JP3058629U - スクロール圧縮機のシール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易でシール効果の高いスクロール圧
縮機のシール装置の提供。 【解決手段】 旋回スクロール、固定スクロール及び隔
離ブロックを具え、固定スクロールと隔離ブロックの間
にシールリングと弾性部品が設置され、該シールリング
と弾性部品が固定スクロールの吐出口の上端部分に配置
され、弾性部品がシールリングの下に配置され、圧縮機
が起動する時、シールリングの上下はいずれも低圧で、
シールリングが弾性部品の弾力により上向きに付勢され
て圧縮室内に高圧を形成するのに有利とされ、圧縮室内
に形成された高圧がシールリングを上向きに押すことに
より、高圧と低圧でのシール効果を達成するようにして
あることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種のスクロール圧縮機のシール装置に係り、特に、スクロール圧縮 機の固定スクロールと隔離ブロックの間に、低コストで製造可能なシール装置を 設けたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

スクロール圧縮機は、一つの固定スクロールと一つの旋回スクロールが相互に 噛み合って形成する複数の密閉空間を有し、この密閉空間の体積が外縁より中央 部に向けて徐々に縮小されており、周知の作業原理は図１と図２に示される。旋 回スクロール１が固定スクロール２に相対して公転し、低圧の作業流体ａを吸入 口ｂより進入させて圧縮し、さらに旋回スクロール１の連続公転により、作業流 体ａが固定スクロール２の中央付近に設けられた吐出口ｃから高圧の状態となり 吐き出され、作業流体の圧縮行程を完成する。

【０００３】 図３には従来の一種のスクロール圧縮機が示されている。このスクロール圧縮 機は、旋回スクロール１、固定スクロール２及び隔離ブロック３を具え、隔離ブ ロック３は固定スクロール２の上に設けられて固定スクロール２と旋回スクロー ル１に圧縮室を形成させており、作業流体の漏洩を防止するために、固定スクロ ール２の上端より延伸された頸部部分と隔離ブロック３の穿孔４の間にシール部 材５が設けられている。この構造には以下のような欠点があった。第１は、隔離 ブロック３の穿孔４はフレーム６、旋回スクロール１、固定スクロール２と中心 が良好に揃っている必要があり、製造と組立の困難度が高く、相対的に製造コス トが高くなった。そして第２に、隔離ブロック３の穿孔４が非常に長いため加圧 成形が難しく、鍛造或いは鋳造で形成しなければならず、製造コストが比較的高 くついた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は一種のスクロール圧縮機のシール装置を提供することを課題とし、そ れは、シールリングと弾性部品の構成するシール構造の利用により、隔離ブロッ クの穿孔を旋回スクロール、固定スクロール及びフレームと中心を合わせる必要 を無くし、製造と組立の困難度を減らし、製造コストを下げ、且つ隔離ブロック の穿孔を短縮可能として隔離ブロックを加圧成形により容易に製造できるように し、製造コストを下げるものとする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、固定スクロール１１、旋回スクロール１０及び隔離ブロッ ク１２を具え、該固定スクロール１１は渦巻状の固定スクロールラップ２１を具 えると共に中央に吐出口を具え、旋回スクロール１０は旋回スクロールラップ２ ０を具えて上記固定スクロール１１との間に複数の圧縮室を形成し外力を受けて 駆動され公転を進行するが自転せず吸入口より圧縮室に吸入した低圧作業流体を 、連続公転により圧縮して高圧状態として固定スクロール１１の吐出口より吐き 出させ、隔離ブロック１２はスクロール圧縮機のケース２２内に収容されて該ケ ース２２内を高圧収容室と低圧収容室に区画し、隔離ブロック１２に該高圧収容 室と低圧収容室に連通する穿孔２６が設けられているスクロール圧縮機において 、 該固定スクロール１１と隔離ブロック１２の間にシールリング２４と弾性部品 ２５が設けられ、該シールリング２４と弾性部品２５が固定スクロール１１の吐 出口の上端部分に設けられて、弾性部品２５がシールリング２４の下に置かれ、 シールリング２４が弾性部品２５の弾力により上に押されて圧縮室内の高圧形成 に有利とされ、圧縮室内に形成された高圧気体によりシールリング２４が上に押 されることで、高圧と低圧でのシールを行うようにして構成された、スクロール 圧縮機のシール装置としている。

