JP3317269B2 - グラビア印刷ロール及びその製造方法 - Google Patents

グラビア印刷ロール及びその製造方法

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JP3317269B2
JP3317269B2 JP7025699A JP7025699A JP3317269B2 JP 3317269 B2 JP3317269 B2 JP 3317269B2 JP 7025699 A JP7025699 A JP 7025699A JP 7025699 A JP7025699 A JP 7025699A JP 3317269 B2 JP3317269 B2 JP 3317269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形状精度が良好で軽量
なアルミニウム製のグラビア印刷ロール及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷ロールは、外周面に印刷模
様に対応する凹凸を形成する印刷ドラムの両端開口部に
フランジを取り付け、フランジに開けた孔部に軸受を設
けた構造を備えている。最近では、鉄製に替え軽量性に
優れたアルミニウム又はアルミニウム合金(以下、アル
ミニウムで総称する)製のロールが使用されている。ア
ルミニウム製のグラビア印刷ロールは、通常、図1に示
すような工程で製造されている。たとえば6000系−
T5材の押出パイプで印刷面の下地となるロール10を
用意し、4000系−T6材のDC鋳造品を切り出して
フランジ20を用意する(a)。ロール10にフランジ
20をインロー接続するため、ロール10の端部内周面
を切削加工してインロー部11を形成すると共に、回転
軸装着用の孔部21をフランジ20に穿設する(b)。
切削加工で段差を付けたインロー部11にフランジ20
を嵌め込み、圧入,焼き嵌め,接着,溶接等でフランジ
20をロール10の端部に接合する(c)。次いで、ロ
ール10の外周面12及びフランジ20の外側面22を
面削し(d)、ジンケート処理等で表面を活性化した
後、外周面12及び外側面22に厚み60〜150μm
程度のCuめっき層31を形成し(e)、表面研磨する
こと(f)により、ロール製造工程を終了する。
【0003】製造されたロールを印刷に使用する際、印
刷面として使用される厚膜Cuめっき層32をCuめっ
き層31の上に設ける(g)。厚膜Cuめっき層32
は、80〜100μmの厚みで施す。繰返し印刷に使用
される場合には、バラードめっきにより形成され、厚膜
Cuめっき層32を剥がし易いようにCuめっき層31
を形成したロール10を硝酸銀溶液に浸漬した後で厚膜
Cuめっき層32を形成する。半永久的に厚膜Cuめっ
き層32を印刷面用に使用する場合には、Cuめっき層
31の上に直接厚膜Cuめっき層32を設ける。厚膜C
uめっき層32には、グラビア印刷時のインキピットと
なる凹部33が形成される(h)。凹部33は、彫刻,
エッチング等で30〜60μmの深さに形成される。凹
部33が形成された厚膜Cuめっき層32に耐久性を増
すためにクロムめっきを施し印刷面として、グラビア印
刷が実施される(i)。印刷面の変更に際しては、厚膜
Cuめっき層32を剥がし、Cuめっき層31の上に改
めて厚膜Cuめっき層32を設け、必要な模様パターン
をもつ凹部33を形成する(j)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】印刷作業に際し、グラ
ビア印刷ロールが頻繁に取り替えられる。ロール交換の
作業性は軽量なアルミニウム製ロールを使用することに
よって改善されるが、軽量化は単に材質の選択に止まら
ず、ロール10の薄肉化も必要となってきている。ロー
ル10の薄肉化に伴って、従来採用されてきた圧入,焼
き嵌め,接着,溶接等の接合方法についても改良が望ま
れている。たとえば、圧入や焼き嵌めによる場合、ロー
ル10の端部開口が開いてしまうことが避けられず、接
合強度を考慮すると肉厚を10mm以下に下げることは
困難である。ロール10にフランジ20を接着する方式
では、接着剤が印刷インキの溶剤に溶け出し、接合強度
