JP3335890B2 - 鉄道車両用軌間可変台車 - Google Patents

鉄道車両用軌間可変台車

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JP3335890B2
JP3335890B2 JP25881397A JP25881397A JP3335890B2 JP 3335890 B2 JP3335890 B2 JP 3335890B2 JP 25881397 A JP25881397 A JP 25881397A JP 25881397 A JP25881397 A JP 25881397A JP 3335890 B2 JP3335890 B2 JP 3335890B2
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田 憲 曉 徳
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Railway Technical Research Institute
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば新幹線と在
来線のように軌間寸法が異なるレール上を連続して走行
するために、車輪間隔(軌間)を変化させることができ
る鉄道車両用軌間可変台車に関し、より詳しくは車軸を
軸箱に対して上下動させることなく軌間変更を可能とす
る構造を採用した鉄道車両用軌間可変台車に関する。
【0002】日本の鉄道においては、例えば新幹線等に
使用されている軌間寸法1435mmの標準軌と、在来
線等に使用されている軌間寸法1067mmの狭軌とが
併用用されているが、これらの軌間の異なる軌道上を連
続して走行し得る鉄道車両を開発すれば、乗客の利便性
や、到達時間の短縮、鉄道建設費の低減等、そのメリッ
トは極めて大きい。そこで、本願の出願人は種々の鉄道
車両用軌間可変台車を開発し先に出願している。(特開
平8−332950号公報、特開平8−332951号
公報他参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した先願に係る軌
間可変台車においては、車軸を軸箱に対して上下動させ
ることにより車軸外筒と軸箱とを係脱させ、軌間変更が
可能な状態と軌間変更が不能な固定状態とを切り換える
構造となっている。しかしながら、車軸を軸箱に対して
上下動させることなく軌間を変更することができれば、
軌間を変更するための構造をさらに簡単かつ小型で軽量
なものとすることができる。
【0004】そこで本発明の目的は、車軸を軸箱に対し
て上下動させることなく軌間を変更することが可能な、
新しい構造を採用した鉄道車両用軌間可変台車を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する請
求項1に記載の手段は、鉄道車両の車体を支持する台車
枠に取り付けられた軸箱と、前記軸箱に対してその軸線
方向に相対変位不能に取り付けられた車軸と、前記車軸
にスライド自在に外嵌されて第1の軌間に対応する位置
第2の軌間に対応する位置との間で前記車軸の軸線方
向に往復スライド可能な車軸外筒と、前記車軸外筒に軸
受を介して回転自在に支持された車輪と、前記第1の軌
に対応する位置と前記第2の軌間に対応する位置とに
おいて前記車軸外筒を前記軸箱に係止可能な係止部材
と、前記車軸外筒を前記軸箱に係止する状態と前記車軸
外筒から離間する状態との間で前記係止部材を往復変位
させる係止部材変位機構と、を備え、前記軸箱は、前記
車軸外筒が前記車軸の軸線方向に往復スライド可能に内
嵌する内周面と、この内周面に連設されて前記車軸の軸
線方向に延びるガイド溝とを有し、 前記車軸外筒は、前
記ガイド溝内に前記車軸の軸線方向にスライド可能に嵌
合して前記車軸の軸線回りに回転する方向に前記軸箱と
係合する、その外周面に突 設された係合突起を有し、
記係止部材は、前記車軸外筒の係合突起と前記車軸の軸
線方向に係合して前記車軸外筒を前記軸箱に係止可能で
ある、ことを特徴とする鉄道車両用軌間可変台車であ
る。
【0006】請求項1に記載の鉄道車両用軌間可変台車
においては、車軸外筒を車軸上でスライドさせることに
より、車輪を第1の軌間に対応する位置と第2の軌間
