JP3556690B2 - 糖カルボン酸の製造法及び新規糖カルボン酸 - Google Patents

糖カルボン酸の製造法及び新規糖カルボン酸 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規糖カルボン酸又はその塩および新規糖カルボン酸の製造法に関する。詳しくは、1級水酸基(ヒドロキシメチル基)をもつ糖類からシュードグルコノバクター(Pseudogluconobacter)属の菌又はその処理物を用いて、効率的に対応するカルボン酸を製造する方法、糖類の有するヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化された形の新規糖カルボン酸、ヘミアセタール水酸基をもつ糖類の該ヘミアセタール水酸基を有する炭素原子を同じくシュードグルコノバクター属の菌又はその処理物を用いて、カルボキシル基に酸化して対応するカルボン酸を製造する方法及びヘミアセタール水酸基を有する炭素原子がカルボキシル基に酸化された形の新規糖カルボン酸に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロキシメチル基のカルボキシル基への酸化を触媒する微生物については、例えばアセトバクター属細菌〔アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー(Agric. Biol. Chem.),第42巻,2331項(1978)〕,グルコノバクター属細菌〔アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー(Agric. Biol. Chem.),第42巻,2045項(1978)〕あるいはシュードモナス属細菌等のアルコール脱水素酵素〔例えば、バイオケミカル・ジャーナル(Biochem.J. ),第223巻,921項(1984)〕,メタノール細菌のメタノール脱水素酵素〔アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー(Agric. Biol. Chem.)、第54巻、3123項(1990)〕等が知られているが、これらはいずれもその基質特異性が限られておりメタノール、エタノール等のアルコール類以外に作用するという報告はない。
【0003】
又、D−ソルビトール、L−ソルボース(以下、これを単にソルボースと称することがある)等の糖類に作用してそのヒドロキシメチル基のカルボキシル基への酸化を触媒する微生物としてはグルコノバクター属細菌のD−ソルビトール脱水素酵素〔アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー(Agric. Biol.Chem.)、第46巻、135項(1982)〕、ソルボース脱水素酵素〔アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー(Agric. Biol. Chem.)、第55巻、363項(1991)〕、グルコース脱水素酵素〔アグリカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー(Agric. Biol. Chem.)、第44巻、1505項(1980)〕等が知られているが、これらは、いずれも、その基質特異性が限られており、汎用性という面からは不十分である。また、既にシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスと名付けた土壌分離細菌がL−ソルボースから著量の2−ケト−L−グロン酸を(特開昭62−228288,特開昭64−85088参照)、又、D−グルコース等から2−ケト−D−グルカル酸を(特開昭62−228287号参照)生成することを見いだしている。
【0004】
一方、多糖類のうち、例えばデキストランは乳酸菌に属するロイコノストックメセンテロイド(Leuconostoc mesenteroides)などによって、シュークロースから生成するα1→6結合を主体とする高分子グルカンの総称であり、従来より化学修飾法が種々試みられているが、一般に使用される化学反応では位置選択的に高い反応率で、生成物を得ることが難しく、多数の副反応生成物を与えてしまう。このように、デキストランをはじめとする多くの多糖類は、このような分子量の異なる各種高分子の同族体で構成されるので、化学修飾では、いろいろの副反応が起こり生成物が複雑化し成績体の実体も明確化できない例が多い。〔“バイオトランスフォーメーションズ イン プリパラティブ オーガニック ケミストリー”(Biotransformations in Preparative Organic Chemistry H. G. Davis et al, Academic Press)参照〕
特に、従来よりデキストランと次亜鉛素酸ナトリウム、亜臭素酸ナトリウム,塩素,臭素,ヨウ素などの酸化剤により化学酸化することが試みられているが、その成績体について構造が必ずしも明確にされていないか、十分な裏付けがなされていない。例えばデキストランの化学酸化については例えばトスニ、コエルホおよびパテルによる日本出願(特許公開 昭61−233001)等に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとく、従来、微生物を用いた、ヒドロキシメチル基をもつ糖類などの化合物のカルボン酸への酸化は、その基質特異性から単糖類など、ごく限られたものであった。又、糖類とりわけ少糖類や多糖類のヘミアセタール水酸基部分やヒドロキシメチル基の化学酸化は上述の如く副反応が多く精製工程の煩雑化が避けられないことからより選択性の高い効率的酸化反応の技術が求められていた。かくして、本発明の目的は産業的、工業的に有用な物質を製造するため広い基質特異性を有する微生物を用いて、高収率、高選択的にヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子を酸化することによる糖カルボン酸の製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく、各種微生物について鋭意研究を重ねた結果、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスが、ヒドロキシメチル基(−CHOH)及び/又はヘミアセタールOHをもつ炭素原子をもつ幅広い糖ならびにその誘導体のこれらの基を特異的に酸化し容易に高収率、高選択的に糖カルボン酸に酸化することを見い出した。また、これらの菌は驚くべきことに、極めて基質特異性が広く、かつ、極めて汎用性のある菌であることを見い出し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち本発明は、
1) ヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基を有する単糖類誘導体,少糖類又はその誘導体,多糖類又はその誘導体に、該ヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子をカルボキシル基に酸化する能力を有するシュードグルコノバクター属に属する微生物又はその処理物を作用させ、対応するカルボン酸を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする糖カルボン酸又はその塩の製造法、及び
2)糖類及びその誘導体の有するヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された新規糖カルボン酸類に関する。
【0007】
本発明で使用できるシュードグルコノバクター属に属する微生物としては、糖類のヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子をカルボキシル基に酸化する能力を有するシュードグルコノバクター属に属する微生物であればいずれでもよく、通常の変異誘発操作、例えばニトロソグアニジン等の変異剤処理、紫外線照射処理等あるいは、遺伝子組換え等により得られる変異株も含まれる。とりわけシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスの菌が好ましい。より具体的には、例えば、ヨーロッパ特許公開第221,707号に記載されている下記の菌株が代表例として挙げられる。
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株:FERM BP−1130,IFO 14464
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−5株:FERM BP−1129,IFO 14465
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスTH 14−86株:FERM BP−1128,IFO 14466
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−15株:FERM BP−1132,IFO 14482
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−4株:FERM BP−1131,IFO 14483
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス22−3株:FERM BP−1133,IFO 11484。
【0008】
本発明の方法においては、シュードグルコノバクター属の微生物の菌体自体を作用させてもよく、あるいはその処理物を用いてもよい。処理物としては例えばこれらの微生物の培養液を用いることができる。更にこれらの微生物が産生する酵素を用いてもよい。但し、本発明のシュードグルコノバクター属の微生物の場合、通常酵素は菌体内に蓄積される。通常、菌体自身を用い、これを原料糖類に接触・作用させカルボン酸を生成せしめるのが好都合である。とりわけ、休止菌体を用いるのが好ましい。菌体またはその培養液は例えば、特開昭64−85088に記載の方法に従って製造することができる。
すなわち、スラントからシード培養を行い、ついで本培養を行い、醗酵ブロースを得るとともに、必要に応じて、この醗酵ブロースを遠心分離し、沈澱物を集め、ついで、食塩水溶液で数回洗浄し、得られた沈澱を菌体反応に供することができる。また該微生物は好気的条件下で、該菌株が利用しうる栄養源、すなわち炭素源(グルコース,蔗糖,スターチ等の炭水化物またはペプトン,イーストエキス等の有機物),窒素源(アンモニウム塩類,尿素やコーンスティープリカー,ペプトン等の無機、有機の窒素化合物),無機塩類(カリウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム,鉄,マンガン,コバルト,銅リン酸,チオ硫酸等の塩類),および微量栄養素としてCoA,パントテン酸,ビオチン,チアミン,リボフラビン,FMN(フラビンモノヌクレオシド)等のビタミン・補酵素類またはL−システイン,L−グルタミン酸等のアミノ酸またはそれらを含む天然物を含む液体培地で培養することができ、このようにして得られる培養液を本発明方法に用いてもよい。培養はpH4〜9、好ましくはpH6〜8で行うことが出来る。
