JP3300515B2 - テトラシクロドデセン系重合体水素添加物の製造方法 - Google Patents

テトラシクロドデセン系重合体水素添加物の製造方法

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JP3300515B2
JP3300515B2 JP00485394A JP485394A JP3300515B2 JP 3300515 B2 JP3300515 B2 JP 3300515B2 JP 00485394 A JP00485394 A JP 00485394A JP 485394 A JP485394 A JP 485394A JP 3300515 B2 JP3300515 B2 JP 3300515B2
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忠広 須永
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なテトラシクロド
デセン系重合体水素添加物およびその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、高いガラス転移温度と狭い分子量
分布を有するテトラシクロドデセン系重合体水素添加
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラシクロドデセン系単量体の開環メ
タセシス重合は、一般に重合触媒としてタングステンや
モリブデン系の触媒に有機アルミニウム化合物等の助触
媒を使用して行われる。しかし、これらの重合触媒を使
用すると、特定の単量体しか重合できなかったり、逆に
分子量が増大し、分子量分布を制御することが困難であ
るという問題点を有している。この問題点を解決するた
めに1−ペンテンや1−ヘキセン等のα−オレフィン類
を分子量調節剤として使用することが知られており、特
開平5−105743号公報、特開平5−132545
号公報には、それらを使用した重合体の製造方法が開示
されている。しかしながら、これら手法では平均分子量
の制御は可能であるが、分子量分布を狭くすることは困
難である。
【0003】一方、米国特許4,681,956号及
4,727,215号には、モリブデンやタングス
テンのイミドアルキリデン錯体を用いた触媒が開示され
ている。これら触媒を使用すると、リビング重合で反応
が進行し、分子量分布を単分散に制御することが可能で
ある。また、Macromolecules, 24,4495(1991).には、こ
れらアルキリデン錯体を持つ触媒でノルボルネン系単量
体を開環重合した例が開示され、ポリマーの立体化学的
な研究等が詳細に行われているが、これらポリマーでは
ガラス転移温度が低く、工業的に耐熱性ポリマーとして
は不充分である。
【0004】さらに、これら開環メタセシス重合体は、
その分子中に二重結合が存在するために、耐候性、耐熱
性等の面で劣り、多くの場合これらは水素添加によって
改質がなされている。近年、これらの開環メタセシス重
合体の水素添加物は、耐熱性を持つ透明性樹脂として注
目をあびているが、高いガラス転移温度と狭い分子量分
布を有すテトラシクロドデセン系重合体水素添加物は知
られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の諸欠点の少なくとも一部を解決できるテトラシクロ
ドデセン系重合体水素添加物、例えば、高いガラス転移
温度と狭い分子量分布を有するテトラシクロドデセン系
重合体水素添加物の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決して高いガラス転移温度と狭い分子量分布を有す
るテトラシクロドデセン系重合体水素添加物を製造する
方法について鋭意検討し、本発明を完成した。即ち、
般式(2)(化2)で表されるテトラシクロドデセン系
重合体水素添加物の製造方法であって、 重合および水素
添加反応については、 一般式(1)(化1)で表される
少なくとも1種類のテトラシクロドデセン 系単量体をリ
ビング開環メタセシス触媒で重合した後に、 その重合溶
液に水素添加触媒を加え水素添加することを特徴とし、
かつ、 得られる一般式(2)(化2)で表されるテトラ
シクロドデセン系重合体水 素添加物については、 ガラス
転移温度が100℃以上、 GPCで測定した重量平均分
子量Mwと数平均分子量Mnの比 (Mw/Mn)が1.