対応する位置とに変位させて軌間を変更することができ
る。そして、係止部材を用いて車軸外筒を軸箱に係止す
ることにより、車輪を軌間変更不能な状態に固定するこ
とができる。軌間を変更する際には、変位手段を用いて
係止部材を車軸外筒から離間させて、軸箱に対する車軸
外筒の係止を解除する。すなわち、請求項1に記載の鉄
道車両用軌間可変台車は、車軸を軸箱に対して上下動さ
せることにより車軸外筒を軸箱に係脱させるのではな
く、変位手段によって変位させられる係止部材を用いて
車軸外筒を軸箱に係脱する構造であるから、車軸を上下
動させるためのスペースや車軸の上下動を案内するため
の機構を不要とすることができ、軌間を変更するための
構造を簡単かつ小型軽量なものとすることができる。
【0007】このとき、請求項1に記載の鉄道車両用軌
間可変台車においては、車軸外筒が軸箱の内周面に対し
て車軸の軸線方向にスライド可能に内嵌する。これによ
り、軸箱と車軸外筒とが互いに嵌合するとともに、車軸
外筒と車軸とが互いに嵌合するので、軸箱と車軸の間の
がたつきを最小限に抑えることができる。
【0008】また、請求項1に記載の鉄道車両用軌間可
変台車においては、車軸外筒に設けた係合突起が軸箱に
設けたガイド溝に嵌合するから、車軸外筒は軸箱に対し
て車軸の軸線方向には係合しないが車軸の軸線回りに回
転する方向には係合する。これにより、車輪を直接回転
駆動する駆動モータを車軸外筒に取り付けた場合に、車
軸外筒に負荷される駆動反力を車軸外筒の係合突起を介
して軸箱に伝達しつつ、車軸外筒のスライド変位を可能
とすることができる。
【0009】さらに、請求項1に記載の鉄道車両用軌間
可変台車においては、係止部材が車軸外筒の係合突起と
車軸の軸線方向に係合して車軸外筒を軸箱に係止する。
これにより、軸箱に対して車軸外筒をその軸線方向に確
実に係止することができるばかりでなく、車軸外筒の構
造を合理化してその製造を容易なものとすることができ
る。
【0010】請求項2に記載の手段は、請求項1に記載
した鉄道車両用軌間可変台車において、前記係止部材変
位機構が、前記係止部材を前記車軸外筒と係合する方向
に常に付勢する付勢手段を有するとともに、軌間変更時
には前記付勢手段による付勢力に抗して前記係止部材を
変位させることを特徴としている。
【0011】すなわち、請求項2に記載の鉄道車両用軌
間可変台車においては、車軸外筒を軸箱に係止する係止
部材が付勢手段によって常に付勢されているから、車輪
を軌間変更不能な固定状態に確実に維持することができ
る。
【0012】請求項3に記載の手段は、請求項2に記載
した鉄道車両用軌間可変台車において、前記係止部材変
位機構が、前記車輪に代わって前記軸箱を支持するため
に前記軌条に並設された複数の軸箱支持ローラ上を滑走
可能な、前記軸箱に揺動自在に支持された橇部材と、前
記橇部材の揺動に連動して前記係止部材が往復変位する
ように前記係止部材と前記橇部材とを接続する接続リン
クと、をさらに有し、 前記係止部材は、前記車軸外筒を
前記軸箱に係止する状態と前記車軸外筒から離間する状
態との間で往復変位自在に前記軸箱に軸支されており、
前記接続リンクは、前記係止部材が前記車軸外筒を前記
軸箱に係止しているときには前記橇部材が前後方向に傾
斜して延びるとともに前記橇部材が前記複数の軸箱支持
ローラ上に着座して前後方向に水平に延びているときに
は前記係止部材が前記車軸外筒から離間するように前記
係止部材と前記橇部材とを接続する、 ことを特徴として
いる。
【0013】すなわち、請求項3に記載の鉄道車両用軌
間可変台車においては、軸箱支持ローラとの接触に伴う
橇部材の揺動に連動させて係止部材を確実に変位させる
ことができるから、軌間変更操作の開始に連動させて係
止部材による車軸外筒の係止を確実に解除し、かつ軌間
変更操作の終了に連動させて係止部材によって車軸外筒
を確実に係止することができる。 また、台車側には係止
部材を変位させるためのアクチュエータ等を搭載する必
要がないから、台車の構造を簡単にして重量の軽減およ
び製造原価の低減を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る鉄道車両用軌
間可変台車の一実施形態を、図1乃至図7を参照して詳
細に説明する。ここで、図1は本発明に係る鉄道車両用
