JP3233043B2 - 溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、酸洗等の脱スケ
ール処理を施さない熱延鋼板を素材とする溶融亜鉛系め
っき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続溶融めっき設備で製造される
溶融亜鉛系めっき鋼板は、熱延鋼板の表面に生成してい
る酸化膜(スケール)を予め酸洗工程で除去し、めっき
設備において還元処理を経た後、溶融めっきすることに
より製造されてきた。このように溶融めっき前に酸洗に
よるスケール除去を行うのは、鋼板のめっき浴浸漬時に
スケールがめっき金属をはじくことよって不メッキを生
じさせたり、スケールによって鋼板とめっき金属との反
応が妨げられることによりめっき密着性が劣化するため
であり、このため従来の溶融亜鉛系めっき鋼板の製造で
はめっき前に鋼板を酸洗処理し、スケールを完全に除去
することが不可欠であるとされてきた。しかし、酸洗工
程を設置するには莫大な設備コストがかかり、また酸洗
を行うことは操業コストの増大につながるため、酸洗工
程の簡略化若しくは工程そのものを省略できる技術の開
発が望まれていた。
【0003】このような背景の下で、無酸洗の熱延鋼板
を素材とする溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法として、
特開平6−279967号や特開平6−145937号
等が開示されている。これらの技術は、連続溶融亜鉛め
っき設備の還元炉においてスケールを還元性ガス(H2
−N2ガス)により還元する条件を規定しており、これ
により無酸洗の熱延鋼板の溶融亜鉛めっきが可能になる
としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように無
酸洗の熱延鋼板のスケールを還元して溶融亜鉛めっき鋼
板を製造する方法では、熱延鋼板を連続溶融亜鉛めっき
設備に通板させた直後は適切なめっきが施されるもの
の、操業時間の経過とともに鋼板表面に不めっきが発生
するという問題があることが判明した。したがって本発
明の目的は、無酸洗の熱延鋼板を素材とする溶融亜鉛系
めっき鋼板の製造において、熱延鋼板を連続溶融めっき
設備に連続的に通板した際に、鋼板表面の不めっきを適
切に防止することができる溶融亜鉛系めっき鋼板の製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
不めっきの原因の究明とその対策について検討を行い、
その結果、次のような知見を得た。まず、上述した不め
っきの原因については、無酸洗の熱延鋼板を連続溶融め
っき設備の還元炉内に装入した場合、スケールの還元に
よって炉内に水蒸気が放出され、この水蒸気により不め
っきが引き起こされていることが明らかとなった。すな
わち、還元炉内において放出された水蒸気と水素(還元
ガス)の量が一定の比率になると、還元反応が平衡に達
して見掛け上スケールの還元が停止し、この結果、スケ
ールの還元量が低下して不めっきを生じていることが判
った。そして、このような放出水蒸気による不めっきを
防止するためには、水蒸気の発生に見合った炉内ガスの
循環を確保してスケールの還元が速やかに進行させるこ
とが必要であること、またその際に、還元条件を制御し
て炉内の露点を高めることにより、少ない炉内ガス流量
で不めっきのない操業が実現できることが判った。
【0006】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴とする構成は以下の通りである。 [1] 表面にスケール層を有する熱延鋼板を脱スケール処
理することなく連続溶融めっきラインに装入し、還元炉
の還元性ガス雰囲気中において下記(1)式を満足する
条件で還元処理した後、溶融めっきを施すことを特徴と
する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【数3】
【0007】[2] 表面にスケール層を有する熱延鋼板を
脱スケール処理することなく連続溶融めっきラインに装
入し、還元炉の還元性ガス雰囲気中において下記(1)
式および(2)式を満足する条件で還元処理した後、溶
融めっきを施すことを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板
の製造方法。
【数4】 (0.0317×T−11.96)×C×t≧2000 … (2) 但し T:還元温度(℃) C:還元帯のH2濃度(%) t:還元時間(sec)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細と限定理由を
説明する。本発明の溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法
は、酸洗等の脱スケール処理工程を経ない熱延鋼板を、
連続溶融めっき設備の還元炉において還元性ガス雰囲気
中で還元処理した後、溶融めっきを施すことを基本とす
る。還元ガス雰囲気中におけるスケールの還元反応は平
衡反応であるため、閉鎖した系においては一定の量以上
の還元反応は進行しない。すなわち、スケール還元に伴
い発生する水蒸気が一定量に達すると還元反応は見掛け
