JP3056877B2 - 織物の毛羽検出装置 - Google Patents

織物の毛羽検出装置

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JP3056877B2
JP3056877B2 JP4087168A JP8716892A JP3056877B2 JP 3056877 B2 JP3056877 B2 JP 3056877B2 JP 4087168 A JP4087168 A JP 4087168A JP 8716892 A JP8716892 A JP 8716892A JP 3056877 B2 JP3056877 B2 JP 3056877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織物の毛羽検出装置に
係り、特に、織物の毛羽に接触可能でかつ織物に接触し
ないように配置した第1の振動検出手段により、織物と
第1の振動検出手段との相対的移動に伴う織物の毛羽の
第1の振動検出手段への接触を検出し、さらに織物及び
織物の毛羽に接触しないように第1の振動検出手段の近
傍に配置した第2の振動検出手段によって外乱を検出
し、第1の振動検出手段から出力された信号と第2の振
動検出手段から出力された信号とに基づいて毛羽を判別
する織物の毛羽検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】繊維織
物の毛羽は、外観及び手触りを損ねる要因であり、その
検出は織物の検査における重要な課題となっている。従
来、繊維織物の毛羽の検出は目視及び手触りで行われて
いたが、人手を要し、見落し等の検査ミスが発生すると
いう問題があった。例えば、シートベルト等の繊維織物
を数本同時に検査する場合の手触り検査では部分的な抽
出検査に留まり、製造した全てのシートベルトに対し、
その全面に亘って毛羽を正確に検出することは不可能で
あった。
【0003】毛羽を自動的に検出する従来技術として
は、例えば特開昭62−108136号公報にレーザ光
を用いて検出する装置が開示されている。この装置はレ
ーザ光を毛羽だけに照射するようにしてレーザ光が毛羽
に当たった時の散乱光を複数の固体撮像装置を用いて受
光し、毛羽の本数、位置、長さなどの毛羽の分布状況を
検出するものである。しかし、この検出装置は外部から
の光や、工場雰囲気での塵埃等を原因とする光学レンズ
の汚れ等の影響を受け易く、さらにシステムが大型で高
価格である等の問題がある。その他にも光学測定や画像
処理を用いた装置が開示されているが、前記レーザ光に
よる検出装置と同様の問題があり、低価格で正確に毛羽
を検出することができなかった。
【0004】また、これに関連して本出願人は、上記問
題点を解決し簡易に低価格で織物の毛羽を検出すること
ができる毛羽検出装置を提案している(特願平2-318353
号)。この毛羽検出装置では、被測定物が接触したとき
に信号を出力する振動検出器を織物に非接触状態で近接
対向させ、織物と振動検出器の相対移動に伴う織物の毛
羽の振動検出器への接触を検出する。これにより、光学
的な影響を排除することができ低コストを実現できる
が、毛羽との接触を振動検出器を使用して検出するため
に、除振等の振動対策を施しても、非常に大きい振動や
騒音等の外乱が加わった場合には誤動作する可能性があ
る。
【0005】本発明は、従来の毛羽検出装置の問題点を
解決し、外乱が加わっても誤動作することなく織物の毛
羽を検出することができる織物の毛羽検出装置を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した第1の発明は、第1の発明及び後
述する第2乃至第14の発明を説明する図1に示すよう
に、振動を検出する第1の振動検出器を備え前記第1の
振動検出器が織物の毛羽に接触可能でかつ織物に接触し
ないように配置された第1の振動検出手段Iと、振動を
検出する第2の振動検出器を備え前記第2の振動検出器
が前記織物及び織物の毛羽に接触しないように前記第1
の振動検出手段Iの近傍に配置された第2の振動検出手
段IIと、織物と第1の振動検出手段Iとを相対移動させ
る移動手段と、第2の振動検出手段IIから出力された信
号に基づいて第1の振動検出手段Iから出力された信号
の外乱成分を排除して毛羽を判別する判別手段IXと、を
含んで構成したものである。
【0007】
【作用】次に図1を参照して第1の発明の作用を説明す
る。本発明は、第1に毛羽がある速度で移動すると、そ
の大きさに応じた運動エネルギーが生じるので、このエ
ネルギーを何らかの形で検出することにより毛羽の大き
さが検出できることに着眼して成されたものである。す
なわち、振動検出器に毛羽が衝突したときに振動検出器
から出力される信号は、毛羽の有する運動エネルギーに
相当する衝突エネルギーに応じて振幅の大きさ及び振幅
の持続時間が変化する。また、この振幅の大きさ及び振
幅の持続時間は、毛羽が停止し振動検出器が移動してい
た場合も同様に変化する。
【0008】このため、第1の発明において第1の振動
検出手段Iは振動を検出する第1の振動検出器を備えて
おり、該第1の振動検出器が織物表面上の毛羽に接触可
能でかつ織物表面に接触しないように配置されている。
また、第2の振動検出手段IIは第1の振動検出器と同様
に振動を検出する第2の振動検出器を備えており、該第
2の振動検出器は織物表面上の毛羽及び織物表面に接触
しないように配置されている。図示しない移動手段によ
って織物と第1の振動検出手段とを相対移動させると、
毛羽が第1の振動検出手段Iの第1の振動検出器に接触
し、第1の振動検出手段Iから出力される信号(以下、
振動信号という)は例として図2または図3に示すよう
に変化する。なお、図2は接触した毛羽が小さいときの
振動信号の変化、図3は接触した毛羽が大きいときの振
動信号の変化を示している。
【0009】図2及び図3から理解されるように、毛羽
が第1の振動検出器に接触すると振動信号の振幅が大き
くなり(振幅L1、L2)、この振幅が大きい状態が所
定時間持続する(持続時間T1、T2)。また、この振
幅及び持続時間は接触した毛羽が大きい程大きくなる
(以下、毛羽との接触による振動信号の変化分を毛羽成
分という)。従って、信号の振幅の大きさ、持続時間の
長さ、振幅と持続時間との積、または信号の時間積分値