0〜1.8 であることを特徴とする、テトラシクロドデ
セン系重合体水素添加物の製造方法である。
【0007】
【化3】 一般式(1)中、1 〜R4 はそれぞれ同一であって
も異なってもよく水素、炭素数1〜12の炭化水素基、
ハロゲン基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜12
の炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メチルカ
ルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を表
す。)
【0008】
【化4】 一般式(2)中、1 〜R4 はそれぞれ同一であって
も異なってもよく水素、炭素数1〜12の炭化水素基、
ハロゲン基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜12
の炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メチルカ
ルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を表し、
nは1より大きい整数を表す。)本発明における一般式
(1)式で表されるテトラシクロドデセン系単量体の具
体例としては、xが1であるテトラシクロドデセン及び
その誘導体、xが2であるヘキサシクロヘプタデセン及
びその誘導体、xが3であるオクタシクロドコセン及び
その誘導体が挙げられる。これらの誘導体としては、R
1 〜R4 が炭素数1〜12のアルキル置換、アリール置
換、アラルキル置換等の誘導体、R1 〜R4 が塩素、臭
素、沃素等であるハロゲン置換、クロロメチル、ブロモ
メチル等のハロゲンを含むアルキル置換、ニトリル置
換、カルボキシル置換、メチルカルボキシル置換等の誘
導体が挙げられ、上記の一般式(1)のR1がメチル基
またはシアノ基であり、R2〜R4がH基であるものが好
ましい。
【0009】より具体的には、テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−シアノテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−カルボ
キシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−クロロ
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メトキシテトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8−エトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−フェニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン等のテトラシクロドデセン類やヘキサシクロ
[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4−ヘプタ
デセン、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.1
3,6.02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−シ
アノヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .02,7 .0
9,14]−4−ヘプタデセン等のポリシクロアルカン類を
あげることができる。特に、8−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセンから得られる重合体はガラス転移温度が高
く好ましい。これらテトラシクロドデセン系単量体は必
ずしも単独で用いられる必要はなく、二種以上を用いて
共重合することもできる。
【0010】さらに、これらテトラシクロドデセン系重
合体は、上記の特定単量体を単独で開環重合させたもの
であっても良いが、当該特定単量体と共重合性を有する
単量体を開環重合させたものであってもよい。この共重
合性を有する単量体の具体例としては、シクロブテン、
シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の
シクロオレフィンを挙げることができる。さらにビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、2−メチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−シアノビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5−エン等のノルボルネン誘
導体、ジシクロペンタジエン類を共重合させ開環重合さ
せても良い。
【0011】また、本発明に使用されるリビング開環メ
タセシス触媒としては、リビング開環メタセシス重合す
る触媒であればどのようなものでもよいが、具体例とし
ては W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHBut)(OBut)、 W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHBut)(OCMe2CF3)2、 W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHBut)(OCMe(CF3)2)2、 W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut)2、 W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2、 W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2、 (式中のPri はi−プロピル基、But はt−ブチル基、
Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングス
テン系アルキリデン触媒、 Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHBut)(OBut)2、 Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHBut)(OCMe2CF3)2、 Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHBut)(OCMe(CF3)2)2、 Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut)2、 Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2、 Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2、 (式中のPri はi−プロピル基、Butはt−ブチル基、M
eはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のモリブデ
ン系アルキリデン触媒、 Re(CBut)(CHBut)(2,6-ジイソプロピルフェノキシド)、 Re(CBut)(CHBut)(オルト−t−ブチルフェノキシド)、 Re(CBut)(CHBut)(トリフルオロ−t−ブトキシド)、 Re(CBut)(CHBut)(ヘキサフルオロ−t−ブトキシド)、 Re(CBut)(CHBut)(2,6-ジメチルフェノキシド)、 (式中のBut はt−ブチル基を表す。)等のレニウム系
アルキリデン触媒、 Ta[C(Me)C(Me)CHCMe3](2,6- ジイソプロピルフェノキシ
ド)3( ピリジン) 、 Ta[C(Ph)C(Ph)CHCMe3](2,6- ジイソプロピルフェノキシ