軌間可変台車の全体側面図、図2は図1に示した軌間可
変台車を狭い第2の軌間に対応した状態で示す正面断面
図、図3は軸箱を単品状態で示した側面図、図4はロッ
キングブロックを斜め下方から見上げた状態で示す斜視
図、図5は図2中に示したA−A破断線に沿って破断し
た、軌間変更ロック装置を軌間変更不能な状態で示す要
部拡大側面断面図、図6は図5と同様な、軌間変更ロッ
ク装置を軌間変更可能な状態で示す要部拡大側面断面
図、図7は図1に示した軌間可変台車を広い第1の軌間
に対応した状態で示す正面断面図である。なお、以下の
説明においては、車軸の軸線方向を単に「軸線方向」
と、また鉄道車両が前後進する方向を単に「前後方向」
と言う。
【0015】図1に示したように、図示されない鉄道車
両の車体を支持する台車枠1に設けられたブラケット2
には、支軸3およびゴム製のブッシュ4を介して軸箱1
0が揺動自在に軸支されている。また、前記台車枠1の
ばね受け部5と前記軸箱10の上端に取り付けられたば
ね座6との間には、軸ばね7が介装されている。
【0016】前記軸箱10は、図1乃至図3に示したよ
うに略円筒状の軸箱本体11に軸梁12を連設したもの
で、前記軸梁12の先端13が前記台車枠1に軸支され
る。また、図2に示したように、前記軸箱本体11の側
方端部に垂下されたフランジ14には、車軸20の軸端
小径部21が挿通される車軸取付孔15が貫設されてい
る。また、図3に示したように、前記軸箱本体11内に
凹設された円筒内周面16の下端部には、軸線方向に延
びるガイド溝17と、前後方向に延びるロックレバー受
容溝18とが連設されている。さらに、軸箱本体11の
下端面11aには、後述する軸箱支持装置60が取り付
けられる。
【0017】図2に示したように、前記車軸20の軸端
小径部21は、軸箱10の前記車軸取付孔15内に挿通
されるとともに、その外周面に形成された雄ねじ部に螺
合する軸ナット22により締め付けられて前記フランジ
14に取り付けられる。これにより、車軸20は軸箱1
0に対してその軸線方向には相対変位不能に固定される
ので、軌間変更時における車軸外筒30の位置決め精度
を向上させることができる。しかしながら、車軸20は
軸箱10に対してその軸線回りの回動は許容され、車体
がローリングして左右一対の軸梁12,12間に角度差
が生じても、車軸20にはねじりモーメントが負荷され
ないようになっている。また、車軸20は、車軸取付孔
15の内径と軸端小径部21の外径との差分だけ、軸箱
10に対して前後方向および上下方向に変位可能となっ
ている。
【0018】一方、車軸20には、円筒状の車軸外筒3
0が軸線方向にスライド自在に外嵌されている。この車
軸外筒30の内周面にはすべり軸受が取り付けられ、車
軸20の外周面上をガタつくことなく滑らかにスライド
できるようになっている。また、この車軸外筒30の長
手方向中央部には、車輪軸受31を介して車輪32が回
転自在に支持されている。また、車軸外筒30の軸箱1
0とは反対側の端部には、前記車輪32を回転駆動する
駆動モータ40が取り付けられている。
【0019】前記駆動モータ40の固定子41は、車軸
外筒30の外周面に直接取り付けられている。また、そ
の回転子42は、車軸外筒30の端部に立設されたフラ
ンジ33に取り付けられたモータ軸受34と、車輪32
のウェブ35とにより、回転自在に支持されている。こ
れにより、この駆動モータ40は、車輪32を直接回転
駆動させる、いわゆるDDM(ダイレクトドライブモー
タ)方式となる。
【0020】また、車軸外筒30の軸箱10側の端部に
は、車軸外筒30の外周面に形成された雄スプラインと
係合する雌スプラインをその内周面に有した、略円筒状
のロッキングブロック50が取り付けられている。そし
て、このロッキングブロック50は締付ナット51によ
り車軸外筒30に締め付けられ、スペーサ36を介して
前記車輪軸受31を所定の位置に固定する役目を果たし
ている。なお、このロッキングブロック50は、車輪軸
受31の組み付け方法を変更することにより車軸外筒3
0と一体化することができる。
【0021】また、前記ロッキングブロック50は、図
4に示したように、軸箱10の円筒内周面16に対して
軸線方向にスライド自在に内嵌する円筒状の本体部分5
2と、この本体部分52の下端部にそれぞれ突設され
