状校正処理の詳細動作を、図3のフローチャートに基づいて説明する。ステップS11では、既知の不純物分布を有する基準試料に対してSCM測定を行う。次にステップS12では、プローブ先端の初期形状データを入力する。
【0048】
次にステップS13では、デバイスシミュレーション処理を行う。この処理では、プローブ先端の形状、基準試料の形状、基準試料中の不純物濃度、および印加電圧Vを入力パラメータとして、ポアソン方程式、電流連続式、電流密度の式を解く。これらの式を解くことで、プローブ先端の内部、基準試料内部、およびプローブ先端と基準試料の間の空間中の電位分布がそれぞれ計算され、また、基準試料中のキャリア濃度分布も計算される。さらに、これら電位分布とキャリア濃度分布の時間変化より、プローブ先端と基準試料との間の容量Cも計算される。
【0049】
このように、デバイスシミュレーション処理では、プローブ先端の形状データや、基準試料内の不純物分布などに基づいて、プローブ先端と基準試料との間のCV特性を演算する。すなわち、デバイスシミュレーション処理により、SCM測定処理そのもののシミュレーションが行われる。
【0050】
次にステップS14では、図3のステップS11のSCM測定により得られたCV特性と、ステップS13で演算されたCV特性とを比較し、両者が一致しなければステップS15に進んでプローブ形状の修正を行う。ここでは、数値的に表現されたプローブ先端の形状データの変化に対する容量Cの変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により、プローブ先端の形状データを修正する。あるいは、プローブ先端の形状を、ガウス分布、補誤差関数、スプライン関数、フーリエ級数などの関数形で記述し、例えば、関数形のパラメータの変化に対する容量Cの変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により、プローブ先端の形状データを修正する。
【0051】
一方、ステップS14の処理で、CV特性の比較結果が一致すると、プローブ先端形状の校正処理を終えて、図2のステップS2に戻る。
【0052】
次に、図2のステップS3に示すSCMシミュレーション処理の詳細動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。図4のステップS21では、SCM測定装置1から出力されたキャリア濃度分布と、例えばnp積一定の条件や電荷中和条件などに基づいて、測定試料内の不純物分布Ninitを推定する。次にステップS22では、推定した不純物分布Ninitを用いて、図3のステップS13と同様にデバイスシミュレーション処理を行ってSCM測定そのものをシミュレーションする。
【0053】
次にステップS23では、SCM測定装置1により測定されたCV特性と、デバイスシミュレーション処理によって演算されたCV特性とを比較し、比較結果が一致していなければ図4のステップS24に進んで不純物分布の修正を行う。ここでは、不純物分布を数値的に表現し、その数値化した不純物分布の変化に対する容量Cの変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により不純物分布を修正する。あるいは、ガウス分布、補誤差関数、スプライン関数、フーリエ級数といった関数形により不純物分布を記述し、例えば、関数形のパラメータの変化に対する容量Cの変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により不純物分布を修正する。
【0054】
一方、SCM測定装置1により測定されたCV特性と、デバイスシミュレーション処理によって演算されたCV特性とが一致すれば図2のステップS4に進む。
【0055】
図5はSCMシミュレーション処理の変形例を示す詳細フローチャートである。図5のステップS31では、プロセスシミュレーション処理を行う。この処理では、製造条件を初期入力として、不純物分布の初期値を演算する。より詳しくは、例えば不純物のイオン注入エネルギーと不純物ドーズ量を入力してイオン注入計算を行い、また、酸化時間と拡散時間を入力して、酸化/拡散方程式を解くことで、測定試料内の不純物分布を演算する。
【0056】
次にステップS32では、演算した不純物分布を用いて、図4のステップS22と同様に、デバイスシミュレーション処理を行ってSCM測定そのものをシミュレーションする。
【0057】
次にステップS33では、SCM測定装置1により測定されたCV特性と、デバイスシミュレーション処理により演算されたCV特性とを比較し、両者が一致すれば図2のステップS4に進み、両者が一致しなければステップS34に進み、プロセスシミュレーション処理における入力パラメータ(PSパラメータ)の修正を行う。ここでは、例えば、ステップS31のプロセスシミュレーション処理で用いる各種の入力パラメータの変化に対するCV特性の変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により、プロセスシミュレーション処理で用いる入力パラメータ、例えば、拡散温度、拡散時間、イオン注入の不純物量、イオン注入のエネルギー等の修正量を決定する。
【0058】
このように、第1の実施形態では、SCM測定装置1により測定されたCV特性と、SCM測定装置1による測定結果に基づいて演算されたCV特性とを比較し、両者が一致するまで、不純物分布を修正するようにしたため、プローブ先端の寸法以下の解像度で不純物分布を検出できる。また、プローブ先端の形状データを校正した上でSCMシミュレーション処理を行うため、シミュレーションの信頼性が向上する。
【0059】
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態は、SCMシミュレーション処理を行っても不純物分布を一意に特定できない場合は、測定条件を変更してSCM測定をやり直すものである。図6は半導体評価装置の第2の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。図6のステップS41〜S43は、図2のステップS1〜S3と同様の処理を行う。ステップS44では、不純物分布を一意に特定できたか否かを判定する。すなわち、ステップS44では、図4または図5に詳細を示すSCMシミュレーション処理を行ったときに、不純物分布の候補が一つに絞りきれずに複数の候補が存在するような場合に、不純物分布を一意に特定できないと判断する。
【0060】
不純物分布を一意に特定できない場合にはステップS45に進んで、SCM測定条件の修正を行う。ここでは、SCM測定時の測定条件、例えば周波数や電圧振幅などを変更してステップS42に戻り、再度SCM測定を行う。一方、不純物分布を一意に特定できた場合にはステップS46に進み、最終的な不純物分布を表示装置やプリンタ等に出力する処理を行う。
【0061】
このように、第2の実施形態では、SCMシミュレーション処理を行っても不純物分布を一意に特定できない場合には、SCM測定時の測定条件を変更して再度SCM測定をやり直すようにしたため、不純物分布を必ず1つに絞り込むことができる。