から衝突エネルギーの大きさ、すなわち毛羽の大きさを
判別できる。
【0010】上記により毛羽を検出することができる
が、振動検出器を使用した毛羽の検出では、装置に防振
ゴム等による振動対策を施し、ケース等による防音対策
を施しても、非常に大きな振動や騒音等の外乱が加わる
と振動検出器がこの外乱の影響を受けて誤動作する。本
発明は、第2にこの外乱の影響を何らかの形で排除する
ことにより毛羽による信号の変化のみを安定して検出で
きることに着眼して成されたものである。
【0011】すなわち、非常に大きな振動や騒音等の外
乱が加わった場合には、毛羽が第1の振動検出器に接触
しなくても第1の振動検出手段Iから出力される振動信
号の振幅が大きくなり、振幅の大きい状態が所定時間持
続する(以下、外乱による振動信号の変化分を外乱成分
という)。例として、図4に示す第1の振動検出手段I
からの振動信号は、毛羽と第1の振動検出器との接触に
よって毛羽成分K1が生じ、さらに外乱が加わることに
よって外乱成分G1が生じている。
【0012】しかしながら、前記外乱は第1の振動検出
手段Iの近傍に配置された第2の振動検出手段IIにも同
様に加わるので、第2の振動検出手段IIから出力される
振動信号にも、図5に示すように同一の外乱によって外
乱成分G2が生じる。このため、第2の振動検出手段II
から出力される振動信号に基づいて、第1の振動検出手
段Iから出力される振動信号の外乱成分を排除すること
ができる。これにより、外乱が加わっても誤動作するこ
となく織物の毛羽を安定して検出することができる。
【0013】なお、第1の振動検出手段Iの第1の振動
検出器と第2の振動検出手段IIの第2の振動検出器とは
必ずしも対である必要はなく、第2の振動検出器を単数
とし、第1の振動検出器を複数設けてもよい。
【0014】
【その他の発明の説明】次に、その他の発明を図1を参
照して説明する。
【0015】第2の発明は、判別手段IXにおいて、第1
の振動検出手段からの振動信号と第2の振動検出手段か
らの振動信号との差分をとる差分手段III を設けたもの
である。例として、図4に示す第1の振動検出手段Iか
らの振動信号と、図5に示す第2の振動検出手段IIから
の振動信号と、の差分をとると、図6に示すように外乱
成分G1と外乱成分G2とが相殺され、外乱成分が排除
され毛羽成分K1のみが抽出された信号(以下、これを
毛羽信号という)が得られる。
【0016】また、第1の振動検出手段Iに毛羽が接触
するのと同時に非常に大きな外乱が加わった場合には、
第1の振動検出手段Iからの信号は、毛羽成分と外乱成
分とが重畳された信号成分が生じる。しかし、この振動
信号と外乱成分のみを生じる第2の振動検出手段の振動
信号との差分をとることにより、外乱の影響が排除され
毛羽成分のみが抽出された毛羽信号が得られる。
【0017】このように、第2の振動検出手段IIから出
力される振動信号に基づいて、第1の振動検出手段Iか
ら出力される振動信号と第2の振動検出手段IIから出力
される振動信号との差分をとれば、第1の振動検出手段
Iから出力される振動信号から外乱の影響、すなわち外
乱成分を排除した信号を得ることができ、外乱が加わっ
ても誤動作することなく織物の毛羽を安定して検出でき
る。
【0018】第3の発明は、前記判別手段IXに、第1の
振動検出手段からの振動信号と第2の振動検出手段から
の振動信号との差分をとる差分手段III と、差分手段II
I から出力された毛羽信号と複数の基準レベルとを比較
して毛羽の大きさを段階的に判定する毛羽判定手段IV
と、を設けたものである。これにより、毛羽の大きさを
段階的に判定するので、毛羽の大きさに応じた発生頻度
等を検出できる、という利点を有する。
【0019】第4の発明は、前記判別手段IXに、差分手
段III から出力された毛羽信号と複数の基準レベルとを
比較して毛羽の大きさを段階的に判定する毛羽判定手段
IVと、前記毛羽判定手段IVの出力に基づいて毛羽の発生
を表示すると共に織機等の運転を制御する表示制御手段
Vとを設けたものである。これにより、毛羽判定手段IV
で段階的に判定された毛羽の大きさに基づいて毛羽の発
生が表示されると共に、毛羽の大きさや発生頻度に応じ
て織機等の運転を制御することができる。また、発生し
た毛羽の大きさや位置を作業者に報知でき、さらに、毛
羽の発生頻度、大きさ、位置を任意に定めた基準値と比
較し不都合が生じた場合に織機等を一時停止させること
ができる。これにより、毛羽の見落としを防止したり、
作業効率を向上させることができる、という利点を有す
る。
【0020】第5の発明は、前記第1の振動検出手段I
及び第2の振動検出手段IIの振動検出器を高周波帯域に
感度を有する超音波受波器で構成したものである。毛羽
が振動検出器に接触したときの振動信号の周波数は、超
音波受波器の共振周波数(高周波)に相当し、この共振
周波数は機械的雑音等の外部から飛来する周波数の低い
可聴音成分に比較して感度が高いので、本発明のように
振動検出器として超音波受波器を用いることにより毛羽
の接触を正確に検出することができる。
【0021】第6の発明は、第1の振動検出手段Iの第
1の振動検出器を、織物の幅、長さに応じて所定方向
(例えば、織物の幅方向)に検出領域が少しずつオーバ
ラップするように段階的に複数個並列配置したものであ
る。これにより、複数の振動検出器によって織物の全域
に亘って毛羽の検出ができる。また、複数の振動検出器
を用いているので、毛羽が接触して毛羽成分が得られた
振動検出器の位置によって毛羽の織物表面上でのおおよ
その位置を検出することができる。
【0022】第7の発明は、第1の振動検出器を検出領
域が少しずつオーバラップするように段階的に複数個並
列配置する第6の発明において、所定時間隔てて所定領
域をオーバラップして検出する複数の振動検出器に対
し、各々の振動検出器に対応して差分手段III から出力
される複数の毛羽信号を前記毛羽判定手段IVによって比
較し、前記所定領域を先に検出する振動検出器の毛羽信
号に毛羽成分が発生してから所定時間経過した後に前記
所定領域を後に検出する振動検出器の毛羽信号に毛羽成
分が発生した場合には、前記後に検出する振動検出器の
毛羽信号の毛羽成分を無効とする重複検出防止回路を設
けたものである。これにより、オーバラップして検出さ
れる所定領域に存在する毛羽を重複して検出することを
防止できる。
