JP3561819B2 - スタッカクレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置 - Google Patents
スタッカクレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動倉庫内等において収納棚への荷物の入出庫を行なうスタッカークレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動倉庫内などにおける収納棚に荷物を入出庫するスタッカークレーンは、例えば図1に示すように収納棚に沿って図示しない走行運転機構により走行する走行体1に一対のマスト2を設け、このマストに沿って搬送用のキャリッジ3を昇降可能に設け、電動機で駆動されるウインチ4により巻取り、繰り出しされるワイヤ5をキャリッジ3に連結し、そのキャリッジ3にスライド式のフォーク爪6を出入り可能に取付けたものであり、キャリッジ3を昇降して所定の棚と対応させ、フォーク爪6を出入りして荷物7を所定の棚に入庫したり、出庫したりする。
【0003】
かかるスタッカークレーンにおいては定期的にキャリッジ3を昇降するワイヤ5等を点検・保守しており、従来はマスト2に梯子を取付け、この様子を作業者が登って点検・保守を行っていた。
【0004】
前述のように作業者が梯子を登ることは大変危険であり、点検・保守の作業効率が悪いので、近年安全性向上と作業の効率向上を目的とした動力付の保守用昇降装置が提案されている。
【0005】
例えば、図1に示すようにマスト2に昇降ガイド8を取付け、この昇降ガイド8に沿って作業者が乗る保守用昇降機9を昇降自在に案内し、その保守用昇降機9に連結したロープ10をロープ巻上機11により巻取り、繰り出しすると共に、そのロープ10をロ−プガイド12を経てカウンタウエイト13に連結してロープ巻上機11の巻取り駆動力を小さくできるようにしてある。
【0006】
かかる保守用昇降装置であると、ロープ緊結部が外れたり、ロープが切断した場合に保守用昇降機が落下して危険であるので、落下防止装置を用いている。
この落下防止装置は、保守用昇降機の下降速度が一定限界以上となると調整機が作動して下降速度を制御したり、調整機の作動と関連させて把持部材によって昇降ガイド8を把持して保守用昇降機を停止させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の落下防止装置は調整機が機械式で大型のため設置スペースが大きく、自重も重くなる。
【0008】
このために、倉庫内におけるスタッカクレーンの占める面積が大きく倉庫レイアウトスペース増大を余儀なくされているし、保守用昇降機の全重量が重くなってロープ巻上機の所要動力が増大する。
【0009】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにしたスタッカクレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スタッカクレーンのマスト23に昇降ガイド30を取付け、この昇降ガイド30に沿って保守用昇降機31を昇降自在に支承し、
前記保守用昇降機31に上部ガイドスプロケット57を上方位置と下方位置に亘って上下移動可能に取付け、その保守用昇降機31に駆動源により回転される駆動スプロケットを取付け、
この上部ガイドスプロケット57と駆動スプロケットに亘って巻掛けたチェーンを、前記マスト23の上部と下部に亘って連結して駆動スプロケットを回転することで保守用昇降機31が昇降し、かつ上部ガイドスプロケット57を保守用昇降機31の自重で上方位置に保持し、
前記保守用昇降機31に一対のレバー64を、上下揺動自在で、上方に揺動すると前記昇降ガイド30の凹陥部70の両側内面に圧接し、かつ下方に揺動すると前記凹陥部70の両側内面と離隔するように取付け、この一対のレバー64をスプリング69で上方に揺動し、
前記上部ガイドスプロケット57と前記一対のレバー64を、上部ガイドスプロケット57が上方位置の時に一対のレバー64がスプリング69に抗して下方に揺動するように連結したことを特徴とするスタッカクレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置である。
【0011】
【作 用】
本発明によれば、正常時には保守用昇降機31の自重で上部ガイドスプロケット57が上方位置に保持され、一対のレバー64がスプリング69に抗して下方に揺動して凹陥部70の両側内面と離隔するので、駆動スプロケットを回転することで保守用昇降機31を昇降できる。
