JP3239206U - マグネティックピックアップおよびマグネティックピックアップの上方部に装着可能なアタッチメント部品。 - Google Patents

マグネティックピックアップおよびマグネティックピックアップの上方部に装着可能なアタッチメント部品。 Download PDF

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Abstract

【課題】弦楽器本体ならびにマグネティックピックアップに対して改造などを必要とせず、容易に出力を変更できるマグネティックピックアップおよびマグネティックピックアップの上方部に装着可能なアタッチメント部品の提供。【解決手段】本開示のマグネティックピックアップは、マグネティックピックアップのポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有する焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方が、前記ポールピース上に配置されており、ポールピース毎に設けられる複数の前記焼結磁石および鋳造磁石は、異方性磁石であり、厚みが1mm以上2.5mm以下で、かつ、弦と接触しない大きさである。【選択図】図1

Description

本開示は、マグネティックピックアップおよびマグネティックピックアップの上方部に装着可能なアタッチメント部品に関する。
楽器としての弦楽器(ギター等)は、幅広く普及しており、個人の遊興や大人数での娯楽として楽しまれている。弦楽器本体の材質は、主に木材が使用されているが、そのほかにもカーボン、樹脂など様々な材質でも製作されている。弦楽器本体は、複数の弦が配置されており、この弦楽器弦(以下、単純に弦と称す)を振動させることで、弦ならびに弦楽器本体が共鳴し、音として外部に出力される。この発生音を増幅させるために、本体を箱状にして本体の振動に加え箱内部の空気の振動を活用する弦楽器がある。また、本体に、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性体もしくは磁石を配置したポールピースと導線を用いたマグネティックピックアップとよばれる増幅装置を配置し、弦の振動とマグネティックピックアップの間の電磁誘導の原理により、出力した電気信号をアンプリファイアとよばれる出力装置を介して大音量を出力する弦楽器もあり、一般的にエレクトリックギターとよばれる。
マグネティックピックアップは、電磁誘導により電気信号を発生させることから、使用する磁石およびポールピースの種類や寸法と配線されている導線の種類や寸法および巻き数により、電気信号が変化するため、様々な改良がなされており、使用者の趣味趣向を満足させる出力を発生させるために、複数の企業から複数の種類のものが製品化されている。
マグネティックピックアップは、電磁誘導の原理にて電気信号を発生させることから、ポールピースと弦楽器の弦との距離が近ければ近いほど発生する電気信号は大きくなる。しかしながら、近づけすぎると磁気的な吸引力が弦の振動を抑制してしまうため適切な距離とすることが望ましい。
マグネティックピックアップは、弦楽器本体にネジやコネクタなどを用いて固定されており、ハンダやコネクタなどを用いて電気配線されている。一般的な弦楽器の場合は、本体にネジで固定されハンダ付けで配線されており、容易には取り外し、取り付けができない構造のものが多い。
さらに一般的にマグネティックピックアップは、抵抗器やキャパシタなどをハンダ付けしたボリュームコントロールとよばれる音量調整機構やトーンコントロールとよばれる音色調整機構を配置しているものがほとんどである。よって弦楽器の使用者が出力を変更したい場合において、マグネティックピックアップを交換するときにはハンダの取り外し、取り付けや抵抗器やキャパシタの取り外し、取り付け作業が生じるため容易に交換することは難しかった。さらにはマグネティックピックアップの取り外し、取り付け作業において、マグネティックピックアップ本体を破損することもあり、また交換後に思い通りの出力にならない場合もあることから、マグネティックピックアップの交換による出力の改善には障壁も多い。
特許文献1には、着脱可能なピックガードにマグネティックピックアップを配置し、全体を自在に交換することが可能なエレキギターが提案されている。
特許文献2には、薄い可撓性のある永久磁石シートによる信号変換装置が提案されている。
特開2009-222843号公報 特開平7-72870号公報