上停止する。実際の連続溶融亜鉛めっき設備内の還元帯
は閉鎖系ではないが、ガスの流量が少ない状況ではスケ
ールの還元量の低下により不めっきが発生する。この不
めっきを防止するためには、炉内ガスの流量を増しスケ
ール還元に伴い発生する水蒸気を炉外に積極的に排出す
ることが重要となる。一方で、炉内ガス流量の増加は製
造コストの上昇を招くため好ましくない。
【0009】このような相反する要求を満足させ得る操
業条件について実験と検討を重ねた結果、下記(1)式
を満足する条件で還元処理を実施すれば、無酸洗の熱延
鋼板を連続溶融めっき設備に連続通板させて還元処理−
溶融めっきを実施した場合でも、不めっきが全く発生し
ないことが判明した。
【数5】 したがって、本発明では上記(1)式を満足する条件で
還元処理を行う。なお、上記(1)式を満足する範囲内
でWを小さく設定すれば炉内ガス流量は最小に抑えるこ
とができ、低コストでの操業が可能となる。
【0010】また、上記(1)式は炉内の露点が高いほ
ど不めっきの発生が少ないことを示唆している。還元炉
内での露点の上昇はスケールの還元に依存するため、還
元が進行しやすい環境下で連続めっきを行った方が露点
が上昇し、より少ない炉内ガス流量で不めっきを生じな
い操業を実現できる。このような条件について検討した
結果、還元温度、還元時間およびH2濃度が下記(2)
式を満足する条件で還元処理を行うことにより、還元炉
内の露点を高め、より少ないガス流量で操業を行い得る
ことが判った。 (0.0317×T−11.96)×C×t≧2000 … (2) 但し T:還元温度(℃) C:還元帯のH2濃度(%) t:還元時間(sec) したがって、本発明では上記(1)式に加えて、上記
(2)式をも満足する条件で還元処理を行うことが好ま
しい。なお、本発明が製造の対象とする溶融亜鉛系めっ
き鋼板には、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板等を
はじめとする、亜鉛めっき層または亜鉛系合金めっき層
を有する各種の溶融めっき鋼板が含まれる。
【0011】
【実施例】表1に示す組成の鋼を転炉にて精錬した後、
連続鋳造してスラブとし、これを直ちにまたは再加熱
後、熱間圧延して板幅930mmと800mmの熱延鋼
板を製造した。熱延巻取り後の鋼板を常温まで冷却した
後、酸洗処理することなく連続溶融めっきラインに装入
し、ライン内の還元炉で鋼板表層スケールの還元を行っ
た後、溶融亜鉛めっきを施した。溶融めっき条件は、浴
組成:亜鉛−0.2%Al、浴温:470℃とした。ま
た、還元炉への供給ガスは露点−50℃以下のものを用
いた。
【0012】得られた溶融亜鉛めっき鋼板の外観を目視
により観察し、不めっきの有無を調べた。その結果を、
連続溶融亜鉛めっきラインの操業条件、還元炉の排出ガ
スの露点および排出量、(1)式および(2)式の各左
辺の値等とともに表2に示す。表2によれば、本発明例
である実施例1〜3、実施例5、実施例7は不めっきは
全く発生していない。これに対して、比較例である実施
例4、実施例6は(1)式を満足していないため不めっ
きが発生している。また本発明例の中でも、実施例1は
他の本発明例に比べて(2)式左辺の値が大きいため露
点が高くなり、少ないガス流量であっても不めっきの発
生がない。これに対して(2)式の条件を満足しない実
施例7では、不めっきを発生させないため大きなガス流
量を必要としている。また、実施例2は還元温度及び水
素濃度が高いため短時間還元であっても不めっきは発生
していない。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、無酸
洗の熱延鋼板を素材として不めっきのない優れた表面外
観を有する溶融亜鉛系めっき鋼板を低コストに製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奈良 正 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−46308(JP,A) 特開 平10−46307(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にスケール層を有する熱延鋼板を脱
    スケール処理することなく連続溶融めっきラインに装入
    し、還元炉の還元性ガス雰囲気中において下記(1)式
    を満足する条件で還元処理した後、溶融めっきを施すこ
    とを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 表面にスケール層を有する熱延鋼板を脱
    スケール処理することなく連続溶融めっきラインに装入
    し、還元炉の還元性ガス雰囲気中において下記(1)式
    および(2)式を満足する条件で還元処理した後、溶融
    めっきを施すことを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板の
    製造方法。 【数2】 (0.0317×T−11.96)×C×t≧2000 … (2) 但し T:還元温度(℃) C:還元帯のH2濃度(%) t:還元時間(sec)
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