JP3507949B2 - 体育館等の室内のネット吊張り方法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】 本発明は、体育館、屋根付
き雨天練習場、屋根付き球場（通称、ドーム球場とい
う）等の大きな空間部を要する室内を、使用目的（例え
ば、テニス等のコートを複数面取りする場合、又は野球
の練習分け（内野外野の連係練習と打撃練習等に分ける
場合）等）に応じて区画分けしたり、又は球技における
防球用（観客席への球の飛び込み防止、又は隣り合うコ
ートでの球の飛び込み防止等）に設けるネットの吊張り
を行うのに使用する体育館等の室内のネット吊張り方法
とその装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】 体育館等の室内を、２面（、又は多
面）に分けて球技で同時に使用（試合、練習等）する場
合は、試合、練習等をスムーズ（コート間でボールの飛
び込み等がないように）に行うため、又は安全性のため
に、ネットを用いて体育館内をその使用コートの大きさ
毎に区切って使用する。この場合に、従来はネットを吊
張りするのに、床面に垂らしたワイヤーにネットを取り
付けた後、手巻きウインチでワイヤーを天井周縁の一方
より他方側へ緊張することによりネットを吊張りしてい
た。また、ネットを取り外す場合は、手巻きウインチで
緊張したワイヤーを弛ませた後、床面にワイヤーを垂ら
してネットを取り外する方法が使用されている。 【０００３】また、観客席部分の防球用としてネットを
吊張りする際も、同様にワイヤーにネットを取り付けた
後、手巻きウインチでワイヤーを天井周縁の一方より他
方側へ緊張することによりネットを吊張りしていた。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような手動による方法では、近年の大型化した体育館
や、屋根付き（ドーム）球場のような大空間部のある室
内の場合、ネットを吊張りするのに時間（数時間）がか
かり、又多大な労力を要するために、ネットを吊張りす
る準備が大変で、作業効率が悪く、特に、複数に分割し
てネットを吊張りする際は、さらなる準備に時間を要す
る等ネットの吊張りに関して大きな問題点があった。 【０００５】また、屋根付き（ドーム）球場のような場
合、天井部分がアーム状になっているために天井部分に
斜めにワイヤーを設けネットを吊張りしなければならな
いが、手動方法で斜めにネットを吊張りするとネットの
重量が一度に負荷されるために、手動方法ではこれに対
応することができないという欠点があった。 【０００６】そこで、本発明は、あらゆる体育館、屋根
付き（ドーム）球場等の室内で、区画分け、又は防球用
として容易に、腕力等を必要とせずスムーズにネットを
吊張りすることができ、また、ネットの収納も容易に行
える体育館等の室内のネット吊張り方法とその装置を提
供することにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は上記目的
を達成するために、請求項１に記載のように、天井周縁
近傍と天頂近傍の間、及び天井周縁近傍相互の間にそれ
ぞれ取付けられ、且つネット体の挿通された複数のガイ
ドワイヤーと、各ガイドワイヤーの上方でガイドワイヤ
ーに平行して配置され、緊張手段の設けられた滑車とエ
ンドレスウインチ間で該エンドレスウインチにより移動
する複数のウインチワイヤーとから構成され、しかも各
ウインチワイヤーにはそれぞれネット体の先端が係止さ
れ、エンドレスウインチの駆動により各ウインチワイヤ
ーを移動することにより同時に複数のネット体を各ガイ
ドワイヤーに沿って吊張して室内を複数に区画すること
を特徴とする。 【０００８】 【０００９】 【００１０】 【００１１】 【００１２】また、請求項６に記載のように、エンドレ
スウインチ、又は緊張手段の取り付け位置、／エンドレ
スウインチ及び緊張手段の取り付け位置が、体育館等の
室内の天井周縁近傍に沿ってスライド可能に構成されて
いることである。 【００１３】また、請求項７に記載のように、ガイドワ