特許文献1に記載の方法によれば、着脱可能なマグネティックピックアップ付きのピックガードを複数用意しておけば、このピックガードを交換することで出力を変化させることが可能である。しかし、マグネティックピックアップ付きピックガードの取り付けできる専用の弦楽器本体が必要である。弦楽器が発する音は、マグネティックピックアップのみに依存するのではなく、弦楽器本体の材質や音響性能にも大きく影響されるため、弦楽器本体とマグネティックピックアップの組み合わせが音色や音量などの出力に作用する。よってこの専用の弦楽器では、マグネティックピックアップの種類を変えることはできるが、音響性能に大きく影響する弦楽器本体が専用化されるため本体に依存する要素が固定されてしまう。さらには、マグネティックピックアップ付きのピックガードは、相応の価格が想定されるため全体の費用が大きくなり実際的ではない。
また、特許文献2に記載の方法では、薄くて可撓性のある永久磁石シートは含有する磁石材料成分が少なく、発生する磁力が小さいために十分な磁気的な補正が困難であり、所望の出力に改善できない場合がある。
本開示は、弦楽器本体ならびにマグネティックピックアップに対して改造などを必要とせず、容易に出力を変更できるマグネティックピックアップおよびマグネティックピックアップの上方部に装着可能なアタッチメント部品を提供する。
本開示のマグネティックピックアップは、マグネティックピックアップのポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有する焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方が、前記ポールピース上に配置されており、ポールピース毎に設けられる複数の前記焼結磁石および鋳造磁石は、異方性磁石であり、厚みが1mm以上2.5mm以下で、かつ、弦と接触しない大きさである。ある実施形態において、前記厚みは1mm以上2.0mm以下である。
本開示のアタッチメント部品は、ポールピース毎に設けられる複数の焼結磁石および鋳造磁石は、異方性磁石であり、厚みが1mm以上2.5mm以下で、かつ、弦と接触しない大きさであり、前記焼結磁石および鋳造磁石のうちの少なくとも一方と、前記焼結磁石および鋳造磁石のうちの少なくとも一方を固定するためのアタッチメント部材とを有し、張設された弦の振動を電気信号に変換するためのマグネティックピックアップの上方部に装着可能である。ある実施形態において、前記厚みは1mm以上2.0mm以下である。
本開示によれば、弦楽器本体ならびにマグネティックピックアップに対して改造などを必要とせず、容易に出力を変更できるマグネティックピックアップおよびマグネティックピックアップの上方部に装着可能なアタッチメント部品を提供することができる。
図1は、一般的なマグネティックピックアップの上方部に着脱可能な磁石を装着した本開示の実施形態を示す断面図である。 図2は、磁石と磁石を固定するためのアタッチメント部材とを有する本開示のアタッチメント部品を示す断面図である。 図3は、実施例による出力音量の変化を示した説明図である。 図4は、磁化されていない鉄製部材をポールピースに数回接触させた状態を示す説明図である。 図5は、磁化されていない鉄製部材を磁石の上部に数回接触させた状態を示す説明図である。 図6は、磁石をポールピースと逆の磁極方位で接触させた状態を示す説明図である。 図7は、磁石をポールピースと同じ磁極方位で接触させた状態を示す説明図である。
マグネティックピックアップは、電磁誘導の原理により電気信号を発生している。そのためポールピースと弦楽器の弦との距離が近ければ近いほど発生する電気信号は大きくなり、大きな出力を得ることができるが、近づけすぎるとポールピースとの磁気的な吸引により弦の振動が抑制される。よって適切な距離とすることが望ましいが、弦楽器の弦は様々な材質と太さがあり、使用する弦の種類によっては各弦から発生する信号の強度にばらつきが生じ、その結果、出力のバランスが悪くなることがある。張設された弦の振動を電気信号に変換するためのマグネティックピックアップは、全体的に高さを上下する機構が付随しているのが一般的であるが、全体高さの調整のみであるため、たとえば中央部のみ、あるいは端部のみの発生信号を上げたい、などという場合において、一部分のみのポールピース高さを上下することはできない。
