JP3058021B2 - 嵩高艶消し塗被紙の製造方法 - Google Patents

嵩高艶消し塗被紙の製造方法

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JP3058021B2
JP3058021B2 JP6228423A JP22842394A JP3058021B2 JP 3058021 B2 JP3058021 B2 JP 3058021B2 JP 6228423 A JP6228423 A JP 6228423A JP 22842394 A JP22842394 A JP 22842394A JP 3058021 B2 JP3058021 B2 JP 3058021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、艶消し塗被紙の製造方
法に関し、特に腰が強く、印刷適性に優れ、かつブラン
ケットパイリングおよび印刷インクの定着不良(印刷イ
ンクの裏移り)が解消された嵩高艶消し塗被紙の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗被紙は各種印刷用紙や産業用紙
として巾広い分野で多量に利用されている。このような
塗被紙は塗被される塗料の組成分(顔料や接着剤の種
類)や塗工方式、あるいは仕上げ方法等によって、いろ
いろな特徴を有する塗被紙として仕上げられる。
【0003】例えば、キャスト方式で仕上げられる塗被
紙は高光沢と高平滑性を有し、高級感を必要とする印刷
物やファッションバック等に利用されている。また、汎
用性のある光沢を付与した塗被紙も巾広く各種の印刷物
や産業用紙等に利用されている。一方、塗被紙の中にあ
って、その表面の光沢が殆ど要求されない、所謂艶消し
塗被紙といわれる塗被紙がある。このような艶消し塗被
紙は意図的にその表面光沢を抑えているために、白紙光
沢を有する通常の塗被紙と比較し視覚に上品なイメージ
を訴える力があり、さらに印刷物にすると疲労感を覚え
ることなく眺めることができる等の理由から、その利用
範囲も高級な美術印刷、カタログ、パンフレット、カレ
ンダーや商業出版本文用紙等に亘って幅広く伸びてい
る。
【0004】ところで、艶消し塗被紙とは、一般にその
表面の光沢度がJIS P−8142に準拠した光沢度
計で測定した場合、75°光沢値で40%以下のものを
艶消しと称している。一般に、艶消し塗被紙には2つの
タイプがあり、その1つはマット−グロス型と呼ばれ、
白紙光沢は低いが、高いインク(印刷)光沢を呈するダ
ル調の艶消し塗被紙であり、他の1つは、マット−マッ
ト型と呼ばれ、白紙光沢、インクグロスともに低調なマ
ット調艶消し塗被紙である。
【0005】即ち、前者のダル調艶消し塗被紙の製造方
法は、白紙表面光沢を抑制して、インクグロスを発現さ
せる必要性があることから、緻密な塗被層表面を設ける
ことが重要である。そのために、サチンホワイト、カオ
リン、水酸化アルミニウム等の針状、平板状の形状でそ
の平均粒子径が約0.5〜1.5μmの比較的微粒子の
顔料を使用した塗被組成物を原紙に塗被して仕上げる、
例えば特開平4−108199号公報に提案されている
ような塗被層表面を、粗面化金属ロールを有するキャレ
ンダーで艶消し仕上げする低白紙光沢−高インクグロス
の艶消し塗被紙である。従って、白紙光沢(JIS P
−8142法)も25〜40%程度で比較的高い光沢値
を示す。
【0006】後者のマット調の艶消し塗被紙の製造方法
は、通常の印刷塗被紙の製造方法で使用される塗被紙用
顔料のうち、2〜10μm程度の比較的粗い顔料を主成
分とする水性塗被組成物を原紙に塗被、乾燥後、そのま
ま仕上げるか、あるいは、非常に軽いキャレンダー処理
を施して仕上げるものであり、白紙光沢は、3〜30%
程度で低く、所謂、低白紙光沢−低インクグロスの艶消
し塗被紙である。
【0007】特に後者の場合は、通常の光沢を呈する塗
被紙や、前者のダル調艶消し塗被紙に比較して、粗い重
