JP3029566U - 車椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者の起立補助の機能を有する車椅子の提
供。 【解決手段】 シートの左右両側にそれぞれ上下に並列
する縦桿を備え、この左右の縦桿はそれぞれ油圧シリン
ダで底部の車輪台に枢接され、これら縦桿の前橋には一
つの伝動片が連接されて、以て一つのＬ形連接棒が枢接
され、該Ｌ形連接棒が、車輪台の前端の連接管に嵌合さ
れた一つの伸縮脚台に連結され、シート上方には一つの
水平の環状体が設けられ、該環状体の両側にはそれぞれ
垂直に肩掛け用部材が固定されている。患者は車椅子に
座る時、環状体で胸部を保持し並びに肩掛け用部材を両
肩に掛ける。そして、患者が起立したい場合、油圧シリ
ンダを駆動して伸張させると、シートが持ち上げられて
直立する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、一種の患者の起立補助の機能を有する車椅子、特に油圧シリンダ及 び連動機構により、シートを直立状とすることができ、患者が長期座っているこ とで床擦れを起こすのを有効に防止するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に障害者や中風などの患者は、行動に不便であるため、その移動に車椅子 を使用することが多い。しかし患者は両足に力が入らないため、車椅子に座って いる時に姿勢を変えることができず、長期にわたり座っていることで床擦れを起 こす場合があり、そのため、患者の家族や看護人は一定の時間に患者の座姿勢を 適当に調整してやり、床擦れの発生を防いでいた。しかし、現代人の生活は忙し く、患者に付き添う十分な時間がとれない場合が多く、そのためこのような患者 の世話は患者の苦痛だけでなく家族にとっても負担となった。しかし、車椅子に 関しては上述の問題を解決する有効な手段がなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、患者の起立を補助する機能を有し、患者の床擦れを防止することが できる車椅子を提供することを課題とする。

【０００４】 本考案は次に、上述の車椅子を、患者が起立する時に患者の滑落防止機能を有 するものとすることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、患者の起立補助機能を備えた車椅子であって、 シート２の左右両側に上下に並列する縦桿２１、２２を備え、該両側の並列す る縦桿２１、２２の上端は、適当に弯曲する支持桿２３、２４に、下端は車輪台 ３前端の固定桿３１、３２にそれぞれ回転自在に連接され、下方の縦桿２２の固 定桿３１、３２に枢接する一端には垂直に延伸する連接片２２１が設けられ、該 連接片２２１に伝動片５が枢接され、該伝動片５のもう一端にＬ形連接棒６が枢 接され、該Ｌ形連接棒６のもう一端に、車輪台３前端に固着された脚スリーブ８ にスライド自在に嵌入された伸縮脚７の上端が連接され、油圧シリンダ４の伸張 時に、該縦桿２１、２２が押し上げられ、シート２を直立状となすことを特徴と するものとしている。

【０００６】 請求項２の考案は、請求項１の車椅子で、その中、Ｌ形連接棒６の伸縮脚７と の連接端には一つの長形溝６１が設けられ、伸縮脚７は固定ボルトで該長形溝６ １に連接され、Ｌ形連接棒６の伸縮脚７との連接端が下降する時、伸縮脚７が伸 出して接地して一つの支点を形成することを特徴とするものとしている。

【０００７】 請求項３の考案は、請求項１の車椅子で、その中、支持桿２３、２４の上方に は患者の胸部を囲む一つの環状体９が設けられ、該環状体９の両側にはそれぞれ 患者の肩に掛けられる弯折状の肩掛け用部材９１、９２が垂直に設けられている ことを特徴とするものとしている。

【０００８】 請求項４の考案は、請求項３の車椅子で、その中、環状体９と肩掛け用部材９ １、９２の結合端にはそれぞれ相互に貼合される粘着帯が設けられていることを 特徴とするものとしている。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の車椅子は、使用者の起立を補助する機能を有し、そのシートの左右両 側にそれぞれ上下に並列する縦桿を備え、この左右の縦桿はそれぞれ油圧シリン ダで底部の車輪台に枢接され、これら縦桿の前橋には一つの伝動片が連接されて 、以て一つのＬ形連接棒が枢接され、該Ｌ形連接棒が、車輪台の前端の連接管に 嵌合された一つの伸縮脚台に連結され、シート上方には一つの水平の環状体が設 けられ、該環状体の両側にはそれぞれ垂直に肩掛け用部材が固定されている。患 者は車椅子に座る時、環状体で胸部を保持し並びに肩掛け用部材を両肩に掛ける 。そして、患者が起立したい場合、油圧シリンダを駆動して伸張させると、シー トが持ち上げられて直立し、患者の起立補助を行う。本考案はこの機能により、 長期にわたり座っていることで、患者が床擦れを起こすのを防ぐことができる。

【００１０】

【実施例】

図１に示されるように、本考案は車椅子１のシート２の左右両側に上下に並列 する縦桿２１、２２を備え、該両側の並列する縦桿２１、２２の上端は、適当に 弯曲する支持桿２３、２４下部に、下端は車輪台３前端の固定桿３１、３２にそ れぞれ枢接されている。その中、下方の縦桿２２の固定桿３１、３２に枢接する 一端には縦桿２２より垂直に延伸する連接片２２１が設けられ、該連接片２２１ に伝動片５が枢接され、該伝動片５のもう一端にＬ形連接棒６が枢接されている 。該Ｌ形連接棒６のもう一端には長形溝６１が設けられ、該長形溝６１内をスラ イド自在に固定ボルトが設けられ、該固定ボルトは、車輪台３前端に固着された 脚スリーブ８にスライド自在に嵌入された伸縮脚７の上端に固定されている。