イヤー、及びウインチワイヤーの一方が、／ガイドワイ
ヤー、又はウインチワイヤーの一方が、取り外し可能に
構成され、且つガイドワイヤー、及びウインチワイヤー
の一方が、／ガイドワイヤー、又はウインチワイヤーの
他方側に回動可能に構成されていることである。 【００１４】 【００１５】 【作用】即ち、本発明は、体育館、屋根付き球場等の大
きな空間部のある室内を、ネットを用いて複数に区画し
たり、又は防球用として使用する際、ネット体の挿通さ
れた複数のガイドワイヤーの上方で平行に天井周縁近傍
と天頂近傍の間、及び天井周縁近傍相互の間に緊張した
状態で設けられた複数のウインチワイヤーをエンドレス
ウインチを用いて滑車間で移動する。これにより、ウイ
ンチワイヤーにそれぞれ先端部のみが掛止された複数の
ネット体が各ガイドワイヤーに沿って所定の方向に移動
することとなり、各ネット体で大きな空間部のある室内
を短時間で複数に区画すべく吊張りすることができる。 【００１６】さらに、体育館等の室内に設けられたネッ
ト体の挿通された複数のガイドワイヤーの上方で並行し
て天井周縁近傍の両側、又は片側より常に緊張した状態
で設けられた複数のウインチワイヤーを同時に、又は順
次エンドレスウインチを用いて自動的に移動すること
で、ネット体をガイドワイヤーに沿って移動して体育館
等の室内を多面的に区画することである。 【００１７】また、ウインチワイヤーを天井周縁近傍の
両側、又は片方より天頂に向けて常に緊張した状態で移
動することで、例えば円弧状のドーム球場等においても
天頂部分も含め複数に分割した状態で室内を区画するこ
とが可能となる。 【００１８】この装置は、先ず体育館等の室内の天井周
縁近傍の両側に設けられたガイドワイヤーに、ネットを
設け、このガイドワイヤーと並行して設けられたウイン
チワイヤーに、ネットの先端部を取り付ける。この状態
で、エンドレスウインチを作動すると、自動的にウイン
チワイヤーが移動し、ネットがウインチワイヤーに引っ
張られるとともに、ネットはガイドワイヤーに沿って移
動する。そしてネットが所定の位置に移動して吊張りさ
れるとで、ネットで室内が区画、又は防球用として使用
することができる。さらに、この際、ウインチワイヤー
は他方の滑車に設けられた緊張手段により、常に緊張し
た状態（ネットの自重がかかった場合は、その重さに応
じてウインチワイヤーを緊張手段で緊張させる）である
ために、ネットの移動をスムーズに行うことができる。 【００１９】また、ウインチワイヤーの緊張をより確実
にするために、エンドレスウインチ側にも緊張手段を設
けることも可能である。 【００２０】また、エンドレスウインチ、又は、／及び
緊張手段の取り付け位置を自在にスライドできるように
構成することにより、例えば、ウインチワイヤーを体育
館等の室内の隅に移動し、体育館内の区画分けを自在に
解除、又はネットの収納することができる。 【００２１】また、ネットを使用しない場合は、ガイド
ワイヤー、及びウインチワイヤーの一方、／ガイドワイ
ヤー、又はウインチワイヤーの一方を取り外し、各ワイ
ヤーとともにネットを回動して収納する。この際、取り
外されたガイドワイヤー、及びウインチワイヤーの一
方、／ガイドワイヤー、又はウインチワイヤーの一方側
に錘体が取り付けられているために、回動時にワイヤー
等が捩じれることなくスムーズに回動し収納することが
できる。 【００２２】 【実施の形態】以下、本発明の体育館等の室内のネット
吊張り装置の一実施例を図面に沿って説明する。ここで
図１は、本発明の一実施例を示す室内用のネット吊張り
装置を示す概略平面図であり、図２は、天井周縁近傍相
互の間に緊張した状態で各ワイヤーを設けた状態を示す
概略平面図であり、図４（イ）は天井周縁近傍相互の間
に複数の各ワイヤーを設けた場合を示す概略平面図であ
り、同図（ロ）は天井周縁近傍と天頂近傍の間に各ワイ
ヤーを設けた場合を示す概略平面図である。ネット吊張
り装置１は、体育館等の室内２の天井周縁近傍２ａの相
互間に設けられたガイドワイヤー３と、ガイドワイヤー
３にリング４を介して挿通されたネット体５と、ガイド
