JP2967167B1 - ビスフェノール重合体の製造方法 - Google Patents

ビスフェノール重合体の製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 水酸基当量の高いポリマーを製造するための
工業的に有利な方法を提供する。 【解決手段】 鉄錯体触媒の存在下に酸化剤として過酸
化物を用いて、下記一般式(1) 【化1】 (但し、Rは炭化水素基、置換炭化水素基、エーテル
基、チオエーテル基又は置換イミノ基を示し、nは0又
は1である)で表されるビスフェノールを酸化重合する
ことを特徴とする水酸基当量の高いビスフェノール重合
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性及びエポ
キシ樹脂の前駆体として有用な水酸基当量の高いビスフ
ェノール重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール類の酸化重合法は種々の方法
が報告されており、遷移金属錯体を触媒とし、酸素を酸
化剤として用いる方法が代表的である。しかし、酸素を
酸化剤とする方法では、酸素雰囲気下(空気下も含む)
における有機溶媒の爆発範囲を避けるために、反応系を
加圧にしなければならない等の欠点を有していた。一
方、特開平8−53545号公報に記載される遷移金属
錯体触媒存在下に、過酸化物を酸化剤として用いる方法
は、不活性ガス雰囲気下でも反応可能であり、加圧する
ことなく爆発範囲を避けることができる点で優れてい
る。しかし、この特開平8−53545号公報の実施例
としてはモノフェノール重合体の製造方法しか例示がな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水酸基当量
の高いポリマーを製造するための工業的に有利な方法を
提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、触媒に鉄錯体、酸化
剤に過酸化物を用いて、ビスフェノールを酸化重合する
ことにより、水酸基当量の高いビスフェノール重合体が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明によれば、鉄錯体触媒の存在下に酸化剤
として過酸化物を用いて、下記一般式(1)
【化3】 (但し、Rは炭化水素基、置換炭化水素基、エーテル
基、チオエーテル基又は置換イミノ基を示し、nは0又
は1である)で表されるビスフェノールを酸化重合する
ことを特徴とする水酸基当量の高いビスフェノール重合
体の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるビスフェノー
ルは前記一般式(1)で表されるものであり、該ビスフ
ェノールは単独で用いることもでき、また、2種以上を
共に用いることもできる。ビスフェノールの置換基の結
合位置は好ましくはその一方がフェノールに対してパラ
位に結合したものであり、さらに好ましくは両フェノー
ルのパラ位に置換基が結合したものである。
【0006】前記一般式(1)におけるRは、二価炭
化水素基、置換二価炭化水素基、二価エーテル基、二価
チオエーテル基又は置換イミノ基を示す。この場合の二
価炭化水素基には、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水
素基が包含される。また脂肪族炭化水素基には、鎖状及
び環状の飽和及び不飽和の炭化水素基が包含され、その
炭素数は1〜12、好ましくは1〜6である。このよう
な脂肪族炭化水素基としては、鎖状及び環状のアルキレ
ン基及びアルケニレン基が挙げられる。一方、二価芳香
族炭化水素基には、1つのベンゼン環を有する単環芳香
族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)から誘
導される二価炭化水素基及び2つ以上、通常、2〜4個
のベンゼン環を有する多環芳香族炭化水素(ナフタレ
ン、ビフェニル、ターフェニル等)から誘導される二価
炭化水素基が包含される。
【0007】置換二価炭化水素基において、その置換基
には、反応に不活性なものが包含され、そのようなもの
としては、たとえば、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アシル基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げら
れる。前記アルコキシ基、アルコキシカルボニル基及び
アシル基において、そのアルキル基には鎖状及び環状の
アルキル基が包含され、その炭素数は1〜12、好まし
くは1〜6である。二価炭化水素基としては、Rに関
して示した前記したもの各種のものが挙げられる。
【0008】二価エーテル基としては、下記一般式
(3)で表されるものが挙げられる。
【化4】−X−O−X (3) 前記式中、X及びXは二価炭化水素基を示す。この
場合の二価炭化水素基としては、前記した各種のものが
挙げられる。
【0009】二価チオエーテル基としては、下記一般式
