JP3510188B2 - 水質浄化方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、磁場と濾材を併
用して、湖沼、池、プール、養魚用の水槽など、全ての
汚水の水質の浄化を図る方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】水質の浄化方法の一つとして、濾材によ
るものがある。この濾材に種々のものが用いられている
が、どのように優れた濾材でも、時間の経過とともに次
第に浄化能力を失うので、濾材の交換や濾材の洗浄が必
要となる。

【０００３】このため、処理を要する汚水の量が多いほ
ど、濾材の交換に費用がかかる。又、濾材や濾過槽、濾
過器を洗浄した場合には、洗浄水の処理装置が必要とな
る。そして要求される処理水量が多くなればなるほど、
大きな設備が必要となり、場所をとるうえ設備費、ラン
ニングコストが嵩むことになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、磁気処理された水が分子的に活性化する
こととに着眼し、磁気処理と濾材とを併用して浄化を効
果的に行うとともに、長期にわたって使用されている濾
材中には、浄化を助ける微生物が多数存在することを利
用して、水質浄化の効果をさらに高め、同時に濾材の洗
浄水の処理を省くことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の水質浄化方法
が特徴とするところは、原水を磁場を通過させて磁気処
理し、その磁気処理水を濾材で濾過して浄化水とし、こ
の浄化水を原水の水源へ放出するとともに、前記磁気処
理水は適時に前記濾材を逆流させて濾材を洗浄し、この
濾材洗浄水を原水の水源へ放出する点にある。

【０００６】

【発明の実施の形態】まず、この発明に係る水質浄化装
置を、図１により説明する。水質浄化の対象は、湖沼、
池、プール、養魚用の水槽などの汚れた原水Ｗである。

【０００７】１は取水管で、公知のフィルタ２を介して
ポンプＰに接続されている。フィルタ２は、原水Ｗ中の
視認できる程度のごみを除くものであるが、このフィル
タ２に替えて又はフィルタ２とともに、取水管１の先端
にストレーナを取付けてもよい。３は給水管で、磁気処
理器４、三方コック（又は三方弁）５を介して、ポンプ
Ｐと濾過槽６を接続する。

【０００８】図２及び図３は、この磁気処理器４の詳細
を示す。４１はケース、４２は永久磁石で、給水管３を
挟んで複数対が、異極を対向させてケース４１内に固定
されている。図３の例では、ある一対がＮ極とＳ極、そ
の隣の一対がＳ極とＮ極と交互に配設されているが、こ
の配列は任意である。例えば、給水管３を挟んで一方の
側にＮ極を、他方の側にＳ極を配設することもできる。

【０００９】しかし、磁気処理の効果を上げて、水の分
子的活性化を図るためには、給水管３に接続された内管
４３を通過する原水Ｗに当たる磁力線の方向が、複雑に
変化するのが好ましい。なお、４４は接続用フランジで
あるが、小型の磁気処理器では、フランジ４３を設けな
いで、適宜継手を用いて、磁気処理器と給水管３とを接
続する。

【００１０】濾過槽６は、内部に上フィルタ６１と下フ
ィルタ６２を内蔵し、両フィルタ６１、６２の間に濾材
６３が詰められている。給水管３は濾過槽６の上部に接
続される。図１で示す濾過槽６は縦型であるが、横型と
することもできる。

【００１１】濾材６３には、市販のものを使用できる
が、とくに、表面積が大きく、生物膜が付着しやすい形
状で、通水継続時間の長い軽量なプラスチック製のもの
が好適である。このような濾材は、砂濾過法に比べて濾
過速度が大きく、濾材の表面に付着した薄い生物膜が粒
径の細かいＳＳ（懸濁物質、浮遊物）まで捕捉でき、し
かも濾過精度がよい。７は浄化水放出管で、濾過槽６の
底部に接続されており、濾過槽６で濾過された浄化水を
原水Ｗの水源へ放出する。

