JP3141982U - 放電管 - Google Patents

放電管 Download PDF

Info

Publication number
JP3141982U
JP3141982U JP2008001507U JP2008001507U JP3141982U JP 3141982 U JP3141982 U JP 3141982U JP 2008001507 U JP2008001507 U JP 2008001507U JP 2008001507 U JP2008001507 U JP 2008001507U JP 3141982 U JP3141982 U JP 3141982U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
molybdate
discharge tube
case member
magnesium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2008001507U
Other languages
English (en)
Inventor
孝一 今井
成 櫛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okaya Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Okaya Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okaya Electric Industry Co Ltd filed Critical Okaya Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2008001507U priority Critical patent/JP3141982U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3141982U publication Critical patent/JP3141982U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

【課題】暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇に起因する放電遅れを抑制することができる放電管を提供する。
【解決手段】円筒状のケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材で気密に封止することによって気密外囲器を形成すると共に、該気密外囲器内に放電ガスを封入し、また、上記蓋部材の放電電極部18間に放電間隙を形成すると共に、ケース部材12の内壁面24に、その両端が、蓋部材と微小放電間隙を隔てて配置された複数のトリガ放電膜28を形成し、さらに、上記放電電極部18の表面に、上記円筒状のケース部材12の内壁面24と同心の円X,Y上に配置される多数の穴部29を形成すると共に、上記穴部29内面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜30を形成した。
【選択図】図11

