JP3455301B2 - Cadシステムにおける形状修正装置および方法 - Google Patents

Cadシステムにおける形状修正装置および方法

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JP3455301B2
JP3455301B2 JP24495394A JP24495394A JP3455301B2 JP 3455301 B2 JP3455301 B2 JP 3455301B2 JP 24495394 A JP24495394 A JP 24495394A JP 24495394 A JP24495394 A JP 24495394A JP 3455301 B2 JP3455301 B2 JP 3455301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,CAD(Computer Aided Des
ign )システムにおける形状修正装置および方法,CA
Dシステムにおける不連続点修正装置および方法,なら
びにCADシステムにおける尖点修正装置および方法に
関する。
【0002】
【背景技術】CADシステム上では,直線(線分),自
由曲線等の図形要素(部品,幾何要素またはセグメント
とも呼ばれる)を複数組合わせることによって様々な製
品の図面を描くことができる。
【0003】CADシステム上で作成された図面は,複
数の図形要素によって構成されるため,相互に近接する
一の図形要素の端点(始点または終点)と他の図形要素
の端点とが繋がっていない場合がある(これらの相互に
接続されていない近接する複数の点を不連続点とい
う)。また一の図形要素の端点と他の図形要素の端点と
が一致する点(共有端点)において一の図形要素と他の
図形要素とが滑らかに接続されず尖った形状となること
がある(この尖った部分の先端を尖点という)。これら
の不連続点および尖点は,設計者が意匠上そのように意
図したものと,何らかの誤りにより生じたものとがあ
る。設計者は,図面の作成が完了した後に,誤りに起因
する不連続点および尖点があるかどうかを検査し,その
ようなものがあれば,これを修正しなければならない。
【0004】このよな設計上のまたは操作上の誤り等に
より生じた不連続点の修正として次のような方法が提案
されている。その一の方法においては,設計者が作成し
た図面から不連続点が自動的に抽出され,抽出された不
連続点を表す座標データの一覧表が作成され,表示装置
に表示される。設計者は表示装置に表示された一覧表の
中から不連続点を1つずつ選択する。設計者が一覧表か
ら不連続点を選択すると,選択された不連続点が表示装
置に拡大表示される。設計者はこの拡大表示された不連
続点の表示画面を見ながら不連続点を修正する(たとえ
ば,特開平4-186478号公報)。他の方法においては,不
連続点の検出が行われ,検出された不連続点のそれぞれ
について,接続されるべき相互の相手方を示す方向が矢
印で示される(たとえば特開平4-304565号公報)。
【0005】しかしながら,前者の方法においては,設
計者が不連続点を一覧表から一つずつ選択して不連続点
を修正しなければならないので作業が煩雑であり,作業
時間も長くかかる。後者の方法では,接続されるべき相
手方の不連続点の方向を示した矢印が表示されるだけで
あり,分かりにくい。また不連続点の自動的修正は行わ
れない。
【0006】また,すべての不連続点および尖点を自動
的に修正するようにしたとすると,意図的に形成された
不連続点や尖点も修正されてなくなってしまうおそれが
ある。また,不連続点が修正されることによって新たな
尖点が生じることがありうる。
【0007】
【発明の開示】この発明は,CADシステムによって作
成された製品図面,配線パターン等を含む図面,または
他のシステムによって作成された図面において発生した
不連続点や尖点を設計者に負担をかけずに簡単に,かつ
設計者が修正を望むもののみを修正できる形状修正装置
および方法を提供することを目的としている。
【0008】この発明は不連続点および尖点の両方を修
正できる装置および方法を提供している。この形状修正
装置は,図面を構成する複数の図形要素に関するデータ
を含むCADデータ・ファイルを記憶するCADデータ
・ベース,および上記CADデータ・ベースに記憶され
たCADデータ・ファイル内のデータによって表される
図面を表示画面上に表示する表示装置を備えたCADシ
ステムにおいて,上記CADデータ・ベースに記憶され
たCADデータ・ファイルを参照して,一の図形要素の
端点と他の図形要素の端点との距離に基づいて不連続点
を検出し,検出した不連続点を含む所定の範囲の拡大画
像を上記表示装置の表示画面上に表示し,上記不連続点
の修正が指示されると上記一の図形要素の端点と上記他
の図形要素の端点とを接続する不連続点修正手段,なら
びに上記CADデータ・ベースに記憶されたCADデー
タ・ファイルを参照して,一の図形要素の端点と他の図
形要素の端点とが一致する共有端点を検出し,検出した
共有端点における上記一の図形要素の単位接線ベクトル
と上記他の図形要素の単位接線ベクトルとに基づいてそ
の共有端点が尖点かどうかを検出し,検出した尖点を含
む所定の範囲の拡大画像を上記表示装置の表示画面上に
表示し,上記尖点の修正が指示されると上記尖点におい
て上記一の図形要素と上記他の図形要素とが滑らかにな
るように接続する尖点修正手段を備えている。
【0009】この発明によるCADシステムにおける形
状修正方法は,図面を構成する複数の図形要素に関する
データを含むCADデータ・ファイルを記憶するCAD
データ・ベース,および上記CADデータ・ベースに記
憶されたCADデータ・ファイル内のデータによって表
される図面を表示画面上に表示する表示装置を備えたC
ADシステムにおいて,上記CADデータ・ベースに記
憶されたCADデータ・ファイルを参照して,一の図形
要素の端点と他の図形要素の端点との距離に基づいて不
連続点を検出し,検出した不連続点を含む所定の範囲の
拡大画像を上記表示装置の表示画面上に表示し,上記不
連続点の修正が指示されると上記一の図形要素の端点と
上記他の図形要素の端点とを接続し,上記CADデータ
・ベースに記憶されたCADデータ・ファイルを参照し
て,一の図形要素の端点と他の図形要素の端点とが一致
する共有端点を検出し,検出した共有端点における上記
一の図形要素の単位接線ベクトルと上記他の図形要素の
単位接線ベクトルとに基づいてその共有端点が尖点かど
うかを検出し,検出した尖点を含む所定の範囲の拡大画
像を上記表示装置の表示画面上に表示し,上記尖点の修
正が指示されると上記尖点において上記一の図形要素と
上記他の図形要素とが滑らかになるように接続するもの
である。
【0010】CADデータ・ベースに記憶されたCAD
データ・ファイル内のデータによって表される図面が表
示装置の表示画面上に表示される。
【0011】一の図形要素の端点と他の図形要素の端点
との距離に基づいて不連続点が検出される。不連続点が
検出されると,その不連続点を含む所定の範囲の画像が
自動的に表示画面上に拡大表示される。設計者は,拡大
表示された不連続点の表示画面を見て,その不連続点が
何らかの誤りにより生じたものか,また設計者により意
図的に作成されたものかを判断する。何らかの誤りによ
り生じたものであり,修正が必要であると判別すると,
設計者は,その不連続点の修正を指示する。不連続点の
修正が指示されると上記一の図形要素の端点と上記他の
図形要素の端点とが自動的に接続される。
【0012】一の図形要素の端点と他の図形要素の端点
とが一致する共有端点が検出され,その共有端点におけ
る上記一の図形要素の単位接線ベクトルと上記他の図形
要素の単位接線ベクトルとに基づいてその不連続点が尖
点かどうかが検出される。尖点が検出されると,その尖
