JP3394609B2 - 珪素鋼板の連続焼鈍炉及び連続焼鈍方法 - Google Patents

珪素鋼板の連続焼鈍炉及び連続焼鈍方法

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JP3394609B2
JP3394609B2 JP23290894A JP23290894A JP3394609B2 JP 3394609 B2 JP3394609 B2 JP 3394609B2 JP 23290894 A JP23290894 A JP 23290894A JP 23290894 A JP23290894 A JP 23290894A JP 3394609 B2 JP3394609 B2 JP 3394609B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄損が低い珪素鋼板(以
下電磁鋼板という)の連続焼鈍炉及びこの炉を用いる連
続焼鈍方法に関するものである。特に、その脱炭工程或
いは窒化工程において鋼板の脱炭或いは窒化を極めて安
定して行い、磁性及び皮膜の高位安定化を図ろうとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は電気機器の磁気鉄心と
して、一方、無方向性電磁鋼板は回転機器の磁気鉄心と
して、多用されている。これらのエネルギーロスを少な
くすべく、所謂前工程の製鋼成分の最適化、熱延条件等
の最適化から後工程の仕上焼鈍等の最適化まで改善が繰
り返されてきた。脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程或
いは窒化工程も例外ではなかった。
【0003】方向性電磁鋼板の一次再結晶を含む脱炭焼
鈍工程の主たる目的は、熱延工程でのγ相域確保等の
理由で鋼板に含まれた炭素(通常〜5×10-2%)を、
最終製品にて磁性が時効劣化しない領域まで脱炭し(〜
2×10-3%未満)、次いで鋼板表面に適正な酸素付
与を行いFe及びSi酸化物を形成させ、その後で表面
塗布したMgOと次工程の仕上焼鈍にて反応させ、グラ
ス皮膜を形成する前準備をするとともに、次工程の仕
上焼鈍で二次再結晶させるのに最適な結晶粒サイズに一
次再結晶させることである。
【0004】従来、この方向性電磁鋼板の一次再結晶を
含む脱炭焼鈍工程は、連続焼鈍炉で行われるが、炉内で
鋼板が連続的に脱炭され、鋼板表面に酸素付与されると
ともに、雰囲気ガスも連続的に変化(還元)されてお
り、この炉内の反応プロセスが非常に複雑であるととも
に、炉内反応を十分に解析する解析装置(分析装置)が
なく、加えて、品質(磁性・皮膜等)には前後工程、特
に、仕上焼鈍工程の影響も大きく、結果として、十分な
理論的な解析が行われず、過去の経験に基づき、僅少な
改善しか行われていなかった。
【0005】また、方向性電磁鋼板の窒化焼鈍工程の主
たる目的は、二次再結晶前でのインヒビタの強化であ
る。従来、炉内のNH3 は連続的に分解しており、炉内
反応が複雑なため十分な解析が行われず、僅少な改善し
か行われていなかった。
【0006】一方、無方向性電磁鋼板の一次再結晶を含
む脱炭焼鈍工程の主たる目的は、熱延工程でのγ相域確
保等の理由で鋼板に含まれた炭素(通常<2×10
-2%)を、可能な限り表面に酸素を付与せずに、最終製
