JP3363042B2 - 竪管ユニットの直吊り工法 - Google Patents

竪管ユニットの直吊り工法

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JP3363042B2
JP3363042B2 JP29573296A JP29573296A JP3363042B2 JP 3363042 B2 JP3363042 B2 JP 3363042B2 JP 29573296 A JP29573296 A JP 29573296A JP 29573296 A JP29573296 A JP 29573296A JP 3363042 B2 JP3363042 B2 JP 3363042B2
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卓 木崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の竪配管を構
築するために、縦方向の姿勢で吊り上げられて所定の位
置まで揚重される竪管ユニットを水平状態から揚重機の
ワイヤ等の吊り上げ部材で縦方向の姿勢で吊り上げてい
く、竪管ユニットの直吊り工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空調設備や衛生設備などの各種建築設備
用の竪配管を高層建築物に配管する場合、竪配管される
所定の複数本の管材をフレームや固定部材などを用いて
竪管ユニットとしてユニット化し、これを建築物側の揚
重機、例えばタワークレーンなどで垂直状態で揚重する
工法が従来から採用されている。かかる工法によれば、
竪配管の建築物への取付工事と建築工事の鉄骨建方とを
同時に行え、施工の容易性、工期の短縮化を図ることが
できる。
【0003】図14に示したように、このような従来の
竪管ユニットの工法において使用される竪管ユニット1
01は、竪配管を構成する複数の管材102、103、
104が、配管施工後に床となる部分に対応して設けら
れた、固定部材を兼ねた床板105、106、107等
に貫設された構成を有している。施工の迅速性を図るた
め、この種の管材102、103、104は、通常複数
の階床部分に跨った長さ(例えば2〜4階分)を有して
おり、前記床板105等もそれに応じた数が竪管ユニッ
ト101に設けられている。また必要に応じて、適宜の
他の固定部材108が結合されて、管材102、10
3、104が吊り上げ時に曲がらないように配慮されて
いる。
【0004】かかる構成を有する竪管ユニット101
は、吊り上げの際に最も上側となる床板105の両端部
にシャックルなどの連結具110を接続し、さらにこの
連結具110に、ほぼ床板105と同程度の長さを有す
る吊り金物111を取り付け、さらにこの吊り金物11
1の両端部にワイヤ112の両端部を係止し、このワイ
ヤ112を、タワークレーンなどの揚重機113によっ
て巻き上げられるワイヤ等の吊り上げ部材114のフッ
ク115に掛けて、所定の階床部分までこの揚重機11
3によって、縦方向、例えば垂直状態の姿勢で吊り上げ
て揚重するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の方法によれば、吊り上げ時の竪管ユニット101の荷
重は、床板105で全て受けることになる。従って管材
102、103、104の脱落を防止するために、床板
105とこれら管材102、103、104とを強固に
緊結する必要がある。そのため、従来は床板105と管
材102、103、104との緊結に、本来の施工工事
に必要な量よりも多くの鋼材や緊締部材を使用したり、
床板105自体も過大に補強せざるを得なかった。しか
もその結果、竪管ユニット101全体の重量が増大する
という問題も生じ、揚重機113の能力も大きなものを
必要としていた。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、前記したような竪管ユニットをタワークレーン等
の揚重機で吊り上げて揚重する場合、管材と床板等との
結合に関し、本来の施工に必要な量よりも多くの量の鋼
材等を使用せず、また床板等の固定部材についても過大
な補強を要することなく、竪管ユニットを吊り上げるこ