また、チェーンが切断又は上部ガイドスプロケット57や駆動スプロケットよりチェーンが外れると、上部ガイドスプロケット57に保守用昇降機31の自重が作用しなくなり、この上部ガイドスプロケット57はその自重及び一対のレバー64を保持するスプリング69によって下方位置となるので、一対のレバー64がスプリング69で上方に揺動して凹陥部70の両側内面に圧接して保守用昇降機31の落下を防止する。
しかも、前述の状態で保守用昇降機31が若干落下すると一対のレバー64が凹陥部70の両側内面にますます喰い込むように誘導して保守用昇降機31の落下を確実に防止する。
また、上部ガイドスプロケット57と一対のレバー64とスプリング69を設け、その一対のレバー64と上部ガイドスプロケット57を連結した構造であるから、小型で設置スペースが小さく、自重が軽いものとなり、倉庫内におけるスタッカクレーンの占める面積が小さく倉庫レイアウトスペースを小さくできるし、保守用昇降機の全重量が軽くなって昇降駆動力を低減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図2と図3に示すように、スタッカクレーンは本体20を備え、この本体20に走行輪21を取付け、この走行輪21を図示しない駆動機構により回転駆動することでレール22に沿って左右方向に走行するようにしてある。
前記本体20には一対のマスト23が立設してあり、この一対のマスト23は上部連結材24で連結してある。
【0013】
前記一対のマスト23に沿って搬送用のキャリッジ25が昇降可能に設けてあり、このキャリッジ25にスライド式のフォーク爪26が図示しない収納棚に向けて出入り可能に取付けある。前記本体20に取付けたウインチ27で巻取り、繰り出しされるワイヤ28は上部連結材24に設けた複数のプーリ29を経てキャリッジ25に連結してある。
【0014】
前記スタッカクレーンの各駆動源には、通常倉庫の入口に設けられた地上制御盤から光通信システムにより制御信号が送られ、その地上制御盤を操作することでスタッカクレーンは走行、昇降、フォーク爪出入り動作するようにしてある。
【0015】
前記一方のマスト23には図2と図3に示すように昇降ガイド30が長手方向全長に亘って取付けてあり、この昇降ガイド30に沿って保守用昇降機31が昇降可能にガイドしてある。前記一方のマスト23の上部と下部に亘って主吊り用チェーン32と予備用チェーン33が連結してあり、前記昇降機31の下部に昇降駆動機構34が取付けてある。
【0016】
前記主吊り用チェーン32の上部と予備用チェーン33の上部は図4と図5に示すように、前記上部連結材24の下板24aに上下揺動自在に貫通した上部杆体35にそれぞれ連結してあり、予備用チェーン33の上部杆体35は調整スプリング36で上方に摺動付勢され、ロックナット37で固定される。主吊り用チェーン32の上部杆体35は一対のロックナット37で固定される。
【0017】
前記主吊り用チェーン32の下部と予備用チェーン33の下部は図4に示すように下部杆体38にそれぞれ連結され、この各下部杆体38はマスト23の下部に固定したチェーンブラケット39に上下摺動自在に貫通して支承され、この各下部杆体38はテンションスプリング40で下方に摺動付勢してある。
【0018】
このようであるから、主吊り用チェーン32は所定のテンションが付与された状態でマスト23の上部と下部との間に配接され、予備用チェーン33は所定以上のテンションが作用すると下方に移動できるようにしてある。
【0019】
前記昇降ガイド30は図6に示すようにコ字状ブラケット41にガイドレール42を取付けたものであり、そのガイドレール42の両側部にはガイド溝43が長手方向に亘ってそれぞれ形成してある。
【0020】
前記保守用昇降機31は図4に示すように、床部44にガード体45を取付けて作業者が乗る空間部46を有するものとなり、そのガード体45の一部分が開閉自在なるドアとなっている。
【0021】
前記ガード体45の支柱48にはガイド部材49が取付けてある。このガイド部材49は図6に示すように支柱48に取付けたブラケット50に第1ローラ51と第2ローラ52を取付け、その第1ローラ51と第2ローラ52が前記ガイドレール42のガイド溝43に接している。
【0022】
前記昇降駆動機構34は図4と図7に示すように、床部44の下面に取付けたモータ53を備え、このモータ53の出力側に設けた減速機54により主駆動スプロケット55と予備駆動スプロケット56が駆動され、この主駆動スプロケット55及び予備駆動スプロケット56と対向して上部ガイドスプロケット57と下部ガイドスプロケット58がそれぞれ床部44に取付けてある。
【0023】