【００１１】 下方の縦桿２２の底部は油圧シリンダ４で車輪台３に連接され、また縦桿２２ の上端に枢接する前述の支持桿２３、２４の上方には一つの水平の環状体９が設 けられ、該環状体９の両側に肩掛け用部材９１、９２が垂直に固定されている。 該肩掛け用部材９１、９２は下向きに弯曲し、その末端内側面に粘着帯９１１、 ９２１が設けられており、環状体９前側内側面に設けられた粘着体９３、９４と 相互に貼合可能とされている。こうして、患者がシート２に座る時、車輪１００ 、２００で移動できるほか、油圧シリンダ４を起動して適当に伸張させ、シート ２を持ち上げて直立状態とさせることができる。また環状体９で患者の胸部を囲 むと共に、肩掛け用部材９１、９２を患者の肩にかけることで、シート２を直立 状態として患者が起立する時、患者が下向きに滑り落ちるのを防止することがで きる。

【００１２】 図２に示されるように、車椅子１のシート２が水平状態にある時、縦桿２２の 底部の油圧シリンダ４は縮入状態にあり、車輪台３前端の脚スリーブ８に嵌合し ている伸縮脚７はＬ形連接棒６前端が上がることで地面より持ち上がる。この状 態において、患者はシート２に腰掛けて車輪１００、２００を回転させて移動す ることができる。

【００１３】 図３に示されるように、油圧シリンダ４が起動されて、上向きに伸張し、縦桿 ２２を押し上げると、縦桿２１、２２と車輪台３及び支持桿２３、２４は枢接さ れているため、支持桿２３、２４はゆっくりと上昇し、縦桿２２の別端に枢接さ れている伝動片５がＬ形連接棒６の後端を前方に押しやるため、Ｌ形連接棒６の 前端が下降し、相対的に長形溝６１に枢接されている伸縮脚７が脚スリーブ８に 沿って下に伸出して接地する。

【００１４】 図４に示されるように、油圧シリンダ４が縦桿２２を持ち上げて地面に垂直と するとき、該Ｌ形連接棒６は伸縮脚７の上端を圧して地面上に立て、一つの支点 を形成する。これにより縦桿２１、２２を立てて患者が起立する時には、該支点 により前に傾倒することがない。また、患者の胸部は環状体９に保持され、且つ 肩部は肩掛け用部材９１、９２に保持されるため、患者は車椅子に支えられて下 に滑り落ちることがない。

【００１５】

【考案の効果】

上述したように、本考案は、患者が座って移動するのに利用されるだけでなく 、油圧シリンダと連動機構の押し上げと支持により患者を起立させる補助を行い 、長期座っていることから発生する床擦れを防ぐことができ、また環状体と肩掛 け用部材により、起立時の患者の滑り落ちを防ぎ、また伸縮脚の接地による支点 の形成により前への傾倒を防止してあり、起立時の安全性を確保することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の斜視図である。

【図２】本考案のシートが水平状態の時の側面図であ
る。

【図３】本考案の側面視によるシートの動作状態表示図
である。

【図４】本考案の側面視によるシートの動作状態表示図
である。

【符号の説明】

１・・・車椅子 ２・・・シート ２１、２２・・・縦
桿 ２３、２４・・・支持桿 ３・・・車輪台 ３１、３２
・・・固定桿 ２２１・・・連接片 ５・・・伝動片 ６・・・Ｌ形連
接棒 ６１・・・長形溝 ７・・・伸縮脚 ８・・・脚スリー
ブ ４・・・油圧シリンダ ９・・・環状体 ９１、９２・
・・肩掛け用部材 ９１１、９２１・・・粘着帯 ９３、９４・・・粘着体 １００、２００・・・車輪

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 患者の起立補助機能を備えた車椅子であ
   って、 シート２の左右両側に上下に並列する縦桿２１、２２を
   備え、該両側の並列する縦桿２１、２２の上端は、適当
   に弯曲する支持桿２３、２４に、下端は車輪台３前端の
   固定桿３１、３２にそれぞれ回転自在に連接され、下方
   の縦桿２２の固定桿３１、３２に枢接する一端には垂直
   に延伸する連接片２２１が設けられ、該連接片２２１に
   伝動片５が枢接され、該伝動片５のもう一端にＬ形連接
   棒６が枢接され、該Ｌ形連接棒６のもう一端に、車輪台
   ３前端に固着された脚スリーブ８にスライド自在に嵌入
   された伸縮脚７の上端が連接され、油圧シリンダ４の伸
   張時に、該縦桿２１、２２が押し上げられ、シート２を
   直立状となすことを特徴とする、車椅子。
2. 【請求項２】 請求項１の車椅子で、その中、Ｌ形連接
   棒６の伸縮脚７との連接端には一つの長形溝６１が設け
   られ、伸縮脚７は固定ボルトで該長形溝６１に連接さ
   れ、Ｌ形連接棒６の伸縮脚７との連接端が下降する時、
   伸縮脚７が伸出して接地して一つの支点を形成すること
   を特徴とする、車椅子。
3. 【請求項３】 請求項１の車椅子で、その中、支持桿２
   ３、２４の上方には患者の胸部を囲む一つの環状体９が
   設けられ、該環状体９の両側にはそれぞれ患者の肩に掛
   けられる弯折状の肩掛け用部材９１、９２が垂直に設け
   られていることを特徴とする、車椅子。
4. 【請求項４】 請求項３の車椅子で、その中、環状体９
   と肩掛け用部材９１、９２の結合端にはそれぞれ相互に
   貼合される粘着帯が設けられていることを特徴とする、
   車椅子。