とが可能な,竪管ユニットの直吊り工法を提供して、前
記問題の解決を図ることをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明おける竪管ユニッ
トとしては,例えば平行に配置される複数の管材とこれ
ら管材の間隔を維持するための間隔維持部材とを有し、
前記間隔維持部材は,前記複数の管材の外周を囲む枠体
形状を有し,前記管材は固定手段によって,前記間隔維
持部材に固定されており,前記吊り上げの際に上端部側
となる前記管材の一端部外周には、直吊り用治具が固着
され、この直吊り用治具には吊り上げ用の係止部が形成
された竪管ユニットが使用される。
【0008】ここで間隔維持部材としては、床板のみな
らず、コンクリート打設のための型枠となるデッキプレ
ートや、その他単に管材の平行状態を維持するための鋼
材などの固定部材を用いてもよい。もちろんこれらが任
意に組み合わされていてもよい。また管材の一端部外周
に固着した直吊り用治具の係止部とは、係止するための
孔や鉤状の切欠部などをいう。
【0009】以上のように構成された竪管ユニットによ
れば、直吊り用治具の係止部に、揚重機のワイヤ等の吊
り上げ部材を係止して吊り上げていくことにより、竪管
ユニットを管材の方から吊り上げることができる。即ち
竪管ユニットの荷重を管材側で受けて吊り上げることが
できる。従って、例えば管材が貫設される床板と管材と
の結合は、各階に対応する1つの床板分の荷重を支持で
きるもので足り、従来のように過大な鋼材や緊結部材な
どは不要になり、竪管ユニット全体としての重量も軽減
できる。
【0010】このような竪管ユニットにおいては、例え
ば、少なくとも4以上の直吊り用治具を管材の一端部外
周に円環状に固着すると共に、これら直吊り用治具の内
側縁の少なくとも外方側端部は、漸次外方に向けて開く
テーパ形状に成形し、さらにこれら直吊り用治具のう
ち、軸芯を挟んで対向する少なくとも1対の直吊り用治
具に、前記吊り上げ用の係止部を形成してもよい。
【0011】このような竪管ユニットによれば、竪管ユ
ニット同士を建物側で積み上げて施工する場合、直吊り
用治具がガイドとして機能する。即ち、既に揚重してあ
る竪管ユニット(先の竪管ユニット)の管材の上端に、
吊り上げた竪管ユニット(後の竪管ユニット)の管材の
下端を接合する場合、後の竪管ユニットの管材の下端
が、先の竪管ユニットの管材の上端部に固着した直吊り
用治具の内側縁に沿って、先の竪管ユニットの管材の上
端に案内されるので、管材相互の接合が容易になる。そ
して軸芯を挟んで対向する少なくとも1対の直吊り用治
具に係止部を設けたので、ワイヤ等の吊り上げ部材を係
止して吊り上げていく際、吊り上げ部材がよじれたりす
ることはなく、しかも安定した状態で吊り上げることが
できる。
【0012】 そして本発明の直吊り工法は,建物の竪
配管を構築するため、車両の荷台に水平状態に置かれて
いる竪管ユニットを、揚重機のワイヤ等の吊り上げ部材
で縦方向の姿勢で吊り上げて揚重するにあたり、前記竪
管ユニットは,平行に配置される複数の管材とこれら管
材の間隔を維持するための間隔維持部材とを有し、当該
間隔維持部材は,前記複数の管材の外周を囲む枠体形状
を有し,さらに前記管材は固定手段によって,前記間隔
維持部材に固定されており,前記吊り上げの際に上端部
側となる、前記竪管ユニットにおける管材の一端部外周
に、吊り上げ用の係止部が形成された直吊り用治具を予
め固着し、前記車両の荷台には,管材の他端部を挿入又
は受容して当該管材を立ち上げ方向にのみ回動させる部
材が設けられ,前記管材の他端部を前記部材に挿入又は
受容させて前記竪管ユニットを荷台に積み,前記直吊り
用治具の係止部に前記吊り上げ部材を直接又は間接に係
止し、その後前記吊り上げ部材を介して前記管材の一端
部を吊り上げていくことによって、前記竪管ユニットを
吊り上げることを特徴とする、竪管ユニットの直吊り工
である。この場合,前記竪管ユニットは,平行に配置
される複数の管材とこれら管材の間隔を維持するための
間隔維持部材とを有し、当該間隔維持部材は,床板又は
デッキプレートであるものを用いることができる。
【0013】この竪管ユニットの直吊り工法によれば、
竪管ユニットの荷重を管材側で受けて吊り上げることが