を低下させる虞れがある。
【0005】ロール10にフランジ20を溶融接合する
ことも知られているが(特開平1−145196号公
報)、溶接時の入熱で溶接部に歪みが発生し易い。ロー
ル10を薄肉化するとフランジ20との熱容量差が大き
くなるので、ロール10に生じる歪みも大きくなる。ま
た、熱処理合金材を使用すると、熱影響部の軟化域が広
くなり、強度も低下する。ところで、グラビア印刷ロー
ルにあっては、端部近傍も含んで外周面12に歪みがあ
ると、スクレーパK(図9)等で彫刻部以外のインキを
十分に除去できず印刷不良を生じる。歪みは、グラビア
印刷ロールの円滑な回転を阻害する要因にもなる。そこ
で、通常の溶接の場合、ロール10の肉厚を大きくして
フランジ20と溶接し、溶接後にロール10の表面を深
く切削して製造している。しかし、この溶接品において
は、入熱量が高いため温度が高く、膨張により良好な寸
法精度が得られず、すぐに表面切削はできない。また、
その後の深い表面切削を必要とするため、ロール10を
薄肉化する上で生産性の低下を招く。ロール10の外周
面12には、溶接部が形成されているフランジ20の外
側面を含めてCuめっき層31が形成され、Cuめっき
層31の上に印刷面となる厚膜Cuめっき層32を設け
ている。ところが、溶接部にはブローホール,ピンホー
ル等の欠陥があり、溶接部の上に形成されたCuめっき
層31は、ブローホール,ピンホール等を反映した凹凸
のある表面になり易い。凹凸表面をもつCuめっき層3
1上に厚膜Cuめっき層32が形成されると、厚膜Cu
めっき層32がCuめっき層31に凹凸によって機械的
に噛み合い、印刷面変更時に厚膜Cuめっき層32が剥
離し難くなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、フランジの内側
でロール内周面にフランジを溶接し、ロールとフランジ
との間の熱バランスを改善することにより、印刷面更新
時に厚膜Cuめっき層を容易に剥離でき、ロールを薄肉
化しても溶接歪みの発生を抑制し、軽量でロール交換作
業が容易なグラビア印刷ロールを提供することを目的と
する。本発明のグラビア印刷ロールは、その目的を達成
するため、両側内面にインロー部が形成されたアルミニ
ウム製ロールと、インロー部に嵌め込まれたフランジと
を備え、フランジの内側面とアルミニウム製ロールの内
面との間に溶接部があるとともに、フランジの溶接部近
傍に溝又は凹部を形成したことを特徴とする。溶接部の
近傍に溝又は凹部を形成することにより、フランジの実
効熱容量を軽減してロールとフランジとの間の熱バラン
スを改善することもできる。また、実効熱容量を軽減で
きるため、すぐに表面切削できる。溝として、フランジ
の外周面と同心円状に単数又は複数の連続溝又は断続溝
がフランジの内側面に形成される。或いは、フランジの
外周面から中心に向かった単数又は複数の円周溝が溶接
部近傍のフランジの外周面に形成される。円周溝も、連
続状態又は断続状態で形成される。また、溶接部近傍か
ら段差を付けた凹部をフランジの内側面に形成しても良
い。
【0007】このグラビア印刷ロールは、アルミニウム
製ロールの両側内面に段差のあるインロー部を形成し、
溶接部の近傍に位置する内側面又は外周面に溝又は凹部
を形成したフランジをアルミニウム製ロールのインロー
部に嵌め込み、アルミニウム製ロールの両側端面とフラ
ンジの内側面との間を溶接することにより製造される。
ロールとフランジは、溶接速度2〜7m/分で高速溶接
することも可能である。高速溶接による場合、ロールと
フランジとの間の熱的アンバランスによる影響が小さく
なる。したがって、溝又は凹部の形成に加えて高速溶接
を併用するとき、熱バランスはさらに改善され、溶接歪
みが一層軽減する。
【0008】
【実施の形態】グラビア印刷ロールの印刷面を替える
際、Cuめっき層31に対する厚膜Cuめっき層32の
機械的な噛合いが強いと、前述したように厚膜Cuめっ
き層32の剥離が困難になる。特にロール10にフラン
ジ20を溶接したグラビア印刷ロールにあっては、溶接
欠陥に起因するCuめっき層31の凹凸が噛合い力を上
昇させる要因となる。Cuめっき層31の表面凹凸の原
因となるブローホール,ピンホール等の溶接欠陥は、溶