Description

この考案は放電管に係り、特に、プロジェクターや自動車のメタルハライドランプ等の高圧放電ランプやガス調理器等の着火プラグに、点灯用又は着火用の定電圧を供給するためのスイッチングスパークギャップとして、或いは、サージ電圧を吸収するためのガスアレスタ(避***)として好適に使用できる放電管に関する。
この種の放電管として、本出願人は、先に実用新案登録第3133824号を提案した。
この放電管60は、図16に示すように、両端が開口した絶縁材よりなる円筒状のケース部材62の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材64,64で気密に封止することによって気密外囲器66を形成し、該気密外囲器66内に、所定の放電ガスを封入してなる。
上記蓋部材64は、気密外囲器66の中心に向けて大きく突き出た平面状の放電電極部68と、ケース部材62の端面に接する接合部70を備えており、両蓋部材64,64の放電電極部68,68間には、所定の放電間隙72が形成されている。
また、上記ケース部材62の内壁面74には、その両端が、放電電極を兼ねた上記蓋部材64,64と微小放電間隙76を隔てて対向配置された線状のトリガ放電膜78が複数形成されている。
上記放電電極部68の表面には、臭化セシウム、チタン、モリブデン酸カリウム及び酸化マグネシウムの混合物が含有された被膜80が形成されている。
上記構成を備えた放電管60にあっては、放電電極を兼ねた上記一対の蓋部材64,64間に、当該放電管60の放電開始電圧以上の電圧が印加されると、トリガ放電膜78の両端と蓋部材64,64間の微小放電間隙76に電界が集中し、これにより微小放電間隙76に電子が放出されてトリガ放電としての沿面コロナ放電が発生する。次いで、この沿面コロナ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電が放電電極部68,68間の放電間隙72へと転移し、主放電としてのアーク放電に移行するのである。
実用新案登録第3133824号
ところで、放電電極部68の表面に、臭化セシウム、チタン、モリブデン酸カリウム及び酸化マグネシウムの混合物が含有された被膜80を形成して成る従来の上記放電管60が高温環境下で使用されると、放電開始電圧が上昇して放電遅れを生じることがあった。
すなわち、図17に示すように、放電電極部68の表面に、臭化セシウム、チタン、モリブデン酸カリウム及び酸化マグネシウムの混合物が含有された被膜80を形成して成る従来の放電管60を、250℃の高温環境下で24時間放置したところ、放電開始電圧の変化率が15%を大きく越えて上昇し、使用に適さないものとなった。これは、従来の放電管60が高温環境下で使用されると、被膜80中に含まれていた微量な不純ガスが放出されて放電ガスに混入する結果、放電開始電圧が上昇するものであると考えられる。
尚、放電開始電圧の上昇による放電遅れは、特に、放電管60が暗中において長時間放置された場合に顕著となる。これは、気密外囲器66内の放電の種火としての電子やイオンが減少するためである。
この考案は、従来の上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇に起因する放電遅れを抑制することができる放電管を実現することにある。
本考案者らは、被膜に含有させる材料について種々検討を試みた結果、チタン(Ti)、酸化マグネシウム(MgO)、モリブデン酸カリウム(KMoO)に加え、モリブデン酸セシウム(CsMoO)を含有させて被膜を構成した場合に、暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇に起因する放電遅れを抑制することができることを見出し、本考案を完成するに至ったものである。
すなわち、本考案に係る第1の放電管は、複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入してなる放電管において、上記放電電極の表面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜を形成したことを特徴とする。
また、本考案に係る第2の放電管は、複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入してなる放電管において、上記放電電極の表面に、多数の穴部を形成すると共に、上記穴部内面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜を形成したことを特徴とする。
さらに、本考案に係る第3の放電管は、円筒状のケース部材の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材で気密に封止することによって気密外囲器を形成すると共に、該気密外囲器内に放電ガスを封入し、また、気密外囲器内に配置される上記蓋部材の放電電極部間に放電間隙を形成すると共に、上記ケース部材の内壁面に、その両端が上記蓋部材と微小放電間隙を隔てて配置された複数のトリガ放電膜を形成してなる放電管において、上記放電電極部の表面に、上記円筒状のケース部材の内壁面と同心の円上に配置される多数の穴部を形成すると共に、上記穴部内面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜を形成したことを特徴とする。
上記チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムの含有割合は、チタンが0.01〜50重量%、酸化マグネシウムが0.01〜50重量%、モリブデン酸カリウムが0.01〜50重量%、モリブデン酸セシウムが0.01〜50重量%と成すのが好ましい。
本考案に係る上記第1の放電管乃至第3の放電管にあっては、放電電極(放電電極部)の表面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜を形成したことにより、暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇に起因する放電遅れを抑制することができる。
また、第2の放電管にあっては、放電電極部の表面に多数の穴部を形成し、該穴部内面に被膜を形成したことにより、放電電極部と被膜の密着力が向上し、放電時の衝撃による被膜のスパッタを抑制する効果を奏する。
尚、放電時の衝撃で被膜はスパッタされやすく、スパッタで飛散した被膜の構成材料(以下、スパッタ飛散物と称する)がケース部材の内壁面やトリガ放電膜に付着・堆積することが、放電開始電圧の不安定化をもたらす原因であり、特に、スパッタ飛散物の堆積量が、ケース部材の内壁面やトリガ放電膜の箇所毎にバラバラであることが、放電開始電圧の不安定化を促進する大きな要因となっている。