前記主駆動スプロケット55と上部ガイドスプロケット57、下部ガイドスプロケット58は左右方向に離隔し、前記主吊り用チェーン32が上部ガイドスプロケット57、主駆動スプロケット55、下部ガイドスプロケット58に順次巻掛けてある。これにより主吊り用チェーン32が主駆動スプロケット55のほぼ半周部の歯部に噛合し、主駆動スプロケット55で主吊り用チェーン32を確実に駆動できる。
【0024】
前記予備駆動スプロケット56と上部ガイドスプロケット57、下部ガイドスプロケット58も前述と同様になり、予備駆動スプロケット56で予備用チェーン33を確実に駆動できるようにしてある。
【0025】
このようであるから、モータ53を駆動して主駆動スプロケット55、予備駆動スプロケット56を回転することで、保守用昇降機31が昇降ガイド30に沿って昇降する。
また、通常時は主吊り用チェーン32で保守用昇降機31を昇降させ、万一、主吊り用チェーン32が切断された場合でも予備用チェーン33によって保守用昇降機31を昇降できる。
また、昇降駆動機構34が昇降機31の下部に設けてあるから、マスト23に沿って作業者が梯子等で上まで登ることなしに昇降駆動機溝34を点検、保守でき、作業者の安全確保と作業効率向上を十分に果すことができる。
【0026】
前記保守用昇降機31には落下防止装置60が取付けてある。この落下防止装置60は図8と図9に示すように構成してある。
つまり、ガード体45の支柱48に縦板61を取付け、この縦板61に下向コ字状のブラケット62を固定し、このブラケット62より下方に縦片63を固定してある。
【0027】
前記縦片63と縦板61との間に一対のレバー64がピン65で上下揺動自在にそれぞれ設けてあり、その一対のレバー64の一端部は図6に示すように連結ピン66で連結してある。この連結ピン66はシャフト67の上下中間部に連結され、そのシャフト67の上部と前記ブラケット62に固定したボルト68との間にスプリング69が設けてある。これによりシャフト67は下方に押されて一対のレバー64は上方に揺動されている。
【0028】
前記一対のレバー64は図6に示すようにガイドレール42の凹陥部70内に位置し、前述のように一対のレバー64が上方に揺動すると一対のレバー64は凹陥部70の両側内面に圧接するようにしてある。
【0029】
前記一対の上部ガイドスプロケット57は図9に示すように軸71に軸受72で回転自在に支承され、この軸71の両端部にはスライダ73がそれぞれ嵌合してあり、この各スライダ73と各軸受72との間に複数のカラー74が設けてある。前記各スライダ73は一対の縦板75の上下方向の長孔76にストロークSだけ上下動自在に嵌合し、縦板75にボルト止めされたプレート77で抜け止めしてある。前記一対の縦板75は床部44に取付けてある。
【0030】
前記カラー74にリンク78が取付けてあり、このリンク78が前記シャフト67に連結してある。前記下部ガイドスプロケット58は一対の縦板75の下部に軸79、軸受80で回転自在に取付けある。
【0031】
このようであるから、通常時には上部ガイドスプロケット57には保守用昇降機31の自重が作用し、軸71、スライダ73がスプリング69に抗して図8、図9に示すように上方位置に移動する。これにより一対のレバー64が下方に揺動してガイドレール42の凹陥部70における両側内面と離隔し、落下防止装置60は機能せずにモータ53を駆動することで保守用昇降機31は昇降する。
【0032】
主吊り用チェーン32が切断すると上部ガイドスプロケット57に保守用昇降機31の自重が作用しなくなり、スプリング69によりシャフト67が押されて一対のレバー64が上方に揺動してガイドレール42の凹陥部70の両側内面に圧接し、これによって保守用昇降機31の落下を防止する。
【0033】
また、前述の状態で保守用昇降機31が若干落下すると一対のレバー64が凹陥部70の両側内面にますます喰い込むように誘導して保守用昇降機31の落下を確実に防止する。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、正常時には保守用昇降機31の自重で上部ガイドスプロケット57が上方位置に保持され、一対のレバー64がスプリング69に抗して下方に揺動して凹陥部70の両側内面と離隔するので、駆動スプロケットを回転することで保守用昇降機31を昇降できる。
また、チェーンが切断又は上部ガイドスプロケット57や駆動スプロケットよりチェーンが外れると、上部ガイドスプロケット57に保守用昇降機31の自重が作用しなくなり、この上部ガイドスプロケット57はその自重及び一対のレバー64を保持するスプリング69によって下方位置となるので、一対のレバー64がスプリング69で上方に揺動して凹陥部70の両側内面に圧接して保守用昇降機31の落下を防止する。