【0023】第8の発明は、前記第1の振動検出手段I
及び第2の振動検出手段IIに、振動検出器から出力され
た信号を増幅する増幅器と、増幅器から出力される信号
のうち振動検出器の共振周波数成分だけを通過させる帯
域通過回路と、を設けたものである。この第8の発明で
は、振動検出器として第5の発明の超音波受波器を使用
するのが好ましい。これにより、帯域通過回路によって
振動検出器で検出される微弱な可聴音雑音成分を除去す
ることができるので、第1の振動検出手段I、第2の振
動検出手段IIから出力される振動信号、更には毛羽信号
のS/N比を向上させることができる。
【0024】第9の発明は、前記第1の振動検出手段I
及び第2の振動検出手段IIにホルダを設け、このホルダ
に防振ゴムを介して第1の振動検出器及び第2の振動検
出器を固定したものである。さらに第10の発明は、第
8、第9の発明において振動検出器から出力された信号
を増幅する増幅器と、増幅器から出力される信号のうち
振動検出器の共振周波数成分だけを通過させる帯域通過
回路を設け、この増幅器と帯域通過回路をホルダに収納
して振動検出器の出力側に近接固定したものである。
【0025】第9の発明では、振動検出器が防振ゴムを
介してホルダに固定されるので振動検出器に伝達される
機械的雑音を低減することができ、第10の発明では増
幅器を振動検出器に近接して固定しているので、外来雑
音の混入を抑制することができる。従って、第9、10
の発明によって第1の振動検出手段I、第2の振動検出
手段IIから出力される振動信号、更には毛羽信号のS/
N比を更に向上させることができる。
【0026】第11の発明は、前記第1の振動検出手段
Iを織物表面に沿う方向及び織物表面に直交する方向に
移動させるセンサガイド装置を設けたものである。セン
サガイド装置によって第1の振動検出手段Iを移動させ
ることにより、織物表面と第1の振動検出器の表面との
隙間を検出対象と成る毛羽の大きさに応じて任意に設定
できるので、検出対象外の非常に小さな毛羽を第1の振
動検出器に接触しないように通過させることができ、作
業効率を向上させることができる。さらに、この第11
の発明によれば、センサガイド装置によって織物表面に
沿う方向に第1の振動検出手段Iを移動させて走査する
ことができるので、単一の振動検出器によって織物の表
面上の毛羽検出を簡単に行うことができる。
【0027】第12の発明は、前記第1の振動検出手段
Iの前後の織物だけが外部に出るように織物の検出部位
をケースで遮蔽する防音防塵手段VIを設けたものであ
る。この第12の発明によれば、外部から織物や振動検
出器に浮遊付着する塵埃等を遮蔽することができ、毛羽
検出の誤動作を防止することができる。さらに、この第
12の発明によれば、外部からの騒音を低減することが
でき、毛羽信号のS/N比を向上させることができる。
【0028】第13の発明は、織物にイオン風を吹き付
ける除塵除電手段VII を更に設けたものである。第11
の発明に除塵除電手段VII を設ける場合には、前記防音
防塵手段VIの手前に設けるのが好ましい。これにより、
織物の製織あるいは搬送中に織物表面に付着する糸屑等
や、製織あるいは搬送中に帯電し糸屑等を毛羽立たさせ
る静電気を同時に除去することができるので、毛羽検出
の誤動作を防止することができる。
【0029】第14の発明は、織物を一定の張力で接触
案内する織物ガイド装置によって織物の揺動を抑制する
揺動抑制手段VIIIを更に設けたものである。これによ
り、長い帯状等の織物が第1の振動検出手段Iの第1の
振動検出器に接近離間する方向に揺動することが抑制さ
れるので、織物表面が第1の振動検出器に接触すること
による毛羽検出の誤動作、織物表面と第1の振動検出器
との隙間の変化に伴い第1の振動検出器と毛羽との衝突
エネルギーが変化することによる毛羽の大きさの誤判定
等を防止することができる。
【0030】第15の発明は、第2の発明の差分手段II
I に代えて、第2の振動検出手段IIから所定以上のレベ
ルの振動信号が入力されている間、第1の振動検出手段
Iからの振動信号の通過を阻止する通過阻止手段(図示
省略)を判別手段IXに設けたものである。これにより、
第2の振動検出手段IIからの振動信号のレベルが所定未
満の場合、すなわち外乱が加わっていない場合には、第
1の振動検出手段からの振動信号が通過阻止手段を通過
して出力され、外乱が加わり第2の振動検出手段IIから
出力される振動信号及び第1の振動検出手段Iから出力
される振動信号に外乱成分が生じている間は、通過阻止
手段によって第1の振動検出手段からの振動信号の通過
が阻止される。従って、第2の振動検出手段IIから出力
される信号に基づいて第1の振動出力手段Iから出力さ
れる信号の外乱成分が排除された信号(毛羽信号)が得
られる。
【0031】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、図面を参照して本発明の第1実施
例を詳細に説明する。第1実施例の毛羽検出装置は、繊
維織物の一つである自動車用シートベルトの表面の毛羽
検出に本発明を適用したものである。
【0032】図7に示すように、毛羽検出装置は、振動
検出器ホルダI51、I52、I53、I54と、防振
ゴムI21、I22、I23、I24を介して各振動検
出器ホルダに近接するように支持された第1の振動検出
器としての振動検出器I11、I12、I13、I14
と、前記振動検出器ホルダ内に収容され振動検出器の出
力を増幅する増幅回路I31、I32、I33、I34
と、前記振動検出器ホルダ内に収容され各増幅回路に接
続された帯域通過回路I41、I42、I43、I44
と、各振動検出器ホルダをシートベルト表面に沿う方向
及びシートベルト表面に直交する方向、すなわち前後左
右に移動させるためのセンサガイド装置I61、I6
2、I63、I64と、で構成される第1の振動検出手
段Iを備えている。
【0033】振動検出器I11、I12、I13、I1
4は、センサガイド装置I61、I62、I63、I6
4によって振動検出器ホルダI51、I52、I53、
I54の位置をそれぞれ調整することによりシートベル
トaの表面に近接した位置に設置される。振動検出器I
11、I12、I13、I14は、シートベルトaの表
面に近い位置に設置するほど検出感度が向上するが、検
出感度が向上すると製品上全く問題とならない非常に小
