JP2963280B2 - 保留転送方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、構内電話交換機に収容
される内線端末機である多機能電話機を複数の内線グル
ープに分けて運用するときに、通話中回線の保留および
保留応答を各内線グループ相互で転送可能にした保留転
送方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、構内電話交換機に収容される内線
端末機（多機能電話機）を部、課などに応じて複数の内
線グループに構成して運用する場合、通話中回線の保留
および保留応答は、それぞれの内線グループ内のみで行
っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の保留および保留応答方式では、多機能電話
機に保留機能ボタンを設けた場合、通話中回線の保留応
答は内線グループ内の保留機能ボタンを操作することで
自由に保留転送可能であるが、この内線グループ以外の
他の内線グループへ転送しようとすると、特別な転送操
作を行わなければならず、その操作も面倒になる問題が
あった。

【０００４】本発明は、上記のような問題を解決するも
のであり、保留操作を行った内線グループの保留回線に
他の内線グループも応答できる保留転送方式を提供する
ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的を達成
するために本発明の保留転送方式は、内線端末機として
機能ボタンを有する複数の多機能電話機を収容し、当該
複数の多機能電話機を複数の内線グループに構成した構
内電話交換機に適用される保留転送方式であって、前記
複数の多機能電話機の各々に、自多機能電話機が所属す
る内線グループに対応する機能ボタンであって、通話中
の呼を保留し、かつ、当該内線グループ内の多機能電話
機が保留した保留呼に応答するグループ保留機能ボタン
と、自多機能電話機が所属する内線グループ以外の他内
線グループに対応する機能ボタンであって、当該他内線
グループの保留呼に応答する他グループ保留機能ボタン
と、当該他グループ保留機能ボタンに対応する表示手段
であって、前記他内線グループの保留状態を表示する他
グループ保留状態表示手段とを設け、前記構内電話交換
機に、前記多機能電話機が前記グループ保留機能ボタン
によって保留操作したことを認識すると、当該保留操作
した多機能電話機が通話中の呼を、当該多機能電話機が
所属する内線グループ内の多機能電話機に設けられた前
記グループ保留機能ボタンによって応答可能な状態に保
留し、かつ、当該保留操作した多機能電話機が所属する
内線グループ以外の他内線グループ内の多機能電話機に
設けられた前記他グループ保留状態表示手段に対して保
留呼があることを示す保留表示を行なう保留制御手段
と、前記保留制御手段によって前記多機能電話機が通話
中の呼を保留状態にした場合において、当該保留操作し
た多機能電話機が所属する内線グループ以外の他内線グ
ループ内の多機能電話機に設けられた前記他グループ保
留機能ボタンが操作されたことを認識すると、当該保留
状態の呼を当該他グループ保留機能ボタンを操作した多
機能電話機に接続し、かつ、前記保留操作した多機能電
話機が所属する自内線グループ内での保留を解除する転
送接続手段とを設けたものである。

【０００６】又、請求項２の発明は、前記他内線グルー
プが複数構成されており、前記他グループ保留機能ボタ
ンを、当該複数の他内線グループのそれぞれに対応させ
て複数設け、かつ、前記他グループ保留状態表示手段
を、当該複数の他グループ保留機能ボタンのそれぞれに
対応させて複数設けたものである。

【０００７】

【作用】本発明によれば、構内電話交換機に収容される
多機能電話機の機能ボタンに、他内線グループの保留呼
に応答する他グループ保留機能ボタンを設けることによ
り、各内線グループ間で保留転送可能になる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。

【０００９】図１は、本実施例における構内電話交換機
およびこれに接続された内線グループの構成を示してい
る。図１において、１００は構内電話交換機であり、こ
の構内電話交換機１００は、各種端末との通話を形成す
る通話路スイッチ１０１と、構内電話交換機１００全体
を制御する中央処理装置１０２と、交換動作制御プログ
ラムなどの各種プログラム、局データ、各種テーブルな
どを記憶する記憶装置１０３を備える。

【００１０】符号１０４は、ランプや機能ボタンを有す
る多機能電話機などの各種の内線端末機であり、通話路
スイッチ１０１に接続されている。また、これら複数の
内線端末機１０４は、例えば部課などの単位に応じて複
数グループに分けられ、それぞれは１つの内線グループ
１０５を構成する。１０６は通話路スイッチ１０１に接
続された公衆回線、専用回線などの網である。

