JP3556979B2 - 磁気ダンパを用いた車載防振ベッド - Google Patents

磁気ダンパを用いた車載防振ベッド Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、救急車等の車両に備え付けで搭載される、振動吸収機能に優れた防振用の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6に示すような車両用の防振ベッドが知られている。この防振ベッドBは、車両のフロアF上に支持軸回りに回動自在に設けられた前後方向一対の支持ロッドRと、これら支持ロッドRの先端部に支持軸によって軸支されたベッド本体B1とから基本構成されている。そして、上記前後一対の支持ロッドRと、ベッド本体B1と、フロアFとで平行四辺形のリンク構造が形成され、ベッド本体B1はこのリンク構造に規制された状態で上下動可能になっている。
【0003】
このようなベッド本体B1の底面部とフロアFとに、互いに同極を対向させた磁石Mが設けられ、この磁石Mの反発力とベッド本体B1の重量とがバランスした状態でベッド本体B1はフロアF上に磁気浮上している。従って、このようなベッド本体B1上に、例えば患者を乗せたストレッチャSが載置されると、それらの重量も加算された状態で上記磁石Mの反発力によりベッド本体B1はフロアF上に磁気浮上する。
【0004】
そして、上記磁石Mの反発力はクッション作用を備えているため、走行中の車両の振動は吸収され、直接ストレッチャS上に横臥している患者には伝わらないため横臥状態は安定する。このような磁力浮上方式の防振構造は、振動の吸収効率がバネ方式のものに比べて優れており、かつ構造も簡単であるため、今後多くの防振構造が磁力浮上方式に取って代わられる状況にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の上記のような磁力浮上方式の防振構造にあっては、磁石の特性によって、一旦車両の振動が吸収された後、その余韻によってベッド本体B1の振動が継続し、しかも振動が減衰するのに時間がかかるのが一般的であった。すなわち、ただ単に磁石Mの同極同士を対向させただけの従来の磁力浮上方式の防振構造においては、最初の振動は効率的に吸収するが、その後、振動が長時間に亘って継続する。しかも、ベッド本体B1の固有振動数と、対向した磁石Mの振動数とが一致したような共振時には、ベッド本体B1の振動は非常に長時間に亘って持続する。
【0006】
従って、このような余韻の振動が長時間に亘って続くと、ベッド本体B1への横臥者に非常な不快感を与えるという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、振動の吸収が良好に行われるとともに、振動の減衰が速やかに行われ、その結果、横臥者に不快感を与えることがなく快適に利用し得る、磁気の反発力を利用した磁気ダンパを用いた車載防振ベッドを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドは、筒状のシリンダと、このシリンダに内装されるピストンと、このピストンに設けられかつ上記シリンダから外部に突出したピストンロッドとから構成され、上記シリンダに内部の流体が出入する小孔が穿設され、上記ピストンと、このピストンに対向するシリンダ側壁とに互いに反発力が生じるように磁性体が設けられてなる磁気ダンパを用いた、車両の車室内に設けられる車載防振ベッドであって、ベッド本体と、このベッド本体を支持する上記磁気ダンパとから構成され、上記ベッド本体は上記ピストンロッドに支持され、上記磁気ダンパは、上記ピストンロッドを垂下させた状態で車両の天井部に設けられ、このピストンロッドの先端部にベッド本体が吊設されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドは、請求項1記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドにおいて、上記シリンダは、上記小孔を介して流体貯留容器に接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
上記請求項1記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドによれば、防振用の磁気ダンパには、シリンダ内のピストンと、このピストンに対向するシリンダ側壁とに互いに反発力が生じるように磁性体が設けられているため、振動体と被振動体との振動方向が一致するように、ピストンロッドおよびシリンダのいずれか一方に振動体を接続するとともに、他方に被振動体を接続すれば、振動体の振動は磁気の反発力を介して被振動体に伝達され、ピストンがシリンダ内で往復動を行なうが、これら磁性体間に働く反発力の弾性機能によって、被振動体に伝達された振動は振動体の振動に対して緩和されたものになる。従って、このような磁気ダンパをクッション部材として各所に適用することが可能になる。
