JP3322744B2 - ソリッドインペラ - Google Patents

ソリッドインペラ

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JP3322744B2 JP00509594A JP509594A JP3322744B2 JP 3322744 B2 JP3322744 B2 JP 3322744B2 JP 00509594 A JP00509594 A JP 00509594A JP 509594 A JP509594 A JP 509594A JP 3322744 B2 JP3322744 B2 JP 3322744B2
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心ポンプのインペラ
に係り、特に小流量・高揚程のポンプ、いわゆる比速度
の低いポンプに使用するソリッドインペラに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、低比速度ポンプにおいては、イ
ンペラ流路内に発生する取扱液の相対循環に起因するポ
ンプ効率の低下を防止するために、いわゆるソリッドイ
ンペラが使用されていることは公知である。
【0003】すなわち、図8および図9において、ソリ
ッドインペラ10は、中央部に吸込部12を設けると共
に外周部に吐出部14を設けた回転円盤状インペラ本体
16の内部に、前記吸込部12の吸込口18から前記吐
出部16の吐出口20へ向けて半径方向外方へ延在する
複数(図示例では8つ)の放射状流路孔22を穿設した
構成を有している。なお、各流路孔22は、図示するよ
うに、一般に半径方向にストレート状に形成されると共
に、通常はその吸込口18および吐出口20のそれぞれ
の寸法(幅および高さ)w1 、w2 およびh1 、h
2 を、同一に設定している。
【0004】従って、このような構成からなるソリッド
インペラ10によれば、インペラ流路が通常のインペラ
とは異なり、ストレート状の穿孔流路孔22のみから構
成されていることから、低比速度ポンプにおいても取扱
液のインペラ流路孔内における相対循環が阻止され、従
ってこれに起因するポンプ効率の低下を防止することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記従来の
ソリッドインペラは、一般に以下に述べるような難点を
有していた。
【0006】すなわち、前記従来のソリッドインペラ
は、前述したように、取扱液流路はインペラ本体の内部
に穿設されたインペラ流路孔のみから構成されている。
従って、取扱液の前記インペラ流路孔内における相対循
環が阻止され、これによるポンプ効率の低下(相対循環
損失)が防止される。しかしながら、反面、当然のこと
ながら、前記インペラ本体それ自身による円盤摩擦損失
(ポンプ効率の低下)は避けられないものである。
【0007】すなわち、前記円盤摩擦損失Pdは、フラ
イデラーによれば、次式(1)により求められる。
【0008】 Pd=K1 γu3 D(D+5B2 ) ・・・・・・・(1) ここで、K1 :係数γ:液の比重量(Kg/m3 ) u:周速(m/s) D:インペラ本体外径(m) B2 =h2 +2t:インペラ本体外周部厚さ(m) ここで、係数K1 、比重量γ、周速uおよび外径Dは、
取扱液の性状および比速度等から自ら決定されるが、外
周部厚さB2 は、所定条件を満足する範囲内で任意に設
定される。
【0009】しかるに、前記従来のソリッドインペラに
おいては、図8および図9に示されるように、流路孔2
2がその各寸法w1 、w2 、h1 、h2 を同一に設定し
たストレート状に形成されているため、前記厚さB2
比較的大きく設定しなければならない。何故ならば、厚
さB2 を小さく設定すれば、高さh2 、従って吸込口1
8の高さh1 および幅w1 が小さくなり、吸込み性能
(所定条件)が阻害される。この結果、円盤摩擦損失P
dがかなりの大きさに達していた。
【0010】このように、前記従来のソリッドインペラ
においては、取扱液の相対循環損失は防止し得るもの
の、反面インペラ本体の円盤摩擦損失が新たに発生する
ため、所期のボンプ効率の向上が十分には達成されてい
なかった。
【0011】そこで、ソリッドインペラの中央部に吸込
部を設けると共に外周部に吐出部を設けた回転円盤状イ
ンペラ本体の内部に、前記吸込部から前記吐出部へ向け
て半径方向外方に延在する複数の放射状流路孔を穿設し
たソリッドインペラにおいて、前記流路孔は、その断面
積を半径方向外方へ向けて漸次減少するようにその少な
くともインペラ本体厚さ方向の寸法を半径方向外方へ向
けて漸次先細りテーパ状に形成し、前記インペラ本体厚
さを半径方向外方へ向けて漸次減少するよう構成する。
【0012】この場合、前記流路孔は、インペラ本体の
平面における幅寸法を半径方向外方に向けて漸次先細り
テーパ状に形成することができる。また、流路孔は、イ
ンペラ本体の回転方向の前方側を半径方向直線に対して