【００１２】８は逆流管であって、三方コック５と濾過
槽６の底部とに接続される。又、９は洗浄水放出管で、
濾過槽６の上部に接続され、磁気処理水を逆流させて濾
材６３を洗浄し、この濾材洗浄水を原水Ｗの水源に放出
する。

【００１３】なお、１０ａは給水管３の濾過槽６への接
続部付近に、１０ｂは浄化水放出管７の濾過槽６への接
続部付近に設けられたコック（又は逆止弁）、又、１０
ｃは逆流管８の濾過槽６への接続部付近に、１０ｄは洗
浄水放出管９の濾過槽６への接続部付近に設けられたコ
ック（又は逆止弁）である。

【００１４】原水Ｗの水質浄化について説明する。コッ
ク１０ｃ、１０ｄを閉じ、コック１０ａ、１０ｂを開く
とともに、三方コック５を切り替えて給水管３を開く。
ポンプＰを作動させると、図１中で実線の矢印で示すよ
うに、原水は取水管１から給水管３を通り、磁気処理器
４により磁気処理される。さらに磁気処理された磁気処
理水は給水管３から濾過槽６へ送られる。そして、濾材
６３で濾過されたのち、浄化水として浄化水放出管７か
ら原水Ｗの水源へ放出される。

【００１５】次に、濾材６３の洗浄について説明する。
コック１０ａ、１０ｂを閉じ、コック１０ｃ、１０ｄを
開くとともに、三方コック５を切り替えて逆流管８を開
く。ポンプＰを作動させると、図１中鎖線の矢印で示す
ように、原水Ｗは、取水管１から給水管３を通って磁気
処理器４で磁気処理される。磁気処理水は給水管３から
濾過槽６へ入って濾材６３を逆流し、濾材洗浄水は洗浄
水放出管９から、原水Ｗの水源へ放出される。

【００１６】前述のように、磁気処理水は分子的に活性
化されているため、濾材６３による濾過に効果的であ
り、又、濾材洗浄水中には多数の水質浄化に有効な微生
物が存在するため、これを原水の水源に戻すことによ
り、水源の一層の浄化を図ることができる。

【００１７】磁気処理器４は、浄化水放出管７、洗浄水
放出管９の双方、或いは一方にも設けることもできる。
浄化水放出管７に設けた場合には、浄化水が分子的に活
性化されて、水源の水質浄化をさらに期待できる。洗浄
水放出管９に設けた場合も、濾材６３中に生息する、水
質浄化に有効な微生物の繁殖に効果がある。

【００１８】なお、水道水、井戸水など飲用に適した飲
み水や、集合住宅の配水槽などにこの装置を使用するこ
ともできる。この場合には、浄化水はそのまま使用する
が、濾材洗浄水は水源に戻さないで、別途処理する。

【００１９】

【発明の効果】磁気処理と濾材による浄化との相乗効果
を発揮できるので、水質浄化に極めて有効であり、水質
浄化装置に小型化できるとともに、ランニングコストが
低廉ですむ。

【００２０】濾材洗浄水を水源に戻すことによって、濾
材中の水質浄化に有効な微生物をそのまま利用できるう
え、これまで必要であった濾材洗浄水の処理の手間や費
用が不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】水質浄化装置の概念図である。

【図２】磁気処理器の長手方向断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

４ 磁気処理器 ６ 濾過槽 ６３ 濾材 Ｗ 原水

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原水を磁場を通過させて磁気処理し、そ
   の磁気処理水を濾材で濾過して浄化水とし、この浄化水
   を原水の水源へ放出するとともに、前記磁気処理水は適
   時に前記濾材を逆流させて濾材を洗浄し、この濾材洗浄
   水を原水の水源へ放出することを特徴とする水質浄化方
   法。
2. 【請求項２】 前記浄化水は、磁場を通過させて磁気処
   理する請求項１に記載された水質浄化方法。
3. 【請求項３】 前記濾材洗浄水は、磁場を通過させて磁
   気処理する請求項１に記載された水質浄化方法。