JP3363690B2 - 集熱パネル及びパッシブソーラーシステム - Google Patents

集熱パネル及びパッシブソーラーシステム

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JP3363690B2
JP3363690B2 JP05256896A JP5256896A JP3363690B2 JP 3363690 B2 JP3363690 B2 JP 3363690B2 JP 05256896 A JP05256896 A JP 05256896A JP 5256896 A JP5256896 A JP 5256896A JP 3363690 B2 JP3363690 B2 JP 3363690B2
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    • H02SGENERATION OF ELECTRIC POWER BY CONVERSION OF INFRARED RADIATION, VISIBLE LIGHT OR ULTRAVIOLET LIGHT, e.g. USING PHOTOVOLTAIC [PV] MODULES
    • H02S40/00Components or accessories in combination with PV modules, not provided for in groups H02S10/00 - H02S30/00
    • H02S40/10Cleaning arrangements
    • H02S40/12Means for removing snow
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽光エネルギー変
換装置に関し、特に太陽電池モジュールを用いることに
より電気出力も得ることのできる集熱パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境問題が深刻化するなかで、太陽
光エネルギーは火力発電、原子力発電などの有害な副産
物を生成しないクリーンエネルギーとして近年、非常に
注目されるようになった。また限りある地球上の資源に
対し、枯渇することのない無限エネルギーとしても太陽
光エネルギーの有効活用が望まれている。
【0003】また一方で既存の1元型エネルギーシステ
ムでは震災等の災害がおきた場合、エネルギー供給が断
絶したり、またその復旧に非常に時間がかかったりとい
った問題がある。太陽光エネルギーは晴れている地域で
あればエネルギーとしていつでも利用できることから、
分散型の独立エネルギー源としての利用価値が高い。
【0004】これらのニーズから住宅向けの屋根一体型
太陽光エネルギー変換装置の開発が促進され、現在はそ
の実用化が急速に進んでいる。
【0005】太陽光エネルギーの利用方法として半導体
素子を用いた太陽光発電システムや太陽光を断熱箱内に
取り込み、その熱を利用して温水や温風をつくる太陽光
発熱システム等が挙げられる。
【0006】特に寒冷地では熱に対する関心が高く、屋
根一体型太陽光発熱システムとして、光吸収が良い黒色
鉄板を利用したパッシブソーラーシステムが実用化され
ている(特公平7−280358号公報)。
【0007】上記パッシブソーラーシステムを利用した
住宅を図1を用いて説明する。概略全体図を図1
(a)、集熱パネルの詳細図を図1(b)に示す。
【0008】パッシブソーラーシステム住宅は太陽熱集
熱部として屋根材101と断熱材102に挟まれた空気
流通路103及び集熱パネル104内の空間を確保して
おり、その他、熱媒である空気の取り入れ口として軒先
に外気取り入れ口105、温風を住宅屋内に引き込むた
めのダクト106及びファン107、更に畜熱するため
のコンクリート108、室内に温風を取り入れるための
吹き出し口109より構成されている。
【0009】軒先に設けた外気取り入れ口105より侵
入した空気は屋根材101と断熱材102の間に形成さ
れた空気流通路103をゆっくり棟部に向けて流れる。
その間、日照により昇温している屋根材101より熱を
受けて昇温する。屋根材101は一般的に日照により8
0〜90℃の温度になるが、外気へ放熱するため、空気
流通路103の空気はせいぜい60℃ぐらいにしか昇温
しない。また風がある日は日照がどんなに強くても放熱
が大きくなる事から、空気流通路103の空気はほとん
ど昇温しない。
【0010】空気流通路103の空気を更に昇温させる
ために、棟近くに集熱パネル104を配置している。屋
根直下の空気流通路103を上昇してきた空気はこの集
熱パネル104内に流入する。集熱パネル104は図1
(b)に示す様に熱源である黒色鉄板115が受けた日
照熱を外気へ放熱しないようにガラス箱内117に閉じ
込めた構成になっており、取り込まれた空気は黒色鉄板
115から熱を受けて昇温し、80℃以上の温風にな
る。黒色鉄板115をガラスで覆う事で、熱源である黒
色鉄板115が日照で加熱される時に、風が吹いても、
冷却されずに集熱が行える。
【0011】また集熱パネル104内の空気流通路10
3として熱源である黒色鉄板115の非受光面側を利用
しているのは、受光面側のガラスと非受光面側のパネル
底板である断熱材とでは外気への熱損失が断熱材である
非受光面側の方が小さいからである。
【0012】屋根材101下の空気流通路103及び集
熱パネル104で暖められた80℃以上の温風はファン
107により住宅屋内に引き込まれ、ダクト106を通
り、床下のコンクリート108に畜熱され、必要に応じ
て吹き出し口109により、その熱を利用出来るように
なっている。
【0013】またファン107を逆転することで床下の
熱を外に排気することもできる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記システムは温風を
住宅内に送り込むファンを動作するための電気が必要で
あり、本発明者等はその電源として太陽電池モジュール
を前記屋根材に設置し、利用するシステムを以前、提案
した。
【0015】しかしながら寒冷地においては、積雪によ
り太陽電池モジュールが日影となり、システムが動作し
ないといった問題が発生した。
【0016】また一方でシステムが有効に動作するため
には高い温度(80℃以上)の温風が必要であり、集熱
パネルは屋根上には欠かす事ができなく、そのため屋根
上の太陽電池設置スペースが少なくなり、例えばファン
以外への余剰電力を、電力会社等に売却する系統連係を
行うことができなくなる等の問題も発生した。
【0017】両者を解決する手段として、集熱パネルの
中に太陽電池を設置する必要に迫られた。
【0018】そうすれば積雪しても集熱システムのファ
ンを逆転してやれば、畜熱されていた床下の温風で集熱
パネルを暖めて融雪することができ、パネル内の太陽電
池は日照を得ることが出来るし、一方で集熱パネルは通
常、日射量が一番多いとされる南面の棟付近に配置され
ているため、その面積に太陽電池を設置できれば多大な
電力も得られる。
【0019】更には、パッシブソーラーシステムの施工
作業も太陽電池と集熱パネルの両方を施工する必要がな
く、太陽電池付き集熱パネルを施工するだけで良くな
り、施工作業も軽減できる。
【0020】上記課題を解決するためには、特開昭58
−31253号公報にみられるように単に集熱パネル内
に太陽電池素子を設置すれば良い。しかしながら、それ
だけでは実用的な集熱パネルは実現しえない。
【0021】なぜならば、まず熱媒に対する太陽電池素
子の耐候性を確保するため、不活性ガス等を封入したり
と、箱の気密性等の課題が多くなりかえってコスト高と
なり、実用的でなくなる。また太陽電池は電源であり、
その絶縁性を確保しなくてはならず、太陽電池素子をそ
のまま用いる事で集熱パネルの絶縁性の確保といった課
題も出てくる。
【0022】更には、集熱パネルの組み立てにおいて、
作業性の低下、コスト高が問題となった。つまり太陽電
池素子を集熱パネル内に配置する為の組立工程が増加
し、また取り付け部品や、その他付随する部品が必要と
なって、組み立てコストが高くなり、実用的でなくなっ
た。
【0023】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その具体的手段を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】第1に、本発明は、少な
くとも一部に太陽光が入射可能な窓を有する保温構造の
箱、前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内に流
入させるための取入れ口、前記箱に設けられ、流体であ
る熱媒を前記箱内より流出させるための取出し口、前記
箱内に配置された集熱板を有する集熱パネルであって、
前記集熱板は、前記箱内の空間を受光面側と非受光面側
とに2分割するように配置されており、前記集熱板の一
部に太陽電池素子が一体形成され、前記太陽電池素子
は、少なくとも被覆フィルムにより被覆されていて、前
記熱媒が前記集熱板の非受光面側を通り、受光面側が密
封されていることを特徴とする集熱パネルを含むもので
あり、好ましくは、少なくとも前記太陽電池素子と前記
被覆フィルムとの間に充填材層を有すること、更に好ま
しくは、前記太陽電池素子が、前記取入れ口側に一体形
成されていることである。また、少なくとも一部に太陽
光が入射可能な窓を有する保温構造の箱、前記箱に設け
られ、流体である熱媒を前記箱内に流入させるための取
入れ口、前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内
より流出させるための取出し口、前記箱内に配置された
集熱板を有する集熱パネルであって、前記集熱板は、前
記箱内の空間を受光面側と非受光面側とに2分割するよ
うに配置されており、前記集熱板は、前記取入れ口側に
太陽電池素子が一体形成されていて、前記熱媒が前記集
熱板の非受光面側を通り、受光面側が密封されているこ
を特徴とする集熱パネルを含むものである。上記第1
の発明は、更に、前記集熱板の受光面側の熱抵抗より非
受光面側の熱抵抗が小さいこと、更に、前記集熱板が、
前記非受光面側に放熱構造を有する事、を好ましい態様
として含むものである。
【0025】第2に、本発明は、少なくとも一部に太陽
光が入射可能な窓を有する保温構造の箱、前記箱に設け
られ、流体である熱媒を前記箱内に流入させるための取
入れ口、前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内
より流出させるための取出し口、前記箱内に太陽光に晒
されるように配置された集熱板、を有する集熱パネルで
あって、前記集熱板は、前記箱内の空間を受光面側と非
受光面側とに2分割するように配置されており、前記窓
の少なくとも一部に太陽電池素子が一体形成され、前記
太陽電池素子は、少なくとも前記窓及び被覆フィルムに
より被覆されていて、前記熱媒が前記集熱板の非受光面
側を通り、受光面側が密封されていることを特徴とする
集熱パネルを含むものであり、好ましくは、少なくとも
前記太陽電池素子と前記被覆フィルムとの間に充填材層
を有すること、更に好ましくは、前記太陽電池素子が、
前記取り入れ口付近に位置していることである。また、
少なくとも一部に太陽光が入射可能な窓を有する保温構
造の箱、前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内
に流入させるための取入れ口、前記箱に設けられ、流体
である熱媒を前記箱内より流出させるための取出し口、
前記箱内に配置された集熱板、を有する集熱パネルであ
って、前記集熱板は、前記箱内の空間を受光面側と非受
光面側とに2分割するように配置されており、前記窓
は、前記取入れ口側に太陽電池素子を有し、前記熱媒が
前記集熱板の非受光面側を通り、受光面側が密封されて
いることを特徴とする集熱パネルを含むものである。上
記第2の発明は、更に、前記窓が少なくとも2枚の窓板
からなり、太陽電池素子付き窓と太陽電池素子の付いて
ない窓からなること、更に、前記太陽電池素子付き窓は
白板ガラスからなり、前記太陽電池素子の付いてない窓
は青板ガラスからなることを好ましい態様として含むも
のである。
【0026】上記第1、第2の本発明は、前記太陽電池
素子で発生した電気を取り出すためのケーブルコネクタ
ーを有し、該ケーブルコネクターは、前記取入れ口から
前記箱の外部に取り出されていることを好ましい態様と
して含むものである。
【0027】第3に、本発明は、少なくとも一部に太陽
光が入射可能な窓を有する保温構造の箱、前記箱に設け
られ、流体である熱媒を前記箱内に流入させるための取
入れ口、前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内
より流出させるための取出し口、前記箱内の一部に配置
された集熱板、を有する集熱パネルであって、前記集熱
板は、前記箱内の空間を2分割するように配置されてお
り、太陽光が入射可能な前記箱の底板に太陽電池素子が
一体形成され、前記太陽電池素子は、少なくとも被覆フ
ィルムにより被覆されていて、前記熱媒が前記集熱板の
非受光面側を通り、受光面側が密封されていることを特
徴とする集熱パネルを含むものであり、好ましくは、少
なくとも前記太陽電池素子と前記被覆フィルムとの間に
充填材層を有すること、更に好ましくは、前記太陽電池
素子が、前記取入れ口付近に配置されていることであ
る。また、少なくとも一部に太陽光が入射可能な窓を有
する保温構造の箱、前記箱に設けられ、流体である熱媒
を前記箱内に流入させるための取入れ口、前記箱に設け
られ、流体である熱媒を前記箱内より流出させるための
取出し口、前記箱内の一部に配置された集熱板、を有す
る集熱パネルであって、前記集熱板は、前記箱内の空間
を2分割するように配置されており、太陽光が入射可能
な前記箱の底板の前記取入れ口付近に太陽電池素子が一
体形成されていて、前記熱媒が前記集熱板の非受光面側
を通り、受光面側が密封されていることを特徴とする集
熱パネルを含むものである。上記第3の発明は、更に、
記底板が、前記太陽電池素子を配置した板と配置して
いない板とからなること、更に、前記窓が、前記太陽電
池素子上は白板ガラスからなり、非太陽電池素子上は青
板ガラスからなること、更に、前記集熱板は、屈曲形状
を有することをその好ましい態様として含むものであ
る。
【0028】更に、本発明は、上記第1から第3の本発
明において、前記太陽電池素子が、非単結晶半導体を用
いたものであること、前記非単結晶半導体が、アモルフ
ァスシリコン半導体であることを好ましい形態として含
むものである。
【0029】また、本発明は、上記本発明の集熱パネル
を利用したことを特徴とするパッシブソーラーシステム
を含むものであり、好ましくは、前記集熱パネルの前記
取出し口に連結され、屋内に前記熱媒を導入するダクト
を有すること、更には、前記ダクトの途中にファンを有
することである。
【0030】その上、太陽電池素子は非単結晶光起電力
素子を用い、集熱板が非受光面側に放熱構造を有する事
がさらに好ましい。
【0031】上記構成としたことにより、太陽光を熱に
変える熱源となる基板部分と太陽光を電気に変える太陽
電池素子が一体化されているので、太陽光を熱に変える
