JP3186562B2 - 抵抗溶接の界面抵抗の算定方法および溶接品質の監視方法 - Google Patents

抵抗溶接の界面抵抗の算定方法および溶接品質の監視方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特にスポット溶接に
用いる抵抗溶接の界面抵抗の算定方法および溶接品質の
監視方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抵抗溶接、特にスポット溶接は鋼板を使
用する種々の製品に用いられているが、近年その溶接不
良が増大する傾向にある。すなわち、従来は一般に軟鋼
板が被溶接材であったことから通電不良も少なく、溶接
条件を一定に管理すれば溶接品質も比較的安定に保つこ
とができた。しかし、軟鋼板に代わって亜鉛メッキ鋼板
や高張力鋼板が多量に使用されはじめ、溶接不良の発生
が増大している。このような背景から単に溶接条件を監
視するのみのものではなく、溶接品質を精度良く管理可
能な装置の出現が待たれていた。
【0003】この課題に対し、溶接終了後にその溶接結
果の良否を判別する目的でこれまで種々の溶接品質の監
視装置が開発されてきた。たとえば、これまで開発され
たものに、(1)溶接電流と溶接電圧からチップ間抵抗
を求め、その変化パターンから溶接結果の良否を判定す
るもので、その一例として特開昭56−158286号
公報に開示されたもの、(2)チップ間電圧と、あらか
じめ設定した基準電圧の時間的変化とを比較し、その差
が許容値内か否かにより良否を判定するもので、その一
例として特公昭59−14312号公報に開示されたも
の、さらに、チップ間電圧より溶接部の発熱に有効に寄
与する有効成分を抽出し、有効成分の時間積分値から溶
接結果の良否を判定するもので、その例として特公昭5
9−40550号公報、特開昭59−61580号公報
に開示されたもの、(3)発熱温度を検出し、その温度
変化パターンから溶接結果の良否を判定するもので、そ
の一例として特開平1−216246号公報に開示され
たもの、(4)被溶接材間に超音波を透過させ、その透
過量から溶接結果の良否を判定するもので、その一例と
して特開昭52−94841号公報に開示されたもの、
(5)電極チップの溶接中の変位を用いたもので、その
一例として特公昭60−40955号公報に開示された
もの、(6)溶接電流を検出し、その上下限値を監視し
溶接結果を一定にしようとするもの、等がある。(7)
熱伝導モデルを用い、ナゲット径をコンピュータを用い
て算出するもので、その一例として佐野:スポット溶接
での通電路と温度分布の数値解析法に関する研究、大阪
大学大学院溶接専攻修士論文(昭和54)、西宇:抵抗
スポット溶接用数値計算援用形品質モニタリングの高速
化に関する研究、大阪大学大学院溶接専攻修士論文(平
成3)に開示されたもの、等がある。また、溶接機を直
接制御するものとしては、(8)熱伝導モデルから母材
温度分布を算出しその温度分布からナゲット径を推算す
ると共に溶接中の電極移動量を用いて温度分布を修正す
るもので、特公平7−16791号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)から(6)
までの従来の方式においては、それぞれの溶接材料ごと
に溶接現場で予備実験を行い、溶接品質と判別基準の関
係を予め求めておくという作業が不可欠となるが、さら
に、溶接回数の増加に伴う電極チップの磨耗、変形に伴
う電極チップと被溶接材の接触界面での界面抵抗の変化
を考慮する必要があった。しかしながら、溶接現場での
予備実験では界面抵抗の変化まで推定することは困難
で、従来は溶接部の良否をおおまかに判別し得るにすぎ
ず、その適用範囲も限られたものであった。したがっ
て、抵抗溶接機に従来の溶接品質の監視装置を併用し、
溶接品質を確保しようとしても汎用性に乏しく、不確か
なものであり、溶接現場においては溶接不良を避けるた
め過大な溶接条件による溶接が行われているのが実状
で、その結果、大多数の溶接打点で必要以上の溶接電流
が使用され、過大な電力損失の発生、電極の損耗、ちり
の発生などの弊害が発生している。(7)は前記の問題
点を解消できる可能性をもっており熱伝導方程式を解く
のに時間を要するのが最大の欠点となっていた。このた
め、高速でナゲット径を演算する手法が考案され、溶接