ド)3( ピリジン) 、 Ta[C(Me)C(Me)C(CMeCH2CCMe3)CH2](2,6-ジイソプロピル
フェノキシド)3 、 (式中のMeはメチル基、Phはフェニル基を表す。) 等のタンタル系アルキリデン触媒、 Ru(CHCHCPh2)(PPh3)Cl2、 (式中のPhはフェニル基を表す。) 等のルテニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタ
ン類が挙げられる。上記リビング開環メタセシス触媒
は、単独にまたは2種以上混合してもよい。
【0012】テトラシクロドデセン系単量体とリビング
開環メタセシス触媒のモル比は、開環メタセシス重合が
リビング重合であるため、単量体と触媒のモル比を制御
することにより、所望の分子量の重合体を得ることがで
きる。すなわち、単量体のモル数100に対し、触媒1
モルを反応させ得られた重合体は、ほぼ100量体の分
子量を持つことになり、これら分子量は単量体の性質に
より多少の差異はあるものの重量平均分子量Mwと数平
均分子量Mnの比Mw/Mnは1.0〜1.8の狭い範
囲に制御される。よって、単量体と触媒のモル比は、通
常10:1〜10000:1となる範囲、好ましくは1
00:1〜1000:1となる範囲である。
【0013】リビング開環メタセシス重合において用い
られる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジブ
チルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳
香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン
などの脂環式炭化水素、メチレンジクロリド、ジクロロ
エタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロ
ルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用して
も良い。
【0014】本発明における水素添加触媒としては、不
均一系触媒、及び均一系触媒いずれでもよく、不均一系
触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、レテニウ
ムなどの貴金属をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニ
アなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができ
る。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/
トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナー
ト/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n
−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルア
ルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、トリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム(I)クロライドなどを
挙げることができ、特にトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウム(I)クロライドは活性が高く、完全に水
素添加反応が進行し好ましい。
【0015】本発明のテトラシクロドデセン系重合体水
素添加物の製造は、リビング開環メタセシス重合溶液か
ら重合体を単離することなく、上記水素添加触媒を加え
ることにより行われる。リビング開環メタセシス重合で
は、単量体の反応性および重合溶媒への溶解性によって
も異なるが、単量体/メタセシス触媒と溶媒の濃度は
0.1〜100mol/Lの範囲が好ましく、通常0〜15
0℃の反応温度で、1分〜10時間反応させ、リビング
重合体をアルデヒド類、ケトン類、アルコール類等の消
失剤で生成末端を置換することにより反応を停止し、重
合溶液を得ることができる。
【0016】この重合溶液に水素添加触媒を加え、水素
添加反応が行われる。水素添加反応は、通常常圧〜30
0気圧、好ましくは20〜200気圧の水素ガスを用い
て行われ、その反応温度は、通常0〜200℃の温度で
あり、10〜100℃の温度範囲が好ましい。一般に、
重合体と水素添加触媒の重量比は100:0.1〜10
0:100、好ましくは100:1〜100:50であ
る。
【0017】本発明で得られたテトラシクロドデセン系
重合体水素添加物のガラス転移温度は、100℃以上で
あり、130℃以上が好ましい。ガラス転移温度が10
0℃未満では、耐熱性ポリマーとしては不充分である。
更に、本発明で得られるテトラシクロドデセン系重合体
水素添加物のGPCで測定したポリスチレン換算の重量
平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)
は、1.0〜1.8であり、1.0〜1.5の範囲がさ
らに好ましい。Mw/Mnが1.8を超えるようなもの
は、ポリマーとして不均一となり好ましくない。水素添
加反応における水素添加率の測定は、1H−NMRやI
Rによっておこなわれるが、この場合水素添加率は80
%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。
【0018】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
また、実施例及び比較例において得られた重合体の物性
値は、以下の方法により測定した。
【0019】平均分子量: GPCを使用し、得られた
重合体をジクロロメタンに溶解し、カラムとしてShodex
k-805,804,803,802.5を使用し、室温においてポリスチ
レンスタンダードによって分子量を較正した。ガラス転
移温度: 島津製作所製DSC−50により、窒素中1
6℃/分の昇温速度で、重合体粉末を用いて測定した。
【0020】実施例1 磁気撹拌装置を備えた50mlフラスコに8−メチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン0.5g(2.88mmol)とテトラヒドロフラン30
mlを入れ、さらにテトラヒドロフラン10mlに溶解した
Mo(N-2,6-C6 H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBu t )2 16mg
(0.0288mmol)を加え室温で2時間反応させた。
その後、ベンズアルデヒド15mg(0.142mmol)を
加え30分間撹拌し、リビング反応を消失させた。その
後、100mlオートクレーブにこの重合溶液を移しか
え、5%パラジウムカーボン0.05g を加え、水素圧
70Kg/cm2、140℃で4時間水素添加反応を行った。
【0021】この反応液を多量のメタノール中に加えて
重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後さらに、メタ
ノールで洗浄、乾燥して白色粉末状の重合体水素添加物
を得た。得られた水素添加品の 1H−NMRから算出し
た水素添加率は100%であり、GPCで測定した重量
平均分子量Mwは、21500、数平均分子量Mnは2
0800でありMw/Mnは1.03であった。またD
SCで測定したガラス転移温度は141℃であった。
【0022】実施例2 触媒としてMo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut )2
かえてMo( N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)を
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリビング開環