できるから、例えば管材が貫設される床板と管材との結
合は、各階に対応する1つの床板分の荷重を支持できる
程度で足り、従来のように過大な鋼材や緊結部材などは
不要である。また竪管ユニット全体としての重量も従来
より軽減できる。
【0014】前記した竪管ユニットの直吊り工法におい
は,管材の一端部を吊り上げていく際、管材の他端部
は、立ち上げ方向にのみ回動自在なように、その他の動
きを規制しておけば、竪管ユニットを水平状態から垂直
状態に起こして吊り上げる際、タワークレーンなど1つ
の揚重機のみで揚重させることができ、しかも竪管ユニ
ットにおける他端部側が揺動したり、また他の物体と衝
突して損傷することはなく、安定した状態の下で徐々に
吊り上げていくことができる。
【0015】この場合,管材の他端部を立ち上げ方向に
のみ回動自在として、その他の動きを規制するには、例
えば不動物体に固定された適宜の治具に、竪管ユニット
における管材の他端部内に挿入自在な挿入部や、逆に管
材の他端部を挿入自在な被挿入部を設け、この挿入部や
被挿入部を立ち上げ方向にのみ回動自在に構成しておけ
ば、容易に実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本実施形態にかかる竪管
ユニット1の外観を示しており、本実施形態において
は、施工後に竪配管を構成する4本の管材2、3、4、
5を平行に配置させ、間隔維持部材となる2つの固定部
材6、7を用いて当該平行状態を維持しつつ、これら管
材2、3、4、5をユニット化している。なおこれら4
本の管材2、3、4、5は、長さについては同一である
が、その径については管材2、3よりも管材4、5の方
が大きい管材を使用した。
【0017】前記固定部材6、7は、アングル材や板材
等によって構成され、管材2、3、4、5の外周を囲み
得る大きさの枠体形状を有している。そしてUボルト等
の固定手段8によって、各管材2、3、4、5は個別に
固定部材6、7に固定されている。
【0018】各管材2、3、4、5の一端部外周には、
各々図2に詳細を示した直吊り用治具となるガイドプレ
ート11が溶接によって4枚ずつ固着されている。この
ガイドプレート11は、管材の外周に固着される固着部
11aとこの固着部11aから連続して管材の端部より
突出するガイド部11bとを有し、固着部11aとガイ
ド部11bとの間には、管材側となる部分(内側)に略
C字型の切欠部11cが形成されている。またガイド部
11bの内側縁の端部寄りの部分は、漸次外方に向けて
開く形状にテーパ成形されたテーパ部11dが形成され
ている。
【0019】かかる構成のガイドプレート11は、管材
の軸芯を中心として中心角90゜おきに計4枚固着され
ている。そして少なくとも軸芯を挟んで対向する1組の
ガイドプレート11には、ガイド部11bに係止孔12
が形成されている。もちろん固着した全てのガイドプレ
ート11に係止孔12を形成してもよい。そしてこれら
4枚のガイドプレート11のうち、係止孔12が形成さ
れた2枚のガイドプレート11は、他のガイドプレート
11と異なり、いわゆる本溶接によって極めて強固に固
着されている。
【0020】次にこの竪管ユニット1を用いた直吊り工
法について説明する。前記竪管ユニット1は、工場にお
いて製作され、トラック等の運搬車両の荷台に水平状態
に積まれて現場まで運搬される。この場合、図3に示し
たように 車両13の荷台14の運転席側の一端部に、
揚重治具21を設置し、この揚重治具21を用いて荷積
みすると便利である。
【0021】この揚重治具21は、荷台14に固定され
た2つの支持部材22、23を備えている。これら各支
持部材22、23は基本的に同一構成であり、例えば支
持部材22の構成について詳述すると、チャネル鋼材や
アングル鋼材などの鋼材によって構成された水平部材2
2aと、この水平部材22aの一端部近傍から所定の角
度θ(60゜前後が好ましい)をもって水平部材22a
に対して斜めに固定された斜め部材22bと、前記水平
部材22aと斜め部材22bとの間にその両端を固定し
て、斜め部材22bを支持するとともに、全体的に強度
を向上させる補強部材22cとによってそのフレーム構
成がなされている。支持部材23も同様に、水平部材2
3a、斜め部材23b及び補強部材23cによってその