終了後ではあるが溶接現場において全溶接打点をモニタ
ーする装置が実用化されている。(8)は(7)の演算
誤差を修正する方式であるが、電極の移動量を用いてい
るため移動量の検出装置が必要となりコスト高となる、
さらに溶接位置が被溶接材の端部である場合には適用で
きないことがあった。
【0005】第1発明は(7)の方式をさらに進めたも
ので上記課題を解決するものであり、演算誤差の主要因
である溶接中の界面で発生する抵抗を汎用性を持って算
定する方法を提供し、第2発明は第1発明の方法を用い
て従来の溶接品質の監視方法では適用困難な電極チップ
の磨耗、変形までも考慮した溶接品質の監視方法を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1発明は、被溶接材とこれを挟む電極の物
理定数をもとに熱伝導モデルを設定し、溶接部を流れる
溶接電流と溶接部にかかる電圧と前記熱伝導モデルを用
いて溶接部の通電路を算出し、この通電路と被溶接材の
固有抵抗から溶接部の温度分布を推定して被溶接材の固
有抵抗発熱による抵抗を推定し、この固有抵抗発熱によ
る抵抗と電極間の抵抗の間に内分点を算出抵抗として求
め、前記電極間の抵抗と算出抵抗の差分を被溶接材と電
極の界面に発生する抵抗として推定する。また第2発明
の溶接品質の監視方法においては電極間の抵抗から第1
発明の方法で求めた被溶接材と電極の界面に発生する抵
抗を差し引いたものを溶接部の発熱抵抗として算出し、
溶接部を流れる溶接電流と溶接部にかかる電圧と前記発
熱抵抗と熱伝導モデルを用いて溶接部の温度分布を推定
し、被溶接材の溶融温度以上になった範囲を溶融部とし
て推定するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記構成により、第1発明の抵抗
溶接の界面電圧または界面抵抗の算定方法は、電極チッ
プが溶接中磨耗、変形した場合の電極チップと被溶接材
表面との界面における電圧または抵抗の変化が算定でき
るもので、溶接品質の監視を行う上で大きな影響を与え
る界面の電圧または抵抗を溶接品質の監視方法に組み込
むことができる。第2発明の溶接品質の監視方法は熱伝
導モデルを用いた溶接品質の監視方法に上記第1発明の
抵抗溶接の界面電圧または界面抵抗の算定方法を組み込
んだもので、より精度の良い溶接品質の監視が可能にな
る作用を有する。
【0008】以下、発明の実施の形態について図面を参
照しながら説明する。まず、第1発明の界面電圧または
界面抵抗の算定方法について図1、図2、図3、図4、
図5を用いて説明する。図1は電極、被溶接材とそれら
の界面間に生じる抵抗を示すものである。電極自身の抵
抗を電極抵抗Rel、被溶接材内部の抵抗を板抵抗Rr
eal、電極と被溶接材の界面に発生する抵抗を板対電
極間抵抗Rde、被溶接材どうしの界面に発生する抵抗
を板対板間抵抗Rdcとすれば、電極または電極ホルダ
から測定される測定抵抗Rmeasは、前記の各抵抗の
和で表され(I)式に示すとおりである。
【0009】Rmeas=2Rel+2Rreal+2
Rde+Rdc……(I)となる。(I)式は2枚板の
溶接で上下同電極の場合を示したが、多枚数あるいは上
下電極の異なる場合でも測定抵抗Rmeasは各部分の
抵抗の総和で表すことができる。ここで、溶接部の発
熱、すなわち溶融部形成に関わる抵抗分は板抵抗Rre
alであり、電極抵抗Relと板対電極間抵抗Rdeと
板対板間抵抗Rdcは溶接部の発熱には直接寄与するも
のではない。溶接品質の監視に電極間の抵抗を用いた場
合、溶接部の発熱を表さない抵抗分の大きさと、その影
響を及ぼす時間によっては溶接品質の判定に誤差を生じ
てしまう。
【0010】板対電極間抵抗Rdeと板対板間抵抗Rd
cは電極表面あるいは板表面での凹凸形状に関わる表面
抵抗である。図2は表面の凹凸を説明する模式図であ
る。図に示すように表面の凹凸はラフネスと呼ばれる微
細な高周波成分と、ウェーブネスと呼ばれる低周波成分
で代表できる。このうち高周波成分は電極加圧による圧
壊と、さらに通電に伴う温度上昇による降伏応力の低下
によって、高周波成分は通電極初期に消失する。すなわ
ち、高周波成分による表面抵抗は通電開始直後に消失し
てしまい、測定抵抗Rmeasに占める時間的割合が極
小さいものとなるため無視できる。電極間抵抗を用いて
溶接品質の監視を行う際においても、溶接品質の判定誤