質炭酸カルシウムを顔料の主成分とし、キャレンダー加
圧処理を非常に軽く施すために、平滑性にも限度があ
り、かつ印刷適性も悪いのが実状である。さらに、この
ようなマット調艶消し塗被紙を印刷工程に掛けた場合、
平判印刷された紙は印刷後棒積みにしたときに、印刷イ
ンクが白紙部に転移して、所謂インクの裏移りが発生
し、印刷物の品質を著しく低下させる傾向がある。
【0008】また、印刷を終えた後には、製本工程を経
て製本化される。その場合の印刷物は、折り機や丁合機
で印刷部と白紙部とが接触することになり、印刷インク
が白紙部に転移したり、製本後の積み重ねで表紙と裏表
紙とが接触することになり、印刷インクが白紙面に転移
して、印刷物の品質低下を招くといった難点を抱えてい
るのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白紙光沢お
よび印刷インク光沢がともに低く抑えられ、印刷工程
上、インクの裏移りやブランケットパイリングが発生せ
ず、良好な印刷適性と印刷作業性を有し、かつ嵩高で、
紙腰のあるマット調艶消し塗被紙を得る方法を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に、顔
料および接着剤を主成分とする水性塗被組成物を塗被、
乾燥後、キャレンダー仕上げする嵩高艶消し塗被紙の製
造方法において、該原紙として、緊度が0.7g/cm
3 未満、かつベック平滑度が7秒/10cc〜20秒/
10ccである原紙を用い、水性塗被組成物中の顔料と
して、全顔料に対しサチンホワイトが5〜25重量%、
および平均粒子径が5〜15μmである重質炭酸カルシ
ウムが50〜95重量%含有せしめられ、さらに仕上が
り製品の緊度が1.10g/cm3 以下となるようにキ
ャレンダー仕上げすることを特徴とする嵩高艶消し塗被
紙の製造方法である。
【0011】
【作用】本発明者等は、前述したように、白紙光沢およ
び印刷インク光沢がともに低く抑えられ、また、印刷工
程上でのブランケットパイリングや印刷インクの裏移り
現象がなく、印刷適性に優れ、嵩高で紙腰のあるマット
調の艶消し塗被紙を得るべく、鋭意検討、研究を重ね
た。
【0012】その結果、特定の緊度、平滑度を有する原
紙上に、サチンホワイトと特定の粒子径をもつ重質炭酸
カルシウムおよび接着剤を主成分とする水性塗被組成物
を塗被、乾燥してなる艶消し塗被紙は、白紙光沢および
印刷光沢がともに抑えられ、かつ紙腰が強く、印刷適性
に優れ、ブランケットパイリングやインク定着不良が解
消され、極めて優れた嵩高艶消し塗被紙が得られること
を見出し、遂に本発明を完成するに至ったものである。
【0013】先ず、本発明で特徴となる原紙について述
べる。通常塗被紙に使用される原紙の緊度は特に限定さ
れるものでないが、一般的には0.7〜0.95g/c
3 程度のものが使用されている。本発明においては、
緊度が0.7g/cm3 未満、かつベック平滑度が7秒
/10cc〜20秒/10ccにある原紙を使用するこ
とにより、所望の効果を得るものである。因みに、緊度
が0.7g/cm3 以上の原紙を使用すると、最終製品
に仕上げた場合に、嵩高さ、および紙腰が低くなり好ま
しくない。なお、ベック平滑度が7秒/10cc未満の
原紙を使用すると、塗被層を設けた後の平滑性が劣り、
製品に仕上げたときにブランケットパイリングが発生
し、印刷適性が悪化する。他方、20秒/10ccを越
える原紙を用いると、塗被層を設けた後のインキグロス
が発現し易くなり、印刷適性上マット調の印刷仕上りが
難しくなり、所望の艶消し効果が得られない。したがっ
て、原紙としては上記に特定される緊度および平滑度の
両方の条件が満たされて初めて本発明が所望とする効果
が発揮されるものである。
【0014】なお、原紙の緊度を低くする方法(手段)
としては、パルプの叩解を緩くする、嵩高い填料を使用
する、抄紙機プレスでの初期脱水を少なくする、抄紙機