点を含む所定の範囲の画像が自動的に表示画面上に拡大
表示される。設計者は,拡大表示された尖点の表示画面
を見て,その尖点が何らかの誤りにより生じたものか,
また設計者により意図的に作成されたものかを判断す
る。何らかの誤りにより生じたものであり,修正が必要
であると判別すると,設計者は,その尖点の修正を指示
する。尖点の修正が指示されると,上記尖点において上
記一の図形要素と上記他の図形要素とが滑らかになるよ
うに自動的に接続される。
【0013】検出された不連続点および尖点を含む領域
が表示画面上に拡大表示される。したがって,設計者は
この拡大表示を見て修正すべきものかどうかを判断する
ことができる。従来のように一覧表の中から修正すべき
不連続点を選択する必要がなく,表示画面を一瞥するだ
けで存在する不連続点または尖点を認識することがで
き,修正すべきかどうかを即時に判別できる。また,設
計者が修正を指示した不連続点および尖点のみが修正さ
れるので,設計者が意図する不連続点および尖点は無修
正のまま残しておくことができる。
【0014】この発明においては,まず不連続点の修正
が行われる。その後,尖点の修正が行われる。不連続点
の修正によって尖点が生じる可能性があり,そのような
尖点も含めて修正することができる。
【0015】この発明は,不連続点の検出と所望の不連
続点の修正が可能な装置および方法を提供している。こ
の発明による不連続点修正装置は,図面を構成する複数
の図形要素に関するデータを含むCADデータ・ファイ
ルを記憶するCADデータ・ベース,および上記CAD
データ・ベースに記憶されたCADデータ・ファイル内
のデータによって表される図面を表示画面上に表示する
表示装置を備えたCADシステムにおいて,上記CAD
データ・ベースに記憶されたCADデータ・ファイルを
参照して,一の図形要素の端点と他の図形要素の端点と
の距離に基づいて不連続点を検出し,検出した不連続点
を含む所定の範囲の拡大画像を上記表示装置の表示画面
上に表示し,上記不連続点の修正が指示されると上記一
の図形要素の端点と上記他の図形要素の端点とを接続す
るものである。
【0016】CADデータ・ベースに記憶されたCAD
データ・ファイル内のデータによって表される図面が表
示装置の表示画面上に表示される。
【0017】一の図形要素の端点と他の図形要素の端点
との距離に基づいて不連続点が検出される。不連続点が
検出されると,その不連続点を含む所定の範囲の画像が
自動的に表示画面上に拡大表示される。設計者は,拡大
表示された不連続点の表示画面を見て,その不連続点が
何らかの誤りにより生じたものか,また設計者により意
図的に作成されたものかを判断する。何らかの誤りによ
り生じたものであり,修正が必要であると判別すると,
設計者は,その不連続点の修正を指示する。不連続点の
修正が指示されると上記一の図形要素の端点と上記他の
図形要素の端点とが自動的に接続される。
【0018】検出された不連続点を含む領域が表示画面
上に拡大表示されるので,設計者はこの拡大表示を見て
修正すべきものかどうかを判断することができる。従来
のように一覧表の中から修正すべき不連続点を選択する
必要がなく,表示画面を一瞥するだけで存在する不連続
点を認識することができ,修正すべきかどうかを即時に
判別できる。また,設計者が修正を指示した不連続点の
みが修正されるので,設計者が意図する不連続点は無修
正のまま残しておくことができる。
【0019】この発明による不連続点修正装置の一実施
態様においては,上記CADデータ・ベースに記憶され
たCADデータ・ファイルを参照して,一の図形要素の
端点と他の図形要素の端点との距離に基づいて不連続点
を検出する不連続点検出手段,上記不連続点検出手段に
よって検出された不連続点を含む所定の範囲の拡大画像
を上記表示装置の表示画面上に表示する不連続点表示制
御手段,ならびに上記不連続点の修正が指示されると,
上記一の図形要素の端点と上記他の図形要素の端点とを
接続する不連続点接続手段によって実現される。
【0020】一の図形要素の端点と他の図形要素の端点
との距離に基づいて不連続点が検出される。不連続点が
検出されると,その不連続点を含む所定の範囲の画像が
表示画面上に拡大表示される。設計者は,拡大表示され
た不連続点の表示画面を見て,その不連続点が何らかの
誤りにより生じたものか,また設計者により意図的に作
成されたものかを判断する。何らかの誤りにより生じた
ものであり,修正が必要であると判別すると,設計者
は,その不連続点を修正するためのコマンドを入力す
る。公知のCADシステムには,図形要素をトリミング
する(不連続点を接続する)トリム・コマンドがあり,
このトリム・コマンドが不連続点の修正に利用される。
不連続点を修正するためのトリム・コマンドが入力され
ると,そのトリム・コマンドにしたがって上記一の図形
要素の端点と上記他の図形要素の端点とが接続されるこ
とになる。
【0021】検出された不連続点を含む領域が表示画面
上に拡大表示されるので,設計者はこの拡大表示を見て
修正すべきものかどうかを即時に判別できる。拡大表示
された不連続点が修正すべきものと判別するとトリム・
コマンドを入力する。このトリム・コマンドが入力され
た不連続点のみが修正されるので,設計者は意図する不
連続点は無修正のまま残しておくことができる。
【0022】この発明はまた,尖点の検出とその修正を
行える装置および方法を提供している。この発明による
尖点修正装置は,図面を構成する複数の図形要素に関す
るデータを含むCADデータ・ファイルを記憶するCA
Dデータ・ベース,および上記CADデータ・ベースに
記憶されたCADデータ・ファイル内のデータによって
表される図面を表示画面上に表示する表示装置を備えた
CADシステムにおいて,上記CADデータ・ベースに
記憶されたCADデータ・ファイルを参照して,一の図
形要素の端点と他の図形要素の端点とが一致する共有端
点を検出し,検出した共有端点における上記一の図形要
素の単位接線ベクトルと上記他の図形要素の単位接線ベ
クトルとに基づいてその共有端点が尖点かどうかを検出
し,検出した尖点をを含む所定の範囲の拡大画像を上記
表示装置の表示画面上に表示し,上記尖点の修正が指示
されると上記尖点において上記一の図形要素と上記他の
図形要素とが滑らかになるように接続するものである。
【0023】CADデータ・ベースに記憶されたCAD
データ・ファイル内のデータによって表される図面が表
示装置の表示画面上に表示される。
【0024】一の図形要素の端点と他の図形要素の端点
とが一致する共有端点が検出され,その共有端点におけ
る上記一の図形要素の単位接線ベクトルと上記他の図形
要素の単位接線ベクトルとに基づいてその共有端点が尖
点かどうかが検出される。尖点が検出されると,その尖
点を含む所定の範囲の画像が自動的に表示画面上に拡大
表示される。設計者は,拡大表示された尖点の表示画面
を見て,その尖点が何らかの誤りにより生じたものか,
また設計者により意図的に作成されたものかを判断す
る。何らかの誤りにより生じたものであり,修正が必要
であると判別すると,設計者は,その尖点の修正を指示
する。尖点の修正が指示されると,上記尖点において上
記一の図形要素と上記他の図形要素とが滑らかになるよ
うに自動的に接続される。
【0025】検出された尖点を含む領域が表示画面上に
拡大表示されるので,設計者はこの拡大表示を見て修正
すべきものかどうかを即時に判別できる。また,設計者
が修正を指示した尖点のみが修正されるので,設計者が
意図する尖点は無修正のまま残しておくことができる。
【0026】この発明による尖点修正装置の一実施態様
においては,上記CADデータ・ベースに記憶されたデ
ータを含むCADデータ・ファイルを参照して,一の図
形要素の端点と他の図形要素の端点とが一致する共有端