しかも、前述の状態で保守用昇降機31が若干落下すると一対のレバー64が凹陥部70の両側内面にますます喰い込むように誘導して保守用昇降機31の落下を確実に防止する。
また、上部ガイドスプロケット57と一対のレバー64とスプリング69を設け、その一対のレバー64と上部ガイドスプロケット57を連結した構造であるから、小型で設置スペースが小さく、自重が軽いものとなり、倉庫内におけるスタッカクレーンの占める面積が小さく倉庫レイアウトスペースを小さくできるし、保守用昇降機の全重量が軽くなって昇降駆動力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の正面図である。
【図2】本発明の実施例を示す全体正面図である。
【図3】本発明の実施例を示す全体側面図である。
【図4】昇降機取付部分の拡大正面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図4のC−C断面図である。
【図8】落下防止装置部分の拡大正面図である。
【図9】図8のD−D断面図である。
【符号の説明】
23…マスト
30…昇降ガイド
31…保守用昇降機
32…主吊り用チェーン
33…予備用チェーン
34…昇降駆動機構
44…床部
53…モータ
55…主駆動スプロケット
56…予備駆動スプロケット
57…上部ガイドスプロケット
58…下部ガイドスプロケット
64…レバー
67…シャフト
69…スプリング
71…軸
72…軸受
73…スライダ
76…長孔
78…リンク
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動倉庫内等において収納棚への荷物の入出庫を行なうスタッカークレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動倉庫内などにおける収納棚に荷物を入出庫するスタッカークレーンは、例えば図1に示すように収納棚に沿って図示しない走行運転機構により走行する走行体1に一対のマスト2を設け、このマストに沿って搬送用のキャリッジ3を昇降可能に設け、電動機で駆動されるウインチ4により巻取り、繰り出しされるワイヤ5をキャリッジ3に連結し、そのキャリッジ3にスライド式のフォーク爪6を出入り可能に取付けたものであり、キャリッジ3を昇降して所定の棚と対応させ、フォーク爪6を出入りして荷物7を所定の棚に入庫したり、出庫したりする。
【0003】
かかるスタッカークレーンにおいては定期的にキャリッジ3を昇降するワイヤ5等を点検・保守しており、従来はマスト2に梯子を取付け、この様子を作業者が登って点検・保守を行っていた。
【0004】
前述のように作業者が梯子を登ることは大変危険であり、点検・保守の作業効率が悪いので、近年安全性向上と作業の効率向上を目的とした動力付の保守用昇降装置が提案されている。
【0005】
例えば、図1に示すようにマスト2に昇降ガイド8を取付け、この昇降ガイド8に沿って作業者が乗る保守用昇降機9を昇降自在に案内し、その保守用昇降機9に連結したロープ10をロープ巻上機11により巻取り、繰り出しすると共に、そのロープ10をロ−プガイド12を経てカウンタウエイト13に連結してロープ巻上機11の巻取り駆動力を小さくできるようにしてある。
【0006】
かかる保守用昇降装置であると、ロープ緊結部が外れたり、ロープが切断した場合に保守用昇降機が落下して危険であるので、落下防止装置を用いている。
この落下防止装置は、保守用昇降機の下降速度が一定限界以上となると調整機が作動して下降速度を制御したり、調整機の作動と関連させて把持部材によって昇降ガイド8を把持して保守用昇降機を停止させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の落下防止装置は調整機が機械式で大型のため設置スペースが大きく、自重も重くなる。
【0008】
このために、倉庫内におけるスタッカクレーンの占める面積が大きく倉庫レイアウトスペース増大を余儀なくされているし、保守用昇降機の全重量が重くなってロープ巻上機の所要動力が増大する。
【0009】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにしたスタッカクレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スタッカクレーンのマスト23に昇降ガイド30を取付け、この昇降ガイド30に沿って保守用昇降機31を昇降自在に支承し、
前記保守用昇降機31に上部ガイドスプロケット57を上方位置と下方位置に亘って上下移動可能に取付け、その保守用昇降機31に駆動源により回転される駆動スプロケットを取付け、
