JP3457171B2 - 車載負荷同期駆動制御システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両の各所に分散
して配置される複数の車載負荷のうち、例えば、ターン
シグナルランプ、又はハザードランプ等の共通属性の車
載負荷の各々が、相互に異なる多重制御ユニットに属し
ている場合であっても、全体として調和がとれた車載負
荷の駆動制御を実現することができる車載負荷同期駆動
制御システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えば特開平７−２５７２６
８号公報に開示されているように、車両の各所に分散し
て配置される複数の車載負荷を駆動制御する車載負荷駆
動制御システムが知られている。

【０００３】この種の車載負荷駆動制御システムの一例
を挙げると、図３に示すように、車載負荷駆動制御シス
テム１０１は、車両の各所に分散配置される複数の車載
負荷１０３と、電力供給線１０４を介して複数の車載負
荷１０３等に電力を供給するバッテリ１０５と、車載負
荷１０３に対応付けて設けられる複数の操作スイッチ１
０７と、複数の操作スイッチ１０７が接続される第１の
多重制御ユニット１０９と、複数の車載負荷１０３をそ
れぞれ駆動制御する複数の駆動素子１１１と、複数の駆
動素子１１１が接続される第２の多重制御ユニット１１
３と、多重制御ユニット１０９，１１３間を接続する１
本の多重信号線１１５と、を備えて構成されている。

【０００４】この車載負荷駆動制御システム１０１にお
いて、まず、第１の多重制御ユニット１０９は、複数の
操作スイッチ１０７から入力した負荷駆動制御信号を多
重化するとともに、多重化された負荷駆動制御信号列
を、多重信号線１１５を介して第２の多重制御ユニット
１１３へシリアル伝送する。これを受けて、第２の多重
制御ユニット１１３は、多重化された負荷駆動制御信号
列を受信記憶し、複数の駆動素子１１１の各々へ対応す
る負荷駆動制御信号を分配供給する逆多重化処理を施す
ことにより、複数の駆動素子１１１の各々において、複
数の車載負荷１０３をそれぞれ駆動制御する。

【０００５】上述した車載負荷駆動制御システム１０１
によれば、複数の操作スイッチ１０７及びこれらに対応
する複数の車載負荷１０３を各自直列接続して構成され
る複数の直列回路を、バッテリ１０５に対して並列に接
続した形態のシステムと比較して、制御信号線１１５と
電力供給線１０４とが独立に分離された、簡素な配線構
造を実現することができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の車載負荷駆動制御システム１０１にあっては、
車両の各所に分散して配置される複数の車載負荷のう
ち、例えばターンシグナルランプやハザードランプ等の
共通属性の車載負荷の各々を、同期が維持された状態で
それぞれ駆動制御することが難しいという解決すべき課
題を内在していた。

【０００７】これについて述べると、上述した車載負荷
駆動制御システム１０１において、第１及び第２の多重
制御ユニット１０９，１１３の各々は、複数の操作スイ
ッチ１０７から入力した負荷駆動制御信号を多重化する
多重化処理、又は多重化された負荷駆動制御信号列を対
応する複数の駆動素子１１１の各々へ分配供給する逆多
重化処理を施しており、多重化処理又は逆多重化処理に
各々相応の時間を要するため、図４に示すように、操作
スイッチ１０７の入力に対し、対応する車載負荷１０３
の立ち上がりに時間遅れを生じることとなり、この結
果、複数の車載負荷のうち、共通属性の車載負荷の各々
が、相互に異なる多重制御ユニットに属している場合に
は、共通属性の車載負荷の各々を、同期が維持された状
態でそれぞれ駆動制御することに困難を伴うこととなっ
ていた。

【０００８】そこで、共通属性の車載負荷の各々が、相
互に異なる多重制御ユニットに属している場合であって
も、共通属性の車載負荷の各々を、同期が維持された状
態でそれぞれ駆動制御することができる新規なシステム
の開発が関係者の間で待望されていた。