【００１１】なお、この実施例では、内線端末機１０４
に多機能電話機を使用し、この多機能電話機の機能ボタ
ンを利用して各内線グループ１０５間で保留転送を行う
ものである。

【００１２】図２は、内線端末機１０４に含まれるラン
プや機能ボタンを有する多機能電話機の盤面の例を示し
ている。この図２において、２００は多機能電話機、２
０１は多機能電話機２００に設けた機能ボタン部、２０
２は保留、保留応答操作など各種機能を有する機能ボタ
ン、２０３は機能ボタン２０２と対となり各種機能の状
態などを表示するための可視ランプである。

【００１３】図３は、前記多機能電話機２０２が有する
複数の機能ボタン２０２を管理するために記憶装置１０
３内に記憶した制御データの構成例を示す。この図３に
おいて、３００は多機能電話機２００に設けた複数の機
能ボタンを管理する機能ボタン管理データである。この
機能ボタン管理データ３００は、それぞれの機能ボタン
対応にその機能ボタンの用途及び制御情報を１ブロック
３０１として、ｎ個の機能ボタンを管理するためのｎブ
ロックで構成されている。

【００１４】また、機能ボタン管理データ３００は、内
線グループ１０５毎に割り当てられ、同一内線グループ
１０５内における多機能電話機２００の機能ボタン２０
２の用途は全て同じになる。

【００１５】図４は、前記機能ボタン２０２を保留ボタ
ンとして使用する場合の制御情報３０１の構成を示して
いる。この図４において、４００は機能ボタン２０２の
用途としての保留ボタンの識別、それに付随する制御情
報としての機能ボタンの状態および被保留者情報を含む
保留ボタン制御データである。

【００１６】上記実施例の構成において、通話中の多機
能電話機２００の機能ボタン２０２が押下されると、こ
れを中央処理装置１０１が認識し、ボタン操作者の多機
能電話機２００の内線グループ１０５を抽出して、該内
線グループ対応の機能ボタン管理データ３００内の押下
機能ボタン２０２に対応する制御情報３０１を決定す
る。この制御情報３０１が、保留ボタン制御データ４０
０であることを認識した場合、通話相手回線を保留状態
にし、保留制御データ４００内の被保留者情報に通話相
手回線を記憶し、同一内線グループ１０５内の全ての多
機能電話機２００における対応機能ボタン２０２の可視
ランプ２０３を点滅させる保留制御を実行する。

【００１７】このようにすることにより、同一内線グル
ープ１０５内の多機能電話機２００に保留中の通知を行
い、保留表示中の機能ボタン２０２を押下することによ
り、保留制御データ４００内に記憶されている被保留者
情報により被保留回線を抽出し、通話状態にし、同一内
線グループ１０５内の全ての多機能電話機２００の対応
機能ボタ２０２の可視ランプ２０３を点滅させる保留応
答制御を実行する。これにより、同一内線グループ１０
５内での保留転送が容易になる。

【００１８】図５は、上記保留転送を各内線グループ１
０５にまたがって行うための共通保留ボタンを制御する
制御データ３０１の構成例を示している。この図５にお
いて、５００は機能ボタン２０２の用途として共通保留
ボタンの識別と、それに付随する制御情報としての該共
通保留ボタンの状態および被保留者情報を含む制御デー
タであり、複数の内線グループに同様に記憶されてい
る。