品にて磁性が時効劣化しない領域まで脱炭することであ
る。これについての解析も方向性電磁鋼板と同様に十分
な解明が行われていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この方向性電磁鋼板の
一次再結晶を含む脱炭焼鈍工程については、鋼板温度と
雰囲気ガス成分分析値を用い改善が試みられてきたが、
雰囲気ガス成分分析値が極めて不安定であり、反応を代
表する炉内雰囲気ガス成分値を見つけることは困難であ
り、例えば、雰囲気ガスの供給方法についても、炉の後
方からの一括供給と炉の複数箇所からの分割供給の是非
についても満足な評価ができず、経験に頼らざるを得な
かった。この結果、安定した一次再結晶を含む脱炭焼鈍
を行うことが困難であり、しばしば脱炭不良、或いは皮
膜不良或いは磁性不良を招くとともに、これらの不良改
善に多大の時間と費用を費やさざるを得ない状態であっ
た。また、窒化焼鈍工程或いは無方向性電磁鋼板の一次
再結晶を含む脱炭焼鈍工程においても同様であった。
【0008】本発明は上述した従来の一次再結晶を含む
脱炭焼鈍工程或いは窒化工程が持っている課題に鑑み、
炉内の雰囲気ガスの安定化(均一化)を行って、安定し
て製品を生産する電磁鋼板の連続焼鈍炉及び連続焼鈍方
法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の課
題を有利に解決するものであって、上記目的を達成する
ために発明者らは炉内の雰囲気ガス流れに着目し、反応
の詳細解析を行い、創意工夫を重ねた結果、炉内断面形
状と雰囲気ガス量を或る範囲に制御することにより、極
めて安定して製品を生産することを可能にしたものであ
って、その発明の要旨とするところは、 (1)1種類以上の炉構造からなる珪素鋼板の連続脱炭
焼鈍炉または窒化焼鈍炉において、炉内に通板する鋼板
とその両側の炉の有効内壁までの距離(板面垂直方向距
離)のうち短い方の距離をH1 (m)、長い方の距離を
H2 (m)、有効炉内幅(板面内方向幅)をD(m)と
するとき、各炉構造のうちH1 /((H1+D)×(H1
+H2 ))の数値が一番小さな炉構造のH2 /H1 を
1.0〜2.5とするとともに、長い方の距離H2 を
0.4m以下とすることを特徴とする珪素鋼板の連続焼
鈍炉、 (2)焼鈍炉内の鋼板を支持・搬送するロールの下部の
炉底壁を、周囲の炉底高さよりロール径の1倍〜3倍の
距離で局部的に拡張したことを特徴とする請求項1記載
の珪素鋼板の連続焼鈍炉、 (3)鋼板の進行方向の最終部分に雰囲気ガスを供給す
る装置を配設するとともに鋼板の進行方向の初期部分に
雰囲気ガスを排出する装置を配設したことを特徴とする
請求項1または2記載の珪素鋼板の連続焼鈍炉、 (4)鋼板の進行方向の最終部分に雰囲気ガスを供給す
る装置を配設し、鋼板の進行方向の初期部分に雰囲気ガ
スを排出する装置を配設するとともに、前記雰囲気ガス
の排出装置と前記雰囲気ガスの供給装置の間に、雰囲気
ガス精製装置と雰囲気ガス成分調整装置を配設し、その
間を連結管で連結したことを特徴とする請求項1または
2記載の珪素鋼板の連続焼鈍炉、 (5)請求項1ないし4のいずれかに記載の珪素鋼板の
連続焼鈍炉による方向性珪素鋼板の連続脱炭処理時に、
炉の雰囲気をH2 25%(ドライガス)以上、残部不活
性ガス、露点40〜70℃とし、該雰囲気のガス量を