さい毛羽まで検出するので、通常は発生する毛羽の長さ
との兼合いで決定するのが好ましい。シートベルトaに
存在する毛羽は、その1本の太さが30μm、長さが2
〜3mm程度のものが数本の場合が目視及び手触りで検出
できる限界である。本実施例では、検出限界である長さ
2〜3mm程度の毛羽を正確に検出することを目的とし
て、振動検出器I11、I12、I13、I14とシー
トベルトaの表面との隙間を1mmに設定している。
【0034】また、シートベルトaの幅方向全域に亘る
毛羽の検出を実現するために、図8に示すように、振動
検出器I11は詳しくは2つの検出器I111、I11
2で構成されており、この検出器I111、I112は
シートベルトaの幅方向両端側に所定間隔隔てて並列配
置されている。一方、図9に示すように振動検出器I1
2は振動検出器I11の検出器の間に対応するようにシ
ートベルトaの幅方向の中心に配置されている。これに
より、シートベルトaの表側において検出器I111と
振動検出器I12の検出領域及び振動検出器I12と検
出器I112の検出領域が少しずつオーバラップし、シ
ートベルトaの表側の検出領域がシートベルトaの幅方
向全域に亘ることになる。
【0035】上記検出器I111、I112に対応し
て、増幅回路I31は2つの増幅回路I311、I31
2で構成され、帯域通過回路I41も2つの帯域通過回
路I411、I412で構成されている。各検出器に接
続された増幅回路I311、I312及びI32と、各
増幅回路に接続された帯域通過回路I411、I412
及びI42は、各々検出器に近接するように各振動検出
器ホルダ内に収容されて固定されている。なお、図10
には増幅回路と帯域通過回路の回路図が示されている。
【0036】また、シートベルトの裏側の毛羽a2を検
出する振動検出手段についても、同様に振動検出器I1
3が検出器I131、I132で構成されており、検出
器I131、I132及び振動検出器I14は上記と同
様に検出領域がオーバラップするように配置されてい
る。また検出器I131、I132に対応して増幅回路
I33は増幅回路I331、I332で構成され、帯域
通過回路I43は帯域通過回路I431、I432で構
成されており、上記と同様に配置されている。
【0037】一方、毛羽検出装置は、振動検出器ホルダ
II5と、防振ゴムII2を介して振動検出器ホルダII5に
近接するように支持された第2の振動検出器としての振
動検出器II1と、振動検出器ホルダII5内に収容され振
動検出器II1の出力を増幅する増幅回路II3と、振動検
出器ホルダII5内に収容され増幅回路II3に接続された
帯域通過回路II4と、で構成される第2の振動検出手段
IIを備えている。
【0038】なお、第1の振動検出手段I及び第2の振
動検出手段IIの各振動検出器としては、毛羽と衝突した
ときの衝突エネルギーに対応した出力信号を得ることが
できるもの、すなわち振動あるいは音を電気的信号に変
換する圧電材料のようなものであればよく、例えば超音
波センサ、AEセンサ、加速度センサ等が使用できる。
本実施例では織機の騒音の影響を排除するために可聴音
帯域外の高周波帯域に中心周波数を持つ超音波受波器で
ある超音波センサを使用している。
【0039】第1の振動検出手段Iの帯域通過回路I4
1、I42、I43、I44は、差分手段III の差分回
路III 11、III 12、III 13、III 14に接続され
ており、第2の振動検出手段IIの帯域通過回路II4は前
記差分回路の各々に接続されている。図11に示すよう
に、差分回路III 11及びIII 13は、より詳しくは検
出器I111、I112、I131、I132に対応し
て各々2つの差分器III 111、III 112及びIII 1
31、III 132で構成されている。前記各差分器は差
分回路III 12、III 14と同様の構成とされている。
差分手段III は、各差分回路または差分器で、第1の振
動検出手段Iの各帯域通過回路からの振動信号と、第2
の振動検出手段IIの帯域通過回路II4からの振動信号
と、の差分をとり、振動及び騒音等の外乱によって振動
信号に生ずる外乱成分を排除し、毛羽成分のみを抽出し
た毛羽信号を出力する。
【0040】差分手段III の差分回路III 11、III 1
2は毛羽判定手段IVの重複検出防止回路IV11に接続さ
れており、差分回路III 13、III 14は重複検出防止
回路IV11、IV12に接続されている。前述のように振
動検出器I11とI12及びI13とI14はそれぞれ
検出領域がオーバラップしており、重複検出防止回路IV
11、IV12はシートベルト表面上のオーバラップして
検出される領域に存在する毛羽が重複して検出されるこ
とを防止する。
【0041】重複検出防止回路IV11は同じく毛羽判定
手段IVの毛羽判定回路IV21、IV22に接続されてお
り、重複検出防止回路IV12は毛羽判定回路IV23、IV
24に接続されている。また、毛羽判定回路IV21及び
IV23は、より詳しくは検出器I111、I112、I
131、I132に対応して各々2つの判定器IV21
1、IV212及びIV231、IV232で構成されている
(図11参照)。前記各判定器は毛羽判定回路IV22、
IV24と同様の構成とされている。毛羽判定回路及び判
定器の各々は重複検出防止回路からの信号の毛羽成分を
時間積分して衝突エネルギーを求め、衝突エネルギーの
大きさを判別して毛羽の大きさを判定する。
【0042】毛羽判定回路IV21、IV22、IV23、IV
24は、表示制御手段Vの毛羽発生累積回路V21、V
22、V23、V24に各々接続されており、さらに毛
羽発生表示器V1に接続されている。毛羽発生表示器V
1は毛羽判定回路の各々からの信号に基づいて毛羽の発
生位置に対応して毛羽の発生を報知する。毛羽発生累積
回路V21及びV23は、さらに詳しくは検出器I11
1、I112、I131、I132に対応して各々2つ
の累積器V211、V212及びV231、V232で
構成されている。前記各累積器は毛羽発生累積回路V2
2、V24と同様の構成とされている。毛羽発生累積回
路及び累積器の各々は、毛羽の大きさ及び発生位置と対
応させて毛羽の発生回数を累積する。毛羽発生累積回路
は各々織機制御回路V3に接続されている。織機制御回
路V3には毛羽の大きさ及び発生回数の閾値が予め設定