【0009】
培養時間は使用する微生物および培地の組成等によって種々異なるが、好ましくは、10〜100時間である。培養を行うのに好適な温度範囲は、10〜40℃,好ましくは、25〜35℃である。培養に際し、培地に希土類元素を添加することにより、より効率的に目的物を生成せしめることができる。培地に添加される希土類元素としては、スカンジュウム(Sc),イットリウム(Y),ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジウム(Pr),ネオジウム(Nd),サマリウム(Sm),ユウロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビウム(Tb),ジスプロシウム(Dy),ホルミニウム(Ho),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)などが挙げられる。これらの希土類元素は金属末または金属片として添加してもよいし、塩化物,炭酸塩,硫酸塩,硝酸塩,酸化物あるいはシュウ酸塩のような化合物としても用いられる。それらは単独で用いてもよいし、二種類以上の希土類元素例えば、炭酸セリウムと塩化ランタンとを同時に使用することもできる。さらには諸元素の分離精製過程で得られる粗製物等も用いることができる。培地に添加される希土類元素の量は、用いる微生物の生育を抑制しない範囲で選択すればよく、通常0.000001〜0.1%(W/V),好ましくは0.0001〜0.05%(W/V)の範囲が効果的である。培地への添加法としては、予め培地に添加しておくのもよいが、培養途中に間欠的に添加しても、または連続的に添加してもよい。
【0010】
本発明を実施するにあたり、反応に供する糖類を水または、水と混和できる溶媒、例えば、メタノール,アセトン,ポリエチレングリコールなどに溶解又は懸濁したものを用いて微生物と接触してもよい。使用する溶媒量は反応を遅延させない範囲で選択すればよく、基質濃度として、通常0.1〜20%(W/V),好ましくは、1〜5%の範囲が効果的である。本発明の微生物による酸化反応を行うのに好適な温度範囲は、10〜40℃,好ましくは25〜35℃である。また反応は好気的条件下で行うのが好ましく、例えば、空気を0.1〜5リットル/分で通気しながら、必要に応じて、50〜2000回転で撹拌することもできる。反応時間は、反応に供する糖類に置換する1級水酸基及び/又はヘミアセタール水酸基の性質により異るが、5分〜3日間,通常、1時間〜24時間である。この反応はpHを調整するのが好ましい。通常pH4〜9,好ましくはpH6〜8の範囲で行うのが効果的である。pH調整に用いる塩基は、反応を阻害しないものなら、使うことができる。例えば、水酸ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化第1鉄などの無機塩,モルホリノエタンスルホン酸ナトリウム,モルホリノエタンスルホン酸カルシウムなどの有機塩なども使用することができる。また、所望により陰イオン交換樹脂を添加することにより、pHを調整するための上記した、アルカリ金属塩などの中和剤を加える必要がなく、かつ反応を選択的に制御することができる。とりわけ選択的に反応させ1当量酸化体を得る場合に、この陰イオン交換樹脂を添加する方法は好適である。こゝで使用する陰イオン交換樹脂としては、生成したカルボン酸を吸着するものなら、陰イオン交換樹脂はいずれでもよい。とりわけスチレン系及びアクリル系陰イオン交換樹脂が好ましい。具体的には、例えばアンバーライト(商品名,オルガノ社)IRA−400,IRA−401,IRA−402,IRA−410,IRA−900,IRA−910,IRA−35,IRA−68,IRA−94Sなど、ダイヤイオン(商品名,三菱化成)SA−10A,SA−20A,PA−306,PA−308,PA−406,WA−10,WA−11,WA−20,WA−30などが挙げられる。
これら陰イオン交換樹脂は基質として加えた糖類(ヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基を有する単糖類誘導体、少糖類又はその誘導体、多糖類又はその誘導体)が、反応液中に消失したところで、撹拌を停止し、反応液と陰イオン交換樹脂を分離し、陰イオン交換樹脂を適当な溶離剤を加え、溶出し、目的物を得るものである。溶離剤として、食塩,アルカリ金属塩などの水溶液、あるいは、塩酸,硫酸,リン酸,クエン酸などの酸性水溶液などが挙げられる。このようにして溶離、蓄積された糖カルボン酸は公知の手段又はそれに準じる方法により採取、精製することができる。
【0011】
本発明の方法により、1級水酸基(ヒドロキシメチル基)が特異的に酸化され、対応する糖カルボン酸を与える糖類として、D−グルコース,D−フラクトール,D−ガラクトース,D−リボース,D−マンノース,L−ソルボースなどの単糖類の誘導体〔例、D−グルコサミン,N−アセチル−D−グルコサミン,N−アセチル−キトビオース,トリ−N−アセチル−キトトリオース等のアミノ糖類,グルコシール−L−アスコルビン酸,L−アスコルビン酸などのアスコルビン酸関連化合物,イノシン,アデノシン,ウリジン,グアノシン,シチジン,チミジン,2−デオキシイノシン,2−デオキシアデノシン,2−デオキシウリジン,2−デオキシグアノシン,2−デオキシシチジン,2−デオキシチミジンなどの核酸関連化合物などならびにストレプトゾトシン(ストレプトゾシン)〕,シュークロース,ラクトース,パラチノース,ラフィノース,ラクトシュークロース,グルコシルシュークロース,ガラクトシルシュークロース,キシロビオースなどの少糖類、マルトトリオース,マルトテトラオース,イソマルトトリオース,パノース,マルチトールなどのデンプン系糖類、バリダマイシンAなどのアミノ糖類,セロビオース,セロトリオース,セロヘキサオースなどのセロオリゴ糖類、ステビオシド,レバウディオシド−A,レバウディオシド−C,レバウディオシド−D,レバウディオシド−E,ズルコシド−A,ルブソシド〔下記式(II)においてR=β−Glc, R=−β−Glc の化合物〕などのステビオール配糖体,モグロシド等の少糖類又はその誘導体及びシクロデキストリン,可溶性デンプン,デキストリン,デキストラン,β−1,3−グルカン等多糖類又はその誘導体が挙げられる。
尚、少糖類及び多糖類の誘導体としては、下記する本発明方法により少糖類、多糖類のヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子がカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸も含まれる。
【0012】
本発明の方法により、ヘミアセタール水酸基部位が特異的に酸化されて糖カルボン酸を与える糖類としてデキストラン,セルロース,キチン,アミロース,アミロペクチン,マルトトリオース,パノース,イソマルトース,セロビオース,ラクトース,マルトース等が挙げられる。尚、少糖類及び多糖類の誘導体としては、例えばデキストラニルグルクロン酸のような上記した本発明方法により少糖類、多糖類の1級水酸基のヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸も含まれる。
これらの糖類から得られる糖カルボン酸のうち、
例えばパラチノースの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
シュークロースの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
D−トレハロースの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
マルトシル−β−シクロデキストリンの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸の有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
ストレプトゾトシンの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
ヘプチュロースのヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
式(I)
【化4】
Figure 0003556690
で表わされるマルトデキストリンの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
式(II)
【0013】
【化5】
Figure 0003556690
で表わされるステビオール配糖体の有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
式(III)
【化6】
Figure 0003556690
で表わされるバリダマイシンAの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸、
モグロシドの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸並びにそれらの塩、
デキストランの有するヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化された式(VIII)
【化7】
Figure 0003556690
(但し、式中、n=1〜50,好ましくは10〜15)で表わされる糖カルボン酸〔すなわち、デキストラニルグルクロン酸(グルクロニルデキストリン、デキストラン−グルクロン酸とも称される)〕、その塩、又はそれらと金属塩との錯体あるいは複合体(以下単に複合体と称する)及び
デキストラニルグルクロン酸(デキストラン−グルクロン酸と称されることもある)が有するヘミアセタール水酸基を有する炭素原子がカルボキシル基に酸化された式(IX)
【化8】
Figure 0003556690
(式中、n=1〜50,好ましくは10〜15)で表わされる糖カルボン酸(すなわち、グルクロニルデキストラニルグルコン酸)、その塩又はそれらと金属塩との複合体等は産業上有用な新規化合物である。
【0014】
上記の出発物質の糖類を、上記したシュードグルコノバクター属に属する菌体もしくはその処理物と接触させることにより酸化反応を行う際、該糖類は、1級水酸基やヘミアセタール水酸基の数やその性質を反映して、位置選択的、かつ段階的に酸化され、対応する糖カルボン酸を特異的に与えることも、このシュードグルコノバクター属に属する菌体あるいは処理物による酸化反応の特徴である。
目的物の分離が容易な場合等には、上記したシュードグルコノバクター属の微生物を、上記糖類含有培地中で培養してもよい。この場合の培養条件としては上記培養液を得る方法と同様な条件で行うことができる。