〔100×(H1 +D)×(H1 +H2 )/H1 〕Nm3
/hr以上とすることを特徴とする珪素鋼板の連続焼鈍方
法、 (6)請求項1ないし4のいずれかに記載の珪素鋼板の
連続焼鈍炉による方向性珪素鋼板の連続窒化処理時に、
炉の雰囲気をH2 25%(ドライガス)以上、NH3
〜10%、残部不活性ガス、露点20℃以下とし、該雰
囲気のガス量を〔100×(H1 +D)×(H1 +H2
)/H1 〕Nm3 /hr以上とすることを特徴とする珪素
鋼板の連続焼鈍方法、 (7)請求項1ないし4のいずれかに記載の珪素鋼板の
連続焼鈍炉による無方向性珪素鋼板の連続脱炭処理時
に、炉の雰囲気をH2 15〜40%(ドライガス)、
部不活性ガス、露点25〜45℃とし、該雰囲気のガス
量を〔50×(H1+D)×(H1 +H2 )/H1 〕Nm
3 /hr以上とすることを特徴とする珪素鋼板の連続焼鈍
方法、にある。
【0010】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。本発明
者らは、連続焼鈍炉内の雰囲気ガス流れの挙動を詳細に
調査したところ、炉内のガス流れ挙動、特に鋼板と炉の
有効内壁までの距離、有効炉内幅及び雰囲気ガス量と鋼
板と炉の内壁の間の雰囲気ガスの濃度バラツキに強い関
係があることを見出した。調査は、以下の如くして行っ
た。
【0011】図4に、従来法による雰囲気ガスを炉内に
一括供給している一次再結晶を含む連続脱炭焼鈍炉の一
例を示す。雰囲気ガスは、炉1の後方の雰囲気ガス供給
管3より一括供給され、鋼板2と対向しながら炉の前方
に流され、雰囲気ガス排出管4より排出されている。
【0012】図5に、従来法による雰囲気ガスを炉内に
分割供給している一次再結晶を含む連続脱炭焼鈍炉の一
例を示す。雰囲気ガスは、炉1の複数の雰囲気ガス供給
管31〜35から分割供給され、鋼板2と対向しながら
炉の前部に流され、雰囲気ガス排出管4より排出されて
いる。
【0013】本発明者らは、炉内断面形状、鋼板の炉内
での高さの位置、雰囲気ガス量及び雰囲気ガス供給位置
を種々に変えて調査した。その結果、鋼板と炉の有効内
壁までの距離、有効炉内幅及び雰囲気ガス量と鋼板と炉
の内壁の間の雰囲気ガスの濃度バラツキに強い相関があ
ることを見出し、更に詳細に解析したところ、炉内に通
板する鋼板とその上方の炉の有効内壁までの距離(板面
垂直方向距離)をHu(m)、炉内に通板する鋼板と下
方の炉の有効内壁までの距離をHd (m)(Hu +Hd
:炉内に通板する鋼板の両側の炉の内壁間の距離:板
面垂直方向距離)、有効炉内幅(板面内方向幅)をD
(m)とし、αu =(Hu +D)×(Hu +Hd )/H
u 、αd =(Hd +D)×(Hu +Hd )/Hd とする
とき、αu 、αd を変数とした雰囲気ガス量と鋼板と炉
の内壁の間の雰囲気ガスの濃度バラツキに強い相関があ
ることを見出した。
【0014】図3に、方向性電磁鋼板の一次再結晶焼鈍
を含む連続脱炭処理における雰囲気ガス量と炉内の鋼板
と炉の内壁間の雰囲気ガスの濃度バラツキ(鋼板上方に
おける鋼板近傍点5と鋼板〜炉内壁中央点6との露点の
測定値差及び鋼板下方における鋼板近傍点5′と鋼板〜
炉内壁中央点6′との露点の測定値差)の関係の一例を
示す。供給雰囲気ガスは、H2 75%(ドライガス)、
COX (大部分はCOであり、一部CO2 を含む)0.