点を検出し,検出した共有端点における上記一の図形要
素の単位接線ベクトルと上記他の図形要素の単位接線ベ
クトルとに基づいてその共有端点が尖点かどうかを検出
する尖点検出手段,上記尖点検出手段によって検出され
た尖点を含む所定の範囲の拡大画像を上記表示装置の表
示画面上に表示する尖点表示制御手段,上記尖点表示制
御手段によって尖点が拡大表示されると,上記尖点を修
正するかどうかの選択画面を表示する選択画面表示制御
手段,および上記選択画面において尖点の修正が選択さ
れると,上記一の図形要素と上記他の図形要素とがとも
に直線である場合を除いて,上記尖点において上記一の
図形要素と上記他の図形要素とが滑らかになるように接
続する尖点接続手段によって実現される。
【0027】一の図形要素の端点と他の図形要素の端点
とが一致する共有端点が検出され,検出された共有端点
における上記一の図形要素の単位接線ベクトルと上記他
の図形要素の単位接線ベクトルとに基づいてその共有端
点が尖点かどうかが検出される。尖点が検出されると,
その尖点を含む所定の範囲の画像が表示画面上に拡大表
示される。さらに,尖点を修正するかどうかを選択する
選択画面が表示画面上に表示される。設計者は,拡大表
示された尖点の表示画面を見て,その尖点が何らかの誤
りにより生じたものか,また設計者により意図的に作成
されたものかを判断する。何らかの誤りにより生じたも
のであり,修正が必要であると判別すると,設計者は,
その尖点の修正を選択する。上記選択画面において尖点
の修正が選択されると,上記尖点において上記一の図形
要素と上記他の図形要素とが滑らかになるように自動的
に接続される。
【0028】検出された尖点を含む領域が表示画面上に
拡大表示される。したがって,表示画面を一瞥するだけ
で存在する尖点を認識することができ,修正すべきかど
うかを即時に判別できる。また,設計者が修正を指示し
た尖点のみが修正されるので,設計者が意図する尖点は
無修正のまま残しておくことができる。
【0029】
【実施例】
1.概要
【0030】図1は,CAD(Computer Aided Design
)システムの構成を示す機能ブロック図である。
【0031】CADシステム1は,コンピュータ・シス
テム,CADデータ・ベース2,表示装置4および入力
装置5から構成される。コンピュータ・システムの機能
を大別すると,表示処理3,不連続点検出修正処理11お
よび尖点検出修正処理12となる。これらの機能はコンピ
ュータ・ハードウェアとそれを制御するソフトウェアに
より実現される。このうちで,不連続点検出修正処理11
および尖点検出修正処理12は形状修正装置10ということ
ができる。CADシステムには図1に示すもの以外に
も,図面を作成するための処理または装置が含まれ,図
1ではそれらのものについては省略されている。
【0032】CADデータ・ベース2は,CADシステ
ム上で作成された製品図面,配線パターン等の図面に関
するCADデータ・ファイルを記憶するものである。C
ADデータ・ベースは,ディスク・メモリ等により実現
される。
【0033】表示処理3は,CADデータ・ベース2に
記憶されたCADデータ・ファイルを参照して図面を表
した画像(表示画面)を表示装置4に表示させるもので
ある。表示処理3は複数枚の表示画面(ウインドウ)を
同時にまたは切替えて表示させることもできる。
【0034】入力処置5は,コマンド,文字列等を入力
するキーボードによって実現される。入力装置5には,
キーボードに加えてマウス等のポインティング・デバイ
スを含めてもよい。
【0035】不連続点検出修正処理11および尖点検出修
正処理12について簡単に説明する。
【0036】不連続点検出修正処理11は,図面を構成す
る2つの図形要素の端点の距離に基づいて,2つの図形
要素の端点が繋がっていない不連続点を検出し,検出し
た不連続点を含む領域を拡大した不連続点拡大画面を表
示処理3により表示装置4に表示させる。その後,不連
続点検出修正処理11は,表示された不連続点を修正する
コマンドが設計者により入力装置5から入力されると,
そのコマンドにしたがって不連続点を修正する。
【0037】尖点検出修正処理12は,図面を構成する2
つの図形要素の端点が一致する共有端点を検出し,検出
された共有端点において2つの図形要素の単位接線ベク
トルに基づいてその共有端点が尖点であるかどうかを判
断し,共有端点が尖点であると判定するとその尖点を含
む領域を拡大した尖点拡大画面を表示処理3により表示
装置4に表示させる。さらに,その尖点を修正するかど
うかの選択画面を表示処理3により表示装置4に表示さ
せる。その後,選択画面にしたがって尖点の修正が設計
者によって選択されると,検出した尖点を修正する。尖
点の修正は,2つの図形要素が共に直線である場合を除
いて,あらかじめ決められた接続方法によって,2つの
図形要素を滑らかに接続することにより尖点を修正す
る。
【0038】尖点検出修正処理12は,不連続点検出修正
処理11が不連続点を修正することによって尖点が生じる
ことがあるので,不連続点の修正が終了したのちに尖点
の修正を行う。
【0039】2.CADデータ・ファイル
【0040】図2は,設計者によって作成された製品図
面の一例を示す。図3は,CADデータ・ベース2に記
憶されたCADデータ・ファイルの一例である。図3
は,図2に示す製品図面に関するCADデータ・ファイ
ルである。
【0041】CADシステムは,図形要素(幾何要素,
セグメントまたは部品と呼ばれる)の客観的記述,図形
要素に対する処理および解析等を高速に行うため図形要
素を数学的に記述しており,CADデータ・ファイルは
自己のシステムに固有のデータ形式で記述される。図3
では製品図面の図形要素に関する座標データのみが示さ
れている。
【0042】製品図面は,直線と,自由曲線(3次ベジ
ェ曲線)により表される。自由曲線は3次ベジェ曲線に
限らず,高次(4次以上)のベジェ曲線が用いられるこ
とがあり,ベジェ曲線以外に有理Bスプライン曲線等が
用いられることがある。この実施例では図形要素が自由
曲線が3次ベジェ曲線の場合に不連続点,尖点の修正に
ついて説明するが,高次のベジェ曲線にも3次ベジェ曲
線と同様に適用できる。自由曲線がBスプライン曲線等
の場合にも応用することができる。
【0043】直線は,始点と終点の2つの座標データに
よって規定される。要素番号がkの始点および終点の座
標をそれぞれ,Si =(Si,x ,Si,y )およびTi =
(Ti,x ,Ti,y )で表す。
【0044】たとえば,図3に示すCADデータ・ファ
イルの例では,要素1については座標データの上から順
に,S1 =(S1,x ,S1,y )=(118.0816,203.921
6),T1 =(T1,x ,T1,y )=(116.9462,213.420
1)である。
【0045】3次ベジェ曲線は,4個の制御点によって
規定される。3次ベジェ曲線を表す3次ベジェ関数P
(t) は,一般に次式によって表される。ただし,P(t)
=(x,y)である。
【0046】
【数1】
【数2】
【0047】式(1) において,Qi,k (k=0〜3)は
3次ベジェ曲線を規定する制御点である。ここで,Qi,
k =(Qi,k,x ,Qi,k,y )である。3次ベジェ曲線は
4個の制御点によって規定される。tはベジェ曲線上の
点を与えるパラメータである。
【0048】また,式(2) において,Bk,3(t) は3次
Berstein基底関数(Bernstein Basis Function)であ
る。ベジェ曲線については,その始点および終点がそれ
ぞれ制御点Qi,0 およびQi,3 に一致するという性質が
ある。
【0049】たとえば,図3に示すCADデータ・ファ
イルの例では,要素2については座標データの上から順
に,Q2,0 =(2,0,x ,Q2,0,y )=(118.0816,203.