熱源と太陽光を電気に変える太陽電池素子を集熱パネル
内に別々に取り付ける必要がないので、取り付け作業性
が非常に良い。
【0032】つまり、集熱パネル内の一部に太陽電池素
子を取り付け、かつ、集熱のための熱源となる黒色鉄板
を取り付けるという必要がなく、次のような作業性の問
題を解消できる。
【0033】一つには、太陽電池素子を集熱パネル内に
取り付けた後、黒色鉄板を取り付けようとするとき、太
陽電池素子を傷付けないように必要となる注意、及び、
既に太陽電池素子が取り付けられていることにより、手
を入れにくいなどの作業性の悪さを解消できる。
【0034】逆に、黒色鉄板を取り付けた後、太陽電池
素子を取り付ける場合の、既に黒色鉄板が取り付けられ
ていることによる、太陽電池素子からの電気出力ケーブ
ルの取り回しなどの作業性の悪さを解消できる。
【0035】また、二つめには、太陽電池素子と黒色鉄
板により、集熱パネル内を2分割する場合に問題とな
る、太陽電池素子と黒色鉄板の間にできるスキ間を埋め
るために必要となる新しい部材による、コストアップと
その取り付け作業を解消できる。
【0036】またこれにより、この集熱パネルより所望
の電気出力と所望の温度を有した空気の両方を得ること
ができる。
【0037】ここで、太陽電池素子を取り入れ口側に一
体形成したことにより、太陽電池素子は集熱パネル内で
の温度の低い場所に存在することになり、問題となるほ
どの電気出力低下をきたすほどに高温化することなく、
所望の電気出力を得ることができる。
【0038】また、太陽電池素子が一体形成されていな
い集熱板部分において、受光面側の熱抵抗より非受光面
側の熱抵抗が小さいことにより、集熱板の非受光面側を
流れる空気へ伝導する熱量が増え、さらに高温な空気を
得ることができる。
【0039】さらに、太陽電池素子が一体形成されてい
る集熱板部分において、受光面側の熱抵抗より非受光面
側の熱抵抗が小さいことにより、この太陽電池素子が一
体形成されている部分でも集熱板の非受光面側を流れる
空気へ伝導する熱量が増え、さらに高温な空気を得るこ
とができる。
【0040】
【0041】太陽電池素子を窓に一体に樹脂で封止した
構成にすることで、従来の集熱パネルの組立作業と同じ
工数で行うことができた。つまり従来の様に、まず準備
した箱に集熱板を固定し、太陽電池と一体となった窓を
取りつけるだけで集熱パネルの組立て作業が完了する。
また素子の耐候性を考慮して集熱パネル内に不活性ガス
を充填する等の集熱パネルの厳密な気密性や、集熱パネ
ルの取り入れ口にフィルター等を要求する必要がなく、
また太陽電池素子の絶縁性を確保しやすいといった面で
の利点も大きい。また太陽電池素子側から見ても、従来
からのモジュール化の形成プロセスをそのまま利用でき
るため、新たな作業等の必要がなくコストを最小限に抑
えられる。
【0042】更に、集熱板に太陽電池素子を設置する必
要がなく、集熱板の集熱効果を高めるために、単なる平
板形状ではなく折り曲げられた形状を採用できる。
【0043】集熱パネルの取り入れ口付近の空気温度は
高くても60℃前後であり、この付近のみに太陽電池素
子を配備すれば、太陽電池素子に安価な封止材料や配線
材料等が使用可能となりコスト削減ができ、また必要な
温風も残った黒色鉄板で加熱生成することができる。
【0044】
【0045】太陽電池素子を集熱パネル底面に一体化さ
せた太陽電池素子を集熱パネル内に設置することで、次
のようなメリットがある。
【0046】具体的には太陽電池を集熱パネル底面に一
体化させる事により、集熱パネルの組立を、太陽電池素
子を組み込まない従来の集熱パネルの組立作業と同じ工
数で行うことが出来た。また、端子箱は底板に一体的に
形成できる為、内部での配線作業が不要となり、作業工
数を減少させる効果がある。このようにすることで組立
工程を大幅に削減すると共に、製造コストを押さえるこ
とが出来る。
【0047】これまで集熱パネル内での電気配線には、
箱内が高温となる為、電気配線及び接続方法等に高価な
配線材料、絶縁材料、接着剤等が必要であった。しか
し、太陽電池素子を集熱パネル底面に一体化させ、これ
を比較的温度が低温である空気取り入れ口付近に配備す
ることで、前記材料の耐熱グレードを落とすことが可能
となり、材料費の削減が可能になった。また、集熱箱内
の太陽電池素子を配備しない空間は、従来からの集熱板
が使用出来る為、必要な温度の温風はそこで加温して生
成することもできる。
【0048】太陽電池の電気取り出し部としての端子箱
は、太陽電池の非受光面側に付けることができる。集熱
パネル底面に太陽電池を一体化させる事により、集熱パ
ネル底面に直接太陽電池の電気取り出し部を設置するこ
とが出来、集熱パネル底面から直接電気を取り出せると
いった面でのメリットが大きい。具体的には、集熱パネ
ル内に複数の太陽電池を配置した場合、集熱パネル内に
ある太陽電池間でまず電気接続し、更にそこからの配線
を集熱パネル外に出さなければならなかった。しかし、
集熱パネル底板に太陽電池を一体形成させることによ
り、端子箱が太陽電池の裏面に配置されているいる為、
集熱パネル底板の裏面に端子箱を設置することで、配線
を直接集熱パネル外へ出すことができるというメリット
がある。
【0049】その上、太陽電池素子として非単結晶光起
電力素子を用いることにより、次の作用がある。
【0050】非単結晶半導体は結晶シリコン半導体より
も温度依存性が優れており、例えば本発明に用いたアモ
ルファスシリコン(a−Si)半導体の温度特性は、−
0.2%/℃であり、100℃の温度上昇に対しても当
初の効率に対して20%のダウンにしかならない。ま
た、高温下における特性低下が少ない。更には、集熱パ
ネル等の高い温度下で使用する事で非単結晶半導体特有
のステブラーロンスキー劣化を抑えられることが最近報
告されており、トータルでは長期間に取り出せる電力の
増大をもたらすことができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下に本発明の集熱パネルの実施
の形態について図を用いて説明する。尚、本発明はこの
例に限られるものではない。
【0052】(1)形態1 図2は本発明の集熱板を熱源とする集熱パネルの斜視図
(図2(a))とその断面図(図2(b))である。箱
201に空気が通過できる取入れ口202と取出し口2
03が設けられている。箱201の一面は窓204にな
っており、太陽光205が入射できる様になっている。
集熱板206は入射光に晒され、箱201内の空間を2
分割するように取りつけられている。集熱板206は太
陽光205を吸収して、後述する太陽電池素子部分によ
り発電する。そして、これもまた後述する基板部分が熱
源となり、非受光面側の空気207に熱量を伝える。取
入れ口202より流入してきた空気207は集熱板20
6により暖められて温風となり、取出し口203より流
出する。ここで受光面側の空気を熱媒として利用しない
のは、受光面側はガラス窓204部からの熱放熱がある
ため、十分な昇温ができないためである。
【0053】また太陽電池素子において発電した電気は
集熱板206の非受光面側から取り出され、ケーブルコ
ネクター208等により、外部へ取り出す構成になって
いる。
【0054】以下に各構成材料について述べる。
【0055】(箱)箱201の材料は断熱性が高いもの
が好ましく、例えば、木、ポリスチレン、珪化カルシウ
ム、発泡スチロールなどが使用できる。また箱201は
気密構造とする。
【0056】(窓)窓204の材料は光透過性と断熱性
が高いものが好ましく、例えば、ガラス、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ナイロ
ンなどが使用できる。また窓204の取り付けは箱20
1にゴム、シリコン、アクリル等の接着剤により取り付
け、エッチカバーを設けてもよい。
【0057】(取入れ口)取入れ口202は少なくとも
箱201に1つあり、空気や水などが流入できる構造で
ある。ゴミ等の混入を防ぐためのフィルターや酸性の物
質を含む空気に対する化学フィルターを設けてもよい。
また空気の流入量を調整できる様に絞りを設けてもよ
い。
【0058】(取出し口)取出し口203は少なくとも
箱201に1つあり、空気や水などが流入できる構造で
ある。ゴミ等の混入を防ぐためのフィルターや酸性の物
質を含む空気に対する化学フィルターを有してもよい。
また空気の流入量を調整できる様に絞りを設けてもよ
い。更に住宅内に送り込む空気温度を制御するための温
度計を設けてもよい。
【0059】(集熱板)以下に本発明の一部に太陽電池
素子を一体形成した集熱板について図を用いて説明す
る。
【0060】図3は本発明の集熱板301の斜視図(図
3(a))とその線AAでの断面図(図3(b))であ
る。
【0061】図3(b)は上記集熱板301の一部が太
陽電池素子302、保護膜303、表面被覆フィルム3
04、裏面被覆フィルム305、基板306、充填材3
07より構成されていることを示している。
【0062】更に各材料及びモジュール形成方法につい
て詳しく述べる。
【0063】a)太陽電池素子 太陽電池素子302は図4に示すように、導電性基体4
01、裏面反射層402、半導体層403、透明導電層
404、集電電極405から構成されている。
【0064】導電性基体401は太陽電池素子302の
基板であり、発電に寄与しなかったり、反射された光以
外のエネルギーを熱エネルギーにかえる熱源としての役
割をしている。また非受光面の電極の役割を持つ。裏面
反射層402はより多くの光起電力を得ようと光を半導
体層403に反射させる役割を持つ。半導体層403は
光を吸収し電気エネルギーにかえる役割を持つ。透明電
極層404は受光面側の電極であり、集電電極405は
透明電極404上に発生した電流を効率よく集電するた
めの電極である。
【0065】導電性基体401としては、例えばステン
レス、アルミニウム、銅、チタン、カーボンシート、亜
鉛メッキ鋼板、導電層が形成されているポリイミド、ポ
リエステル、ポリエチレンナフタライド、エポキシ等の
樹脂フィルムやガラス等のセラミックが挙げられる。
【0066】裏面反射層402としては金属層、金属酸
化物層、金属層と金属酸化物の複合層が用いられる。金
属の材料としては、例えばチタン、クロム、モリブデ
ン、タングステン、アルミニウム、銀、ニッケル等が用
いられる。金属酸化物材料としては、例えば酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化錫等が利用される。金属層及び金属酸
化物層の形成方法としては抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸
着、スパッタリング等がある。非単結晶半導体として
は、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンゲル
マニウム、アモルファスシリコンカーバイド、アモルフ
ァスシリコンナイトライド、更にこれらが微結晶化した
マイクロクリスタル、多結晶シリコン等が挙げられる。
【0067】半導体層403としては、例えば非単結晶
半導体、結晶シリコン、銅インジウムセレナイド、サン
セラム等の化合物半導体が挙げられる。
【0068】製法としては、非単結晶半導体の場合は、
例えばシランガス、ゲルマンガス、炭化水素等のプラズ
マCVDにより形成する。結晶シリコンの場合は溶融シ
リコンのシート化、あるいはアモルファスシリコンの熱
処理により形成する。また化合物半導体の場合は、例え
ば電子ビーム蒸着、スパッタリング、電析、印刷等によ
り形成する。
【0069】構成としては、pin接合、pn接合、シ
ョットキー型接合が用いられる。
【0070】透明導電層404としては、例えば酸化イ
ンジウム、酸化錫、ITO、酸化亜鉛、酸化チタン、硫
酸カドミウム等が挙げられる。形成方法としては、例え
ば抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等が
ある。
【0071】集電電極405としては、例えば金属であ
るチタン、クロム、モリブデン、タングステン、アルミ
ニウム、銀、ニッケル、銅、錫等の導電性ペーストが用
いられる。導電性ペーストは、例えばポリエステル、エ
ポキシ、フェノール、アクリル、アルキシド、ポリビニ
ルアセテート、ゴム、ウレタン、フェノール等のバイン
ダーポリマーと上記金属の粉末を分散させて用いる。形
成方法としては、例えばマスクによるスクリーン印刷法
等がある。
【0072】b)保護膜 保護膜303は太陽電池素子302表面を保護し、複数
の素子の組み上げ工程での製造歩留りを上げるため、耐
スクラッチ性が必要とされる。光透性、耐候性、接着性
も必要であり、材料としては、例えばアクリルシリコ
ン、アクリル、シリコン等の樹脂を用いる。
【0073】c)表面被覆フィルム 表面被覆フィルム304は表面を保護し絶縁性を確保す
る必要があり、絶縁性、透光性、耐候性、汚れが付着し
にくいことが要求される。材料としては、例えばポリエ
チレンテトラフルオロエチレン、ポリ3フッ化エチレ
ン、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂フィルムがある。
通常はフッ素樹脂フィルムは接着性が乏しいため、接着
面はコロナ処理やプライマー処理を施すのが好ましい。
【0074】d)裏面被覆フィルム 裏面被覆フィルム305には太陽電池素子302と基板
306との絶縁性を確保するために、絶縁性を要求され
る。材料としては、例えばナイロン、ポリエチレンテレ
フタレート等がある。また裏面被覆フィルム305は基
板306上にコートされた一体型でも構わない。
【0075】e)基板 基板306は、太陽光を熱に換える熱源としての機能を
有すること、そして、太陽電池素子302を支持するこ
とのできる構造強度を有する以外特に限定はない。例え
ば、塗装亜鉛メッキ鋼板のような絶縁処理した金属、カ
ーボンファイバー、FRP(ガラスファイバー強化プラ
スチック)、セラミック、ガラス等を用いる。
【0076】f)充填材 充填材307は上記各材料を接着する役割があり、接着
性、柔軟性、光透性、耐候性を要求される。材料として
は、例えばEVA(酢酸ビニル−エチレン共重合体)、
ブチラール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂
を使用する。また集熱板301の耐スクラッチ性を上げ
るためガラス繊維を含浸したり、半導体層403を劣化
させる紫外線を吸収する紫外線吸収剤を含有させてもよ
い。
【0077】(2)形態2 図16は本発明の太陽電池付き集熱パネルの斜視図であ
り、図17はその断面図である。箱1601、1701
に空気が通過できる取り入れ口1602、1702と取
り出し口1603、1703が設けられている。箱16
01、1701の一面は太陽電池付き窓1604、17
04になっており、太陽光1708が入射できるように
なっている。光起電力素子1605、1705は入射光
に晒され、窓1604、1704と一体形成するように
樹脂封止されている。集熱板1606、1706は入射
光に晒され、箱1601、1701内の空間を2分割す
るように取りつけられている。集熱板1606、170
6は太陽光を吸収して発熱し、非受光面側の空気に熱量