た、軸箱10に形成された前記ガイド溝17内に軸線方
向にスライド自在に嵌合する、一対の係合突起53,5
4とを有している。これにより、車軸外筒30に負荷さ
れる駆動モータ40の駆動反力は、車軸外筒30の雄ス
プライン、ロッキングブロック50の雌スプライン、ロ
ッキングブロック50の本体部分52,ロッキングブロ
ック50の係合突起53,54を介して軸箱10に伝達
されるので、車軸外筒30自体が回転することはない。
また、前記係合突起53,54の間には第1の係合凹部
55が、また、軸箱10側の係合突起54のさらに軸箱
10側の部分には第2の係合凹部56がそれぞれ設けら
れ、後述するロックレバー82と軸線方向に係合するよ
うになっている。
【0022】また、図2に示したように、軸箱10の前
記下端面11aには、軌間変更時に車輪32に代わって
軸箱10を支持する軸箱支持装置60が設けられてい
る。この軸箱支持装置60は、多数枚の鋼板を積層して
なるスペーサ61と、このスペーサ61の下端に取り付
けられたブラケット62と、このブラケット62によっ
て車軸20と平行に延びるように支持された揺動軸63
と、この揺動軸63によって揺動自在に支持された、前
後方向に延びる橇64とを有している。
【0023】前記橇64は、図6に示したように、軌間
変更時には、地上側に設備された軸箱支持レール70の
多数の軸箱支持ローラ71上を滑動するようになってい
る。また、図2に示したように、軸箱10および軸箱支
持装置60の側面に取り付けられたガイドシュー65
は、前記軸箱支持レール70の縦壁部分72と摺動し、
軸箱10の前進方向をガイドするようになっている。
【0024】次に、ロッキングブロック50すなわち車
軸外筒30を軸箱10に係止し、車輪32を軌間変更不
能に固定する軌間変更ロック装置80について説明す
る。この軌間変更ロック装置80は、軸梁12に取り付
けられて車軸20と平行に延びる揺動軸81と、この揺
動軸81によってその基端が軸支されるとともに、その
揺動端が軸箱10の前記ロックレバー受容溝18内に挿
通されたロックレバー82と、このロックレバー82の
基端側に連設されたばね座83と軸梁12との間に介装
され、前記ロックレバー82をロッキングブロック50
と係合する側に常に付勢するコイルばね84と、揺動支
軸85,65を介して前記ばね座83と前記軸箱支持装
置60の橇64とを接続する接続リンク86を有してい
る。
【0025】これにより、図5に示した通常走行時に
は、前記ロックレバー82は前記コイルばね84によっ
て常に付勢され、ロッキングブロック50の前記第1の
係合凹部55若しくは前記第2の係合凹部56のいずれ
か一方と係合する。したがって、ロッキングブロック5
0すなわち車軸外筒30は、ロックレバー82によって
軸箱10に係止され、軌間変更不能な状態に固定され
る。また、軸箱支持装置60の橇64は、前記接続リン
ク86を介してコイルばね84によって押動され、図5
に示したように斜めに傾斜した状態に維持される。
【0026】一方、図6に示した軌間変更時には、軸箱
支持装置60の橇64は、軸箱支持ローラ71上に着座
して前後方向に水平に延びる。すると、橇64は接続リ
ンク86を介してばね座83を押動し、コイルばね84
の付勢力に抗してロックレバー82を揺動軸81の回り
に揺動させる。これにより、ロックレバー82の揺動端
がロッキングブロック50の下方側に離間するので、ロ
ックレバー82によるロッキングブロック50の軸箱1
0に対する係止が解除され、ロッキングブロック50す
なわち車軸外筒30はその軸線方向に変位可能な状態と
なる。
【0027】次に、上述のように構成された本実施形態
の鉄道車両用軌間可変台車100を、図2に示した狭い
第2の軌間に対応する状態から図7に示した広い第1の
軌間に対応する状態に軌間を変更する流れについて説明
する。
【0028】まず、通常走行時には、車輪32は駆動モ
ータ40によって回転駆動され、軌条R上を転動する。
このとき、駆動モータ40の駆動反力は車軸外筒30お
よびロッキングブロック50を介して軸箱10すなわち
台車枠1に伝達される。また、ロックレバー82は、図
2に示したように、第2の軌間対応状態においてはロッ
キングブロック50の第2の係合凹部56と係合し、車