9216),Q2,1 =(Q2,1,x ,Q2,1,y )=(118.974
5,202.8283),Q2,2 =(Q2,2,x ,Q2,2,y )=(1
20.7360,199.1966),Q2,3 =(Q2,3,x ,Q2,3,y)
=(121.8237,196.9541)である。
【0050】図4は,CADデータ・ベース2に記憶さ
れたCADデータ・ファイルを参照して,表示処理3に
よって表示装置4に表示された製品図面表示画面Wb の
一例である。図4は,図3に示すCADデータ・ファイ
ルについての製品図面の表示画面である。
【0051】3.不連続点の検出および修正
【0052】図5,図6および図7は,不連続点検出修
正処理11における不連続点の検出処理の手順を示すフロ
ー・チャートである。ここで,Nは図形要素の総数であ
る。
【0053】不連続点は,異なる2つの要素iと要素j
(i≠j)について,始点Si と始点Sj ,S始点i と
終点Tj ,終点Ti と始点Sj および終点Ti と終点T
j のそれぞれの距離に基づいて検出される。
【0054】CADデータ・ベース2に記憶されたCA
Dデータ・ファイルから各図形要素の始点および終点の
座標データが読出され,不連続点の検査用テーブルが作
成される(ステップ30)。図形要素が直線の場合には2
つの始点Si および終点Tiの座標データが読出され,
図形要素が3次ベジェ曲線の場合には制御点Qi,0 およ
び制御点Qi,3 の座標データが読出され,それぞれ始点
Si および終点Ti として検査用テーブルが作成され
る。作成された検査用テーブルは不連続点検出修正処理
11内に記憶される。CADデータ・ベース2へのアクセ
スに時間がかかるため,不連続点検出修正処理11内に検
査用テーブルを記憶しておき,CADデータ・ベース2
へのアクセス回数,すなわち,総アクセス時間を短縮す
ることで,処理時間を短縮できる。
【0055】図8は,不連続点の検査用テーブルの一例
を示す。図8は,図3に示すCADデータ・ファイルに
ついて作成された検査用テーブルである。
【0056】要素番号iが1に初期化され(ステップ3
1),要素番号jが(i+1)に設定される(ステップ3
2)。異なる要素iとjのすべての組合わせについて不
連続点の検査が行われる。
【0057】要素iの始点Si と要素jの始点Sj との
距離dssが次式によって算出される(ステップ33)。
【0058】 dss={(Si,x −Sj,x)2 + (Si,y −Sj,y)2 }1/2 …(3)
【0059】距離dssが不連続点の判定条件(0<dss
≦Thn)を満たすかどうかが判断される(ステップ3
4)。ここで,Thnは不連続点を検出するための不連続
点判定閾値である。
【0060】不連続点は異なる2つの要素の端点が繋が
っていないということから,異なる2つの要素の端点の
距離(dss)が「0」より大きいと,それらの端点を不
連続点として検出する。しかし,端点の距離が不連続点
閾値Thnより大きい場合には,不連続点として検出しな
い。これは,たとえば図9に示す四角形の要素1と3,
または要素2と4のように,異なる2つの要素が接して
いなときには,明らかに端点間の距離は「0」となり,
単に端点間の距離(dss)が「0」より大きいという条
件では,それらを不連続点として検出してしまうからで
ある。このため,不連続点の判定条件を,「0<dss≦
Thnとした(後述する距離dst,dts,dttについても
同様である)。
【0061】上述の不連続点判定閾値Thnは,以下のよ
うにして決定される。
【0062】CADデータ・ファイルに含まれるすべて
の図形要素についてその長さLi を算出する。この長さ
Li は図形要素が3次ベジェ曲線と直線とでは算出方法
が異なる。
【0063】3次ベジェ曲線の場合,その長さを容易に
算出できないので,図10を参照して,長さLi を次のよ
うにして算出する。3次ベジェ曲線に外接する矩形を求
める。すなわち,3次ベジェ曲線のX座標の最大値Xma
x と最小値Xmin ,Y座標の最大値Ymax と最小値Ymi
n を求める。この外接長方形のX軸方向の辺の長さ(X
max −Xmin )と,Y軸方向の辺の長さ(Ymax −Ymi
n )を算出する。外接矩形の長い辺の長さを3次ベジェ
曲線の長さLi とする。すなわち,長さLi は次式で表
される。
【0064】 Li =max(Xmax −Xmin ,Ymax −Ymin ) …(4)
【0065】図10(A) に示す3次ベジェ曲線はX軸方向
の外接矩形の辺の長さ(Li =Xmax −Xmin )にな
り,図10(B) に示す3次ベジェ曲線はY軸方向の外接矩
形の辺の長さ(Li =Ymax −Ymin )になる。
【0066】直線の場合,要素iの長さLi を次式によ
り算出する。
【0067】 Li =((Ti,x −Si,x )2+ (Ti,y −Si,y)2)1/2 …(5)
【0068】図11は直線の図形要素を示す。図11(A) は
直線が水平(X軸に平行)であり,図11(B) は直線は垂
直(Y軸に平行)であり,図11(C)は直線が傾斜してい
る。
【0069】このようにして,各要素の長さLi を算出
すると,それらの中の長さLi の最小値Lmin を求め
る。すなわち,最小値Lmin は次式で表される。
【0070】 Lmin =min Li …(6)
【0071】この最小値Lmin に係数n(0<n<1)
を掛け,不連続点判定閾値Thnを算出する。すなわち,
不連続点判定閾値Thnは次式で表される。
【0072】 Thn=Lmin ×n …(7)
【0073】係数nは,図形要素の入り組み方(図形要
素の形状の複雑さ)に応じて設定される。たとえばn=
0.60である。
【0074】このようにして,不連続点判定閾値Thnが
算出される。この閾値Thnは設計者が設計図面の形状に
応じて設定してもよい。
【0075】距離dssが不連続点の判定条件を満たすと
(ステップ34でYES ),要素iの始点Si と要素jの始
点Sj とについて,後述する不連続点の接続処理が行わ
れる(ステップ35)。
【0076】距離dssが不連続点の判定条件を満たさな
なければ(ステップ34でNO),要素iの始点Si と要素
jの終点Tj との距離dstが次式によって算出される
(ステップ36)。
【0077】 dst={(Si,x −Tj,x)2 + (Si,y −Tj,y)2 }1/2 …(8)
【0078】距離dstが不連続点の判定条件(0<dst
≦Thn)を満たすかどうかが判断される(ステップ3
7)。距離dstが不連続点の判定条件を満たすと(ステ
ップ37でYES ),要素iの始点Si と要素jの終点Tj
とについて不連続点の接続処理が行われる(ステップ3
8)。
【0079】距離dstが不連続点の判定条件を満たさな
なければ(ステップ37でNO),要素iの終点Ti と要素
jの始点Sj との距離dtsが次式によって算出される
(ステップ39)。
【0080】 dts={(Ti,x −Sj,x)2 + (Ti,y −Sj,y)2 }1/2 …(9)
【0081】距離dtsが不連続点の判定条件(0<dts
≦Thn)を満たすかどうかが判断される(ステップ4
0)。距離dtsが不連続点の判定条件を満たすと(ステ
ップ40でYES ),要素iの始点Si と要素jの終点Tj
とについて不連続点の接続処理が行われる(ステップ4
1)。
【0082】距離dtsが不連続点の判定条件を満たさな
なければ(ステップ40でNO),要素iの終点Ti と要素
jの終点Tj との距離dttが次式によって算出される
(ステップ42)。
【0083】 dtt={(Ti,x −Tj,x)2 + (Ti,y −Tj,y)2 }1/2 …(10)
【0084】距離dssが不連続点の判定条件(0<dss
≦Thn)を満たすかどうかが判断される(ステップ4
3)。距離dstが不連続点の判定条件を満たすと(ステ
ップ43でYES ),要素iの始点Si と要素jの終点Tj
とについて不連続点の接続処理が行われる(ステップ4
4)。
【0085】距離dttが不連続点の判定条件を満たさな
なければ(ステップ44でNO),jがインクリメントされ
(ステップ45),新たなjについてステップ33〜45の不
連続点の検出処理が行われる。
【0086】jについて(i+1)からNまで不連続点
の検出処理が繰返し行われる(ステップ46)。jが(N
+1)になると(ステップ46でNO),iがインクリメン
トされ(ステップ47),新たなiについてステップ32〜
46の不連続点の検出処理が繰返し行われる(ステップ4
8)。iがNになると(ステップ48でNO),不連続点検
出修正処理11は処理を終了する。このようにして,すべ
ての要素について,2つの要素の始点または終点との間
で不連続点の検査が行われたことになる。
【0087】不連続点の検出は,異なる2つの図形要素