を伝える。取り入れ口1602、1702より流入して
きた空気1709は取り入れ口1602、1702から
取り出し口1603、1703へ進むにつれて除々に集
熱板1606、1706により暖められて温風となり、
取り出し口1603、1703より流出する。
【0078】ここで集熱板1606、1706の受光面
側の空気を熱媒として利用しないのは、受光面側は太陽
電池付き窓1604、1704部からの放熱があるた
め、十分な昇温ができないためである。
【0079】また光起電力素子1605、1705を部
分的に窓1604、1704に一体形成しているのは、
全面に形成すると日射が集熱板1606、1706に照
射せず、窓は放熱が大きいため十分な昇温ができないた
めである。
【0080】また光起電力素子1605、1705は当
然ながら発電しており、発生した電気は太陽電池の非受
光面側から取り出され、ケーブルコネクター1607、
1707等により、外部へ取り出す構成になっている。
【0081】空気の取り入れ口1602、1702の近
くの温度は高温時でも60〜80℃であり、ケーブルコ
ネクター1607、1707の取り出し位置を取り入れ
口1602、1702の近くにする事で、ケーブルコネ
クター1607、1707の耐熱性が必要なく、従来の
ケーブルコネクターを使用することができる。
【0082】取り入れ口1602、1702から取り出
されたケーブルコネクター1607、1707は必要に
応じて、隣接する集熱パネルからのケーブルコネクター
と接続される。
【0083】以下に各構成材料について述べる。
【0084】箱1601、取入れ口1602、取出し口
1603については、前述の形態1と同様である。
【0085】(集熱板)集熱板1606は集熱パネルの
熱源の働きをする。日射を受けて暖められ、その熱を熱
媒に伝達する作用を持つ。このましくは輻射の抵抗が低
い黒色の鉄板が望ましく、その他黒色のアルミ板、黒色
のステンレス板、選択吸収板などが用いられる。
【0086】(太陽電池付き窓)以下に太陽電池付き窓
1604について図を用いて説明する。
【0087】図18は本発明の太陽電池付き窓の斜視図
であり、窓板1801上に太陽電池が形成されているこ
とを示している。光起電力素子1802は窓の一部分に
形成されている。更に光起電力素子1802からケーブ
ルコネクター1803により端子取り出しを行ってい
る。図19はその断面図である。図19は上記太陽電池
付き窓が光起電力素子1901、窓板1902、裏面被
覆フィルム1903、充填材1904、ケーブルコネク
ター1905より構成されていることを示している。
【0088】更に各材料及び一体形成方法について詳し
く述べる。
【0089】a)光起電力素子 光起電力素子1901は、導電性基体、裏面反射層、半
導体層、透明導電層、集電電極から構成されている。
【0090】導電性基体は光起電力素子の基板であり、
非受光面の電極である。裏面反射層はより多くの光起電
力を得ようと光を半導体層に反射させる反射層である。
半導体層は光を吸収し電気エネルギーにかえる役割を持
つ光起電力層である。透明電極層は受光面側の電極層で
ある。集電電極は透明電極上に発生した電流を効率よく
集電するための電極である。
【0091】導電性基体としては、例えばステンレス、
アルミニウム、銅、チタン、カーボンシート、亜鉛メッ
キ鋼板、導電層が形成されているポリイミド、ポリエス
テル、ポリエチレンナフタライド、エポキシ等の樹脂フ
ィルムやガラス等のセラミックが挙げられる。
【0092】裏面反射層としては金属層、金属酸化物
層、金属層と金属酸化物の複合層が用いられる。金属の
材料としては、例えばチタン、クロム、モリブデン、タ
ングステン、アルミニウム、銀、ニッケル等が用いられ
る。金属酸化物材料としては、例えば酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化錫素等が利用される。金属層及び金属酸化物
層の形成方法としては抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、
スパッタリング等がある。
【0093】半導体層としては、例えば非単結晶半導
体、結晶シリコン、銅インジウムセレナイド、サンセラ
ム等の化合物半導体が挙げられる。非単結晶半導体とし
ては、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンゲ
ルマニウム、アモルファスシリコンカーバイド、アモル
ファスシリコンナイトライド、更にこれらが微結晶化し
たマイクロクリスタル、多結晶シリコン等が挙げられ
る。
【0094】製法としては、非単結晶半導体の場合は、
例えばシランガス、ゲルマンガス、炭化水素等のプラズ
マCVDにより形成する。結晶シリコンの場合は溶融シ
リコンのシート化、あるいはアモルファスシリコンの熱
処理により形成する。また化合物半導体の場合は、例え
ば電子ビーム蒸着、スパッタリング、電析、印刷等によ
り形成する。
【0095】構成としては、pin接合、pn接合、シ
ョットキー型接合が用いられる。
【0096】透明導電層としては、例えば酸化インジウ
ム、酸化錫、ITO、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸カド
ミウム等が挙げられる。形成方法としては、例えば抵抗
加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等がある。
【0097】集電電極としては、例えば金属であるチタ
ン、クロム、モリブデン、タングステン、アルミニウ
ム、銀、ニッケル、銅、錫等の導電性ペーストが用いら
れる。導電性ペーストは、例えばポリエステル、エポキ
シ、フェノール、アクリル、アルキシド、ポリビニルア
セテート、ゴム、ウレタン、フェノール等のバインダー
ポリマーと上記金属の粉末を分散させて用いる。形成方
法としては、例えばマスクによるスクリーン印刷法等が
ある。
【0098】b)窓板 窓板1902の材料は光透過性と断熱性と耐荷重性が高
いものが好ましく、例えば、ガラス、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ナイロン
などが使用できる。また窓1902の取り付けは箱にゴ
ム、シリコン、アクリル等の接着剤により取り付け、エ
ッチカバーを設け端部を保護してもよい。
【0099】c)裏面被覆フィルム 裏面被覆フィルム1903は光起電力素子1901から
裏面側の絶縁を確保する必要があり、絶縁性を要求され
る。また窓板1902全体を被覆する場合は光透過性も
要求される。材料としては、例えばナイロン、ポリエチ
レンテレフタレート、ETFE(エチル−テトラフルオ
ロエチレン)等がある。
【0100】d)充填材 充填材1904は上記各材料を接着する役割があり、接
着性、柔軟性、光透性、耐候性を要求される。材料とし
ては、例えばEVA(酢酸ビニル−エチレン共重合
体)、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等
の樹脂を使用する。また太陽電池の耐スクラッチ性を上
げるためガラス繊維を含浸したり、半導体層を劣化させ
る紫外線を吸収する紫外線吸収剤を含有させてもよい。
【0101】e)ケーブルコネクター ケーブルコネクター1905は太陽電池から電気エネル
ギーを取り出し、外部の配線等に接続するためのもので
あり、ケーブルとコネクターから構成されている。
【0102】ケーブルは軟質銅等の導体である芯線を絶
縁被覆し、更に外部から保護するため保護被覆されてい
る。絶縁被覆材としては、例えば塩化ビニル、架橋ポリ
エチレン、天然ゴム、エチレンプロピレン、シリコン樹
脂、フッ素樹脂、無機絶縁体等が用いられる。保護被覆
材としては塩化ビニル、クロロプレン、ポリエチレン、
ポリウレタン、シリコン樹脂、フッ素樹脂、金属等が用
いられる。
【0103】コネクターは正極、負極の2種類あり、そ
れぞれが互いに接続出来るようになっており、例えばポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタ
レート等が使用される。
【0104】(3)形態3 図24は、本発明の太陽電池付集熱パネルの斜視図(図
24(a))とその断面図(図24(b))である。箱
2401には、空気が通過できる取入れ口2402と取
出し口2403が設けられている。箱2401の一面は
窓2411になっており、太陽光2405が入射できる
様になっている。光起電力素子2406は、入射光に晒
される領域の箱底板2407に一体形成されて、太陽電
池付底板2501(図25参照)を構成している。集熱
体2404は太陽光を吸収して発熱し、非受光面側の空
気に熱量を伝える。取入れ口2402より流入してきた
空気2410は、光起電力素子2406を箱底板240
7に一体形成した太陽電池上を通り、熱源である集熱体
2404により暖められて温風となり、取出し口240
3より流出する。また、起電力素子2406は当然なが
ら発電しており、発生した電気は起電力素子2406非
受光面側、すなわち箱底板2407裏面に取り付けられ
た端子取り出し部2409より外部へ取り出す構成にな
っている。尚、2408は断熱材である。
【0105】以下に各構成材料について述べる。
【0106】箱2401、まど2411、取入れ口24
02、取出し口2403については、前述の形態1と同
様である。また、集熱体2404については、前述の形
態2と同様である。
【0107】(太陽電池付底板)以下に箱底板2407
と一体に太陽電池を設けた太陽電池付底板2501につ
いて図を用いて説明する。
【0108】図25(a)は本発明における太陽電池付
底板2501の斜視図であり、箱底板2407上の一部
に太陽電池が形成されていることを示している。図25
(b)は上記太陽電池付底板2501が光起電力素子2
502、保護膜2503、表面被覆フィルム2504、
裏面被覆フィルム2505、裏面補強材2506、充填
材2507、断熱材2508、及びケーブルコネクタ2
509、端子箱2510より構成されていることを示し
ている。この太陽電池付底板2501は、組立後集熱パ
ネルの底板として機能するものである。
【0109】更に各材料及び太陽電池形成方法について
詳しく述べる。
【0110】a)光起電力素子 光起電力素子2502は、導電性基体、裏面反射層、半
導体層、透明導電層、集電電極から構成されている。導
電性基体は光起電力素子の基板であり、発電に寄与しな
かったり、反射された光以外のエネルギーを熱エネルギ
ーにかえる熱源としての役割をなす。また、非受光面の
電極の役割を持つ。裏面反射層は、より多くの光起電力
を得るために、光を半導体層に反射させる役割を持つ反
射層である。半導体層は、光を吸収して電気エネルギー
にかえる役割を持つ。透明電極層は、受光面側の電極で
あり、集電電極は、透明電極上に発生した電流を効率よ
く集電するための電極である。
【0111】上記導電性基体として用いる材料として
は、例えばステンレス、アルミニウム、銅、チタン、カ
ーボンシート、亜鉛メッキ鋼板、導電層が形成されてい
るポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンナフタライ
ド、エポキシ等の樹脂フィルムやガラス等のセラミック
が挙げられる。
【0112】上記裏面反射層としては、例えば金属層、
金属酸化物層、金属層と金属酸化物の複合層が用いられ
る。金属の材料としては、例えばチタン、クロム、モリ
ブデン、タングステン、アルミニウム、銀、ニッケル等
が用いられる。金属酸化物材料としては、例えば酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化錫素等が利用される。
【0113】上記金属層及び金属酸化物層の形成方法と
しては、例えば抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッ
タリング等を用いることができる。
【0114】上記半導体層を構成する材料としては、例
えば非単結晶半導体、結晶シリコン、銅インジウムセレ
ナイド、サンセラム等の化合物半導体を挙げることがで
きる。非単結晶半導体としては、アモルファスシリコ
ン、アモルファスシリコンゲルマニウム、アモルファス
シリコンカーバイド、アモルファスシリコンナイトライ
ド、更にこれらが微結晶化したマイクロクリスタル、多
結晶シリコン等が挙げられる。
【0115】製法としては、非単結晶半導体の場合はシ
ランガス、ゲルマンガス、炭化水素等のプラズマCVD
により形成することができる。結晶シリコンの場合は溶
融シリコンのシート化、あるいはアモルファスシリコン
の熱処理により形成することができる。化合物半導体の
場合は電子ビーム蒸着、スパッタリング、電析、印刷等
により形成することができる。
【0116】構成としては、pin接合、pn接合、シ
ョットキー型接合が用いられる。
【0117】透明導電層を構成する材料としては、例え
ば酸化インジュウム、酸化錫、ITO、酸化亜鉛、酸化
チタン、硫酸カドミウム等を挙げることができる。形成
方法としては、例えば抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、
スパッタリング等を用いることができる。
【0118】集電電極を構成する材料としては、例えば
金属であるチタン、クロム、モリブデン、タングステ
ン、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、錫等の導電性ペ
ーストを用いることができる。導電性ペーストは、例え
ばポリエステル、エポキシ、フェノール、アクリル、ア
ルキシド、ポリビニルアセテート、ゴム、ウレタン、フ
ェノール等のバインダーポリマーに上記金属の粉末を分
散させることで得ることができる。形成方法としては、
例えばマスクによるスクリーン印刷法等を用いることが
できる。
【0119】b)保護膜 保護膜2503は光起電力素子2502の表面を保護
し、複数の素子の組み上げ工程での製造歩留りを上げる
ため、耐スクラッチ性が必要とされる。光透性、耐候
性、接着性も必要であり、材料としては、例えばアクリ
ルシリコン、アクリル、シリコン等の樹脂を用いること
ができる。
【0120】c)表面被覆フィルム 表面被覆フィルム2504は表面を保護し絶縁性を確保
する必要があり、絶縁性、透光性、耐候性、耐熱性、汚
れが付着しにくいことが要求される。材料としては、例
えばポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリ三フッ
化エチレン、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂フィルム
等を用いることができる。フッ素樹脂フィルムの場合
は、接着性が乏しいため、通常背着面にコロナ処理やプ
ライマー処理を施して用いる。
【0121】d)裏面被覆フィルム 裏面被覆フィルム2505は上記光起電力素子2502
と裏面補強材2506との絶縁性を確保する必要があ
り、絶縁性を要求される。材料としては、例えばナイロ
ン、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができ
る。また、裏面被覆フィルム2505は、裏面補強材2