【００１９】次に、共通保留ボタンによる保留操作の処
理を図６に示すフローチャートを参照して説明する。

【００２０】まず、多機能電話機２００が通話中に機能
ボタン２０２を押下すると中央処理装置１０２がそれを
検出し、ステップＳ１１の処理を実行する。このステッ
プＳ１１では、該機能ボタン２０２を押下した多機能電
話機２００の内線グループ１０５を抽出し、この内線グ
ループ１０５対応の機能ボタン管理データ３００より該
機能ボタン対応の制御情報３０１を抽出し、その制御情
報３０１の用途によりボタン種別をチェックする。制御
情報３０１が制御データ５００の構成であれば、該機能
ボタン２０２は共通保留ボタンであると認識し、ステッ
プＳ１２の処理を実行する。このステップＳ１２では、
制御データ５００より該機能ボタン２０２の状態を識別
し、空か否かを判断する。ここで、該機能ボタン２０２
が空状態であれば、ステップＳ１３へ処理が移り、通話
相手の回線へ保留音を送出し被保留状態へ遷移する。次
のステップＳ１４において、該制御データ５００へ保留
中状態及び被保留者の回線識別を設定し、次のステップ
Ｓ１５で、該内線グループ１０５内の多機能電話機２０
０の対応機能ボタン２０２の可視ランプ２０３を点滅さ
せ保留されていることを表示する。更に、ステップＳ１
６において、保留操作を行った多機能電話機２００の内
線グループ１０５以外の内線グループ１０５対応の機能
ボタン管理データ３００を検索し、共通保留ボタンとし
て使用している機能ボタン２０２を探し出し、該制御デ
ータ５００および該機能ボタン２０２に対してステップ
Ｓ１４およびステップＳ１５の処理を実行する。これに
より、複数の内線グループの共通保留ボタンに保留表示
が行われる。

【００２１】次に、共通保留ボタンへ保留された被保留
回線への保留応答処理を図７に示すフローチャートを参
照して説明する。まず、多機能電話機２００がオフフッ
クした後機能ボタン２０２を押下するとステップＳ２１
でボタン種別２０２を識別し、共通保留ボタンであると
認識されたときは、ステップＳ２２でボタン状態を識別
する。ここで、保留中あればステップＳ２３へ処理が移
り、制御データ５００に記憶してある被保留者情報よ
り、被保留者の回線を抽出する。次のステップＳ２４で
は、応答者と該回線を接続して通話状態とする。次に、
ステップＳ２５の処理を実行することにより、制御デー
タ５００を初期設定し、保留を解除する。ステップＳ２
６では、該内線グループ１０５内の多機能電話機２００
の機能ボタン２０２の可視ランプ２０３を滅火させ、保
留が解除されたことを通知する。更に、ステップＳ２７
において、保留応答操作を行った多機能電話機２００の
内線グループ１０５以外の内線グループ１０５対応の機
能ボタン管理データ３００を検索し、共通保留ボタンと
して使用している機能ボタン２０２を探し出し、該制御
データ５００および該機能ボタン２０２に対してステッ
プＳ２５およびステップＳ２６の処理を実行する。

【００２２】図８は、前記共通保留ボタンによる方法以
外に、他の内線グループ１０５の保留状況を表示するた
めの機能ボタン２０２を制御するための制御データ３０
１の構成を示している。この図８において、８００は機
能ボタン２０２の用途として、他の内線グループ保留ボ
タンの識別と、それに付随する制御情報としての他の内
線グループ保留ボタンの状態および被保留者情報を含む
制御データであり、複数の内線グループ１０５の保留を
各々独立した機能ボタン２０２に割り付けて記憶されて
いる。

【００２３】次に、保留状況を表示する保留ボタンの操
作による処理を図９に示すフローチャートを参照して説
明する。多機能電話機２００が通話中に機能ボタン２０
２を押下すると、図６に示す場合と同様にステップＳ１
１で該機能ボタンの種別をチェックし、その結果、保留
ボタンであると認識した場合は、図６に示す場合と同様
にステップＳ１２〜１５の処理により該内線グループ１
０５に対し保留設定を行う。更に、次のステップＳ３０
において、保留操作を行った多機能電話機２００の内線
グループ１０５以外の内線グループ対応の機能ボタン管
理データ３００より他の内線グループ保留ボタンを検索
し、該制御データ８００および該機能ボタン２０２に対
しステップＳ３１およびステップＳ３２の処理を実行
し、他の内線グループ１０５へ保留中表示を行う。

【００２４】図１０は、前記他の内線グループ保留ボタ
ンへ保留された被保留回線への保留応答処理を示すフロ
ーチャートである。まず、多機能電話機２００がオフフ
ック後機能ボタンを押下するとステップＳ２１でボタン
種別を識別し、他の内線グループ保留ボタンであると認
識された場合は、図７と同様にステップＳ２３〜Ｓ２６
の処理により該内線グループ１０５に対し保留解除を行
う。更に、次のステップＳ４０において、保留元内線グ
ループ１０５に対して、制御データ４００の初期設定、
機能ボタン２０２の可視ランプ２０３の滅火を行い、保
留解除処理を実行する。