【０００９】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、複数の多重制御ユニット間を、多重信号伝
送路、及び同期信号伝送路を介してそれぞれ接続してお
き、複数の多重制御ユニットのうち、自身に属する車載
負荷に関係する負荷駆動制御信号及び同期信号を受けた
多重制御ユニットの各々は、自身及びその他の多重制御
ユニットとの間で協調関係を維持した状態で、同期信号
に従うタイミングをもって、共通属性の車載負荷の各々
をそれぞれ駆動制御することにより、共通属性の車載負
荷の各々が、相互に異なる多重制御ユニットに属してい
る場合であっても、全体として調和がとれた車載負荷の
駆動制御を実現することができる車載負荷同期駆動制御
システムを提供することを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１の発明は、車両の各所に分散して配設され
る複数の車載負荷と、当該複数の車載負荷に対応付けて
設けられる複数の操作入力手段と、当該複数の操作入力
手段からの操作入力に応じて発生される、前記複数の車
載負荷を駆動制御する旨の負荷駆動制御信号にしたがっ
て、当該複数の車載負荷の各々をそれぞれ駆動制御する
複数の負荷駆動制御手段と、前記操作入力手段と前記負
荷駆動制御手段のうち少なくともいずれか一方を、それ
ぞれ複数分散接続して構成される複数の多重制御ユニッ
トと、当該複数の多重制御ユニット間を、多重化された
前記負荷駆動制御信号を伝送する如く接続する多重信号
伝送路と、前記複数の多重制御ユニット間を、前記複数
の車載負荷のうち、共通属性の車載負荷間で共用される
同期信号を伝送する如く接続する同期信号伝送路と、を
含んで構成され、前記負荷駆動制御信号を入力した多重
制御ユニットは、駆動対象となる車載負荷が、他の車載
負荷と協調関係を要する共通属性の車載負荷であり、か
つ複数の多重制御ユニットにそれぞれ分散して属してい
るかを内容とする協調条件を満足するか否かを判定し、
協調条件を満足すると判定された場合には、駆動対象と
なる車載負荷の種類毎にあらかじめ設定記憶されてい
る、共通属性の車載負荷間で共用される同期信号を読み
出して、前記負荷駆動制御信号と共に前記複数の多重制
御ユニットへ伝送し、前記複数の多重制御ユニットのう
ち、自身に接続される前記負荷駆動制御手段を宛先とす
る前記負荷駆動制御信号及び前記同期信号を受けた多重
制御ユニットの各々は、自身及びその他の多重制御ユニ
ットとの間で協調関係を維持した状態で、前記同期信号
に従うタイミングをもって、前記負荷駆動制御信号を前
記共通属性の車載負荷に対応する負荷駆動制御手段へそ
れぞれ供給し、前記共通属性の車載負荷に対応する負荷
駆動制御手段の各々は、当該共通属性の車載負荷の各々
を、同期が維持された状態でそれぞれ駆動制御すること
を特徴としている。

【００１１】請求項１の発明によれば、複数の多重制御
ユニットのうち、自身に接続される負荷駆動制御手段を
宛先とする負荷駆動制御信号及び同期信号を受けた多重
制御ユニットの各々は、自身及びその他の多重制御ユニ
ットとの間で協調関係を維持した状態で、同期信号に従
うタイミングをもって、負荷駆動制御信号を共通属性の
車載負荷に対応する負荷駆動制御手段へそれぞれ供給
し、共通属性の車載負荷に対応する負荷駆動制御手段の
各々は、共通属性の車載負荷の各々を、同期が維持され
た状態でそれぞれ駆動制御するので、この結果、車両の
各所に分散して配置される複数の車載負荷のうち、共通
属性の車載負荷の各々が、相互に異なる多重制御ユニッ
トに属している場合であっても、全体として調和がとれ
た車載負荷の駆動制御を実現することができる。