フレーム構成がなされている。
【0022】各支持部材22、23における斜め部材2
2b、23bには、各々チャネル鋼材等で構成された受
け部材24が、ボルト等の固着手段によって所定間隔で
3つずつ設けられている。この受け部材24の数は任意
である。
【0023】さらに前記したように荷台14の一端部に
平行に設置固定された支持部材22、23の、各受け部
材24、24間には、パイプ材などによって構成された
シャフト25が各々水平に渡されて、その両端部近傍
は、例えばUボルトなどの固定手段26によって各受け
部材24、24に固定されている。
【0024】各シャフト25の外周には、図4に示した
挿入部材27が、シャフト25の外周を回転自在となる
ように、シャフト1本毎に2つずつ装着されている。こ
の挿入部材27は、シャフト25の外径よりも多少大き
い内径を有するパイプ材を適宜切断して得られた本体2
7aと、この本体27aに対して直角に固着された略円
柱形状の挿入部27bとによって構成されている。かか
る構成により、挿入部材27は、図4に示したように、
装着された各シャフト25の外周を回転自在であり、し
かもシャフト25の軸方向に沿ってスライド自在であ
る。
【0025】なお以上のような挿入部材27に代えて、
図5に示したような受容部材28を用いてもよい。この
受容部材28は、シャフト25の外径よりも多少大きい
内径を有するパイプ材を適宜切断して得られた本体28
aと、この本体28aに対して直角に固着された略円筒
形状の被挿入部28bとによって構成され、被挿入部2
8bは、例えば竪管ユニット1の管材2や管材5を挿入
できる内径を有するものである。かかる構成の受容部材
28を用いても、後述の工法をそのまま実施することが
できる。
【0026】揚重治具21は、以上のように構成されて
おり、竪管ユニット1をかかる揚重治具21が設置され
ている車両13の荷台14に積み込む場合、図3に示し
たように、竪管ユニット1における管材、例えば両端に
位置する管材2、5の他端部内に、揚重治具21におけ
る挿入部材27の挿入部27bを挿入しつつ、竪管ユニ
ット1を荷台14に積み、その後適宜のバンド体(図示
せず)で竪管ユニット1を荷台14に対して緊締して固
定する。他の竪管ユニットも、同様にして竪管ユニット
1の上方に積み込まれ、図6に示したように、例えば3
組の竪管ユニット1を車両13の荷台14に積み込むこ
とができる。
【0027】このように水平状態で横積みされ、車両1
3によって建築現場に運搬されてきた3つの配管ユニッ
ト1は、次のような手順で順次吊り上げられて揚重され
ていく。
【0028】まず図6に示したように、作業員がタワー
クレーン(図示せず)の吊り上げ用のワイヤ41の端部
に設けられたフック42に、吊り上げ用の治具、例えば
吊り金物43を、ワイヤ44などによって係止する。
【0029】この吊り金物43は、図7、図8、図9に
示したように、チャネル材からなる本体43aの底部4
3bに、所定間隔、例えば100mm毎に孔43cを穿設
した構成を有している。そして簡易シャックル45を両
端の孔43cに取り付け、この簡易シャックル45にワ
イヤ44を係止させている。
【0030】そしてこの吊り金物43の孔43cのう
ち、竪管ユニット1の管材2、3、4、5の間隔に対応
した所定位置の孔43cに、底部43bの外側から他の
簡易シャックル46を管材の数だけ取り付ける。そして
ワイヤ47を介して、シャックル48を竪管ユニット1
の各管材2、3、4、5の一端部に固着したガイドプレ
ート11の係止孔12に取り付ける。
【0031】この間配管作業員は、竪管ユニット1を荷
台14に固定していたバンド体(図示せず)の緊締等を
解除する。一方車両の運転手は、車両13にサイドブレ
ーキをかけ、さらに図6に示したように、車両13のタ
イヤ13aの前後に、適宜のストッパ49を設置する。
これによって車両13の不動性は向上する。
【0032】次いでタワークレーンを操作して、ワイヤ
41を巻き上げていくと、配管ユニット1は、図10に
示したように、管材2、3、4、5の方から吊り上げら
れていく。このとき竪管ユニット1における管材2、5
の他端部内には、揚重治具21における挿入部材27の
挿入部27bが挿入され、しかも当該揚重治具21が設