【0062】
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態は、SCMシミュレーション処理によって不純物分布が得られた後に、電気的特性の測定とそのシミュレーションを行って不純物分布を修正するものである。
【0063】
図7は本発明における半導体評価装置の第3の実施形態の概略構成図である。図7の装置は、測定試料の電気的特性を測定するための電気的特性評価装置4を新たに追加した点に特徴がある。
【0064】
図8は半導体評価装置の第3の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。図8のステップS51〜S53では、図2のステップS1〜S3と同様の処理を行う。ステップS53のSCMシミュレーション処理により不純物分布が演算されると、ステップS54に進んで電気的特性測定処理を行う。この処理では、例えば、電気的特性評価装置4により、ゲート−基板間の容量、ゲート−ソース間の容量、ゲート−ドレイン間の容量、しきい値、ドレイン電流、基板電流、およびゲート電流などの電気的特性を測定する。
【0065】
次にステップS55では、図9または図10に詳細を示す電気的特性シミュレーション処理を行う。この処理では、電気的特性測定処理で測定した電気的特性そのものをシミュレーションすることにより、高解像度の不純物分布を求める。なお、電気的特性シミュレーション処理の詳細は後述する。次にステップS56では、ステップS55で得られた不純物分布を表示装置やプリンタ等に出力する処理を行う。
【0066】
次に、図8のステップS55の電気的特性シミュレーション処理の詳細を、図9のフローチャートに基づいて説明する。図9のステップS61では、図8のステップS53のSCMシミュレーション処理により得られた不純物分布NSCMを用いて、図3のステップS13と同様にデバイスシミュレーション処理を行い、電気的特性を演算する。
【0067】
次にステップS62では、図8のステップS54で得られた電気的特性の実測値と、ステップS61で演算された電気的特性とを比較する。両者が一致していなければステップS63に進んで不純物分布を修正した後に、ステップS61のデバイスシミュレーション処理を繰り返し、両者が一致すれば図8のステップS56に進んで不純物分布を出力する。
【0068】
図10は電気的特性シミュレーション処理の変形例を示す詳細フローチャートである。ステップS71では、図5のステップS31と同様に、製造条件を初期入力としてプロセスシミュレーション処理を行い、不純物分布の初期値を演算する。次にステップS72では、演算した不純物分布を用いてデバイスシミュレーション処理を行い、電気的特性の測定そのものをシミュレーションする。
【0069】
次にステップS73では、図8のステップS54で実測された電気的特性と、デバイスシミュレーション処理により演算された電気的特性とを比較し、両者が一致すれば図8のステップS56に進み、両者が一致しなければステップS74に進み、プロセスシミュレーション処理における入力パラメータ(PSパラメータ)、例えば拡散温度や拡散時間などを修正した後、ステップS71のプロセスシミュレーション処理を繰り返す。
【0070】
このように、第3の実施形態では、SCMシミュレーション処理により不純物分布が得られた後に、電気的特性の実測値とそのシミュレーション結果とに基づいて不純物分布の修正を行うため、より精度の高い不純物分布が得られる。
【0071】
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態は、SCMシミュレーション処理により十分な精度の不純物分布が得られない場合のみ、電気的特性の測定とそのシミュレーション結果に基づいて不純物分布を修正するものである。
【0072】
図11は半導体評価装置の第4の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。図11のステップS81〜S83では、図2のステップS1〜S3と同様の処理を行う。次にステップS84では、ステップS83のSCMシミュレーション処理により不純物分布を一意に特定できたか否かを判定する。一意に特定できた場合にはステップS90に進んで不純物分布を出力する処理を行う。一方、不純物分布を一意に特定できなかった場合にはステップS85に進む。ステップS85では、SCM測定条件の修正回数が所定の回数以内であるか否かを判定する。修正回数が所定の回数以内であれば、ステップS86に進んで、SCM測定の条件、例えば、周波数や電圧振幅などを変更した後、再度ステップS82のSCM測定処理を行う。一方、SCM測定条件の修正回数が所定の回数を越えている場合、すなわち、所定回数以内のSCM測定条件の修正で不純物分布を一意に特定できなければ、以下に説明する電気的特性測定処理と電気的シミュレーション処理を行う。
【0073】
まず、ステップS87では、電気的特性測定処理を行い、次に、ステップS88では、電気的特性シミュレーション処理を行う。このステップS87,S88の処理は図8のステップS54,S55の処理と同じである。
【0074】
次にステップS89では、ステップS84と同様に、不純物分布を一意に特定できたか否かを判定し、特定できればステップS90に進んで不純物分布を出力し、特定できなればステップS91に進んで電気的特性測定条件の修正を行う。ここでは、例えば、容量Cを測定する周波数や印加電圧などの測定条件を修正し、再度、ステップS87の電気的特性測定処理を行う。
【0075】
このように、第4の実施形態では、SCMシミュレーション処理を行っても不純物分布を一意に特定できない場合のみ、電気的特性の測定とそのシミュレーション結果との比較結果に基づいて不純物分布の修正を行うようにしたため、最終的な不純物分布が得られるまでの処理時間を短縮できる。
【0076】
〔第5の実施形態〕
第5の実施形態は、AFM測定により実測された測定試料表面の形状と、シミュレーションにより演算された測定試料表面の形状との比較結果に基づいて、試料表面の形状を精度よく抽出するものである。
【0077】
図12は本発明における半導体評価装置の第5の実施形態の概略構成図である。図12の装置は、SCM測定装置1の代わりに、AFM測定装置5を設けた点に特徴がある。
【0078】
図13は半導体評価装置の第5の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS101では、プローブ形状校正処理を行ってプローブ先端の形状を特定する。ここでは、基準試料の表面形状をAFM測定装置5により測定した結果と、そのシミュレーション結果に基づいて、プローブ先端の形状を特定する。
【0079】
次にステップS102では、AFM測定装置5によるAFM測定処理を行い、測定試料の表面形状を実測した結果を出力する。次にステップS103では、図14または図15に詳細を示すAFMシミュレーション処理を行い、AFM測定装置5により実測された測定試料の表面形状を修正する。次にステップS104では、修正された表面形状を画像データや数値データに変換して、表示装置やプリンタなどに出力する。