このようにして生成蓄積された糖カルボン酸は公知の手段又はそれに準じる方法により採取、精製することができる。例えば濾過、遠心分離、活性炭や吸着体処理、溶媒抽出、クロマトグラフィー、沈澱、塩析等の手段を単独で又は適宜組み合わせて適用して、目的物を単離、生成することができる。
上述のように、陰イオン交換樹脂の存在下で酸化を行なう場合、反応液と陰イオン交換樹脂を静地する方法,遠心分離法等により分離し、陰イオン交換樹脂を、溶離剤を用いて溶出処理し、目的物を含む溶出画分を集め、これを上記公知の手段又はそれに準じる方法に付し、目的とする糖カルボン酸を単離、精製する。
【0015】
デキストランカルボン酸と鉄塩との複合体は通常、デキストランと鉄塩との複合体を製造する公知方法又はそれに準じて製造することができる。例えば、デキストランカルボン酸と水酸化第二鉄等鉄塩のゾルとを反応させることにより製造することもできる。より好ましくは透析により、脱塩、精製した水酸化鉄ゾルにデキストランカルボン酸を加えついでpH8.0〜10で、加温された温度条件たとえば100℃〜120℃におけるオートクレーブなどで、30分間加熱処理することにより、コロイド溶液または懸濁液が得られる。
この方法により、鉄は塩形成、キレート形成水和化などのプロセスなどにより、デキストランカルボン酸誘導体鉄塩複合体が形成される。後述するように、この水相中コロイド懸濁鉄塩複合体の元素鉄含有量は溶液状態の約50〜250mg/mlであり、所望により蒸発、濃縮などの操作により、低鉄分含有品から高鉄分含有鉄塩複合体を調製することもできる。このようにして得られた、高鉄分含有鉄塩複合体はそれ自体長期間極めて安定であり、特に水相中でそのコロイド状態が安定に保持される特性を有している。
このようにして得られたデキストランカルボン酸と水酸化第2鉄等の鉄塩との複合体は、注射用蒸留水、生理食塩水等で希釈して注射剤として非経口的に動物に投与してもよく、又、公知の製剤学的製造法に準じ、所望により製剤学的に許容される希釈剤、賦型剤を用い、錠剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、乳剤、液剤、プレミックス剤、シロップ剤等として経口的に投与することができる。又、一剤とした後直接又は担体に分散させたものと飼料、飲水等に混ぜて用いることができる。さらにそれぞれの物質を別途所望により製剤原料に許容される希釈剤、賦型剤等を用い、製剤化し用時希釈剤等を用いて一剤とした後、飼料、飲水等の中に混ぜて投与することもできる。さらに上記したようにそれぞれ別途製剤化したものを、別個に同時にまたは時間差をおいて、同一対象に対して同一経路または異なった経路で投与することもできる。
本発明の方法によりカルボン酸を遊離体で得ても、塩で得てもよく、塩で得られた場合は、慣用方法により遊離体に、又、塩で得られた場合は遊離体に変換できることはいうまでもない。又培地に鉄、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属を存在せしめることにより糖カルボン酸を生成蓄積しながらその塩を生成することもできる。更に、得られた生成物は、元素分析、融点、比旋光度、赤外線吸収スペクトル、NMRスペクトル、クロマトグラフィー等の慣用手段により同定できる。
【0016】
このようにして得られた本発明の糖カルボン酸には、種々の用途、特性が認められる。例えば前記ステビオール配糖体としては例えば次のような化合物があげられ、これらを酸化して得られるグルクロン酸型ステビオール配糖体誘導体はいずれも新規物質である。
【表1】
Figure 0003556690
これらを含む各種ステビオール配糖体の糖カルボン酸誘導体は、甘味質が改善され強甘味とさわやかな味質が認められた。低カロリー性、抗う蝕性、酵素に安定な高甘味食品素材として菓子類、清涼飲料水、漬物、冷菓等に従来の甘味料に準じて用いることができる。さらに易溶解性、低毒性、崩壊性、分解性等の点でもすぐれているので、味の改善が可能で矯味剤として用いることができる。例えば、錠剤、散剤等の製剤に、常法に従い添加、配合して用いることができる。またβ−マルトシル−β−シクロデキストリンの糖カルボン酸誘導体は、シクロデキストリン類での初めてのカルボン酸誘導体で、水に対する溶解性が、著しく改善された(溶解度>200g/100ml、水、25℃)。従って、例えば、プロスタグランジン,ステロイド,バルビトール酸等の難溶性医薬品を本発明のシクロデキストリンの糖カルボン酸類で包接化することにより水溶性が向上し、注射剤として適用できる。このように糖カルボン酸類を包接剤として用いる場合、従来知られている包接剤と同様な方法で用いることができる。また、シュークロースを反応させて得られるβ−D−フラクトシル−(2→1)−α−D−グルクロン酸や、α−D−グルクロニル−(1→2)−β−D−6−フラクチュロン酸は、甘味のない新たな砂糖誘導体で、かつ、グルコシダーゼ,ペクチナーゼ,グルクロニダーゼ,インベルターゼにより分解されないことが判明した。シュークロースより酵素分解しにくい糖誘導体である。従って、難消化性,低カロリー性砂糖誘導体として菓子、ケーキ、冷菓等の食品素材として有用である。またそのカルシウム塩,マグネシウム塩,鉄塩はそれら金属イオンの吸収改善剤として有用である。従って、ビスケット等の菓子類、清涼飲料水等に添加し、骨粗しょう症予防の飲食品を得るのに用いることができる。
【0017】
また、パラチノースを反応させて得られる β−D−フラクトシル−(6→1)−α−D−グルクロン酸,α−D−グルクロニル−(6→1)−α−D−フラクチュロン酸は、難消化性,低カロリー性の抗う触剤として用いられる。従って、チューイングガム等の菓子類をはじめとする各種食品に通常の甘味料、調味料と同様にして用いることができる。さらに、D−トレハロースを反応させて得られる α−D−グルクロニル−(1→1)−α−D−グルクロン酸は、難消化性保湿剤,抗体製剤の安定化剤として有用である。またD−グルコサミンを反応して得られる β−アミノ−2−デオキシ−D−グルクロン酸は保湿性のすぐれた化粧品の基材として有用である。
一方、イノシンなどのヌクレオシドを反応して得られる核酸誘導体のうち、特に、5′−カルボキシ−イノシン,5′−カルボキシ−アデノシンは、すぐれた呈味性を有し、かつ、酵素的に安定な呈味剤として有用であり、食品・調味料の成分として、とりわけ保存食品の調味に利用できる。
また2,7−アンヒドロ−β−D−アルトロ−ヘプチューロースを反応させて得られる 1−カルボキシ−2,7−アンヒドロ−β−D−アルトロ−ヘプチュロースは、弱い甘味を有する鉄、カルシウム,マグネシウムの溶解補助剤としてビスケット等の菓子類、清涼飲料水等に用いることができる。ストレプトゾトシンの糖カルボン酸は、酵素に対して安定な抗菌剤,抗ガン剤として用いられる。又その抗菌作用を利用して、そのまま又は水等溶媒で希釈して病室や、手足の消毒・殺菌に用いることができる。モグロシドの糖カルボン酸誘導体は高甘味剤として有用であり、清涼飲料水、菓子等に利用できる。
【0018】
マルトデキストリンを酸化して得られる糖カルボン酸は、難消化性、低カロリー食品素材として、菓子、ケーキ、冷菓等に常法により添加、配合して用いられる。
また、デキストランのヒドロキシメチル基をカルボキシル基に酸化して得られるデキストラニルグルクロン酸は、それ自体デキストランと同様なあるいはより安定でより機能的医薬品添加剤として有用であるばかりでなく、水酸化第2鉄ゾルの安定化剤として、優れた特性を発揮する。又、デキストラニルグルコン酸の有するヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化されるかあるいはデキストラニルグルクロン酸の有するヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子がカルボキシル基に酸化されたグルクロニルデキストラニルグルコン酸またはその塩は医薬用製剤素材として有用であり、又食品の粘性保持剤等として、デキストランと同様な使い方で使用できる。又、デキストラニルグルクロン酸及びグルクロニルデキストラニルグルコン酸又はこれらの塩と金属塩との複合体を作る金属塩としては例えば、第1価、第2価又は第3価の金属の塩が含まれ、例えば、カルシウム,マグネシウム,鉄,ナトリウム,リチウム,カリウム等の金属との塩が挙げられる。特に水酸化第二鉄等の鉄化合物との複合体は鉄の補給剤として動物の鉄欠乏性貧血に対し、抗貧血剤としてデキストランと鉄との複合剤と同様な方法で用いることができる。
またバリダマイシンAは前記式(III)で表わされる化合物でイネ紋枯病などに対する殺菌活性を有する化合物で本菌体反応による酸化体も、菌のグルコシダーゼに対して抵抗性を有し、作用持続型バリダマイシン誘導体が期待され、改善された持続性を有する農業用殺菌剤として有用である。アスコルビン酸誘導体の糖カルボン酸誘導体も酵素分解に対し安定性が改善されるので、酵素に対して安定な酸化防止剤として用いられる。酸化防止剤としては、アスコルビン酸と同様な方法で鉄食品等に添加、配合して用いることができる。
このように、種々の糖のヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基を有する炭素原子を酸化して得られる本発明の糖カルボン酸は、それぞれ原料の糖が有しない特性が付与され従来になかった有用性を有する。
【0019】
本発明で得られるヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸誘導体は、一般に、基質であるヒドロキシメチル体と比較し、酵素的に安定でかつ、水に対する溶解性が向上し、かつ、所望により、金属塩にすることができ、食品用途などでは、難消化,カロリーになりにくい、などのダィエット食の素材、金属の吸収改善効果などが期待される。また、ステビオール配糖体(ステビオシド,レバウオシド,ルブソシド等)のカルボン酸は、驚くべきことに、ステビオシドやルブソシドが示す、にがみや後味の悪さがなくなり、清涼感のある甘味質で、砂糖の100〜250倍の甘味を示し、実質的なカロリーのない、甘味剤として有用である。
また本発明のヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化されたシクロデキストリン誘導体のカルボン酸は、易溶解性,低毒性,崩壊性,分解性などの点ですぐれた特長を有するので、油溶性薬物,脂肪酸,塩基性薬物等の包摂化が可能である。このような包摂化によって活性成分の可溶化、安定化,味の改善が達成できるので矯味、矯臭剤として用いられる。また酵素分解性の特性を利用した製剤基剤としても有用である。より具体的には、例えば錠剤,カプセル剤,丸剤,散剤,顆粒剤,軟膏剤,注射剤,シロップ剤,懸濁剤,点鼻剤などの製剤用のより機能的な基剤としての利用が挙げられる。
このように本発明は、巾広い糖類のヒドロキシメチル基のカルボキシル基への酸化反応を可能にし、種々の新規糖カルボン酸を提供するものである。
又、本発明で得られるヘミアセタール水酸基がカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸は基質であるヘミアセタール水酸基をもつ糖類と比較し、酵素的に安定で、かつ水に対する溶解性が向上し、かつ、所望により、金属塩にすることができ、食品用途では難消化、カロリーになりにくいなどのダイエット食の素材、金属の吸収改善効果などが期待される。また医薬品製剤用途では、活性成分の安定化、酵素分解性の特性を利用した腸溶剤などとして有用である。