キャレンダーの圧を軽減する、あるいはパルプ繊維の選
択(例えば、細胞膜の厚いパルプを使用)等により原紙
の緊度を調節することができる。また、原紙のベック平
滑度を調整する方法としては、パルプの叩解、原紙に内
添する填料の種類や量の調節、抄紙機キャレンダー圧の
調節等により調整することができる。これら、原紙の緊
度と平滑度は同一の方法でかつ数種類の要件により調整
が可能なので、バランスが取りやすく、最終製品の品質
仕様を勘案して、上記手段の1つ、または2つ以上を適
宜組合わせることにより、所望の原紙条件に調整でき
る。
【0015】次ぎに、本発明で2番目の特徴となる水性
塗被組成物について述べる。従来より、高平滑性および
高光沢を有し、印刷適性の優れた塗被紙を得る方法とし
て、サチンホワイトを配合した水性塗被組成物を原紙に
塗被して塗被紙を得る方法が知られている。しかしなが
ら、サチンホワイトは、独特の粒子形状、粒子径、配向
性に基いて高光沢を発現するために、一般的にはグロス
系の塗被紙に使用される。また、艶消し塗被紙にサチン
ホワイトを使用した例もあるが、これもマット−グロス
型のダル調艶消し塗被紙であり、製造方法も粗面化ロー
ルによる処理等を施し、光沢を抑えるものである。
【0016】本発明者等は、サチンホワイトの独特の粒
子形状、粒子径、配向性等の特性に着目し、さらに、特
定の粒子径をもつ炭酸カルシウムと組合わすことによ
り、白紙光沢および印刷光沢がともに低い、高品質のマ
ット調艶消し塗被紙が得られることを見出したのであ
る。
【0017】即ち、サチンホワイトがその特性として有
する、嵩高い塗被層の形成能、および高い吸油性能に着
目して種々実験を重ねたところ、極めて優れた効果を発
揮できることが分かった。ところが、一方で上記の如き
サチンホワイトは、独特の粒子形状、粒子径、配向性向
等に基いて、光沢が高くなりすぎる難点があり、そのま
まの適用は困難であることが分かり、さらに検討を重ね
た。その結果、光沢を抑えることのできる、特定の粒子
径をもつ重質炭酸カルシウムと組合わすことによりマッ
ト調の艶消し塗被紙を得ることができ、光沢コントロー
ルを十分に行えることが分かり、本発明が所望とする極
めて優れたマット調艶消し塗被紙を得ることに成功し
た。
【0018】次に、本発明において、重要な顔料となる
特定の粒子径を有する重質炭酸カルシウムについて述べ
る。本発明における重質炭酸カルシウムとしては、その
平均粒子径がセディグラフ5000−1(島津製作所
製)で測定した値で5〜15μmのものを使用すること
が重要である。因みに、5μm未満の場合、低調な光沢
を得ることが難しい。他方、15μmを越えると、塗被
層のミクロな平滑性が損なわれ、印刷適性が悪化し、さ
らにブランケットパイリングや塗被層面にこすれ傷等が
発現され易くなり、好ましくない。なお、重質炭酸カル
シウムの配合量としては、全顔料に対し50重量%以上
配合されていることが重要である。因みに、50重量%
未満では、白紙光沢やインクグロスが発現され易く、所
望のマット調を有する印刷適性の優れた製品が得られ難
くなる。
【0019】このように、特定の原紙上に塗被層用の顔
料として、光沢が出やすいサチンホワイトと相対的に光
沢の低い特定の平均粒子径を有する炭酸カルシウムを特
定量配合することにより、そのバランス効果によって、
初めて、嵩高で、優れた印刷適性を有するマット−マッ
ト調の艶消し塗被紙を得ることができた。なお、塗被層
用の顔料としては、上記のサチンホワイト、重質炭酸カ
ルシウムのほかに、本発明の目的、効果を損なわない範
囲で例えば沈降性炭酸カルシウム、タルク、水酸化アル
ミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛等の
一般塗被紙用顔料として使用されている無機顔料、プラ
スチックピグメント、合成樹脂性中空ピグメント、バイ
ンダーピグメント等の有機顔料の1種以上を適宣使用す
ることができる。特に、平均粒子径が0.5〜4μmの