の端点の距離(式(3) ,(8) ,(9),(10))に基づいて
行ったが,x座標およびy座標についてそれぞれの差に
基づいて判定してもよい。
【0088】図12,図13は,ステップ35,38,41および
44における不連続点の接続処理の手順を示すフロー・チ
ャートである。
【0089】不連続点が検出されると,2つの要素iお
よび要素jについてのすべての座標データが,CADデ
ータ・ベース2に記憶されたCADデータ・ファイルか
ら読出される(ステップ51)。図形要素が直線の場合に
は直線の始点,終点の座標データが読出され,図形要素
が3次ベジェ曲線の場合には4個の制御点の座標データ
が読出される。
【0090】たとえば,図4に示す例では,要素11の始
点S11と要素12の終点T12が不連続点であると判定され
ると,要素11と要素12の座標データが図3に示すCAD
データ・ファイルから読出されることになる。
【0091】不連続点であると判定された2つの座標デ
ータに基づいて,表示装置14に拡大表示する不連続点拡
大画面Wncに関するウインドウ・データが作成される
(ステップ52)。
【0092】不連続点拡大画面Wncのウインドウの表示
領域は,図14に示すように,2つの対角点G1 およびG
2 によって規定される矩形である。この矩形は,不連続
点であると判定された2つの端点に内接する矩形にx方
向にδx ,y方向にδy だけ大きい矩形である。不連続
点であると判定された2つの端点の座標データのうち,
x座標の最小値をxmin ,最大値をxmax とし,y座標
の最小値をymin ,最大値をymax とすると,2つの対
角点G1 =(G1,x ,G1,y )およびG2 =(G2,x ,
G2,y )は,次式によって決定される。
【0093】 G1,x =xmin −δx …(11) G1,y =ymin −δy …(12) G2,x =xmax +δx …(13) G2,y =ymax +δy …(14) ここで,δx ,δy は,たとえばδx =δy =100dotで
ある。
【0094】たとえば,図4に示す例では,要素11の始
点S11=(125.7154,047.7502)と要素12の終点T12=
(129.2432,047.7502)が不連続点であるから,これら
の座標データのx座標の最小値がxmin =125.7154であ
り,x座標の最大値がxmax=129.2423であり,y座標
の最小値と最大値は共にymin =ymax =047.7502であ
る。
【0095】2つの点G1 およびG2 の座標データがウ
インドウ・データとして不連続点検出修正処理11から表
示処理3に与えられる。
【0096】表示処理3は,不連続点検出修正処理11か
ら与えられるウインドウ・データに基づいて不連続点拡
大画面Wncを,CADデータ・ベース2に記憶されたC
ADデータ・ファイルを参照して表示装置4に表示する
(ステップ52)。不連続点拡大画面Wncは,製品図面表
示画面Wb 上に表示される。製品図面表示画面Wb を消
去して,不連続点拡大画面Wncのみを表示してもよい。
【0097】図15は図4に示す製品図面表示画面Wb に
対応する不連続点拡大画面Wncである。図15は図4に示
すWncの領域である。不連続点拡大画面Wncは,図16に
示すように,表示装置4に表示された製品図面表示画面
Wb 上に表示される。
【0098】設計者は,表示装置4に表示された不連続
点拡大画面Wncを見て,表示された不連続点が操作上の
誤りによるものであると,その不連続点を接続する必要
があるので,その不連続点を修正するコマンドを入力装
置5から入力する。3以上の図形要素の端点が一箇所に
集中しているような場合にはそれらの図形要素の端点を
接続する方法が複数通り存在することがあるからであ
る。不連続点の修正は,設計者がコマンドを入力する代
わりに,検出された不連続点について起こりうるすべて
の接続方法を接続選択画面に表示し,その接続選択画面
にしたがって設計者が所望の接続方法を選択するように
してもよい。
【0099】公知のCADシステムにおいては図形編集
機能があり,この図形編集機能に含まれるコマンドを利
用して不連続点の修正を行う。図形編集機能には図形要
素の形状を修正する形状修正機能,図形要素の位置を移
動させる移動機能,図形要素を削除する削除機能等があ
る。形状修正機能には,指定される図形要素について延
長または短縮するトリム,2つの図形要素について曲線
または直線で面取りするフィレットおよび指定される図
形要素を切断するカットがある。不連続点の修正にはト
リムを行うトリム・コマンドが用いられ,設計者によっ
て指定される図形要素が延長されることにより,不連続
点が修正される。
【0100】入力装置5からコマンドが入力されると
(ステップ54でYES ),不連続点検出修正処理11は入力
されたコマンドがトリム・コマンドであるかどうかを判
断する(ステップ55)。
【0101】入力されたコマンドがトリム・コマンドで
あれば(ステップ55でYES ),入力されたトリム・コマ
ンドにしたがって不連続点が修正される(ステップ5
6)。
【0102】不連続点が修正されると,CADデータ・
ベース2に記憶されたCADデータ・ファイルについ
て,修正された図形要素の座標データが更新される(ス
テップ57)。不連続点検出修正処理11内に記憶された検
査用テーブルについてもCADデータ・ファイルと同様
に,修正された図形要素の座標データが更新される(ス
テップ58)。
【0103】その後,不連続点検出修正処理11は不連続
点拡大画面Wncの消去を表示処理4に指示し,表示処理
3は表示装置4に表示した不連続点拡大画面Wncを消去
し,製品図面表示画面Wb を表示装置4に表示させる
(ステップ59)。不連続点が修正されたときには,その
不連続点が修正された製品図面を表した製品図面表示画
面Wb が表示装置4に表示される。
【0104】ステップ55において入力されたコマンドが
トリム・コマンドでない場合(ステップ55でNO)には形
状修正を行わず,不連続点検出修正処理11は不連続点拡
大画面Wncの消去を表示処理4に指示し,表示処理3は
表示装置4に表示した不連続点拡大画面Wncを消去し,
製品図面表示画面Wb を表示装置4に表示させる(ステ
ップ59)。不連続点検出修正処理11は再び,不連続点の
検出処理に移ることになる。
【0105】たとえば,図4に示す例では,要素11の始
点S11と要素12の終点T12が不連続点であり,要素11の
始点S11が要素12の終点T12の位置まで延長させること
により,不連続点が修正される。図17は図4に示す製品
図面について不連続点が修正された製品図面表示画面W
b であり,図18は図16に示す製品図面のCADデータ・
ファイルである。図18に示すCADデータ・ファイルの
要素11の始点S11が(125.7154,047.7502)から(129.
2432,047.7502)に変更されている。
【0106】以上のようにして,不連続点が修正され
る。
【0107】4.尖点の検出および修正
【0108】図19,図20および図21は,尖点検出修正処
理12における共有端点の検出処理の全体的な手順を示す
フロー・チャートである。
【0109】尖点は,要素iと要素j(i≠j)につい
て,始点Si と始点Sj ,始点Siと終点Tj ,終点Ti
と始点Sj および終点Ti と終点Tj が一致する共有
端点を検出し,検出された共有端点における2つの図形
要素の単位接線ベクトルの内積に基づいて尖点が検出さ
れる。
【0110】まず,不連続点の検出の場合と同様に,C
ADデータ・ベース2に記憶されたCADデータ・ファ
イルから各図形要素の始点,終点の座標データが読出さ
れ,尖点の検査用テーブルが作成される(ステップ6
0)。
【0111】図22は,尖点の検査用テーブルの一例を示
す。図22は,図18に示すCADデータ・ファイルについ
て作成された検査用テーブルである。
【0112】要素番号iが1に初期化され(ステップ6
1),要素番号jを(i+1)に設定する(ステップ6
2)。異なる要素i,jのすべての組合わせについて共
有端点の検査が行われる。
【0113】要素iの始点Si と要素jの始点Sj とが
一致するかどうかが判断される(ステップ63)。要素i
の始点Si と要素jの始点Sj とが一致すると(ステッ
プ63でYES ),要素iの始点Si と要素jの始点Sj と
について,後述する尖点の判定処理および修正処理が行
われる(ステップ64)。
【0114】要素iの始点Si と要素jの始点Sj とが
一致しなければ(ステップ63でNO),要素iの始点Si
と要素jの終点Tj とが一致するかどうかが判断される
(ステップ65)。要素iの始点Si と要素jの終点Ti
とが一致すると判定すると(ステップ65でYES ),要素
iの始点Si と要素jの終点Tj とについて尖点の判定