この上部ガイドスプロケット57と駆動スプロケットに亘って巻掛けたチェーンを、前記マスト23の上部と下部に亘って連結して駆動スプロケットを回転することで保守用昇降機31が昇降し、かつ上部ガイドスプロケット57を保守用昇降機31の自重で上方位置に保持し、
前記保守用昇降機31に一対のレバー64を、上下揺動自在で、上方に揺動すると前記昇降ガイド30の凹陥部70の両側内面に圧接し、かつ下方に揺動すると前記凹陥部70の両側内面と離隔するように取付け、この一対のレバー64をスプリング69で上方に揺動し、
前記上部ガイドスプロケット57と前記一対のレバー64を、上部ガイドスプロケット57が上方位置の時に一対のレバー64がスプリング69に抗して下方に揺動するように連結したことを特徴とするスタッカクレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置である。
【0011】
【作 用】
本発明によれば、正常時には保守用昇降機31の自重で上部ガイドスプロケット57が上方位置に保持され、一対のレバー64がスプリング69に抗して下方に揺動して凹陥部70の両側内面と離隔するので、駆動スプロケットを回転することで保守用昇降機31を昇降できる。
また、チェーンが切断又は上部ガイドスプロケット57や駆動スプロケットよりチェーンが外れると、上部ガイドスプロケット57に保守用昇降機31の自重が作用しなくなり、この上部ガイドスプロケット57はその自重及び一対のレバー64を保持するスプリング69によって下方位置となるので、一対のレバー64がスプリング69で上方に揺動して凹陥部70の両側内面に圧接して保守用昇降機31の落下を防止する。
しかも、前述の状態で保守用昇降機31が若干落下すると一対のレバー64が凹陥部70の両側内面にますます喰い込むように誘導して保守用昇降機31の落下を確実に防止する。
また、上部ガイドスプロケット57と一対のレバー64とスプリング69を設け、その一対のレバー64と上部ガイドスプロケット57を連結した構造であるから、小型で設置スペースが小さく、自重が軽いものとなり、倉庫内におけるスタッカクレーンの占める面積が小さく倉庫レイアウトスペースを小さくできるし、保守用昇降機の全重量が軽くなって昇降駆動力を低減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図2と図3に示すように、スタッカクレーンは本体20を備え、この本体20に走行輪21を取付け、この走行輪21を図示しない駆動機構により回転駆動することでレール22に沿って左右方向に走行するようにしてある。
前記本体20には一対のマスト23が立設してあり、この一対のマスト23は上部連結材24で連結してある。
【0013】
前記一対のマスト23に沿って搬送用のキャリッジ25が昇降可能に設けてあり、このキャリッジ25にスライド式のフォーク爪26が図示しない収納棚に向けて出入り可能に取付けある。前記本体20に取付けたウインチ27で巻取り、繰り出しされるワイヤ28は上部連結材24に設けた複数のプーリ29を経てキャリッジ25に連結してある。
【0014】
前記スタッカクレーンの各駆動源には、通常倉庫の入口に設けられた地上制御盤から光通信システムにより制御信号が送られ、その地上制御盤を操作することでスタッカクレーンは走行、昇降、フォーク爪出入り動作するようにしてある。
【0015】
前記一方のマスト23には図2と図3に示すように昇降ガイド30が長手方向全長に亘って取付けてあり、この昇降ガイド30に沿って保守用昇降機31が昇降可能にガイドしてある。前記一方のマスト23の上部と下部に亘って主吊り用チェーン32と予備用チェーン33が連結してあり、前記昇降機31の下部に昇降駆動機構34が取付けてある。
【0016】
前記主吊り用チェーン32の上部と予備用チェーン33の上部は図4と図5に示すように、前記上部連結材24の下板24aに上下揺動自在に貫通した上部杆体35にそれぞれ連結してあり、予備用チェーン33の上部杆体35は調整スプリング36で上方に摺動付勢され、ロックナット37で固定される。主吊り用チェーン32の上部杆体35は一対のロックナット37で固定される。
【0017】
前記主吊り用チェーン32の下部と予備用チェーン33の下部は図4に示すように下部杆体38にそれぞれ連結され、この各下部杆体38はマスト23の下部に固定したチェーンブラケット39に上下摺動自在に貫通して支承され、この各下部杆体38はテンションスプリング40で下方に摺動付勢してある。
【0018】
このようであるから、主吊り用チェーン32は所定のテンションが付与された状態でマスト23の上部と下部との間に配接され、予備用チェーン33は所定以上のテンションが作用すると下方に移動できるようにしてある。