506上にコートされた一体型とすることもできる。
【0122】e)裏面補強材 裏面補強材2506は、太陽電池モジュールの強度を増
すために場合によって使用される板状ものであり。耐候
性、耐熱性、耐荷重性が要求される。材料としては、金
属の他に、例えば塗装亜鉛鋼板のような絶縁処理した金
属、カーボンファイバー、FRP(ガラスファイバー強
化プラスチック)、セラミック、ガラス等を用いること
ができる。
【0123】f)充填材 充填材2507は、上記各材料を接着する役割があり、
接着性、柔軟性、光透性、耐候性を要求される。材料と
しては、例えばEVA(酢酸ビニル−エチレン共重合
体)、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等
の樹脂を使用することができる。また、太陽電池モジュ
ールの耐スクラッチ性を上げるためガラス繊維を含浸さ
せたり、前記半導体層を劣化させる紫外線を吸収する紫
外線吸収剤を含有させることが好ましい。
【0124】
【実施例】以下に本発明の実施例を図を用いて詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0125】(実施例1−1)本実施例における集熱パ
ネルに配置する集熱板は、太陽電池素子として非単結晶
光起電力素子を、基板として塗装亜鉛メッキ鋼板を用い
た。そして、太陽電池素子の配置位置は図12に示すよ
うに、集熱パネルに取り付けた場合に、取り入れ口側に
のみ配置した。
【0126】以下に図を用い、詳細に説明する。
【0127】まず最初に太陽電池素子について説明す
る。
【0128】最初に図5のように非単結晶光起電力基板
505を作成した。洗浄した0.127mm厚の長尺ス
テンレス基板501上に、スパッタ法で裏面反射層50
2としてSiを1%含有するAl層(膜厚5000オン
グストローム)とZnO層(膜厚5000オングストロ
ーム)を順次形成する。次にプラズマCVD法により、
SiH4とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si層
を、SiH4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、S
iH4とBF3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−S
i層を形成し、n層膜厚150オングストローム/i層
膜厚4000オングストローム/p層膜厚100オング
ストローム/n層膜厚100オングストローム/i層膜
厚800オングストローム/p層膜厚100オングスト
ロームの層構成のタンデム型a−Siの半導体層503
を形成した。
【0129】最後に透明導電層504として、In23
薄膜(膜厚700オングストローム)を、O2雰囲気下
でInを抵抗加熱法で蒸着する事によって形成した。
【0130】次に、図6のように上記長尺の光起電力基
板505を縦300mm×横80mmの大きさでプレス
マシンを用いて打ち抜き複数の光起電力素子片601を
作成した。しかしながら、プレスマシンにより切断され
た光起電力素子片601の切断面では、透明導電層50
4とステンレス基板501が短絡した状態になってい
る。
【0131】そこで次に、図7のようにこの短絡をリペ
アーするために透明導電層701であるIn23電極の
周辺をエッチングした。ここで、In23電極の周辺の
エッチングは、In23を溶解するが非単結晶半導体は
溶解しない選択性を持つエッチング剤(FeCl3
液)を、各太陽電池素子の切断面よりやや内側のIn2
3の周囲にスクリーン印刷しIn23を溶解した後、
水洗浄することにより行い、In23電極の素子分離部
702を形成した。
【0132】さらに、図8のように正極側の集電電極を
以下の手順により形成した。まずグリッド801形成は
透明導電層にポリマー型銀メッキ銅ペーストをスクリー
ン印刷機により、パターン印刷をおこない、これを20
0℃±20℃に調整されたIR加熱炉により5分間の加
熱をおこなった。次に同じくスクリーン印刷機で導電ペ
ースト上にクリーム半田を印刷し、250℃±10℃に
調整されたリフロオブンで、クリーム半田を加熱溶融さ
せた。そしてクリーム半田に含まれているフラックスを
洗浄するために、イオン交換樹脂により余分なイオンを
取り除いた純水を用いたシャワーに、基板ごと5分間投
入し、約80℃に調整された温風を電極面にあて、5分
程度乾燥させた。
【0133】次にグリッド801の集電を行うバスバー
802の形成は錫メッキ銅線をグリッド801と直交さ
せる形で配置した後、グリッド801との交点に接着性
銀インク803を滴下し、150℃で30分間乾燥し
て、グリッド電極801と錫メッキ銅線802とを接続
した。その際、錫メッキ銅線802とステンレス基板の
端面が接触しないように、錫メッキ銅線802の下にポ
リイミドテープ804を貼りつけた。
【0134】次に、図9のように負極側の電極を以下の
手順により形成した。銅タブ901は非発電領域の一部
を、グラインダーで除去してステンレス基板を露出させ
た後、その部分に銅箔をスポット溶接器で溶接902し
た。グラインダーで除去するのは透明電極層や半導体層
等の高抵抗膜が存在する状態でスポット溶接を行うと、
溶接時に火花が散って、製品に悪影響を及ぼす可能性が
高いためである。
【0135】以上で太陽電池素子である非単結晶光起電
力素子の単位セルの作成が終了した。
【0136】次に、図10のように単位セル1001を
1.0mmの間隔をあけて配列し、隣接する単位セル1
001のバスバー1002と銅箔タブ1003とを半田
付け1004することにより直列接続し、同様に10枚
の単位セル1001を直列接続した。
【0137】次に、図11のように正極及び負極の端子
取り出し用配線の形成を行った。正極側の配線は、10
番目の単位セル1101の裏面中央部に絶縁性ポリエス
テルテープ1102を貼りつけた上に銅箔1103を重
ね、次に、銅箔1003と裏側に向けて折り返されたバ
スバー1104を半田付け1105することによって行
った。また、負極側の配線は1番目の単位セル1106
の裏面に図11のように銅箔1107を貼り付け、次に
スポット溶接された銅タブ1108を裏側に向けて折り
返し銅箔1107と半田付け1109することによって
行った。
【0138】以上で太陽電池素子である非単結晶光起電
力素子の作成が完成した。大きさはは縦300mm、横
809mmの大きさである。
【0139】次に、図12に示したような集熱板120
1を作成する。
【0140】まず最初に図13のように上記の太陽電池
素子1301表面に保護膜1302を形成する。アクリ
ルシリコン原液をシンナーに溶かし(固形分80%)、
シランカップリング剤を固形分に対して3%混合したも
のを塗料液として調合し、図13のように太陽電池素子
表面に均一に塗料を圧液の噴射により塗布し、80℃±
3℃に調整された熱風乾燥路で5分間乾燥させた後、2
00℃±10℃に調整された熱風乾燥路に移し替え、3
0分間硬化させる。
【0141】上記アクリルシリコンは熱伝導率が0.1
8kcal/mh℃である一般的なものを用い、厚みは
100μmとした。厚みに関しては塗布できる最高膜厚
を用いており、表面保護性を高めた。100μm以上塗
布すると硬化中に発砲が生じ、均一な膜形成が不可能と
なる。
【0142】次に基板1202として塗装亜鉛メッキ鋼
板を準備する。表裏ともに黒色の塗料がコートしてあ
り、熱伝導率が38kcal/mh℃であるものを用
い、厚みは400μmのものを用いた。寸法は横866
mm×縦1456mmに切断した。厚みに関しては通
常、屋根材として塗装亜鉛メッキ鋼板が使用される場合
の厚みである400μmのものをそのまま用いた。集熱
パネル内に配置するので強度、耐荷重等の特性が必要な
いため、更に薄いものを使用しても構わない。非受光面
側に黒色の塗料がコートされているものを用いたのは集
熱板裏面側への熱の輻射を良くするためである。
【0143】基板1202の適当な位置には太陽電池素
子1207から取り出される正極、負極の端子取り出し
穴を設けておく。
【0144】次に第1充填材1203としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード)を
基板1202の上に太陽電池素子1207を配置する予
定部分に太陽電池素子1207より周囲2cm大きくな
るように積層した。EVAはポリエチレン系の樹脂であ
るので熱伝導率は0.28kcal/mh℃であり、受
光面側は市販されている230μmの樹脂の枚葉を用い
た。厚みに関しては特に制約はないが接着力を長期に渡
り確保しなければならず、現在実績のある230μm厚
のものを用いている。
【0145】次に裏面被覆フィムル1204としてPE
Tフィルム(ポリエチレンテレフタレート)を上記第1
充填剤1203の上に太陽電池素子1207を配置する
予定部分に太陽電池素子1207より周囲1cm大きく
なるように積層した。PETフィムルは熱伝導率が0.
18kcal/mh℃である。厚みとしては50μmの
ものを用いた。厚みに関しては太陽電池素子1207と
基板1202との絶縁性を確保できる最少の厚みを用い
ている。
【0146】次に第2充填材1205としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード)を
上記第1充填剤1203と同様に上記裏面被覆フィルム
1204の上に積層した。EVAはポリエチレン系の樹
脂であるので熱伝導率は0.28kcal/mh℃であ
り、受光面側は市販されている230μmの樹脂の枚葉
を用いた。厚みに関しては接着力を長期に渡り確保しな
ければならい事と太陽電池素子1207の非受光面の凹
凸が200μm程度あり、それを充填するために、現在
実績のある230μm厚のものを用いている。
【0147】次に上記で作成済の保護膜1206付きの
太陽電池素子1207を配置して、上記第2充填材12
05の上に非受光面が基板1202側になるように積層
した。
【0148】次に第3充填材1208としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード)を
上記保護膜1206付きの太陽電池素子1207の上に
周囲1cm大きくなるように積層した。EVAはポリエ
チレン系の樹脂であるので熱伝導率は0.28kcal
/mh℃であり、受光面側は市販されている460μm
の樹脂の枚葉を用いた。厚みに関しては受光面側の熱抵
抗を上げるために必要な膜厚を考慮した。
【0149】最後に表面被覆フィルム1209としてE
TFE(エチレンテトラフルオロエチレン)を上記第3
充填材1208の上に太陽電池素子1207より周囲3
cm大きくなるように積層した。また、表面被覆フィル
ム1209にはEVAとの接着性を高めるためにあらか
じめ接着面にプラズマ処理が施してある。熱伝導率は
0.28kcal/mh℃であり、厚みは50μmであ
る。厚みに関しては表面の耐スクラッチ性に必要な膜厚
を用いている。
【0150】これら一体積層体を真空ラミネーターを用
いて、加圧脱泡しながら、150℃で充填材を溶融させ
ることにより樹脂どうしの接着を行い集熱板を作成す
る。表面被覆フィルム1209であるETFEの余った
部分は切り取った。
【0151】更に基板1202に予め開けておいた端子
取り出し穴より、ケーブルコネクター1210等を半田
付けし、正極と負極の端子を取り出す。半田付け部は絶
縁性、端子引っ張り強度を持たせるために、端子箱12
11内で端子台に止められており、端子箱1211内は
更にシリコンシーラントにより充填した構成になってい
る。
【0152】次にこの集熱板を用いた集熱パネルについ
て図14を参考に説明する。
【0153】集熱パネルは光を透過する窓1406を有
する箱1401、空気取り入れ口1402、空気取り出
し口1403、熱源である上記集熱板1405により構
成されている。
【0154】箱1401は強度を出すため、鉄板で枠及
び面を作成している。更に内部は熱を逃がさないよう
に、20mm厚の断熱材1408で被覆している。断熱
材1408はポリスチレンを用いている。寸法は屋根が
尺を単位とした寸法が多いため、尺寸法910mmを幅
にし1500mmの長さ、80mmの高さである。内部
は断熱材1408の厚み分だけ、狭くなっており、幅が
870mm、長さが1460mm、深さが60mmであ
る。
【0155】窓1406としては強化ガラスを用い、厚
みが4mmのものを使用する事で、耐荷重性、断熱性を
高め、外気への熱損失をできるだけ抑えた構成になって
いる。寸法はできるだけ多くの太陽光を得るため、89
0mm×1480mmとほぼ箱1401の一面を形成し
ている。
【0156】空気取り入れ口1402は上記箱1401
の幅方向の側面に位置し、集熱板1405の非受光面側
の空間と連絡できるように設けられている。寸法は30
mm×300mmである。
【0157】空気取り出し口1403は箱1401の裏
面でかつ、空気取り入れ口1402と対向する側面の近
くに位置する。寸法は直径が150mmの穴である。こ
れは住宅屋内に温風を引き込むダクトと連結されるた
め、そのダクトに合わせた大きさが選択できる。また防
塵フィルターが備えつけられており、住宅屋内へ塵の侵
入を防いでいる。
【0158】箱1401内には集熱板1405がガラス
1406と平行に設置されており、側面の壁にLアング
ル1409にビス打ちし、部分的にスペーサー1410
により集熱板1405を支えている。
【0159】集熱板1405を取りつける高さは箱の底
面の断熱材1408より30mmとし集熱板1405の
受光面側には30mm厚の空気層ができるようにしてい
る。空気は断熱性が高く、この空気層を確保する事で窓
からの放熱を防ぐ働きをする。また非受光面側の空気層
は30mmであり熱媒体となる空気体積を約38000
cm3としている。
【0160】集熱板1405で発生した電気はケーブル
コネクター1411により、空気取り入れ口1402と
空気取り出し口1403から外に取り出されている。ケ
ーブルコネクター1411は熱媒の中に位置する事か
ら、耐熱性のあるシリコン被覆電線を使用している。
【0161】このように作製した集熱パネルの集熱板に
おいては、上記太陽電池素子は所望の電気を出力するこ
とができ、かつ、上記太陽電池素子が配置されていない
集熱板部分は、太陽光を熱に換える熱源としての機能を
果たし、非受光面側の空気を暖めることができる。これ
により、従来例で説明したパッシブソーラーシステムへ
の対応が図れる。
【0162】また、上記説明したように、上記集熱板を
集熱パネル内に取り付けることにより、太陽電池素子お
よび熱源となる基板を同時に取り付けることができるの
で、非常に作業性が良い。もし、太陽電池素子と熱源で
ある鉄板を別々に取り付けた場合には、太陽電池素子と
熱源である鉄板のスキ間部を埋める部材も、その取り付
け作業も必要となる。
【0163】また、太陽電池素子を配置した部分におい
ても、以下の理由により集熱効果に貢献している。
【0164】上記実施例1の集熱板の受光面側と非受光
面側の熱伝導抵抗を表1に計算した。これは太陽電池素
子を配置した部分において、太陽電池素子である非単結
晶光起電力素子を熱源としたときの受光面側と非受光面
側の熱伝導抵抗を示している。受光面側熱伝導抵抗2.