接条件の改良によってある程度軽減されるが、皆無には
ならない。また、外観観察では溶接欠陥が検出されない
ものの、ロール10の外周面12及びフランジ20の外
側面22を面削したときに露出する溶接欠陥もある。
【0009】そこで、本発明においては、溶接欠陥の発
生が避けられないとの前提で、Cuめっき層31の表面
状態に影響を与えないように、フランジ20の内側でロ
ール10の内周面13にフランジ20を溶接する。これ
により、面削後の外側面22が凹凸のない平滑面にな
り、厚膜Cuめっき層32の剥離に好適な表面粗さの小
さいCuめっき層31を形成できる。フランジ20の内
側でロール10の内周面13にフランジ20を溶接する
ためには、図2(a)に示すように先端が曲がった溶接
トーチ40を使用し、或いは図2(b)に示すようにフ
ランジ20から長尺のトーチ42を入れてフランジ2
0’とロール10の内周面を溶接する。ロール10の両
側内面に形成したインロー部11にフランジ20を嵌め
込み、フランジ20に形成されている回転軸装着用孔部
21から溶接トーチ40を挿し込む。
【0010】ロール10の内周面13とフランジ20の
内側面23との間の角部41に溶接トーチ40の先端を
指向させ、溶接しながら溶接トーチ40又はロール10
を回転させる。溶接ワイヤは、溶接トーチ40の湾曲形
状に沿って、或いは反対側から送り込まれる。これによ
り、ロール10の内周面13全長にわたって角部41に
溶接部Wが形成される。このように内側面23でフラン
ジ20をロール10に溶接するとき、外側面22は当初
の平滑表面に維持される。したがって、外側面22の上
に形成されるCuめっき層31も平滑な表面になり、剥
離容易な厚膜Cuめっき層32の形成が可能になる。
【0011】ロール10とフランジ20とを溶接すると
き、熱バランスが悪いと溶接部のロール10の外周面1
2に歪みが発生する。ロール10は、通常、厚み20〜
30mmのフランジ20に比較して薄肉であるため、溶
接時の入熱がフランジ20よりロール10の方が大きく
なる。そのため、薄肉のロール10が長時間高温に曝さ
れることになる。その結果、ロール10の熱膨張が大き
くなり、溶接後に歪みとして残る。軽量化のためにロー
ル10を薄肉化するほど、熱バランスの崩れが大きくな
り、溶接歪みの発生が顕著になる。ロール10とフラン
ジ20との間の熱バランスは、溶接時の熱変形に影響を
及ぼすフランジ20の実効的な熱容量を低下させる溝又
は凹部を形成することにより改善される。また、溶接部
に多量の熱量を与えない高速溶接を採用ことでより改善
される。これらにより、ロール10に発生しがちな溶接
歪みが抑制される。
【0012】フランジ20に付ける溝としては、溶接部
Wに近い内側面23にリング状の連続溝24(図3)が
ある。連続溝24の形成により、溶接部Wに入力された
熱量がフランジ20の本体側に逃げる熱流路が狭めら
れ、フランジ20の実効的な熱容量が小さくなる。その
結果、ロール10とフランジ20との熱バランスが良く
なり、ロール10の加熱による熱変形、ひいては溶接歪
みが抑制される。連続溝24のサイズは、溶接されるロ
ール10及びフランジ20の材質や大きさ及び加工条件
との関係で変わり、一義的に定まるものではないが、た
とえば溝幅3〜30mm,溝深さ2〜10mmでフラン
ジ20の外周面29より内側5〜15mmの位置に形成
するとき、実効熱容量が効果的に低減する。
【0013】連続溝24に替え、溶接部W近傍のみを肉
厚にして中央部分に凹部25(図4)を形成しても良
い。溝,凹部として、断続溝26(図5a)又は断続凹
部27(図5b)をフランジ20の内側面23に形成
し、また複数の連続溝又は断続溝26(図5c)を同心
円状に形成しても良い。フランジ20の外周面29に円
周溝28(図6a)を形成しても、ロール10とフラン
ジ20との熱バランスが改善される。円周溝28も、同
様に連続溝又は断続溝とし、中心軸方向に沿ってフラン
ジ20の外周面29に複数刻設(図6b)できる。ま
た、円周溝28を外周面29に形成すると共に、連続溝
24,凹部25,断続溝26又は断続凹部27を内側面
23に形成したフランジ20(図6c)も使用可能であ
る。
【0014】内側面23に付ける溝形状としては、図7