【0011】
また、シリンダには、内部の流体が出入する小孔が穿設されているため、振動の吸収によって起こるピストンのシリンダに対する相対往復動によって上記小孔を通って空気等の流体が移動するが、この移動時に流体移動の抵抗が生じ、この抵抗によってピストンのシリンダに対する相対動が抑制される。従って、振動体の振動が収まってから上記相対動の抑制によって被振動体の振動は速やかに減衰する。
【0012】
そして、車両に振動がない状態でベッド本体が磁気ダンパに支持されているときは、シリンダ内のピストンおよびシリンダ側壁に設けられた一対の磁性体の相互の反発力と、ベッド本体の重量とが互いにバランスした状態になってベッド本体は磁気浮上している。したがって、車両が走行して車載ベッドに上下方向の振動が加わると、上記磁性体相互の反発力とベッド本体の重量とのバランスが崩れ、上記磁気ダンパにベッド本体方向の力が加わるが、上記磁性体の相互の反発弾性力がクッションの役割を果たし、ベッド本体の振動は緩和される。
【0013】
また、上記シリンダには小孔が穿設されているため、上記バランスの崩れによってピストンがシリンダ内で振動するに際し、シリンダ内の流体が上記小孔を通ってシリンダ内に対して出入し、このときに生じる抵抗によってピストンの振動が速やかに減衰する。
【0014】
そして、磁気ダンパは、上記ピストンロッドを垂下させた状態で車両の天井部に設けられ、このピストンロッドの先端部にベッド本体が吊設されているため、車両がカーブを旋回したときはベッド本体は遠心力と重力との合力の方向に傾斜し、その結果、ベッド本体上の横臥者の遠心力方向への位置ずれが有効に抑止される。
【0015】
上記請求項記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドによれば、シリンダは、上記小孔を介して流体貯留容器に接続されているため、流体として液体を使用することができる。
【0016】
【実施例】
図1は、本発明に係る磁気ダンパが適用された車載防振ベッドの一例を示す斜視図である。この図に示すように、車載防振ベッド1は、平板状のベッド本体2と、このベッド本体2を吊設する前後方向一対の逆U字状部材3と、これら一対の逆U字状部材3の頂部に連設された磁気ダンパ4とから構成されている。上記磁気ダンパ4が図略の車両天井部から垂下された車幅方向一対の吊持部材5に吊持されて車載防振ベッド1は車両の天井から吊り下げられている。
【0017】
上記ベッド本体2の隅部には、斜め水平方向に突片21が突設され、この突片21に上記逆U字状部材3の先端部が結合されている。また、ベッド本体2の表面には、その上に載置されるストレッチャSの車輪S1を誘導するための車幅方向一対の車輪誘導溝22が凹設されており、この車輪誘導溝22に車輪S1を嵌め込んでベッド本体2に対するストレッチャSの出し入れ操作を行うようにしている。
【0018】
上記一対の吊持部材5には、それぞれ前後方向に延びる同心の支持軸51が設けられている。これらの支持軸51に、各磁気ダンパ4の上面部に突設されたブラケット41aが外嵌されている。この状態で磁気ダンパ4は上記支持軸51回りに車幅方向に回動自在になっている。また、上記各磁気ダンパ4の下部から一対のピストンロッド43が垂下されている。これらのピストンロッド43の下端部と、上記一対の逆U字状部材3の頂部とはそれぞれ同心の一対の結合軸31によって互いに結合され、それらは互いに結合軸31回りに相対回動可能になっている。なお、ピストンロッド43と逆U字状部材3とが結合軸31回りに相対回動可能に結合されることに限定されるものではなく、ピストンロッド43と逆U字状部材3とが一体に固定されていてもよい。
【0019】
図2は、支持部材の第1実施例を示す横断面図である。この図に示すように、磁気ダンパ4は、シリンダ41と、このシリンダ41に内装されたピストン42と、このピストン42の中心部を貫通して設けられたピストンロッド43とを具備している。上記シリンダ41の上端面には、支持孔41bの穿設されたブラケット41aが上方に突設されている。上記支持孔41bに吊持部材5の支持軸51が貫入されている。
【0020】
上記ピストン42は、円盤状の永久磁石で形成され、その中心部分に装着孔42aが穿孔されている。一方、ピストンロッド43の基端部には鍔部43aが設けられているとともに、この鍔部43aよりも先の方に雄ネジ部43bが形成されている。そして、上記ピストン42の装着孔42aにピストンロッド43の基端部を貫入した状態でナット43cを締結することにより、ナット43cと上記鍔部43aとでピストン42を押圧挟持し、これによってピストンロッド43とピストン42とを一体に結合している。