輪32は軌間変更不能な状態に確実に固定される。
【0029】また、ロッキングブロック50が軸箱10
と嵌合するとともに、ロッキングブロック50と一体な
車軸外筒30がすべり軸受を介して車軸20と嵌合して
いるので、軸箱10と車軸20とがガタつくことはな
い。これにより、本実施形態の鉄道車両用軌間可変台車
100の高速走行性能を、大幅に向上させることができ
る。
【0030】一方、本実施形態の鉄道車両用軌間可変台
車100の軌間変更は、軌条Rと軸箱支持レール70と
が並設されている軌間変更区間を走行することによって
行われる。すなわち、本実施形態の鉄道車両用軌間可変
台車100が軌間変更区間に進入すると、軌条Rが軸箱
支持レール70に対して徐々に降下し、やがて軸箱支持
装置60の橇64が軸箱支持ローラ71上に着座する。
これにより、軸箱10は車輪32によってではなく軸箱
支持レール70によって支持されるから、車輪32を軸
線方向に変位させて軌間を変更することが可能となる。
【0031】このとき、軸箱支持装置60の橇64は、
軸箱支持レール70に設けられた多数の軸箱支持ローラ
71上を滑動するので、軌間変更時においても軸箱10
すなわち鉄道車両の車体を滑らかに前進させることがで
きる。また、軸箱支持レール70の縦壁部分72によっ
て軸箱10の進行方向を確実に案内することができる。
また、軸箱支持装置60には多数枚の鋼板を積層してな
るスペーサ61が取り付けられている。これにより、車
輪32の踏面の不整摩耗を修正するべく車輪32が削正
され、その直径が減少した場合でも、スペーサ61の枚
数を調整することにより橇64と軸箱支持レール70と
の相対高さを調整し、台車1台あたり合計4個の橇64
が、同時に軸箱支持ローラ71上に着座するように設定
することができる。
【0032】軸箱支持装置60の橇64が軸箱支持ロー
ラ71上に着座して前後方向に水平に延びた状態になる
と、図6に示したようにロックレバー82は揺動軸81
の回りに揺動し、ロッキングブロック50の軸箱10に
対する係止が解除される。この状態で車輪32が軌条R
によって軸箱10側に押動されると、車軸外筒30は車
軸20上を、またロッキングブロック50は軸箱10内
をそれぞれ軸箱10側にスライドする。そして、ロッキ
ングブロック50が軸箱10のフランジ14に当接する
と、車輪32は広い第1の軌間に対応する位置に位置決
めされる。
【0033】その後、軌条Rが徐々に上昇して軸箱10
が車輪32によって支持される状態に至ると、今度は軸
箱支持レール70が徐々に降下する。これに伴って軸箱
支持装置60の橇64が軸箱支持ローラ71から離間す
ると、図5に示したようにロックレバー82はコイルば
ね84によって押動され、ロッキングブロック50を軸
箱10に係止する。これにより、車輪32は軌間変更不
能な状態に固定される。
【0034】以上、本実施形態の鉄道車両用軌間可変台
車100の軌間を、狭い第2の軌間から広い第1の軌間
に変更する場合を例に取って説明したが、広い第1の軌
間から狭い第2の軌間に軌間を変更する場合も、その流
れはほぼ同様である。なお、車輪32を第2の軌間対応
状態に固定する際には、車軸外筒30は車軸20の長手
方向中央部に設けられたストッパ23に当接して位置決
めされる。このとき、車軸20は軸箱10に対してその
軸線方向には相対変位不能に位置決めされているので、
ロックレバー82を、ロッキングブロック50の第1の
係合凹部55に確実に係合させることができる。
【0035】すなわち、以上の説明から明らかなよう
に、本実施形態の鉄道車両用軌間可変台車100は、車
軸20を軸箱10に対して上下動させることなく軌間変
更可能状態と軌間変更不能状態とを切り換えるようにし
たものであるから、車軸20を上下動させるために必要
なスペースや車軸20を上下方向に案内する機構を不要
とすることができ、軌間を変更するための構造を簡単か
つ小型で軽量なものとすることができる。これにより、
本実施形態の鉄道車両用軌間可変台車100のバネ下重
量の増加を抑制して、乗り心地や騒音振動性能を向上さ
せることができるとともに、軌条の損耗を低減すること
ができる。
【0036】また、本実施形態の鉄道車両用軌間可変台
車100においては、ロッキングブロック50が軸箱1
0と嵌合するとともに、ロッキングブロック50と一体