【0080】
次に図13のステップS101のプローブ形状校正修正処理の詳細動作を、図14のフローチャートに基づいて説明する。ステップS105では、既知の表面形状を有する基準試料に対してAFM測定を行う。次にステップS106では、プローブ先端の初期形状データを入力する。次にステップS107では、デバイスシミュレーション処理を行う。この処理では、プローブ先端の形状や基準試料の表面形状を入力パラメータとして、ポアソン方程式やマクスウェルの方程式などの電磁場方程式を解くことで、プローブ先端と基準試料との間の電磁場の分布が計算され、また、電磁場の時間変化により、プローブ先端と基準試料との間に働く力(原子間力)が計算される。
【0081】
このように、デバイスシミュレーション処理では、プローブ先端の形状データや、基準試料の表面分布などに基づいて、プローブ先端と基準試料表面との間の原子間力を演算する。すなわち、デバイスシミュレーション処理により、ステップS105におけるAFM測定そのもののシミュレーションが行われる。
【0082】
次にステップS108では、ステップS105のAFM測定により得られた原子間力と、ステップS107で演算された原子間力とを比較し、両者が一致しなければステップS109に進んでプローブ形状の修正を行う。ここでは、数値的に表されたプローブ先端の形状データの変化に対する原子間力の変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により、プローブ先端の形状データを修正する。あるいは、プローブ先端の形状を、ガウス分布、補誤差関数、スプライン関数、フーリエ級数などの関数形で記述し、例えば、関数形のパラメータの変化に対する原子間力の変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により、プローブ先端の形状データを修正する。
【0083】
一方、ステップS108において、原子間力の比較結果が一致すると、プローブ先端形状の校正処理を終えて図13のステップS102に戻る。
【0084】
次に図13のステップS103に示すAFMシミュレーション処理の詳細動作を、図15のフローチャートに基づいて説明する。図15のステップS111では、図14のステップS107と同様にデバイスシミュレーション処理を行ってAFM測定そのもののシミュレーションを行う。
【0085】
次にステップS112では、AFM測定により実測された測定試料の表面形状と、ステップS111のデバイスシミュレーション処理により演算された測定試料の表面形状とを比較し、両者が一致すれば図13のS104に進み、両者が一致しなければステップS113に進んで測定試料の表面形状を修正する。ここでは、測定試料の表面形状を数値的に表し、例えば、その数値の変化に対する、デバイスシミュレーション処理により演算された原子間力の変化量から数値微分を計算し、ニュートン法により、デバイスシミュレーション処理で用いる入力パラメータを修正する。
【0086】
図16はAFMシミュレーション処理の変形例を示す詳細フローチャートである。ステップS121では、形状シミュレーション処理を行う。この形状シミュレーション処理では、製造条件を初期入力として、測定試料の表面形状に関するデータを演算する。次にステップS122では、ステップS121の結果を用いてデバイスシミュレーション処理を行い、測定試料の表面形状を演算する。
【0087】
ステップS123では、図15のステップS112と同様に、AFM測定により実測された表面形状と、ステップS122のデバイスシミュレーション処理により演算された表面形状とを比較し、比較結果が一致すれば図13のステップS104に進み、一致しなければステップS124に進んで、形状シミュレーション処理における入力パラメータを修正する。ここでは、例えば、形状シミュレーション処理における入力パラメータの変化に対する、原始間力の変化量から数値微分を求め、ニュートン法により入力パラメータの修正量を決定する。そして、修正されたパラメータを用いて再度、ステップS121で形状シミュレーション処理を行う。
【0088】
このように、第5の実施形態では、AFM測定により実測された試料表面形状を、シミュレーションにより演算された試料表面形状により修正するため、プローブ先端の寸法以下の解像度で試料表面形状を検出することができる。
【0089】
〔第6の実施形態〕
第6の実施形態は、AFMシミュレーション処理により測定試料の表面形状を一意に特定できたか否かを判断するものである。
【0090】
図17は半導体評価装置の第6の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。図17のステップS131〜S133は、図13のステップS101〜S103と同様の処理を行う。ステップS134では、測定試料の表面形状を一意に特定できたか否かを判定する。すなわち、ステップS134では、図15または図16に詳細を示すAFMシミュレーション処理を行ったときに、測定試料の表面形状の候補が一つに絞りきれずに複数の候補が存在するような場合に、表面形状を一意に特定できないと判断する。
【0091】
表面形状を一意に特定できた場合にはステップS135に進んで表面形状をプリンタ等に出力する処理を行い、一方、表面形状を一意に特定できない場合にはステップS136に進んでAFM測定条件の修正を行う。ここでは、例えば、プローブ先端と試料間の距離や試料を移動させる速度等の測定条件を変更した後に、ステップS132に戻ってAFM測定処理をやり直す。
【0092】
このように、第6の実施形態では、AFMシミュレーション処理を行っても測定試料の表面形状を一意に特定できない場合は、AFM測定条件を変更して再度AFM測定をやり直すようにしたため、表面形状の候補が複数あっても、最終的に正しい表面形状を選択することができる。
【0093】
〔第7の実施形態〕
第7の実施形態は、AFM測定とSCM測定を組み合わせて行うとともに、AFM測定により測定試料表面が平坦であると判断されると、AFMシミュレーション処理を省略するものである。
【0094】
図18は本発明における半導体評価装置の第7の実施形態の概略構成図である。図18の装置は、SCM測定装置1とAFM測定装置5の双方を有する点に特徴がある。
【0095】
図19は半導体評価装置の第7の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。図19のステップS141,S142は、図13のステップS101,S102と同様の処理を行う。なお、ステップS141のプローブ形状校正処理では、図13のステップS101におけるAFM測定用基準試料を用いる方法以外に、図2のステップS1におけるSCM基準試料を用いて校正を行ってもよい。
【0096】
図19のステップS143では、AFM測定装置5による表面形状の測定結果に基づいて、測定試料表面が平らか否かを判定する。測定試料表面が平らでなければステップS144に進んで図15または図16に詳細を示すAFMシミュレーション処理を行い、測定試料表面が平らであればAFMシミュレーション処理を省略してステップS135に進む。