本開示の弦楽器は、弦楽器本体ならびにマグネティックピックアップ本体に対して改造を必要としない。出力の改良を希望する弦楽器に対し、そのマグネティックピックアップの上方部に着脱可能な焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方を1つ以上備えている。そして、マグネティックピックアップのポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有する焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方を前記ポールピース上に配置する。ポールピース毎に設けられる複数の前記焼結磁石および鋳造磁石は、異方性磁石であり、厚みが1mm以上2.5mm以下で、かつ、弦と接触しない大きさとする。このような構成にすることにより、マグネティックピックアップの上方を振動する磁性体の弦との電磁誘導による出力電気信号を容易に変更することが可能となり、アンプリファイアなどから発せられる出力を変更することができる。これにより、弦楽器本体ならびにマグネティックピックアップに対して改造せずに、容易に出力を変更できる。さらに、ラバーマグネットもしくはプラスティックマグネットとよばれる樹脂やゴムに磁性体を混合させた磁石においては、磁性体の含有率が低いためわずかな改善にとどまることがわかった。そのため、焼結磁石もしくは鋳造磁石が適している。
さらに、磁石の形態を異方性磁石とすることによってポールピース内の磁力線分布の改善がより効果的になることがわかった。なお、異方性磁石における異方性方向(配向方向)は、弦とピックアップの対向方向である。
以下具体的に説明する。図1は、一般的なマグネティックピックアップの上方部(弦に対向する面)に着脱可能な磁石を装着した本開示の実施形態を示す断面図である。本開示の弦楽器は図1に示すように、ポールピースaと導線bを含む一般的なマグネティックピックアップAの上方部に着脱可能な焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方である磁石cを1つ以上備えている。図1では、ポールピースaを6本としているが1本の板状のポールピースをもつマグネティックピックアップやその他形態のものもあり、適用するマグネティックピックアップの構造は図1に限定されない。また着脱可能な磁石cは、図1ではポールピースと同等寸法のものをポールピースと同等数配置している。しかし、磁石cはポールピースの寸法よりも大きくても小さくても良く、配置する磁石の数量ならびに大きさは図1に限定されない。図1の磁石cは円柱状の磁石であり、外径は例えばΦ1~Φ10である。磁石cの形状は円柱状に限定されず、例えば矩形状でも良い。また、本開示は磁石cの厚みを1.0mm以上2.5mm以下の範囲に設定する。なお、本開示における磁石の厚みとは、磁石における異方性方向(配向方向)の寸法であり、弦とピックアップの対向方向における磁石の寸法である。磁石の厚みは弦と磁石との距離にも関係するため出力の変更に特に影響を及ぼす。磁石の厚みが薄すぎると出力の変更効果が得られない可能性があり、磁石の厚みが厚すぎると磁性体である弦が磁石の吸引力で引き寄せられ、弦が上下方向に振動したり、弦が磁石に吸着されたりして、弦楽器の演奏が困難となる可能性ある。磁石cの厚みを1.0mm以上2.5mm以下の範囲に設定することにより、確実に出力の変更を容易におこないつつ、弦の振動を抑制することができる。磁石cの厚みは好ましくは1.0mm以上2.0mm以下である。
図2は磁石と磁石を固定するためのアタッチメント部材とを有する本開示のアタッチメント部品を示す断面図である。図2に示すように、本開示の弦楽器は、マグネティックピックアップAの上方部に着脱可能な磁石cの取り扱いを容易にするために、磁石cは、アタッチメント部材を介してマグネティックピックアップに装着されている(アタッチメント部品d)。すなわち、アタッチメント部品dは、焼結磁石および鋳造磁石のうちの少なくとも一方と、焼結磁石および鋳造磁石のうちの少なくとも一方を固定するためのアタッチメント部材とを有し、マグネティックピックアップAの上方部に装着可能である。図1と同様にマグネティックピックアップの構造や着脱可能な磁石の数量ならびに大きさについては図2に限定されない。図2のように磁石を同時に取り扱うためにアタッチメント部材をもつアタッチメント部品とした場合は複数個の磁石を配置することが容易であり、かつ素早く取り扱うことができる。ここでアタッチメント部材とは、焼結磁石および鋳造磁石のうちの少なくとも一方を固定することが可能な部材である。アタッチメント部材は樹脂、パルプ、プラスティック、ゴムなど非磁性体であればどのような材質でも良い。アタッチメント部材は、複数の磁石を配置するための空間を備えうる。この本体に本開示の磁石を取り付けて一体の構造としたものをアタッチメント部品とよぶ。磁石の取り付け方法は埋め込みや接着などのいかなる方式を用いても良い。また、たとえば配置する磁石が1つであったとしてもアタッチメント部品を採用しても良い。外観上の見栄えも重要な要素であるからである。この場合、磁石を配置するための位置に、同形状の非磁性体からなるダミーを配置してもよい。