範囲にある沈降性炭酸カルシウムを全顔料に対し10重
量%以上配合することにより、塗被層が嵩高くなり易
く、ブランケットパイリングの解消効果に優れ、高品質
の艶消し塗被紙が得られることが分かった。
【0020】水性塗被組成物に使用される接着剤として
は、特に限定されるものではなく、通常の塗被紙製造分
野で使用される接着剤、例えば各種の澱粉類、カゼイ
ン、あるいは大豆蛋白等の蛋白質類、スチレン−ブタジ
エン共重合体ラテックス、アクリル系ラテックスやポリ
ビニルアルコール等の合成高分子類を適宣使用すること
ができるが、中でもスチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックスおよびアクリル系ラテックスが特に好ましい。
【0021】さらに、上記以外に各種助剤、例えば分散
剤、防腐剤、染料、保水剤、硬化剤、耐水化剤を必要に
応じて添加することもできる。
【0022】本発明では、上記の如くして得られた水性
塗被組成物(塗被液)を先に特定した原紙上に塗被する
ことによって、所望とする艶消し塗被紙を得るものであ
る。なお、この場合の塗被液の塗被量は、仕上がり製品
の品質を考慮すると、片面あたり固形分で10〜25g
/m2 の範囲で調節するのが好ましい。さらに、本発明
の方法によって得られる製品の塗被層と原紙層との構成
比率としては、塗被層/(塗被層+原紙層)=20〜3
5重量%の比率となるように構成させるのが、紙腰や印
刷適性等の品質バランス上最も好ましい範囲であること
が分かった。
【0023】また、塗被液を原紙上に塗被する方法は通
常の塗工紙分野で使用されている塗工装置、例えばエア
ーナイフコーター、各種のブレードコーター、チャンプ
レックスコーター等が適宣使用でき、特に限定されるも
のではないが、塗被層の平滑性を必要とする本発明にお
いてはブレードコーターによる塗工方法が最も適してい
る。
【0024】上記の如き方法により得られた塗被紙は、
各種公知公用の仕上げ用加圧装置、例えばスーパーキャ
レンダー、グロスキャレンダー等に通紙して製品に仕上
げられる。本発明の場合、その目的より、平滑化し易
く、かつ光沢が発現され難いような加圧方法をとる必要
があり、硬質樹脂ロール等を装備したキャレンダーに通
紙して仕上げる方法が望ましい。そして最終製品の緊度
としては、その値が1.10g/cm3 を越えないよう
に加圧操作をすることが特に重要である。因みに1.1
0g/cm3 を越えると、紙腰が顕著に低下し、所望と
する嵩高艶消し塗被紙が得られなくなる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論それらに限定されるものではない。
なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞ
れ固形分換算での「重量部」および「重量%」を示す。
【0026】実施例1、実施例4〜6,比較例5〜6 顔料として、サチンホワイト10部と表2に示すような
平均粒子径を持つ重質炭酸カルシウム65部と沈降性炭
酸カルシウム25部(計100部)、および接着剤とし
て酸化澱粉5部、およびスチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス10部からなる濃度60%の水性塗被組成物
(塗被液)を調製した。かくして得られた塗被液を緊度
0.65g/cm3 の上質原紙(米坪130g/m2
上に、乾燥重量が片面で15g/m2 となるようにブレ
ードコーターで両面塗被後、乾燥して塗被紙を得た。次
いで、この塗被紙を仕上げ緊度が0.95g/cm3
なるようにスーパーキャレンダー掛けして艶消し塗被紙
を得た。
【0027】かくして得られた嵩高艶消し塗被紙につい
て、下記に示すような評価方法により品質評価を行い、
その結果を表3にまとめて示した。
【0028】実施例2、比較例1〜2 表1に示すような緊度(比較例1:0.60g/c
3 、実施例2:0.68g/cm3 、比較例2:0.