置固定されている車両13は動かないので、図10に示
したように、竪管ユニット1は挿入部材27の回動中
心、即ちシャフト25を中心として管材2、3、4、5
の一端部側から徐々に立ち上げられていく。
【0033】そしてなおもそのままタワークレーンのワ
イヤ41を巻き上げていって、図11に示したように、
竪管ユニット1がほぼ垂直になると、挿入部材27の挿
入部27bは竪管ユニット1における管材2、5の他端
部から抜け出る。後はそのままの状態でさらにタワーク
レーンを操作して、ワイヤ41を巻き上げいくと、竪管
ユニット1は、垂直状態で吊り上げられていく。
【0034】この時の竪管ユニット1全体の荷重は、管
材2、3、4、5側で受けており、しかも各管材2、
3、4、5自体は、図8に示したようにガイドプレート
11、ワイヤ47を介して吊り金物43に直吊りされた
状態である。従って竪管ユニット1全体の荷重は分散さ
れ、ガイドプレート11を介したそのような直吊りであ
っても、竪管ユニット1を支障なく吊り上げることがで
きる。また吊り上げに供されている2枚のガイドプレー
ト11は、軸芯を挟んで対向した位置に固着されている
から、吊り上げ中にワイヤ47がよじれたりすることは
なく、安定して吊り上げることができる。
【0035】そのようにして吊り上げられている間、各
管材2、3、4、5をユニット化している固定部材6、
7は、いわばUボルト等の固定手段8を介して管材2、
3、4、5に付設されている状態であるから、固定部材
6、7自体を特に鋼材等で補強する必要はなく、しかも
Uボルト等の固定手段でも、管材2、3、4、5との一
体化が充分果たされている。かかる簡易な結合であって
も、吊り上げ中に各管材2、3、4、5が曲がってしま
うことはない。
【0036】それゆえ固定部材6、7に代えて、床板や
デッキプレートを用いても、これら床板やデッキプレー
トに多量の鋼材を使用して補強する必要はなく、また過
大な結合金具や固定手段を用いる必要もない。即ち床板
やデッキプレート自体が管材に支持されるに充分なもの
でよい。従って、既述した従来の工法と比較すると、床
板やデッキプレートその他の固定部材を簡易化すること
ができ、また鋼材の使用量も、例えば従来の1/3程度
とすることができる。しかもそれに伴って竪管ユニット
1全体の重量も軽減でき、タワークレーンの能力もより
小さいもので済む。
【0037】なおそのようにして竪管ユニット1を吊り
上げていった後は、この種の竪管ユニットの揚重の場合
と同様にして所定の地点で停止させ、配管ユニット1毎
に、建築物に施工すればよい。そして次の竪管ユニット
1も以上と同様、図12に示したように、まずワイヤ4
1のフック42にワイヤ44を介して、吊り金物43を
係止し、この吊り金物43をさらにワイヤ47、シャッ
クル48を介して竪管ユニット1の管材の一端部に取り
付けたガイドプレート11の係止孔12に係止させ、後
はそのままワイヤ41を巻き上げていけば、車両13の
荷台14横積みされていた配管ユニット1を、直接管材
側から吊り上げて揚重することができる。
【0038】なお既に揚重した竪管ユニット1に、次に
揚重した他の竪管ユニット1を積み上げて、先の竪管ユ
ニット1の管材の上端と後の竪管ユニット1の管材の下
端とを接合する場合、各管材の一端部に取り付けたガイ
ドプレート11の内側縁には、テーパ部11dが形成し
てあるので、円滑な接合作業が実施できる。即ち図13
に示したように、後の竪管ユニット1における管材5’
を降下させていく際、先の竪管ユニット1における管材
5のガイドプレート11のテーパ部11dによって管材
5’の下端は、管材5の上端に案内されるので、スムー
ズに管材5’の下端と管材5の上端との接合作業を行う
ことができる。
【0039】このように、本実施形態にかかる直吊り工
法によれば、車両13の荷台14に横積みされていた3
つの竪管ユニット1を、地上に荷おろしすることなく、
タワークレーンだけでそのまま直接垂直状態にして揚重
することができる。従って、荷おろしの時間を省略する
ことができ、また仮置きのための場所を別途確保する必
要はない。しかもタワークレーンだけで揚重できるか
ら、相吊り用のクレーンは不要である。そのうえ横積み
状態から垂直状態に立ち上げる過程においても、竪管ユ
