JP3084571B2 - 加工性の良好な高Si含有鋼板 - Google Patents

加工性の良好な高Si含有鋼板

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JP3084571B2 JP03139257A JP13925791A JP3084571B2 JP 3084571 B2 JP3084571 B2 JP 3084571B2 JP 03139257 A JP03139257 A JP 03139257A JP 13925791 A JP13925791 A JP 13925791A JP 3084571 B2 JP3084571 B2 JP 3084571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機の鉄心などに利
用されるSi含有鋼板の中でも、鉄損特性や、高周波域
での軟磁気特性に優れ、かつ電気機器に使用した際に、
交流励磁時の騒音を極めて小さくできる加工性の良好な
高Si含有鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】Siを含有したいわゆる電磁鋼板は、軟
磁性材料としてトランスの鉄心、モーターのコアなどに
使用される。この時電磁鋼板に要求される特性のうち、
最も重要なことは鉄損が低いことである。従来より言わ
れる、エネルギーロスの低減という意味から、あるい
は、電気機器の高効率化、保全のための温度上昇防止と
いう意味からも、交流使用時の低鉄損化は重要課題であ
る。さらに近年、社会の動向に合わせて、磁性材料を用
いた機器の高周波化が進んでおり、鉄損低減に対する社
会的要望が高まっている。
【0003】電磁鋼板の低鉄損化は、Siを含有させ
る、結晶粒の方位制御をする、等によってなされる。鉄
損は、直流鉄損と渦電流損に分けて考えることができ
る。うち渦電流損は、交流磁化に伴って変化する磁束密
度が誘起する渦電流の、ジュール熱によるエネルギーロ
スである。渦電流は、磁束密度の経時的変化速度に比例
して大きくなる。従って高周波化すればするほど渦電流
損は大きくなる。渦電流を小さくするには、磁性材料の
電気抵抗を大きくすればよい。鋼板にSiを含有させる
と電気抵抗が大きくなるので、渦電流を低減させること
ができる。そのために従来より電磁鋼板にはSiが含有
されてきた。
【0004】ところが、Si含有量が多くなると鋼は脆
くなり、圧延その他、鋼板を製造するプロセスが困難に
なる。プロセス上の困難は、加工温度を上げる(温間圧
延など)事で回避できるが、Siを6.5%程度まで含
有させると、製品の段階においても大変脆くなり、例え
ば巻コアなどに使用する際の曲げ加工なども困難にな
る。
【0005】通常の大量生産方式における鋼板の製造方
法は、まず転炉、電気炉などで所定の成分に溶成された
後、連続鋳造、あるいはインゴットキャスティング等に
よって鋼塊を製造する。鋼塊は所定の温度に加熱された
後、コイル状に巻取られる。双ロール法等によって薄い
鋳片を製造した場合は、鋳片のまま巻取られることもあ
る。巻取られた熱延板や薄鋳片は、巻ほぐされた後表面
の酸化層を除去され、冷間圧延に供される。冷延板もま
たコイル状に巻き取られ焼鈍に供される。この様に鋼板
製造プロセスの中には圧延、曲げの様な変形、加工工程
が多く含まれる。Siを多く含む鋼は脆いためにこの様
な通常の鉄鋼製造プロセスを通して鋼板を生産すること
が困難であった。
【0006】従来Siを多く含む鋼板を圧延するとき
は、鋼板を数100℃程度まで加熱して割れを回避して
きた。しかしながら、圧延時は圧延ロールによって抜熱
されるために、温度確保が非効率的になる。またコイル
巻ほぐしを行う場合もコイル全体を加熱する必要があ
り、生産性の低下、製造コストの上昇をきたす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、軟磁性
材料として良好な磁気特性を持つ高Si含有鋼の加工性
を向上させ、生産性を高める事を目的として本発明はな
された。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、高Si含有鋼
の靱性を向上させるために行った一連の実験結果より得
られた知見を基になされた。即ち、本発明の要旨とする
ところは、重量でSi:5.0〜8.0%、C:0.0
005〜0.1%を含み、また元素X(XはTi,Nb
のうち少なくとも1種)を含んでその量が 〔Cwt%〕≦〔Tiwt%〕/5+〔Nbwt%〕/9 で表され、その他不可避的不純物を含み、残部が実質的
にFeよりなることを特徴とする加工性の良好な高Si
含有鋼板にある。
【0009】次に、本発明を詳細に説明する。まずSi
量であるが、高Si含有鋼の特徴である、従来のSi含
有鋼板よりさらに良好な鉄損特性を発現させるための最
低限必要量として5.0wt%以上とした。また、Si量
が8%を超えると、本発明によっても加工が困難である
ばかりでなく、飽和磁束密度の低下に従い、更なる磁気
特性向上が得られないので、8wt%以下とした。
【0010】次にC量について説明する。Cが0.00
05wt%より少ないとき、Ti,Nbを添加しても靱性
が向上しなかったのでC量下限値とした。0.1wt%よ
り多いと高温でγ相、低温で炭化物が析出し、磁気特性
が劣化するので上限値とした。次にTi,Nb量につい
て説明する。これらの元素の効果を調べるためにSiを
6.5%、Cを0.002%含む鋼にTiを添加してシ
ャルピー衝撃試験を行った。図1に示した成分系の材料