80g/cm3 )を持つ上質原紙を使用した以外は実施
例1と同様にして塗被紙を得た。さらに、この塗被紙を
仕上げ緊度が表3に示すような緊度(比較例1:0.9
0g/cm3 、実施例2:0.98g/cm 3 、比較例
2:1.05g/cm3 )になるようにスーパーキャレ
ンダー掛けして嵩高艶消し塗被紙を得た。かくして得ら
れた塗被紙について、実施例1と同様にして品質評価を
行い、その結果を表3にまとめて示した。
【0029】比較例3 顔料として、表2に示すような平均粒子径を持つ、重質
炭酸カルシウム65部と沈降性炭酸カルシウム35部、
接着剤として顔料100部に対し、酸化澱粉5部、スチ
レン−ブタジエン共重合体ラテックス10部からなる濃
度65%の塗被液を用いた以外は実施例1と同様にして
嵩高艶消し塗被紙を得た。かくして得られた塗被紙につ
いて、実施例1と同様にして品質評価を行い、その結果
を表3にまとめて示した。
【0030】実施例3 顔料として、サチンホワイト15部、表2に示すような
平均粒子径を持つ重質炭酸カルシウム65部と沈降性炭
酸カルシウム20部、接着剤として酸化澱粉5部、スチ
レン−ブタジエン共重合体ラテックス10部からなる濃
度55%の塗被液を用いた以外は実施例1と同様にして
嵩高艶消し塗被紙を得た。かくして得られた塗被紙につ
いて、実施例1と同様にして品質評価を行い、その結果
を表3にまとめて示した。
【0031】比較例4 顔料として、サチンホワイト30部、表2に示すような
平均粒子径を持つ重質炭酸カルシウム65部と沈降性炭
酸カルシウム5部、接着剤として酸化澱粉5部、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックス10部からなる濃度
50%の塗被液を用いた以外は実施例1と同様にして嵩
高艶消し塗被紙を得た。かくして得られた塗被紙につい
て、実施例1と同様にして品質評価を行い、その結果を
表3にまとめて示した。
【0032】実施例7〜9 緊度が0.65g/cm3 で、表1に示すような原紙米
坪(実施例7:144g/m2 、実施例8:140g/
2 、実施例9:100g/m2 )を有する原紙を使用
し、それぞれ塗被量を片面当たり(実施例7:8g/m
2 、実施例8:10g/m2 、実施例9:30g/
2 )とした以外は、実施例1と同様にして嵩高艶消し
塗被紙を得た。かくして得られた塗被紙について、実施
例1と同様にして品質評価を行い、得られた結果を表3
にまとめて示した。
【0033】実施例10〜11、比較例7 実施例1において、最終の仕上げスーパーキャレンダー
の条件を変更して、その製品緊度をそれぞれ、実施例1
0(0.90g/cm3 )、実施例11(1.00g/
cm3 )、比較例7(1.15g/cm3 )と仕上げた
以外は、実施例1と同様にして嵩高艶消し塗被紙を得
た。かくして得られた塗被紙について、実施例1と同様
にして品質評価を行い、その結果を表3にまとめて示し
た。
【0034】なお、艶消し塗被紙の品質評価を下記の方
法に基づいて行った。得られた結果を表3にまとめて示
した。
【0035】〔評価項目および評価方法〕
【0036】(原紙緊度)JIS−P−8124法に準
拠して米坪測定を行い、ついでJIS−P−8118法
に準拠して紙厚測定を行い、米坪を紙厚で割り、緊度
(単位:g/cm3)とした。
【0037】(原紙平滑度)JIS−P−8119法に
準拠し、ベック平滑度計を用いて測定した(単位:秒/
10cc)。
【0038】(顔料の平均粒子径)重力沈降法(測定器
/SEDI−GRAPH 5000−1/島津製作所
製)により粒度分布測定を行い、蓄積重量50%時の値
を平均粒子径とした。
【0039】(白紙光沢度)JIS−P−8142法に
準拠して、75度条件で測定した。
【0040】(白紙平滑度)スムースター平滑度計(東
英電子(株)製)を用いて測定した。値が小さい程、平
滑性が高い。
【0041】(紙腰/剛度)J.TAPPI No.40
法に準拠して、サンプルの縦目、横目での測定を行い、
得られた結果を平均して、剛度とした。(単位:mg
f)
