JP3222884B2 - 鉄道車両用台車 - Google Patents

鉄道車両用台車

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JP3222884B2 JP22173390A JP22173390A JP3222884B2 JP 3222884 B2 JP3222884 B2 JP 3222884B2 JP 22173390 A JP22173390 A JP 22173390A JP 22173390 A JP22173390 A JP 22173390A JP 3222884 B2 JP3222884 B2 JP 3222884B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、軌道の曲線部において、ボルスタレス型
台車に保持された各輪軸が自動的に軌道の曲率中心に向
くようにした鉄道車両用台車に関する。
〔従来の技術〕
従来の鉄道車両用台車においては、台車わくは前後方
向両端部の下側の軸箱の両側に装着されたコイルばねや
空気ばねなどの弾性伸縮部材によって、上下、左右、お
よび前後方向に若干移動し得るようにかたく弾性支持さ
れている。車輪Dを保持する一対の輪軸C,Cは、第11図
に示すように、互に独立でいつも平行をなすように、前
記軸箱内に収納されている軸受により両端部を回転可能
に保持され、それぞれ別個のモータにより回転されてい
た。
しかしながら、この構成の鉄道車両用台車では、鉄道
車両が軌道Bの曲線部にさしかかっても、互いに独立な
一対の輪軸C,Cは、第11図に示すように、平行に保たれ
たままで軌道Bの曲率中心Oを通る方向に回転しないた
め、輪軸Cに固定された各車輪Dの回転方向は軌道Bの
接線方向と一致しないで滑りを起こすから、軌道Bと車
輪Dとをそれぞれ多く摩耗させ、騒音を発し、車体Aに
余分な振動を与えて乗り心地を悪くするほか、走行速度
の向上に伴い軌道Bに及ぼす力を増大して軌道間距離を
拡大し、鉄道車両に脱線事故を発生させるおそれがあっ
た。
これらの不都合を解消するため、出願人は、軌道の曲
線部において、台車に保持された一対の輪軸がそれぞれ
軌道の曲率中心に向くようにした鉄道車両用台車を、先
に出願した(実開昭64−10458号公報参照)。
この台車は、第12図および第13図に示す如き構成を有
するもので、上端が枕はりaに枢着された縦レバーbの
下端部に、一端が台車わく側はりcのリンク受けdに枢
着された水平方向の基準リンクeの他端が回転可能に結
合され、この結合中心から縦レバーbの上下等距離の位
置に、一端がそれぞれ前後方向の軸箱f,fに枢着された
2つの操作リンクg,hがそれぞれ回転可能に結合されて
いる。そして、縦レバーbに結合される基準リンクeと
枕はりaとの距離と、基準リンクeと操作リンクg,hと
の距離の比が、車体前後の台車中心間の距離と、台車の
輪軸間の距離の比に等しくなるように決められている。
この構成の鉄道車両用台車では、一対の輪軸j,jは互
に平行をなすように保持されていないため、車両が軌道
の曲線部にさしかかると、進行側の輪軸jに取り付けら
れた車体kは、軌道から受ける力により軌道の接線方向
に向き、輪軸jを軌道曲線部の曲率中心の方向に回転す
る。このため、曲率中心側の縦レバーbは、進行側の軸
箱fに枢着された操作リンクgにより、基準リンクeと
の結合部のまわりに反時計方向に回転され、縦レバーb
に取り付けられた他の操作リンクhを介して後側の輪軸
jを、前側の輪軸j側に近寄る方向に回転させる。
これに対し、曲率中心から遠い側の縦レバーbは、進
行側の操作リンクgによって基準リンクeとの結合部の
まわりに時計方向に回転され、後側の輪軸jは他の操作
リンクhにより前側の輪軸jから遠ざかる方向に回転さ
れる。
しかそ、後側の輪軸jの回転角度は、縦レバーbと基
準レバーeとの結合中心から操作リンクg,またはhまで
の取り付け中心までの距離と、枕はりaへの取り付け中
心までの距離との比が曲率中心の方向に向くように決め