されており、この閾値に達したときに図示しない織機を
停止させる。
【0043】さらに毛羽検出装置は、シートベルトa及
び各振動検出器に浮遊付着する塵埃等を遮断し外部から
の騒音を低減する防音防塵手段VIと、製織あるいは搬送
中にシートベルトaの表面に付着した糸屑等及び製織あ
るいは搬送中に帯電し付着した糸屑等を毛羽立たせる静
電気をイオン風を吹き付けて同時に除去する除塵除電手
段VII と、回転軸が平行になるように配置されシートベ
ルトaを一定の張力で接触案内するガイドローラVIII1
1、VIII12によりシートベルトaの揺動を抑制する揺
動抑制手段VIIIと、を備えている。
【0044】次に本第1実施例の作用を説明する。除塵
除電手段VII によって糸屑や静電気等が除去されたシー
トベルトaは、防音防塵手段VIの入口を通ってガイドロ
ーラIX11に巻掛けられガイドローラIX11に接触した
状態で進行方向b1に案内されて振動検出器I11、I
12の直下を連続的に走行し、ガイドローラIX12に巻
掛けられガイドローラIX12に接触した状態で再び進行
方向b2に案内されて振動検出器I13、I14の直下
を連続的に走行して防音防塵手段VII の出口から取り出
される。このように1対のガイドローラIX11、IX12
を用いて各振動検出器を前記のように配置しているた
め、連続的に走行するシートベルトaの表側の毛羽a1
は検出器I111、I112及び振動検出器I12によ
って検出され、裏側の毛羽a2は検出器I131、I1
32及び振動検出器I14によって検出される。
【0045】前述のように検出器I111、I112及
び振動検出器I12は各々検出領域がオーバラップする
ように配置され、検出領域がシートベルトaの表側の幅
方向全域に亘っているので、毛羽a1をシートベルトa
の幅方向位置に拘わらず検出することができる。また、
各検出器及び振動検出器に対応して差分回路、毛羽判定
回路、毛羽発生累積回路を設けたので、どの検出器が毛
羽a1に接触したかを判別することができ、毛羽a1に
接触した検出器の位置によってシートベルトaの幅方向
に対する毛羽a1のおおよその位置を検知できる。
【0046】また、検出器I131、I132及び振動
検出器I42についても各々検出領域がオーバラップす
るように配置され、検出領域がシートベルトaの裏側の
幅方向全域に亘っており、さらに各検出器及び振動検出
器から出力される信号を処理する各回路も上記と同様の
構成であるので、毛羽b2についてもシートベルトaの
幅方向に対するおおよその位置を検知できる。
【0047】なお、毛羽が発生する要因は、織機の調整
程度や原糸不良であり、毛羽が連続的に発生してもその
対策として織機の調整や原糸交換を行う程度であるの
で、毛羽の位置を高い精度で検出する必要はなく、上記
のように振動検出器の位置程度の分解能であれば十分で
ある。また、広い受波面を有する超音波センサを適用す
れば、超音波センサ自体の個数を低減することができる
が、反面分解能が悪くなるため、毛羽のシートベルト幅
方向位置の検出精度が低下する。
【0048】このようにして毛羽a1、a2が各振動検
出器に接触することにより各振動検出器から得られた信
号の毛羽成分は、各振動検出器に接続された増幅回路I
31、I32、I33、I34に入力されて増幅され
る。各増幅回路で増幅された信号は、各増幅回路に接続
された帯域通過回路I41、I42、I43、I44に
入力されて低周波及び高周波雑音成分が除去される。ま
た、シートベルトaの毛羽及びシートベルトaに接触し
ないように配置された第2の振動検出手段IIの振動検出
器II1から得られる信号は、振動検出器に接続された増
幅回路II3に入力されて増幅される。増幅回路で増幅さ
れた信号は、帯域通過回路II4に入力されて低周波及び
高周波雑音成分が除去される。
【0049】この第2の振動検出手段IIから出力される
振動信号は、第1の振動検出手段Iの各振動検出器が毛
羽を検出していないときの振動信号と等価であり、毛羽
との接触がなく非常に大きな振動や騒音等の外乱が加わ
り外乱成分が生じた場合にも等価な信号とされる。従っ
て、差分回路III 11、III 12、III 13、III 14
で、第2の振動検出手段IIの帯域通過回路II4から出力
される信号と、第1の振動検出手段Iの各帯域通過回路
から出力される信号と、の差分をとると前記外乱成分が
打ち消され、外乱の影響を排除した毛羽信号を得ること
ができる。
【0050】この各差分回路は、直接信号の差分をとる
方法で簡単に構成できるが、第2の振動検出手段の帯域
通過回路II4から外乱信号が出力されている間、第1の
振動検出手段Iの各帯域通過回路からの信号を無効にす
るように構成することもできる。また、非常に大きな振
動や騒音等の外乱が加わったときは、各振動検出器から
の信号に外乱成分が含まれるので、各振動検出器からの
信号の振幅が同時に大きくなった場合にはこの信号成分
を外乱成分とみなして無効とする方法でも構成すること
ができる。
【0051】このような方法によって構成された各差分
回路からの毛羽信号は、重複検出防止回路IV11、IV1
2に入力される。各重複検出防止回路では検出領域がオ
ーバラップしている2つの検出器からの毛羽信号を比較
し、シートベルトの進行方向に対して上流側の振動検出
器からの毛羽信号に毛羽成分が発生してから、毛羽が2
つの検出器の間を通過するのに要する所定時間経過した
後に、下流側の振動検出器からの毛羽信号に毛羽成分が
発生したときに、前記下流側の振動検出器の毛羽成分を
無効とする。
【0052】例えば、検出領域がオーバラップしている
検出器I111と振動検出器I12において、上流側の
検出器I111からの毛羽信号に毛羽成分が発生してか
ら、所定時間経過後(例えば、本実施例では3秒、この
ときのシートベルトの移動量は6cm)に振動検出器I1
2からの毛羽信号に毛羽成分が発生した場合、振動検出
器I12からの毛羽信号の毛羽成分を無効とする。これ
により、同一の毛羽を重複して検出することが防止され
る。
【0053】なお、毛羽を重複して検出した場合、この
毛羽の幅方向位置は検出器の検出領域がオーバラップし
ている領域内である。このため、この重複して検出した
か否かの判断結果を毛羽の位置検出にフィードバックす
れば、毛羽の幅方向位置の検出精度を向上させることが
できる。