【0042】(印刷インキグロス)ダイヤオフセット印
刷機(三菱重工製)を用いて、8000枚/時間の印刷
スピード下で4色印刷を行い、印刷物の墨単色、および
墨、藍、赤、黄の4色重ね部のインキグロスを目視で判
定した。 ◎ :インキが沈み、インキグロスがなく、非常にしっ
とりとしたマット調の印刷仕上がりであった。 ○ :インキが程よく沈み、インキグロスがなく、マッ
ト調の印刷仕上がりであった。 × :インキグロスが発現され、マット調の印刷物が得
られない。
【0043】(印刷インキの裏移り)ダイヤオフセット
印刷機(三菱重工製)を用いて、8000枚/時間の印
刷スピード下で4色印刷(墨、藍、赤、黄の4色)を行
い、印刷後、その印刷面上に約2000枚程度の印刷物
を棒積みにして、その状態で約24時間室温放置した。
その後、棒積みにしている印刷物を1枚づつめくり、4
色重ね刷りとなっている印刷部とその部分に接している
他の印刷物の裏面(白紙部)の印刷インキによる汚れ状
態(裏移り)を目視判定した。 ◎ :インキの定着が速く、白紙部へのインキ移り(汚
れ)が全く認められない。 ○ :インキの定着が良く、殆ど白紙部へのインキ移り
(汚れ)が認められない。 △ :インキの定着が悪く、白紙部へのインキ移り(汚
れ)が認められる。 × :インキの定着が非常に悪く、白紙部へのインキ移
り(汚れ)がかなり認められる。
【0044】(印刷時のブランケットパイリング)ダイ
ヤオフセット印刷機(三菱重工製)を用いて、8000
枚/時間の印刷スピード下で3000枚の単色印刷を行
い、印刷完了後にブランケットおよび印刷物を目視判定
した。 ◎ :印刷終了時、ブランケット上に塗被組成物(塗被
層)の蓄積が認められない。 ○ :塗被層がブランケット上に少量づつ取られている
ものの、自動洗浄装置で対応できる程度であり、印刷お
よび印刷物には影響がでていない。 △ :塗被層がブランケット上に取られているが、印刷
物への影響は殆ど認められない。 × :塗被層がブランケット上に取られており、印刷の
途中から印刷面へ影響がでて、美麗な印刷ができない。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】表3から明らかなように、本発明におけ
る実施例で得られた艶消し塗被紙は、白紙光沢、および
印刷光沢がともに低く、特に紙腰(剛度)が強く、かつ
ブランケットパイリングやインキの裏移りが極めて少な
く、印刷適性に優れた嵩高艶消し塗被紙であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、顔料および接着剤を主成分とす
    る水性塗被組成物を塗被、乾燥後、キャレンダー仕上げ
    する嵩高艶消し塗被紙の製造方法において、該原紙とし
    て、緊度が0.7g/cm3 未満、かつベック平滑度が
    7秒/10cc〜20秒/10ccである原紙を用い、
    水性塗被組成物中の顔料として、全顔料に対しサチンホ
    ワイトが5〜25重量%、および平均粒子径が5〜15
    μmである重質炭酸カルシウムが50〜95重量%含有
    せしめられ、さらに仕上がり製品の緊度が1.10g/
    cm3 以下となるようにキャレンダー仕上げすることを
    特徴とする嵩高艶消し塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】顔料として、平均粒子径が0.5〜4μm
    である沈降性炭酸カルシウムが、全顔料に対し10重量
    %以上含有される請求項1記載の嵩高艶消し塗被紙の製
    造方法。
  3. 【請求項3】水性塗被組成物の乾燥後の塗被量が片面当
    たり10〜25g/m2である請求項1または請求項2
    記載の嵩高艶消し塗被紙の製造方法。
JP6228423A 1994-09-22 1994-09-22 嵩高艶消し塗被紙の製造方法 Expired - Fee Related JP3058021B2 (ja)

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