【0020】
【発明の効果】
本発明は巾広い糖類からヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子がカルボキシル基に特異的に酸化された糖カルボン酸が、高選択的に高収率で製造できる。得られたカルボン酸は、酵素に対する安定性がすぐれ、水に対する溶解性が向上する等のすぐれた特性を有する。
【0021】
【実施例】
次に、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 β−D−フラクトシル−(2→1)−α−D−グルクロン酸ナトリウム塩の製造
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス(Pseudogluconobacter saccharoketogenes)TH14−86菌液の調製;
シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス(Pseudogluconobacter saccharoketogenes)TH14−86株スラントを20mlの下記培地に対して1白金耳加え、これを200mlのスムースフラスコで30℃,1日間,回転振盪機を用いて、撹拌下培養する。ついで、20mlの培地当り前記培養液1mlをとり、これを30℃,2日間,振盪培養を行い、種培養とした。一方、Bacillus megaterium IFO 12108株のスラントを20mlの培地(下記)当り、1白耳,200mlのスムースフラスコに加え、30℃,2日間振盪培養を行う。
次に、以下の本培養を行った。上記TH14−86株の種培養(Seed 培地)100mlおよび、Bacillus megaterium のSeed 培地1.5mlを900mlの下記本培養培地に加えついで、30℃,約20時間振盪培養し、Pseudogluconobacter saccharoketogenes TH14−86の菌液とした。
菌体反応;
バイオット社製5リットル ジャーファーメンターに、シュークロース30gを滅菌水200mlにとかした溶液を加え、これに前記のように調製した菌液1リットルを加え、ついで滅菌水800mlを加え、全量を2リットルとした。32℃,800回転(rpm)で撹拌しながら、空気を1リットル/分で通気し、10%NaOH溶液でpH=6.3になるように、反応の進行にともない、自動的に滴加した。2時間で、モノカルボン酸に変換した。
【0022】
分離,精製;
上記反応液2リットルを8000回転で冷却遠心器で分離し、菌体を除き、上澄液を活性炭(特製しらさぎクロマト炭,400g)カラムクロマトに付し、水で洗浄(1.2リットル)後、さらに水3リットルで溶出し、目的物の画分を集め、減圧濃縮し、β−D−フラクトシル−(2→1)−α−D−グルクロン酸ナトリウム塩19.70gの白色粉末を得た。
Na−塩;in DO(90MHz)δppm 61.39, 62.84, 71.48, 72.42, 73.09, 73.65, 74.65, 76.88, 82.01, 92.70, 104.18, 176.49.β−D−フラクトシル−(2→1)−α−D−グルクロン酸のマグネシウム塩の製造
β−D−フラクトシル−(2→1)−α−D−グルクロン酸のナトリウム塩1.89gを水10mlにとかし、ついで、1R−120(H型)column(50ml)に通導し、通過液に酸化マグネシウム0.103gを加え、10分間撹拌した。ついでミリポアフィルター(Type GS 0.22μm)で濾過し、濾液を濃縮し、得られた粘稠なシロップをエタノール・アセトンで白色粉末のβ−D−フラクトシル−(2→1)−α−D−グルクロン酸のマグネシウム塩1.45gを得た。
元素分析 C243824Mg・6H
計算値 C,34.20; H,5.98
実測値 C,34.33; H,5.82
【0023】
培地組成
〔TH14−86株用〕
Seed 培地(1回目、2回目共通)
ラクトース 1%
酵母エキス(プロディベル) 1
(NHSO 0.3
コーン・スティープ・リカー 3
CaCO(スーパー) 2
CaCO 投入前
pH=7.0
バチリス メガトリウム株用
〔Seed 培地〕
シュークロース 4%
プロフロ[N源,トレイダス・プロテイン(T&P)社] 4
HPO 0.65
KHPO 0.55
NaCl 0.05
(NHSO 0.05
MgSO・7HO 0.005
パントテン酸カルシウム 0.025
滅菌前 pH=7.0
〔Main 培地〕
シュークロース 0.05% 別滅菌
コーン・スティープ・リカー 2 別滅菌
(NHSO 0.3 別滅菌
FeSO・7HO 0.1 別滅菌
V. B 1mg/L
滅菌前 pH=7.0
ソルボース 10% 別滅菌
LaCl 0.01% 別滅菌
CaCO(スーパー) 4% 別滅菌
【0024】
実施例2 α−D−グルクロニル−(1→2)−β−D−6−フラクチュロン酸の製造
実施例1と同様な方法でα−D−グルクロニル−(1→2)−β−D−フラクチュロン酸のナトリウム塩,マグネシウム塩,カルシウム塩を得た。
ナトリウム塩;白色粉末
13C−NMR(DO)ppm:61.98, 71.96, 73.02, 73.35;73.69, 76.37, 77. 03, 79.82, 93.97, 105.80, 175.03, 175.70.
マグネシウム塩;白色粉末
元素分析 C121613Mg・5H
計算値 C,29.86; H,5.43
実測値 C,29.76; H,5.51
カルシウム塩;白色粉末
元素分析 C121613Ca・3H
計算値 C,31.17; H,4.80
実測値 C,31.26; H,4.99
【0025】
実施例3
実施例1に記載したシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス(Pseudogluconobacter saccharoketogenes)菌液1リットルにパラチノース30g,滅菌水1リットルを加え、32℃,800回転で、空気を1.6リットル/分で通気しながら、1時間反応させ、ついでこの反応液を8000回転で冷却遠心器で分離し、菌体を除き、上澄液を活性炭(特製しらさぎクロマト炭 400g)カラムクロマトに付し、水で洗浄(2リットル)ついで、10%メタノール水溶液(4リットル)で溶出、さらに50%メタノール水溶液(4リットル)で溶出される画分を集め、濃縮し、凍結乾燥し、β−D−フラクトシル−(6→1)−α−D−グルクロン酸のナトリウム塩35.8gを得た。
このナトリウム塩をIR120(H型)カラムに通導し、通過液を濃縮してβ−D−フラクトシル−(6→1)−α−D−グルクロン酸を得た。
13C−NMR(DO)ppm:63.35, 68.60, 71.78, 72.52, 72.77, 73.45, 75.14,75.99, 79.53, 98.81, 102.21, 176.93.
元素分析 C122012・4.5H
計算値 C,32.96; H,6.68
実測値 C,33.17; H,5.84
【0026】
実施例4
実施例3と同様な方法で、以下の出発原料〔( )内に記載〕を用いて、対応する糖カルボン酸を得た。
【0027】
【表2】
Figure 0003556690
【0028】
【表3】
Figure 0003556690
【0029】
【表4】
Figure 0003556690
【0030】
【表5】
Figure 0003556690
【0031】
【表6】
Figure 0003556690
【0032】
実施例5
実施例1に記載したシュードグルコノバクター サッカロケトゲネス(Pseudogluconobacter saccharoketogenes)菌液1リットルに、ステビア抽出物(ステビオシドを主成分とするステビオール配糖体)30gをバイオット社製5リットルのジャーファーメンターに入れ、ついで滅菌水1リットルを加えて反応液とした。これを32℃,800回転で撹拌しながら、空気を1.6リットル/分で通気し、10% NaOH溶液でpH=6.3になるように、反応の進行にともない、自動的に滴加した。1.5時間で、基質の消失が認められたので、反応を止め、ついで、反応液2リットルを8000回転で冷却遠心器で分離し、菌体を除き、上澄液をHP−20(芳香族系合成吸着剤、三菱化成)カラム(1. 8リットル)に通導し、HO(8リットル)で洗浄後、50%EtOH(5リットル)で溶出される画分より、グルクロン酸型ステビオール配糖体混合物が得られた。濃縮後、凍結乾燥により、白色粉末19.28gを得た。本品は強い甘味とさわやかな味質が認められた。
【0033】
本品を下記条件でHPLCに付した。
Figure 0003556690
本品の13C−NMR(DO)ppm:177.87(ester), 171.84(COO)に、カルボニル炭素のシグナルが認められ、カルボキシ基に基づく、炭素の新生を認めた。HPLCの知見から、本品は、ステビオシドのC19位に結合するグルコースと、C13位に結合するグルコースがグルクロン酸型に変換した化合物を主成分とすることが判った。
【0034】
実施例6
実施例5と同様の方法で、ステビア抽出物(ステビオシドを主成分とするステビオール配糖体)30gに、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌液1リットル、32℃,800回転、空気を1.6リットル/分で通気する条件で、酸化反応させ、5%NaOH溶液59ml(約2当量の酸化に相当)を滴下によって加えたところで、反応を停止した。所要酸化反応時間は21時間であった。反応終了後、反応液を遠心濾過し、菌体を除去したあと、上清液(1850ml)を精製(実施例5と同様の方法)し、白色粉末のグルクロン酸型ステビオール配糖体混合物のNa 塩13.0gを得た。本品は強い甘味とさわやかな味質が認められた。
HPLC;カラム ODP,温度35℃
移動層;CHCN:HO=3:7の溶液にトリフロロ酢酸を0.1%添加
流速;1ml/分
HPCLパターン(RI検出)を〔図2〕に示した。
【0035】
実施例7
実施例5と同様の方法で、ステビオシド30gを基質として、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌による酸化を行った。5%水酸化ナトリウム30mlを消費し、その反応時間は90分であった。反応液を、精製し白色粉末20gを得た。本品は高甘味かつ、清涼感のある甘味を呈した。
本品のHPCLパターン(RI検出)を〔図3〕に示した。この白色粉末400mgを逆相系カラムODP−50カラム(φ21.5×300mm 旭化成)と0.1%トリフロロ酢酸を含む水/アセトニトリル(72:28)の溶離液系を用い、主要成分を分取し、ついで凍結乾燥により白色粉末124mgを得た。本品はメタノール:水=9:1の混合溶媒から再結晶し、無色針状晶が得られた。
融点 226−230℃(分解).