られているため、軌道曲線部における前記従来の不都合
は解消されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
出願人が先に出願した鉄道車両用台車は、ボルスタ付
台車に関するもので、台車に対する鉄道車両の上下方向
と左右幅方向への移動が少ない場合には、リンク機構の
作動は円滑に行なわれるが、普通のボルスタレス型台車
や、振子機構を備えたボルスタレス型台車のように、鉄
道車両の上下方向と左右幅方向とに大きな移動を許容す
る台車には、そのまま適用することはできなかった。
しかしながら、軌道曲線部において輪軸が曲率中心に
向くようにした台車は、ボルスタ付台車についてきわめ
て公表であったため、普通のボルスタレス型台車や振子
機構を備えたボルスタレス型台車についても、臨軸が軌
道の曲線部において曲率中心の方向に向くようにした構
成のものが強く要望されていた。
この発明はこれらの事情に鑑みてなされたもので、軌
道曲線部において、台車の各輪軸が曲率中心の方向に向
くようにしたボルスタレス型の鉄道車両用台車の提供を
目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この発明では、枕はりが
省略されたボルスタレス型の鉄道車両用台車において、
車体下面の幅方向両側の下方に、下端部を台車わく側は
り側の保持アームに枢着された縦レバーは、上端部に車
体の幅方向に配設される水リンクの一端と回転自在に結
合され、水平リンクの他端は車体の下面に枢支される垂
直リンクの下端部と枢着され、縦レバーは台車わく側は
り側の保持アームとの結合中心から上下反対方向に等し
い距離だけ隔てた各位置に、一端がそれぞれ前後方向の
軸箱に枢着された2つの操作リンクの他端がそれぞれ回
転自在に結合され、縦レバーと台車わく側はり側の保持
アームとの結合中心から操作リンク取り付け中心までの
距離と、水平リンク取り付け中心までの距離との比が、
台車の輪軸間の距離と、車体前後方向の台車中心間の距
離との比に等しくなるように決めて、鉄道車両用台車を
構成したものである。
〔作用〕
上記構成の台車を備えた鉄道車両が軌道の曲線部にさ
しかかると、各台車は車体に対して回転し、前後方向に
大きく移動させる他に、遠心力によって曲線外方へ動か
される。また、振子機構を備えた台車の場合は、遠心力
によって車体を曲線内側に傾けられるので、車体は台車
に対し、上下方向と車体幅方向に大きく移動される。
このうち、後者の上下方向と幅方向への大きな移動
は、縦レバーの上端部と車体の下面との間に設けられた
車体幅方向の水平リンクと垂直リンクとの結合体からな
るリンク機構が、それら両端部のまわりに回動すること
により吸収される(第4図参照)。このため、縦レバー
は車体幅方向への力を受けることはなく、車体と台車と
の間の相対的な移動に対して、その他のリンク機構を次
のように円滑に作動する。
即ち、軌道の曲線部において、台車の進行方向側の輪
軸が軌道の接線方向に転動する車輪によって曲率中心の
方向を向くように回転されると、曲率中心側の縦レバー
は、進行方向側の操作リンクにより、台車わくとの結合
部のまわりに反時計方向に回転され、曲率中心から遠い
方の縦レバーは、進行方向側の操作リンクによって曲率
中心に近い方の縦レバーと反対方向に回転される。これ
らの回転のため、後側の輪軸は、台車わくとの結合中心
から反対方向に同じ距離の位置に取り付けられた他の操
作リンクにより、前側の輪軸と同じ角度だけ反対方向に
回転されて軌道の曲率中心を通る。
〔実施例〕
第1図ないし第10図はこの発明の一実施例を示したも
のである。
図において、台車わくFは、一対の台車わく側はり1,
1とその中央部を直角方向に連結する横はり2,2とにより
横H形に形成されている。台車わくFの下側の前後方向
両端部には、一対の輪軸3,3が平行に配設されており、
これらの輪軸3,3は、それぞれ軌道の間隔に合わせて固
定された車輪4,4の外側を、軸箱5,5に収納された図示し
ない軸受によって回転可能に保持されている。台車わく