差の原因とはならない。一方、低周波成分は界面におけ
る通電路の絞り込みによって集中抵抗を発生させ、その
抵抗分は測定抵抗Rmeasに占める割合も大きく、影
響を及ぼす時間も長い。以上説明した表面の凹凸形状を
板対板間界面および板対電極間界面に当てはめると、板
対板間界面は一回毎の溶接でフレッシュな界面になるた
め表面の凹凸形状は高周波成分となる。すなわち、板対
板間抵抗Rdcはナゲットの形成に対しては影響がほと
んどない。板対電極界面については溶接回数の増加に伴
う電極表面の磨耗によって、その表面の凹凸形状は低周
波成分が含まれるようになり、さらに電極の磨耗が進行
すると良好な密着状態は得られなくなる。特に亜鉛めっ
き鋼板溶接時には電極表面に合金層を形成するため、電
極磨耗の進行は大きなものとなる。すなわち、板表面と
電極界面の接触状態による板対電極間抵抗Rdeの影響
を無視できなくなり、電極間抵抗を用いて溶接品質の監
視を行う場合には品質の判定に誤差を生じる恐れがあ
る。したがってより高精度に溶接品質の判定を行うため
には、板表面と電極表面の界面の状態に応じて板対電極
間抵抗Rdeを算定し、測定抵抗Rmeasより除かな
ければならない。
【0011】電極抵抗Relについては被溶接材を挟ま
ない状態で通電することにより、測定することができ
る。すなわち、電極抵抗Relは既知として取扱うこと
ができる。
【0012】図3は測定線を用いた溶接中のチップ間抵
抗変化の測定結果の一例を示す。図中の上段には新品電
極を用いた測定結果を下段には約1000回溶接後の消
耗した電極を用いた測定結果を示し、それぞれ電極ホル
ダからの測定抵抗Rmeasと板対電極界面部分から測
定した抵抗Rrを表示している。特に抵抗Rrは板対電
極界面部分より測定することによって、板対電極間抵抗
Rdeが除かれた板抵抗Rrealを示すものである。
新品電極を用いた場合、板表面と電極表面の接触状態が
良好であるため、電極ホルダからの測定抵抗Rreal
と板対電極界面部分から測定した抵抗Rrはほぼ同じで
ある。すなわち、測定抵抗Rmeasは溶接部の発熱状
態を示すものであり、前記測定抵抗Rmeasを用いて
溶接品質の監視を行うことができる。消耗電極を用いた
場合、測定抵抗Rmeasに対して板対電極界面より測
定した抵抗Rrはかなり小さなものとなる。これは消耗
した電極表面と板表面の接触状態が良好なものではない
ため、前述した板対電極間抵抗Rdeの影響が大きくな
ったことによるものである。すなわち、電極消耗時の測
定抵抗Rmeasには溶接部の発熱状態を表さない抵抗
分の影響が大きく、前記測定抵抗Rmeasを溶接品質
の監視に用いると品質の判定誤差を生じる危険性があ
り、より高精度に溶接品質の監視を行うためには板対電
極界面より測定した抵抗Rrを用いなければならない。
本実施例に示したように測定線を用いて抵抗Rrを実測
することも可能であるが、実際の製造現場における溶接
ラインで板対電極界面に測定線を取り付けることは困難
である。
【0013】図4は第1発明の電極と被溶接材の界面に
発生する電圧または抵抗を算定する界面抵抗の算定方法
を実施するフローチャートである。溶接を行う被溶接材
の板厚、重ね枚数、板の材質と板の材質による物理定
数、そして電極の形状と種類、電極の材質による物理定
数を予め入力し、与えられた数値をもとに熱伝導モデル
の境界条件を設定する。この熱伝導モデルは溶接部の幾
何学的形状と物理定数からなり、溶接部の電圧と溶接電
流から数値解析を行う数学的モデルである。そして溶接
部を流れる溶接電流と溶接部にかかる電圧から、熱伝導
モデルを用いた数値解析を行い、溶接部の通電路である
通電径、電位分布、電流密度分布の算出し、溶接各部位
の電流密度と固有抵抗から発熱計算と熱伝導計算を行え
ば溶接部の温度分布を推定することができる。また溶接
開始から終了まで予め設定された極短時間の時間ステッ
プ毎に行うことにより、溶接過程中の発熱状態を逐次推
定することができる。ここで各時間毎に算出される溶接
部の各部位の固有抵抗から板中の合成抵抗、すなわち板
抵抗Rrealを推定することができる。そして、推定
された板抵抗Rrealと測定抵抗Rmeasを用いれ
ば各時間ステップ毎に板対電極間抵抗Rdeを推定する
ことができる。図5は測定抵抗Rmeasと熱伝導モデ
ルから推定した板抵抗Rrealを用いて板対電極間抵
抗Rdeを推定する方法の説明図である。