な車軸外筒30がすべり軸受を介して車軸20と嵌合し
ているので、軸箱10と車軸20とがガタつくことはな
い。これにより、本実施形態の鉄道車両用軌間可変台車
100の高速走行性能を、大幅に向上させることができ
る。
【0037】また、本実施形態の鉄道車両用軌間可変台
車100は、軌間変更時に軸箱支持ローラ71上に載る
橇64の揺動に連動させてロックレバー82をロッキン
グブロック50に係脱させ、軌間変更可能状態と軌間変
更不能状態とを切り換える構造とされている。これによ
り、ロックレバー82を変位させるためのアクチュエー
タ等を台車側に搭載する必要がないから、台車の構造を
簡単にして重量の軽減および製造原価の低減を図ること
ができる。また、地上側に設けた軸箱支持レール70を
用いて軌間変更可能な状態と軌間変更不能に固定する状
態とを切り換えるので、ロックレバー82によるロッキ
ングブロック50の軸箱10に対する係止および係止解
除を、軌間変更作業の開始および終了に確実に連動させ
ることができる。
【0038】以上、本発明に係る鉄道車両用軌間可変台
車の一実施形態について詳しく説明したが、本発明は上
述した実施形態によって限定されるものではなく、種々
の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、上
述した実施形態においては、橇64とロックレバー82
とを接続リンク86を介して連動させる構造とされてい
るが、橇64とロックレバー82とを一体構造とするこ
ともできる。また、車軸外筒30とロッキングブロック
50とを一体化することもできる。また、ロッキングブ
ロック50を、軸箱10に対してではなく車軸20に係
止する構造とすることもできる。さらに、ロックレバー
82を、軸箱10にではなく車軸20に取り付けること
もできる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の鉄道車両用軌間可変台車は、車軸を軸箱に対して上下
動させることなく軌間変更可能状態と軌間変更不能状態
とを切り換えることができるようにしたものであるか
ら、車軸を上下動させるために必要なスペースや車軸を
上下方向に案内する機構を不要とすることができ、軌間
を変更するための構造を簡単かつ小型で軽量なものとす
ることができる。これにより、本発明の鉄道車両用軌間
可変台車のバネ下重量の増加を抑制して、乗り心地や騒
音振動性能を向上させることができるとともに、軌条の
損耗を低減することができる。
【0040】また、本発明の鉄道車両用軌間可変台車に
おいては、車軸外筒を軸箱に嵌合させるとともに車軸外
筒が車軸と嵌合しているので、軸箱と車軸とがガタつく
ことはない。これにより、本発明の鉄道車両用軌間可変
台車の高速走行性能を、大幅に向上させることができ
る。
【0041】また、本発明の鉄道車両用軌間可変台車
は、軌間変更時に軸箱支持ローラ上に載る橇部材の揺動
に連動させて係止部材を車軸外筒に係脱させ、軌間変更
可能状態と軌間変更不能状態とを切り換える構造とされ
ている。これにより、係止部材を変位させるためのアク
チュエータ等を台車側に搭載する必要がないから、台車
の構造を簡単にして重量の軽減および製造原価の低減を
図ることができる。また、地上側に設けた軸箱支持レー
ルを用いて軌間変更可能な状態と軌間変更不能に固定す
る状態とを切り換えるので、係止部材による車軸外筒の
軸箱に対する係止および係止解除を、軌間変更作業の開
始および終了に確実に連動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両用軌間可変台車の全体側
面図。
【図2】図1に示した軌間可変台車を第2の軌間対応状
態で示す正面断面図。
【図3】軸箱を単品状態で示した側面図。
【図4】ロッキングブロックを斜め下方から見上げた状
態で示す斜視図。
【図5】図2中に示したA−A破断線に沿って破断し
た、軌間変更ロック装置を軌間変更不能な状態で示す要
部拡大側面断面図。
【図6】図5と同様な、軌間変更ロック装置を軌間変更
可能な状態で示す要部拡大側面断面図。
【図7】図1に示した軌間可変台車を広い第1の軌間に
対応する状態で示す正面断面図。
【符号の説明】