IR(KBr)cm−:3500〜3250,1715,1605,1080−1010,890.
【表7】
Figure 0003556690
元素分析 C385719Na・1.5H
計算値 C,52.59; H,6.97
実測値 C,52.56; H,7.15
以上から、本反応で得られた主要酸化生成物は前記式(II)においてR=−β−Glc−2−β−Glc,R=−β−Glc UAの化合物のナトリウム塩つまり下記式(IV)で表わされる 13−O−β−ソホロシル,19−O−β−D−グルクロニルステビオール ナトリウム塩であると結論した。
【化9】
Figure 0003556690
【0036】
実施例8
実施例5と同様の方法で,ステビオシド30gを基質としてシュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌による酸化を行った。80分間で、5%水酸化ナトリウム溶液を67ml消費した、反応液を精製し白色粉末32gを得た。本品は高甘味でかつ清涼感のある甘味を呈した。本品のHPCLパターン(RI検出)を〔図4〕に示した。この白色粉末1gから、逆相系カラムODP−50(φ21.5×300mm 旭化成)と2%酢酸/アセトニトリルのグラディエント系を用いたHPCLの手法を用いて、主要酸化生成物を0.22gを分取した。本品の二次イオン質量分析(secondary ion mass spectrometry. SI−MS)でm/z869(M+2H0・H)のピークが観察できた。
13C−NMR(d−ピリジン)ppm:15.12, 18.95, 20.21, 21.69, 27.78, 37.91, 37.96, 39.33, 39.41, 40.35, 42.12, 43.58, 43.91, 47.23, 53.55, 56.86, 62.57, 70.07, 71.54, 72.49, 72.75, 75.75, 76.16, 76.79, 76.83, 77.51, 77.72, 77.78, 86.00, 86.97, 95.07, 97.60, 103.89, 103.94, 153.50, 171.26, 171.89, 176.23.
以上の知見から本品は前記式(II)において、R=−β−Glc−2−β−Glc UA,R=−β−Glc UAの化合物のナトリウム塩つまり下記式(V)で表される13−O−β−D−グルクロニル−β−D−グルコシル,19−O−β−D−グルクロニルステビオール 2ナトリウム塩と結論した。
【化10】
Figure 0003556690
【0037】
実施例9
実施例5の方法に従って、ステビオシド30gをバイオット社製5リットルのジャーファーメンターに入れ、ついで滅菌水1.6リットルを加えて反応液とした。これを32℃,800回転で撹拌しながら、空気を1リットル/分で通気し、炭酸カルシウム20gを加え、4時間反応させた。ついで、反応液2リットルを8000回転で冷却遠心器で分離し、菌体を除き、上澄液をHP−20(芳香族系合成吸着剤、三菱化成)カラム(1.8リットル)に通導し、HO(8リットル)で洗浄後、50%エタノール(5リットル)で溶出される画分より、ウロン酸型ステビオシドのカルシウム塩が得られた。濃縮後、凍結乾燥により、白色粉末12.98gを得た。これをメタノールから再結晶し無色粉末状晶を得た。本品は弱い甘味が認められた。
本品の13C−NMR(d−ピリジン)ppm;15.93, 19.74, 20.92, 21.00, 28.58, 38.66, 38.71, 40.06, 41.04, 41.86, 42.00, 42.91, 44.33, 48.19, 54.50, 57.63, 73.11, 73.30, 73.45, 73.97, 74.08, 76.53, 77.72, 77.86, 77.89,78.34, 78.39, 84.79, 86.79, 95.84, 98.21, 105.46, 107.02, 153.70, 171.93, 172.18, 172.95, 176.78.
以上の知見から、本品は前記式(II)において、R=−β−Glc UA−2−β−Glc UA,R=−β−Glc UAの化合物のカルシウム塩つまり下記式(VI)で表される13−O−β−D−グルクロニル−β−D−グルクロニル−19−O−β−D−グルクロニルステビオール カルシウム塩と結論した。
【化11】
Figure 0003556690
【0038】
実施例10
実施例5と同様の方法で、レバウディオシドーA10gを基質として、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌体15.8g、滅菌水2000mlを加え32℃,800回転、空気1.6リットル/分の条件で撹拌しながら行い、反応は2%NaOH溶液を加え、pH6.3にコントロールした。2%NaOH23mlを消費したところで反応を停止し、遠心分離を行い上清を分離した。反応時間は135分を要した。上清液を実施例5と同様な精製法により、処理し、白色粉末10.16gを得た。
本品のHPLCパターン(RI検出)を〔図5〕に示した。
IR(KBr)cm−1:3340, 1720, 1610, 1410, 1070 また本品は高甘味で、清涼感のあるすぐれた甘味質である。
【0039】
実施例11
実施例1に記載したシュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌液1リットルにステビオシド30gをバイオット社5リットルのジャーファーメンターに入れ、ついで滅菌水1リットルを加え、さらに、アンバーライト IRA−68(以下単にIRA−68と略す)200ミリリットルを加えて反応液とした。これを32℃,800回転で撹拌しながら、空気1.6リットル/分で通気した。2時間で、上澄液にステビオシドが認められなくなったので、反応を停止し、遠心分離により、上清とIRA−68とを分け、IRA−68は、カラム(φ4×24cm)につめ、ついで、2N−食塩水2リットルで溶出し、溶出画分をHP−20のカラム(0.5リットル)に通導した。水1リットルで洗浄後、50%メタノール0.8リットルで溶出し、濃縮乾涸し、白色粉末9.20gを得た。
本品をメタノール:水=9:1の混合溶媒から再結晶し無色針状晶を得た。
mp.226−230℃(分解)
本品は実施例7に示した、13−O−β−ソホロシル−19−O−β−グルクロニルステビオール ナトリウム塩(IV)と認定した。
【0040】
実施例12
実施例11に記載した方法に順じて、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌液1リットルにステビア抽出物(少なくとも6種のステビオール配糖体混合物)30gをバイオット社5リットルのジャーファーメンターに入れ、ついで滅菌水1リットルを加え、さらにIRA−68 200ミリリットルを加えて反応液とした。これを32℃,800回転で撹拌しながら、空気を1.6リットル/分で通気した。2時間で、上清液にステビオシドが認められなくなったので反応を停止し、遠心分離により、上清とIRA−68とを分け、IRA−68はカラム(φ4×25cm)につめ、ついで2N−NaCl 1リットルで溶出し、溶出画分をHP−20カラム(0.5リットル)に通導した。水1リットルで洗浄後50%メタノール1リットルで溶出し濃縮乾涸し白色粉末8.9gを得た。
本品のHPLCパターン(RI検出)を〔図6〕に示す。
IR(KBr)cm−1:3500〜3200, 1720, 1705, 1610, 1400 を示した。
【0041】
実施例13
糖転移ステビア配糖体(SKスィート、山陽国策パルプ(株)製造)30gを実施例6と同様の方法で、酸化し、精製処理し、白色粉末28.3gを得た。本品の13C−NMR(DO)で、カルボニル炭素の領域に8本のシグナル(179.50,179.46, 179.40, 179.37, 179.32, 179.26, 177.10, 177.07 ppm)が観察されたことから、少なくとも糖の1級酸基の1つ以上がカルボン酸に変換したことが認められた。本品は、清涼感のあるさわやかな甘味を呈した。
【0042】
実施例14
羅漢果の果実に含まれる高甘味配糖体モグロシドV、200mgを実施例11に記載した方法に順じて、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌10ml分(0.32g)を水3mlに懸濁して加え、ついでIRA−68 5mlを加えた。この混合液を、30℃,229回転で5時間半撹拌した。反応液を静置して、上清を除いたあと、IRA−68をカラムにつめ、水洗(50ml)後、0.01N HClで溶出、溶出画分を集め、凍結乾燥し、白色粉末(32mg)を得た。本品はIR(KBr)cm−1:3300, 1600, 1410, 1060−1000 であることから、糖鎖がグルクロン酸型に変換されたものと確認した。本品は砂糖のような甘味を呈した。
【0043】
実施例15
ルブソシド1.0gを滅菌水60mlにとかし、これに、IRA−68 13mlを加え、ついで、実施例1に記載したシュードグルコノバクター サッカロケトゲネス(Psuedoglconobacter saccharoketogenes)菌液30mlを加え、32℃,600回転/分で撹拌しながら、空気を60リットル/分で通気し、240分間撹拌しながら反応させた。反応液から、IRA−68をとり出し、カラムに充填し、水15mlで水洗したあと、2N−NaCl溶液をSV0.5で200mlを用いて溶出し、溶出液をHP−20カラム(20ml)に吸着し、水150mlで洗った後、50%MeOH溶液(100ml)で、SV0.5で溶出、溶出液を濃縮乾固し、析出物をメタノールから再結晶し、無色粒状晶0.48gを得た。
m.p. 184−188℃(分解)
元素分析 C324714Na・5H
理論値 C,49.99; H,7.47
実測値 C,50.05; H,7.54
【表8】
Figure 0003556690
以上のデータから、その構造を(VII)と表わされると結論した。
【化12】
Figure 0003556690
また本品(VII)は、にがみのない、砂糖のような良好な高甘味物質であった。
【0044】
実施例16
塩酸フルスルチアミン 10mg
ビタミンB 2mg
タウリン 1000mg
安息香酸 30mg
パラオキシ安息香酸ブチル 2.5mg
グルクロン酸型ステビオシドナトリウム塩(IV) 50mg
クエン酸 100mg
グリシン 500mg
上記組成に従い、下記方法によりドリンク剤を得た。すなわち約70℃に加温した水約30mlにパラオキシ安息香酸ブチル、安息香酸を溶解し、約25℃まで冷却後、塩酸フルスルチアミン,ビタミンB,タウリン,甘味料としてのグルクロン酸型ステビオシド,クエン酸,グリシンを溶解し、1N−かせいソーダを添加し、pHを3.5としたのち、水を加えて全量50mlとする。
【0045】
実施例17
沈降炭酸カルシウム30g,炭酸マグネシウム5g,乳糖58.5g,ヒドロキシプロピルセルロース6gを均一に混合し、水300mlを加え、上記の混合物を造粒する。得られた顆粒を乾燥した後粉砕する。得られた粉末と矯味剤としてのグルクロン酸型ステビオシド0.05g及びステアリン酸マグネシウム0.5gを添加して混合し、常法に従って打錠することによって、直径8.5mmで1錠200mgの錠剤を得た。
【0046】
実施例18