Fは、各軸箱5の両側に装着されたコイルばね、空気ば
ね、ゴムばねなどの弾性伸縮部材6,6により、上下、左
右、および前後方向に移動し得るよう柔らかく弾性支持
されている。
一方の横はり2には受け部材7を介してモータ8が保
持され、他方の横はり2には、台車わくFの中心に対し
て点対称をなすように別の受け部材7とモータ8とが保
持されている。9は一端が横はり2に若干回動し得るよ
うに取り付けられたギヤケースで、このギヤケース9内
には、可撓継手10を介してモータ8に連結される図示し
ないギヤと、輪軸3に固定されるギヤ(図示せず)とを
連結するギヤ伝動系列が収納されており、各輪軸3は、
同期して駆動されるモータ8,8により同じ方向に回転さ
れる。
台車と車体11の結合は、一対の台車わく側はり1,1の
中央部に装着された空気ばね12,12によって、車体11の
幅方向両端部を弾性支持するとともに、車体11の下面か
ら横はり2,2の間の中心位置(台車の中心位置と一致す
る)に突出させた中心ピン12の下端部を、横はり2,2と
平行に配設したけん引体14と結合し、このけん引体14の
両端部をけん引ゴム15,15によってそれぞれ一対の横は
り2,2の対向する側面に固定して行なわれ、台車に対し
て車体11が前後、左右、および上下方向に大変位し得る
構成となっている。
車体下面の幅方向両側の対応する位置に、垂直方向に
配設される縦レバー16,16が下端部を台車わく側はり1,1
に固定された保持アーム17,17に枢着されている。各縦
レバー16の上端部には、車体11の幅方向外側に配設され
る水平リンク18の一端が回転自在に結合されており、こ
の水平リンク18の他端は、車体11の下面に上端を枢支さ
れた垂直リンク19の下端部と回転可能に結合されている
(第3図参照)。
縦レバー16と保持アーム17とが枢着された結合中心を
Nとすると、この結合中心Nから縦レバー16の下側と上
側の反対方向にそれぞれ同じ距離bだけ離れた位置に、
一端がそれぞれ前後方向の軸箱5,5に弾性部材(図示省
略)を介して回転可能に結合された2つの操作リンク2
0,21の各他端が、回転自在に結合されている。一方の操
作リンク20は、他方の操作リンク21に比べてかなり長く
なっているが、これは空気ばね12が台車わく側はり1の
上面中央部に装着されていて、縦レバー16を空気ばね12
に接触しないように台車わく側はり1の中央部外側に配
設することができないため、縦レバー16の配設位置を台
車わく側はり1の中央部からずらしたことによる。
この場合、縦レバー16と保持アーム17との結合中心N
から縦レバー16と水平リンク18との結合中心Tまでの距
離をa、縦レバー16と操作リンク20,21の各結合中心Q,S
と前記結合中心Nまでの距離をそれぞれbとしたとき、
aとbの比(a/b)は、車体11の前後に設けられる台車
中心間の距離Lと、台車の前後の輪軸3,3間の距離lと
の比(L/l)に等しくなるように決められる(第5図,
第7図,第8図参照)。
さて、鉄道車両が軌道曲線部にさしかかり台車わくF
の各輪軸3が軌道曲線部の曲率中心Oの方向に向く場合
には、車体11に対する台車わくFの回転角度、および台
車わくFに対する輪軸3の回転角度は、それぞれ次のよ
うになる。
第7図において、軌道中心線上にある前後の各台車の
中心をA,Bとすれば、車両中心線ABが軌道曲線部の曲率
中心Oに対してなす1/2中心角αラジアンは、軌道中心
線の曲率半径をR、前後2つの台車の中心間距離をLと
すると、直角三角形OACについて Sinα=(L/2)/R=L/2R LはRに比べて十分に小さく、このときSinαはαと
近似できるから α=L/2R となる。
しかるに、この角度αは、台車の中心Aにおける軌道
中心線の接線と車両中心線ABとのなす角度とも等しいか
ら、軌道曲線部における車両に対する台車わくFの回転
角度はαとなる。
次に輪軸3の回転角度について考える。
第8図において、軌道中心線上の各輪軸3の中心をD,
E、前後方向の輪軸3,3の中心間距離をl、その中心角を
2βラジアンとすると、軌道中心線の曲率半径はRであ