テーパ状に形成することができる。さらに、流路孔は、
その中心軸が回転軸に対して直角となるよう設定するこ
ともできる。
【0013】インペラ本体の厚さは、インペラ流路孔が
半径方向外方へ向けて漸次先細りテーパ状に形成するこ
とにより、外周部へ向けて漸次減少する。従って、この
例によれば、インペラ流路孔内の取扱液の相対循環が阻
止されると共に、インペラ本体の円盤摩擦損失が可及的
に減少する。
【0014】重複するが、再び簡単に説明すると、図1
および図2において、ソリッドインペラ10は、中央部
に吸込部12を設けると共に外周部に吐出部14を設け
た回転円盤状インペラ本体16の内部に、前記吸込部1
2の吸込口18から前記吐出部16の吐出口20へ向け
て半径方向外方へ延在する複数(図示例では8つ)の放
射状流路孔22を穿設した構成からなる。
【0015】そして、前記流路孔22は、その断面積を
半径方向外方へ向けて漸次減少するように、その少なく
ともインペラ本体16の厚さ方向(高さ)の寸法hを半
径方向外方へ向けて、吸込口高さh1 ′から吐出口高さ
2 ′へと漸次先細りテーパ状に形成する。これによ
り、前記インペラ本体16の厚さB′が、半径方向外方
へ向けて、適宜薄肉の厚さB2 ′となるように漸次減少
する。
【0016】なお、この例においては、流路孔22のイ
ンペラ本体16の平面における幅寸法wも、半径方向外
方に向けて吸込口幅w1 ′から吐出口幅w2 ′へと漸次
先細りテーパ状に形成する。そして、この場合、前記各
寸法w1 ′とh1 ′およびw2 ′とh2 ′は、それぞれ
同一寸法に設定すると共に、吸込口幅w1 ′は吸込部1
2における最大許容寸法に設定される。また、前記各寸
法w1 ′とw2 ′、h1 ′とh2 ′によって形成される
流路孔22のテーパ形状は、流路孔22内の取扱液の流
れがスムーズに増速して、循環流れを発生しない範囲内
となるように構成する。
【0017】このように、この例によれば、インペラ本
体16の外周部の厚さB2 ′=h2′+2t(図2参
照)が、従来の厚さB2 (図9参照)と比較して十分小
さく設定される。従って、次に説明する実験結果からも
明らかなように、円盤摩擦損失Pd〔前記式(1)参
照〕の発生が可及的に減少し、しかも取扱液の相対循環
損失の発生は、前述したように、従来のストレート状流
路孔の場合と同様に確実に防止される。従って、ポンプ
効率の向上を十分に達成し得ることは明らかである。ま
た、吸込口寸法(面積)を制約されることなく十分に設
定し得るので、吸込性能を向上し得る。さらに、インペ
ラ本体が軽量となり、比較的容易に精密鋳造し得る利点
を有する。
【0018】図3乃至図5は、このようにして達成され
るソリッドインペラの性能(実線)と、従来のソリッド
インペラの性能(点線)とを、所要の流量域(0〜15
0l/min)において比較試験した結果を示したもの
である。すなわち、図3においては、流量Q−揚程H曲
線は殆ど変化しないが、効率η(%)が、特に小流量域
において向上することが示されている。また、図4にお
いては、吸込み性能(NPSHreq )が向上することが
示されている。そして、図5においては、軸動力(K
W)が、特に小流量域において向上することが示されて
いる。なお、この軸動力は、主として円盤摩擦損失の減
少によるものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係るソリッドイ
ンペラは、中央部に吸込部を設けると共に外周部に吐出
部を設けた回転円盤状インペラ本体の内部に、前記吸込
部から前記吐出部へ向けて半径方向外方に延在する複数
の放射状流路孔を穿設したソリッドインペラにおいて、
前記流路孔はインペラ本体の平面における幅寸法を半径
方向外方に向けて漸次先細りテーパ状に形成し、前記イ
ンペラ本体の厚さを半径方向外方へ向けて漸次減少する
ように構成し、さらに流路孔はインペラ本体の回転方向
の前方側を半径方向直線状に傾斜させ、かつ前記孔は回
転方向後方側をインペラ平面の中心線に平行のテーパ状
に形成してなることを特徴とする。
【0020】この場合、前記流路孔は、その中心軸が回
転軸に対して直角となるよう設定することができる。
【0021】
【作用】本発明に係るソリッドインペラは、中央部に吸
込部を設けると共に外周部に吐出部を設けた回転円盤状
インペラ本体の内部に、前記吸込部から前記吐出部へ向
けて半径方向外方に延在する複数の放射状流路孔を穿設
したソリッドインペラにおいて、前記流路孔はインペラ
本体の平面における幅寸法を半径方向外方に向けて漸次
先細りテーパ状に形成し、前記インペラ本体の厚さを半
径方向外方へ向けて漸次減少するように構成し、さらに
流路孔はインペラ本体の回転方向の前方側を半径方向直
線状に傾斜させ、かつ前記孔は回転方向後方側をインペ
ラ平面の中心線に平行のテーパ状に形成したことによ
り、インペラ流路孔内における取扱液の循環流れに起因
する相対循環損失を防止することができると共に、イン