【0014】溶接中の任意の時刻t0において、熱伝導
モデルにより推定される板抵抗RrealをRcとす
る。なお、通電開始時においては板抵抗Rrealは初
期の境界条件設定で与えられる被溶接材の初期温度によ
って推定される。次回ステップとなる時刻t1では測定
抵抗RmeasとしてRm’が測定されるが、その測定
値には板対電極間の界面に発生する表面抵抗が含まれる
ため、数値解析に用いるべき、すなわち前記表面抵抗を
差し引いた抵抗Rsimは時刻t0における板抵抗Rc
と時刻t1における測定抵抗Rm’の間に存在する。そ
こで測定抵抗Rm’と板抵抗Rcの差分から一定の内分
点を求め、数値解析に用いる算出抵抗Rsimとしてt
1におけるRs’を用いる。ここで測定抵抗Rm’と算
出抵抗Rs’の差分が時刻t1における板対電極間抵抗
として推定される。算出抵抗Rs’と時刻t1における
溶接電流から熱伝導モデルを用いた数値解析を行い、推
定される溶接部の合成抵抗が板抵抗Rc’となる。時刻
t2においては時刻t1に推定した板抵抗Rc’と時刻
t2での測定抵抗Rm’’を用いて前述と同じく算出抵
抗Rs’’を推定する。この過程を溶接終了まで設定し
た時間ステップ毎にくり返すことによって、測定抵抗R
measと算出抵抗Rsimの差分から板対電極間抵抗
Rdeを算定することができる。このように本発明によ
れば溶接部の発熱状態を表さない電極と被溶接材の界面
抵抗を算定することができる。さらに、従来から行われ
ている電極間抵抗を用いた溶接品質の監視方法において
も、本発明の方法により上記界面抵抗の影響を除くこと
ができるため、より高精度な溶接品質の判定と監視を行
うことができる。特に電極消耗時あるいは亜鉛めっき鋼
板の溶接時に効果を発揮するものである。
【0015】なお、本実施例では電極間の抵抗を用いた
場合を説明したが、電極間の電圧を用いた場合において
も全く同じ方法によって、同じ発明の効果が得られるも
のである。
【0016】次に第2発明の溶接品質の監視方法につい
て図6、図7、図8を用いて説明する。図6は第2発明
の溶接品質の監視方法を実施するフローチャートであ
る。しかるに第1発明の界面電圧または界面抵抗の算定
方法によれば、電極間の電圧または抵抗と溶接電流から
熱伝導モデルを用いた数値解析を行うことによって、板
対電極界面の抵抗あるいは電圧の算定と、溶接部の温度
分布を推定することができる。そこで図6に示すように
各時間ステップ毎に数値解析によって推定した溶接部の
温度分布から、被溶接材の溶融温度以上になった範囲を
算出することによって溶融部を推定することができるも
のである。そして前記溶融部の推定結果から溶融部の形
成開始時刻あるいは溶接終了時点の溶融部の大きさすな
わちナゲット、板対板界面の溶融部径すなわちナゲット
径などを推定することができ、溶接品質の監視を行うこ
とができるものである。さらに板対電極界面に発生する
電圧または抵抗を算定し、測定した電極間電圧または抵
抗から差し引けば、測定した電極間の抵抗または電圧を
そのまま用いた場合に比し高精度の溶接品質の監視を行
うことができる。図7、図8に本発明の溶接品質の監視
方法を用いた実験結果を示す。図7は第1発明の界面電
圧または界面抵抗の算定方法を用いず、測定した電極間
の電圧をそのまま熱伝導モデルによる数値解析に適用し
た実験結果であるが、図8は第2発明の溶接品質の監視
方法による実験結果を示す。溶接条件は亜鉛めっき鋼
板、板厚2.0mmの2枚重ね、溶接電流10.0kA
一定、加圧力400kgf、溶接時間22cycle
(60Hz)で連続的に溶接を行い、破壊試験によるナ
ゲット径の実測値が0mmとなるまで溶接を行った。な
お、本実施例では実測した板抵抗を参考に測定抵抗Rm
と推定される板抵抗Rcの差分の75%を前期板抵抗R
cに加え算出抵抗Rsimとした。溶接回数の増加に伴
う電極の消耗によって、ナゲット径は次第に小さくなり
約2300回の溶接でナゲット径が生成されなくなっ
た。図7に示した測定した電極間電圧をそのまま用いた
場合には、電極消耗に伴う板対電極間抵抗を含めて数値
解析を行うため約2000回の溶接以降、顕著にナゲッ
ト径の推定誤差を生じるようになる。一方、図8に示し
た第2発明の溶接品質の監視方法を用いた場合には、電
極の消耗に伴う板対電極間の抵抗を算定し、溶接部の発
熱抵抗を用いて数値解析を行うため精度良くナゲット径
