JP3055423U - 農作物搬送用ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト本体の背面ゴム層の材質と形状を改変
することにより平ベルト部の幅方向の湾曲を防止しつ
つ、人参、大根等の根菜の挟持搬送を確実とし、搬送物
の滑り落ちるのを防止する農作物搬送用ベルトを提供す
る。 【解決手段】 背面ゴム層２と下面芯体帆布３からなる
ベルト本体の下面側に、ゴムの周囲を帆布５で被覆した
Ｖ部６を固着したベルトを、各背面ゴム層２を接触させ
た状態で使用する農作物搬送用ベルトにおいて、上記背
面ゴム層２が軟質ゴムでかつベルト長手方向に対して直
角方向に溝８を設けて溝８が交互に形成されている農作
物搬送用ベルトである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は人参、大根等の根菜、ほうれん草等の野菜収穫機に使用される農作物 搬送用ベルトに係り、詳しくは収穫する農作物を２本一組のベルト背面に挟んで 搬送する収穫機に用いる農作物搬送用ベルトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の農作物の葉を挟持して移動させる搬送用ベルトは、心体を埋設したベル ト本体に波形表面を有するクッション体を貼着した構造のものであった。この一 組のベルトが各クッション体が対向する状態で巻付け配置され刈取収穫機等に装 着されている。人参等の農作物の葉は、対向する各クッション体の間に挟持され 、土の中から抜き取られた後、搬送される。

【０００３】 心体を埋設したベルト本体としては、Ｖ部に心体を有し、該Ｖ部の上にゴム 単独からなる平ベルトを形成したもの、ゴム単独のＶ部の上に、センターに心 体を有した平ベルトを形成したもの、背面ゴム層の下面に心体帆布を有したベ ルト本体の下面側にゴム単独のＶ部を有したベルト等がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のベルトでは、では駆動部を担う心体が狭くＶ部とゴ ム平ベルト間に剪断力が働き剥離しやすく、又、ピッチラインがＶプ−リの中に あり、屈曲により平ベルトの上部ゴム表面の伸張率が大きくなりひび割れが発生 しやすい。はＶ部よりピッチラインが離れるため曲げにくくなりプ−リ径が小 さく設定できない。更にでは平ベルトの構成が下側が帆布、上側がゴムのため 製造加工中の熱により心体帆布の収縮が大きくなって平ベルトが幅方向に湾曲す るため、搬送物がうまく挟持できない等の問題がある。

【０００５】 本考案は、このような問題点を改善するものであり、ベルト本体の背面ゴム層 の材質と形状を改変することにより平ベルト部の幅方向の湾曲を防止しつつ、人 参、大根等の根菜の挟持搬送を確実とし搬送物の滑り落ちるのお防止する農作物 搬送用ベルトを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案の特徴とするところは、背面ゴム層と下面芯体帆布からなるベル ト本体の下面側に、ゴムの周囲を帆布で被覆したＶ部を固着したベルトを、各背 面ゴム層を接触させた状態で使用する農作物搬送用ベルトにおいて、該背面ゴム 層が軟質ゴムでかつベルト長手方向に対して直角方向に溝を設けて凸部と溝が交 互に形成されている農作物搬送用ベルトである。そして背面ゴム層の軟質ゴムの 硬度はＪＩＳ−Ａで４０〜７０である。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面を参照し、本考案の実施例を説明する。 図１は農作物収穫機に用いる搬送用ベルトの駆動装置の正面図、図２は農作物 搬送用ベルトの部分断面斜視図、図３は図１のＡ−Ａ線に沿った切断面の下側の ベルトのみを示した断面図、図４は図３のＢ- Ｂ線に沿った断面図である。