ニット1は、その他端部に位置する揚重治具21の挿入
部材27によってシャフト25を中心とする回動運動の
みが自在で他の動きが規制されているので、円滑な回動
運動によって立ち上げられて行く。したがって竪管ユニ
ット1の各管材2、3、4、5の他端部が損傷すること
はない。その他作業環境も従来より安全である。
【0040】また既述したように、吊り上げ中の竪管ユ
ニット1全体の荷重は、管材2、3、4、5側で受けて
いるので、固定部材6、7自体、及びこの固定部材6、
7と各管材2、3、4、5との結合は、従来より簡素
化、軽量化されている。そのうえ竪管ユニット1自体の
重量も軽減されている。
【0041】また揚重治具21においては、挿入部材2
7はシャフト25の軸方向にスライド自在であるから、
挿入部27bを挿入すべき竪管ユニット1における管材
の間隔に合わせることができ、種々の種類の竪管ユニッ
トに対応でき、最も好ましい条件で揚重作業を実施する
ことができる。
【0042】さらにまた吊り金物43の底部43bに
は、孔43cが所定間隔の下で複数穿設されているの
で、吊り上げ対象となる竪管ユニットの管材の数や間隔
に合わせて簡易シャックル46を取り付けることができ
る。
【0043】なお前記実施形態において、ガイドプレー
ト11は、竪管ユニット1における各管材2、3、4、
5の一端部に4枚ずつ固着したが、3枚のガイドプレー
ト11を、軸芯を中心とする中心角120゜おきに固着
してもよく、また5枚以上のガイドプレートを所定の間
隔で固着してもよい。
【0044】なお前記実施形態にかかる揚重治具21に
おいて、挿入部材27は、1つのシャフトに対して2つ
ずつ装着し、これによって竪管ユニット1における両端
の管材2、5の他端部内に挿入部27bを挿入するよう
にしていたが、もちろん1つのシャフトに装着される挿
入部材27の数は、これに限らず竪管ユニット1の大き
さや、重量、管材の数に応じて適宜増減できる。
【0045】さらに挿入部材27における挿入部27b
の基部側に、例えばウレタン等の適宜の緩衝材を配置し
ておけば、竪管ユニット1が立ち上げられる過程で、挿
入部27bが挿入されている管材2、5の端部が、挿入
部材27の基部と接触しても、その衝撃を吸収すること
ができ、さらに管材端部の保護を向上させることができ
る。そしてまた、この挿入部材27に代えて、図5に示
した被挿入部材28を用いても、全く同様な効果が得ら
れる。
【0046】
【発明の効果】発明によれば、竪管ユニットの荷重を
管材側で受けて吊り上げることができるので、例えば管
材と床板などの結合は、当該床板自体の荷重を支持でき
る程度で足りる。従って従来のように過大な鋼材や緊結
部材などは不要になり、竪管ユニット全体としての重量
も軽減できる。
【0047】そして,本発明によれば,車両の荷台に横
積みされている竪管ユニットを、地上に荷おろしするこ
となく、タワークレーンなどの1つの揚重機のみで吊り
上げて揚重することができ、また竪管ユニットの管材の
他端部を損傷するおそれもない。しかも安全に一連の吊
り上げ作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる竪管ユニットの斜
視図である。
【図2】図1の竪管ユニットにおける管材の一端部の斜
視図である。
【図3】図1の竪管ユニットを横積みした車両の荷台の
斜視図である。
【図4】図3の車両に設置した養生治具の挿入部材の斜
視図である。
【図5】図4の挿入部材に代えて使用できる被通入部材
の斜視図である。
【図6】図1の竪管ユニットを吊り上げる直前の様子を
示す側面からの説明図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる直吊り工法に使用し
た固定金物の平面図である。
【図8】図7の固定金物で管材が吊下されている状態を
示す正面図である。
【図9】図7の固定金物で管材が吊下されている状態を
示す側面図である。
【図10】本発明の実施形態にかかる直吊り工法の作業
手順を示し、上段に横積みされた竪管ユニットを吊り上
げていく状態を示す側面からの説明図である。
【図11】本発明の実施形態にかかる直吊り工法の作業
手順を示し、上段に横積みされた竪管ユニットを垂直状
態に立ち上げた状態を示す側面からの説明図である。