【0097】
なお、測定試料表面が平らか否かを判断する基準としては、例えば、測定試料表面の凹凸の高さとピッチとの積の平方根がプローブの解像度よりも小さければ、平らであると判断する。
【0098】
以降、ステップS145〜S147では、図2のステップS2〜S4と同様に、SCM測定装置1により測定された不純物分布を、SCMシミュレーション処理により修正する。
【0099】
このように、第7の実施形態では、表面が滑らかでない場合、AFM測定とAFMシミュレーションにより、測定試料の表面を考慮に入れたSCMシミュレーションが行われるので、不純物分布の分析を高精度に行うことができる。
【0100】
〔第8の実施形態〕
第8の実施形態は、AFM測定とSCM測定を組み合わせて行うとともに、各測定におけるシミュレーション結果が一意に特定できない場合には、測定条件を変更して測定をやり直すものである。
【0101】
図20は半導体評価装置の第8の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。図20のステップS151では、図13のステップS101と同様に、プローブ形状校正処理を行う。または、図2のステップS1のSCM基準試料を用いて校正してもよい。次にステップS152では、初期AFM測定処理を行う。この処理では、AFM測定装置5により測定試料の表面形状を実測する。
【0102】
次にステップS153では、測定試料の表面が平らか否かを判定し、測定試料の表面が平らでなければステップS154に進み、図15または図16に詳細を示すAFMシミュレーション処理を行う。次にステップS155では、測定試料の表面形状を一意に特定できたか否かを判定し、一意に特定できない場合にはステップS156に進んでAFM測定のための測定条件(例えば、プローブ先端と試料間の距離や、試料の走査速度など)を変更した後、ステップS157に進んで再度AFM測定装置5によるAFM測定を行う。そして、その測定結果に基づいてステップS154に戻って再度AFMシミュレーション処理を行う。
【0103】
一方、ステップS153で表面が平らと判断された場合や、ステップS155で表面形状を一意に特定できた場合には、ステップS158に進んでSCM測定装置1によるSCM測定を行って、測定試料内の不純物分布を検出する。次にステップS159では、図4または図5に詳細を示すSCMシミュレーション処理を行い、高解像度で不純物分布を検出する。
【0104】
次にステップS160では、SCMシミュレーション処理により不純物分布を一意に特定できたか否かを判定し、一意に特定できない場合にはステップS161に進んでSCM測定のための測定条件(例えば、周波数や電圧振幅など)を修正した後、ステップS158に戻ってSCM測定処理をやり直す。一方、SCMシミュレーション処理により不純物分布を一意に特定できた場合には、ステップS162に進んで不純物分布や表面形状を表示装置やプリンタ等に出力する処理を行う。
【0105】
このように、第8の実施形態は、AFMシミュレーション処理を行っても表面形状を一意に特定できない場合には、測定条件を変更してAFM測定をやり直し、かつ、SCMシミュレーション処理を行っても不純物分布を一意に特定できない場合には、測定条件を変更してSCM測定をやり直すようにしたため、測定試料の表面形状と測定試料内の不純物分布とをともに精度よく検出できる。
【0106】
〔第9の実施形態〕
第9の実施形態は、測定試料の表面形状と測定試料内の不純物分布を検出した後に、電気的特性の測定とそのシミュレーション結果との比較結果に基づいて、不純物分布を修正するものである。
【0107】
図21は本発明における半導体評価装置の第9の実施形態の概略構成図である。図21の装置は、SCM測定装置1、AFM測定装置5および電気的特性評価装置4を有する点に特徴がある。
【0108】
図22は半導体評価装置の第9の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS171〜S176では、図19のステップS141〜S146と同様の処理を行い、試料の表面形状と試料内の不純物分布を高解像度で検出する。
【0109】
次にステップS177〜S179では、図8のステップS54〜S56と同様の処理を行い、電気的特性の測定とそのシミュレーション結果との比較結果に基づいて不純物分布を修正し、最終的に、より高解像度で精度の高い不純物分布を検出する。
【0110】
〔第10の実施形態〕
第10の実施形態は、AFMシミュレーション処理、SCMシミュレーション処理および電気的特性シミュレーション処理のそれぞれで、シミュレーション結果が一意に特定されたか否かを判断するようにしたものである。
【0111】
図23,24は半導体評価装置の第10の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。図23のステップS201〜S207では、図20のステップS151〜S157と同様に、AFM測定とそのシミュレーション結果に基づいて、測定試料の表面形状の分析を行う。
【0112】
また、図24のステップS209では、SCMシミュレーション処理を行って、SCM測定により得られた試料内の不純物分布を修正する。次にステップS210では、不純物分布を一意に特定できたか否かを判定し、一意に特定できない場合にはステップS211に進む。
【0113】
ステップS211では、図11のステップS85と同様に、SCM測定条件の修正回数が所定の回数以内であるか否かを判定する。すなわち、修正回数が所定の回数以内であれば、ステップS212に進んでSCM測定用の測定条件を変更してステップS208に戻る。一方、修正回数が所定の回数を越えれば、ステップS213に進み、以降ステップS213〜S217では、図11のS87〜S91と同様に、電気的特性の測定結果とそのシミュレーション結果とに基づいて、不純物分布を修正する。
【0114】
〔第11の実施形態〕
第11の実施形態は、半導体デバイスの製造システム内で、半導体デバイスの分析を行うものである。
【0115】
図25は半導体システムの概略構成図である。図25の半導体システムは、各種の半導体デバイスを製造する半導体製造ライン6と、半導体製造ライン6を制御する制御部2と、制御部2の指示により半導体デバイスの分析を行う分析部7と、制御部2を制御する制御データや分析部7により分析結果などが格納されるデータ格納部3とを備える。
【0116】
図26は第11の実施形態における制御部2のメイン処理を示すフローチャートである。ステップS231では、複数のウエハからなるロットを半導体製造ライン6に投入する。次にステップS232では、半導体製造ライン6に所定の製造条件を設定して半導体デバイスを製造する。次にステップS233では、製造した半導体デバイスの電気的特性を測定する処理を行う。次にステップS234では、測定された電気的特性に異常があるか否かを判定し、異常がなければ処理を終了し、異常があればステップS235に進み、図27〜図30に詳細を示す分析処理を行う。この分析処理では、例えば、測定試料の表面形状分析を行い、得られた表面形状から製造条件を逆抽出して、実際に製造した条件とのずれを検出する。