【００１２】また、請求項２の発明は、前記共通属性の
車載負荷は、ターンシグナルランプであることを要旨と
する。

【００１３】さらに、請求項３の発明は、前記共通属性
の車載負荷は、ハザードランプであることを要旨とす
る。

【００１４】そして、請求項４の発明は、前記複数の多
重制御ユニットのうち、自身に接続される負荷駆動制御
手段を宛先とする負荷駆動制御信号及び同期信号を受け
た多重制御ユニットであって、任意の１つのマスタとし
て機能する多重制御ユニットは、その他のスレーブとし
て機能する多重制御ユニットを配下において、各スレー
ブ多重制御ユニットの動作管理を行うことにより、自身
及びその他の多重制御ユニットとの間で協調関係を維持
することを要旨とする。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る車載負荷同
期駆動制御システムの一実施形態について、図に基づい
て詳細に説明する。

【００１６】図１は、本発明に係る車載負荷同期駆動制
御システムの概略ブロック構成図、図２は、本発明に係
る車載負荷同期駆動制御システムの動作説明に供するタ
イミングチャート図である。

【００１７】図１に示すように、本発明に係る車載負荷
同期駆動制御システム１は、複数の多重制御ユニット
３，５，７，９，１１間を、多重化された負荷駆動制御
信号を伝送する多重信号伝送路２ａ，２ｂ，２ｃ，２
ｄ、及び共通属性の車載負荷１３，１７，２１，２５，
２９，３３間で共用される同期信号を伝送する同期信号
伝送路４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを介して接続して構成さ
れている。

【００１８】複数の多重制御ユニットとしては、例えば
図１に示すように、エンジンルーム内等の車両前方側の
適宜の位置に設けられるフロント多重制御ユニット３
と、カウルサイドに設けられるカウルサイド多重制御ユ
ニット５と、コンビネーションメータの近傍等に設けら
れるメータ多重制御ユニット７及びコラムスイッチ多重
制御ユニット９と、トランクルーム内等の車両後方側の
適宜の位置に設けられるリア多重制御ユニット１１とを
例示することができる。なお、多重制御ユニットの数量
及び配置位置としては、上述した形態に限定されること
なく、適宜の数量の多重制御ユニットを、車両内の適宜
の位置に配設することができる。

【００１９】フロント多重制御ユニット３には、負荷駆
動制御手段として位置付けられる第１及び第２のトラン
ジスタ１５，１９をそれぞれ介して、フロント左側（Ｆ
Ｌ）ターンシグナルランプ１３及びフロント右側（Ｆ
Ｒ）ターンシグナルランプ１７が接続されており、ター
ンシグナルランプ１３，１７の他端はバッテリＢに接続
されている。

【００２０】第１及び第２のトランジスタ１５，１９
は、フロント多重制御ユニット３からターンシグナルラ
ンプ１３，１７を点灯させる旨の負荷駆動制御信号を入
力している期間だけオンし、バッテリＢから供給される
電流をターンシグナルランプ１３，１７へそれぞれ流す
ことにより、ターンシグナルランプ１３，１７を点灯さ
せる一方、フロント多重制御ユニット３から負荷駆動制
御信号の入力が途絶えたときオフし、バッテリＢからタ
ーンシグナルランプ１３，１７へ到る電流経路を遮断す
ることにより、ターンシグナルランプ１３，１７を消灯
させる如く構成されている。

【００２１】メータ多重制御ユニット７には、負荷駆動
制御手段として位置付けられる第３及び第４のトランジ
スタ２３，２７をそれぞれ介して、左側（Ｌ側）メータ
インジケータ２１及び右側（Ｒ側）メータインジケータ
２５が接続されており、メータインジケータ２１，２５
の他端はバッテリＢに接続されている。

【００２２】第３及び第４のトランジスタ２３，２７
は、メータ多重制御ユニット７からメータインジケータ
２１，２５を点灯させる旨の負荷駆動制御信号を入力し
ている期間だけオンし、バッテリＢから供給される電流
をメータインジケータ２１，２５へそれぞれ流すことに
より、メータインジケータ２１，２５を点灯させる一
方、メータ多重制御ユニット７から負荷駆動制御信号の
入力が途絶えたときオフし、バッテリＢからメータイン
ジケータ２１，２５へ到る電流経路を遮断することによ
り、メータインジケータ２１，２５を消灯させる如く構
成されている。

