JP3475256B2 - 塩基性耐火物 - Google Patents
塩基性耐火物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特殊鋼製造用に用いられ
るＡＯＤ炉羽口および羽口周囲，精錬用取鍋内張り，Ｒ
Ｈ内張り，また銅精錬用の羽口および羽口周囲，および
汚泥溶融炉の湯溜部等の溶損が激しい箇所で使用した場
合に、溶損に対し強い抵抗性を示すマグネシア・クロム
質れんがに関する。 【0002】 【従来の技術】マグネシア・クロム質れんがは塩基性ス
ラグに対し化学的に安定であり、熱間強度が高く、耐食
性，耐スポーリング性に優れている。このためマグネシ
ア・クロム質れんがは精錬用取鍋，ＲＨ，非鉄溶融炉，
非鉄精錬炉および各種溶融物を溶解処理する窯炉等の内
張り材として使用されている。 【0003】しかし最近は製品の品質や効率向上のため、処
理時間の延長や処理温度の上昇および不活性ガス吹き込
み量や吹き込み速度の増加による攪拌力の増大によって
マグネシア・クロム質れんがの化学的損傷量，物理的損
傷量が増加してきている。 【0004】このため従来のマグネシア・クロム質れんがに
対しさらに化学的損傷および物理的損傷に強い抵抗性を
持つれんがが要望され種々の試みがなされている。提案
されている方法はマグネシア・クロム質れんが中のクロ
ミア量を増加させる方法であり、また低融点物質の生成
を抑制するために不純物(SiO2, Al2O3, Fe2O3)の少ない
原料を使用する方法である。 【0005】従来のマグネシア・クロム質れんがはマグネシ
アクリンカー、電融マグクロ、クロム鉱等を組み合わせ
てれんがとしていた。最近はこれらに変わりクロミア(C
r2O3)量が多く、不純物(SiO2, Al2O3, Fe2O3等)の少な
い電融マグクロやクロム鉱の使用および酸化クロム、電
融ピクロクロマイトを添加した高耐火度、高耐食性のマ
グネシア・クロム質れんがが使用されている。これらの
方法のうち電融ピクロクロマイトを使用する方法が最も
耐食性が向上することが知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】マグネシア・クロム質
れんがに電融ピクロクロマイト原料を配合すると耐食性
が大幅に向上するが、試験後の試料には多数のスラグ，
カラミ等の侵入が観察された。スラグ，カラミ等の侵入
でれんが組織の破壊が惹起されており、これを削減でき
ればさらに耐用が向上すると考えられた。本発明は、ス
ラグ，カラミ等の侵入を削減し耐食性をさらに増大させ
たマグネシア・クロム質れんがを提供することを目的と
する。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は炭化クロム(Cr3
C2, Cr7C3, Cr23C6)を含む電融ピクロクロマイトを使用
することにより緻密で通気率の低いれんがを得ることが
でき、スラグの浸潤を著しくおさえられることが判明し
た。 【0008】本発明品の電融ピクロクロマイトは表１を満足
するものを用いる。 【０００９】 【表１】 【0010】 【表２】 【0011】 【作用】炭化クロムをＣ量として 0.3〜0.7wt％ 含有す
る電融ピクロクロマイトを10wt％以上配合したマグネシ
ア・クロム質焼成れんがは従来の電融ピクロクロマイト
を含むマグネシア・クロム質れんがに比べ電融ピクロク
ロマイト中に含まれる炭化クロムの効果により、1700℃
以上で焼成時に緻密なれんが組織が形成される。このた
め本発明によるれんがは緻密で通気率が小さく、溶融物
の浸透を抑制する効果を有する。 【0012】炭化クロムを含有する電融ピクロクロマイト中
の炭素量が 0.7wt％ を越える場合は焼成後のれんが組
織が緻密にならず、また炭化クロムを含有する電融ピク
ロクロマイト中の炭素量が 0.3wt％ に満たない場合は
炭化クロムの効果がなく溶融物の浸透抑制効果が発現し
ない。 【0013】また炭化クロムを炭素量として 0.3〜0.7wt％
含有する電融ピクロクロマイトの使用においてもその添
加量が 10wt％ 未満では浸透抑制効果および耐食性の向
上に対して顕著な効果を発現しない。 【0014】 【実施例】表３は従来のマグネシア・クロム質れんがと
本発明品の物性値および侵食試験における溶損指数、ス
ラグ浸透指数について示す。溶損指数およびスラグ浸透