処理および修正処理が行われる(ステップ66)。
【0115】要素iの始点Si と要素jの終点Tj とが
一致しなければ(ステップ65でNO),要素iの終点Ti
と要素jの始点Sj とが一致するかどうかが判断される
(ステップ67)。要素iの終点Ti と要素jの始点Sj
とが一致すると判定すると(ステップ67でYES ),要素
iの始点Ti と要素jの終点Sj とについて尖点の判定
処理および修正処理が行われる(ステップ68)。
【0116】要素iの終点Ti と要素jの始点Sj とが
一致しなければ(ステップ67でNO),要素iの終点Ti
と要素jの終点Tj とが一致するかどうかが判断される
(ステップ69)。要素iの終点Ti と要素jの終点Tj
とが一致すると判定すると(ステップ69でYES ),要素
iの終点Ti と要素jの始点Tj とについて尖点の判定
処理および修正処理が行われる(ステップ70)。
【0117】要素iの終点Ti と要素jの終点Tj とが
一致しなければ(ステップ69でNO),jがインクリメン
トされ(ステップ71),新たなjについてステップ63〜
71の共有端点の検出処理が行われる。
【0118】jについて(i+1)からNまで共有端点
の検出処理が繰返し行われる(ステップ72)。jが(N
+1)になると(ステップ72でNO),iがインクリメン
トされ(ステップ73),新たなiについてステップ62〜
73の共有端点の検出処理が繰返し行われる(ステップ7
4)。iがNになると(ステップ74でNO),尖点検出修
正処理12は処理を終了する。
【0119】図23,図24および図25は,ステップ64,6
6,68および70における尖点の判定処理および修正処理
の手順を示すフロー・チャートである。
【0120】共有端点であると判定されると(ステップ
63,65,67または69でYES ),2つの要素i,jに関す
るすべての座標データが,CADデータ・ベース2に記
憶されたCADデータ・ファイルから読出される(ステ
ップ81)。図形要素が直線の場合には直線の始点,終点
の2個の座標データが読出され,図形要素が3次ベジェ
曲線の場合には4個の制御点の座標データが読出され
る。
【0121】たとえば,図17に示す例では,要素1の始
点S1 と要素2の始点S2 とが(118.0816,203.9216)
で一致するから,これらの要素1の始点S1 と要素2の
始点S2 とは共有端点である。これらの2つの要素1,
2に関するすべての座標データが読出されることにな
る。
【0122】共有端点が尖点であるかどうかを判定する
ために,共有端点における要素iの単位接線ベクトルE
i および要素jの単位接線ベクトルEj が算出される
(ステップ82)。
【0123】図26は,単位接線ベクトルの算出処理の手
順を示すフロー・チャートである。尖点検出修正処理12
は,要素i,jのそれぞれについて単位接線ベクトルE
i ,Ej を算出する。要素iの単位接線ベクトルEi の
算出について以下に説明する。
【0124】要素iが直線であるかどうかが判断される
(ステップ101 )。座標データが2個あるときは要素i
は直線であると判定され,座標データが4個あるときは
要素iは3次ベジェ曲線であると判定される。
【0125】要素iが直線であると判定されると(ステ
ップ101 でYES ),終点Ti と始点Si を用いて,単位
接線ベクトルEi =(Ei,x ,Ei,y )が次式で算出さ
れる(ステップ103 )。
【0126】
【数3】
【数4】
【0127】ステップ101 において,要素iが直線でな
い,すなわち,要素iが3次ベジェ曲線である場合には
(ステップ101 でNO),共有端点が3次ベジェ曲線の始
点Qi,0 であるかがどうかが判断される(ステップ102
)。
【0128】共有端点が3次ベジェ曲線の始点(Qi,0
)であると判定されると(ステップ102 でYES ),制
御点Qi,0 とQi,1 を用いて,単位接線ベクトルEi が
次式で算出される(ステップ104 )。
【0129】
【数5】
【数6】
【0130】共有端点が3次ベジェ曲線の終点(Qi,3
)である場合には(ステップ102 でYES ),制御点Q
i,3 とQi,2 を用いて次式で単位接線ベクトルが算出さ
れる(ステップ105 )。
【0131】
【数7】
【数8】
【0132】このようにして,共有端点における要素i
の単位接線ベクトルEi が算出される。要素jの単位接
線ベクトルEj についても,要素iと同様に算出するこ
とができる。
【0133】たとえば,図17に示す例では,要素1の始
点S1 と要素2の始点S2 とが共有端点であるから,こ
の共有端点における要素1の単位接線ベクトルE1 はE
1 =(−0.1187,0.9929)となり,要素2の単位接線ベ
クトルE2 はE2 =(0.6326,−0.7745)となる。
【0134】2つの要素i,jについて共有端点におけ
る単位接線ベクトルEi ,Ej が算出されると,それら
の単位接線ベクトルの内積が算出される(ステップ8
3)。
【0135】ここで,単位接線ベクトルEi とEj との
なす角をθと置くと,2つの単位接線ベクトルEi ,E
j の内積は次式で表される。ただし,単位接線ベクトル
Ei,Ej は単位ベクトルであるから,|Ei |=|Ej
|=1である。
【0136】 Ei ・Ej =Ei,x Ej,x +Ei,y Ej,y =|Ei ||Ej | cosθ = cosθ …(21)
【0137】要素iの始点Si と要素jの始点Sj ,要
素iの終点Ti と要素jの終点Tjが共有端点の場合に
は,単位接線ベクトルEi とEj とはベクトルの向きが
逆方向であるから,θ=π( cosθ=−1)のとき,要
素i,jは滑らかに繋がっていることになり,共有端点
は尖点ではない。また,要素iの始点Si と要素jの終
点Tj ,要素iの終点Ti と要素jの始点Sj が共有端
点の場合には,単位接線ベクトルEi とEj とはベクト
ルの向きが同一方向であるから,θ=0( cosθ=1)
のとき,要素i,jは滑らかに繋がっていることにな
り,共有端点は尖点ではない。このように,単位接線ベ
クトルEi とEj との内積の絶対値が「1」であるかど
うかによって共有端点が尖点であるかどうかを判断する
ことができる。
【0138】単位接線ベクトルEi とEj の内積の絶対
値|Ei ・Ej |が1であるかどうかが判断される(ス
テップ84)。
【0139】たとえば,図17に示す例では,要素1の単
位接線ベクトルE1 がE1 =(−0.1187,0.9929)であ
り,要素2の単位接線ベクトルE2 がE2 =(0.6326,
−0.7745)であるから,これらの2つのベクトルの内積
の絶対値は,|E1 ・E2 |=| (-0.1187)×0.6326+
0.9929×(-0.7745) |=0.8441≠1となる。したがっ
て,共有端点は尖点であると判定される。
【0140】|Ei ・Ej |≠1のとき(ステップ84で
NO),検出された共有端点は尖点であると判定され,検
出された尖点を表示装置4に拡大表示した尖点拡大画面
Wnを表示するためのウインドウ・データが作成される
(ステップ85)。
【0141】尖点拡大画面Wn のウインドウの表示領域
は,図27に示すように,H1 およびH2 によって規定さ
れる矩形である。要素iと要素jのすべての座標データ
のうち,x座標の最小値をxmin ,最大値をxmax と
し,y座標の最小値をymin ,最大値をymax とする
と,2つの対角点H1 =(H1,x ,H1,y )およびH2
=(H2,x ,H2,y )は,次式によって決定される。
【0142】 H1,x =xmin −δx …(22) H1,y =ymin −δy …(23) H2,x =xmax +δx …(24) H2,y =ymax +δy …(25) ここで,δx ,δy は,たとえばδx =δy =100dotで
ある。
【0143】図27(A) は要素iおよび要素jが共に3次
ベジェ曲線である場合の尖点拡大画面Wn を示し,2つ
の3次ベジェ曲線のそれぞれの4つの制御点を囲むよう
に尖点が表示される。図27(B) は要素iまたは要素jの
一方が直線である場合の尖点拡大画面Wn を示し,直線
の2つの端点と3次ベジェ曲線の4つの制御点とを囲む
ように尖点が表示される。2つの要素i,jが共に直線
の場合(図示略)にも同様に2つの直線を取り囲むよう
に拡大表示される。
【0144】たとえば,図17に示す例では,要素1と要
素2とによって尖点が形成されているから,要素1の始
点および終点,ならびに要素2の4つの制御点のの座標
データのx座標の最小値がxmin =116.9460であり,x
座標の最大値がxmax =121.8237であり,y座標の最小
値がymin =196.9541であり,y座標の最大値がymax