るから、直角三角形ODGについて Sinβ=(l/2)/R=l/2R lはRに比べて十分に小さいから前記の場合と同様に
して β=l/2R となる。
この角度βは、輪軸3の中心Dにおける軌道中心線の
接線と輪軸3,3の中心D,Eを結ぶ線分DEとのなす角度とも
等しいから、輪軸3の中心Dにおける線分DEと直角な二
点鎖線で示す回転前の輪軸3に対し、輪軸3は角度βだ
け回転することになる。
それ故、軌道曲線部における台車わくFの回転角度α
と、回転した台車わくFに対する輪軸3の回転角度βの
比は、 α/β=(L/2R)/(l/2R) =L/l となる。
さらに、前記構成の台車わくFに取り付けられたリン
ク機構の動作について説明すれば、次の如くである。
I.直線軌道上を走行する場合 第9図は、この場合における台車のリンク機構のスケ
ルトン図を示したもので、直線軌道上を走行する台車の
前側輪軸3は軌道に対して直角になっていれ、輪軸3の
両端に取り付けられた第1の操作リンク20,20は各縦レ
バー16の下端に対して力を作用しないから、車両は台車
わくFによって回転されることなく台車わくFと平行に
移動される。
II.曲線軌道上を走行する場合 (1) 車両幅方向の移動について 軌道曲線部において、車体11が台車わくFに対して高
さ方向の変化を伴って幅方向に移動する場合に、その移
動方向が第4図の一点鎖線で示すように台車わくFに対
し左方向であるときには、この移動は、水平リンク18が
縦レバー16に対して時計方向に回転するとともに、垂直
リンク19が水平リンク18に対して反時計方向に回転する
だけで吸収できるため、車体11の幅方向への一方の移動
は、縦レバー16の回転を伴うことなく行なわれる。
これに対し、車体11の移動方向が第4図の点線で示す
ように台車わくFに対し右方向であるときには、この移
動は、水平リンク18が縦レバー16に対して反時計方向に
回転するとともに、垂直リンク19が水平リンク18に対し
て時計方向に回転するだけで吸収できるため、車体11の
幅方向の他方への移動は、縦レバー16の回転を伴うこと
なく行なわれる。
車体11についてのこれらの幅方向への移動は、台車わ
くFに対して高さ方向への変化を伴わない場合にも全く
同じように行なわれる。
(2) 輪軸の回転について 第10図において、二点鎖線は直線軌道上に走行してい
る場合の台車リンク機構のスケルトン図で、実線は曲線
軌道上を走行している場合のリンク機構のスケルトン図
である。矢印P方向に進行している台車の前側輪軸3が
曲率半径Rの軌道曲線部において、二点鎖線で示す位置
から実線で示す位置まで角度βラジアンだけ回転した場
合、輪軸3の中心Dから第1の操作リンク20の取り付け
中心までの距離をrとすると、第1の操作リンク20の取
り付け中心は、 rβ だけ回転移動する。しかしながら、一般に軌道の曲率半
径Rは、前後輪軸間の距離lに比べて十分に大きくβの
値は小さいから、rβの値も小さくなる。
前側輪軸3が角度βだけ回転して曲率中心Oの方向に
向くと、これに伴って輪軸3との結合中心Kのまわりに
回転移動される第1の操作リンク20は、台車のリンク機
構全体を台車わく側はり1と縦レバー16との結合部を回
転中心Nとして、第10図の二点鎖線で示す位置から実線
で示す位置まで回転移動する。
この移動においては、第1の操作リンク20と縦レバー
16との結合中心Qは若干上方に移動するが、結合中心K
のまわりの回転角度が小さくその移動量は無視できるか
ら、結合中心Qの水平方向の移動量は、輪軸3によって
回転移動される結合中心Kの移動量rβに等しいと近似
することができる。
このため、縦レバー16と第2の操作リンク21との結合
中心Sは、NSとNQの距離が共にbで等しいから、結合中
心Nに対しQの移動方向と反対側に水平方向にrβだけ
移動される。この移動により、第2の操作リンク21の他
端と結合される後側輪軸3の結合中心Uは、第2の操作
リンク21の回転角度が小さいため、水平方向にrβだけ
移動される。しかるに、後側輪軸3の中心Eと結合中心