(4)で表されるものが挙げられる。
【化5】−X−S−X (4) 前記式中、X及びXは二価炭化水素基を示す。この
場合の二価炭化水素基としては、前記した各種のものが
挙げられる。
【0010】置換イミノ基としては、下記一般式(5)
で表されるものが挙げられる。
【化6】 前記式中、Yは炭化水素基を示す。この場合の炭化水
素基には、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が包
含される。また脂肪族炭化水素基には、鎖状及び環状の
飽和及び不飽和の炭化水素基が包含され、その炭素数は
1〜12、好ましくは1〜6である。このような脂肪族
炭化水素基としては、鎖状及び環状のアルキル基及びア
ルケニル基が挙げられる。一方、芳香族炭化水素基に
は、1つのベンゼン環を有する単環芳香族炭化水素(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等)から誘導される炭化水
素基及び2つ以上、通常、2〜4個のベンゼン環を有する
多環芳香族炭化水素(ナフタレン、ビフェニル、ターフ
ェニル等)から誘導される炭化水素基が包含される。
【0011】本発明で用いるビスフェノールの例として
は、4、4’−ビフェノール、2,4’−ビフェノー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ジヒ
ドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、2.2’−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメチルアミン、
ビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0012】本発明においては、その反応触媒として、
鉄錯体触媒を用いる。本発明で用いる好ましい鉄錯体
は、下記一般式(2)で表されるものである。
【化7】 前記一般式(2)において、Rは二価炭化水素基を示
すが、この場合の二価炭化水素基としては、前記R
関して示した各種のものが挙げられる。好ましい二価炭
化水素基は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキ
レン基である。前記R及びRは、水素、炭化水素基
又は置換炭化水素基であるが、この場合の炭化水素基と
しては、前記Yに関して示した各種のものが挙げられ
る。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜12、好ましく
は1〜6のアルキル基である。また、置換炭化水素基に
おける置換基としては、前記Rに関して示した各種の
ものが挙げられる。
【0013】前記R及びRは、炭化水素基、ハロゲ
ン基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、アミノ基又
は置換アミノ基であるが、この場合の炭化水素基として
は、前記Yに関して示した各種のものが挙げられる。
好ましい炭化水素基は、炭素数が1〜12、好ましくは
1〜6のアルキル基である。前記ハロゲン基としては、
塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素が挙げられる。前記置換
炭化水素基において、その置換基には、反応に不活性な
ものが包含され、そのようなものとしては、例えば、ア
ルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ハロ
ゲン原子等が挙げられる。前記アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基、及びアシル基において、そのアルキル
基には錯状及び環状のアルキル基が包含され、その炭素
数は1〜12、好ましくは1〜6である。炭化水素基と
しては、前記したもの各種のものが挙げられる。
【0014】前記炭化水素オキシ基において、その炭化
水素基としては、前記Yに関して示した各種のものが
挙げられる。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜12、
好ましくは1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基で
ある。前記置換アミノ基には、モノ置換アミノ基及びジ
置換アミノ基が包含される。その置換基には、前記Y1
に関して示した各種の炭化水素基が包含される。好まし
い置換基は、炭素数が1〜12、好ましくは1〜6のア
ルキル基である。
【0015】前記一般式(2)で表される鉄錯体は、従
来公知の化合物であり、このものの合成法としては、日
本化学会編第4版実験化学講座(17)(丸善)P30
3に記載されている方法が例示できる。
【0016】本発明で用いる鉄錯体触媒は、単独又は混
合して用いることができ、任意の量を使用することがで
きるが、一般的には原料のビスフェノール類に対して、
好ましくは0.001〜50%、さらに好ましくは0.