38m2h℃/calに対して非受光面側熱伝導抵抗は
1.93m2h℃/calであり、受光面側の熱伝導抵
抗と非受光面側の熱伝導抵抗の比が1.2である。
【0165】
【表1】
【0166】なお、本実施例では、熱対流抵抗に関して
は集熱板は板状であり、集熱板の受光面側と非受光面側
とも放熱面積は同面積であるため等しいと考えられる。
また熱輻射抵抗に関しては集熱板の受光面側も非受光面
側も同色系であるため等しいと考えられる。そのため、
熱抵抗としては単に熱伝導抵抗のみを考えればよい。
【0167】つまり、太陽電池素子が太陽光を吸収し、
発電した以外のエネルギーは熱となり、熱伝導抵抗の小
さい非受光面側に多く熱を伝導することとなる。これに
より、集熱板において、太陽電池素子が配置されている
部分においても、集熱に貢献していることがわかる。
【0168】(実施例1−2)本実施例の集熱パネルの
集熱板は、太陽電池素子の配置されていない部分の基板
の受光面側に、上記充填材であるEVAおよび表面被覆
フィルムであるETFEを設けたことを特徴とする。こ
こで特記しない部分については、実施例1と同様に作製
した。
【0169】以下、図15をもとに説明する。
【0170】集熱板を作製するときに、基板1502の
直上に積層する充填材であるEVA1503と表面被覆
フィルムETFE1509を基板1502の端から4辺
ともに5mm小さく設けた。
【0171】よって、図15(b)に示すように、断面
CCにおいては、基板1502、EVA1503、PE
Tフィルム1504、EVA1505、太陽電池素子1
507、EVA1508、ETFE1509の順に積層
されており、図15(c)に示すように、断面DDにお
いては、基板1502、EVA1503、ETFE15
09の順に積層されている。
【0172】以上のように作製した集熱板において、図
15(c)に示す基板部分では、表2に示すように受光
面側にのみ0.99m2h℃/calの熱伝導抵抗が増
えることになり、上記説明したように、その分、非受光
面側の空気に熱が伝えられ、集熱効果が向上する。
【0173】
【表2】
【0174】(実施例2−1)本実施例における集熱パ
ネルの窓は非単結晶太陽電池素子を、白板ガラス上に樹
脂被覆した構成の太陽電池付き窓を用いている。尚、太
陽電池素子は集熱パネルの取り入れ口が設けられた側面
から、400mm以内に配置されている。
【0175】まず最初に太陽電池付き窓について説明す
る。
【0176】最初に図5のように非単結晶光起電力基板
を作成した。洗浄した0.127mm厚の長尺ステンレ
ス基板501上に、スパッタ法で裏面反射層502とし
てSiを1%含有するAl層(膜厚5000オングスト
ローム)とZnO層(膜厚5000オングストローム)
を順次形成する。次にプラズマCVD法により、SiH
4とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si層を、Si
4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、SiH4
BF3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−Si層を形
成し、n層膜厚150オングストローム/i層膜厚40
00オングストローム/p層膜厚100オングストロー
ム/n層膜厚100オングストローム/i層膜厚800
オングストローム/p層膜厚100オングストロームの
層構成のタンデム型a−Siの半導体層503を形成し
た。
【0177】最後に透明導電層504として、In23
薄膜(膜厚700オングストローム)を、O2雰囲気下
でInを抵抗加熱法で蒸着する事によって形成した。
【0178】次に、図6のように上記長尺の光起電力基
板を縦300mm×横80mmの大きさでプレスマシン
を用いて打ち抜き複数の光起電力基板片601を作成し
た。しかしながら、プレスマシンにより切断された光起
電力基板片601の切断面では、透明導電層504とス
テンレス基板501が短絡した状態になっている。
【0179】そこで次に、図7のようにこの短絡をリペ
アーするために透明導電層701であるIn23電極の
周辺をエッチングした。ここで、In23電極の周辺の
エッチングは、In23を溶解するが非単結晶半導体は
溶解しない選択性を持つエッチング剤(FeCl3
液)を、各光起電力素子片の切断面よりやや内側のIn
23の周囲にスクリーン印刷しIn23を溶解した後、
水洗浄することにより行い、In23電極の素子分離部
702を形成した。
【0180】さらに、図8のように正極側の集電電極を
以下の手順により形成した。まずグリッド801形成は
透明導電層にポリマー型銀メッキ銅ペーストをスクリー
ン印刷機により、パターン印刷をおこない、これを20
0℃±20℃に調整されたIR加熱炉により5分間の加
熱をおこなった。次に同じくスクリーン印刷機で導電ペ
ースト上にクリーム半田を印刷し、250℃±10℃に
調整されたリフローオーブンで、クリーム半田を加熱溶
融させた。そしてクリーム半田に含まれているフラック
スを洗浄するために、イオン交換樹脂により余分なイオ
ンを取り除いた純水を用いたシャワーに、基板ごと5分
間投入し、約80℃に調整された温風を電極面にあて、
5分程度乾燥させた。
【0181】次にグリッド801の集電を行うバスバー
802の形成は錫メッキ銅線をグリッド801と直交さ
せる形で配置した後、グリッド801との交点に接着性
銀インク803を滴下し、150℃で30分間乾燥し
て、グリッド電極801と錫メッキ銅線802とを接続
した。その際、錫メッキ銅線802とステンレス基板の
端面が接触しないように、錫メッキ銅線802の下に絶
縁テープ804としてポリイミドテープを貼りつけた。
【0182】次に、図9のように負極側の電極を以下の
手順により形成した。銅タブ901は非発電領域の一部
を、グラインダーで除去してステンレス基板を露出させ
た後、その部分に銅箔をスポット溶接器で溶接902し
た。グラインダーで除去するのは透明電極層や半導体層
等の高抵抗膜が存在する状態でスポット溶接を行うと、
溶接時に火花が散って、製品に悪影響を及ぼす可能性が
高いためである。
【0183】以上で太陽電池素子の単位セルの作成が終
了した。
【0184】次に、図10のように単位セル1001を
1.0mmの間隔をあけて配列し、隣接する単位セル1
001のバスバー1002と銅箔タブ1003とを半田
付け1004することにより直列接続し、同様に10枚
の単位セル1001を直列接続した。
【0185】次に、図11のように正極及び負極の端子
取り出し用配線の形成を行った。正極側の配線は、10
番目の単位セル1101の裏面中央部に絶縁テープ11
02としてポリエステルテープを貼りつけた上に銅箔1
103を重ね、次に、銅箔1103と裏側に向けて折り
返されたバスバー1104を半田付け1105すること
によって行った。また、負極側の配線は1番目の単位セ
ル1106の裏面に図11のように銅箔1107を貼り
付け、次にスポット溶接された銅タブ1108を裏側に
向けて折り返し銅箔1107と半田付け1109するこ
とによって行った。
【0186】以上で太陽電池素子の作成が完成した。大
きさは縦300mm、横809mmの大きさである。
【0187】次に、図20に示したような太陽電池付き
窓を作成する。
【0188】最初に窓板2002として白板ガラスを準
備する。厚みは4mm、寸法は890mm×2080m
mに形成されたものである。集熱パネルの表面に位置す
るので強度、耐荷重等の特性、及び光透過性が必要なた
め、白板ガラスを用いている。
【0189】次に第1充填材2004としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード)を
上記窓板2002の上に積層した。太陽電池素子200
1は集熱パネルの取り入れ口が設けられた側面から、4
00mm以内に配置するため、第1充填材2004もそ
の部分に配置した。市販されている460μmの樹脂の
枚葉を用いており、100℃での耐熱性を確保するため
に、架橋剤として有機過酸化物を1.5wt%含んでい
る。厚みに関しては特に制約はないが太陽電池素子20
01を封止するため、太陽電池素子2001の凹凸を吸
収できる量が必要であり、経験上の上記厚みを利用して
いる。
【0190】次に上記で作成済の太陽電池素子2001
を第1充填材2004の上に受光面を窓板2002向き
になるように積層した。太陽電池素子2001は集熱パ
ネルの取り入れ口が設けられた側面から、400mm以
内となうるように配置した。窓板2002上の位置は図
の様に片側に偏った位置に配置した。
【0191】次に第2充填材2005としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード)を
太陽電池素子2001の上に積層した。市販されている
460μmの樹脂の枚葉を用いており、100℃での耐
熱性を確保するために、架橋剤として有機過酸化物を
1.5wt%含んでいる。厚みに関しては特に制約はな
いが太陽電池素子2001を封止するため、太陽電池素
子2001の凹凸を吸収できる量が必要であり、経験上
の上記厚みを利用している。
【0192】次に裏面被覆フィムル2003としてPE
Tフィルム(ポリエチレンテレフタレート)を上記第2
充填剤2005の上に積層した。ここで用いたPETフ
ィルムは耐熱温度が120℃である一般的なものを用い
た。厚みとしては50μmのものを用いた。厚みに関し
ては太陽電池素子2001の裏面側への絶縁性を確保で
きる最少の厚みを用いている。
【0193】これら一体積層体を真空ラミネーターを用
いて、加圧脱泡しながら、150℃で充填材を溶融させ
ることにより樹脂の架橋及び、接着を行い太陽電池付き
窓を作成する。真空ラミネーターは890mm×208
0mmの窓板が入るような大きなアルミプレートが必要
となる。
【0194】最後に裏面被覆フィルム2003、第2充
填材2005に予め開けておいた端子取り出し穴より、
ケーブルコネクター2006を半田付けし、正極と負極
の端子を取り出す。ケーブルコネクター2006として
は軟質銅を芯線とし、架橋ポリエチレンで絶縁被覆、塩
化ビニルにより保護被覆したケーブルとポリブチレンテ
レフタレートからなるコネクターで構成されたものを用
いた。このケーブルコネクター2006の使用可能温度
は90℃であり、JIS C 3605に準じている。
【0195】以上で太陽電池付き窓の作成が終了した。
次にこの太陽電池付き窓を用いた集熱パネルについて図
21を参考に説明する。
【0196】集熱パネルは箱2101、太陽電池付き窓
2104、熱媒の取り入れ口2102、取り出し口21
03、熱源である集熱板2105により構成されてい
る。
【0197】箱2101は強度を出すため、鉄板で枠及
び面を形成している。更に内部は熱を逃がさないよう
に、20mm厚の断熱材2108で被覆している。断熱
材2108としてポリスチレンを用いている。寸法は屋
根が尺を単位とした寸法が多いため、尺寸法910mm
を幅にし2100mmの長さ、80mmの高さである。
内部は断熱材2108の厚み分だけ、狭くなっており、
幅が870mm、長さが2060mm、深さが60mm
である。
【0198】窓としては先に作成した太陽電池付き窓2
104を用いている。
【0199】寸法はできるだけ多くの太陽光を得るた
め、890mm×2080mmとほぼ箱2101の一面
を形成している。太陽電池素子2110が形成されてい
る部分を取り入れ口2102側に位置する様に配置し
た。
【0200】取り入れ口2102は箱2101の幅方向
の側面に位置し、集熱板2105の非受光面側の空間と
連絡できるように設けられている。寸法は30mm×3
00mmである。
【0201】取り出し口2103は箱2101の裏面で
かつ、取り入れ口2102と対向する側面の近くに位置
する。寸法は直径が150mmの穴である。これは住宅
屋内に温風を引き込むダクトと連結されるため、そのダ
クトに合わせた大きさが選択できる。
【0202】箱2101内には集熱板2105として黒
色鉄板がガラスと平行に設置されており、側面の壁にL
アングルにビス打ちし、部分的にスペーサー2109に
より集熱板2105を支えている。
【0203】集熱板2105を取りつける高さは箱21
01の底面の断熱材より30mmとし集熱板の受光面側
には30mm厚の空気層ができるようにしている。空気
は断熱性が高く、この空気層を確保する事で窓からの放
熱を防ぐ働きをする。
【0204】太陽電池素子2110で発生した電気はケ
ーブルコネクター2107により、取り入れ口2102
から外に取り出されている。
【0205】本実施例の集熱パネルの取り入れ口が設け
られた側面から400mm以内においては高くとも60
〜80℃の温度であることから、太陽電池の各構成材料
は耐熱グレードが80℃以上のものを利用した。
【0206】(実施例2−2)本実施例における集熱パ
ネルの窓は非単結晶太陽電池素子を、白板ガラス上に樹
脂被覆した構成の太陽電池付き窓と青板ガラスを用いた
窓の2枚で構成されている。尚、前記太陽電池付き窓は
集熱パネルの取り入れ口が設けられた側面から400m
m以内に配置されており、それより上は青板ガラスを用
いている。
【0207】まず最初に太陽電池付き窓について説明す
る。
【0208】最初に図5のように非単結晶光起電力基板
を作成した。洗浄した0.127mm厚の長尺ステンレ
ス基板501上に、スパッタ法で裏面反射層502とし
てSiを1%含有するAl層(膜厚5000オングスト
ローム)とZnO層(膜厚5000オングストローム)
を順次形成する。次にプラズマCVD法により、SiH
4とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si層を、Si
4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、SiH4
BF3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−Si層を形
成し、n層膜厚150オングストローム/i層膜厚40
00オングストローム/p層膜厚100オングストロー
ム/n層膜厚100オングストローム/i層膜厚800
オングストローム/p層膜厚100オングストロームの
層構成のタンデム型a−Siの半導体層503を形成し
た。
【0209】最後に透明導電層504として、In23
薄膜(膜厚700オングストローム)を、O2雰囲気下
でInを抵抗加熱法で蒸着する事によって形成した。
【0210】次に、図6のように上記長尺の光起電力基
板を縦300mm×横80mmの大きさでプレスマシン
を用いて打ち抜き複数の光起電力基板片601を作成し
た。しかしながら、プレスマシンにより切断された光起
電力基板片601の切断面では、透明導電層504とス
テンレス基板501が短絡した状態になっている。
【0211】そこで次に、図7のようにこの短絡をリペ
アーするために透明導電層701であるIn23電極の
周辺をエッチングした。ここで、In23電極の周辺の
エッチングは、In23を溶解するが非単結晶半導体は
溶解しない選択性を持つエッチング剤(FeCl3
液)を、各光起電力素子片の切断面よりやや内側のIn
23の周囲にスクリーン印刷しIn23を溶解した後、
水洗浄することにより行い、In23電極の素子分離部
702を形成した。
【0212】さらに、図8のように正極側の集電電極を
以下の手順により形成した。まずグリッド801形成は
透明導電層にポリマー型銀メッキ銅ペーストをスクリー
ン印刷機により、パターン印刷をおこない、これを20
0℃±20℃に調整されたIR加熱炉により5分間の加
熱をおこなった。次に同じくスクリーン印刷機で導電ペ
ースト上にクリーム半田を印刷し、250℃±10℃に
調整されたリフローオーブンで、クリーム半田を加熱溶
融させた。そしてクリーム半田に含まれているフラック
スを洗浄するために、イオン交換樹脂により余分なイオ
ンを取り除いた純水を用いたシャワーに、基板ごと5分
間投入し、約80℃に調整された温風を電極面にあて、
5分程度乾燥させた。
【0213】次にグリッド801の集電を行うバスバー
802の形成は錫メッキ銅線をグリッド801と直交さ
せる形で配置した後、グリッド801との交点に接着性
銀インク803を滴下し、150℃で30分間乾燥し
て、グリッド電極801と錫メッキ銅線802とを接続
した。その際、錫メッキ銅線802とステンレス基板の
端面が接触しないように、錫メッキ銅線802の下に絶
縁テープ804としてポリイミドテープを貼りつけた。
【0214】次に、図9のように負極側の電極を以下の
手順により形成した。銅タブ901は非発電領域の一部
を、グラインダーで除去してステンレス基板を露出させ
た後、その部分に銅箔をスポット溶接器で溶接902し
た。グラインダーで除去するのは透明電極層や半導体層
等の高抵抗膜が存在する状態でスポット溶接を行うと、