に示すように三角溝(a),U溝(b),角溝(c),
角溝の角部に斜面を付けた溝(d),底面中央部を深く
した溝(e),幅を広くした溝(f),多段に形成した
溝(g)等、多様な形状が採用できる。外側面22及び
外周面29に付ける溝も、同様に多様の形状で形成され
る。また、それらを組み合わせた溝も形成できる。更
に、フランジ20の外周面29に段差29a(図8)を
つけ、段差29aをロール10の内周面13に形成した
インロー部11と噛み合わせることもできる。この場
合、インロー部11とそれに嵌め込まれるフランジ20
の外周面29の加工長さを小さくできるため、加工時間
の低減が可能になる。また、嵌込み長さが短くなるた
め、組付けも短時間でできる。更に、段差29a(図8
c)を長くすることも可能であり、軽量で強度の高いグ
ラビア印刷ロールが製造できる。溝や凹部は、熱バラン
スの改善に有効であることに加え、フランジ20の質量
も小さくするため、グラビア印刷ロールの軽量化にも有
効である。なかでも、外周面29近傍を除き、フランジ
20を実質的に薄くする凹部25や広幅の溝は軽量化の
効果が大きい。
【0015】ロール10とフランジ20との熱バランス
は、高速溶接によっても改善される。アルミニウム材の
高速溶接自体は、本発明者等が特開平8−197225
号公報で紹介した溶接法であるが、溶接速度を2〜7m
/分と高く設定してTIG又はMIG溶接するとき、溶
接による変形や歪みが抑制され、外観が良好で幅の狭い
溶接ビードが形成される。エネルギ密度を高めた高速溶
接のため、ロール10及びフランジ20が局部的に短時
間加熱され、トータルの入熱量も少なくなるので、ロー
ル10とフランジ20との間の熱バランスが改善され
る。その結果、溶接後に生じがちなロール10の歪みが
抑制される。
【0016】今回の高速溶接では、エネルギ密度の高い
MIG溶接等を用い、溶接電流200〜400A,溶接
電圧19〜30Vでロール10とフランジ20とを溶接
する。溶接に際し、必要に応じて不活性ガスで溶接部を
シールドする。このような溶接条件の採用によって溶接
速度を2〜7m/分と高くすることが可能になり、溶接
歪みのない溶接部Wが形成される。溶接速度を2m/分
以上にすることにより、入熱が伝熱でフランジ20内部
に拡散される前に溶接部Wが形成されるため、ロール1
0に生じる歪みも小さくなる。しかし、7m/分を超え
る溶接速度では、溶接条件が不安定化し、健全な溶接部
Wが得られない。
【0017】高速溶接を、溝又は凹部形成によりフラン
ジ20の実効的熱容量を低下させることと組み合わせる
と、溶接歪みの発生が一層抑制され、健全な溶接部Wが
形成される。本発明に従ってロール10にフランジ20
を溶接するとき、溶接部Wがロール10の内側に位置
し、側面に臨まないため、溶接部Wに生じがちなブロー
ホールやピンホール等の影響を受けてCuめっき層31
の表面に凹凸が生じることがない。したがって、Cuめ
っき層31上に形成される厚膜Cuめっき層32は、C
uめっき層31と機械的に噛み合うことなく、印刷面更
新時に容易にCuめっき層31から剥離される。また、
溶接歪みが抑制された溶接部Wが形成されるため、溶接
後にロール10の表面研削が軽減又は省略され、ロール
10を薄肉化しても十分に要求特性を満足するグラビア
印刷ロールが得られる。
【0018】
【実施例1】ロール10として、直径194mm,周長
609mm,肉厚7mmのアルミニウム合金押出パイプ
(6063−T5材)を使用した。フランジ20として
は、アルミニウムDC鋳造品から直径180mm,厚み
20mmのディスクを切り出し、中央部にテーパを付け
た回転軸装着用孔部21を開けた。ロール10の端部内
面を切削加工し、軸方向長さ20mm,段差1.5mm
のインロー部11を形成した。フランジ20の内側面2
3に、外周面29から8mm離れた位置で、溝幅5m
m,溝深さ5mmの連続溝24を刻設した。フランジ2
0をロール10のインロー部11に嵌め込み、溶接電流
200A,溶接電圧23V,溶接速度0.6m/分で溶
接した。溶接後にロール10の形状を測定したところ、
真円度0.05mm,真直度0.1mm/mで、溶接歪
みに起因する変形はごく僅かであった。そのため、0.