指数は炭化クロムを含まない電融ピクロクロマイトを 3
0wt％ 使用した比較例１の溶損量およびスラグ浸透量を
指数 100 として相対表示した。指数の小さいものほど
溶損および浸透が少なく優れている。 【0015】 【表３】注１）溶損指数 溶損量は回転侵食試験法により比較した。侵食材は表４
に示す合成スラグを用いた。試験温度は1700℃〜1750℃
で１２時間行った。試験終了後溶損量を測定し、指数で
示した。 【0016】 【表４】 注２）スラグ浸透指数 スラグ浸透量は回転侵食試験後の試料を切断し、変質層
の厚みを測定した。この厚みを指数で示した。 【0017】 【発明の効果】本発明品の炭化クロムを含む電融ピクロ
クロマイトを配合したマグネシア・クロム質焼成れんが
は炭化クロムを含まない電融ピクロクロマイトを配合し
たれんがより緻密で通気性が小さい値を示しスラグの浸
透が少なく、耐食性に優れた効果を有している。
るＡＯＤ炉羽口および羽口周囲，精錬用取鍋内張り，Ｒ
Ｈ内張り，また銅精錬用の羽口および羽口周囲，および
汚泥溶融炉の湯溜部等の溶損が激しい箇所で使用した場
合に、溶損に対し強い抵抗性を示すマグネシア・クロム
質れんがに関する。 【0002】 【従来の技術】マグネシア・クロム質れんがは塩基性ス
ラグに対し化学的に安定であり、熱間強度が高く、耐食
性，耐スポーリング性に優れている。このためマグネシ
ア・クロム質れんがは精錬用取鍋，ＲＨ，非鉄溶融炉，
非鉄精錬炉および各種溶融物を溶解処理する窯炉等の内
張り材として使用されている。 【0003】しかし最近は製品の品質や効率向上のため、処
理時間の延長や処理温度の上昇および不活性ガス吹き込
み量や吹き込み速度の増加による攪拌力の増大によって
マグネシア・クロム質れんがの化学的損傷量，物理的損
傷量が増加してきている。 【0004】このため従来のマグネシア・クロム質れんがに
対しさらに化学的損傷および物理的損傷に強い抵抗性を
持つれんがが要望され種々の試みがなされている。提案
されている方法はマグネシア・クロム質れんが中のクロ
ミア量を増加させる方法であり、また低融点物質の生成
を抑制するために不純物(SiO2, Al2O3, Fe2O3)の少ない
原料を使用する方法である。 【0005】従来のマグネシア・クロム質れんがはマグネシ
アクリンカー、電融マグクロ、クロム鉱等を組み合わせ
てれんがとしていた。最近はこれらに変わりクロミア(C
r2O3)量が多く、不純物(SiO2, Al2O3, Fe2O3等)の少な
い電融マグクロやクロム鉱の使用および酸化クロム、電
融ピクロクロマイトを添加した高耐火度、高耐食性のマ
グネシア・クロム質れんがが使用されている。これらの
方法のうち電融ピクロクロマイトを使用する方法が最も
耐食性が向上することが知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】マグネシア・クロム質
れんがに電融ピクロクロマイト原料を配合すると耐食性
が大幅に向上するが、試験後の試料には多数のスラグ，
カラミ等の侵入が観察された。スラグ，カラミ等の侵入
でれんが組織の破壊が惹起されており、これを削減でき
ればさらに耐用が向上すると考えられた。本発明は、ス
ラグ，カラミ等の侵入を削減し耐食性をさらに増大させ
たマグネシア・クロム質れんがを提供することを目的と
する。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は炭化クロム(Cr3
C2, Cr7C3, Cr23C6)を含む電融ピクロクロマイトを使用
することにより緻密で通気率の低いれんがを得ることが
でき、スラグの浸潤を著しくおさえられることが判明し
た。 【0008】本発明品の電融ピクロクロマイトは表１を満足
するものを用いる。 【０００９】 【表１】 【0010】 【表２】 【0011】 【作用】炭化クロムをＣ量として 0.3〜0.7wt％ 含有す
る電融ピクロクロマイトを10wt％以上配合したマグネシ
ア・クロム質焼成れんがは従来の電融ピクロクロマイト
を含むマグネシア・クロム質れんがに比べ電融ピクロク
ロマイト中に含まれる炭化クロムの効果により、1700℃
以上で焼成時に緻密なれんが組織が形成される。このた
め本発明によるれんがは緻密で通気率が小さく、溶融物
の浸透を抑制する効果を有する。 【0012】炭化クロムを含有する電融ピクロクロマイト中