【0054】各重複検出防止回路からの毛羽信号は、毛
羽判定回路IV21、IV22、IV23、IV24に入力され
る。各毛羽判定回路では毛羽信号の毛羽成分を時間積分
して振動検出器と毛羽との衝突エネルギーを求め、その
大きさを複数の判定基準と比較して毛羽の大きさを判別
する。すなわち、振動検出器に毛羽が接触したときの振
動信号は、図2、図3に示すように毛羽の大きさが大き
い方が振幅が大きく、持続時間が長い毛羽成分が生ず
る。この関係を利用することにより、前記毛羽成分から
毛羽の大きさを求めることができる。
【0055】すなわち、毛羽成分を時間積分すると、毛
羽の大きいものは積分値が大きく、毛羽が小さいものは
積分値が小さくなる。この積分値を振動検出器と毛羽と
の衝突エネルギーとして、この衝突エネルギーの大きさ
から毛羽の相対的な大きさを判別する。例えば、毛羽の
大きさの判定基準をa、b、c、上記の積分値をXとす
れば、 X<a のときは、毛羽の大きさは極小 a≦X<bのときは、毛羽の大きさは小 b≦X<cのときは、毛羽の大きさは中 c≦X のときは、毛羽の大きさは大 というように段階的に毛羽の大きさを判別することがで
きる。
【0056】なお、単に振幅Lと持続時間Tとの乗算値
(積)を求めて、この乗算値の大きさから毛羽の相対的
な大きさを判別することもできる。さらに、振動信号も
毛羽信号と同様に変化するから振動信号から毛羽の大き
さを判別してもよい。
【0057】この判別信号が表示制御手段Vに入力され
る。表示制御手段Vでは、各毛羽判定回路から入力され
た判別信号に基づいて、毛羽発生表示器V1により毛羽
の発生位置、すなわち毛羽と接触した振動検出器の検出
領域に対応した表示を行う。毛羽発生累積回路V21、
V22、V23、V24は各毛羽判定回路から入力され
た判別信号を毛羽の大きさ別に累積する。各毛羽判定回
路は毛羽の発生位置に対応しているから、毛羽の大きさ
及び発生位置に対応して毛羽の発生回数が累積されるこ
とになる。各毛羽発生累積回路の出力は、織機制御回路
V3において予め設定された振動検出器の位置毎の毛羽
の大きさに対応した発生回数の閾値と比較されて、閾値
を越えたときに織機が停止される。
【0058】このように、本実施例では織物表面に接触
しないように一定間隔で織物表面に近接対向させた第1
の振動検出手段の複数の振動検出器に毛羽が接触する
と、毛羽が接触した振動検出器からの信号に毛羽成分が
生ずるので、毛羽成分が生じた振動検出器の位置によっ
て毛羽の織物の幅方向のおおよその位置を検出すること
ができる。また、織物表面及び織物表面上の毛羽に接触
しないように配置した第2の振動検出手段の振動検出器
によって振動及び騒音等の外乱を検出し、毛羽を検出す
る振動検出器との信号の差分を求めるので、外乱の影響
を受けることなく安定して毛羽を検出することができ
る。
【0059】さらに、毛羽が振動検出器に接触したとき
に振動検出器からの信号に生ずる毛羽成分は、振幅の大
きさ及び持続時間が毛羽の大きさに依存するので、毛羽
成分を時間積分して衝突エネルギーを求め、衝突エネル
ギーを複数の判定基準によって区分して毛羽の大きさを
段階的に検出することができる。また、検出された毛羽
に応じて織物の織機等を制御することができる。
【0060】なお、上記では毛羽を検出する織物をシー
トベルトとしていたが、一般の繊維織物の毛羽検出にも
適用することができる。また、シートベルトが揺動しな
いように外周面を有するガイドローラを使用したが、シ
ートベルトが揺動しないように水平に移動させるよう構
成しシートベルトを挟んで上下に第1の振動検出手段を
設置することによっても毛羽を検出することができる。
また、シートベルトを移動させて毛羽を振動検出器に接
触するようにしたが、振動検出器を移動させても毛羽の
検出は可能である。さらに、毛羽の有無だけを検出する
のであれば、振動検出器を複数個使用することなく一つ
の振動検出器の表面に薄いプレートを取り付けて、この
プレートに毛羽が接触したときの振動を振動検出器に伝
達させて検出することもできる。
【0061】また、織物の幅方向に複数個並列配置した
振動検出器の位置によって毛羽の織物の幅方向の位置を
検出したが、織物の長さ方向に対しては振動検出器と織
物との相対速度と毛羽を検出した時点からの経過時間と
を乗算することによって、検出位置を基準とする毛羽の
織物の長さ方向の位置を検出することもできる。
【0062】さらに、継ぎ目等の段差に対しては、例え
ば織物上を回転する一対の車輪の軸上に第1の振動検出
手段を設置し、車輪が織物表面上を転動するようにすれ
ば織物表面と第1の振動検出手段との隙間を段差に関係
なく一定に保って毛羽を検出することができる。また、
変位計で織物表面と第1の振動検出手段との隙間を計測
してフィードバック制御により第1の振動検出手段の位
置を制御して織物表面と第1の振動検出手段との隙間を
一定にすることもできる。
【0063】〔第2実施例〕次に本発明の第2実施例を
説明する。なお、第2実施例において第1実施例と同一
の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0064】上記第1実施例では、毛羽検出装置をシー
トベルトの表面上の毛羽を検出するように構成したが、
シートベルト等のように厚みのある繊維織物では織物の
端、すなわち耳の部分にも毛羽が多く発生することがあ
り、第2実施例では前記耳の部分に発生する毛羽の検出
について説明する。
【0065】第2実施例の毛羽検出装置は、繊維織物の
一つである自動車用シートベルトの端面の毛羽検出方法
に適用したものであり、図12に示すように第1実施例
と同様に、振動検出器I11、I12、防振ゴムI2
1、I22、各振動検出器に近接して接続された増幅回
路I31、I32及び各増幅回路に接続された帯域通過
回路I41、I42を内蔵する振動検出器ホルダI5
1、I52と、各振動検出器ホルダを前後左右に移動さ
せるセンサガイド装置I61、I62と、で構成される
第1の振動検出手段Iを備えている。また、シートベル
トに接触しないように配置した振動検出器II1、防振ゴ
ムII2、振動検出器に近接して接続された増幅回路II3
及び増幅回路II3に接続された帯域通過回路II4を内蔵
する振動検出器ホルダII5で構成される第2の振動検出
手段IIを備えている。
【0066】さらに、第2の振動検出手段IIと第1の振