本考案に係る第3の放電管にあっては、被膜が形成される多数の穴部を、円筒状のケース部材の内壁面と同心の円上に配置形成したので、同一の円上に配置された各穴部とケース部材の内壁面との距離は全て同一となる。
このため、ケース部材の内壁面の特定の箇所及び特定のトリガ放電膜において、スパッタ飛散物の堆積量に多少の差が生じることを抑制でき、ケース部材の内壁面及びトリガ放電膜へのスパッタ飛散物の堆積量が平準化されるので、放電開始電圧の安定化を実現できる。
図1及び図2に示す本考案に係る第1の放電管10は、両端が開口した絶縁材としてのセラミックよりなる円筒状のケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材14,14で気密に封止することによって気密外囲器16を形成してなる。
上記蓋部材14は、気密外囲器16の中心に向けて大きく突き出た略円柱状の放電電極部18と、ケース部材12の端面に接する接合部20を備えており、両蓋部材14,14の放電電極部18,18間には、所定の放電間隙22が形成されている。
放電電極部18と接合部20を備えた上記蓋部材14は、無酸素銅や、無酸素銅にジルコニウム(Zr)を含有させたジルコニウム銅で構成されている。尚、ケース部材12の端面と蓋部材14の接合部20とは、銀ろう等のシール材(図示せず)を介して気密封止されている。
また、上記ケース部材12の内壁面24には、その両端が、放電電極を兼ねた上記蓋部材14,14と微小放電間隙26を隔てて配置された線状のトリガ放電膜28が複数形成されている。図1及び図2においては、トリガ放電膜28を、ケース部材12の内壁面24の円周方向に、45度の等間隔で8本形成した場合が例示されている。
上記トリガ放電膜28は、カーボン系材料等の導電性材料で構成されている。このトリガ放電膜28は、例えば、カーボン系材料より成る芯材を擦り付けることにより形成することができる。
上記放電電極部18の表面には、チタン(Ti)、酸化マグネシウム(MgO)、モリブデン酸カリウム(KMoO)及びモリブデン酸セシウム(CsMoO)が含有された被膜30が形成されている。
上記被膜30は、以下の方法で形成される。
先ず、純水に珪酸ナトリウムを溶解させて成るバインダーと、水素化チタン(TiH)の粉末、酸化マグネシウムの粉末、モリブデン酸カリウムの粉末、モリブデン酸セシウムの粉末を準備する。
次に、上記バインダー中に、水素化チタン(TiH)の粉末、酸化マグネシウムの粉末、モリブデン酸カリウムの粉末、モリブデン酸セシウムの粉末を添加後、撹拌する。
次に、水素化チタン(TiH)の粉末、酸化マグネシウムの粉末、モリブデン酸カリウムの粉末、モリブデン酸セシウムの粉末が添加された上記バインダーを、放電電極部18表面に塗布する。
そして、ケース部材12と蓋部材14との気密封止工程において、ケース部材12を加熱しつつケース部材12内の真空排気が行われると、上記加熱の過程で、バインダー中の水分は蒸発し、また、水素化チタン(TiH)中の水素(H)が抜けることにより、純度の高いチタンが形成できる。
以上の結果、放電電極部18表面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された上記被膜30が形成される。
上記チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムの含有割合は、チタンが0.01〜50重量%、酸化マグネシウムが0.01〜50重量%、モリブデン酸カリウムが0.01〜50重量%、モリブデン酸セシウムが0.01〜50重量%と成すのが、暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇抑制の観点から好ましい。
また、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムと、バインダーとの配合割合は、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが10〜90重量%、バインダーが10〜90重量%と成される。
尚、バインダー中の珪酸ナトリウムと純水との配合割合は、珪酸ナトリウムが0.01〜70重量%、純水が99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
上記気密外囲器16内には、所定の放電ガスが封入されている。この放電ガスとしては、例えば、ネオン(Ne)とアルゴン(Ar)の混合ガス中に、水素(H)を混合して構成した放電ガスが該当する。
本考案の上記第1の放電管10にあっては、放電電極を兼ねた上記一対の蓋部材14,14間に、当該放電管10の放電開始電圧以上の電圧が印加されると、トリガ放電膜28の両端と蓋部材14,14間の微小放電間隙26に電界が集中し、これにより微小放電間隙26に電子が放出されてトリガ放電としての沿面コロナ放電が発生する。次いで、この沿面コロナ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電が放電電極部18,18間の放電間隙22へと転移し、主放電としてのアーク放電に移行するのである。
而して、本考案の第1の放電管10にあっては、放電電極部18の表面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜30を形成したことにより、暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇に起因する放電遅れを抑制することができる。これは、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムを含有させて被膜30を構成した場合、暗中及び高温環境下に置かれても、被膜80中の不純ガスの放出が抑制されると共に、電子放出特性が良好なためであると考えられる。
図3乃至図6は、本考案に係る第2の放電管40を示すものであり、この第2の放電管40は、放電電極部18の表面に、略直方体状の多数の穴部29を略マトリクス状に配置形成し、各穴部29内面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された上記被膜30を形成した点に特徴を有するものであり、その他の構成は、上記第1の放電管10と実質的に同一である。
本考案の上記第2の放電管40にあっても、上記第1の放電管10と同様に、放電電極部18の表面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜30を形成したことにより、暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇に起因する放電遅れを抑制することができる。