重合を行い、重合溶液を得た。その後、100mlオート
クレーブにこの重合溶液を移しかえ、5%パラジウムカ
ーボン0.05g を加え、水素圧70Kg/cm2、140℃
で4時間水素添加反応を行った。
【0023】この反応液を多量のメタノール中に加えて
重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後さらに、メタ
ノールで洗浄、乾燥して白色粉末状の重合体水素添加物
を得た。得られた水素添加品の 1H−NMRから算出し
た水素添加率は99.5%であり、GPCで測定した重
量平均分子量Mwは、22100、数平均分子量Mnは
19100でありMw/Mnは1.16であった。また
DSCで測定したガラス転移温度は160℃であった。
℃あった。
【0024】実施例3 8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンにかえて8−シアノテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンを用
いたこと以外は実施例1と同様にしてリビング開環重合
を行い、重合溶液を得た。その後、100mlオートクレ
ーブにこの重合溶液を移しかえ、トリス(トリフェニル
ホスフィン)ロジウム(I)クロライド0.07g を加
え、水素圧70Kg/cm2、100℃で8時間水素添加反応
を行った。
【0025】この反応液を多量のメタノール中に加えて
重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後さらに、メタ
ノールで洗浄、乾燥して白色粉末状の重合体水素添加物
を得た。得られた水素添加品の 1H−NMRから算出し
た水素添加率は99%であり、GPCで測定した重量平
均分子量Mwは、63700、数平均分子量Mnは51
100でありMw/Mnは1.25であった。またDS
Cで測定したガラス転移温度は216℃であった。
【0026】実施例4 触媒としてMo(N-2,6- C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut )2
かえてMo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)を
用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリビング開環
重合を行い、重合溶液を得た。
【0027】その後、100mlオートクレーブにこの重
合溶液を移しかえ、トリス(トリフェニルホスフィン)
ロジウム(I)クロライド0.07g を加え、水素圧7
0Kg/cm2、100℃で8時間水素添加反応を行った。こ
の反応液を多量のメタノール中に加えて重合体水素添加
物を析出させ、濾別分離後さらに、メタノールで洗浄、
乾燥して白色粉末状の重合体水素添加物を得た。
【0028】得られた水素添加品の 1H−NMRから算
出した水素添加率は99%であり、GPCで測定した重
量平均分子量Mwは、57300、数平均分子量Mnは
42100でありMw/Mnは1.36であった。また
DSCで測定したガラス転移温度は221℃であった。
【0029】比較例1 磁気撹拌装置、コンデンサーを備えた100mlのフラス
コに8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン6.12g (0.0351mol )
と1,2−ジクロロエタン50ml、六塩化タングステン
とアセタールから調整した0.25MのW系触媒のトル
エン溶液0.1mlと助触媒としてジエチルアルミニウム
クロライドの2.4Mトルエン溶液を0.1ml、分子量
調節剤として1−ヘキセン0.059g (0.702 m
mol )を加え、60℃で2時間反応させた。
【0030】この重合液を多量のメタノール中に加えて
開環重合体を析出させ、濾別分離後さらに、メタノール
で重合体を洗浄、乾燥して白色粉末状の開環重合体を得
た。以上のようにして得られた開環重合体の収率は、3
2%と低く、GPCで測定した重量平均分子量Mwは2
4500、数平均分子量Mnは6980でありMw/M
nは3.51と分子量分布が広かった。さらに、100
mlオートクレーブにこの開環重合体0.5g 、5%パラ
ジウムカーボン0.05g 、シクロヘキサン40mlを加
え、水素圧70Kg/cm2、140℃で4時間水素添加反応
を行った。得られた水素添加品の 1H−NMRから算出
した水素添加率は82%であり、GPCで測定した重量
平均分子量Mwは、30200、数平均分子量Mnは7
200でありMw/Mnは4.2と広かった。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る製造法により得られるテト
ラシクロドデセン系重合体水素添加物は、高いガラス転
移温度と狭い分子量分布を有し、分子量が均一であり、
耐熱性のポリマーてして期待できる。また、本発明に係
テトラシクロドデセン系重合体水素添加物の製造方法
は、効率的に耐熱性のポリマーを与えることができ工業
的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−170425(JP,A) 特許3234700(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/06 - 61/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(2)(化2)で表されるテトラ
    シクロドデセン系重合体水素添加物の製造方法であっ
    て、 重合および水素添加反応については、 一般式(1)(化1)で表される少なくとも1種類のテ
    トラシクロドデセン 系単量体をリビング開環メタセシス
    触媒で重合した後に、 その重合溶液に水素添加触媒を加え水素添加することを
    特徴とし、 かつ、 得られる一般式(2)(化2)で表されるテトラシクロ
    ドデセン系重合体水 素添加物については、 ガラス転移温度が100℃以上、 GPCで測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量M
    nの比 (Mw/Mn)が1.0〜1.8 であることを特徴とする、 テトラシクロドデセン系重合体水素添加物の製造方法。 【化1】 一般式(1)中、1 〜R4 はそれぞれ同一であって
    も異なってもよく水素、炭素数1〜12の炭化水素基、
    ハロゲン基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜12
    の炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メチルカ
    ルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を表
    す。) 【化2】 (一般式(2)中、1 〜R4 はそれぞれ同一であって
    も異なってもよく水素、炭素数1〜12の炭化水素基、
    ハロゲン基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜12
    の炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メチルカ
    ルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を表し、
    nは1より大きい整数を表す。
  2. 【請求項2】 一般式(2)におけるR 1 が、 メチル基、またはシアノ基であり、一般式(2)における2 〜R4 H基であることを特徴とする 請求項1記載のテトラシクロドデセン系重合体水素添加
    の製造方法。
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