本開示の磁石cは、焼結磁石であるネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石ならびに鋳造磁石であるアルニコ磁石、鉄クロムコバルト磁石のいずれでも良い。焼結磁石は取り扱いによっては稀に欠けや割れなどが発生する場合もあるため、強度の観点では鋳造磁石が好ましい。さらに鋳造磁石の中で比較すると鉄クロムコバルト磁石のほうがより欠けにくいためより好ましい。また、前記焼結磁石および前記鋳造磁石の少なくとも一方は異方性磁石である。異方性磁石とすることによってポールピース内の磁力線分布の改善をより効果的に行うことができる。これは、異方性磁石とすることにより、ポールピース内の磁力線と本開示の磁石cの磁力線の向きが同一方向となることにより全体の磁力線が一体化するような状態となり、外部に漏れにくくなるからだと考えられる。また、磁石cは、耐食性や意匠性を考慮して、めっきや樹脂コートなどの被覆を設けても良い。また、本開示の磁石は、形状、大きさは特に問わないが、マグネティックピックアップ上に磁石を配置した時に弦と接触しない形状、大きさに設定した方が好ましい。
ある実施形態において、マグネティックピックアップのポールピースとよばれる磁石もしくは磁性体部分の直上に、そのポールピースよりも小さいもしくは大きい磁石(焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方)もしくは該磁石を含むアタッチメント部品を取り付ける。アタッチメント部品とする場合は、ピックアップ本体と物理的に固定する機構を設けても良いし、マグネティックピックアップのポールピースとアタッチメントに含まれる磁石との磁気的な吸引力だけで固定しても良い。
ある実施形態において、マグネティックピックアップのポールピースの一部分のみに磁石(焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方)もしくは該磁石を含むアタッチメント部品を取り付ける。従来は一部分のみのポールピースの出力を調整するには、一部のポールピースの高さを上下する必要があるため、マグネティックピックアップの取り付け、取り外し等が必要になり手間がかかるため、容易に変更することはできなかったが、本開示では、任意の位置のポールピースの上方部に本開示の磁石を備えることで、任意の部分の発生信号を強弱させることが可能となり出力の調整が容易にできる。
ある実施形態においては、マグネティックピックアップのポールピースの一部分もしくは全体を円柱状ではなく矩形状の磁石(焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方)もしくは該磁石を含むアタッチメント部品を取り付ける。また矩形状の磁石もしくは磁石を含むアタッチメント部品をマグネティックピックアップのポールピースの上部を覆うことで、発生信号を変化させ、出力を変えることが可能である。
ある実施形態において、前記焼結磁石および前記鋳造磁石の少なくとも一方は、前記マグネティックピックアップのポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有する。弦は、腐食、老朽化やその他の状況に応じ、定期的もしくは不定規的に交換される。弦の取り外しや取り付けの際、ポールピースに弦が接触する場合がある。また弦楽器には、木ネジなどを用いて固定されている部品も多数存在する。ネジの緩みを締め付ける場合や、部品の交換にはドライバー工具などが用いられる。またポールピースの極性などを調べるために電流・電圧・抵抗測定器(通称 テスターと呼ばれる)の端子(テスター端子)をポールピース上に接触させる場合もある。よって、ポールピースに磁性体(弦、ドライバー工具、テスター端子等)が接触する場合が考えられる。そして、これらの磁性体が接触することにより、ポールピースに減磁が生じる場合がある。