溶接時に火花が散って、製品に悪影響を及ぼす可能性が
高いためである。
【0215】以上で太陽電池素子の単位セルの作成が終
了した。
【0216】次に、図10のように単位セル1001を
1.0mmの間隔をあけて配列し、隣接する単位セル1
001のバスバー1002と銅箔タブ1003とを半田
付け1004することにより直列接続し、同様に10枚
の単位セル1001を直列接続した。
【0217】次に、図11のように正極及び負極の端子
取り出し用配線の形成を行った。正極側の配線は、10
番目の単位セル1101の裏面中央部に絶縁テープ11
02としてポリエステルテープを貼りつけた上に銅箔1
103を重ね、次に、銅箔1103と裏側に向けて折り
返されたバスバー1104を半田付け1105すること
によって行った。また、負極側の配線は1番目の単位セ
ル1106の裏面に図11のように銅箔1107を貼り
付け、次にスポット溶接された銅タブ1108を裏側に
向けて折り返し銅箔1107と半田付け1109するこ
とによって行った。
【0218】以上で太陽電池素子の作成が完成した。大
きさは縦300mm、横809mmの大きさである。
【0219】次に、図22に示したような太陽電池付き
窓を作成する。
【0220】最初に窓板2202として白板ガラスを準
備する。厚みは3mm、寸法は890mm×400mm
に形成されたものである。集熱パネルの表面に位置する
ので強度、耐荷重等の特性が必要であり、更には光透過
率が必要なため白板ガラスを用いている。
【0221】次に第1充填材2204としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード)を
窓板2202の上に積層した。市販されている460μ
mの樹脂の枚葉を用いており、100℃での耐熱性を確
保するために、架橋剤として有機過酸化物を1.5wt
%含んでいる。厚みに関しては特に制約はないが太陽電
池素子2201を封止するため、太陽電池素子2201
の凹凸を吸収できる量が必要であり、経験上の上記厚み
を利用している。
【0222】次に上記で作成済の太陽電池素子2201
を第1充填材2204の上に受光面を窓板2202向き
になるように積層した。
【0223】次に第2充填材2205としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード)を
太陽電池素子2201の上に積層した。市販されている
460μmの樹脂の枚葉を用いた。厚みに関しては特に
制約はないが太陽電池素子2201を封止するため、太
陽電池素子2201の凹凸を吸収できる量が必要であ
り、経験上の上記厚みを利用している。
【0224】次に裏面被覆フィムル2203としてPE
Tフィルム(ポリエチレンテレフタレート)を第2充填
剤2205の上に積層した。ここで用いたPETフィル
ムは耐熱温度が120℃である一般的なものを用いた。
厚みとしては50μmのものを用いた。厚みに関しては
太陽電池素子2201の裏面側への絶縁性を確保できる
最少の厚みを用いている。
【0225】これら一体積層体を真空ラミネーターを用
いて、加圧脱泡しながら、150℃で充填材を溶融させ
ることにより樹脂どうしの接着を行い太陽電池付き窓を
作成する。真空ラミネーターは890mm×400mm
の窓板が入るようなアルミプレートが必要である。実施
例2−1で用いるアルミプレートを用いれば、本実施例
の太陽電池付き窓は5枚同時に作成できることになる。
【0226】最後に裏面被覆フィルム2203、第2充
填材2205に予め開けておいた端子取り出し穴より、
ケーブルコネクター2206を半田付けし、正極と負極
の端子を取り出す。ケーブルコネクター2206として
は軟質銅を芯線とし、架橋ポリエチレンで絶縁被覆、塩
化ビニルにより保護被覆したケーブルとポリブチレンテ
レフタレートからなるコネクターで構成されたものを用
いた。このケーブルコネクター2206の使用可能温度
は90℃であり、JIS C 3605に準じている。
【0227】以上で太陽電池付き窓の作成が終了した。
次にこの太陽電池付き窓を用いた集熱パネルについて図
23を参考に説明する。
【0228】集熱パネルは箱2301、太陽電池付き窓
2304、窓2311、熱媒の取り入れ口2302、取
り出し口2303、熱源である集熱板2305により構
成されている。
【0229】箱2301は強度を出すため、鉄板で枠及
び面を形成している。更に内部は熱を逃がさないよう
に、20mm厚の断熱材2308で被覆している。断熱
材2308としてポリスチレンを用いている。寸法は屋
根が尺を単位とした寸法が多いため、尺寸法910mm
を幅にし2100mmの長さ、80mmの高さである。
内部は断熱材2308の厚み分だけ、狭くなっており、
幅が870mm、長さが2060mm、深さが60mm
である。
【0230】窓としては先に作成した太陽電池付き窓2
304と窓2311を用いている。
【0231】太陽電池付き窓2304の寸法は890m
m×400mmで上記作成したものを用い、窓2311
の寸法は890mm×1680mm、厚み3mmで安価
な青板ガラスを用い。両方でほぼ箱2301の一面を形
成している。更に太陽電池素子2310が形成されてい
る部分、つまり太陽電池付き窓2304は取り入れ口2
302側に位置する様に配置した。
【0232】2枚の窓板2304、2311の間は角パ
イプ上でシリコンシーラントで埋められて固定されてい
る。
【0233】取り入れ口2302は箱2301の幅方向
の側面に位置し、集熱板2305の非受光面側の空間と
連絡できるように設けられている。寸法は30mm×3
00mmである。
【0234】取り出し口2303は箱2301の裏面で
かつ、取り入れ口2302と対向する側面の近くに位置
する。寸法は直径が190mmの穴である。これは住宅
屋内に温風を引き込むダクトと連結されるため、そのダ
クトに合わせた大きさが選択できる。
【0235】箱2301内には集熱板2305として黒
色鉄板がガラスと平行に設置されており、側面の壁にL
アングルにビス打ちし、部分的にスペーサー2309に
より集熱板2305を支えている。
【0236】集熱板2305を取りつける高さは箱23
01の底面の断熱材より30mmとし集熱板2305の
受光面側には30mm厚の空気層ができるようにしてい
る。空気は断熱性が高く、この空気層を確保する事で窓
からの放熱を防ぐ働きをする。
【0237】太陽電池素子2310で発生した電気はケ
ーブルコネクター2307により、取り入れ口2302
から外に取り出されている。
【0238】本実施例の集熱パネルの取り入れ口が設け
られた側面から400mm以内においては高くとも60
〜80℃の温度であることから、太陽電池の各構成材料
は耐熱グレードが80℃以上のものを利用した。
【0239】また窓は太陽電池付き窓2304と通常の
窓2311で窓板材料を使い分けた。
【0240】太陽電池付き窓2304用のガラスは実施
例2−1と同様に、光透過性を重視し高価な白板ガラス
を使用して太陽電池の発電量を上げているが、太陽電池
が付いてない部分の窓2311は面積が大きく、安価な
青板ガラスを使用することで、実施例2−1よりもコス
ト削減を行った。
【0241】また本実施例は太陽電池付き窓2304の
寸法が実施例2−1に比べて5分の1であることから製
造効率がよく、低コストが更に促進された。
【0242】(実施例3−1)本実施例における集熱パ
ネルは、非単結晶光起電力素子を亜鉛メッキ鋼板上に設
けてプラスチック被覆した構成の太陽電池付底板を用い
ている。尚、太陽電池素子は集熱パネルの下側から40
0mm以内に配置されている。
【0243】まず最初に太陽電池モジュールについて説
明する。
【0244】最初に図5に示されるような非単結晶光起
電力基板505を作成した。洗浄した0.127mm厚
の長尺ステンレス基板501上に、スパッタ法で裏面反
射層502としてSiを1%含有するAl層(膜厚50
00オングストローム)とZnO層(膜厚5000オン
グストローム)を順次形成した。
【0245】次に、プラズマCVD法により、SiH4
とPH3とH2の混合ガスからn型a−Si層を、SiH
4とH2の混合ガスからi型a−Si層を、SiH4とB
3とH2の混合ガスからp型微結晶μc−Si層を形成
し、n層(膜厚150オングストローム)/i層(膜厚
4000オングストローム)/p層(膜厚100オング
ストローム)/n層(膜厚100オングストローム)/
i層(膜厚800オングストローム)/p層(膜厚10
0オングストローム)の層構成のタンデム型a−Siの
半導体層503を形成した。
【0246】最後に透明導電層504として、In23
薄膜(膜厚700オングストローム)を、O2雰囲気下
でInを抵抗加熱法で蒸着する事によって形成した。
【0247】次に、上記長尺の光起電力基板を縦300
mm×横80mmの大きさでプレスマシンを用いて打ち
抜き、図6に示されるような形状の複数の光起電力素子
片601を作成した。しかし、プレスマシンにより切断
された光起電力素子片601の切断面は、透明導電層5
04とステンレス基板501(図5参照)が短絡した状
態になっていた。
【0248】そこで次に、図7のように、この短絡をリ
ペアーするために、透明導電層701であるIn23
極の周辺をエッチングした。ここで、In23電極の周
辺のエッチングは、In23を溶解するが非単結晶半導
体は溶解しない選択性を持つエッチング剤(FeCl3
溶液)を、各太陽電池素子の切断面よりやや内側のIn
23の周囲にスクリーン印刷し、In23を溶解した後
水洗浄することにより行い、In23極の素子分離部7
02を形成した。
【0249】更に、図8に示される正極側の集電電極を
次の手順により形成した。まずグリッド801の形成
は、透明導電層にポリマー型銀メッキ銅ペーストをスク
リーン印刷機によりパターン印刷し、これを200℃±
20℃に調整されたIR加熱炉により5分間加熱した。
次に同じくスクリーン印刷機で導電ペースト上にクリー
ム半田を印刷し、250℃±10℃に調整されたリフロ
ーオーブンで、クリーム半田を加熱溶融させた。そし
て、クリーム半田に含まれているフラックスを洗浄する
ために、イオン交換樹脂により余分なイオンを取り除い
た純水を用いたシャワーに基板ごと5分間投入し、約8
90℃に調整された温風を電極面にあて、5分程度乾燥
させた。
【0250】グリッド801の集電を行うバスバー80
2の形成は、錫メッキ銅線をグリッド801と直交させ
る形で配置した後、グリッド801との交点に接着性銀
インク803を滴下し、150℃で30分間乾燥して、
グリッド電極と錫メッキ銅線とを接続することで行っ
た。その際、錫メッキ銅線とステンレス基板の端面が接
触しないように、錫メッキ銅線の下にポリイミドテープ
804を貼り付けた。
【0251】次に、図8に示される負極側の電極を以下
の手順により形成した。銅タブ801は、非発電領域の
一部をグラインダーで除去してステンレス基板を露出さ
せた後、その部分に銅箔をスポット溶接器で溶接802
した。グラインダーで除去するのは、透明電極層や半導
体層等の高抵抗膜が存在する状態でスポット溶接を行う
と、溶接時に火花が散って、製品に悪影響を及ぼす可能
性が高いためである。
【0252】以上で光起電力素子の単位セルの作成が終
了した。
【0253】次に、図10に示されるように、単位セル
1001を1.0mmの間隔をあけて配列し、隣接する
単位セル1001のバスバー1002と銅箔タブ100
3とを半田付け1004することにより直列接続し、同
様に10枚の単位セル1001を直列接続した。
【0254】次に、図11に示されるように、正極及び
負極の端子取り出し用配線の形成を行った。正極側の配
線は、10番目の単位セル1101の裏面中央部に絶縁
性ポリエステルテープ1102を貼り付け、その上に銅
箔1103を重ね、更に銅箔と、裏側に向けて折り返さ
れたバスバー1104とを半田付け1105することに
よって行った。また、負極側の配線は、1番目の単位セ
ル1106の裏面に、図のように銅箔1107を貼り付
け、スポット溶接された銅タブ1108を裏側に向けて
折り返して銅箔1107と半田付け1109することに
よって行った。
【0255】以上で光起電力素子の作成が完成した。大
きさは縦300mm、横809mmの大きさである。
【0256】次に、図26に示したような太陽電池付底
板を作成する。
【0257】まず最初に、上記のようにして作成した光
起電力素子2602の表面に保護膜2603を形成し
た。アクリルシリコン原液をシンナーに溶かし(固形分
80%)、シランカップリング剤を固形分に対して3%
混合したものを塗料液として調合し、この塗料液を、光
起電力素子2602の表面に均一に圧液の噴射により塗
布し、80℃±3℃に調整された熱風乾燥炉で5分間乾
燥させた後、200℃±10℃に調整された熱風乾燥炉
に移し替え、30分間硬化させる。
【0258】上記アクリルシリコンは、熱伝導率が0.
18kcal/mh℃である一般的なものを用い、厚み
は100μmとした。厚みに関しては、塗布できる最高
膜厚を用いており、これによって表面保護性を高めた。
100μm以上塗布すると硬化中に発砲が生じ、均一な
膜形成が困難となる。
【0259】裏面補強材2604として、厚み400μ
mの亜鉛メッキ鋼板を準備し、890mm×2080m
mの寸法に切断した。厚みに関しては通常、屋根材とし
て亜鉛メッキ鋼板が使用される場合の厚みである400
μmのものをそのまま用いた。裏面補強材の適当な位置
には光起電力素子から取り出される正極、負極の端子取
り出し穴を設けておいた。
【0260】第1充填材2605としてEVA(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレ−ド)を上記
裏面補強材2604の上に積層した。このEVAとして
は、市販されている230μmの樹脂の枚葉で、100
℃での耐熱性を確保する為に、架橋材として有機過酸化
物を1.5wt%含んでいるものを用いた。厚みに関し
ては特に制約はないが、接着力の長期に渡り確保するた
めに、230μm厚のものを用いた。
【0261】裏面被覆フィムルとしてPETフィルム
( ポリエステルテレフタレート)2606上記第1充
填材2605の上に積層した。ここで用いたPETフィ
ルムは、耐熱温度が120℃である一般的なものを用い
た。厚みとしては50μmのものを用いた。厚みに関し
ては光起電力素子と裏面補強材との絶縁性を確保できる
最少の厚みを用いた。
【0262】箱の底板として機能する底板一体型太陽電
池として、箱の底側から熱を逃がさないことが重要であ
る為、断熱材2607としてのクロロプレンゴムを厚さ
20mmで上記裏面被覆フィルム2606の上に積層し
た。
【0263】第2充填材2608としてEVA(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合ポリマ−耐候性グレ−ド)を上記
断熱材2607の上に積層した。市販されている230
μmの樹脂の枚葉を用いており、100℃での耐熱性を
確保する為に架橋材として有機過酸化物を1.5wt%
含んでいる。厚みに関しては特に制約はないが前記光起
電力素子2602を封止する為、前記光起電力素子26
02の凹凸を吸収できる量が必要であり、経験上の上記
厚みを利用している。
【0264】次に上記で作成済の保護膜2603付きの
光起電力素子2602を、上記第2充填材2608の上
に非受光面が裏面補強材2604側になるように積層し
た。
【0265】次に第3充填材2609としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマ−耐候性グレ−ド)を
上記保護膜2603付きの光起電力素子2602の上に
積層した。このEVAとしては、市販されている230
μmの樹脂の枚葉で、100℃での耐熱性を確保する為
に架橋材として有機過酸化物を1.5wt%含んでいる
ものを用いた。厚みに関しては特に制約はないが、接着
力を長期に渡り確保するために、80μm厚のものを用
いた。
【0266】最後に表面被覆フィルム2610としてE
TFE(エチレンテトラフルオロエチレン)を上記第3
充填材2609の上に積層した。この表面被覆フィルム
にはEVAとの接着性を高めるためにあらかじめ接着面
にプラズマ処理を施した。厚みは50μmである。厚み
に関しては表面の耐スクラッチ性に必要な膜厚を用いて
いる。
【0267】これら一体積層体を真空ラミネーターを用
い、加圧脱泡しながら、150℃で充填材を溶融させる
ことにより、樹脂の架橋及び接着を行い、太陽電池付底
板を作製した。真空ラミネータとしては、890mm×
2080mmの底板が入るような大きなアルミプレート
のものを用いた。
【0268】更に、裏面補強材2604、第1充填材2
605、裏面被覆フィルム2606、断熱材2607及
び第2充填材2608に予め開けておいた端子取り出し
穴より、ケーブルコネクター2611等を半田付けし、
正極と負極の端子を取り出した。半田付け部は絶縁性、