動検出手段Iから出力される各信号の差分をとる差分回
路III 11、III 12で構成される差分手段III と、差
分手段III からの各信号に対応して毛羽信号を時間積分
して衝突エネルギーを求め、衝突エネルギーのレベルを
判別して毛羽の大きさを判定する毛羽判定回路IV11、
IV12で構成される毛羽判定手段IVと、毛羽判定手段IV
からの出力によって毛羽の発生位置に対応して毛羽の発
生を報知する毛羽発生表示器V1、毛羽の大きさに対応
して毛羽の発生回数を累積する毛羽発生累積回路V2
1、V22、毛羽の大きさ及び発生回数の閾値を設定し
て閾値に達したときに織機を停止させる織機制御回路V
3で構成される表示制御手段Vと、シートベルトaの端
面、各振動検出器の表面に浮遊付着する塵埃等を遮断
し、外部からの騒音を低減する防音防塵手段VIと、製織
あるいは搬送中にシートベルトaの端面に付着する糸屑
等の付着物や糸屑等を毛羽立たせる製織あるいは搬送中
に帯電した静電気を同時にイオン風を吹き付けて除去す
る除塵除電手段VII と、シートベルトaを一定の張力で
接触した状態で案内し、シートベルトaが幅方向に揺動
しないようにシートベルトaの端面に当接するストッパ
sが両端に形成されたローラから成る揺動抑制手段VIII
と、から構成される。
【0067】振動検出器としては、第1実施例装置と同
様に高周波帯域に中心周波数を持つ超音波センサを使用
している。また、振動検出器I11、I12は、センサ
ガイド装置I61、I62により振動検出器ホルダI5
1、I52の位置をそれぞれ調整することによって揺動
抑制手段VIIIの上流側の部位にシートベルトaの両端面
から所定間隔隔てて設置される。振動検出器I11、I
12は、第1実施例と同様にシートベルトaの端面に近
い位置に設置するほど検出感度が向上するが、織物の品
質に悪影響を与えない非常に小さい毛羽まで検出するこ
とを防止するために第1実施例と同様に振動検出器I1
1、I12とシートベルトaの端面との隙間を1mm程度
としている。
【0068】次に本第2実施例の作用を説明する。除塵
除電手段VII によって糸屑等や静電気が除去されたシー
トベルトaは、揺動抑制手段VIIIによって進行方向bへ
移動され、振動検出器I11、I12の間を連続的に走
行して防音防塵手段VI内部から排出される。このような
連続的に走行するシートベルトaの端面の幅は振動検出
器の表面に比較して十分小さいため、第1実施例とは異
なり各々単一の振動検出器を用いている。
【0069】シートベルトaの端面の毛羽a1、a2が
振動検出器I11、I12に接触すると、各振動検出器
からの信号に毛羽成分が生じ、この信号は各振動検出器
に対応して近接固定された増幅回路I31、I32に入
力されて増幅される。各増幅回路で増幅された信号は帯
域通過回路I41、I42に入力されて低周波及び高周
波雑音成分が除去されて振動信号として出力される。ま
た、振動検出器II1からの信号は振動検出器に近接固定
された増幅回路II3に入力されて増幅される。増幅回路
で増幅された信号は帯域通過回路II4に入力されて低周
波及び高周波雑音成分が除去されて振動信号として出力
される。
【0070】帯域通過回路I41、I42からの毛羽信
号と帯域通過回路II4からの振動信号は差分回路III 1
1、III 12に入力される。各差分回路では入力された
2つの振動信号の差分をとり、振動信号に含まれる外乱
成分を除去した毛羽信号を得る。各差分回路で外乱成分
が除去された毛羽信号は毛羽判定回路IV11、IV12に
入力される。各毛羽判定回路では毛羽信号の毛羽成分を
時間積分して振動検出器と毛羽との衝突エネルギーを求
め、その大きさを複数の判定基準と比較して毛羽の大き
さを判別する。
【0071】各毛羽判定回路から出力された判別信号は
表示制御手段Vに入力される。毛羽発生表示器V1で各
毛羽判定回路から入力された判別信号によって毛羽の発
生位置、すなわち振動検出器に対応した毛羽の大きさを
表示する。毛羽発生累積回路V21、V22は各毛羽判
定回路から入力された判別信号によって毛羽の大きさに
対応して毛羽の発生回数を累積する。各毛羽発生累積回
路からの出力は、織機制御回路V3で予め振動検出器の
位置毎の毛羽の大きさに対応した発生回数の閾値と比較
されて、閾値を越えたときに織機が停止される。
【0072】上述の作用を有する第2実施例の毛羽検出
装置は、第1実施例のシートベルトの表面の毛羽検出を
シートベルトの端面の毛羽検出に適用したものであり、
第1実施例よりも少ない振動検出器で構成できる。
【0073】第1、第2実施例ともに本発明の実施場所
を製織工程としたが、その他の工程においても適用する
ことができ、特に製織工程よりも速度が速い検反工程で
は衝突エネルギーが大きくなることから振動検出器に毛
羽が接触したときに発生する信号の振幅等が大きく、検
出感度も高くなるので実用的である。
【0074】〔第3実施例〕次に本発明の第3実施例を
説明する。なお、第3実施例において第1実施例及び第
2実施例と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省
略する。
【0075】上記第1実施例及び第2実施例の毛羽検出
装置では、差分手段III において外乱を検出する第2の
振動検出手段IIからの振動信号と、毛羽の接触を検出す
る第1の振動検出手段Iからの振動信号と、の差分をと
って振動及び騒音等の外乱の影響を排除するよう構成し
ている。しかしながら、上記のように振動信号の差分を
とる場合には、第1の振動検出手段I及び第2の振動検
出手段IIの振動検出器として、周波数特性、感度特性等
が同一の振動検出器を使用する必要がある。
【0076】本第3実施例では、前記振動信号の差をと
る差分回路の代わりにゲート回路を使用して特性の不均
一な振動検出器でも簡単に外乱の影響を排除できるよう
に構成した毛羽検出装置について説明する。なお、第3
実施例では第2実施例と同様にシートベルトの耳の部分
に発生する毛羽を検出するように構成した。
【0077】第3実施例の毛羽検出装置は、図13に示
すように第2実施例と同様に耳の部分に発生する毛羽を
検出する第1の振動検出手段I、振動及び騒音等を検出
する第2の振動検出手段IIを備えている。
【0078】さらに第2の振動検出手段IIから出力され
る振動信号に基づいて、第1の振動検出手段Iから出力