【００２３】コラムスイッチ多重制御ユニット９には、
左側及び右側ターンシグナルランプ用コラムスイッチ３
７，３９等の操作入力手段として位置付けられる複数の
スイッチが接続されており、コラムスイッチ３７，３９
の他端は接地されている。

【００２４】コラムスイッチ３７，３９は、これを乗員
が操作する毎に、接点が開放位置、又は閉止位置に切換
えられ、接点位置に応じた負荷駆動制御信号を発生する
如く構成されており、発生した負荷駆動制御信号は、コ
ラムスイッチ多重制御ユニット９へ入力される。なお、
操作入力手段としては、左側及び右側ターンシグナルラ
ンプ用コラムスイッチ３７，３９に限定されるものでは
なく、例えば、ハザードランプの点滅指示を操作入力す
るハザードランプスイッチ、ヘッドライトの点滅指示を
操作入力するヘッドライトスイッチ、車幅灯の点滅指示
を操作入力する車幅灯スイッチ、ホーンの鳴動指示を操
作入力するホーンスイッチなど、車両で用いられるあら
ゆる形態のスイッチを採用することができる。

【００２５】リア多重制御ユニット１１には、負荷駆動
制御手段として位置付けられる第５及び第６のトランジ
スタ３１，３５をそれぞれ介して、リア左側（ＲＬ）タ
ーンシグナルランプ２９及びリア右側（ＲＲ）ターンシ
グナルランプ３３が接続されており、ターンシグナルラ
ンプ２９，３３の他端はバッテリＢに接続されている。

【００２６】第５及び第６のトランジスタ３１，３５
は、リア多重制御ユニット１１からターンシグナルラン
プ２９，３３を点灯させる旨の負荷駆動制御信号を入力
している期間だけオンし、バッテリＢから供給される電
流をターンシグナルランプ２９，３３へそれぞれ流すこ
とにより、ターンシグナルランプ２９，３３を点灯させ
る一方、リア多重制御ユニット１１から負荷駆動制御信
号の入力が途絶えたときオフし、バッテリＢからターン
シグナルランプ２９，３３へ到る電流経路を遮断するこ
とにより、ターンシグナルランプ２９，３３を消灯させ
る如く構成されている。

【００２７】次に、本発明に係る車載負荷同期駆動制御
システム１の動作について、図１乃至図２を参照して詳
細に説明する。

【００２８】まず、コラムスイッチ多重制御ユニット９
は、操作入力手段として位置付けられるコラムスイッチ
３７，３９等のスイッチから負荷駆動制御信号が入力さ
れたとき、入力された負荷駆動制御信号に基づいて、駆
動対象となる車載負荷が、他の車載負荷と協調関係を要
する共通属性の車載負荷であり、かつ複数の多重制御ユ
ニットにそれぞれ分散して属しているかを内容とする協
調条件を満足するか否かを判定する。

【００２９】この判定の結果、協調条件を満足しないと
判定された場合、すなわち、駆動対象となる車載負荷
が、例えばホーンなどの他の車載負荷との協調関係を要
しない単一属性の車載負荷であるか、又は共通属性の車
載負荷であるが、全ての車載負荷が１つの多重制御ユニ
ットに集約して属している場合には、コラムスイッチ多
重制御ユニット９は、入力した負荷駆動制御信号を、多
重信号伝送路２を介して所定の宛先となる多重制御ユニ
ットへ伝送し、宛先となる多重制御ユニットにおいて、
通常の車載負荷の駆動制御を実行させる。

