JP3056276B2 - 接地抵抗低減材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は接地抵抗低減材に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】接地抵抗低減材として、従来硅酸ソーダ
を主体とする反応物質，ベントナイト，食塩等の無反応
鉱物類，炭素粉，木炭等の加工物質及びこれ等の混合物
が用いられている。これ等の物質は金属体に比べ何れも
固有抵抗が著しく高く、土壌中での水分の吸着によって
湿潤状態を保つことによる等価的な接地面積の増加効果
しかなく、金属体と同等の低減効果は期待できなかっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の低減剤は、上述
したように絶縁体または高抵抗材を使用し、地中での吸
湿性を利用して接地極周辺を湿潤な状態に保つことによ
り抵抗を低減させようとするものであるのに対し、それ
自体を良好な導電体として接地面積を積極的に増大さ
せ、接地抵抗の低減可能な接地抵抗低減材を提供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】導電率の良好な金属を素
材とし、これを中空状に成形して見掛け比重を小さくし
たものゝ集合体よりなり、これを接地極の周囲に撒いて
抵抗を小さくした。あるいは又さらに抵抗低減剤を混ぜ
て抵抗低減効果を増大ならしめた。

【０００５】

【実施例】図に基いて説明する。図１は第１実施例であ
る。この接地抵抗低減材Ａは導電性及び耐食性に優れた
銅板又はステンレス鋼板を素材として成形し、中空部１
とその端縁フランジ部２とからなる中空状の細片であ
る。

【０００６】このような接地抵抗低減材を地中に埋設す
る条，板，棒等の接地極の周囲に所要厚さになるよう撒
き散らすことにより、接地極と低減材及び低減材相互間
が電気的に金属間接合状態となり、電流は最外部の低減
材部迄抵抗なく流れる。

【０００７】図７と図８は接地極３を地中に水平に埋設
した例を示し、接地極３の周囲に低減材Ａが撒布されて
いる。４は従来型の低減材で、図７の例ではこの上に本
発明の低減材を撒き、接地極３を載置し、さらにその上
に土壌を盛り上げている。又図９の場合は接地極３を垂
直に埋設した例で、この場合には接地極３の縦方向周囲
に低減材Ａが充填されている。なお、この場合本発明の
低減材Ａに加え従来型の低減材を混合しても勿論よい。

【０００８】図２〜図６は低減材の他の例を示し、図２
の場合は円筒状細片、図３及び図４に示すものは図２の
円筒状細片の中央部はそのまゝに残し、両端部を偏平に
圧縮した細片である。

【０００９】図５の場合には薄板を円筒状に巻いたも
の、図６は紙製の牛乳パックの如く中空の４面体で構成
し、開口部を圧着したものである。

【００１０】

【効果】以上のような低減材の細片を接地極の周囲に細
片のみ、又は抵抗低減剤を混ぜて撒くことにより接地面
積は電極形状の如何にかかわらず、低減材の撒布された
外周迄有効になり、その結果土壌との接触面積が大きく
なるため、接地抵抗の低減効果は大となる。

【００１１】中空形状であるから体積に占める見掛け上
の比重が小さく、運搬・荷役が楽である。又形状によっ
ては素材比重の１／１０以下にすることも可能である。
さらに多数個を埋設することにより微小な突起が多数形
成され、雷撃電流を速やかに土中に逃がすことができ
る。即ちサージインピーダンスの低減効果が大となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】低減材の第１実施例斜視図。

【図２】低減材の第２実施例斜視図。

【図３】低減材の第３実施例斜視図。

【図４】ＩＩＩ−ＩＩＩ断面図。

【図５】第４実施例斜視図。

【図６】第５実施例斜視図。

【図７】低減材を用いて接地極を埋設した状態の断面
図。

【図８】図７の平面図。

【図９】接地極を垂直に埋設した状態の断面図。

【符号の説明】

Ａ 接地抵抗低減材 １ 中空部 ２ フランジ部 ３ 接地極 ４ （従来の）低減材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−10583（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−41182（ＪＰ，Ａ) 特公 昭53−18342（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01R 4/66,43/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 導電率の良好な金属を素材とし、これを
   中空状に形成して見掛け比重を小さくしたものゝ集合体
   よりなる接地抵抗低減材。
2. 【請求項２】 接地抵抗低減剤を混合した請求項１の接
   地抵抗低減材。