1%未満、露点64℃であった。また、通板した鋼板の
板厚は0.30mm、組成は、Si:3.2重量%、酸可
溶性Al:0.029重量%、N:0.080重量%、
Mn:0.11重量%、S:0.007重量%、C:
0.05重量%、残部Fe及び不可避不純物であった。
【0015】鋼板上方の炉内においても、鋼板の下方の
炉内においても、いずれも雰囲気ガス量が、100×α
(αu 、αd )Nm3 /hr以上にて、鋼板と炉の内壁の間
の雰囲気ガスの濃度バラツキが非常に小さくなることを
解明した。加えて、雰囲気ガスの供給方法についても、
炉後方からの一括供給が、炉内への分割供給に比べ格段
に鋼板と炉の内壁の間の雰囲気ガスの濃度バラツキを小
さくすることを解明した。
【0016】また、一般的な鋼板の連続焼鈍炉では、炉
内断面形状は、高さ(板面垂直方向距離)より、幅(板
面内方向距離)が大きい(D>(Hu +Hd ))ことに
着目し、更に、解析を進め、本発明者らは、炉内の鋼板
の上方、下方のいずれの空間においても、雰囲気ガスの
濃度バラツキを小さくすることを可能とする雰囲気ガス
量の下限値は、上記αu とαd の大きい方、つまり炉内
に通板する鋼板と両側の炉の有効内壁までの距離(板面
垂直方向距離)のうち小さい方の炉空間の雰囲気ガスの
濃度バラツキから規定されることを見出した。すなわ
ち、炉内に通板する鋼板とその両側の炉の有効内壁まで
の距離(板面垂直方向距離)のうち短い方をH1 、長い
方をH2 とし、αC=(H1 +D)×(H1 +H2 )/
H1 とするとき、100×αCNm3 /hr以上にて鋼板の
両側の空間において、雰囲気ガスの濃度バラツキは低減
される。従って、通板する鋼板の炉内における高さ方向
の位置は、可能な限り炉内断面高さの1/2に等しくす
るとともにH2 を可能な限り小さくすることにより、よ
り少ない雰囲気ガス量で、鋼板の上下の炉内空間におい
て、いずれも雰囲気ガスの濃度バラツキを小さくするこ
とが可能であることを見出した。
【0017】また、実際の炉には、鋼板搬送用のロール
が設置されており、この部分における雰囲気ガスの流れ
対策等のため、従来鋼板と下方の有効炉内壁との距離を
大きくとらざるをえない状況が発生する場合も少なくな
かったが、搬送ロールの下部の炉底壁を周囲の炉底高さ
よりロール径の1倍〜3倍の距離で局部的に下げること
により、円滑な雰囲気ガス流れを確保するとともに、鋼
板と下方の有効炉内壁との距離を小さくし、少ない供給
雰囲気ガスで、炉内雰囲気ガスの濃度バラツキも小さく
することを可能にできる方案も見出した。
【0018】尚、いろいろな成分系についても、同様の
研究を行い、上記関係が成り立つことを検証した。ま
た、窒化焼鈍或いは、無方向性電磁鋼板についても、同
様の調査を行い、同様の関係が成り立つことを見出し
た。
【0019】図1に本発明による雰囲気ガスを回収・精
製・成分調整し、炉の後方より一括供給している一次再
結晶を含む連続脱炭焼鈍炉の一例を示す。炉1の後方の
雰囲気ガス供給管3から炉内に供給開始された雰囲気ガ
スは、鋼板2と対向し進行し、炉の前部に至り雰囲気ガ
ス排出管4から炉外に排出されている。一方、鋼板2
は、搬送ロール61〜65により炉の前方から後方へ搬
送されている。炉内の雰囲気ガスは炉の前部に流れるに
つれ、H2 Oは消費され、減少するとともに、COX
増加している。雰囲気ガス排出管4から炉外に排出され
た雰囲気ガスは、雰囲気ガス精製装置8にて、COX
1%未満まで除去される。出口のガス分析装置11でガ
ス成分の濃度分析をされ、雰囲気ガス成分調整装置9へ
と入れられる。雰囲気ガス成分調整装置9では、濃度不
足分及び雰囲気ガス精製装置8の減量分が加えられる。
尚、上記回路中には雰囲気ガス循環装置10が配設さ
れ、雰囲気ガス循環・精製に必要な駆動力を付与してい
る。
【0020】雰囲気ガス精製装置8は、特に難しい条件
はなく、COX が1%未満まで除去されるとともに、H
2 の回収効率が不活性ガス及びH2 Oの回収効率より高
ければよい。例えば、吸着剤として活性アルミナ、活性
