JP2892824B2 - 小型原子炉 - Google Patents

小型原子炉

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JP2892824B2
JP2892824B2 JP2327562A JP32756290A JP2892824B2 JP 2892824 B2 JP2892824 B2 JP 2892824B2 JP 2327562 A JP2327562 A JP 2327562A JP 32756290 A JP32756290 A JP 32756290A JP 2892824 B2 JP2892824 B2 JP 2892824B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、長寿命反応度を有する小型原子炉に係り、
特に液体金属ナトリウムを冷却材として使用する高速炉
に関する。
(従来の技術) 原子炉の反応度制御は、装荷燃料の富化度を調整し
て、所定の燃焼反応度減少量等の運転サイクル長さ・定
格出力運転に伴なう分を補償し、そのための余剰反応度
は、制御棒等の中性子吸収物質の挿入状態を変更するこ
とにより、臨界調整が行なわれている。制御棒の配置
は、炉停止条件を満足させつつ、出力分布の平坦化等と
併せて最適化される。制御棒の配置は、炉停止条件を満
足させつつ、出力分布の平坦化等と併せて最適化され
る。この方法は、小型から大型炉心まで、広い炉心出力
範囲で採用されている。
反応度制御の観点からは、前記制御棒による方法の他
に、中性子の洩れ量を制御する方法が利用されている。
特に、炉心からの中性子の漏れが多い小型炉心では有効
であり、過去には、実験炉SEFORが運転された(SEFOR,
臨界1969年、UO2−PuO2燃料,Na冷却,熱出力20MW,炉心
サイズ約566l)。
SEFOR炉では、炉心の外側にセクタ状に分割された反
射体領域があり、分割された反射体を上下に移動させ、
炉心部との相対位置関係を変更することにより、中性子
の漏れを制御している。
また反射体による小型炉心概念の設計例としては、米
国の軍事用の10MWe級プラントの報告が参考文献(IECEC
−87 Intersociety Energy Conversion Engineering Co
nference T.A.Moss and E.B.Baumeister,“A.Liquid−M
etal Reactor/Air Brayton−cycle option for a Multi
megawatt Terrestrial Power(MTP)Plant"Proc.of IEC
EC−87.p1596)に示されている。
この炉心は、濃縮ウラン酸化物燃料を使用して長寿命
(10年)を狙ったものである。炉心熱出力は55MWth(電
気出力5500KW)という小出力規模である。ただし、炉心
の反応度制御には、炉容器外の反射体を上下することに
より行なっている。そして、炉心長を調整することによ
り、炉心出力密度を調整するという自明のことを利用
し、運転期間をある程度加減できることが示されている
が、ボイド係数低減と反射体長との関係については記述
されていない。また、この報告例では、濃縮ウランを使
用しているため、冷却材のボイド係数が容易に負となる
ようになっている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、プルトニウム(Pu)を利用する高速炉にお
いて、冷却材(Na)の密度係数を正(冷却材密度減少に
伴ない反応度も減少)にするようにすることは、仮想的
に考え得るATWS(スクラムしない過渡変動)事象の緩和
に役立つと考えられる。特に流量低下型事象では、炉心
構成物の温度変化に伴なうフィードバック反応度が負と
なることが自然炉停止能力を向上させることになる。
ところが、この特徴を具備する炉心を、Pu燃料を利用
した体系で実現することは、炉の安全性向上の観点から
重要であるが容易ではない。特に、反応度の長寿命化
〔(原子炉出力)×(運転期間)の最大化〕とボイド反
応度の非正化とを両立させることは難しいことが、これ
までの研究例でも数多く示されている。
1サイクルの燃焼反応度減少量を長期化のために低減
することと、ボイド反応度の一般的傾向は、第19図に従
来の円柱状の炉心で得られる傾向として示すように、相
反する要求となっている。これは、第20図に示すよう
に、ボイド係数は低減し、非正とするために、炉心の形
状等を変化させることに伴ない、燃料富化度の上昇(ボ
イド効果のうち、中性子漏れを増大させることにより必
要となる)を必要とし、内部転換化が低下するためであ
る。また、炉心の燃焼度を増大させる場合も、核***生
成物(FP)による中性子吸収が増加し、スペクトルが硬
くなってボイド係数を正側にシフトすることになる。ボ
イド反応度を低減するために、高濃度ウランを燃料とす
る領域を設置するか、炉全体領域で利用することは、従
来から、炉心スペクトル、核断面積の比較から知られて
いる。
このように、Pu利用高速炉心では、反応度寿命中ボイ
ド係数を負(非正)とし、長期反応度寿命を達成するに
は特段の工夫が必要となる。特に、小型反射体付炉心で
長寿命化を狙う場合には、反射体で炉心を取囲むことに
より炉心の中性子漏れを抑制することになり、ボイド係
数を寿命中非正とすることと相反する方向となる。
本発明は、このような点を考慮してなされたもので、
燃料にプルトニウムを利用して長寿命化を図る場合に、
寿命中のどの燃焼状態においても、炉心部ボイド係数が