1 台車枠 7 軸ばね 10 軸箱 11 軸箱本体 12 軸梁 14 フランジ 15 車軸取付孔 16 円筒内周面 17 ガイド溝 18 ロックレバー受容溝 20 車軸 21 軸端小径部 22 軸ナット 23 ストッパ 30 車軸外筒 31 車輪軸受 32 車輪 33 フランジ 34 モータ軸受 35 ウェブ 36 スペーサ 40 駆動モータ 41 固定子 42 回転子 50 ロッキングブロック 51 締付ナット 52 本体部分 53,54 係合突起 55,56 係合凹部 60 軸箱支持装置 61 スペーサ 62 ブラケット 63 揺動軸 64 橇 70 軸箱支持レール 71 軸箱支持ローラ 72 縦壁部分 80 軌間変更ロック装置 81 揺動軸 82 ロックレバー(係止部材) 83 ばね座 84 コイルばね(付勢手段) 86 接続リンク 100 本発明による鉄道車両用軌間可変台車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箕 輪 行 雄 東京都三鷹市大沢三丁目9番6号 株式 会社スバル研究所内 (56)参考文献 特開 平6−40335(JP,A) 特開 平8−169338(JP,A) 特開 平8−332950(JP,A) 特開 平8−332951(JP,A) 特開 平8−253147(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道車両の車体を支持する台車枠に取り付
    けられた軸箱と、前記 軸箱に対してその軸線方向に相対変位不能に取り付
    けられた車軸と、前記 車軸にスライド自在に外嵌されて第1の軌間に対応
    する位置と第2の軌間に対応する位置との間で前記車軸
    の軸線方向に往復スライド可能な車軸外筒と、前記 車軸外筒に軸受を介して回転自在に支持されて軌条
    の上を転動する車輪と、前記第1の軌間 に対応する位置と前記第2の軌間に対応
    する位置とにおいて前記車軸外筒を前記軸箱に係止可能
    な係止部材と、 前記車軸外筒を前記軸箱に係止する状態と前記車軸外筒
    から離間する状態との間で前記係止部材を往復変位させ
    係止部材変位機構と、 を備え、前記軸箱は、前記車軸外筒が前記車軸の軸線方向に往復
    スライド可能に内嵌する内周面と、この内周面に連設さ
    れて前記車軸の軸線方向に延びるガイド溝とを有し、 前記車軸外筒は、前記ガイド溝に嵌合して前記軸箱に対
    し前記車軸の軸線方向にはスライド可能であるが前記車
    軸の軸線回りに回転する方向には係合する、その外周面
    に突設された係合突起を有し、 かつ前記係止部材は、前記係合突起と前記車軸の軸線方
    向に係合して前記車軸外筒を前記軸箱に係止可能であ
    る、 ことを特徴とする鉄道車両用軌間可変台車。
  2. 【請求項2】前記係止部材変位機構は、前記係止部材を
    前記車軸外筒と係合する方向に常に付勢する付勢手段を
    有するとともに、軌間変更時には前記付勢手段による付
    勢力に抗して前記係止部材を変位させる、 ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用軌間可変
    台車。
  3. 【請求項3】前記係止部材変位機構は、 前記車輪に代わって前記軸箱を支持するために前記軌条
    に並設された複数の軸箱支持ローラ上を滑走可能な、前
    記軸箱に揺動自在に支持された橇部材と、 前記橇部材の揺動に連動して前記係止部材が往復変位す
    るように前記係止部材と前記橇部材とを接続する接続リ
    ンクと、 をさらに有し、 前記係止部材は、前記車軸外筒を前記軸箱に係止する状
    態と前記車軸外筒から離間する状態との間で往復変位自
    在に前記軸箱に軸支されており、 前記接続リンクは、前記係止部材が前記車軸外筒を前記
    軸箱に係止しているときには前記橇部材が前後方向に傾
    斜して延びるとともに前記橇部材が前記複数の軸箱支持
    ローラ上に着座して前後方向に水平に延びているときに
    は前記係止部材が前記車軸外筒から離間するように前記
    係止部材と前記橇部材とを接続する、 ことを特徴とする請求項2に記載した鉄道車両用軌間可
    変台車。
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