Uとの距離はrであるから、輪軸3の輪軸中心Eのまわ
りの回転角度は rβ×(1/r)=β となる。それ故、台車の後側輪軸3は、前側の輪軸3と
反対方向に同じ角度βラジアンだけ回転するから、後側
の輪軸3は、軌道曲線部の曲率中心Oを通ることになる
(第8図参照)。この場合の軌道曲線部の曲率半径Rは R=l/2β となる。
また、縦レバー16と水平リンク18との結合中心TのN
に対する水平方向の移動量は、NTの距離がaであるか
ら、第1の操作リンク20の結合中心Qの水平移動量rβ
のa/b倍となり、Qと反対方向に移動する。前側輪軸3
が角度βだけ回転移動したとき、曲率中心Oから遠い方
の各操作リンク20,21および縦レバー16は、それぞれ曲
率中心Oに近い方の対応する各操作リンク20,21および
縦レバー16の動きと同じ量だけ逆方向に回転移動され
る。第10図において、台車中心Aと縦レバー16の上端結
合中心Tまでの水平距離は、輪軸3について述べたのと
同じくrであるため、各縦レバー16の上端と水平リンク
18との結合中心T,Tを結ぶ一点鎖線で示す線分は、台車
中心Aのまわりに (rβa/b)×1/r=βa/b だけ回転されることになる。この回転角度は、車両と台
車との回転角度を表わす。
しかるに、この実施例の台車では、aとbとの比は、
車両の前後に設けられる台車中心間の距離Lと、台車の
前後輪軸間の距離lとの比に等しくなるように決められ
ていて a/b=L/l であるから、前記車両と台車の回転角度は βa/b=βL/l となる。この回転角度は、第8図から明らかなように、
車体前後の台車中心間距離Lが軌道の曲率中心Oに対し
てなす中心角の1/2に等しいから、車両と台車の回転角
度から決まる軌道の曲率半径は L/(2βL/l)=l/2β=R となって、台車についての前後の輪軸3,3の回転角度か
ら求めた曲率半径と等しくなる。即ち、台車中心Aを通
って台車の長さ方向に直角な線分は、台車前後の輪軸3,
3の交点を通ることになる。
車体後側の台車についても前側の台車についてと全く
同じことが云えるから、後側の台車前後の輪軸3,3は、
前側の台車についての前後の輪軸3,3の場合と同じく軌
道の曲率中心Oを通る。
さて、前後の台車についての各輪軸3,3が軌道の曲率
中心Oを通ると、各輪軸3,3に直角に取り付けられたそ
れぞれの車輪4,4は、軌道の接線方向に向いて転動し軌
道との間にほとんど滑りを起こさないから、車輪4と軌
道との間の相互摩耗は著しく少なくなり、車輪4の滑り
に起因する騒音の発生は著しく低くなる。また、車輪4
が軌道との間にほとんど滑りを起こさなくなると、鉄道
車両が受ける余分な振動は少なくなり、車両の乗り心地
が良くなるほか、走行速度が向上した場合にも軌道に及
ぼす力を増大して軌道間距離が拡大される作用を少なく
し、鉄道車両が脱線される懸念を解消することができ
る。
〔発明の効果〕
この発明は、上述の通り構成されているので、次に記
載する効果を奏する。
(1) 鉄道車両用台車に取り付けられた進行方向側の
輪軸が、軌道曲線部において曲率中心を通る方向に回転
されると、進行方向側の輪軸の両端部に結合された第1
の操作リンクが、台車わく側はりに枢支された縦レバー
をその結合中心のまわりに回転し、この結合中心に対し
て第1の操作リンクと同じ距離だけ反対の位置に取り付
けられた第2の操作リンクを介して、後側の輪軸を前側
の輪軸と同じ角度だけ反対方向に回転する。
このため、鉄道車両が軌道曲線部を通過している間、
後側の輪軸は前側の輪軸と同じように曲線部の曲率中心
を通る方向に回転される。
(2) 軌道曲線部における鉄道車両の幅方向の移動
は、車体下面の幅方向両側の下方に配設される各縦レバ
ーの上端部と、車体下面との間に設けられた水平リンク
と垂直リンクとが、それぞれ枢着部のまわりに回転する
ことにより、縦レバーの作動に少しも影響を与えずに許
容される。
このため、鉄道車両に対し上下、左右、および前後方
向の大きな移動を許容するボルスタレス型の台車につい
ても、軌道曲線部において、台車の輪軸が自動的に曲率
中心を通る方向に回転することができる。