炭、ゼオライト等を使用したPSA法(Pressure Swing
Adsorption)、或いは、ポリミド等の分離膜を使用した
膜分離法等が採用可能である。
【0021】図2に本発明による雰囲気ガスを回収・精
製・成分調整し、炉の後方より一括供給している一次再
結晶を含む連続脱炭焼鈍炉の別の一例を示す。鋼板が炉
内断面の高さの中央に位置し、搬送ロール62,63,
64の下部の炉壁がロール径の長さ程局部的に下げられ
ていることを除けば図1と同じである。
【0022】以下、実施要件について述べる。炉内に通
板する鋼板とその両側の炉の有効内壁までの距離(板面
垂直方向距離)のうち短い方の距離をH1 (m)、長い
方の距離をH2 (m)、有効炉内幅(板面内方向幅)を
Dとするとき、各炉構造のうちH1 /((H1 +D)×
(H1+H2 ))の数値が一番小さな炉構造において、
H2 /H1 は2.5を超えると必要な雰囲気ガスが多く
必要となり経済的でないため、H2 /H1 は1.0〜
2.5とする。また、長い方の距離(H2 )が0.4m
を超えても同様に経済的でないため、これを0.4m以
下とする。
【0023】尚、炉内の鋼板通板方向に連続した突起
物、例えばヒータ加熱炉においてはヒータエレメント、
ラジアント加熱炉においてはラジアント管、が存在する
場合は、これらの鋼板側の側面を炉の有効内壁とする。
【0024】方向性電磁鋼板の一次再結晶を含む脱炭焼
鈍処理時には、雰囲気ガスのH2 濃度(ドライガス)
は、25%未満では、酸化ポテンシャルが強く表面のS
i選択酸化を阻害させる。また、露点40℃未満では、
酸化ポテンシャルが低く脱炭性を低下させる。一方、露
点70℃超では、1℃当たりの水の量が多くなりすぎ供
給雰囲気ガスの濃度の変動を大きくする。更に、一次再
結晶を含む脱炭焼鈍工程の雰囲気ガス量は、〔100×
(H1 +D)×(H1 +H2 )/H1 〕Nm3 /hr未満で
は、炉内の雰囲気ガス流れが不安定であり、鋼板垂直方
向の雰囲気ガスの濃度バラツキが大きい。尚、複数の炉
構造、例えばヒータ加熱炉とラジアント加熱炉、からな
る炉においては、各々において上記数値を満足すること
が必要である。
【0025】窒化焼鈍処理時には、雰囲気ガスのH2
度(ドライガス)は、25%未満では、炉内NH3 濃度
を高くすることが出来なく、窒化時間がかかりすぎ非効
率である。NH3 濃度(ドライガス)は、2%未満では
窒化時間がかかりすぎ非効率である。10%超では、炉
内でのNH3 分解が大きく炉内で成分が安定しない。ま
た、露点20℃超では、窒化が困難である。更に、一次
再結晶を含む脱炭焼鈍工程の雰囲気ガス量は、〔100
×(H1 +D)×(H1 +H2 )/H1 〕Nm3/hr未満
では、炉内の雰囲気ガス流れが不安定であり、鋼板垂直
方向の雰囲気ガスの濃度バラツキが大きい。尚、複数の
炉構造、例えばヒータ加熱炉とラジアント加熱炉、から
なる炉においては、各々において上記数値を満足するこ
とが必要である。
【0026】無方向性電磁鋼板の一次再結晶を含む脱炭
焼鈍処理時には、雰囲気ガスのH2濃度(ドライガス)
は、15%未満ではH2 Oの可能搬送量が小さく、雰囲
気ガス量が多く必要となり経済的でない。一方、40%
超では雰囲気コストが高く経済的でない。また、露点2
5℃未満では、酸化ポテンシャルが低く脱炭性を低下さ
せる。一方、45℃超では、酸化ポテンシャルが高くな
りすぎ鋼板表面を過酸化させる。更に、一次再結晶を含
む脱炭焼鈍工程の雰囲気ガス量は、〔50×(H1 +
D)×(H1 +H2 )/H1 〕Nm3 /hr未満では、炉内
の雰囲気ガス流れが不安定であり、鋼板垂直方向の雰囲
気ガスの濃度バラツキが大きい。尚、複数の炉構造、例
えばヒータ加熱炉とラジアント加熱炉、からなる炉にお
いては、各々において上記数値を満足することが必要で
ある。
【0027】雰囲気ガスの供給方法は、鋼板の進行方向
の最終部分に一括供給し、鋼板と対向する方向に、一括
して流し、鋼板の進行方向の初期部分から排出する方法
が、分割供給方式にくらべ、炉内雰囲気ガスの濃度バラ