=213.4201である。
【0145】2つの点H1 ,H2 の座標データがウイン
ドウ・データとして尖点検出修正処理12から表示処理3
に与えられる。
【0146】表示処理3は,尖点検出修正処理12から与
えられるウインドウ・データに基づいて尖点拡大画面W
n を,CADデータ・ベース2に記憶されたCADデー
タ・ファイルを参照して表示装置4に表示させる(ステ
ップ86)。尖点拡大画面Wnは,製品図面表示画面Wb
上に表示される。製品図面表示画面Wb を消去して,尖
点拡大画面Wn を表示してもよい。
【0147】図28は,図17に示す製品図面表示画面Wb
に関する尖点拡大画面Wn である。図28は,図4に示す
Wn の領域である。図28においては3次ベジェ曲線の制
御点が「・」印で表示されている。尖点拡大画面Wn
は,図29に示すように,表示装置4に表示された製品図
面表示画面Wb 上に表示される。
【0148】表示処理3は,尖点拡大画面Wn を表示装
置4に表示すると,その上に選択画面Ws を表示する
(ステップ87)。
【0149】図30は,図28に示す尖点拡大画面Wn と,
その上に表示された選択画面Ws を示す一例である。図
30においては尖点が「×」印で表されている
【0150】設計者は,表示装置4に表示された尖点拡
大画面Wn を見てその尖点が意匠上の尖点であるかどう
かを判断し,その尖点が操作上の誤りにより生じたもの
で意匠上の尖点であれば選択画面Ws の「YES」をマ
ウスでクリックする,またはキーボードから「YES」
もしくは「Y」という文字列を入力する。その尖点が意
匠上の尖点でなければ,設計者は選択画面Ws の「N
O」をマウスでクリックする,またはキーボードから
「NO」もくしは「N」と文字列を入力する。
【0151】「YES」が選択されると(ステップ88で
YES ),尖点検出修正処理12は検出された尖点が修正さ
れる。尖点の修正は,2つの要素i,jが,共に直線,
共に3次ベジェ曲線,または直線とベジェ曲線のいずれ
であるかによって尖点の修正方法が異なる。
【0152】まず,要素i,jが共に直線であるかどう
かが判断され(ステップ90),要素i,jが共に直線で
ない場合(ステップ90でNO)には,さらに要素i,jが
共に3次ベジェ曲線であるかどうかが判断される(ステ
ップ91)。
【0153】要素i,jが共に3次ベジェ曲線である場
合(ステップ91でYES )は,図31に示すように,2つの
要素i,jの共有端点a(x0 ,y0 )の隣にある各要
素の制御点b(x1 ,y1 ),c(x2 ,y2 )を結ぶ
直線Lと,共有端点aから直線Lに下ろした垂線との交
点d(x3 ,y3 )を新たな共有端点とすることにより
尖点が修正される(ステップ92)。
【0154】図31(A) は尖点の修正前を示し,同図(B)
は尖点の修正後を示す。図31は尖点の修正を説明するた
めに尖点が極端に描かれている。
【0155】共有端点a(x0 ,y0 )の隣にある要素
iの制御点b(x1 ,x1 )と要素jの制御点c(x2
,y2 )との2点を結ぶ直線Lの方程式は,パラメー
タsを直線L上の点を与えるパラメータとして,次式で
表される。
【0156】 x=x1 +s・(x2 −x1) …(26) y=y1 +s・(y2 −y1) …(27)
【0157】直線Lと,共有端点aから直線Lに下ろし
た垂線との交点d(x0 ,y0 )は,式(26),(27)にお
いてパラメータsを次のように置くことで与えられる。
【0158】
【数9】
【0159】このようにして,2つの3次ベジェ曲線に
よって形成される尖点が修正される。
【0160】修正前の共有端点aを修正後の共有端点d
に移動させると,要素i,jの共有端点aを,共有とす
る要素i,j以外の要素が存在すると,その要素の端点
(修正前の共有点a)と,修正後の新たな共有端点dと
で不連続点が生じることになる。
【0161】このため,要素i,jが共に3次ベジェ曲
線の場合には,検査用テーブルを検索して,要素i,j
以外で共有端点aを共有する端点をもつ要素が抽出され
る(ステップ92)。
【0162】共有端点aを共有する要素が見つかると
(ステップ93でYES ),その要素の端点を尖点修正後の
新たな共有端点dに移動させる(ステップ94)。
【0163】共有端点aを共有する要素が見つからなか
ったときは(ステップ93でNO),ステップ94の処理は行
われない。
【0164】要素i,jが共に3次ベジェ曲線の場合に
は,2つの制御点b,cを通る直線Lに並行でありかつ
共有端点aを通る直線とこの直線に制御点bから下ろし
た垂線との交点および上記直線に制御点cから下ろした
垂線との交点をそれぞれ,制御点bおよびcの新たな制
御点とすることにより尖点を修正してもよい。
【0165】次に,要素i,jのいずれは一方が直線で
ありかつ他方が3次ベジェ曲線である場合(ステップ90
でNO)は,図32に示すように,直線の延長線と,共有端
点a(x0 ,y0 )の隣にある3次ベジェ曲線の制御点
c(x2 ,y2 )から直線の延長線に下ろした垂線との
交点を,新たな制御点とすることにより尖点が修正され
る(ステップ95)。
【0166】図32(A) は尖点の修正前を示し,同図(B)
は尖点の修正後を示す。図32は図31と同様に尖点を説明
するために尖点が極端に描かれている。
【0167】直線の図形要素およびその延長線Lを表す
方程式は,共有端点(x0 ,y0 )と直線の他方の端点
b(x1 ,y1 )によって,sをパラメータとして次式
で表される。
【0168】 x=x0 +s・Ex …(29) y=y0 +s・Ey …(30)
【0169】ここで,Ex ,Ey はそれぞれ次式で表さ
れる。
【0170】
【数10】
【数11】
【0171】3次ベジェ曲線の新たな制御点d(x3 ,
y3 )は,式(29),(30)においてパラメータsを次式の
ように置くことによって与えられる。
【0172】 s=Ex ・(x2 −x0)+Ey ・(y2 −y0) …(33)
【0173】最後に,要素i,jが共に直線である場
合,尖点を自動的に修正することができないので選択画
面Ws において尖点を修正しないように「YES」が選
択される。
【0174】要素i,jが共に直線である場合において
設計者が選択画面Ws で誤って「NO」選択したとき
(ステップ88でNO),尖点検出修正処理12はステップ89
でYESと判定し表示処理3にエラー・メッセージの表示
を指示する(ステップ96)。このとき,表示処理3は図
33に示すエラー・メッセージWe を表示装置4に表示さ
れる。
【0175】この場合には,共有端点において尖点を形
成する2つの直線を3次ベジェ曲線等の曲線によって補
間しなければならない。この補間は,尖点の修正処理が
終了した後に,設計者が入力するフィレット・コマンド
にしたがって尖点を修正する。このフィレット・コマン
ドは,上述の不連続点の接続において説明したCADシ
ステムが有する編集機能に含まれるコマンドである。
【0176】2つの直線によって尖点が形成されるとき
には,図17に示す製品図面の例ではないが,図34(A),
(B) に示される製品図面において「×」印で示される点
がある。
【0177】ステップ96において,エラー・メッセージ
We を表示する代わりに,設計者が入力するフィレット
・コマンドにしたがって,2つの直線によって形成され
る尖点を修正するようにしてもよい。
【0178】尖点の修正は,上述のようにあらかじめ定
められた修正方法によって尖点を修正するのではなく,
尖点検出修正処理12が起こりうる修正方法を選択画面に
表示し,設計者がその中から所望のものを選択するよう
にしてもよい。
【0179】尖点が修正されると,CADデータ・ベー
ス2に記憶されたCADデータ・ファイルについて,修
正された図形要素の座標データが更新される(ステップ
97)。検査用テーブルについてもCADデータ・ファイ
ルと同様に,修正された図形要素の座標データが更新さ
れる(ステップ98)。
【0180】その後,不連続点検出修正処理11は,不連
続点拡大画面Wnc,選択画面Ws ,エラー・メッセージ
We の消去を表示処理4に指示し,表示処理3は表示装
置4に表示しているこれらの画面を消去し,製品図面表
示画面Wb を表示装置4に表示させる(ステップ98)。
尖点が修正されたときには,その尖点が修正された製品
図面を表した製品図面表示画面Wb が表示装置4に表示
されることになる。
【0181】ステップ87において「YES」が選択され
ると(ステップ88でNO),尖点検出修正処理12は尖点の
判定処理および修正処理を終了し,共有端点の検出処理
に移ることになる。
【0182】たとえば,図17に示す例では,要素1が直
線であり,要素2が3次ベジェ曲線であるから,図35に
示すように,要素2の制御点Q2,2 が(118.0816,202.