を、高周波真空溶解炉で溶成し、熱間圧延を施して40
mmの厚さにした後1000℃で数分保持した後徐冷し
た。これから板幅方向に長さ55mm、幅10mm、厚さ1
0mmのシャルピー試験片を切り出し、300〜600℃
の間で試験を行った。結果を図1、2に示す。Tiを添
加することによって延性温度域での吸収エネルギーが大
きく増加した。また、脆性破面率も低下する。即ちTi
を添加したことによって靱性を向上させる事ができた。
Nbについても同様の効果が得られた。
【0011】ところが、上記の効果は、Cを含む鋼に対
して現れており、Tiについては重量でC量の5倍、N
bについては9倍添加すると効果は飽和する。図3、4
に、Si6.5%含む鋼に対して、C,Ti,Nbの添
加量を変えて衝撃試験を行った結果を示す。一般にTi
やNbは鋼中の固溶Cと結合してTiC,NbCの形で
析出するため、鋼中固溶Cを減少させることができる。
今回Tiを添加することによって靱性を向上させること
ができたのは、同様の冶金現象が生じたためであると考
えている。
【0012】従来Siを多く含む鋼にCを添加して、加
工性を良好ならしめる方法が知られていた。(J.Ir
on.Steel.Inst.,Feb.1967,1
58)この方法では、Cを多く添加して、熱間圧延時に
γ相を析出させる。α−γ2相域で圧延すると両相界面
で再結晶が生じ易くなり、結晶粒が微細化して靱性を向
上させることができる。しかしこの方法に従うとγ相あ
るいは炭化物相が多く析出して磁気特性を劣化させてし
まう。
【0013】そこでα相の析出しないC量範囲の中で高
Si鋼の靱性を調べた。結果を図3、4に示す。C量が
少ないと衝撃値は大きく、脆性延性遷移温度も低い。特
にC含有量が0.01%を超えると延性温度域での衝撃
値が大幅に劣化する。これは、高Si鋼に対して従来行
われていた温間加工すらも困難になることを意味する。
なお本試験片の金属組織写真を図5に示す。成分、試験
温度が変わっても結晶粒径、析出相等、金属組織上の変
化はみられない。従って今回の知見は、α単相Fe−S
i合金中の、固溶Cの効果であると考えられる。
【0014】
【実施例】
実施例1 表1に、Si,C,Ti,Nb量を変えた材料を冷間圧
延したときの、割れの状況を示す。本発明材は比較的低
温においても容易に圧延できるが、比較材は割れが発生
し、靱性が劣ることがわかる。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2 表2に、成分を変えたときの熱延板、冷延板の曲げ試験
を行ったときの結果を示す。熱延板は150℃で曲げ試
験を行っているが、冷延板は室温で行った。
【0017】
【表2】
【0018】実施例3 表3に、成分を変えた熱延コイルを巻ほぐしたときの割
れ性状を示す。温間での巻ほぐしは、熱延後コイルが冷
めきらないうちに行った。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明により、高Si含有鋼の靱性を向
上させ、従来よりある鋳造−圧延−コイル巻取りといっ
た通常の製鉄プロセスによったときの生産性向上、ある
いはコスト低減を可能にすることができる。その結果、
例えば軟磁気特性が極めて良好な6.5%Si鋼のよう
に、優れた特性を持ちながら実機生産が困難とされてき
た素材の提供を容易にすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Siを6.5%、Cを0.002%含む鋼にT
iを添加してシャルピー衝撃試験を行った結果を示すも
ので、衝撃値と試験温度の関係を表す。
【図2】Siを6.5%、Cを0.002%含む鋼にT
iを添加してシャルピー衝撃試験を行った結果を示すも
ので、脆性破面衝率と試験温度の関係を表す。
【図3】Siを6.5%含む鋼に対して、C,Tiの添
加量を変えて衝撃試験を行った結果を示す。
【図4】Siを6.5%含む鋼に対して、C,Nbの添
加量を変えて衝撃試験を行った結果を示す。
【図5】図3、図4に示す靱性試験に使用した試験片の
金属組織写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛神 義行 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日本製鐵株式会社 第3技術研究所 内 (72)発明者 北原 修二 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日本製鐡株式会社 第3技術研究所 内 (56)参考文献 特開 昭56−112439(JP,A) 特開 昭62−267447(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 303 C22C 38/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量でSi:5.0〜8.0%、C:
    0.0005〜0.1%を含み、また元素X(XはT
    i,Nbのうち少なくとも1種)を含んでその量が 〔Cwt%〕≦〔Tiwt%〕/5+〔Nbwt%〕/9 で表され、その他不可避的不純物を含み、残部は実質的
    にFeよりなることを特徴とする加工性の良好な高Si
    含有鋼板。
JP03139257A 1991-06-11 1991-06-11 加工性の良好な高Si含有鋼板 Expired - Lifetime JP3084571B2 (ja)

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