【0019】
前記昇降ガイド30は図6に示すようにコ字状ブラケット41にガイドレール42を取付けたものであり、そのガイドレール42の両側部にはガイド溝43が長手方向に亘ってそれぞれ形成してある。
【0020】
前記保守用昇降機31は図4に示すように、床部44にガード体45を取付けて作業者が乗る空間部46を有するものとなり、そのガード体45の一部分が開閉自在なるドアとなっている。
【0021】
前記ガード体45の支柱48にはガイド部材49が取付けてある。このガイド部材49は図6に示すように支柱48に取付けたブラケット50に第1ローラ51と第2ローラ52を取付け、その第1ローラ51と第2ローラ52が前記ガイドレール42のガイド溝43に接している。
【0022】
前記昇降駆動機構34は図4と図7に示すように、床部44の下面に取付けたモータ53を備え、このモータ53の出力側に設けた減速機54により主駆動スプロケット55と予備駆動スプロケット56が駆動され、この主駆動スプロケット55及び予備駆動スプロケット56と対向して上部ガイドスプロケット57と下部ガイドスプロケット58がそれぞれ床部44に取付けてある。
【0023】
前記主駆動スプロケット55と上部ガイドスプロケット57、下部ガイドスプロケット58は左右方向に離隔し、前記主吊り用チェーン32が上部ガイドスプロケット57、主駆動スプロケット55、下部ガイドスプロケット58に順次巻掛けてある。これにより主吊り用チェーン32が主駆動スプロケット55のほぼ半周部の歯部に噛合し、主駆動スプロケット55で主吊り用チェーン32を確実に駆動できる。
【0024】
前記予備駆動スプロケット56と上部ガイドスプロケット57、下部ガイドスプロケット58も前述と同様になり、予備駆動スプロケット56で予備用チェーン33を確実に駆動できるようにしてある。
【0025】
このようであるから、モータ53を駆動して主駆動スプロケット55、予備駆動スプロケット56を回転することで、保守用昇降機31が昇降ガイド30に沿って昇降する。
また、通常時は主吊り用チェーン32で保守用昇降機31を昇降させ、万一、主吊り用チェーン32が切断された場合でも予備用チェーン33によって保守用昇降機31を昇降できる。
また、昇降駆動機構34が昇降機31の下部に設けてあるから、マスト23に沿って作業者が梯子等で上まで登ることなしに昇降駆動機溝34を点検、保守でき、作業者の安全確保と作業効率向上を十分に果すことができる。
【0026】
前記保守用昇降機31には落下防止装置60が取付けてある。この落下防止装置60は図8と図9に示すように構成してある。
つまり、ガード体45の支柱48に縦板61を取付け、この縦板61に下向コ字状のブラケット62を固定し、このブラケット62より下方に縦片63を固定してある。
【0027】
前記縦片63と縦板61との間に一対のレバー64がピン65で上下揺動自在にそれぞれ設けてあり、その一対のレバー64の一端部は図6に示すように連結ピン66で連結してある。この連結ピン66はシャフト67の上下中間部に連結され、そのシャフト67の上部と前記ブラケット62に固定したボルト68との間にスプリング69が設けてある。これによりシャフト67は下方に押されて一対のレバー64は上方に揺動されている。
【0028】
前記一対のレバー64は図6に示すようにガイドレール42の凹陥部70内に位置し、前述のように一対のレバー64が上方に揺動すると一対のレバー64は凹陥部70の両側内面に圧接するようにしてある。
【0029】
前記一対の上部ガイドスプロケット57は図9に示すように軸71に軸受72で回転自在に支承され、この軸71の両端部にはスライダ73がそれぞれ嵌合してあり、この各スライダ73と各軸受72との間に複数のカラー74が設けてある。前記各スライダ73は一対の縦板75の上下方向の長孔76にストロークSだけ上下動自在に嵌合し、縦板75にボルト止めされたプレート77で抜け止めしてある。前記一対の縦板75は床部44に取付けてある。
【0030】
前記カラー74にリンク78が取付けてあり、このリンク78が前記シャフト67に連結してある。前記下部ガイドスプロケット58は一対の縦板75の下部に軸79、軸受80で回転自在に取付けある。
【0031】
このようであるから、通常時には上部ガイドスプロケット57には保守用昇降機31の自重が作用し、軸71、スライダ73がスプリング69に抗して図8、図9に示すように上方位置に移動する。これにより一対のレバー64が下方に揺動してガイドレール42の凹陥部70における両側内面と離隔し、落下防止装置60は機能せずにモータ53を駆動することで保守用昇降機31は昇降する。