【0021】
また、シリンダ41の底部には挿通孔41cが穿孔されており、この挿通孔41cにピストンロッド43の鍔部43aよりも下部の部分が摺接状態で貫通されている。また、シリンダ41内のピストン42よりも上方には空気室4aが形成されているとともに、シリンダ41の上部には、適宜個数の空気を流通させるための小孔41dが穿設されている。従って、ピストン42がシリンダ41内で上下動すると、空気室4a内の空気が小孔41dを通って出入するようになっている。
【0022】
そして、シリンダ41の底部の内面には、円盤状磁石44が配設されており、この円盤状磁石44と、上記磁石からなるピストン42とは、互いに同極が対向するように配置されている。上記円盤状磁石44の中心部分にはピストンロッド43を挿通する上記シリンダ41の挿通孔41cに対応した挿通孔44aが穿設されており、これらの挿通孔44a,41cを通してピストンロッド43がシリンダ41内から外部に突出している。
【0023】
また、ピストンロッド43の下端部には支持孔43eが穿設されており、この支持孔43eに上記結合軸31(図1)が嵌入された状態でピストンロッド43と逆U字状部材3とが結合されている。
【0024】
さらに、ピストンロッド43の下部に逆U字状部材3が結合され、ベッド本体2の重量がピストン42にかかった状態で、ピストン42と円盤状磁石44との間に働く反発力によって、ピストン42と円盤状磁石44とは互いに離間し、ベッド本体2がフロアFから浮き上がった磁気浮上状態になっている。
【0025】
本発明の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドは以上のように構成されているので、ベッド本体2の上に横臥者を乗せたストレッチャSを載置すると、ベッド本体2、ストレッチャSおよび横臥者の重量がシリンダ41内で磁気浮上しているピストン42に加わり、上記重量と磁石の反発力とが拮抗した位置までピストン42は下降する。この拮抗した位置でベッド本体2は磁気浮上状態になる。
【0026】
そして、車両が振動すると、この振動はピストン42と円盤状磁石44との間の反発磁力を介してベッド本体2に伝達されるが、上記磁力がクッションの役割を果たすことによって振動が吸収され、ベッド本体2の振動は緩和される。しかも、振動の吸収に際し、ピストン42はシリンダ41内で上下方向にシリンダ41に対して相対振動するが、この相対振動によって空気室4a内の空気が小孔41dから出入するため、このときの空気の抵抗によってピストン42の振動は速やかに減衰し、振動が長時間に亘って継続することが確実に抑止され、ベッド本体2上にストレッチャSを介して横臥している横臥者に不快感を与えることはない。
【0027】
また、車両がカーブを旋回したときはベッド本体2は、遠心力と重力との合力に沿うように支持軸51回りに回動して、車両の旋回中心から遠い方の側部が上昇するように傾き、その結果横臥面での横臥者の遠心力方向への位置ずれが有効に抑止される。
【0028】
図3は、支持部材の第2実施例を示す横断面図である。この例の場合は磁気ダンパ4Xの上部に流体貯留容器6が設けられ、この流体貯留容器6とシリンダ41の流体室4a′との間に隔壁61が設けられている。そして、この隔壁61に適宜個数の小孔61aが穿設され、流体貯留容器6内の貯留室6aとシリンダ41内の流体室4a′とが上記小孔61aを介して連通状態になっている。
【0029】
また、流体貯留容器6の頂部には空気孔62が設けられているとともに、上記磁気ダンパ4のブラケット41aに該当するブラケット63が設けられている。その他は第1実施例の磁気ダンパ4と同じである。
【0030】
そして、本実施例の場合は、貯留室6aおよび流体室4a′内に所定の粘性を有するオイル等の液体が収容されている。従って、ピストン42が空気室4a内で振動すると、オイル等の液体が小孔61aを通って空気室4a内と貯留室6a内との間を往復するが、このときの液体の小孔通過抵抗によってピストン42の振動は速やかに減衰する。
【0031】
このように、本実施例においては、磁気ダンパ4の流体室4a′内にオイル等の液体が封入され、この液体が小孔61aを通過するときの抵抗によってピストン42の振動を減衰させるようにしている。そして、液体による抵抗は空気による抵抗よりも大きいため、その分ピストン42の振動減衰は迅速に行われるようになる。
【0032】