【００３０】一方、上記判定の結果、協調条件を満足す
ると判定された場合には、コラムスイッチ多重制御ユニ
ット９は、入力した負荷駆動制御信号に基づいて、駆動
対象となる車載負荷の種別毎にあらかじめ設定記憶され
ている、共通属性の車載負荷間で共用される同期信号を
読出し、入力した負荷駆動制御信号、及び読み出した同
期信号を、多重信号伝送路２、及び同期信号伝送路４を
それぞれ介して、所定の宛先となる複数の多重制御ユニ
ットへそれぞれ伝送する。

【００３１】これを受けて、宛先となる複数の多重制御
ユニットの各々は、自身及びその他の多重制御ユニット
との間で協調関係を維持した状態で、同期信号に従うタ
イミングをもって、負荷駆動制御信号を共通属性の車載
負荷に対応する負荷駆動制御手段へそれぞれ供給し、共
通属性の車載負荷に対応する負荷駆動制御手段の各々
は、共通属性の車載負荷の各々を、同期が維持された状
態でそれぞれ駆動制御する。

【００３２】具体的には、図１に示すように、左側ター
ンシグナルランプ用コラムスイッチ３７が操作入力され
たとき、車両の左側に複数設置されたターンシグナルラ
ンプ、及びコンビネーションメータ内に配設されるメー
タインジケータを点灯させる旨の負荷駆動制御信号が発
生するが、車載負荷としてのターンシグナルランプ及び
メータインジケータは、他のランプ類と協調関係を要す
る共通属性の車載負荷であり、かつ複数の多重制御ユニ
ットにそれぞれ分散して属しているので、上述の協調条
件を満足することとなる。

【００３３】したがって、コラムスイッチ多重制御ユニ
ット９は、入力した負荷駆動制御信号に基づいて、ター
ンシグナルランプ及びメータインジケータの点滅周期を
内容とする、共通属性のターンシグナル系の灯火間で共
用される同期信号を読出し、入力した負荷駆動制御信
号、及び読み出した同期信号を、多重信号伝送路２、及
び同期信号伝送路４をそれぞれ介して、所定の宛先とな
る複数の多重制御ユニット３，７，１１へそれぞれ伝送
する。

【００３４】これを受けて、宛先となる複数の多重制御
ユニット３，７，１１の各々は、自身及びその他の多重
制御ユニットとの間で協調関係を維持した状態で、同期
信号に従う点滅周期タイミングをもって、負荷駆動制御
信号を共通属性のターンシグナル系の灯火類１３，１
７，２１，２５，２９，３３に対応する各トランジスタ
１５，１９，２３，２７，３１，３５へそれぞれ供給
し、共通属性のターンシグナル系の灯火類１３，１７，
２１，２５，２９，３３に対応する各トランジスタ１
５，１９，２３，２７，３１，３５の各々は、共通属性
のターンシグナル系の灯火類１３，１７，２１，２５，
２９，３３の各々を、図２に示すように、同期が維持さ
れた状態でそれぞれ駆動制御する。これにより、車両の
各所に分散して配置される複数の車載負荷のうち、共通
属性のターンシグナル系の灯火類１３，１７，２１，２
５，２９，３３の各々が、相互に異なる多重制御ユニッ
トに属している場合であっても、全体として調和がとれ
たターンシグナル系灯火類の駆動制御を実現することが
できる。

【００３５】以上詳細に説明したように、本発明に係る
車載負荷同期駆動制御システムによれば、複数の多重制
御ユニットのうち、自身に接続される負荷駆動制御手段
を宛先とする負荷駆動制御信号及び同期信号を受けた多
重制御ユニットの各々は、自身及びその他の多重制御ユ
ニットとの間で協調関係を維持した状態で、同期信号に
従うタイミングをもって、負荷駆動制御信号を共通属性
の車載負荷に対応する負荷駆動制御手段へそれぞれ供給
し、共通属性の車載負荷に対応する負荷駆動制御手段の
各々は、共通属性の車載負荷の各々を、同期が維持され
た状態でそれぞれ駆動制御するので、この結果、車両の
各所に分散して配置される複数の車載負荷のうち、共通
属性の車載負荷の各々が、相互に異なる多重制御ユニッ
トに属している場合であっても、全体として調和がとれ
た車載負荷の駆動制御を実現することができる。