ツキが小さいとともに、設備として簡素化される。鋼板
の進行方向の初期部分から排出した雰囲気ガスを回収
し、必要な成分調整をしたあと鋼板の進行方向の最終部
分から供給することにより経済的となる。
【0028】尚、方向性電磁鋼板の一次再結晶焼鈍を含
む連続脱炭焼鈍炉と窒化焼鈍炉をシリーズに組込むこと
も可能である。また、方向性電磁鋼板の一次再結晶焼鈍
を含む連続脱炭焼鈍と無方向性連続脱炭焼鈍を兼用する
炉も可能である。
【0029】
【実施例】
実施例1 Si:3.2重量%、酸可溶性Al:0.029重量
%、N:0.080重量%、Mn:0.11重量%、
S:0.007重量%、C:0.05重量%、残部Fe
及び不可避不純物からなる珪素熱延鋼帯を、1120℃
で2分間焼鈍した後冷延し、0.23mmとした。炉断面
サイズH1 =0.2m、H2 =0.4m、D=1.8m
なる焼鈍炉へ雰囲気ガス1000Nm3 /hr(ドライベー
ス、成分H275%、COX 1%未満、残部N2 )を露
点64℃に加湿したものを炉後方から一括導入し、この
炉内にてこれらの冷延板を鋼板温度820℃で2分間焼
鈍し、脱炭を含む一次再結晶させた。次に、二次再結晶
を安定にさせるために、アンモニア雰囲気中で窒化処理
を行い、窒素量を190ppm とし、インヒビタを強化し
た。その後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布
し、高温焼鈍した。高温焼鈍は、1100℃まで25%
2 −75%H2 雰囲気で150℃/hrの昇温速度を保
ちながら昇温し、1100℃到達後、その温度で10時
間保持した。その後、100%H2 雰囲気とし、更に1
200℃まで昇温し、この温度に10時間保持した。仕
上焼鈍終了後、リン酸−クロム酸系の張力コーティング
処理を行った。得られた特性及び皮膜状況は表1の通り
である。
【0030】上記実施例で明らかなように、雰囲気ガス
の炉内での均一化(ばらつきの減少)により磁性及び皮
膜を含めて製品の安定生産化がなされた。また、炉内雰
囲気を回収し、ガス成分を調整し、再使用することも可
能である。こうして、より経済的な製造を可能とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明により、一次再結晶を含む脱炭焼
鈍炉或いは窒化焼鈍炉において、炉内に通板する鋼板と
その両側の炉の有効内壁までの距離(板面垂直距離)を
可能な限り等しくするとともに、炉内の雰囲気ガス量を
一定値以上にすることにより、皮膜性能及び磁性を高位
安定化することを可能とし、極めて安定して製品を生産
することが可能となり、工業上の価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による雰囲気ガスを回収・精製・成分調
整し、炉の後方より一括供給している一次再結晶を含む
連続脱炭焼鈍炉の一例を示す説明図である。
【図2】本発明による雰囲気ガスを回収・精製・成分調
整し、炉の後方より一括供給している一次再結晶を含む
連続脱炭焼鈍炉の別の一例を示す説明図である。
【図3】方向性電磁鋼板の一次再結晶を含む連続脱炭焼
鈍時における雰囲気ガス量と炉内の鋼板と炉の内壁間の
雰囲気ガスの濃度バラツキの関係の一例を示す図であ
る。
【図4】従来法による雰囲気ガスを炉の後方より一括供
給している一次再結晶を含む連続脱炭焼鈍炉の一例を示
す説明図である。
【図5】従来法による雰囲気ガスを炉内に分割供給して