実施例1に記載したシュードグルコノバクター サッカロケトゲネス(Pseudogluconobacter saccharoketogenes)菌液1.5リットルにデキストラン−4(分子量:4000〜6000;エキストラシンテーゼ社(仏国)製)30gをバイオット社製5リットルのジャーファンメンターに入れ、ついで滅菌水1.7リットルを加え反応液とした。これを32℃,600回転/分で撹拌しながら、空気を1.6リットル/分で通気し、0.5%NaOH溶液でpH=6.3になるように反応の進行にともない自動的に滴加した。3時間で反応を止めついで、反応液12.0リットルを8000回転で冷却遠心器で分離し、菌体を除き、上澄液1.98リットルを得た。この上澄液をセルロースアセテートメンブランフィルター(φ0.2〜μm)で濾過し、再度除菌化した濾液を、アンバーライト IRA−68(OH型)カラム(50ml)に通導し、少量の水(100ml)で洗い、通過液2リットルを得た。この通過液をHP−20カラム(900ml)に通導した。ついで、水2リットルで溶離し、初めの通過液700mlはすて、ついで溶出される液3.3リットルを集め、これに濃塩酸13.8mlを加え、酸性とし、これを、セルロースアセテートメンブランフィルター(φ0.2μm)で濾過し、濾液をセファビーズ(商品名)SP205(三菱化成社製)1000mlに通導した。ついで、0.05M塩酸700ml,水2リットルで洗浄後、20%MeOH溶液2リットルで溶出し、目的物の画分を得た。これを減圧濃縮し、デキストラニル−グルクロン酸の白色粉末14gを得た。本品のHPLC(条件:アサヒパックGS320(φ7.6mm×50mm;旭化成社製)、移動相;水1ml/min,検出;RI(ウォータース410)及び200nm(東ソー UV−8020)サンプル0.5%水溶液20μl 注入)でRt=8.48に単一のピークを示した。(原料のデキストラン4のRt=10.83であった)
本品の構造確認のため、酵素消化処理実験を行った。本品の1.5%水溶液100μl にグルコアミラーゼ(和光純薬製)溶液(4mg/ml)100μl を加え、30℃,1昼夜インキュベーションを行い、この酵素処理液をHPLCで検討を行った。対象実験として、デキストラン−4も同様にグルコアミラーゼ処理を行った。その結果、本品はグルコアミラーゼ消化を受けないことが分った。一方デキストラン−4は、グルコアミラーゼ消化を受け、基質は消失し、グルコースが新生した。このことから、本品は、上記式(VIII)(但し、式中、n=15)で示されるデキストラニルグルクロン酸と確認した。
【0047】
実施例19
実施例1に準じて、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス(Pseudogluconobacter Saccharoketogenes)K591S菌株をバクトペプトン1%,イーストエキス1%からなるペプトンイースト培地(PY)培地を用いて、30℃、230回転の振とう下pH7.5で3日間培養を行った。ついで、メイン培養に移し、ペプトンイースト培地(PY培地)で、0.1%の塩化カルシウムを添加し、30℃、230rpm で振とうしながら、48時間培養した。ついで、培養液を10000回転で、10分間遠心分離し、集菌し、ついで水500mlで洗菌し、ブロース1リットル当り、7.59gの菌体を得た。ついで、デキストラン−4(分子量4000〜6000;エキストラシンテーゼ社(仏国)製)30gを水1リットルにとかし、ついで湿菌体56gを水1リットルに懸濁した液を加え、32℃、800rpm で撹拌しながら、空気を1分間60mlで通気し、0.1%NaOH溶液でpH6.3に制御しながら6.5時間反応させた。反応液を遠心分離し、上清2リットルを分取し、メンブランフィルターで濾過除菌し、HP−20カラム(900ml)に通導し、水2000mlで溶出した。通過液に最終濃度0.05Mになるように、濃塩酸を加え、酸性とし、メンブランフィルターで濾過したあと、濾液をSP−205カラム(100ml)に通導し、初め、0.05M HCl(1000ml)、ついで水(2000ml)で洗浄後、20%MeOH(2000ml)で溶出される画分を集め、濃縮後、凍結乾燥し、14gの白色粉末のデキストラニルグルコン酸を得た。本品のHPLC〔条件:アサヒパックGS320(φ7.6mm×50mm:旭化成社製)、移動相:水1ml/min,RI(ウォータース410)及び200nm(東ソーUV−8020)、サンプル0.5%%水溶液20μl 注入〕でRt=8.70に単一のピークを示した。本品を前記した条件でグルコアミラーゼ消化を行ったところ、容易に消化され、グルコースとグルコシルグルコン酸を検出することができた。従って、本化合物をデキストラニルグルコン酸と確認した。
【0048】
実施例20
実施例19と同様にして、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス(Pseudogluconobacter Saccharoketogenes)菌を培養しこの菌体(湿菌体)50gをデキストラニルグルクロン酸(実施例18で記載の方法で調製した)30gを水1リットルに溶解させた溶液に加え、32℃、800rpm で撹拌しながら、空気を1分間60mlで通気し、0.1%NaOH溶液でpH6.3に制御しながら、21時間反応させた。反応液を遠心分離し、上清2リットルを分取し、メンブランフィルターで濾過除菌し、HP−20カラム(900ml)に通導し、水1.5リットルで溶出し、目的画分を集め、濃縮後凍結乾燥し15gの上記式(IX)で表わされるグルクロニルデキストラニルグルコン酸のナトリウム塩の白色粉末12gを得た。
HPLC:Rt=9.12 1ピーク
HPLC条件;カラム:GS−320
移動相:HO,流速1ml/分
検 出:RI
13C−NMR(DO)δppm: 179.554, 178.119, 172.434 に観察され、その強度が1:0.5:0.5で、その帰属は、グルクロン酸部のカルボニル炭素を179.554 とし、他はグルコン酸部(1部ラクトン型を想定)のカルボニル炭素とした。
【0049】
実施例21
塩化第2鉄・6水和物の50%水溶液50mlを30℃に加温し、ついで24%NaCO溶液50mlを1分間0.4mlの速度でよく撹拌しながら滴加する。ついで、実施例18で得たデキストラニルグルクロン酸を用いた10%デキストラニルグルクロン酸溶液50mlを、3ml/分の速度で滴加し、16%NaCO溶液を0.4ml/分の速度で加え、pH4.3に調整した。次に、エタノール200mlを加え、強く撹拌しスラリー状にし、遠心分離(5000rpm)し、沈殿を集めついで、水40mlに溶かし、60mlのエタノールでよくかくはんし、遠心分離し可溶物を除き、沈殿物に水20mlを加え、よく分散させ、減圧下、エバポレーターでよくエタノールを除き、10%NaOH溶液で0.2ml/分で速度でよく撹拌しながら加え、pH5〜6に調整し、100℃,20分間加熱し、ついで、フェノールを4mg/mlになるように加え、デキストラニルグルクロン酸水酸化鉄ゾル溶液22mlを得た。本品の1mlの幼若ブタへの筋肉内投与により貧血症状を著しく改善する効果が認められた。デキストラニルグルコン酸水酸化鉄ゾルも同様な方法で製造することができ、また幼若ブタの貧血を著しく改善する効果が認められた。
【0050】
実施例22
デキストラニルグルコン酸の水酸化鉄ゾルの製造法 塩化第2鉄(FeCl・6HO)100gを100mlの水に溶解させ、この溶液をBranson B−220で超音波処理を1時間行い、充分溶解させる。ついで、水を加え、200mlとし、500mlのビーカーに溶液を移す。ついで24%炭酸ソーダ溶液200mlをよく撹拌しながら30℃,0.8ml/分の速度で添加し淡黄褐色の水酸化鉄ゾルを調製した。
このようにして調製した水酸化鉄ゾル100mlを分取し、300mlのビーカーに移し、30℃でよく撹拌しながら、10%デキストラニルグルコン酸溶液50mlを徐々に加える。ついで、16%NaCO溶液を、極めてゆっくり、0.1〜0.2ml/分の速度で加え、pHを4.3に調整した。ついで、エタノール200mlを撹拌しながら加え、生じた沈澱を遠心分離し、上清と分け、沈澱を水80mlを加え、よく懸濁させたあと、エタノール120mlを加え、再沈澱させ、沈澱物を遠心分離し、分取する。この操作をさらにもう一回繰り返して得た沈澱物を水20mlで懸濁、よく撹拌し10%NaOH溶液を0.1〜0.2ml/分の速度で加え、pHを6.0になるまで加えた。この溶液を120℃10分間、オートクレーブ処理し、防腐剤としてフェノール(1%含となるように)を加え、ついで、エバポレーターで濃縮し、デキストラニルグルコン酸の水酸化鉄ゾル溶液を調整した。本品は、安定した水酸化鉄ゾルを形成した。その性状を分析したところ、以下のとおりであった。
総鉄塩濃度:200mg/ml,粘度;32cP,電導度47mS/cmであった。
【0051】
実施例23
デキストラニルグルクロン酸の透析法による鉄塩化 塩化第2鉄・6水和物の50%水溶液50mlを30℃に加温し、ついで24%NaCO溶液50mlを1分間0.30mlの速度でよく撹拌しながら滴加し、やや黒味がかった黄土色の水酸化鉄ゾル(pH1.54)を得た。この水酸化鉄ゾルを、透析膜(dialyses tube)に移し、超純水中で一夜透析した。透析後の水酸鉄ゾルは約170ml、pH4.47黒褐色を呈した。ついで、この透析処理した水酸鉄ゾルに、実施例18で得たデキストラニルグルクロン酸の10%水溶液50mlを加え、よく撹拌し、16%NaCO溶液でpH4.3に調整した。これを100℃、30分間オートクレーブ処理した後、10%NaOH溶液を加え、pH12に調整し、再度121℃、20分間オートクレーブ処理をし、完全溶解させ、黒褐色のデキストラニルグルクロン酸の水酸化第2鉄塩複合体が得られた。次いでこれを透析膜で一夜透析後濃縮しこれに、フェノールを4mg/mlになるように加え、デキストラニルグルクロン酸水酸化第2鉄塩複合体の注射剤22mlを得た。本品は安定したゾル溶液であり、その性状を分析したところ以下のとおりであった。
総鉄塩濃度:201mg/ml,粘度23.9cP,電導度3.7mS/cmであった。
本品の1mlの幼若ブタへの筋肉内投与により貧血症状を著しく改善する効果が認められた。デキストラニルグルクロン酸水酸化第2鉄塩複合体も同様な方法で製造することができ、また幼若ブタの貧血を著しく改善する効果が認められた。
【0052】
実施例24
実施例11と同様にして、シュードグルコノバクター サッカロケトゲネス菌液1リットルにレバウディオシド−A30gをバイオット社製5リットルのジャーファーメンターに入れ、ついで滅菌水1.5リットルを加え、さらにIRA−68 400mlを加えて、反応液とした。これを32℃、600回転で撹拌しながら、空気1.6リットル/分で通気した。1時間で、上澄液にレバウディオシド−Aが認められなくなったので、反応を停止し、遠心分離により上清とIRA−68とを分け、IRA−68はカラム(φ4×40cm)につめ、ついで2N−食塩水(8.1リットル)で溶出し、溶出画分をHP−20(1リットル)カラムに通導、吸着せしめ、水洗(8リットル)後、10%〜50%エタノールで溶出することにより、目的とするグルクロン酸型レバウディオシド−Aのナトリウム塩が得られた。濃縮後、凍結乾燥することにより、無色粉末19.6gを得た。これをMeOH−HOから再結晶することにより、無色針状晶10.6gを得た。m.p.220℃(分解)本品のHPLC(ODPカラム,アセトニトリル:水=30:70)はRt=9.70に1本のピークを与えた。本品の13C−NMR(DO)ppm:18.06, 21.52, 22.91, 24.19, 30.89, 39.51, 40.15, 42.02, 43.01, 43.73, 44.58, 46.69, 46.79, 49.89, 56.17, 59.64, 63.51, 63.71, 64.37, 71.36, 72.43, 73.14, 74.40, 74.67, 76.29, 76.99, 78.12, 78.70, 78.72,78.81, 78.93, 79.27, 79.38, 81.49, 87.99, 90.31, 96.64, 98.70, 104.87, 105.06, 107.32, 155.99, 177.79, 181.64