また、例えばアルニコ磁石を用いたポールピースは保磁力が低いため、徐々にではあるが自然に減磁が進行してしまう。そのため交換用として販売されているマグネティックピックアップは、流通などの段階で長期保管されると、製作当初に比べポールピースの減磁が生じる場合がある。
このように、磁性体の接触や自然減磁などのさまざま理由で、不可避的および事故的にポールピースの減磁が発生する場合がある。ポールピースの減磁が起こると、ポールピース毎の磁束量がばらついてしまい、極端に減磁した場合は音量が小さくなるなど弦楽器演奏における影響は大きい。
このような問題を解決するために、マグネティックピックアップの上方部(マグネティックピックアップの前記ポールピース上)に配置される着脱可能な焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方は、マグネティックピックアップのポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有することが好ましい。ここで、同じ磁極方位とは、着磁された焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方のマグネティックピックアップへの装着方向において同じ磁極方位である(一方のN極と他方のS極とを突き合わせるようになっている)ことを言う。これにより、弦やドライバー工具などの磁性体が保磁力の低いポールピースに直接接触することを防止することができる。また、弦楽器やマグネットピックアップ単体の出荷時にポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有する前記焼結磁石および前記鋳造磁石の少なくとも一方をポールピース上に取り付けておくことで、数ヶ月、数年単位で保管されていても製作当時の磁力を保つことができる。また、後述する実施例に示す通り、いったん減磁したポールピースに対して前記ポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有する焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方を前記ポールピース上に配置することで再着磁が可能であり、配置した前記焼結磁石および前記鋳造磁石の少なくとも一方をポールピース上から退避させることで磁力を復活させることができること(マグネティックピックアップのポールピースの減磁回復方法)を見出した。なお、磁石ではなく上述したアタッチメント部材と磁石とを含むアタッチメント部品をポールピース上に取り付けてもよい。なお、一般的に、ポールピースに使用されるアルニコ磁石の保磁力は50~150kA/m程度であり、フェライト磁石の保磁力は200~500KA/m以上であり、ネオジム磁石の保磁力は800KA/m以上である。
本開示を実施例によりさらに詳細に説明するが、本開示はそれらに限定されるものではない。
実施例1
弦楽器としてBACCHUS BTE-1Mモデル(エレクトリックギター)を使用し、アンプリファイアとしてRoland Micro Cube GXを用い、出力音量をアンプリファイアのスピーカから30mmの位置でSound Level Analyzer LITE 5.1ソフトを用いて出力音量を測定した。また、磁石の表面磁束をF.W.Bell製テスラメータ Model 5070およびF.W.Bell製プローブSTH57-0404を用いて測定した。使用する磁石としては焼結磁石として円柱状(円板状)のネオジム磁石(寸法(単位:mm) φ8×1、φ8×2、φ6×1、φ6×2、φ3×1、φ3×2)、サマリウムコバルト磁石(φ6×1、φ6×2)、フェライト磁石(φ5×1、φ5×2)を用い、鋳造磁石としては鉄クロムコバルト磁石(φ5.4×2)を用いた。比較例としてはラバー磁石(5×5×1、5×5×2)を用いた。ラバー磁石(等方性)以外は異方性磁石を用いた。比較例ならびに実施例の出力音量および表面磁束の結果を表1および図3に示す。
Figure 0003239206000002
表1および図3に示すように、比較例として磁石を取り付けない状態の出力音量を測定したところ77.24dBであった。同様に比較例として測定したラバー磁石の場合は77.76~77.84dBであり、出力音量はわずかに5~6%程度向上した。それに対し実施例としてネオジム磁石を配置した場合は78.86~79.66dBとなり20~32%も出力音量は増大した。つぎにサマリウムコバルト磁石を配置した場合は78.70~79.68dBとなり18~33%も出力音量は増大した。つぎにフェライト磁石を配置した場合は78.72~79.40dBとなり18~28%も出力音量は増大した。つぎに鉄クロムコバルト磁石を配置した場合は79.88dBとなり36%も出力音量は増大した。いずれの実施例においても大きな出力音量の増加が確認され、ラバー磁石の5~6%というわずかな向上量に比べ、実施例は18~36%と明らかに出力音量の向上量に差異があり十分な効果がみられた。