【0032】
主吊り用チェーン32が切断すると上部ガイドスプロケット57に保守用昇降機31の自重が作用しなくなり、スプリング69によりシャフト67が押されて一対のレバー64が上方に揺動してガイドレール42の凹陥部70の両側内面に圧接し、これによって保守用昇降機31の落下を防止する。
【0033】
また、前述の状態で保守用昇降機31が若干落下すると一対のレバー64が凹陥部70の両側内面にますます喰い込むように誘導して保守用昇降機31の落下を確実に防止する。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、正常時には保守用昇降機31の自重で上部ガイドスプロケット57が上方位置に保持され、一対のレバー64がスプリング69に抗して下方に揺動して凹陥部70の両側内面と離隔するので、駆動スプロケットを回転することで保守用昇降機31を昇降できる。
また、チェーンが切断又は上部ガイドスプロケット57や駆動スプロケットよりチェーンが外れると、上部ガイドスプロケット57に保守用昇降機31の自重が作用しなくなり、この上部ガイドスプロケット57はその自重及び一対のレバー64を保持するスプリング69によって下方位置となるので、一対のレバー64がスプリング69で上方に揺動して凹陥部70の両側内面に圧接して保守用昇降機31の落下を防止する。
しかも、前述の状態で保守用昇降機31が若干落下すると一対のレバー64が凹陥部70の両側内面にますます喰い込むように誘導して保守用昇降機31の落下を確実に防止する。
また、上部ガイドスプロケット57と一対のレバー64とスプリング69を設け、その一対のレバー64と上部ガイドスプロケット57を連結した構造であるから、小型で設置スペースが小さく、自重が軽いものとなり、倉庫内におけるスタッカクレーンの占める面積が小さく倉庫レイアウトスペースを小さくできるし、保守用昇降機の全重量が軽くなって昇降駆動力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の正面図である。
【図2】本発明の実施例を示す全体正面図である。
【図3】本発明の実施例を示す全体側面図である。
【図4】昇降機取付部分の拡大正面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図4のC−C断面図である。
【図8】落下防止装置部分の拡大正面図である。
【図9】図8のD−D断面図である。
【符号の説明】
23…マスト
30…昇降ガイド
31…保守用昇降機
32…主吊り用チェーン
33…予備用チェーン
34…昇降駆動機構
44…床部
53…モータ
55…主駆動スプロケット
56…予備駆動スプロケット
57…上部ガイドスプロケット
58…下部ガイドスプロケット
64…レバー
67…シャフト
69…スプリング
71…軸
72…軸受
73…スライダ
76…長孔
78…リンク
Claims (1)
- スタッカクレーンのマスト23に昇降ガイド30を取付け、この昇降ガイド30に沿って保守用昇降機31を昇降自在に支承し、
前記保守用昇降機31に上部ガイドスプロケット57を上方位置と下方位置に亘って上下移動可能に取付け、その保守用昇降機31に駆動源により回転される駆動スプロケットを取付け、
この上部ガイドスプロケット57と駆動スプロケットに亘って巻掛けたチェーンを、前記マスト23の上部と下部に亘って連結して駆動スプロケットを回転することで保守用昇降機31が昇降し、かつ上部ガイドスプロケット57を保守用昇降機31の自重で上方位置に保持し、
前記保守用昇降機31に一対のレバー64を、上下揺動自在で、上方に揺動すると前記昇降ガイド30の凹陥部70の両側内面に圧接し、かつ下方に揺動すると前記凹陥部70の両側内面と離隔するように取付け、この一対のレバー64をスプリング69で上方に揺動し、
前記上部ガイドスプロケット57と前記一対のレバー64を、上部ガイドスプロケット57が上方位置の時に一対のレバー64がスプリング69に抗して下方に揺動するように連結したことを特徴とするスタッカクレーンにおける保守用昇降機の落下防止装置。
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-
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- 1995-11-30 JP JP31244995A patent/JP3561819B2/ja not_active Expired - Fee Related
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