の炭素量が 0.7wt％ を越える場合は焼成後のれんが組
織が緻密にならず、また炭化クロムを含有する電融ピク
ロクロマイト中の炭素量が 0.3wt％ に満たない場合は
炭化クロムの効果がなく溶融物の浸透抑制効果が発現し
ない。 【0013】また炭化クロムを炭素量として 0.3〜0.7wt％
含有する電融ピクロクロマイトの使用においてもその添
加量が 10wt％ 未満では浸透抑制効果および耐食性の向
上に対して顕著な効果を発現しない。 【0014】 【実施例】表３は従来のマグネシア・クロム質れんがと
本発明品の物性値および侵食試験における溶損指数、ス
ラグ浸透指数について示す。溶損指数およびスラグ浸透
指数は炭化クロムを含まない電融ピクロクロマイトを 3
0wt％ 使用した比較例１の溶損量およびスラグ浸透量を
指数 100 として相対表示した。指数の小さいものほど
溶損および浸透が少なく優れている。 【0015】 【表３】注１）溶損指数 溶損量は回転侵食試験法により比較した。侵食材は表４
に示す合成スラグを用いた。試験温度は1700℃〜1750℃
で１２時間行った。試験終了後溶損量を測定し、指数で
示した。 【0016】 【表４】 注２）スラグ浸透指数 スラグ浸透量は回転侵食試験後の試料を切断し、変質層
の厚みを測定した。この厚みを指数で示した。 【0017】 【発明の効果】本発明品の炭化クロムを含む電融ピクロ
クロマイトを配合したマグネシア・クロム質焼成れんが
は炭化クロムを含まない電融ピクロクロマイトを配合し
たれんがより緻密で通気性が小さい値を示しスラグの浸
透が少なく、耐食性に優れた効果を有している。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】炭化クロム（Ｃｒ３Ｃ２，Ｃｒ７Ｃ３，Ｃ
ｒ２３Ｃ６）をＣ量で０．３〜０．７ｗｔ含有する電融
ピクロクロマイトを１０ｗｔ％以上配合し、残部がマグ
ネシアクリンカー，電融ピクロクロマイト，電融マグク
ロ，クロム鉱，酸化クロムおよびその一部で構成され、
かつ、１７００℃以上で焼成されたマグネシア・クロム
質れんが。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34153193A JP3475256B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | 塩基性耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34153193A JP3475256B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | 塩基性耐火物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07157361A JPH07157361A (ja) | 1995-06-20 |
| JP3475256B2 true JP3475256B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=18346794
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34153193A Expired - Fee Related JP3475256B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | 塩基性耐火物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3475256B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107298587B (zh) * | 2017-07-18 | 2020-10-27 | 海城利尔麦格西塔材料有限公司 | 一种应用于有色行业的低气孔镁铬砖及其生产方法 |
-
1993
- 1993-12-09 JP JP34153193A patent/JP3475256B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07157361A (ja) | 1995-06-20 |
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