実施例2
エレクトリックギター用ピックアップとしてFender Original Vintage Telecaster Pickup 52年モデルを用いた。ポールピースの表面磁束の測定にはF.W.Bell製テスラメータ Model 5070およびF.W.Bell製プローブSTH57―0404を用いた。なお、ホールピースはアルニコ磁石である。ポールピース上に取り付けておく磁石としてアルニコ磁石より高い保磁力を有するフェライト磁石(異方性磁石)を用いた。フェライト磁石で減磁を抑制する効果を得ることができれば、さらに保磁力の高いサマリウムコバルト磁石やネオジム磁石でも効果を発揮することは明らかである。また、フェライト磁石はサマリウムコバルト磁石やネオジム磁石と比べて価格的に安価であるので産業上望ましい。試験に用いたフェライト磁石の寸法は外径Φ5mmで厚みを1mmとした。
まず初期状態のポールピース磁石の表面磁束を測定すると56.6mTであった。この状態で試験1として図4のように磁化されていない鉄製部材eをポールピースに数回接触させた後、表面磁束を測定すると51.2mTにまで低下した。低下率は、約9.4%であり明らかに減磁したことがわかる。つぎに、外径Φ5mm,厚み1mmのフェライト磁石をポールピース上にポールピースと同じ磁極方位で取り付けて表面磁束を測定すると127.9mTであった。フェライト磁石を取り付けたことにより表面磁束は向上した。つぎに試験2として図5のように磁化されていない鉄製部材eをフェライト磁石の上部に数回接触させた後、表面磁束を測定すると126.9mTであった。よって、低下率は1%以下であり、減磁が抑制されたことがわかる。
つぎに試験3として図6のようにポールピース上に、ネオジム磁石をポールピースと逆の磁極方位で(図6では、磁石cは上方向がS極であり、ポールピースaは上方向がN極である)ポールピースに接触させた後に表面磁束を測定すると表示がマイナスになり-43.5mTとなった。つまり完全に磁極が反転した。この試験3の磁極が完全に反転したポールピースに対して、図7のようにネオジム磁石を、ポールピース上に、ポールピースと同じ磁極方位で(図7では、磁石cは上方向がN極であり、ポールピースaも上方向がN極である)配置した後、ネオジム磁石をポールピース上から退避させた。ポールピースの表面磁束を測定した所、プラス表示に変わり、再度磁極が反転し56.2mTとなった(試験4)。つまり完全に磁極反転してしまったポールピースでも磁極を復活させることができた。
A・・・マグネティックピックアップ、a・・・ポールピース、b・・・導線(コイル)、c・・・磁石(焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方)、d・・・アタッチメント部品、e・・・鉄製部材

Claims (4)

  1. マグネティックピックアップのポールピースと同じ磁極方位を有し、かつ、前記ポールピースより高い保磁力を有する焼結磁石および鋳造磁石の少なくとも一方が、前記ポールピース上に配置されており、
    ポールピース毎に設けられる複数の前記焼結磁石および鋳造磁石は、異方性磁石であり、厚みが1mm以上2.5mm以下で、かつ、弦と接触しない大きさである、
    マグネティックピックアップ。
  2. 前記厚みが1mm以上2mm以下である、請求項1に記載のマグネティックピックアップ。
  3. ポールピース毎に設けられる複数の焼結磁石および鋳造磁石は、異方性磁石であり、厚みが1mm以上2.5mm以下で、かつ、弦と接触しない大きさであり、
    前記焼結磁石および鋳造磁石のうちの少なくとも一方と、前記焼結磁石および鋳造磁石のうちの少なくとも一方を固定するためのアタッチメント部材とを有し、張設された弦の振動を電気信号に変換するためのマグネティックピックアップの上方部に装着可能なアタッチメント部品。
  4. 前記厚みが1mm以上2mm以下である、請求項3に記載のアタッチメント部品。
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