8283)から(118.2230,202.7384)に変更される。図36
は,図17に示す製品図面について尖点が修正された製品
図面を表した製品図面表示画面Wb である。
【0183】以上のようにして,尖点が修正される。
【図面の簡単な説明】
【図1】CADシステムにおける形状修正装置の構成を
示す機能ブロックである。
【図2】製品図面の一例を示す。
【図3】CADデータ・ベースに記憶されたCADデー
タ・ファイルの一例を示す。図2に示す製品図面に対応
するCADデータ・ファイルである。
【図4】表示装置に表示された製品図面表示画面の一例
を示す。図1に示す製品図面を表した製品図面表示画面
である。
【図5】不連続点検出の処理手順を示すフロー・チャー
トである。
【図6】不連続点検出の処理手順を示すフロー・チャー
トである。
【図7】不連続点検出の処理手順を示すフロー・チャー
トである。
【図8】不連続点検出修正処理内で作成された不連続点
の検査用テーブルを示す。図3に示すCADデータ・フ
ァイルに基づいて作成された検査用テーブルである。
【図9】4つの図形要素によって表された四角形を示
す。
【図10】(A) ,(B) はともに3次ベジェ曲線とこれに
外接する矩形を示す。
【図11】(A) は水平な直線を示し,(B) は垂直な直線
を示し,(C) は傾斜した直線を示す。
【図12】不連続点接続の処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図13】不連続点接続の処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図14】不連続点拡大画面の表示領域の一例を示す。
【図15】不連続点が拡大表示された不連続点拡大画面
の一例を示す。図4に示す製品図面表示画面について不
連続点が拡大表示された不連続点拡大画面である。
【図16】表示装置上に表示された製品図面表示画面と
その上に表示された不連続点拡大画面とを示す。
【図17】図4に示す製品図面表示画面について不連続
点が修正された後の製品図面表示画面を示す。
【図18】図13に示す製品図面表示画面に関するCAD
データ・ファイルを示す。
【図19】共有端点検出の処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図20】共有端点検出の処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図21】共有端点検出の処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図22】尖点検出修正処理内で作成された尖点の検査
用テーブルを示す。図3に示すCADデータ・ファイル
に基づいて作成された検査用テーブルである。
【図23】尖点の判定処理および修正処理の手順を示す
フロー・チャートである。
【図24】尖点の判定処理および修正処理の手順を示す
フロー・チャートである。
【図25】尖点の判定処理および修正処理の手順を示す
フロー・チャートである。
【図26】共有端点における単位接線ベクトル算出の処
理手順を示すフロー・チャートである。
【図27】尖点拡大画面の表示領域の一例を示し,(A)
は2つの3次ベジェ曲線によって尖点が形成される場合
であり,(B) は直線と3次ベジェ曲線とによって尖点が
形成される場合である。
【図28】尖点を拡大表示した尖点拡大表示画面の一例
を示す。図17に示す製品図面表示画面について尖点が拡
大表示された尖点拡大画面である。
【図29】表示装置上に表示された製品図面表示画面と
その上に表示された尖点拡大画面とを示す。
【図30】尖点を修正するかどうか選択する選択画面の
一例を示す。図27に示す尖点拡大表示画面上に選択画面
が表示された表示画面である。
【図31】2つの3次ベジェ曲線により形成された尖点
の修正方法を説明する図であり,(A) は尖点の修正前を
示し,(B) は尖点の修正後を示す。
【図32】直線と3次ベジェ曲線とにより形成された尖
点の修正方法を説明する図であり,(A) は尖点の修正前
を示し,(B) は尖点の修正後を示す。
【図33】エラー・メッセージの一例である。
【図34】(A),(B) は共に,2つの直線によって尖点が
形成される製品図面の一例である。
【図35】図33に示す製品図面表示画面に関するCAD
データ・ファイルを示す。
【図36】図17に示す製品図面表示画面について尖点が
修正された後の製品図面表示画面を示す。
【符号の説明】
1 CADシステム 2 CADデータ・ベース 3 表示処理 4 表示装置 5 入力装置 10 形状修正装置 11 不連続点検出修正処理 12 尖点検出修正処理

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図面を構成する複数の図形要素に関する
    データを含むCADデータ・ファイルを記憶するCAD
    データ・ベース,および上記CADデータ・ベースに記
    憶されたCADデータ・ファイル内のデータによって表
    される図面を表示画面上に表示する表示装置を備えたC
    ADシステムにおける不連続点および尖点を修正する装
    置であり, 上記CADデータ・ベースに記憶されたCADデータ・
    ファイルを参照して,一の図形要素の端点と他の図形要
    素の端点との距離に基づいて不連続点を検出する不連続
    点検出手段, 上記不連続点検出手段によって検出された不連続点を含
    む所定の範囲の拡大画像を上記表示装置の表示画面上に
    表示する不連続点表示制御手段, 上記不連続点を修正するコマンドが入力されると,その
    コマンドにしたがって上記一の図形要素の端点と上記他
    の図形要素の端点とを接続する不連続点接続手段, 上記CADデータ・ベースに記憶されたCADデータ・
    ファイルを参照して,一の図形要素の端点と他の図形要
    素の端点とが一致する共有端点を検出し,検出した共有
    端点における上記一の図形要素の単位接線ベクトルと上
    記他の図形要素の単位接線ベクトルとに基づいてその共
    有端点が尖点がどうかを検出する尖点検出手段, 上記尖点検出手段によって検出された尖点を含む所定の
    範囲の拡大画像を上記表示装置の表示画面上に表示する
    尖点表示制御手段, 上記尖点表示制御手段によって尖点が拡大表示される
    と,上記尖点を修正するかどうかの選択画面を表示する
    選択画面表示制御手段,および 上記選択画面において尖点の修正が選択されると,上記
    一の図形要素と上記他の図形要素とがともに直線である
    場合を除いて,上記尖点において上記一の図形要素と上
    記他の図形要素とが滑らかになるように接続する尖点接
    続手段, を備えたCADシステムにおける形状修正装置。
  2. 【請求項2】 図面を構成する複数の図形要素に関する
    データを含むCADデータ・ファイルを記憶するCAD
    データ・ベース,および上記CADデータ・ベースに記
    憶されたCADデータ・ファイル内のデータによって表
    される図面を表示画面上に表示する表示装置を備えたC
    ADシステムにおける不連続点および尖点を修正する方
    法であり,不連続点検出手段によって, 上記CADデータ・ベース
    に記憶されたCADデータ・ファイルを参照して,一の
    図形要素の端点と他の図形要素の端点との距離に基づい
    て不連続点を検出し, 検出された不連続点を含む所定の範囲の拡大画像を,不
    連続点表示制御手段によって上記表示装置の表示画面上
    に表示し, 上記不連続点を修正するコマンドが入力されると,不連
    続点接続手段によってそのコマンドにしたがって上記一
    の図形要素の端点と上記他の図形要素の端点とを接続
    し,尖点検出手段によって, 上記CADデータ・ベースに記
    憶されたCADデータ・ファイルを参照して,一の図形
    要素の端点と他の図形要素の端点とが一致する共有端点
    を検出し,検出した共有端点における上記一の図形要素
    の単位接線ベクトルと上記他の図形要素の単位接線ベク
    トルとに基づいてその共有端点が尖点かどうかを検出
    し, 検出された尖点を含む所定の範囲の拡大画像を,尖点表
    示制御手段によって上記表示装置の表示画面上に拡大表
    示し, 尖点を拡大表示すると,選択画面表示制御手段によって
    上記尖点を修正するかどうかの選択画面を表示し, 上記選択画面において尖点の修正が選択されると,尖点
    接続手段によって上記一の図形要素と上記他の図形要素
    とがともに直線である場合を除いて,上記尖点において
    上記一の図形要素と上記他の図形要素とが滑らかになる
    ように接続する, CADシステムにおける形状修正方法。
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