以上の知見から、本品は、前記式(II)において、
【化13】
Figure 0003556690
の化合物のナトリウム塩つまり下記式(X)で表わされると結論した。
【化14】
Figure 0003556690
【0053】
試験例
実施例4で得た6−O−α−D−グルクロニル(1→4)−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリンNa 塩(1)の各種酵素に対する安定性試験を下記方法により行った。比較対照として、6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンを用いた。
試験方法
10mMの供試シクロデキストリン水溶液に、下記酵素の所定量をそれぞれ加えた後、37℃の温浴中で静置する。500μl ずつサンプルを分取し、100℃で15分間加熱することにより酵素を失活させた後、遠心分離(15,000r.p.m. 5分)する。さらにミリポアUSY−1(分画分子量10,000)で濾過する。10倍に希釈して下記条件によりHPLC分析に付した。
HPLC 分析条件;
カラム;NH2P−50(Asahipak)
移動相;CHCN:HO=48:52にPIC試薬0.005Mを添加した。
流 速;0.8ml/分
検 出;RI
上記操作で得られた各試料のHPICから、120分までの時間ごとのシクロデキストリンの残存率を求めた。
【0054】
使用酵素と酵素濃度;
【表9】
Figure 0003556690
結果
6−O−α−D−グルクロニル(1→4)−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリンNa 塩(1)のおよび6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンの各酵素による残存率の経時変化を〔図11〕〜〔図14〕に示す。
(1)は、α−アミラーゼ,グルコアミラーゼ,プルラナーゼの酵素処理に対して、対照とした6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンに比し、安定であることが判明した。
一方プルラナーゼの酵素処理に対する検討では、対照とした6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンが約60%分解されるのに対して、(1)は、安定であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例5で得られたグルクロン酸型ステビオール配糖体混合物のHPLCパターン(RI検出)を示す。
【図2】は実施例6で得られたグルクロン酸型ステビオール配糖体混合物のHPLCパターン(RI検出)を示す。
【図3】は実施例7で得られたグルクロン酸型ステビオール配糖体ナトリウム塩のHPLCパターン(RI検出)を示す。
【図4】は実施例8で得られたグルクロン酸型ステビオール配糖体2ナトリウム塩のHPLCパターン(RI検出)を示す。
【図5】は実施例10で得られたレバウディオシド−Aの1当量酸化体のHPLCパターン(RI検出)を示す。
【図6】は実施例12で得られたグルクロン酸型ステビオール配糖体混合物のHPLCパターン(RI検出)を示す。
【図7】は実施例4で得られた6−O−(2−カルボキシエチル)−β−シクロデキストリンNa 塩と6,6−ジ−O−(2−カルボキシエチル)−β−シクロデキストリンの13C−NMR(270MHz,DO)δppm のチャートを示す。
【図8】は実施例4で得られた6−O−α−D−グルクロニル−(1→4)−α−D−グルコシル−α−シクロデキストリンの13C−NMR(270MHz,DO)δppm のチャートを示す。
【図9】は実施例4で得られた6−O−α−D−グルクロニル−β−シクロデキストリンの13C−NMR(270MHz,DO)δppm のチャートを示す。
【図10】は実施例4で得られた6−O−(2−カルボキシ2−ハイドロキシエチル)−β−シクロデキストリンNa 塩と6,6−ジ−O−(2−カルボキシ2−ハイドロキシエチル)−β−シクロデキストリンNa 塩の13C−NMR(270MHz,DO)δppm のチャートを示す。
【図11】は試験例で得られた6−O−α−D−グルクロニル(1→4)−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリンNa塩及び対照の6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンのα−アミラーゼに対する安定性試験の結果を示し、両化合物をα−アミラーゼ処理した場合の残存率の経時変化を示す。
【図12】は試験例で得られた6−O−α−D−グルクロニル(1→4)−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリンNa塩及び対照の6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンのグルコアミラーゼに対する安定性試験の結果を示し、両化合物をグルコアミラーゼ処理した場合の残存率の経時変化を示す。
【図13】は試験例で得られた6−O−α−D−グルクロニル(1→4)−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリンNa塩及び対照の6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンのプルラナーゼに対する安定性試験の結果を示し、両化合物をプルラナーゼ処理した場合の残存率の経時変化を示す。
【図14】は試験例で得られた6−O−α−D−グルクロニル(1→4)−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリンNa塩及び対照の6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリンのβ−グルクロニダーゼに対する安定性試験の結果を示し、両化合物をβ−グルクロニダーゼ処理した場合の残存率の経時変化を示す。
【符号の説明】
〔図11〕〜〔図14〕において、●は6−O−α−マルトシル−シクロデキストリンを、▲は6−O−α−D−グルクロニル(1→4)−α−D−シクロデキストリンNa塩を示す。

Claims (23)

  1. ヒドロキシメチル基及び/又はヘミアセタール水酸基を有するD−グルコサミン、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−キトビオース、トリ−N−アセチル−キトトリオース、グルコシール−L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、イノシン、アデノシン、ウリジン、グアノシン、シチジン、チミジン、2−デオキシイノシン、2−デオキシアデノシン、2−デオキシウリジン、2−デオキシグアノシン、2−デオキシシチジン、2−デオキシチミジン、ストレプトゾトシン、シュークロース、ラクトース、パラチノース、ラフィノース、ラクトシュークロース、グルコシルシュークロース、ガラクトシルシュークロース、キシロビオース、マルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトトリオース、パノース、マルチトール、バリダマイシンA、セロビオース、セロトリオース、セロヘキサオース、ステビオシド、レバウディオシド−A、レバウディオシド−C、レバウディオシド−D、レバウディオシド−E、ズルコシド−A、ルブソシド、モグロシド、シクロデキストリン、可溶性デンプン、デキストリン、デキストラン、β - 1,3−グルカン、セルロース、キチン、アミロース、アミロペクチン、イソマルトース、マルトース、デキストラニルグルクロン酸、6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリン、6−O−(3−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン、6,6−ジ−O−(3−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン、6−O−α−マルトシル−α−シクロデキストリン、6−O−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリン、6−O−マルトシル−α−シクロデキストリン、6−O−(2,3−ジ−ハイドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン又は6,6−ジ−O−(2,3−ジ−ハイドロキシプロピル)−β−シクロデキストリンに、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株(FERM BP−1130,IFO 14464)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−5株(FERM BP−1129,IFO 14465)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスTH 14−86株(FERM BP−1128,IFO 14466)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−15株(FERM BP−1132,IFO 14482)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−4株(FERM BP−1131,IFO 14483)及びシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス22−3株(FERM BP−1133,IFO 11484)から選ばれる微生物あるいはその微生物の培養液又はその微生物が産生する酵素を作用させ、対応するカルボン酸を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする糖カルボン酸又はその塩の製造法。