端子引っ張り強度を持たせるために、端子箱2612内
で端子台に止め、端子箱内は更にシリコンシーラントに
より充填された構成とした。
【0269】以上で太陽電池付底板の作製が終了した。
次に、この太陽電池付底板を用いた集熱パネルについて
図27を用いて説明する。
【0270】集熱パネルは、光を透過する窓2706
と、太陽電池モジュール2705を一体形成した底板2
707と、空気取り入れ口2702と、空気取り出し口
2703と、熱源である集熱体2704を有する箱27
01により構成されている。
【0271】箱2701は、強度を出すため、鉄板で枠
及び面が作成されている。更に内部は熱を逃がさないよ
うに、20mm厚の断熱材2708で被覆されている。
断熱材2708はポリスチレンを用いている。寸法は屋
根が尺を単位とした寸法が多いため、尺寸法910mm
幅にし、1500mmの長さ、80mmの高さである。
内部は断熱材2708の厚み分だけ狭くなっており、幅
が870mm、長さが1460mm、深さが60mmで
ある。
【0272】窓2706としては、強化白板ガラスを用
い、厚みが4mmのものを使用する事で、耐荷重性、断
熱性を高め、外気への熱損失をできるだけ抑えた構成に
なっている。寸法はできるだけ多くの太陽光を得るた
め、890mm×2080mmとほぼ箱2701の一面
を形成している。
【0273】空気取り入れ口2702は、上記箱270
1の幅方向の側面に位置し、熱源である黒色鉄板270
4の非受光面側の空間と連絡できるように設けられてい
る。寸法は30mm×300mmである。
【0274】空気取り出し口2703は、上記箱270
1の裏面でかつ、空気取り入れ口2702と対向する側
面の近くに位置する。寸法は直径が150mmの穴であ
る。これは住宅屋内に温風を引き込むダクトと連結され
るため、そのダクトに合わせて大きさが選択される。ま
た、防塵フィルターが備え付けられており、住宅屋内へ
塵の侵入を防いでいる。
【0275】集熱体2704としては黒色鉄板が用いら
れている。受光面を入射角と垂直に近くする効果と、非
受光面側への熱放出を大きくする効果を上げる為に、斜
辺の長さ320mmで、60°の角を鋏んだ辺の長さが
160mmである直角三角形に沿う形に段状に曲げ加工
した黒色鉄板を、斜辺をモジュールと平行に非受光面側
に、また屋根下方向に鋭角30°の角を向けた形で設置
した。集熱体2704を取り付ける高さは、箱2701
の底面の断熱材2708より30mmとし、集熱体27
04の受光面側に空気層が出来るようにしている。空気
は断熱性が高く、この空気層を確保することで窓270
6からの放熱を防ぐ働きをする。
【0276】太陽電池2705で発生した電気は、裏面
に取り付けられた電気取り出し部としての端子箱270
9を通して外に出される。
【0277】尚、本実施例の集熱パネルは、下側から4
00mm以内においては高くとも60〜80℃の温度で
あることから、太陽電池の各構成材料は耐熱グレードが
80℃以上のものを利用した。
【0278】(実施例3−2)本実施例における集熱パ
ネルは、非単結晶光起電力素子を亜鉛メッキ鋼板上に設
けてプラスチック被覆した構成の太陽電池素子と底板の
一部を一体化した太陽電池付底板と、太陽電池の付いて
いない底板を別々に構成した形を用いている。尚、太陽
電池付底板は、集熱パネルの下側から400mm以内に
配置されており、太陽電池付底板の上部に位置する窓に
は白板ガラスを、また太陽電池の付いていない底板の上
部には青板ガラスを用いた。
【0279】まず最初に太陽電池付底板について説明す
る。
【0280】最初に、図5に示されるような非単結晶光
起電力基板505を作成した。洗浄した0.127mm
厚の長尺ステンレス基板501上に、スパッタ法で裏面
反射層502としてSiを1%含有するAl層(膜厚5
000オングストローム)とZnO層(膜厚5000オ
ングストローム)を順次形成した。次に、プラズマCV
D法により、SiH4とPH3とH2の混合ガスからn型
a−Si層を、SiH4とH2の混合ガスからi型a−S
i層を、SiH4とBF3とH2の混合ガスからp型微結
晶μc−Si層を形成し、n層(膜厚150オングスト
ローム)/i 層(膜厚4000オングストローム)/
p層(膜厚100オングストローム)/n層(膜厚10
0オングストローム)/i層(膜厚8000オングスト
ローム/p層(膜厚1000オングストロームの層構成
のタンデム型a−Siの半導体層503を形成した。
【0281】最後に、透明導電層504として、In2
3薄膜(膜厚7000オングストローム)を、O2雰囲
気下でInを抵抗加熱法で蒸着する事によって形成し
た。
【0282】次に、上記長尺の光起電力基板を縦300
mm×横80mmの大きさでプレスマシンを用いて打ち
抜き、図6に示されるような形状の複数の光起電力素子
片601を作成した。しかし、プレスマシンにより切断
された光起電力素子片601の切断面は、透明導電層5
04とステンレス基板501(図5参照)が短絡した状
態になっていた。
【0283】そこで次に、図7のように、この短絡をリ
ペアーするために、透明導電層701であるIn23
極の周辺をエッチングした。ここで、In23電極の周
辺のエッチングは、In23を溶解するが非単結晶半導
体は溶解しない選択性を持つエッチング剤(FeCl3
溶液)を、各太陽電池素子の切断面よりやや内側のIn
23の周囲にスクリーン印刷し、In23を溶解した後
水洗浄することにより行い、In23極の素子分離部7
02を形成した。
【0284】更に、図8に示される正極側の集電電極を
以下の手順により形成した。まずグリッド801形成
は、透明導電層701(図7参照)にポリマー型銀メッ
キ銅ペーストをスクリーン印刷機によりパターン印刷
し、これを200℃±20℃に調整されたIR加熱炉に
より5分間加熱した。次に同じくスクリーン印刷機で導
電ペースト上にクリーム半田を印刷し、250℃±10
℃に調整されたリフローオーブンで、クリーム半田を加
熱溶融させた。そして、クリーム半田に含まれているフ
ラックスを洗浄するために、イオン交換樹脂により余分
なイオンを取り除いた純水を用いたシャワーに基板ごと
5分間投入し、約80℃に調整された温風を電極面にあ
て、5分程度乾燥させた。
【0285】グリッド801の集電を行うバスバー80
2の形成は、錫メッキ銅線をグリッド801と直交させ
る形で配置した後、グリッド801との交点に接着性銀
インク803を滴下し、150℃で30分間乾燥して、
グリッド電極と錫メッキ銅線とを接続することで行っ
た。その際、錫メッキ銅線とステンレス基板の端面が接
触しないように、錫メッキ銅線の下にポリイミドテープ
804を貼り付けた。
【0286】次に、図9に示される負極側の電極を以下
の手順により形成した。銅タブ901は、非発電領域の
一部をグラインダーで除去してステンレス基板を露出さ
せた後、その部分に銅箔をスポット溶接器で溶接902
することで形成した。グラインダーで除去するのは、透
明電極層や半導体層等の高抵抗膜が存在する状態でスポ
ット溶接を行うと、溶接時に火花が散って、製品に悪影
響を及ぼす可能性が高いためである。
【0287】以上で光起電力素子の単位セルの作成が終
了した。
【0288】次に、図10に示されるように、単位セル
1001を1.0mmの間隔をあけて配列し、隣接する
単位セル1001のバスバー1002と銅箔タブ100
3とを半田付け1004することにより直列接続し、同
様に10枚の単位セル1001を直列接続した。
【0289】次に、図11に示されるように、正極及び
負極の端子取り出し用配線の形成を行った。正極側の配
線は、10番目の単位セル1101の裏面中央部に絶縁
性ポリエステルテープ1102を貼り付け、その上に銅
箔1103を重ね、更に銅箔と、裏側に向けて折り返さ
れたバスバー1104とを半田付け1105することに
よって行った。また、負極側の配線は、1番目の単位セ
ル1106の裏面に、図のように銅箔1107を貼り付
け、スポット溶接された銅タブ1108を裏側に向けて
折り返して銅箔1107と半田付け1109することに
よって行った。
【0290】以上で光起電力素子の作成が完成した。大
きさは縦300mm、横809mmの大きさである。
【0291】次に、図26に示したような太陽電池付き
底板を作成する。
【0292】まず最初に、上記のようにして作成した光
起電力素子2602の表面に保護膜2603を形成し
た。アクリルシリコン原液をシンナーに溶かし(固形分
80%)、シランカップリング剤を固形分に対して3%
混合したものを塗料液として調合し、この塗料液を、光
起電力素子2602の表面に均一に圧液の噴射により塗
布し、80℃±3℃に調整された熱風乾燥炉で5分間乾
燥させた後、200℃±10℃に調整された熱風乾燥炉
に移し替え、30分間硬化させる。
【0293】上記アクリルシリコンは、熱伝導率が0.
18kcal/mh℃である一般的なものを用い、厚み
は100μmとした。厚みに関しては塗布できる最高膜
厚を用いており、これによって表面保護性を高めた。1
00μm以上塗布すると硬化中に発砲が生じ、均一な膜
形成が困難となる。
【0294】裏面補強材2604として、厚み400μ
mの亜鉛メッキ鋼板を準備し、890mm×2080m
mの寸法に切断した。厚みに関しては通常、屋根材とし
て亜鉛メッキ鋼板が使用される場合の厚みである400
μmのものをそのまま用いた。裏面補強材の適当な位置
には光起電力素子から取り出される正極、負極の端子取
り出し穴を設けておいた。
【0295】第1充填材2605としてEVA(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合ポリマ−耐候性グレ−ド)を上記
裏面補強材2604の上に積層した。このEVAとして
は、市販されている230μmの樹脂の枚葉で、100
℃での耐熱性を確保する為に、架橋材として有機過酸化
物を1.3wt%含んでいるものを用いた。厚みに関し
ては特に制約はないが、接着力を長期に渡り確保するた
めに、230μm厚のものを用いた。
【0296】次に裏面被覆フィムルとしてPETフィル
ム(ポリエチレンテレフタレート)2606を上記第1
充填材2605の上に積層した。ここで用いたPETフ
ィムルは耐熱温度が120℃である一般的なものを用い
た。厚みとしては50μmのものを用いた。厚みに関し
ては光起電力素子と裏面補強材との絶縁性を確保できる
最少の厚みを用いている。
【0297】箱の底板として機能する底板一体型太陽電
池として、箱の底側から熱を逃がさないことが重要であ
る為、断熱材2607としてのクロロプレンゴムを厚さ
20mmで上記裏面被覆フィルム2606の上に積層し
た。
【0298】第2充填材2608としてEVA(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合ポリマ−耐候性グレ−ド)を上記
断熱材2607の上に積層した。市販されている230
μmの樹脂の枚葉を用いており、100℃での耐熱性を
確保する為に架橋材として有機過酸化物を1.5wt%
含んでいる。厚みに関しては特に制約はないが前記太陽
電池素子2602を封止する為、前記太陽電池素子26
02の凹凸を吸収できる量が必要であり、経験上の上記
厚みを利用している。
【0299】次に上記で作成済の保護膜2603付きの
光起電力素子2602を、上記第2充填材2608の上
に非受光面が裏面補強材2604側になるように積層し
た。
【0300】次に第3充填材2609としてEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマ−耐候性グレ−ド)を
上記保護膜2603付きの光起電力素子2602の上に
積層した。このEVAとしては、市販されている230
μmの樹脂の枚葉で、100℃での耐熱性を確保する為
に架橋材として有機過酸化物を1.5wt%含んでいる
ものを用いた。厚みに関しては特に制約はないが、接着
力の長期に渡り確保するために、80μm厚のものを用
いた。
【0301】最後に表面被覆フィルム2610としてE
TFE(エチレンテトラフルオロエチレン)を上記第3
充填材2609の上に積層した。この表面被覆フィルム
にはEVAとの接着性を高めるためにあらかじめ接着面
にプラズマ処理を施した。厚みは50μmである。厚み
に関しては表面の耐スクラッチ性に必要な膜厚を用いて
いる。
【0302】これら一体積層体を真空ラミネーターを用
い、加圧脱泡しながら、150℃で充填材を溶融させる
ことにより、樹脂の架橋及び接着を行い太陽電池付き底
板を作製した。真空ラミネータとしては、890mm×
400mmの底板が入るような大きなアルミプレートの
ものを用いた。実施例3−1で用いたアルミプレートを
有するものとすれば、太陽電池付き底板を同時に5枚作
製できる。
【0303】更に、裏面補強材2604、第1充填材2
605、裏面被覆フィルム2606、断熱材2607及
び第2充填材2608に予め開けておいた端子取り出し
穴より、ケーブルコネクター2611等を半田付けし、
正極と負極の端子を取り出した。半田付け部は絶縁性、
端子引っ張り強度を持たせるために、端子箱2612内
で端子台に止め、端子箱内は更にシリコンシーラントに
より充填された構成とした。
【0304】以上で太陽電池付き底板の作製が終了し
た。次に、この太陽電池付き底板を用いた集熱パネルに
ついて図28を用いて説明する。
【0305】集熱パネルは、太陽電池付き第1底板28
08及び太陽電池の付いていない第2底板2810と、
空気取り入れ口2802と、空気取り出し口2803及
び熱源である集熱体2804と、太陽電池付き第1底板
2808の上部に位置する第1窓2806と、集熱体2
804の上部に位置する第2窓2811とを有する箱2
801により構成されている。第1底板2808の寸法
は890mm×400mm×21.4mmで、第2底板
2810は、厚さ400μmの亜鉛メッキ鋼板に厚さ2
0mmのポリスチレンの断熱材2813が接着されてお
り、寸法は890mm×1680mm×20.4mmで
ある。第1及び第2底板2808,2810間の継ぎ目
は、角パイプ2814上でシリコンシーラントによって
埋められ固定されている。
【0306】箱2801は、強度を出すため、鉄板で枠
及び面が構成されている。更に内部は熱を逃がさないよ
うに、20mm厚の断熱材2808で被覆されている。
断熱材2808はポリスチレンを用いている。寸法は屋
根が尺を単位とした寸法が多いため、尺寸法910mm
幅にし1500mmの長さ、80mmの高さである。内
部は断熱材2808の厚み分だけ狭くなっており、幅が
870mm、長さが1460mm、深さが60mmであ
る。
【0307】窓は、太陽電池付きの第1底板2808上
部の第1窓2806と集熱体2804上部の第2窓28
11とから構成されている。太陽電池付きの第1底板2
808の上部に位置する第1窓2806は、強化白板ガ
ラスを用いる事で、太陽光の短波長を通しやすく、発電
効率をより高めることができるものとなっている。ま
た、集熱体2804の上部に位置する第2窓2811と
しては青板ガラスを用いる事で、コスト低減を計ってい
る。第1窓2806の寸法は890mm×400mm、
厚み4mmの強化白板ガラスを用い、第2窓2811の
寸法は890mm×1680mm、厚み4mmで安価な
青色ガラスを用い、両方でほぼ箱2801の一面を形成
している。尚、第1窓2806は取り入れ口2802
側、すなわち集熱箱の下側に位置するように配置した。
第1及び第2窓2806,2811の間は角パイプ28
12上でシリコンシーラントで埋められ固定されてい
る。
【0308】空気取り入れ口2802は上記箱2801
の幅方向の側面に位置し、熱源である黒色鉄板の集熱体
2804の非受光面側の空間と連絡できるように設けら
れている。寸法は30mm×300mmである。
【0309】空気取り出し口2803は、上記箱の裏面
でかつ、空気取り入れ口2802と対向する側面の近く
に位置する。寸法は直径が150mmの穴である。これ
は住宅屋内に温風を引き込むダクトと連結されるため、
そのダクトに合わせて大きさが選択される。また防塵フ
ィルターが備え付けられており、住宅屋内へ塵の侵入を
防いでいる。
【0310】集熱体2804としては黒色鉄板が用いら
れている。受光面を入射角と垂直に近くする効果と、非
受光面側への熱放出を大きくする効果を上げる為に、斜
辺の長さ320mmで、60°の角を鋏んだ辺の長さが
160mmである直角三角形に沿う形に段状に曲げ加工
した黒色鉄板を、斜辺をモジュールと平行に非受光面側
に、また屋根下方向に鋭角30°の角を向けた形で設置
した。集熱体2804を取り付ける高さは、箱2801
の底面の断熱材2813より30mmとし、集熱体28
04の受光面側に空気層が出来るようにしている。空気
は断熱性が高く、この空気層を確保することで第2窓2
811からの放熱を防ぐ働きをする。
【0311】太陽電池2805で発生した電気は、裏面