【0117】
次にステップS236では、検出されたずれに基づいて製造条件を変更してステップS232に戻り、変更した製造条件で半導体デバイスの製造を行う。なお、変更する製造条件は、例えば、拡散温度、拡散時間、イオン注入エネルギー、イオン注入量、ガスの流量などである。
【0118】
次に、図26のステップS235の分析処理の詳細を、図27のフローチャートに基づいて説明する。ステップS251では、異常が検出された半導体デバイスを加工して、分析試料を作成する。次にステップS252では、図13のステップS101と同様のプローブ形状校正処理を行って、プローブ先端の形状を特定する。次にステップS253では、AFM測定装置5を用いて試料の表面形状分析を行う。次にステップS254では、図16に詳細を示したAFMシミュレーション処理を行い、AFM測定の結果を再現する形状シミュレーションのシミュレーション条件、すなわち製造条件を逆抽出する。次にステップS255では、AFMシミュレーション処理でのシミュレーション条件と、半導体製造ライン6での製造条件とを比較して、製造条件のずれを検出する。
【0119】
図28は分析処理の第1の変形例を示すフローチャートである。ステップS261〜S264までは図27のステップS251〜S254の処理と共通する。ステップS265では、AFMシミュレーション処理により、試料の表面形状を一意に特定できたか否かを判定し、一意に特定できなかったときはステップS266に進んでAFM測定時の測定条件(例えば、プローブ先端と試料間の距離や、試料の走査速度など)を修正して、再度ステップS263のAFM測定処理をやり直す。一方、試料の表面形状を一意に特定できた場合には、図27のステップS255と同様に、製造条件のずれを検出する。
【0120】
図29は分析処理の第2の変形例を示すフローチャートである。ステップS281〜S283では、図27のステップS251〜S253と同様の処理を行う。なお、ステップS281のプローブ形状校正処理では、AFM基準試料を用いる方法の代わりに、図2のステップS1のSCM基準試料を用いて校正してもよい。
ステップS284では、AFM測定装置5による表面形状分析の結果に基づいて、試料表面が平らか否かを判定する。平らでなければステップS285に進んでAFMシミュレーション処理を行って、高解像度の表面形状分析を行う。
【0121】
一方、ステップS284で試料表面が平らと判断された場合には、AFMシミュレーション処理を省略してステップS286に進み、以降ステップS286,S287では、SCM測定と図5に詳細を示したSCMシミュレーションを行い、SCM測定結果を再現するプロセスシミュレーションのシミュレーション条件、すなわち製造条件を逆抽出する。次にステップS288では、AFMシミュレーション処理とSCMシミュレーション処理での各シミュレーション条件と、半導体製造ライン6での製造条件とを比較して、製造条件のずれを検出する。
【0122】
図30は分析処理の第3の変形例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、AFMシミュレーション処理を行った後に、AFMシミュレーション処理により表面形状が一意に特定できたか否かを判定し、一意に特定できない場合にはAFM測定条件を修正して再度AFM測定をやり直す(ステップS305〜S308)。同様に、SCMシミュレーション処理を行った後に、SCMシミュレーション処理により不純物分布が一意に特定できたか否かを判定し、一意に特定できない場合にはSCM測定条件を修正して再度SCM測定をやり直す(ステップS309〜S313)。
【0123】
このように、第11の実施形態では、半導体製造ライン6で製造された半導体デバイスの電気的特性に異常がある場合には、半導体デバイスの不純物分布や表面形状を分析することにより、半導体製造ライン6の製造条件のずれを修正するようにしたため、製造不良に対して迅速に対応でき、不良率も低減できる。
【0124】
なお、図1,7,12,21に示す半導体評価装置や、図25に示す半導体製造システムを構成する各構成部分は、一つの筐体にまとめてもよいが、ネットワークで相互に接続してもよい。
【0125】
また、上述した各実施形態では、制御部2が行う処理をフローチャートで説明したが、これらの処理はソフトウエアにより行っても、あるいはハードウエアにより行ってもよい。
【0126】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、実測値とシミュレーション結果との比較結果に基づいて、測定試料内の不純物分布や測定試料の表面形状を検出するようにしたため、プローブ先端の寸法以下の精度で不純物分布や表面形状を分析することができる。また、このような分析手法を半導体製造システムに組み込むことにより、半導体装置の不良率を低減でき、不良解析に要する時間も短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における半導体評価装置の第1の実施形態の概略構成図。
【図2】制御部が行うメイン処理を示すフローチャート。
【図3】図2のステップS1のプローブ形状校正処理の詳細フローチャート。
【図4】図2のステップS3のSCMシミュレーション処理の詳細フローチャート。
【図5】図4の変形例を示すフローチャート。
【図6】半導体評価装置の第2の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図7】本発明における半導体評価装置の第3の実施形態の概略構成図。
【図8】半導体評価装置の第3の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図9】図8のステップS55の電気的特性シミュレーション処理の詳細フローチャート。
【図10】図9の変形例を示すフローチャート。
【図11】半導体評価装置の第4の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図12】本発明における半導体評価装置の第5の実施形態の概略構成図。
【図13】半導体評価装置の第5の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図14】図13のステップS101のプローブ形状校正修正処理の詳細動作を示すフローチャート。
【図15】図13のステップS103のAFMシミュレーション処理の詳細フローチャート。
【図16】図15の変形例を示すフローチャート。
【図17】半導体評価装置の第6の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図18】本発明における半導体評価装置の第7の実施形態の概略構成図。