ワイヤー３の上方で平行して天井周縁部２ａの相互間に
設けられ、且つネット体５の先端部が固定されたウイン
チワイヤー６とを複数設け、且つ天井周縁近傍２ａと天
頂近傍２ｃの間に設けられたガイドワイヤー３と、ガイ
ドワイヤー３にリング４を介して挿通されたネット体５
と、ウインチワイヤー６とから構成されている。 【００２３】各ウインチワイヤー６…には、天井周縁近
傍２ａの一方に設けられたエンドレスウインチ７…（エ
ンドレスウインチ７はネット体５の重量により複数のウ
インチワイヤー６…を１台で兼用することも可能であ
る。）と、対向する天井周縁近傍２ａの他方、及び天頂
近傍２ｃに設けられた滑車８…とからなり、滑車８には
ウインチワイヤー６を常に緊張すべくウィンチワイヤー
６の引っ張り方向（内側の方向に）とは逆方向に付勢す
る緊張（テンション）をかけるためのテンション装置９
（滑車８の取り付けられた支持体８ａのバネ、又は電磁
石（図示せず）等で引っ張った構成）が設けられてい
る。 【００２４】エンドレスウインチ７は、天井周縁近傍２
ａに取り付けるための架台７ａ（取り付ける場所の形状
等に応じて形状、大きさ、材質等が変更される。）に取
り付けられ、さらに、ウインチワイヤー６を案内するた
めの一対のローラー７ｂ、７ｂが架台７ａに設けられて
いる。 【００２５】次に、上記装置を使用して室内にネット体
５を吊張りする方法を説明する。 【００２６】上記装置を使用する際は、先ずガイドワイ
ヤー３…にリング４を挿通することでネット体５…をガ
イドワイヤー３…に取り付ける。そして、ネット体５…
の上部側先端をウインチワイヤー６に固定する。次に、
この状態で、エンドレスウインチ７を作動することで、
ネット体５は、ウインチワイヤー６に従って天井周縁近
傍２ａ…の一方から他方に引っ張られ、及び天井周縁近
傍２ａ…から天頂近傍２ｃに引っ張られ、これによりガ
イドワイヤー３…に沿ってそれぞれ移動する。（この
際、対向するウインチワイヤー６にそれぞれ別のガイド
ワイヤー３…が設けられたネット体５…の先端を固定す
ることにより、ネット体５…をガイドワイヤー３の両端
より中央に向かうように移動することも可能である。）
そして、所定の場所でエンドレスウインチ７を停止する
ことで、ネット体５…により体育館等の室内２を複数に
区切ることができる。 【００２７】この際、ウインチワイヤー６はテンション
装置９により常に緊張状態であるために、ネット体５の
移動がスムーズに行え、結果として、ネット体５を吊張
りする際の時間の短縮、及び労力の削減を可能とする。 【００２８】また、ネット体５…を取り込む際は、上記
と逆にエンドレスウインチ７を作動することで、ウイン
チワイヤー６…がエンドレスな状態で自動的に逆方向に
移動し、ネット体５…は、ウインチワイヤー６…に従っ
て天井周縁近傍２ａの他方から一方に、また、天頂近傍
２ｃから天井周縁近傍２ａに引っ張られる。そして、も
との場所に全てのネット体５…が移動した状態でエンド
レスウインチ７を停止することで、ネット体５…を取り
込むことができる。この際も同様に、ウインチワイヤー
６…がテンション装置９により常に緊張状態であるため
に、ネット体５…の移動がスムーズに行え、結果とし
て、ネット体５…を取り込む時間の短縮、及び労力の削
減を可能とする。 【００２９】このように、エンドレスウインチ７を使用
して自動的にネット体５を移動することで、現在多く建
設されている大空間部を有する室内をネット体５で容易
に、且つスムーズに区画分け等を行うことが可能とな
る。 【００３０】 【００３１】また、上記実施例ではウインチワイヤー６
をエンドレスの状態で設置したが、例えば図３に示すよ
うに、エンドレスウインチ７にワイヤー巻取機１０を設
けることにより、ネット体５を使用しない場合にウイン
チワイヤー６を収納可能に構成することも可能である。 【００３２】 【００３３】 【００３４】また、上記実施例では、ウインチワイヤー
６の一方のみにテンション手段を設けたか、取り付ける
ネット体５の重量等に応じてエンドレスウインチ７側に
もテンション手段を設けることも可能である。さらに、