【図12】本発明の実施形態にかかる直吊り工法の作業
手順を示し、中段に横積みされた竪管ユニットを垂直状
態に立ち上げた状態を示す側面からの説明図である。
【図13】図1の竪管ユニットを使用して配管する際に
おける管材相互の接合直前の状態を示す説明図である。
【図14】従来の竪管ユニットの吊り上げ工法を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 竪管ユニット 2、3、4、5 管材 6、7 固定部材 8 固定手段 11 ガイドプレート 11d テーパ部 12 係止孔 13 車両 14 荷台 27 挿入部材 27b 挿入部 41 ワイヤ 42 フック 43 吊り金物 47 ワイヤ 48 シャックル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木崎 卓 神奈川県横浜市中区弁天通2−22 株式 会社大林組 横浜支店内 (72)発明者 増田 秀樹 神奈川県横浜市中区弁天通2−22 株式 会社大林組 横浜支店内 (56)参考文献 特開 平7−301367(JP,A) 特開 昭56−16768(JP,A) 特開 平5−306572(JP,A) 特開 平7−71112(JP,A) 特開 平2−286593(JP,A) 特開 平7−26724(JP,A) 特開 平10−88807(JP,A) 実開 平4−100188(JP,U) 実開 平2−45237(JP,U) 特公 平5−52392(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/14 - 21/16 F16L 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の竪配管を構築するため、車両の荷
    台に水平状態に置かれている竪管ユニットを、揚重機の
    ワイヤ等の吊り上げ部材で縦方向の姿勢で吊り上げて揚
    重するにあたり、 前記竪管ユニットは,平行に配置される複数の管材とこ
    れら管材の間隔を維持するための間隔維持部材とを有
    し、当該間隔維持部材は,前記複数の管材の外周を囲む
    枠体形状を有し,さらに前記管材は固定手段によって,
    前記間隔維持部材に固定されており, 前記吊り上げの際に上端部側となる、前記竪管ユニット
    における管材の一端部外周に、吊り上げ用の係止部が形
    成された直吊り用治具を予め固着し、 前記車両の荷台には,管材の他端部を挿入又は受容して
    当該管材を立ち上げ方向にのみ回動させる部材が設けら
    れ,前記管材の他端部を前記部材に挿入又は受容させて
    前記竪管ユニットを荷台に積み, 前記直吊り用治具の係止部に前記吊り上げ部材を直接又
    は間接に係止し、 その後前記吊り上げ部材を介して前記管材の一端部を吊
    り上げていくことによって、前記竪管ユニットを吊り上
    げることを特徴とする、竪管ユニットの直吊り工法。
  2. 【請求項2】 建物の竪配管を構築するため、車両の荷
    台に水平状態に置かれている竪管ユニットを、揚重機の
    ワイヤ等の吊り上げ部材で縦方向の姿勢で吊り上げて揚
    重するにあたり、 前記竪管ユニットは,平行に配置される複数の管材とこ
    れら管材の間隔を維持するための間隔維持部材とを有
    し、 当該間隔維持部材は,床板又はデッキプレートであって
    前記吊り上げの際に上端部側となる、前記竪管ユニット
    における管材の一端部外周に、吊り上げ用の係止部が形
    成された直吊り用治具を予め固着し、 前記車両の荷台には,管材の他端部を挿入又は受容して
    当該管材を立ち上げ方向にのみ回動させる部材が設けら
    れ,前記管材の他端部を前記部材に挿入又は受容させて
    前記竪管ユニットを荷台に積み, 前記直吊り用治具の係止部に前記吊り上げ部材を直接又
    は間接に係止し、 その後前記吊り上げ部材を介して前記管材の一端部を吊
    り上げていくことによって、前記竪管ユニットを吊り上
    げることを特徴とする、竪管ユニットの直吊り工法。
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