図4は、本発明に係る磁気ダンパが適用された車載防振ベッド1aの他の例を示す斜視図である。この例の場合は、後述する第3実施例の4台の支持部材7が車両のフロアF上に配置され、この支持部材7の上部から突出したピストンロッド73の頂部で平板状のベッド本体2aが支持されている。ベッド本体2aの上面部には、先の例と同様の車幅方向一対の車輪誘導溝72が設けられている。
【0033】
図5は、支持部材の第3実施例を示す横断面図である。この図に示すように、支持部材7は、シリンダ71と、このシリンダ71に内装された永久磁石からなるピストン72と、このこのピストン72の上部に設けられたピストンロッド73とを具備している。上記シリンダ71の底部にはフランジ部71aが設けられ、このフランジ部71aがフロアFにボルト止めされた状態で支持部材7がフロアF上に固定されている。
【0034】
上記シリンダ71内の底部には円盤状磁石74が配置されている。この円盤状磁石74と上記ピストン72の磁石とは同極同士が対向されており、互いの反発力によってピストン72はシリンダ71内で磁気浮上している。また、このようなピストン72の中心部には、装着孔72aが穿設されており、この装着孔72aにピストンロッド73の基端部が貫入されている。ピストンロッド73の下部には鍔部73aが設けられており、この鍔部73aが装着孔72aの周縁部に当止してピストンロッド73が下方に抜け落ちるのが阻止されている。
【0035】
上記シリンダ71の上面壁71dには挿通孔71cに摺接状態でピストンロッド73が挿通されている。また、上記上面壁71dには、適所に複数の小孔71bが穿孔されており、ピストン72が上下動すると、空気室7a内の空気が上記小孔71bを通って出入するようになっている。上記ピストンロッド73の上部には、上鍔部73bが設けられており、この上鍔部73bより上部のピストンロッド73の突出部分が、ベッド本体2aの裏面に設けられた支持孔23に嵌入された状態でベッド本体2aは磁気浮上している。
【0036】
従って、車両の振動によってフロアFが上下方向に振動すると、この振動が磁力で浮上しているピストン72、ピストンロッド73およびベッド本体2aに順次伝達され、磁気浮上のクッション作用によって振動が吸収されるとともに、空気の小孔71bを通した空気室7aに対する出入による空気抵抗によってピストン72の振動は速やかに減衰する。
【0037】
このような第3実施例の支持部材7のシリンダ71上部に、第2実施例で採用しているような流体貯留容器を設け、流体貯留容器内にオイル等を装填し、小孔を介してこの液体をシリンダ71内と流体貯留容器内とで流通させるようにしてもよい。このようにすれば、上記第2実施例と同様に、液体が小孔を通過するときに生じる空気よりも大きな抵抗によって、ベッド本体2aの振動はより迅速に減衰する。
【0038】
以上の実施例においては、磁気ダンパ4,7が、車載ベッド1,1aの支持用に適用された例について説明したが、本発明の磁気ダンパ4,7は、車載ベッド1,1a用に用いられることに限定されるものではなく、振動を排除する必要のある構築物、例えば、各種の機械設備や、家屋、ビルディング等の建造物等に対する基礎部材としても利用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドは、磁気ダンパが筒状のシリンダと、このシリンダに内装されるピストンと、このピストンに設けられかつ上記シリンダから外部に突出したピストンロッドとから構成され、かつ、上記シリンダに内部の流体が出入する小孔が穿設されてなる防振用の磁気ダンパであって、上記ピストンと、このピストンに対向するシリンダ側壁とに互いに反発力が生じるように磁性体が設けられてなるものである。
【0040】
従って、振動体と被振動体との振動方向が一致するように、ピストンロッドおよびシリンダのいずれか一方に振動体を接続するとともに、他方に被振動体を接続すれば、振動体の振動は磁気の反発力を介して被振動体に伝達され、ピストンがシリンダ内で往復動を行なうが、これら磁性体間に働く反発力の弾性機能によって、被振動体に伝達された振動は振動体の振動に対して緩和されたものになる。従って、このような磁気ダンパをクッション部材として各所に適用することが可能になる。
【0041】
そして、シリンダには、内部の流体が出入する小孔が穿設されているため、振動の吸収によって起こるピストンのシリンダに対する相対往復動によって上記小孔を通って空気等の流体が移動するが、この移動時に流体移動の抵抗が生じ、この抵抗によってピストンのシリンダに対する相対動が抑制される。従って、振動体の振動が収まってから上記相対動の抑制によって被振動体の振動は速やかに減衰する。
【0042】