ガイドワイヤー３にも、同様にテンション手段を設ける
ことも可能である。 【００３５】また、上記実施例のガイドワイヤー３、及
びウインチワイヤー６、／ガイドワイヤー３、又はウイ
ンチワイヤー６は、一方のテンション装置９の部分で取
り外し可能に構成することで、ネット体５を使用しない
場合に、一方を取り外して他方側に回動して、ネット体
５を収納（二階部分に収納、又は一方側の隅に収納、又
は各ワイヤーより取り外して別個に収納することも可能
である。この際、取り外す側のガイドワイヤー３、及び
ウインチワイヤー６、／ガイドワイヤー３、又はウイン
チワイヤー６に錘体を取り付けることにより、他方側へ
の回動時にガイドワイヤー３、及びウインチワイヤー６
の捩じれ等がなくスムーズに回動することができ、その
後の収納も容易に行え、再度の取り付けも容易に行え
る。 【００３６】 【発明の効果】叙上のように、本発明による体育館等の
室内のネット吊張り方法とその装置は、常に緊張した状
態でエンドレスウインチを用いて、自動的にウインチワ
イヤーを移動することができるので、従来の手動方法に
比しネットを容易、又スムーズ（労力を要することな
く）に短時間で移動して、吊張りすることが可能となる
という利点を得た。 【００３７】また、ガイドワイヤー、及びウインチワイ
ヤーの取り付け位置、取り付け方法により、種々の室内
（特に大空間部を有する室内）を区画割り、又は防球用
として使用することができるという利点がある。 【００３８】さらに、装置の構成も簡易であるために、
製造コストを抑えることができ、経済的であるという利
点がある。 【００３９】また、不使用時のネット体の収納も容易に
行え、室内の有効利用を行うことができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】は、本発明の一実施例を示す室内用のネット吊
張り装置を示す概略平面図である。 【図２】は、天井周縁近傍相互の間に緊張した状態で各
ワイヤーを設けた状態を示す概略平面図である。 【図３】は、室内用のネット吊張り裝置の他の実施例を
示すがいりゃつ側面図。 【図４】（イ）は、天井周縁近傍相互の間に複数の各ワ
イヤーを設けた場合を示す概略平面図であり、同図
（ロ）は、天井周縁近傍と天頂近傍の間に各ワイヤーを
設けた場合を示す概略平面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平９−117541（ＪＰ，Ａ) 実開 昭54−154076（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−48664（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭31−1770（ＪＰ，Ｂ１) 実公 平２−11897（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭56−49648（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭14−16080（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭39−7794（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】天井周縁近傍と天頂近傍の間、及び天井周
   縁近傍相互の間にそれぞれ取付けられ、且つネット体の
   挿通された複数のガイドワイヤーと、各ガイドワイヤー
   の上方でガイドワイヤーに平行して配置され、緊張手段
   の設けられた滑車とエンドレスウインチ間で該エンドレ
   スウィンチにより移動する複数のウインチワイヤーとか
   ら構成され、しかも各ウインチワイヤーにはそれぞれネ
   ット体の先端が係止され、エンドレスウインチの駆動に
   より各ウインチワイヤーを移動することにより同時に複
   数のネット体を各ガイドワイヤーに沿って吊張して室内
   を複数に区画することを特徴とする体育館等の室内のネ
   ット吊張り装置。