【０００８】 これらの図において、農作物収穫機に用いる搬送用ベルト１の駆動装置では、 背面ゴム層２と心体帆布３からなるベルト本体の下側に、断面Ｖ型ゴム４の周囲 を帆布５で被覆したＶ部６を固着した構造を有する一組の搬送用ベルト１を、各 背面ゴム層２の凸部７を接触させた状態で駆動プーリ１１、従動プーリ１２及び 中間プーリ１３に巻付け配置した状態になっている。人参等の農作物からなる搬 送物は、それらの葉やつるが各背面ゴム層２の凸部７間に挟持されると、土の中 から抜き取られて搬送される。

【０００９】 上記した本考案の搬送用ベルト１は、背面ゴム層２に要部があり、この背面ゴ ム層は軟質ゴムで、例えばクロロプレン系ゴムでＪＩＳ硬度が４０〜７０の範囲 のもの、又は、スポンジタイプのものを含むものとする。そして背面ゴム層２に はベルト長手方向に対して直角方向に溝８が設けられ、凸部７と溝８が交互に配 設されている。

【００１０】 この背面ゴム層２の凸部７と溝８は、凸部が大きく溝は小さく形成されている 。具体的には凸部の巾（Ｍ）は３〜１５ｍｍに対し，溝の巾（Ｎ）は凸部の巾の １／５〜１／３である。背面ゴム層の高さ（Ｈ１）、凸部の高さ（Ｈ２）とする とＨ１＝４〜８ｍｍに対して、Ｈ２＝３〜６ｍｍであり且つＨ１＞Ｈ２を満足す ることが必要である。又、凸部７及び溝８のコーナにはアール（Ｒ）が５〜２０ ｍｍで付けられており、溝の角度θは３０°〜６０°の範囲にあることが望まし い。

【００１１】 芯体帆布３はポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維等からなり、 必要に応じて天然ゴム、ＳＢＲ、ＮＢＲ、ＣＲなどのゴムをコーチングして背面 ゴム層と加硫接着して一体化する。又、Ｖ型ゴムは、前記したゴムと同じでその 周囲には帆布５が被覆され、平ベルト部と加硫接着によって一体化される。尚、 Ｖ型ゴムには必要におおじてナイロン、ポリエステル、アラミド、綿等の短繊維 を入れてもよい。

【００１２】 上記の軟質ゴムの硬度は、４０未満では挟持力が弱く、且、軟質ゴムが裂けや すい。一方、ゴム硬度が７０以上では軟質ゴムの形状順応性が悪くなるので好ま しくない。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案の農作物搬送用ベルトは、ベルト本体の背面ゴム層を軟質 ゴムとしベルト長手方向に対して直角方向に溝を設け凸部と溝が交互に形成され た構成とすることにより、平ベルト部が長手方向に対して直角方向に湾曲し難く なり、人参、大根等の根菜を挟持搬送時に挟持力を確実とし搬送物の滑り落ちる のを防止する。又、背面に溝を設けていることにより搬送物に付着した砂や泥等 を排除することが出来る等の付帯効果も期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る農作物搬送用ベルトの駆動装置の
正面図である。

【図２】本考案に係る農作物搬送用ベルトの部分断面斜
視図である。

【図３】図１のＡ−Ａ断面の下側を示す搬送用ベルトの
断面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ線に沿った搬送用ベルトの断面図
である。

【符号の説明】

１ 搬送用ベルト ２ 背面ゴム層 ３ 芯体 ４ Ｖ型ゴム ５ 帆布 ６ Ｖ部 ７ 凸部 ８ 溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 背面ゴム層と下面芯体帆布からなるベル
   ト本体の下面側に、ゴムの周囲を帆布で被覆したＶ部を
   固着したベルトを、各背面ゴム層を接触させた状態で使
   用する農作物搬送用ベルトにおいて、該背面ゴム層が軟
   質ゴムでかつベルト長手方向に対して直角方向に溝を設
   けて凸部と溝が交互に形成されていることを特徴とする
   農作物搬送用ベルト。
2. 【請求項２】 背面ゴム層の軟質ゴムの硬度は、ＪＩＳ
   −Ａで４０〜７０である請求項１記載の農作物搬送用ベ
   ルト。