【０００６】 請求項２の考案は、前記シールリング２４が金属材料で製造されたものである ことを特徴とする、請求項１に記載のスクロール圧縮機のシール装置としている 。

【０００７】 請求項３の考案は、前記シールリング２４の外壁に一つのシール部材２７を套 設可能であることを特徴とする、請求項１に記載のスクロール圧縮機のシール装 置としている。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案のスクロール圧縮機のシール装置は、旋回スクロール、固定スクロール 及び隔離ブロックを具え、固定スクロールと隔離ブロックの間にシールリングと 弾性部品を設置し、該シールリングと弾性部品を固定スクロールの吐出口の上端 部分に配置し、弾性部品をシールリングの下に配置してあり、圧縮機が起動する 時、シールリングの上下はいずれも低圧で、シールリングが弾性部品の弾力によ り上向きに付勢されており、圧縮室内での高圧形成に有利とされ、圧縮室内に高 圧が形成されると、シールリングは圧縮室の高圧により上向きに押されて、圧縮 室内の圧力変化に応じたシール効果が達成されるようにしてある。本考案はシー ルリングと弾性部品の構成するシール構造を利用したことで、隔離ブロックの穿 孔を旋回スクロール、固定スクロール及びフレームと中心を合わせる必要を無く し、製造と組立の困難度を減らし、製造コストを下げ、且つ隔離ブロックの穿孔 を短縮可能として隔離ブロックを加圧成形により容易に製造できるようにしたこ とによっても製造コストを下げている。

【０００９】

【実施例】

図４及び図５に示されるように、本考案の応用されるスクロール圧縮機は、旋 回スクロール１０、固定スクロール１１、隔離ブロック１２、オルダムリング１ ３、フレーム１４、クランク軸１５、モータロータ１６及びモータステータ１７ を具え、該クランク軸１５とモータロータ１６が結合固定されて、クランク軸１ ５の上部に嵌め輪１８が設けられ、モータに通電後、モータロータ１６がクラン ク軸１５を共に回転させ、クランク軸１５の上部の嵌め輪１８が旋回スクロール １０に伝動してモータロータ１６の中心に対して偏心回転運動を行わせるように してあり、フレーム１４の上部にオルダムリング１３が設置され、旋回スクロー ル１０が外力駆動を受ける時にオルダムリング１３が旋回スクロール１０を公転 駆動のみ進行可能に制御して自転運動不能とし、旋回スクロール１０は固定スク ロール１１により緊密にフレーム１４上に圧迫され、固定スクロール１１は従動 止め片１９によりフレーム１４上に固定され、従動止め片１９により固定スクロ ール１１が細微な軸方向運動可能とされ、旋回スクロール１０と固定スクロール １１がそれぞれ旋回スクロールラップ２０と固定スクロールラップ２１を具え、 相互間に複数の圧縮室を形成し、隔離ブロック１２はスクロール圧縮機のケース ２２内に固定され、ケース２２内部が隔離ブロック１２により高圧収容室と低圧 収容室に隔離され、隔離ブロック１２の中間に一つの穿孔２６が設けられてこれ ら二つの収容室を連通させている。低圧作業流体が吸入口ｂより圧縮室に吸入さ れた後、旋回スクロール１０の連続公転により圧迫された作業流体は、固定スク ロール１１の中央を貫通する吐出口ｃより吐き出され、その後、ケース２２の出 気管２３より高圧状態の作業流体が圧縮機外へと排出される。