このように、本発明の磁気ダンパは、シリンダ内に磁性体を内装することで磁気の反発弾性力により防振機能を得るようにしたものであり、シリンダ内にコイルバネ等の弾性部材の装着された従来の防振用ダンパに比較して部品点数が減少するとともに製造工数も減少し、製造コストを低減させる上で有効である。
【0043】
そして、車載防振ベッドは、このような磁気ダンパを用いたものであって、ベッド本体と、このベッド本体を支持する上記磁気ダンパとから構成され、上記ベッド本体は上記ピストンロッドに支持されいるため、車両に振動がない状態でベッド本体が支持部材に支持されているときは、シリンダ内のピストンと、シリンダ側壁とに設けられた磁性体の相互の反発力とベッド本体の重量とが互いにバランスした状態になっている。そして、車両が走行して車載防振ベッドに振動が加わると、上記磁性体相互の反発力とベッド本体の重量とのバランスが崩れ、上記磁気ダンパにベッド本体に向かう力が加わるが、上記磁性体の相互の反発弾性力がクッション材の役割を果たし、ベッド本体の振動は緩和される。
【0044】
そして、上記シリンダには内部の流体を出入させるための小孔が穿設されているため、上記バランスの崩れによってピストンがシリンダ内で振動するに際し、シリンダ内の流体が上記小孔を通ってシリンダ内に対して出入し、このときに生じる抵抗によってピストンの振動が速やかに減衰する。
【0045】
このように、車両の振動は支持部材で吸収され緩和された状態でベッド本体に伝達されるとともに、振動は速やかに減衰するため、ベッド本体は確実に振動が抑止された状態になり、ベッド本体への横臥が快適になるとともに、特に車両が救急用のものである場合など、救急患者への振動による悪影響を最小限に抑えることができ好都合である。
【0046】
さらに、支持部材は、上記ピストンロッドを垂下させた状態で車両の天井部に設けられ、このピストンロッドの先端部にベッド本体が吊設されているため、車両がカーブを旋回したときはベッド本体は遠心力が加わる方向の側部が上昇するように傾き、その結果横臥面での横臥者の遠心力方向への位置ずれが有効に抑止される。
【0047】
本発明の請求項記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッドによれば、シリンダは、上記小孔を介して流体貯留容器に接続されているため、流体として液体を使用することができ、液体と小孔との間の抵抗値が、気体と小孔との間の抵抗値よりも大きいことによる良好な振動抑止作用が得られ好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ダンパが適用された車載防振ベッドの一例を示す斜視図である。
【図2】支持部材の第1実施例を示す横断面図である。
【図3】支持部材の第2実施例を示す横断面図である。
【図4】本発明に係る磁気ダンパが適用された車載防振ベッドの他の例を示す斜視図である。
【図5】支持部材の第3実施例を示す横断面図である。
【図6】従来の磁気浮上式車載防振ベッドを例示する説明図である。
【符号の説明】
1,1a 車載防振ベッド 2,2a ベッド本体
21 突片 22 車輪誘導溝
23 支持孔 3 逆U字状部材
31 結合軸 4,7 磁気ダンパ
4a,7a 空気室 4a′ 流体室
41,71 シリンダ 41a ブラケット
41b 支持孔 41c 挿通孔
41d,71b 小孔 42,72 ピストン(円盤状磁石)
42a 装着孔 43,73 ピストンロッド
43a 鍔部 43b ネジ部
43c ナット 43e 支持孔
44,74 円盤状磁石 5 吊持部材
6 流体貯留容器 61 隔壁
61a 小孔 62 空気孔

Claims (2)

  1. 筒状のシリンダと、このシリンダに内装されるピストンと、このピストンに設けられかつ上記シリンダから外部に突出したピストンロッドとから構成され、上記シリンダに内部の流体が出入する小孔が穿設され、上記ピストンと、このピストンに対向するシリンダ側壁とに互いに反発力が生じるように磁性体が設けられてなる磁気ダンパを用いた、車両の車室内に設けられる車載防振ベッドであって、ベッド本体と、このベッド本体を支持する上記磁気ダンパとから構成され、上記ベッド本体は上記ピストンロッドに支持され、上記磁気ダンパは、上記ピストンロッドを垂下させた状態で車両の天井部に設けられ、このピストンロッドの先端部にベッド本体が吊設されていることを特徴とする磁気ダンパを用いた車載防振ベッド。
  2. 上記シリンダは、上記小孔を介して流体貯留容器に接続されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ダンパを用いた車載防振ベッド。
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