【図19】半導体評価装置の第7の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図20】半導体評価装置の第8の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図21】本発明における半導体評価装置の第9の実施形態の概略構成図。
【図22】半導体評価装置の第9の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図23】半導体評価装置の第10の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図24】図23に続くフローチャート。
【図25】半導体システムの概略構成図。
【図26】半導体システムの第11の実施形態におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図27】図26のステップS235の分析処理の詳細フローチャート。
【図28】図27の第1の変形例を示すフローチャート。
【図29】図27の第2の変形例を示すフローチャート。
【図30】図27の第3の変形例を示すフローチャート。
【図31】従来のSCM測定装置の全体構成を示すブロック図。
【図32】n型半導体の典型的な高周波CV特性を表した図。
【図33】従来のAFM測定装置の全体構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 SCM測定装置
2 制御部
3 データ格納部
4 電気的特性評価装置
5 AFM測定装置
Claims (9)
- プローブ先端と試料との間の容量Cと、プローブ先端を介して試料に印加される電圧Vとの関係を表すCV特性を測定するSCM測定手段を備えた半導体評価装置において、
既知の不純物分布を有する基準試料に対するCV特性を前記SCM測定手段により測定した結果に基づいて、予め入力されたプローブ先端の形状データを校正するプローブ形状校正手段と、
前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料に対するCV特性と、前記SCM測定手段により測定された測定試料に対するCV特性との比較結果に基づいて、測定試料内の不純物分布を特定するSCMシミュレーション手段と、を備えることを特徴とする半導体評価装置。 - 前記SCMシミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料内の不純物分布が1種類に特定されたか否かを判定する不純物分布判定手段と、
不純物分布が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記SCM測定手段における測定条件を修正するSCM測定条件修正手段と、を備え、
前記SCMシミュレーション手段は、前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料に対するCV特性と前記修正された測定条件の下で前記SCM測定手段により測定された測定試料に対するCV特性との比較結果に基づいて、不純物分布を特定することを特徴とする請求項1に記載の半導体評価装置。 - 測定試料における、ゲート−基板間容量、ゲート−ソース間容量、ゲート−ドレイン間容量、しきい値、ドレイン電流、基板電流およびゲート電流のうち少なくとも一つを含む電気的特性を測定する電気的特性測定手段と、
前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布に基づいて演算された電気的特性と、前記電気的特性測定手段により測定された電気的特性との比較結果に基づいて、前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布を修正する電気的特性シミュレーション手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体評価装置。 - 前記SCMシミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料内の不純物分布が1種類に特定されたか否かを判定する第1の不純物分布判定手段と、
不純物分布が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記SCM測定手段における測定条件の修正回数が所定回数以内であるか否かを判定する測定条件修正回数判定手段と、
前記修正回数が前記所定回数以内であれば、前記SCM測定手段における測定条件を修正し、前記修正回数が前記所定回数を越えていれば、測定試料における、ゲート−基板間容量、ゲート−ソース間容量、ゲート−ドレイン間容量、しきい値、ドレイン電流、基板電流およびゲート電流のうち少なくとも一つを含む電気的特性を測定する電気的特性測定手段と、
この電気的特性測定手段により測定された電気的特性と、前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布に基づいて演算された電気的特性との比較結果に基づいて、前記SCMシミュレーション手段により特定された不純物分布を修正する電気的特性シミュレーション手段と、
前記電気的特性シミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料内の不純物分布が1種類に特定されたか否かを判定する第2の不純物分布判定手段と、
この第2の不純物分布判定手段により不純物分布が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記電気的特性測定手段における測定条件を修正する電気的特性条件修正手段と、を備え、
前記第1の不純物分布判定手段により不純物分布が1種類に特定されたと判定された場合には、前記SCMシミュレーション手段で特定された不純物分布を最終的な不純物分布とし、前記第1の不純物分布判定手段により不純物分布が1種類に特定されなかったと判定され、かつ前記第2の不純物分布判定手段により不純物分布が1種類に特定されたと判定された場合には、前記電気的特性シミュレーション手段で修正された不純物分布を最終的な不純物分布とすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体評価装置。 - 前記SCMシミュレーション手段は、
所定の製造条件に基づいて、測定試料内の不純物分布を演算するプロセスシミュレーション手段と、
前記プローブ形状校正手段により校正されたプローブ先端の形状データと、前記プロセスシミュレーション手段により演算された不純物分布とに基づいて、測定試料に対するCV特性を演算する第2のデバイスシミュレーション手段と、
前記SCM測定手段で測定された測定試料に対するCV特性と、前記第2のデバイスシュミレーション手段で演算されたCV特性とが一致するように、前記プロセスシミュレーション手段での演算に用いられる製造条件を修正するPSパラメータ修正手段と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体評価装置。 - ロット単位で半導体装置を製造する半導体製造装置を備えた半導体製造システムにおいて、
前記半導体製造装置で製造された前記半導体装置の電気的特性を測定する電気的特性測定手段と、