いる一次再結晶を含む連続脱炭焼鈍炉の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 炉 2 鋼板 3 雰囲気ガス供給管(後半部一括供給) 4 雰囲気ガス排出管 5 鋼板近傍点(鋼板上方) 5′ 鋼板近傍点(鋼板下方) 6 鋼板〜炉内壁中央点(鋼板上方) 6′ 鋼板〜炉内壁中央点(鋼板下方) 8 雰囲気ガス精製装置 9 雰囲気ガス成分調整装置 10 雰囲気ガス循環装置 11〜12 ガス分析装置 31〜35 雰囲気ガス供給管(炉内分割供給) 41 H2 源ガス供給管 42 不活性ガス供給管 43 H2 O源ガス供給管 51 H2 源ガス供給管バルブ 52 不活性ガス供給管バルブ 53 H2 O源ガス供給管バルブ 61〜65 搬送ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C21D 9/46 501 C21D 9/46 501A 9/56 101 9/56 101A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/26 C21D 1/76 C21D 3/04 C21D 8/12 C21D 9/46 501 C21D 9/56 101

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類以上の炉構造からなる珪素鋼板の
    連続脱炭焼鈍炉または窒化焼鈍炉において、炉内に通板
    する鋼板とその両側の炉の有効内壁までの距離(板面垂
    直方向距離)のうち短い方の距離をH1 (m)、長い方
    の距離をH2(m)、有効炉内幅(板面内方向幅)をD
    (m)とするとき、各炉構造のうちH1 /((H1 +
    D)×(H1 +H2 ))の数値が一番小さな炉構造のH
    2 /H1を1.0〜2.5とするとともに、長い方の距
    離H2 を0.4m以下とすることを特徴とする珪素鋼板
    の連続焼鈍炉。
  2. 【請求項2】 焼鈍炉内の鋼板を支持・搬送するロール
    の下部の炉底壁を、周囲の炉底高さよりロール径の1倍
    〜3倍の距離で局部的に拡張したことを特徴とする請求
    項1記載の珪素鋼板の連続焼鈍炉。
  3. 【請求項3】 鋼板の進行方向の最終部分に雰囲気ガス
    を供給する装置を配設するとともに鋼板の進行方向の初
    期部分に雰囲気ガスを排出する装置を配設したことを特
    徴とする請求項1または2記載の珪素鋼板の連続焼鈍
    炉。
  4. 【請求項4】 鋼板の進行方向の最終部分に雰囲気ガス
    を供給する装置を配設し、鋼板の進行方向の初期部分に
    雰囲気ガスを排出する装置を配設するとともに、前記雰
    囲気ガスの排出装置と前記雰囲気ガスの供給装置の間
    に、雰囲気ガス精製装置と雰囲気ガス成分調整装置を配
    設し、その間を連結管で連結したことを特徴とする請求
    項1または2記載の珪素鋼板の連続焼鈍炉。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の珪
    素鋼板の連続焼鈍炉による方向性珪素鋼板の連続脱炭処
    理時に、炉の雰囲気をH2 25%(ドライガス)以上、
    残部不活性ガス、露点40〜70℃とし、該雰囲気のガ
    ス量を〔100×(H1 +D)×(H1 +H2 )/H1
    〕Nm3 /hr以上とすることを特徴とする珪素鋼板の連
    続焼鈍方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の珪
    素鋼板の連続焼鈍炉による方向性珪素鋼板の連続窒化処
    理時に、炉の雰囲気をH2 25%(ドライガス)以上、
    NH3 2〜10%、残部不活性ガス、露点20℃以下と
    し、該雰囲気のガス量を〔100×(H1 +D)×(H
    1 +H2 )/H1 〕Nm3 /hr以上とすることを特徴とす
    る珪素鋼板の連続焼鈍方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の珪
    素鋼板の連続焼鈍炉による無方向性珪素鋼板の連続脱炭
    処理時に、炉の雰囲気をH2 15〜40%(ドライガ
    )、残部不活性ガス、露点25〜45℃とし、該雰囲
    気のガス量を〔50×(H1 +D)×(H1 +H2 )/
    H1 〕Nm3 /hr以上とすることを特徴とする珪素鋼板の
    連続焼鈍方法。
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