【００３６】なお、本発明は、上述した実施形態の例に
限定されることなく、請求の範囲内において適宜の改変
を行うことにより、その他の態様で実施することができ
る。

【００３７】すなわち、例えば、多重制御ユニット間を
接続する、多重信号伝送路及び同期信号伝送路の各々の
配線トポロジとしては、上述した実施形態の例に限定さ
れることなく、リング形式、バス形式、ツリー形式、又
はこれらの複合形式等、適宜の配線トポロジを採用する
ことができる。

【００３８】また、本発明に係る実施形態において、コ
ラムスイッチ多重制御ユニットに、操作入力手段として
のコラムスイッチを接続する形態を例示して説明した
が、本発明は、上述した実施形態の例に限定されること
なく、１又は２以上の任意の多重制御ユニットの各々
に、操作入力手段と負荷駆動制御手段のうち少なくとも
いずれか一方を、それぞれ複数分散接続する形態を採用
することもできる。

【００３９】さらに、本発明に係る実施形態において、
車載負荷として、ターンシグナルランプ及びメータイン
ジケータを例示して説明したが、本発明は、上述した実
施形態の例に限定されることなく、車載負荷として、例
えば、ハザードランプ、ヘッドライト、車幅灯、室内
灯、又は車輪制動装置など、車両で用いられるあらゆる
形態の車載負荷を採用することができる。特に、車載負
荷として車輪制動装置を採用した場合には、自車両の姿
勢を安定状態に維持させて自車速を減速することができ
る。

【００４０】最後に、本発明において、複数の多重制御
ユニットのうち、自身に接続される負荷駆動制御手段を
宛先とする負荷駆動制御信号及び同期信号を受けた多重
制御ユニットの各々は、自身及びその他の多重制御ユニ
ットとの間で協調関係を維持した状態で、同期信号に従
うタイミングをもって、負荷駆動制御信号を共通属性の
車載負荷に対応する負荷駆動制御手段へそれぞれ供給す
る旨を技術思想として記述したが、具体的には、複数の
多重制御ユニットのうち、自身に接続される負荷駆動制
御手段を宛先とする負荷駆動制御信号及び同期信号を受
けた多重制御ユニットであって、任意の１つのマスタと
して機能する多重制御ユニットは、その他のスレーブと
して機能する多重制御ユニットを配下において、各スレ
ーブ多重制御ユニットの動作管理を行うことにより、自
身及びその他の多重制御ユニットとの間で協調関係を維
持する如く構成することもできることは言うまでもな
い。

【００４１】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、車両の各所に
分散して配置される複数の車載負荷のうち、共通属性の
車載負荷の各々が、相互に異なる多重制御ユニットに属
している場合であっても、全体として調和がとれた車載
負荷の駆動制御を実現することができるというきわめて
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係る車載負荷同期駆動制御シ
ステムの概略ブロック構成図である。