この電気的特性測定手段により電気的特性に異常が検出された前記半導体装置を測定試料として、不純物分布および表面形状の少なくとも一方を分析する半導体評価装置と、
この半導体評価装置による分析結果に基づいて逆抽出された製造条件と、前記半導体製造装置における製造条件とのずれを検出する製造条件誤差検出手段と、
この製造条件誤差検出手段により検出された製造条件のずれに基づいて、前記半導体製造装置における製造条件を変更する製造条件変更手段と、を備え、
前記半導体評価装置は、
プローブ先端と測定試料との間の容量Cと、プローブ先端を介して測定試料に印加される電圧Vとの関係を表すCV特性を測定するSCM測定手段と、
既知の不純物分布を有する基準試料に対するCV特性を前記SCM測定手段により測定した結果に基づいて、予め入力されたプローブ先端の形状データを校正するプローブ形状校正手段と、
前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料に対するCV特性と、前記SCM測定手段により測定された測定試料に対するCV特性との比較結果に基づいて、測定試料内の不純物分布を特定するSCMシミュレーション手段と、を有することを特徴とする半導体製造システム。 - 試料の上方に置かれたプローブ先端と試料との間に働く力に基づいて、試料の表面形状を分析するAFM測定手段を備えた半導体評価装置において、
基準試料の表面形状を前記AFM測定手段により測定した結果に基づいて、予め入力されたプローブ先端の形状データを校正するプローブ形状校正手段と、
前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料の表面形状と、前記AFM測定手段により測定された測定試料の表面形状との比較結果に基づいて、測定試料の表面形状を特定するAFMシミュレーション手段と、
前記AFMシミュレーション手段による処理を行った結果、測定試料の表面形状が1種類に特定されたか否かを判定する表面形状判定手段と、
表面形状が1種類に特定されなかったと判定された場合に、前記AFM測定手段による測定条件を修正するAFM測定条件修正手段と、を備え、
前記AFMシミュレーション手段は、前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料の表面形状と前記修正された測定条件の下で前記AFM測定手段により測定された表面形状との比較結果に基づいて、測定試料の表面形状を特定することを特徴とする半導体評価装置。 - 前記AFM測定手段による測定結果に基づいて、測定試料の表面が平らであるか否かを判定する表面平坦判定手段を備え、
前記AFMシミュレーション手段は、前記表面平坦判定手段により表面が平らでないと判定された場合のみ演算処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の半導体評価装置。 - ロット単位で半導体装置を製造する半導体製造装置を備えた半導体製造システムにおいて、
前記半導体製造装置で製造された前記半導体装置の電気的特性を測定する電気的特性測定手段と、
この電気的特性測定手段により電気的特性に異常が検出された前記半導体装置を測定試料として、不純物分布および表面形状の少なくとも一方を分析する半導体評価装置と、
この半導体評価装置による分析結果に基づいて逆抽出された製造条件と、前記半導体製造装置における製造条件とのずれを検出する製造条件誤差検出手段と、
この製造条件誤差検出手段により検出された製造条件のずれに基づいて、前記半導体製造装置における製造条件を変更する製造条件変更手段と、を備え、
前記半導体評価装置は、
基準試料の表面形状を前記AFM測定手段により測定した結果に基づいて、予め入力されたプローブ先端の形状データを校正するプローブ形状校正手段と、
前記校正されたプローブ先端の形状データを用いて演算された測定試料の表面形状と、前記AFM測定手段により測定された測定試料の表面形状との比較結果に基づいて、測定試料の表面形状を特定するAFMシミュレーション手段と、を有することを特徴とする半導体製造システム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20626997A JP3568741B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 半導体評価装置および半導体製造システム |
US09/126,133 US6211686B1 (en) | 1997-07-31 | 1998-07-30 | Evaluation apparatus and fabrication system for semiconductor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20626997A JP3568741B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 半導体評価装置および半導体製造システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1154580A JPH1154580A (ja) | 1999-02-26 |
JP3568741B2 true JP3568741B2 (ja) | 2004-09-22 |
Family
ID=16520541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20626997A Expired - Lifetime JP3568741B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 半導体評価装置および半導体製造システム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6211686B1 (ja) |
JP (1) | JP3568741B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6856145B2 (en) * | 2002-06-04 | 2005-02-15 | The Ohio State University | Direct, low frequency capacitance measurement for scanning capacitance microscopy |
FR2841338B1 (fr) * | 2002-06-24 | 2006-05-19 | Michael Magoga | Procede et dispositif de microscopie |
US6836139B2 (en) * | 2002-10-22 | 2004-12-28 | Solid State Measurments, Inc. | Method and apparatus for determining defect and impurity concentration in semiconducting material of a semiconductor wafer |