【００１０】 本考案によると、上記固定スクロール１１と隔離ブロック１２の間に、金属材 料で製造されたシールリング２４と弾性部品２６、例えばスプリングが設置され 、該シールリング２４と弾性部品２５は旋回スクロール１０は固定スクロール１ １の吐出口ｃの上端部分に配置され、弾性部品２５はシールリング２４の下に配 置され、シールリング２４は弾性部品２５の弾力により隔離ブロック１２の底部 の穿孔２６の外縁部分に突き当てられ、シールリング２４の外壁にさらに一つの シール部材２７が套設されている。圧縮機が起動する時、シールリング２４の上 下はいずれも低圧で、シールリング２４は弾性部品２５の微小な弾力により上向 きに付勢されており、圧縮室内に高圧を形成するのに有利とされ、圧縮室内に高 圧が形成されると、シールリング２４は圧縮室の高圧により上向きに押されて、 こうして高圧或いは低圧でのシール効果を達成できるようにしてある。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、シールリング２４と弾性部品２５の構成するシール構造を利用した ことで、隔離ブロック１２の穿孔２６の中心を旋回スクロール１０、固定スクロ ール１１及びフレーム１４の中心と合わせる必要を無くし、製造と組立の困難度 を減らし、製造コストを下げ、且つ隔離ブロック１２の穿孔２６を短縮可能とし て隔離ブロック１２を加圧成形により容易に製造できるようにしたことによって も製造コストを下げている。

【００１２】 このように本考案は従来のスクロール圧縮機の欠点を改善しており、極めて新 規性、進歩性及び実用性を有する考案であるといえよう。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知のスクロール圧縮機の動作原理説明図であ
る。

【図２】周知のスクロール圧縮機の動作原理説明図であ
る。

【図３】周知のスクロール圧縮機の断面図である。

【図４】本考案によるスクロール圧縮機の断面図であ
る。

【図５】本考案のスクロール圧縮機のシール装置の断面
図である。

【符号の説明】

１０ 旋回スクロール １１ 固定スクロール １２ 隔離ブロック １３ オルダムリング １４ フレーム １５ クランク軸 １６ モータロータ １７ モータステータ １８ 嵌め輪 １９ 従動ストッパ ２０ 旋回スクロールラップ ２１ 固定スクロールラップ ２２ ケース ２３ 出気管 ２４ シールリング ２５ 弾性部品 ２６ 穿孔 ２７ シール部材 １ 旋回スクロール ２ 固定スクロール ３ 隔離ブロック ４ 穿孔 ５ シール部材 ６ フレーム ａ 作業流体 ｂ 吸入口 ｃ 吐出口

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定スクロール１１、旋回スクロール１
   ０及び隔離ブロック１２を具え、該固定スクロール１１
   は渦巻状の固定スクロールラップ２１を具えると共に中
   央に吐出口を具え、旋回スクロール１０は旋回スクロー
   ルラップ２０を具えて上記固定スクロール１１との間に
   複数の圧縮室を形成し外力を受けて駆動され公転を進行
   するが自転せず吸入口より圧縮室に吸入した低圧作業流
   体を、連続公転により圧縮して高圧状態として固定スク
   ロール１１の吐出口より吐き出させ、隔離ブロック１２
   はスクロール圧縮機のケース２２内に収容されて該ケー
   ス２２内を高圧収容室と低圧収容室に区画し、隔離ブロ
   ック１２に該高圧収容室と低圧収容室に連通する穿孔２
   ６が設けられているスクロール圧縮機において、 該固定スクロール１１と隔離ブロック１２の間にシール
   リング２４と弾性部品２５が設けられ、該シールリング
   ２４と弾性部品２５が固定スクロール１１の吐出口の上
   端部分に設けられて、弾性部品２５がシールリング２４
   の下に置かれ、シールリング２４が弾性部品２５の弾力
   により上に押されて圧縮室内の高圧形成に有利とされ、
   圧縮室内に形成された高圧気体によりシールリング２４
   が上に押されることで、高圧と低圧でのシールを行うよ
   うにして構成された、スクロール圧縮機のシール装置。
2. 【請求項２】 前記シールリング２４が金属材料で製造
   されたものであることを特徴とする、請求項１に記載の
   スクロール圧縮機のシール装置。
3. 【請求項３】 前記シールリング２４の外壁に一つのシ
   ール部材２７を套設可能であることを特徴とする、請求
   項１に記載のスクロール圧縮機のシール装置。