25mmの表面切削量でロール10の外周面12を調整
した後、次のCuめっき層31形成工程(図1e)に送
ることができた。
【0019】ロール10の外周面12及びフランジ20
の外側面22に形成されたCuめっき層31は、凹凸の
ない平滑な表面をもっていた。Cuめっき層31の上に
膜厚80〜100μmの厚膜Cuめっき層32を形成
し、厚膜Cuめっき層32にグラビア印刷用の凹部33
を形成した後、Crめっきを施した。得られたグラビア
印刷ロールRを、図9に示すようにインキパンPに収容
したインキIに浸漬し、押圧ローラBを対向させた。グ
ラビア印刷ロールRと押圧ロールBとの間に印刷用シー
トSを連続送給しながら、グラビア印刷ロールRを時計
方向に回転させてインキIを持ち上げ、余分なインキI
をスクレーパKで削ぎ落としながら印刷用シートSに付
着させた。印刷用シートSに付けられた印刷模様を観察
したところ、グラビア印刷ロールRに付けた凹部33の
模様が正確に転写されており、幅方向に関してもムラの
ない印刷仕上がりであった。また、印刷面の更新に際
し、厚膜Cuめっき層32は、Cuめっき層31との機
械的な噛合いがないため容易に剥離できた。
【0020】比較のため、連続溝24を設けていない以
外は同じフランジ20を用い、ロール10に同様な条件
下で溶接した。溶接後のロール10とフランジ20にお
いては、フランジ20が入熱不足のため溶融しておらず
接合できなかった。
【0021】
【実施例2】実施例1と同じロール10及びフランジ2
0を使用し、ロール10のインロー部11にフランジ2
0を挿し込み、溶接電流310A,溶接電圧26V,溶
接速度3m/分で高速溶接した。溶接後にロール10の
形状を測定したところ、真円度0.02mm,真直度
0.04mm/mで、溶接歪みに起因する変形はごく僅
かであった。そのため、0.1mmの表面切削量でロー
ル10の外周面12を調整した後、次のCuめっき層3
1形成工程(図1e)に送ることができた。比較のた
め、溶接速度を通常速度0.6m/分に設定し、フラン
ジ20をロール10に溶接した。溶接後のロール10
は、真円度が0.4mm,真直度が1mm/mと劣化し
ており、ロール10の外周面12を真円状に且つ直線状
に修正するため、2.5mmの表面切削量が必要とされ
た。
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のグラビ
ア印刷ロールは、ロール内側に内周面とフランジを接合
させる溶接部をロール内側にとっているので、ロール両
端側に溶接部を設けた場合と異なり、ロールの外周面及
びフランジの外側面に形成されるCuめっき層が溶接部
の影響を受けて粗面化することがない。そのため、Cu
めっき層の上に、印刷面更新時に容易に剥離できる印刷
用厚膜Cuめっき層が形成される。また、ロールとフラ
ンジとの間の熱バランスを改善した状態でロールにフラ
ンジを溶接するとき、溶接時の入熱によって生じがちな
溶接歪みが抑えられ、溶接後にロールの表面切削が軽減
又は省略される。そのため、薄肉のロールを使用でき、
軽量なアルミニウム製であることと相俟って、ロール交
換が頻繁に行われるグラビア印刷ロールの取扱い性が改
善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 グラビア印刷ロールの製造工程図
【図2】 本発明に従ったロール内側に溶接部をとって
ロール内周面にフランジを溶接している状態を示す一部
断面図
【図3】 溶接部近傍の内側面に連続溝を形成したフラ
ンジをロールに溶接したグラビア印刷ロールの一部断面
図(a)及びフランジの斜視図(b)
【図4】 本発明に従った凹部のあるフランジをロール