尚、第2の放電管40は、放電電極部18の表面に多数の穴部29を形成し、該穴部29内面に上記被膜30を形成したことにより、放電電極部18と被膜30の密着力が向上し、放電時の衝撃による被膜30のスパッタを抑制する効果を奏する。
図7は、本考案に係る第2の放電管40を250℃の高温環境下で2000時間以上の長時間放置した場合における、放電開始電圧の変化率を示すグラフである。
尚、本考案に係る第2の放電管40は、被膜30中のチタンの含有割合が2.17重量%、酸化マグネシウム含有割合が4.35重量%、モリブデン酸カリウムの含有割合が4.35重量%、モリブデン酸セシウムの含有割合が2.17重量%のものを用いた。
図7のグラフに示される通り、本考案の第2の放電管40は、250℃の高温環境下で2000時間以上の長時間放置されても放電開始電圧の変化率は2%未満であり、放電開始電圧の上昇が抑制されていることが判る。
図8は、本考案に係る上記第2の放電管40の暗中における放電回数と初期放電開始電圧との関係を示すグラフ、図9は、本考案に係る上記第2の放電管40の暗中におけるの放電回数と追随放電開始電圧との関係を示すグラフである。
尚、初期放電開始電圧は、放電管を繰り返し動作させた場合における初回の放電開始電圧のことをいい、この初期放電開始電圧に続く2回目以降の放電開始電圧を追随放電開始電圧という。
図8及び図9のグラフに示される通り、本考案の第2の放電管40は、放電回数が3000万回となっても、初期放電開始電圧及び追随放電開始電圧の上昇が殆どなく、暗中において使用された場合の放電遅れが抑制されている。
図10乃至図13は、本考案に係る第3の放電管50を示すものであり、この第3の放電管50は、放電電極部18の表面に、略半球状の穴部29を多数形成し、各穴部29内面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された上記被膜30を形成した点に特徴を有するものであり、その他の構成は、上記第1の放電管10と実質的に同一である。
図11及び図13に示すように、上記穴部29は、円筒状のケース部材12の内壁面24と同心の円(以下、同心円と称する)X,Y上に等間隔で配置形成されている。すなわち、同心円X上に、30度の等間隔で12個の穴部29が形成され、また、同心円Y上に、90度の等間隔で4個の穴部29が形成されている。また、円筒状のケース部材12の円心の位置にも1個の穴部29が配置形成されている。
尚、図11及び図13の同心円X,Yは説明の便宜上示した仮想円である。
尚、放電電極部18の表面に形成する穴部29の形状は、上記した「略半球状」に限定されるものではなく、図14及び図15の第3の放電管50の変形例に示すように、「略直方体状」であっても良い。
もっとも、穴部29を「略半球状」と成した場合の方が、被膜30の状態が安定化し、放電特性のバラツキを低減することができるので好ましい。すなわち、穴部29を「略半球状」と成した場合には、穴部29の全方向から表面張力が均等に掛かり、その結果、被膜30が全方向に均等に形成されるため、被膜30の状態が安定化し、放電特性のバラツキを低減することができるのである。
本考案の上記第3の放電管50にあっても、上記第1の放電管10と同様に、放電電極部18の表面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜30を形成したことにより、暗中及び高温環境下で使用された場合の放電開始電圧の上昇に起因する放電遅れを抑制することができる。
尚、放電時の衝撃で上記被膜30はスパッタされやすく、スパッタ飛散物がケース部材12の内壁面24やトリガ放電膜28に付着・堆積することが、放電開始電圧の不安定化をもたらす原因であり、特に、スパッタ飛散物の堆積量が、ケース部材12の内壁面24やトリガ放電膜28の箇所毎にバラバラであることが、放電開始電圧の不安定化を促進する大きな要因となっている。
すなわち、上記2の放電管40の如く、被膜30の形成される穴部29が、放電電極部18の表面にマトリクス状に配置形成されていると、円筒状のケース部材12の内壁面24と各穴部29との距離がバラバラであるため、穴部29との距離が小さい箇所のケース部材12の内壁面24・トリガ放電膜28へのスパッタ飛散物の堆積量は多くなり、一方、穴部29との距離が大きい箇所のケース部材12の内壁面24・トリガ放電膜28へのスパッタ飛散物の堆積量は少ないことから、放電開始電圧の不安定化を生じることがある。
これに対し、本考案に係る第3の放電管50にあっては、被膜30が形成される多数の穴部29を、円筒状のケース部材12の内壁面24と同心の円X,Y上に配置形成したので、同一の円X又はY上に配置された各穴部29とケース部材12の内壁面24との距離は全て同一となる。
このため、ケース部材12の内壁面24の特定の箇所及び特定のトリガ放電膜28において、スパッタ飛散物の堆積量に多少の差が生じることを抑制でき、ケース部材12の内壁面24及びトリガ放電膜28へのスパッタ飛散物の堆積量が平準化されるので、放電開始電圧の安定化を実現できる。
本考案に係る第1の放電管を示す概略断面図である。 図1のA−A概略断面図である。 本考案に係る第2の放電管を示す概略断面図である。 図3のB−B概略断面図である。 本考案に係る第2の放電管の要部拡大断面図である。 本考案に係る第2の放電管の放電電極部表面を示す拡大図である。 本考案に係る第2の放電管を250℃の高温環境下で2000時間以上の長時間放置した場合における、放電開始電圧の変化率を示すグラフである。 本考案に係る第2の放電管の暗中での放電回数と初期放電開始電圧との関係を示すグラフである。 本考案に係る第2の放電管の暗中での放電回数と追随放電開始電圧との関係を示すグラフである。 本考案に係る第3の放電管を示す概略断面図である。 図10のC−C概略断面図である。 本考案に係る第3の放電管の要部拡大断面図である。 本考案に係る第3の放電管の放電電極部表面を示す拡大図である。 本考案に係る第3の放電管の変形例の放電電極部表面を示す拡大図である。 本考案に係る第3の放電管の変形例の要部拡大断面図である。 従来の放電管を示す概略断面図である。 従来の放電管を250℃の高温環境下で24時間放置した場合における、放電開始電圧の変化率を示すグラフである。
符号の説明
10 第1の放電管
12 ケース部材
14 蓋部材
16 気密外囲器
18 放電電極部
20 接合部
22 放電間隙
24 ケース部材の内壁面
26 微小放電間隙
28 トリガ放電膜
29 穴部
30 被膜
40 第2の放電管
50 第3の放電管
X 円筒状のケース部材の内壁面と同心の円
Y 円筒状のケース部材の内壁面と同心の円