の推定を行うことができる。このように本実施例によれ
ば、被溶接材と電極の界面に発生する電圧または抵抗を
算定し、これを用いて電極間より測定した電圧または抵
抗から溶接部の発熱抵抗を算出して熱伝導モデルによる
数値解析を行うため、電極と被溶接材の接触状態如何に
関わらず高精度の溶接品質の監視を実現することができ
る。なお、各発明は本実施例になんら限定されるもので
はなく、各発明の要旨を変えない範囲で種々の変形実施
が可能であることは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】第1発明は、測定された電極間の電圧ま
たは抵抗から、熱伝導モデルを用いた数値解析によって
被溶接材と電極の界面に発生する電圧または抵抗を算定
できるため、溶接品質の監視を行う上で大きな影響を与
える界面の電圧または抵抗を溶接品質の監視方法に組み
込むことができ、より精度の良い溶接品質の監視が可能
になる効果を奏するものである。
【0018】第2発明の溶接品質の監視方法は第1発明
の抵抗溶接の界面電圧または界面抵抗の算定方法を、熱
伝導モデルを用いた数値解析による溶融部の推定演算手
法に組み込むことによってより精度の良い溶接品質の監
視を実現する効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極及び被溶接材とその界面に発生する抵抗ま
たは電圧の概念図
【図2】電極または被溶接材の表面状態の模式図
【図3】電極間抵抗と板抵抗の実測を行った実験結果を
示すグラフ
【図4】界面電圧または界面抵抗の算定を実施するフロ
ーチャート
【図5】測定抵抗と推定された板抵抗から算出抵抗を算
定する方法を示した概念図
【図6】界面電圧または界面抵抗の算定方法を用いた溶
接品質の監視方法を実施するフローチャート
【図7】界面電圧または界面抵抗の算定方法を用いずに
行ったナゲット径の推定実験結果を示すグラフ
【図8】界面電圧または界面抵抗の算定方法を用いたと
きのナゲット径の推定実験結果を示すグラフ
【符号の説明】
Rmeas 電極間の抵抗 Rel 電極部分の抵抗 Rde 被溶接材と電極の界面に発生する抵抗 Rdc 被溶接材間の界面に発生する抵抗 Rreal 被溶接材の固有抵抗発熱による抵抗 Rr 被溶接材と電極の界面から測定した抵抗 Vmeas 電極間の電圧 Vel 電極部分の電圧 Vde 被溶接材と電極の界面に発生する電圧 Vdc 被溶接材間の界面に発生する電圧 Vreal 被溶接材の固有抵抗発熱による電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−228647(JP,A) 特開 昭56−158286(JP,A) 特開 昭63−137586(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/24 B23K 11/25 - 11/25 515

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被溶接材とこれを挟む電極の物理定数をも
    とに熱伝導モデルを設定し、溶接部を流れる溶接電流と
    溶接部にかかる電圧と前記熱伝導モデルを用いて溶接部
    の通電路を算出し、この通電路と被溶接材の固有抵抗か
    ら溶接部の温度分布を推定して被溶接材の固有抵抗発熱
    による抵抗を推定し、この固有抵抗発熱による抵抗と電
    極間の抵抗の間に内分点を算出抵抗として求め、前記電
    極間の抵抗と算出抵抗の差分を被溶接材と電極の界面に
    発生する抵抗として推定する抵抗溶接の界面抵抗の算定
    方法
  2. 【請求項2】電極間の抵抗から請求項1の方法で求めた
    被溶接材と電極の界面に発生する抵抗を差し引いたもの
    を溶接部の発熱抵抗として算出し、溶接部を流れる溶接
    電流と溶接部にかかる電圧と前記発熱抵抗と熱伝導モデ
    ルを用いて溶接部の温度分布を推定し、被溶接材の溶融
    温度以上になった範囲を溶融部として推定する溶接品質
    の監視方法。
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JPH09196881A (ja) 1997-07-31

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