01〜1%程度使用する。
【0017】本発明においては、反応促進剤として、ア
ミン類を混合して用いることもできる。この場合、その
使用量は、モノマーに対して0.01〜10重量当量程
度使用することが望ましい。アミン類としては、ピリジ
ン、トリエチルアミン、2,6−ルチジン、N,N,
N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンといった3
級アミンが使用できる。
【0018】本発明において酸化剤として用いる過酸化
物は、公知のものが使用できるが、好ましくは過酸化水
素が使用される。過酸化水素は任意の濃度で使用でき
る。使用される過酸化物は、原料であるビスフェノール
類に対して1〜2モル当量にすることが好ましい。
【0019】本発明において、ビスフェノール類の酸化
重合は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。溶媒は触
媒に不活性である限り、触媒をある程度溶解するもので
あれば公知の触媒を使用できる。一般には1,4−ジオ
キサン、テトラヒドロフランまたはジメトキシエタンな
どのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素
類、アルコール類、アミド類またはニトリル類などの溶
媒、またはそれらと水を混合して用いられる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これらは本発明を限定するものではない。
【0021】実施例1 電磁攪拌機を備えた50mL丸底フラスコにビスフェノ
ールA1.14gと触媒のμ−オキソビス{N,N’−
ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(III)}
3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン10mL
とピリジン0.1mLを加え、攪拌により溶解させた。
さらに5wt%過酸化水素3.4mLを1時間にわたっ
て加え、その後2時間攪拌した。反応終了後、メタノー
ル50mLと蒸留水50mLの混合液に反応液を加えて
ポリマーを析出させた。これを遠心分離により単離し、
真空乾燥することにより黄色の粉末0.79gを得た。
得られたポリマーについて、堀場製作所IR−720フ
ーリエ変換赤外分光光度計(KBr)を用い測定した赤
外吸収スペクトルを図1に示す。モノマーと同様にO−
H伸縮による強い吸収を観測し、ポリマーの水酸基当量
を測定したところ、420mg/gであった。また、分
子量を東ソー製HLC−8010ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーを用いて求めたところ、標準ポリス
チレン換算値として、数平均分子量3400、分子量分
布2.9であった。
【0022】実施例2 電磁攪拌機を備えた50mL丸底フラスコにビスフェノ
ールA1.14gと触媒のμ−オキソビス{N,N’−
ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(III)}
3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン10mL
を加え、攪拌により溶解させた。さらに5%過酸化水素
3.4mLを1時間にわたって加え、その後2時間攪拌
した。反応終了後、メタノール50mLと蒸留水50m
Lの混合液に反応液を加えてポリマーを析出させた。こ
れを遠心分離により単離し、真空乾燥することにより黄
色の粉末0.51gを得た。得られたポリマーについ
て、堀場製作所IR−720フーリエ変換赤外分光光度
計(KBr)を用いるポリマーの赤外吸収スペクトル測
定により、ポリマー中に多くの水酸基が含まれているこ
とを確認した。ポリマーの水酸基当量を測定したとこ
ろ、409mg/gであった。また、分子量を東ソー製
HLC−8010ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーを用いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値と
して、数平均分子量2700、分子量分布2.4であっ
た。
【0023】実施例3 電磁攪拌機を備えた50mL丸底フラスコにビスフェノ
ールA1.14gと触媒のμ−オキソビス{N,N’−
ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(III)}
3.3mgを入れ、これにテトラヒドロフラン10mL
とピリジン0.1mLを加え、攪拌により溶解させた。
さらに5%過酸化水素3.4mLを1時間にわたって加
え、その後2時間攪拌した。反応終了後、メタノール5
0mLと蒸留水50mLの混合液に反応液を加えてポリ
マーを析出させた。これを遠心分離により単離し、真空
乾燥することにより黄色の粉末0.79gを得た。堀場
製作所IR−720フーリエ変換赤外分光光度計(KB
r)を用いるポリマーの赤外吸収スペクトル測定によ
り、ポリマー中に多くの水酸基が含まれていることを確
認した。ポリマーの水酸基当量を測定したところ、40
6mg/gであった。また、分子量を東ソー製HLC−
8010ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用
いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値として、数
平均分子量2200、分子量分布1.8であった。
【0024】実施例4 電磁攪拌機を備えた50mL丸底フラスコにビスフェノ
ールA1.14gと触媒のμ−オキソビス{N,N’−
ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(III)}
3.3mgを入れ、これにジメトキシエタン10mLと
ピリジン0.1mLを加え、攪拌により溶解させた。さ
らに5%過酸化水素3.4mLを1時間にわたって加
え、その後2時間攪拌した。反応終了後、メタノール5
0mLと蒸留水50mLの混合液に反応液を加えてポリ
マーを析出させた。これを遠心分離により単離し、真空
乾燥することにより黄色の粉末0.48gを得た。堀場
製作所IR−720フーリエ変換赤外分光光度計(KB
r)を用いるポリマーの赤外吸収スペクトル測定によ
り、ポリマー中に多くの水酸基が含まれていることを確
認した。ポリマーの水酸基当量を測定したところ、41
2mg/gであった。また、分子量を東ソー製HLC−
8010ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用
いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値として、数
平均分子量2800、分子量分布2.1であった。
【0025】実施例5 電磁攪拌機を備えた50mL丸底フラスコに4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテル1.01gと触媒のμ
−オキソビス{N,N’−ジ(サリチリジン)エチレン
ジアミナト鉄(III)}3.3mgを入れ、これに1,
4−ジオキサン10mLとピリジン0.1mLを加え、
攪拌により溶解させた。さらに5%過酸化水素3.4m
Lを1時間にわたって加え、その後2時間攪拌した。反
応終了後、メタノール50mLと蒸留水50mLの混合
液に反応液を加えてポリマーを析出させた。これを遠心
分離により単離し、真空乾燥することにより黄色の粉末
0.57gを得た。堀場製作所IR−720フーリエ変
換赤外分光光度計(KBr)を用いるポリマーの赤外吸
収スペクトル測定により、ポリマー中に多くの水酸基が
含まれていることを確認した。ポリマーの分子量を東ソ
ー製HLC−8010ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーを用いて求めたところ、標準ポリスチレン換算
値として、数平均分子量1500、分子量分布5.3で
あった。
【0026】実施例6 電磁攪拌機を備えた50mL丸底フラスコに4,4’−
ビフェノール0.93gと触媒のμ−オキソビス{N,
N’−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン1
0mLとピリジン0.1mLを加え、攪拌により溶解さ
せた。さらに5%過酸化水素3.4mLを1時間にわた
って加え、その後2時間攪拌した。反応終了後、メタノ
ール50mLと蒸留水50mLの混合液に反応液を加え
てポリマーを析出させた。これを遠心分離により単離
し、真空乾燥することにより黄色の粉末0.33gを得
た。堀場製作所IR−720フーリエ変換赤外分光光度
計(KBr)を用いるポリマーの赤外吸収スペクトル測
定により、ポリマー中に多くの水酸基が含まれているこ
とを確認した。ポリマーの分子量を東ソー製HLC−8
010ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い
て求めたところ、標準ポリスチレン換算値として、数平
均分子量530、分子量分布1.3であった。
【0027】実施例7 電磁攪拌機を備えた50mL丸底フラスコに4,4’−
チオビフェノール1.09gと触媒のμ−オキソビス
{N,N’−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄
(III)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサ
ン10mLとピリジン0.1mLを加え、攪拌により溶
解させた。さらに5%過酸化水素3.4mLを1時間に
わたって加え、その後2時間攪拌した。反応終了後、メ
タノール50mLと蒸留水50mLの混合液に反応液を
加えてポリマーを析出させた。これを遠心分離により単
離し、真空乾燥することにより黄色の粉末0.16gを
得た。堀場製作所IR−720フーリエ変換赤外分光光
度計(KBr)を用いるポリマーの赤外吸収スペクトル
測定により、ポリマー中に多くの水酸基が含まれている
ことを確認した。ポリマーの分子量を東ソー製HLC−
8010ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用
いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値として、数
平均分子量660、分子量分布1.2であった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、触媒に鉄錯体触媒、酸化剤に
過酸化物を用いてビスフェノールを酸化重合するもので
あり、これにより水酸基当量の高いビスフェノール重合
体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたビスフェノールA重合体の
赤外吸収のスペクトル図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東村 秀之 東京都台東区柳橋2丁目22番13号 財団 法人化学技術戦略推進機構 (72)発明者 小口 貴久 東京都台東区柳橋2丁目22番13号 財団 法人化学技術戦略推進機構 審査官 ▲吉▼澤 英一 (56)参考文献 特開 平9−12710(JP,A) 特開 平8−302007(JP,A) 特開 昭62−41223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 65/00 - 65/48 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄錯体触媒の存在下に酸化剤として過酸
    化物を用いて、下記一般式(1) 【化1】 (但し、Rは二価炭化水素基、置換二価炭化水素基、
    二価エーテル基、二価チオエーテル基又は置換イミノ基
    を示し、nは0又は1である)で表されるビスフェノー
    ルを酸化重合するビスフェノール重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 過酸化物が過酸化水素であることを特徴
    とする請求項1記載のビスフェノール重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 鉄錯体触媒が、下記一般式(2) 【化2】 (但し、Rは二価炭化水素基を表し、R及びR
    それぞれ独立に水素、炭化水素基又は置換炭化水素基を
    示し、R及びRはそれぞれ独立に炭化水素基、ハロ
    ゲン基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、アミノ基
    又は置換アミノ基を示す)で表される鉄錯体であること
    を特徴とする請求項1又は2記載のビスフェノール重合
    体の製造方法。
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CN114349955A (zh) * 2021-06-18 2022-04-15 山东圣泉新材料股份有限公司 一种多官能聚亚芳基醚树脂及其制备方法
CN114349955B (zh) * 2021-06-18 2024-01-19 山东圣泉新材料股份有限公司 一种多官能聚亚芳基醚树脂及其制备方法

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