Claims (4)

  1. 複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入してなる放電管において、上記放電電極の表面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜を形成したことを特徴とする放電管。
  2. 複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入してなる放電管において、上記放電電極の表面に、多数の穴部を形成すると共に、上記穴部内面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜を形成したことを特徴とする放電管。
  3. 円筒状のケース部材の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材で気密に封止することによって気密外囲器を形成すると共に、該気密外囲器内に放電ガスを封入し、また、気密外囲器内に配置される上記蓋部材の放電電極部間に放電間隙を形成すると共に、上記ケース部材の内壁面に、その両端が上記蓋部材と微小放電間隙を隔てて配置された複数のトリガ放電膜を形成してなる放電管において、上記放電電極部の表面に、上記円筒状のケース部材の内壁面と同心の円上に配置される多数の穴部を形成すると共に、上記穴部内面に、チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムが含有された被膜を形成したことを特徴とする放電管。
  4. 上記チタン、酸化マグネシウム、モリブデン酸カリウム及びモリブデン酸セシウムの含有割合は、チタンが0.01〜50重量%、酸化マグネシウムが0.01〜50重量%、モリブデン酸カリウムが0.01〜50重量%、モリブデン酸セシウムが0.01〜50重量%であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の放電管。
JP2008001507U 2008-03-14 2008-03-14 放電管 Expired - Lifetime JP3141982U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008001507U JP3141982U (ja) 2008-03-14 2008-03-14 放電管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008001507U JP3141982U (ja) 2008-03-14 2008-03-14 放電管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3141982U true JP3141982U (ja) 2008-05-29

Family

ID=43292018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008001507U Expired - Lifetime JP3141982U (ja) 2008-03-14 2008-03-14 放電管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3141982U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3151069U (ja) 放電管
JP3141985U (ja) 放電管
JP3141982U (ja) 放電管
JP4977524B2 (ja) 放電管及びその製造方法
JP3141984U (ja) 放電管
JP4651434B2 (ja) 放電管
JP3114203U (ja) 放電管
JP3141981U (ja) 放電管
JP3114203U7 (ja)
JP3150958U (ja) 放電管
JP3150959U (ja) 放電管
JP3140979U (ja) 放電管
JP3125268U (ja) 放電管
JP3133824U (ja) 放電管
JP3125264U (ja) 放電管
JP3128365U (ja) 放電管
JP3141150U (ja) 放電管
JP3140978U (ja) 放電管
JP2006134584A (ja) 放電管
JP3125270U (ja) 放電管
JP4764076B2 (ja) 放電管
JP3144111U (ja) 放電管
JP3125269U (ja) 放電管
JP3125266U (ja) 放電管
JP4651433B2 (ja) 放電管

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110507

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110507

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120507

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130507

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140507

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term