  2. ヒドロキシメチル基を有するD−グルコサミン、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−キトビオース、トリ−N−アセチル−キトトリオース、グルコシール−L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、イノシン、アデノシン、ウリジン、グアノシン、シチジン、チミジン、2−デオキシイノシン、2−デオキシアデノシン、2−デオキシウリジン、2−デオキシグアノシン、2−デオキシシチジン、2−デオキシチミジン、ストレプトゾトシン、シュークロース、ラクトース、パラチノース、ラフィノース、ラクトシュークロース、グルコシルシュークロース、ガラクトシルシュークロース、キシロビオース、マルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトトリオース、パノース、マルチトール、バリダマイシンA、セロビオース、セロトリオース、セロヘキサオース、ステビオシド、レバウディオシド−A、レバウディオシド−C、レバウディオシド−D、レバウディオシド−E、ズルコシド−A、ルブソシド、モグロシド、シクロデキストリン、可溶性デンプン、デキストリン、デキストラン、β - 1,3−グルカン、6−O−α−マルトシル−β−シクロデキストリン、6−O−(3−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン、6,6−ジ−O−(3−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン、6−O−α−マルトシル−α−シクロデキストリン、6−O−α−D−グルコシル−β−シクロデキストリン、6−O−マルトシル−α−シクロデキストリン、6−O−(2,3−ジ−ハイドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン又は6,6−ジ−O−(2,3−ジ−ハイドロキシプロピル)−β−シクロデキストリンに、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株(FERM BP−1130,I FO 14464)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−5株(FERM BP−1129,IFO 14465)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスTH 14−86株(FERM BP−1128,IFO 14466)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−15株(FERM BP−1132,IFO 14482)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−4株(FERM BP−1131,IFO 14483)及びシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス22−3株(FERM BP−1133,IFO 11484)から選ばれる微生物あるいはその微生物の培養液又はその微生物が産生する酵素を作用させ、対応するカルボン酸を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする糖カルボン酸又はその塩の製造法。
  3. シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株(FERM BP−1130,IFO 14464)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−5株(FERM BP−1129,IFO 14465)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスTH 14−86株(FERM BP−1128,IFO 14466)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−15株(FERM BP−1132,IFO 14482)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−4株(FERM BP−1131,IFO 14483)及びシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス22−3株(FERM BP−1133,IFO 11484)から選ばれる微生物を作用させる請求項1又は2記載の製造法。
  4. マルトシル−β−シクロデキストリンの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  5. 2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸の有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  6. ストレプトゾトシンの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  7. ヘプチュロースのヒドロキシメチル基がカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  8. 式(I)
    Figure 0003556690
    で表わされるマルトデキストリンの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  9. 式(II)
    Figure 0003556690
    で表わされるステビオール配糖体の有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  10. ステビオール配糖体が式(II)においてR=−β−Glc−2−β−Glc,R=−β−Glcであるステビオシドである請求項に記載の糖カルボン酸又はその塩。
  11. ステビオール配糖体が式(II)において
    Figure 0003556690
    であるレバウディオシド−Aである請求項に記載の糖カルボン酸又はその塩。
  12. バリダマイシンAの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  13. モグロシドの有するヒドロキシメチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  14. デキストランの有するヒドロキシメチル基の少くとも1つがカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  15. 請求項14記載の糖カルボン酸又はその塩と、鉄塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる金属塩との複合体。
  16. ヘミアセタール水酸基を有するデキストラン、セルロース、キチン、アミロース、アミロペクチン、マルトトリオース、パノース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、マルトース又はデキストラニルグルクロン酸に、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株(FERM BP−1130,IFO 14464)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−5株(FERM BP−1129,IFO 14465)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスTH 14−86株(FERM BP−1128,IFO 14466)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−15株(FERM BP−1132,IFO 14482)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−4株(FERM BP−1131,IFO 14483)及びシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス22−3株(FERM BP−1133,IFO 11484)から選ばれる微生物あるいはその微生物の培養液又はその微生物が産生する酵素を作用させ、対応するカルボン酸を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする糖カルボン酸又はその塩の製造法。
  17. シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株 (FERM BP−1130,IFO 14464)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−5株(FERM BP−1129,IFO 14465)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスTH 14−86株(FERM BP−1128,IFO 14466)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−15株(FERM BP−1132,IFO 14482)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−4株(FERM BP−1131,IFO 14483)及びシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス22−3株(FERM BP−1133,IFO 11484)から選ばれる微生物を作用させる請求項16記載の製造法。
  18. ヘミアセタール水酸基を有する多糖類がデキストランである請求項16記載の製造法。
  19. ヘミアセタール水酸基を有する多糖類の誘導体がデキストラニルグルクロン酸である請求項16記載の製造法。
  20. デキストラニルグルクロン酸の有する少なくとも1つのヘミアセタール水酸基をもつ炭素原子がカルボキシル基に酸化された糖カルボン酸又はその塩。
  21. 請求項20記載の糖カルボン酸又はその塩と、鉄塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる金属塩との複合体。
  22. デキストラニルグルクロン酸と水酸化第2鉄ゾルを反応させることを特徴とするデキストラニルグルクロン酸と水酸化第二鉄との複合体の製造法。
  23. ヒドロキシメチル基を有するシュークロースに、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株(FERM BP−1130,IFO 14464)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−5株(FERM BP−1129,IFO 14465)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスTH 14−86株(FERM BP−1128,IFO 14466)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−15株(FERM BP−1132,IFO 14482)、シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス12−4株(FERM BP−1131,IFO 14483)及びシュードグルコノバクター・サッカロケトゲネス22−3株(FERM BP−1133,IFO 11484)から選ばれる微生物あるいはその微生物の培養液又はその微生物が産生する酵素を作用させ、対応するカルボン酸を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする糖カルボン酸又はその塩の製造法。
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