【図２】図２は、本発明に係る車載負荷同期駆動制御シ
ステムの動作説明に供するタイミングチャート図であ
る。

【図３】図３は、従来例に係る車載負荷同期駆動制御シ
ステムの概略ブロック構成図である。

【図４】図４は、従来例に係る課題の説明に供するタイ
ミングチャート図である。

【符号の説明】 １ 車載負荷同期駆動制御システム ２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ 多重信号伝送路 ３ フロント多重制御ユニット ４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ 同期信号伝送路 ５ カウルサイド多重制御ユニット ７ メータ多重制御ユニット ９ コラムスイッチ多重制御ユニット １１ リア多重制御ユニット １３ フロント左側（ＦＬ）ターンシグナルランプ（車
載負荷） １５ 第１のトランジスタ（負荷駆動制御手段） １７ フロント右側（ＦＲ）ターンシグナルランプ（車
載負荷） １９ 第２のトランジスタ（負荷駆動制御手段） ２１ 左側（Ｌ側）メータインジケータ（車載負荷） ２３ 第３のトランジスタ（負荷駆動制御手段） ２５ 右側（Ｒ側）メータインジケータ（車載負荷） ２７ 第４のトランジスタ（負荷駆動制御手段） ２９ リア左側（ＲＬ）ターンシグナルランプ（車載負
荷） ３１ 第５のトランジスタ（負荷駆動制御手段） ３３ リア右側（ＲＲ）ターンシグナルランプ（車載負
荷） ３５ 第６のトランジスタ（負荷駆動制御手段） ３７ 左側ターンシグナルランプ用コラムスイッチ（操
作入力手段） ３９ 右側ターンシグナルランプ用コラムスイッチ（操
作入力手段） Ｂ バッテリ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B60R 16/02 660 B60Q 1/00

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の各所に分散して配設される複数の
   車載負荷と、 当該複数の車載負荷に対応付けて設けられる複数の操作
   入力手段と、 当該複数の操作入力手段からの操作入力に応じて発生さ
   れる、前記複数の車載負荷を駆動制御する旨の負荷駆動
   制御信号にしたがって、当該複数の車載負荷の各々をそ
   れぞれ駆動制御する複数の負荷駆動制御手段と、 前記操作入力手段と前記負荷駆動制御手段のうち少なく
   ともいずれか一方を、それぞれ複数分散接続して構成さ
   れる複数の多重制御ユニットと、 当該複数の多重制御ユニット間を、多重化された前記負
   荷駆動制御信号を伝送する如く接続する多重信号伝送路
   と、 前記複数の多重制御ユニット間を、前記複数の車載負荷
   のうち、共通属性の車載負荷間で共用される同期信号を
   伝送する如く接続する同期信号伝送路と、 を含んで構成され、前記負荷駆動制御信号を入力した多重制御ユニットは、
   駆動対象となる車載負荷が、他の車載負荷と協調関係を
   要する共通属性の車載負荷であり、かつ複数の多重制御
   ユニットにそれぞれ分散して属しているかを内容とする
   協調条件を満足するか否かを判定し、 協調条件を満足すると判定された場合には、駆動対象と
   なる車載負荷の種類毎にあらかじめ設定記憶されてい
   る、共通属性の車載負荷間で共用される同期信号を読み
   出して、前記負荷駆動制御信号と共に前記複数の多重制
   御ユニットへ伝送し、 前記複数の多重制御ユニットのうち、自身に接続される
   前記負荷駆動制御手段を宛先とする前記負荷駆動制御信
   号及び前記同期信号を受けた多重制御ユニットの各々
   は、 自身及びその他の多重制御ユニットとの間で協調関係を
   維持した状態で、前記同期信号に従うタイミングをもっ
   て、前記負荷駆動制御信号を前記共通属性の車載負荷に
   対応する負荷駆動制御手段へそれぞれ供給し、 前記共通属性の車載負荷に対応する負荷駆動制御手段の
   各々は、 当該共通属性の車載負荷の各々を、同期が維持された状
   態でそれぞれ駆動制御することを特徴とする車載負荷同
   期駆動制御システム。
2. 【請求項２】 前記共通属性の車載負荷は、ターンシグ
   ナルランプであることを特徴とする請求項１に記載の車
   載負荷同期駆動制御システム。
3. 【請求項３】 前記共通属性の車載負荷は、ハザードラ
   ンプであることを特徴とする請求項１に記載の車載負荷
   同期駆動制御システム。
4. 【請求項４】 前記複数の多重制御ユニットのうち、自
   身に接続される負荷駆動制御手段を宛先とする負荷駆動
   制御信号及び同期信号を受けた多重制御ユニットであっ
   て、任意の１つのマスタとして機能する多重制御ユニッ
   トは、 その他のスレーブとして機能する多重制御ユニットを配
   下において、各スレーブ多重制御ユニットの動作管理を
   行うことにより、自身及びその他の多重制御ユニットと
   の間で協調関係を維持することを特徴とする請求項１に
   記載の車載負荷同期駆動制御システム。