ペラ本体の外周部厚さに起因する円盤摩擦損失を抑制す
ることができる。従って、本発明に係るソリッドインペ
ラによれば、所期のポンプ効率を十分に維持することが
可能となる。
【0022】次に、本発明に係るソリッドインペラの実
施例を図6および図7を参照しながら説明する。本実施
例は、先の構成例(図1および図2)において、流路孔
22を、インペラ本体16の回転方向Rの前方側を半径
方向直線状に傾斜させ、かつ前記孔は回転方向後方側を
インペラ平面の中心線に平行のテーパ状に形成したもの
である(図6参照)。そして、この場合、前記流路孔2
2の中心軸が、回転軸Sに対して直角となるように構成
すれば好適である(図7参照)。なお、本実施例におい
ても、吸込口高さh1 ′、h2 ′および吸込口幅
1 ′、w2 ′の寸法は、先の実施例と同様に設定する
ことができると共に、これにより得られる作用および効
果も、先の構成例と同様に発揮し得ることは明らかであ
るので、詳細な説明は省略する。
【0023】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、そ
の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可
能である。
【0024】
【発明の効果】本発明に係るソリッドインペラは、中央
部に吸込部を設けると共に外周部に吐出部を設けた回転
円盤状インペラ本体の内部に、前記吸込部から前記吐出
部へ向けて半径方向外方に延在する複数の放射状流路孔
を穿設したソリッドインペラにおいて、前記流路孔はイ
ンペラ本体の平面における幅寸法を半径方向外方に向け
て漸次先細りテーパ状に形成し、前記インペラ本体の厚
さを半径方向外方へ向けて漸次減少するように構成し、
さらに流路孔はインペラ本体の回転方向の前方側を半径
方向直線状に傾斜させ、かつ前記孔は回転方向後方側を
インペラ平面の中心線に平行のテーパ状に形成したこと
により、インペラ流路孔内における取扱液の循環流れに
起因する相対循環損失を防止することができると共に、
インペラ本体の外周部厚さに起因する円盤摩擦損失を抑
制することができる。従って、本発明に係るソリッドイ
ンペラによれば、所期のポンプ効率を十分に維持するこ
とが可能となる。
【0025】さらに、本発明のソリッドインペラによれ
ば、吸込口寸法(面積)を制約されることなく十分に設
定することができるので、吸込性能を向上し得ると共
に、インペラ本体を小形化できるので、軽量となり、比
較的容易に精密鋳造し得る利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソリッドインペラの一構成例を示す平面図であ
る。
【図2】図1に示すソリッドインペラのII−II線断面図
である。
【図3】図1に示すソリッドインペラと別の従来のソリ
ッドインペラのポンプ効率および揚程特性を比較して示
す特性線図である。
【図4】図1に示すソリッドインペラと従来のソリッド
インペラの吸込特性を比較して示す特性線図である。
【図5】図1に示すソリッドインペラと従来のソリッド
インペラの軸動力特性を比較して示す特性線図である。
【図6】本発明に係るソリッドインペラの実施例を示す
平面図である。
【図7】図6に示すソリッドインペラの VII−VII 線断
面図である。
【図8】従来のソリッドインペラの構成を示す平面図で
ある。
【図9】図8に示すソリッドインペラのIX−IX線断面図
である。
【符号の説明】
10 ソリッドインペラ 12 吸込部 14 吐出部 16 インペラ本体 18 吸込口 20 吐出口 22 流路孔

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に吸込部を設けると共に外周部に
    吐出部を設けた回転円盤状インペラ本体の内部に、前記
    吸込部から前記吐出部へ向けて半径方向外方に延在する
    複数の放射状流路孔を穿設したソリッドインペラにおい
    て、前記流路孔はインペラ本体の平面における幅寸法を
    半径方向外方に向けて漸次先細りテーパ状に形成し、前
    記インペラ本体の厚さを半径方向外方へ向けて漸次減少
    するように構成し、さらに流路孔はインペラ本体の回転
    方向の前方側を半径方向直線状に傾斜させ、かつ前記孔
    は回転方向後方側をインペラ平面の中心線に平行のテー
    パ状に形成してなるソリッドインペラ。
  2. 【請求項2】 流路孔は、その中心軸が回転軸に対して
    直角となるよう設定してなる請求項1記載のソリッドイ
    ンペラ。
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CN113775563A (zh) * 2021-10-31 2021-12-10 浙江水泵总厂有限公司 叶轮出口结构及具有其的离心泵

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