される振動信号を通過させるかまたは通過を阻止するゲ
ート回路X11、X12で構成される通過阻止手段X
と、通過阻止手段Xからの各信号から毛羽の大きさを判
断する毛羽判定手段IVと、毛羽判定手段IVからの出力に
よって毛羽の発生の表示及び織機の制御を行う表示制御
手段Vと、外部からの騒音等を低減する防音防塵手段VI
と、糸屑等を除去する防塵防電手段VII と、シートベル
トaの揺動を抑制する揺動抑制手段VIIIと、から構成さ
れる。なお、振動検出手段I、振動検出手段II、毛羽判
定手段IV、表示制御手段V、防音防塵手段VI、防塵防電
手段VII 、揺動抑制手段VIIIの作用は第2実施例と同様
であるので説明は省略する。
【0079】次にゲート回路X11、X12を備えた通
過阻止手段Xによる本第3実施例の作用を説明する。図
14にも示すように、ゲート回路X11、X12には振
動検出手段I及び振動検出手段IIから出力された振動検
出信号が各々入力される。ゲート回路X11、X12は
比較部とゲート部とから成り、振動検出手段IIからの振
動信号に基づいて振動検出手段Iからの振動信号の通過
を制御するように構成されている。
【0080】すなわち、ゲート回路X11、X12は比
較部において外乱等を検出する振動検出手段IIからの振
動信号を予め設定された閾値と比較し、外乱が加わって
前記振動信号に外乱成分が生じ、前記振動信号の振幅レ
ベルが閾値を越えている間はゲート部のゲートを開き、
振動検出手段Iからの振動信号の毛羽判定手段IVへの通
過を阻止する。また外乱成分が生じていない、すなわち
振幅レベルが前記閾値以下の場合には前記ゲート部のゲ
ートを閉じ、振動検出手段Iからの振動信号を通過させ
て毛羽判定手段IVへ入力させるようになっている。これ
により、毛羽判定手段IVへ出力される毛羽信号から外乱
成分を排除し、外乱の影響による誤動作を防止してい
る。
【0081】本第3実施例においては、第1の振動検出
手段I及び第2の振動検出手段IIの振動検出器の周波数
特性、感度特性等が互いに一致していなくても、第2の
振動検出手段IIからの振動信号に外乱成分が生じている
間のみ第1の振動検出手段Iからの振動信号の通過が阻
止されるため、外乱成分が混入することなく、確実に毛
羽成分のみを抽出した毛羽信号を得ることができる。ま
た、外乱を判別する閾値を比較的小さな値とすることよ
り、若干の外乱が加わった場合にも素早く反応して外乱
の影響を確実に排除することができる。さらに、外乱を
検出する振動検出手段IIの振動検出器に可聴音帯域を中
心周波数とする超音波センサを使用すれば、さらに騒音
等の外乱に敏感となり、毛羽成分のみをより正確に抽出
することができる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、第1の
振動検出手段の第1の振動検出器を織物の毛羽に接触可
能でかつ織物に接触しないように配置し、第2の振動検
出手段の第2の振動検出器を織物及び織物の毛羽に接触
しないように第1の振動検出手段の近傍に配置し、第2
の振動検出手段から出力された信号に基づいて第1の振
動検出手段から出力された信号の外乱成分を排除して毛
羽を判別するようにしたので、外乱が加わっても誤動作
することなく織物の毛羽を検出することができる、とい
う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第14の発明を説明する概略構成図であ
る。
【図2】小さい毛羽と接触した時の振動信号の波形の一
例を示す線図である。
【図3】大きい毛羽と接触した時の振動信号の波形の一
例を示す線図である。
【図4】毛羽と接触しかつ振動、騒音等の外乱が加わっ
たときに第1の振動検出手段から出力される振動信号の
波形の一例を示す線図である。
【図5】図4と同じタイミングで第2の振動検出手段か
ら出力される振動信号の波形の一例を示す線図である。
【図6】図4及び図5に示す振動信号の差に対応する信
号の波形を示す線図である。
【図7】第1実施例に係る毛羽検出装置の概略構成図で
ある。
【図8】振動検出器の設置方法の説明図である。
【図9】振動検出器の設置方法の説明図である。
【図10】増幅回路及び帯域通過回路の回路図である。
【図11】第1実施例のブロック図である。
【図12】第2実施例に係る毛羽検出装置の概略構成図
である。
【図13】第3実施例に係る毛羽検出装置の概略構成図
である。
【図14】ゲート手段の概略構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
I 第1の振動検出手段 II 第2の振動検出手段 IX 判別手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 19/08 G01N 19/08 B (72)発明者 小川 雅司 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−188046(JP,A) 特開 平3−146764(JP,A) 特開 昭62−108136(JP,A) 特開 昭60−110968(JP,A) 特開 昭58−65063(JP,A) 特開 昭62−140979(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06H 1/00 - 7/24 D06C 3/00 - 29/00 G01N 17/00 - 19/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を検出する第1の振動検出器を備え
    前記第1の振動検出器が織物の毛羽に接触可能でかつ織
    物に接触しないように配置された第1の振動検出手段
    と、振動を検出する第2の振動検出器を備え前記第2の
    振動検出器が前記織物及び織物の毛羽に接触しないよう
    に前記第1の振動検出手段の近傍に配置された第2の振
    動検出手段と、織物と第1の振動検出手段とを相対移動
    させる移動手段と、第2の振動検出手段から出力された
    信号に基づいて第1の振動検出手段から出力された信号
    の外乱成分を排除して毛羽を判別する判別手段と、を含
    む織物の毛羽検出装置。
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