に取り付けられた電気取り出し部としての端子箱280
9を通して外に出される。
【0312】本実施例の集熱パネルは、下側から400
mm以内においては高くとも60〜80℃の温度である
ことから、太陽電池の各構成材料は耐熱グレードが80
℃以上のものを利用した。
【0313】また、底板2807としては、太陽電池付
き第1底板2808と太陽電池の付いていない第2底板
2810との2種類を併設した。このことによりラミネ
ーションの作業効率を上げることが可能となった。
【0314】さらに窓板材料を使い分け、太陽電池の上
部に位置する第1窓2806には光透過性を重視し、白
板ガラスを使用し太陽電池の発電量を上げた。一方、面
積の大きい通常の窓部である第2窓2811には安価な
青板ガラスを使用することで更なるコスト削減が可能と
なった。
【0315】
【発明の効果】太陽電池を集熱パネルの構成部材の一部
に配置することで、寒冷地における積雪時のパッシブソ
ラーシステムが停止するといった問題が解決した。つま
り集熱パネル内に太陽電池を設置する事が可能になった
ので、積雪をパッシブソラーシステムの熱で融雪するこ
とで、太陽電池が日射を得られ、発電が可能となった。
【0316】また太陽電池を集熱パネルが設置される南
面の棟付近に設置することになるため、十分な日射が得
られ、その結果、より大きな電力が得られるようになっ
た。これによりパッシブソラーシステム用の電源だけで
なく、電力会社へ電気の売却も可能となる一層充実した
パッシブソーラーシステムの提供を促進できた。
【0317】更に施工性の問題も太陽電池付き集熱パネ
ルが実現したため、太陽電池と集熱パネルの両方を設置
しなくてよく、太陽電池付き集熱パネルだけを設置すれ
ば済むようになった。このため作業が大幅に軽減でき、
施工の問題も解決できた。
【0318】太陽電池素子として非単結晶光起電力素子
を用いることにより、次の効果を得た。
【0319】非単結晶光起電力素子は結晶シリコン光起
電力素子よりも温度依存性が優れており、高温下におけ
る特性劣化が少ないのみならず、高い温度で使用する事
で非単結晶光起電力素子特有のステブラーロンスキー劣
化を抑えられることができ、トータルでは長期間に取り
出せる電力の増大をもたらすことができた。
【0320】太陽電池素子を集熱板の一部に一体形成し
たことにより、太陽光を熱に変える熱源となる基板部分
と太陽光を電気に変える太陽電池素子が一体化されてい
るので、太陽光を熱に変える熱源と太陽光を電気に変え
る太陽電池素子を集熱パネル内に別々に取り付ける必要
がないので、取り付け作業性が非常に良いものが実現し
た。
【0321】またこれにより、この集熱パネルより所望
の電気出力と所望の温度を有した空気の両方を得ること
ができた。
【0322】集熱板上の一部に一体形成する太陽電池素
子を取り入れ口側にのみ配置したことにより、太陽電池
素子は集熱箱パネル内での温度の低い場所に存在するこ
とになり、電気出力低下をきたすほどに高温化すること
なく、所望の電気出力を得ることができた。
【0323】集熱板の太陽電池素子が一体形成されてい
ない集熱板部分において、受光面側の熱抵抗より非受光
面側の熱抵抗が小さいことにより、集熱板から非受光面
側を流れる空気へ伝導する熱量が増え、さらに高温な空
気を得ることができた。
【0324】集熱板の太陽電池素子が一体形成されてい
る部分において、受光面側の熱抵抗より非受光面側の熱
抵抗が小さいことにより、この太陽電池素子の配置され
ている部分でも集熱板から非受光面側を流れる空気へ伝
導する熱量が増え、さらに高温な空気を得ることができ
た。
【0325】また、太陽電池素子を窓ガラスに一体にモ
ジュール化することで、集熱パネルの組立工程を増やす
必要がなく、また従来と同様のプロセスで太陽電池もモ
ジュール化できることから、集熱パネルと太陽電池のあ
わせたコスト削減ができた。
【0326】更に太陽電池素子の位置を集熱パネルの取
り入れ口側に配備することで、使用する材料の耐熱グレ
ードを下げることができるので、更にコスト低減が実現
できた。
【0327】同時に樹脂封止することで太陽電池素子の
絶縁性、耐候性を確保することもできた。
【0328】更なる効果としては、太陽電池を窓に一体
形成することで日射の集熱パネル内の空気表面での反射
がなくなり、日射損失を最少とできたので、より多大な
電力が得られるという格別な効果も得られた。
【0329】また、箱底板一体型太陽電池を用いた集熱
パネルはその組立が簡易で且つ低コストであり、実用的
な集熱パネルが提供出来る。
【0330】また太陽電池素子でなく、樹脂で封止した
底板一体型太陽電池を使用することで、太陽電池素子の
耐候性を考慮したり、集熱パネルの絶縁性を考慮したり
する必要がなくなる。さらに底板一体型としたことで高
温になる集熱パネル内の配線や、耐熱性の電気接続等を
廃止でき、作業の大幅な削減が出来、低コストで安全な
集熱パネルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッシブソーラーシステム住宅を表す概略図。
【図2】集熱板を熱源とした集熱パネルを表す図。
【図3】集熱板の実施態様例を表す図。
【図4】太陽電池素子の実施態様例を表す断面図。
【図5】実施例の光起電力基板の断面図。
【図6】実施例の光起電力素子片の上面図。
【図7】実施例のエッチング後の光起電力素子片の上面
図。
【図8】実施例の集電電極の形成後の光起電力素子片の
上面図。
【図9】実施例の負極電極の形成後の光起電力素子片の
上面図。
【図10】実施例の単位セルを直列接続した太陽電池素
子の上面図。
【図11】実施例の正極及び負極の端子取り出し部形成
後の太陽電池素子の上面図。
【図12】実施例1−1の集熱板を表す図。
【図13】実施例の保護膜形成後の太陽電池素子の上面
図。
【図14】実施例1−1及び実施例1−2の集熱パネル
を表す図。
【図15】実施例1−2の集熱板を表す図。
【図16】本発明の集熱パネルの実施態様例を表す斜視
図。
【図17】本発明の集熱パネルの実施態様例を表す断面
図。
【図18】本発明の窓一体型太陽電池モジュールの実施
態様例を表す斜視図。
【図19】本発明の窓一体型太陽電池モジュールの実施
態様例を表す断面図。
【図20】実施例2−1の太陽電池付き窓の断面図。
【図21】実施例2−1の集熱パネルの断面図。
【図22】実施例2−2の太陽電池付き窓の断面図。
【図23】実施例2−2の集熱パネルの断面図。
【図24】本発明の底板一体型太陽電池モジュール内蔵
集熱パネルの説明図である。
【図25】本発明の太陽電池付底板の例を表す図であ
る。
【図26】本発明の実施例3−1及び3−2で作成した
太陽電池付底板を示す図である。
【図27】本発明の実施例3−1で作成した集熱パネル
の断面図である。
【図28】本発明の実施例3−2で作成した集熱パネル
の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩見 哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 深江 公俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−66051(JP,A) 特開 平8−42081(JP,A) 特開 平6−244445(JP,A) 実開 昭61−104151(JP,U) 実開 昭59−168672(JP,U) 実開 平4−119013(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部に太陽光が入射可能な窓
    を有する保温構造の箱: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内に流入さ
    せるための取入れ口: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内より流出
    させるための取出し口: 前記箱内に配置された集熱板: を有する集熱パネルであって、前記集熱板は、前記箱内
    の空間を受光面側と非受光面側とに2分割するように配
    置されており、前記集熱板の一部に太陽電池素子が一体
    形成され、前記太陽電池素子は、少なくとも被覆フィル
    ムにより被覆されていて、前記熱媒が前記集熱板の非受
    光面側を通り、受光面側が密封されていることを特徴と
    する集熱パネル。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記太陽電池素子と前記被覆
    フィルムとの間に充填材層を有することを特徴とする請
    求項1に記載の集熱パネル。
  3. 【請求項3】 前記太陽電池素子が、前記取入れ口側に
    一体形成されていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の集熱パネル。
  4. 【請求項4】 少なくとも一部に太陽光が入射可能な窓
    を有する保温構造の箱: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内に流入さ
    せるための取入れ口: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内より流出
    させるための取出し口: 前記箱内に配置された集熱板: を有する集熱パネルであって、前記集熱板は、前記箱内
    の空間を受光面側と非受光面側とに2分割するように配
    置されており、前記集熱板は、前記取入れ口側に太陽電
    池素子が一体形成されていて、前記熱媒が前記集熱板の
    非受光面側を通り、受光面側が密封されていることを
    徴とする集熱パネル。
  5. 【請求項5】 前記集熱板の受光面側の熱抵抗より非受
    光面側の熱抵抗が小さいことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の集熱パネル。
  6. 【請求項6】 前記集熱板が、前記非受光面側に放熱構
    造を有する事を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項
    に記載の集熱パネル。
  7. 【請求項7】 少なくとも一部に太陽光が入射可能な窓
    を有する保温構造の箱: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内に流入さ
    せるための取入れ口: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内より流出
    させるための取出し口: 前記箱内に太陽光に晒されるように配置された集熱板: を有する集熱パネルであって、前記集熱板は、前記箱内
    の空間を受光面側と非受光面側とに2分割するように配
    置されており、前記窓の少なくとも一部に太陽電池素子
    が一体形成され、前記太陽電池素子は、少なくとも前記
    窓及び被覆フィルムにより被覆されていて、前記熱媒が
    前記集熱板の非受光面側を通り、受光面側が密封されて
    いることを特徴とする集熱パネル。
  8. 【請求項8】 少なくとも前記太陽電池素子と前記被覆
    フィルムとの間に充填材層を有することを特徴とする
    求項7に記載の集熱パネル。
  9. 【請求項9】 前記太陽電池素子が、前記取り入れ口付
    近に位置していることを特徴とする請求項7又は8に
    載の集熱パネル。
  10. 【請求項10】 少なくとも一部に太陽光が入射可能な
    窓を有する保温構造の箱: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内に流入さ
    せるための取入れ口: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内より流出
    させるための取出し口: 前記箱内に配置された集熱板: を有する集熱パネルであって、前記集熱板は、前記箱内
    の空間を受光面側と非受光面側とに2分割するように配
    置されており、前記窓は、前記取入れ口側に太陽電池素
    子を有し、前記熱媒が前記集熱板の非受光面側を通り、
    受光面側が密封されていることを特徴とする集熱パネ
    ル。
  11. 【請求項11】 前記窓が少なくとも2枚の窓板からな
    り、太陽電池素子付き窓と太陽電池素子の付いてない窓
    からなることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一
    項に記載の集熱パネル。
  12. 【請求項12】 前記太陽電池素子付き窓は白板ガラス
    からなり、前記太陽電池素子の付いてない窓は青板ガラ
    スからなることを特徴とする請求項11に記載の集熱パ
    ネル。
  13. 【請求項13】 前記太陽電池素子で発生した電気を取
    り出すためのケーブルコネクターを有し、該ケーブルコ
    ネクターは、前記取入れ口から前記箱の外部に取り出さ
    れていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一
    項に記載の集熱パネル。
  14. 【請求項14】 少なくとも一部に太陽光が入射可能な
    窓を有する保温構造の箱: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内に流入さ
    せるための取入れ口: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内より流出
    させるための取出し口: 前記箱内の一部に配置された集熱板: を有する集熱パネルであって、前記集熱板は、前記箱内
    の空間を2分割するように配置されており、太陽光が入
    射可能な前記箱の底板に太陽電池素子が一体形成され、
    前記太陽電池素子は、少なくとも被覆フィルムにより被
    覆されていて、前記熱媒が前記集熱板の非受光面側を通
    り、受光面側が密封されていることを特徴とする集熱パ
    ネル。
  15. 【請求項15】 少なくとも前記太陽電池素子と前記被
    覆フィルムとの間に充填材層を有することを特徴とする
    請求項14に記載の集熱パネル。
  16. 【請求項16】 前記太陽電池素子が、前記取入れ口付
    近に配置されていることを特徴とする請求項14又は1
    に記載の集熱パネル。
  17. 【請求項17】 少なくとも一部に太陽光が入射可能な
    窓を有する保温構造の箱: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内に流入さ
    せるための取入れ口: 前記箱に設けられ、流体である熱媒を前記箱内より流出
    させるための取出し口: 前記箱内の一部に配置された集熱板: を有する集熱パネルであって、前記集熱板は、前記箱内
    の空間を2分割するように配置されており、太陽光が入
    射可能な前記箱の底板の前記取入れ口付近に太陽電池素
    子が一体形成されていて、前記熱媒が前記集熱板の非受
    光面側を通り、受光面側が密封されていることを特徴と
    する集熱パネル。
  18. 【請求項18】 前記底板が、前記太陽電池素子を配置
    した板と配置していない板とからなることを特徴とする
    請求項14〜17のいずれか一項に記載の集熱パネル。
  19. 【請求項19】 前記窓が、前記太陽電池素子上は白板
    ガラスからなり、非太陽電池素子上は青板ガラスからな
    ることを特徴とする請求項14〜18のいずれか一項に
    記載の集熱パネル。
  20. 【請求項20】 前記集熱板は、屈曲形状を有すること
    を特徴とする請求項14〜19のいずれか一項に記載の
    集熱パネル。
  21. 【請求項21】 前記太陽電池素子が、非単結晶半導体
    を用いたものであることを特徴とする請求項1〜20
    いずれか一項に記載の集熱パネル。
  22. 【請求項22】 前記非単結晶半導体が、アモルファス
    シリコン半導体であることを特徴とする請求項21に記
    載の集熱パネル。
  23. 【請求項23】 請求項1〜22のいずれか一項に記載
    の集熱パネルを利用したことを特徴とするパッシブソー
    ラーシステム。
  24. 【請求項24】 前記集熱パネルの前記取出し口に連結
    され、屋内に前記熱媒を導入するダクトを有することを
    特徴とする請求項23に記載のパッシブソーラーシステ
    ム。
  25. 【請求項25】 前記ダクトの途中にファンを有するこ
    とを特徴とする請求項24に記載のパッシブソーラーシ
    ステム。
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