(3) 台車の各輪軸は軌道の曲率中心を通るから、各
輪軸に取り付けられた車輪の転動方向は、軌道曲線部の
接線方向に一致する。それ故、車輪は軌道曲線部を通過
するとき、軌道との間に滑りをほとんど起こさないか
ら、台車による車両の曲線部通過は円滑に行なわれる。
(4) 車輪は軌道に対してほとんど滑りを起こさない
から、車輪と軌道は、滑りによって受ける摩耗が著しく
少なくなり、また、滑りに起因する騒音の発生は、著し
く低くなる。
(5) 軌道曲線部においても、鉄道車両は車輪の滑り
に起因する余分な軌道を受けることが少なくなるから、
車両の乗り心地は良くなる。
(6) 車両の走行速度が向上しても、車輪による軌道
間距離の拡大作用を少なくし、鉄道車両が脱線を起こさ
ないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の正面図、第2図は同平面
図、第3図は車体幅方向から見たリンク機構の側面図、
第4図は車体幅方向の移動に伴う水平リンクと垂直リン
クの動作説明図、第5図は直線軌道上を走行する場合の
リンク機構要部の正面図、第6図は曲線軌道を走行する
場合のリンク機構要部の正面図、第7図は軌道曲線部に
おける車両と台車の回転角度の関係を示す線図、第8図
は軌道曲線部において輪軸が曲率中心を通るときの台車
と輪軸との回転角度の関係を示す線図、第9図は直線軌
道上を走行する台車のリンク機構のスケルトン斜視図、
第10図は曲線軌道上を走行する台車のリンク機構のスケ
ルトン斜視図、第11図は軌道曲線部における従来例の動
作説明図、第12図は他の従来例の正面図、第13図は第12
図のリンク機構のスケルトン斜視図である。 1……台車わく側はり、3……輪軸 5……軸箱、11……車体 16……縦レバー、18……水平リンク 19……垂直リンク、20,21……操作リンク a……縦レバーと台車わく側はりとの結合中心から水平
リンク取り付け中心までの距離 b……縦レバーと台車わく側はりとの結合中心から操作
リンク取り付け中心までの距離 L……車両前後の台車中心間の距離 l……台車の輪軸間の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 加久見 岐阜県恵那郡坂下町坂下4820番地 (72)発明者 米田 源司朗 大阪府東大阪市稲田新町3丁目9番60号 近畿車輌株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−94079(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/38 B61F 5/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枕はりが省略されたボルスタレス型の鉄道
    車両用台車において、 車体下面の幅方向両側の下方に、下端部を台車わく側は
    り側の保持アームに枢着された縦レバーは、上端部に車
    体の幅方向に配設される水平リンクの一端と回転自在に
    結合され、 水平リンクの他端は車体の下面に枢支される垂直リンク
    の下端部と枢着され、 縦レバーは台車わく側はり側の保持アームとの結合中心
    から上下反対方向に等しい距離だけ隔てた各位置に、一
    端がそれぞれ前後方向の軸箱に枢着された2つの操作リ
    ンクの他端がそれぞれ回転自在に結合され、 縦レバーと台車わく側はり側の保持アームとの結合中心
    から操作リンク取り付け中心までの距離と、水平リンク
    取り付け中心までの距離との比が、台車の輪軸間の距離
    と、車体前後方向の台車中心間の距離との比に等しくな
    るように決めたことを特徴とする 鉄道車両用台車。
JP22173390A 1990-08-22 1990-08-22 鉄道車両用台車 Expired - Fee Related JP3222884B2 (ja)

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