【００２５】このように、上記実施例によれば、複数の
内線グループにまたがる保留および保留応答ができる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、構
内電話交換機に収容される内線端末機を複数の内線グル
ープ構成で運用する場合、１つの内線グループ内でクロ
ーズされる保留転送を、これ以外の内線グループまで拡
張することができ、内線グループ内と同一操作で、他の
内線グループへ転送できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における構内電話交換機の構成図であ
る。

【図２】構内電話交換機に収容される多機能電話機の盤
面の構成図である。

【図３】多機能電話機の機能ボタンを管理する機能ボタ
ン管理データの構成図である。

【図４】機能ボタンを保留ボタンとして使用する時の制
御データの構成図である。

【図５】機能ボタンを共通保留ボタンとして使用する時
の制御データの構成図である。

【図６】共通保留ボタンによる保留処理を示すフローチ
ャートである。

【図７】共通保留ボタンによる保留応答処理を示すフロ
ーチャートである。

【図８】機能ボタンを他の内線グループ保留ボタンとし
て使用する時の制御データの構成図である。

【図９】保留ボタンによる保留処理を示すフローチャー
トである。

【図１０】他内線グループ保留ボタンによる保留応答処
理を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１００ 構内電話交換機 １０１ 通話路スイッチ １０２ ＣＰＵ（中央処理装置） １０３ 記憶装置 １０４ 内線端末機 １０５ 内線グループ ２０２ 多機能電話機の機能ボタン ５００ 共通保留ボタン用制御データ ８００ 他内線グループ保留ボタン用制御データ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 博敬 福島県郡山市字船場向94番地 株式会社 日立テレコムテクノロジー内 (56)参考文献 特開 平２−299389（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−247363（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H04M 3/42 - 3/58 H04Q 3/58 - 3/62

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内線端末機として機能ボタンを有する複
   数の多機能電話機を収容し、当該複数の多機能電話機を
   複数の内線グループに構成した構内電話交換機に適用さ
   れる保留転送方式であって、 前記複数の多機能電話機の各々に、 自多機能電話機が所属する内線グループに対応する機能
   ボタンであって、通話中の呼を保留し、かつ、当該内線
   グループ内の多機能電話機が保留した保留呼に応答する
   グループ保留機能ボタンと、自多機能電話機が所属する内線グループ以外の他内線グ
   ループに対応する機能ボタンであって、当該他内線グル
   ープの保留呼に応答する他グループ保留機能ボタンと、 当該他グループ保留機能ボタンに対応する表示手段であ
   って、前記他内線グループの保留状態を表示する他グル
   ープ保留状態表示手段とを設け、 前記構内電話交換機に、 前記多機能電話機が前記グループ保留機能ボタンによっ
   て保留操作したことを認識すると、当該保留操作した多
   機能電話機が通話中の呼を、当該多機能電話機が所属す
   る内線グループ内の多機能電話機に設けられた前記グル
   ープ保留機能ボタンによって応答可能な状態に保留し、
   かつ、当該保留操作した多機能電話機が所属する内線グ
   ループ以外の他内線グループ内の多機能電話機に設けら
   れた前記他グループ保留状態表示手段に対して保留呼が
   あることを示す保留表示を行なう保留制御手段と、 前記保留制御手段によって前記多機能電話機が通話中の
   呼を保留状態にした場合において、当該保留操作した多
   機能電話機が所属する内線グループ以外の他内線グルー
   プ内の多機能電話機に設けられた前記他グループ保留機
   能ボタンが操作されたことを認識すると、当該保留状態
   の呼を当該他グループ保留機能ボタンを操作した多機能
   電話機に接続し、かつ、前記保留操作した多機能電話機
   が所属する自内線グループ内での保留を解除する転送接
   続手段とを設けた、 ことを特徴とする保留転送方式。
2. 【請求項２】 前記他内線グループが複数構成されてお
   り、前記他グループ保留機能ボタンを、当該複数の他内
   線グループのそれぞれに対応させて複数設け、かつ、前
   記他グループ保留状態表示手段を、当該複数の他グルー
   プ保留機能ボタンのそれぞれに対応させて複数設けたこ
   とを特徴とする請求項１記載の保留転送方式。