DE102006013588A1 (de) * | 2006-03-22 | 2007-09-27 | Fachhochschule Deggendorf | Zweidimensinale Profilierung von Dotierungsprofilen einer Materialprobe mittels Rastersondenmikroskopie |
US7659742B1 (en) * | 2007-04-09 | 2010-02-09 | National Semiconductor Corporation | Vacuum chamber AC/DC probe |
JP5237039B2 (ja) * | 2008-10-08 | 2013-07-17 | シャープ株式会社 | 半導体測定装置及び半導体測定方法、サンプル作製方法、並びに走査型容量顕微鏡 |
WO2024043337A1 (ja) * | 2022-08-25 | 2024-02-29 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 推定装置、推定方法、及び推定プログラム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH065691B2 (ja) * | 1987-09-26 | 1994-01-19 | 株式会社東芝 | 半導体素子の試験方法および試験装置 |
US5453703A (en) * | 1993-11-29 | 1995-09-26 | Semitest Inc. | Method for determining the minority carrier surface recombination lifetime constant (ts of a specimen of semiconductor material |
-
1997
- 1997-07-31 JP JP20626997A patent/JP3568741B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-07-30 US US09/126,133 patent/US6211686B1/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1154580A (ja) | 1999-02-26 |
US6211686B1 (en) | 2001-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102481586B1 (ko) | 샘플링 플랜을 이용한 반도체 소자 제조 방법 | |
US5065103A (en) | Scanning capacitance - voltage microscopy | |
US6820028B2 (en) | Method and apparatus for monitoring integrated circuit fabrication | |
US20230122362A1 (en) | Apparatus and methods for testing electrochemical systems | |
JP3568741B2 (ja) | 半導体評価装置および半導体製造システム | |
KR100526669B1 (ko) | 막두께측정장치 및 막두께측정방법 | |
US8872525B2 (en) | System, method and apparatus for detecting DC bias in a plasma processing chamber | |
CN104320899A (zh) | 用于检测等离子处理室中激发步骤的电容耦合静电(cce)探针装置及其方法 | |
US10132831B2 (en) | Electrostatic force balance microscopy | |
US20040019442A1 (en) | Film thickness measuring method, relative dielectric constant measuring method, film thickness measuring apparatus, and relative dielectric constant measuring apparatus | |
US7488610B2 (en) | Insulator film characteristic measuring method and insulator film characteristic measuring apparatus | |
JP2013044722A (ja) | 測定装置および測定方法、並びにプログラム | |
JP2009192497A (ja) | 表面電位測定方法および表面電位計 | |
US20160033550A1 (en) | Conductive atomic force microscope and method of operating the same | |
JPH10270515A (ja) | 電気特性測定装置 | |
JP4130901B2 (ja) | 半導体検査用標準ウエハ、半導体の検査方法および半導体検査装置 | |
JP2011014798A (ja) | 半導体検査装置および半導体検査方法 | |
JP3766261B2 (ja) | 走査型静電容量顕微鏡による測定方法および測定装置 | |
JP4964400B2 (ja) | 測定波形の信号プロセスによる変則フォトレジスト線/間隔プロファイル検出 | |
US8315819B1 (en) | Method and apparatus for determining dopant density in semiconductor devices | |
JP2003179114A (ja) | 半導体ウェーハの抵抗率測定方法 | |
JP7493047B2 (ja) | 検査システム | |
JP4514627B2 (ja) | 濃度測定方法および濃度測定処理プログラム | |
JP2977172B2 (ja) | 半導体の特性測定方法 | |
CN118073325A (zh) | 绝缘体上硅衬底的电阻检测结构及检测方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040319 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040518 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040608 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040616 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625 Year of fee payment: 6 |