に溶接したグラビア印刷ロール一部断面図(a)及びフ
ランジの斜視図(b)
【図5】 断続溝(a),断続凹部(b)及び複数の連
続溝又は断続溝を同心円状に形成したフランジ(c)
【図6】 外周面に単数の円周溝(a),複数の円周溝
(b)を付けたフランジ及び外周面の円周溝と内側面の
凹部とを組み合わせたフランジ(c)
【図7】 各種溝形状を示す断面図
【図8】 外周面に段差を付けたフランジ(b)をロー
ルのインロー部に嵌め込んで溶接したグラビア印刷ロー
ルの一部断面図(a,c)
【図9】 グラビア印刷装置の要部概略図
【符号の説明】
10:ロール 11:インロー部 12:外周面 20:フランジ 21:回転軸装着用孔部 22:
外側面 23:内側面 24:連続溝 25:凹部 26:断続溝 2
7:断続凹部 28:円周溝 29:外周面 2
9a:外周面に付けた段差 31:Cuめっき層 32:厚膜Cuめっき層 3
3:インキピット用凹部
フロントページの続き (72)発明者 秋谷 清 東京都品川区東品川二丁目2番20号 日 本軽金属株式会社内 (72)発明者 佐藤 恵一 東京都品川区東品川二丁目2番20号 日 本軽金属株式会社内 (56)参考文献 実開 昭62−13627(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 13/11 B23K 9/173 B23K 9/23 B41N 1/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両側内面にインロー部が形成されたアル
    ミニウム製ロールと、インロー部に嵌め込まれたフラン
    ジとを備え、フランジの内側面とアルミニウム製ロール
    の内面との間に溶接部があるとともに、前記フランジの
    内側面に当該フランジの外周面と同心円状に単数又は複
    数の連続溝又は断続溝が形成されているグラビア印刷ロ
    ール。
  2. 【請求項2】 両側内面にインロー部が形成されたアル
    ミニウム製ロールと、インロー部に嵌め込まれたフラン
    ジとを備え、フランジの内側面とアルミニウム製ロール
    の内面との間に溶接部があるとともに、前記フランジの
    溶接部近傍の外周面に当該フランジのフランジの外周面
    から中心に向かった単数又は複数の連続溝又は断続溝が
    形成されているグラビア印刷ロール。
  3. 【請求項3】 フランジの外周面に段差を付け、段差を
    ロールのインロー部に噛み合わせている請求項1又は2
    記載のグラビア印刷ロール。
  4. 【請求項4】 溶接部近傍から段差を付けた凹部がフラ
    ンジの内側面に形成されている請求項1記載のグラビア
    印刷ロール。
  5. 【請求項5】 アルミニウム製ロールの両側内面に段差
    のあるインロー部を形成し、溶接部近傍の位置で内側面
    及び/又は外周面に溝又は凹部を形成したフランジをア
    ルミニウム製ロールのインロー部に嵌め込み、アルミニ
    ウム製ロールの両側端面とフランジの内側面との間を溶
    接するグラビア印刷ロールの製造方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム製ロールの両側内面に段差
    のあるインロー部を形成し、該インロー部にアルミニウ
    ム製フランジを嵌め込み、アルミニウム製ロールの両側
    端面とフランジの内側面との間の溶接部を溶接速度2〜
    7m/分で溶接することを特徴とするグラビア印刷ロー
    ルの製造方法。
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