正とならないようにし、仮に炉心の流量が低下しても、
原子炉が固有の反応度フィードバック作用により自然に
炉停止する能力を強化することができる小型原子炉を提
供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、前記目的を達成する手段として、プルトニ
ウムを燃料の全部または一部として利用するとともに、
冷却材として液体金属を使用し、かつ炉心反応度を、炉
心外に設置した反射体を駆動することにより制御する小
型原子炉において、炉心燃料部分の高さをH,炉心の等価
直径をD,反射体の有効長をLとしたときに、炉心をH/D
>1を満足する縦長円柱形状に形成し、かつL/Hを0.4〜
0.6の範囲とするようにしたことを特徴とする。
(作 用) 本発明に係る小型原子炉においては、炉心燃料部分の
高さをH,炉心の等価直径をD,反射体の有効長をLとした
ときに、炉心がH/D>1を満足する縦長円柱形状に形成
され、かつL/Hが、0.4〜0.6の範囲になるように設定さ
れている。このため、運転期間中の炉心ボイド係数が零
以下(負)になり、極低頻度事象である定格出力運転中
の流量低下型事象が生じても、炉の健全性を確保したま
ま原子炉を停止することが可能となり、しかも(1バッ
チ炉心の反応度寿命)×(炉出力)の最大化を図って、
炉の反応度寿命を長期化できる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は、本発明の第1実施例に係る小型原子炉を示
すもので、この小型原子炉は、縦長円柱形状をなす炉心
1外に反射体2を設置し、この反射体2を、主として上
下方向(径方向への移動、炉心1との距離の調整の併用
も可能)に移動させることにより、炉の反応度を調整す
るようになっている。
前記炉心1の上下端部には、第1図に示すように、上
部反射体領域3および下部反射体領域4がそれぞれ形成
されており、また炉心1の外周部には、内周側から、炉
心バレル5、Naダウンカマ6および炉容器(安全容器)
7がそれぞれ設けられ、炉容器7の外周側には、空隙8
を介して反射体領域9が形成されている。そして、前記
反射体2は、この反射体領域9を昇降するようになって
いる。
この小型原子炉は、熱出力125MWthとし、10年間の反
応度寿命を目指したもので、炉心1の高さHが約3m、炉
心1の等価直径Dが約92cm、反射体2の有効長さLが約
1.7mに設定されている。
また、寿命初期は、反射体2の上端が下部反射体領域
4にあり、いわゆる“裸の炉心”状態となっており、燃
焼前の最も燃料が多く含まれる場合でも、低温停止時に
は未臨界であることを満足させるよう、炉心1の高さ
H、燃料体積比、燃料体の配置・種類が決められてい
る。例えば、炉心1は、径方向サイズに比べ軸方向サイ
ズが長いので、“裸の炉心”の未臨界度は、実質的に径
方向のサイジング燃料富化度を決める1つの要因とな
る。
第2図は、炉心1の水平断面図であり、この炉心1
は、炉心バレル5内に、通常集合体10および特殊形状集
合体11を配して構成され、液体金属を冷却材12として用
いるようになっている。そしてこの炉心1は、径方向の
集合体出力分布を平坦化し、径方向への中性子漏れを増
大させて反射体2の制御能力を増大させ、かつ炉心部全
体の漏洩増大(反射性のない部分からの漏れ)のため、
径方向の富化度分布がつけられている。すなわち、中心
が低富化度、その外周が中富化度、最外周が高富化度と
なっている。
また、前記各集合体10,11は、第3A図および第3B図に
示すように、燃料ピン13とタイロッド14とから構成さ
れ、かつ反射体2の制御能力の増大およびボイド係数低
減を図るため、いずれの集合体10,11もダクトレス集合
体となっている。
次に、炉心部ボイド係数の“非正(零)”化のため
に、炉心設計の基本仕様設定上重要かつ基本的なパラメ
ータの選定範囲について説明し、経済的でしかも安全性
向上の範囲で成立させる範囲につき説明する。
第4図は、炉心高さHが炉心径Rに対し、H/R>1が
成立する炉心において、炉心径R、反応度寿命を決める
反射体による反応度印加可能量および燃焼反応度量の関
係を示したものであり、図中、符号Aは、炉心外の反射
体による反射度付加の曲線、符号Bは、炉心サイズによ
る燃焼反応度可能量の曲線、符号Cは、炉心/反射体間
の距離を少なくしたときの反射体印加反応度の曲線をそ
れぞれ示す。
反応度的にみると、反射体制御炉心では、反射体の引
上等による反射度補償ΔKreflが ΔKreflΔKBurn+ΔK(温度補償分) …(1) の関係式が成立するように、ΔKBurn燃焼に伴なう反応
度減少を補償することができれば、最適化されたと言え
る。
ΔKreflは、炉心外の反射体による印加反応度で、こ
れは、炉心径Rが小さい場合は効果として大きいが、炉
心径Rが大きくなると、動き方は急激に小さくなる。
燃焼反応度は、同一出力密度では、炉心径Rが小さく
なれば富化度が高くなり、運転サイクル長は、炉心径R
が小さくなると急激に大きくなり、炉心径Rが大きくな
ると富化度が低くなり小さくなる。
炉出力一定ならば、出力密度低減効果もあり、炉心径
Rが大きくなるに従って、燃焼反応度は低減する。第4
図の曲線A,Bの関係とボイド係数との観点から、前記
(1)式が成立するように最適化される。
以上のことから、炉心径Rの下限は、設計目標寿命、
炉心径Rの上限は、“裸の炉心”の臨界(未臨界要求条
件)性、反射体による反応度印加量によって主として支
配される。
反射体による反射度調整可能量の大きさには、炉心と
反射体までの距離、反射体がカバーする範囲の広さが重
要なパラメータとなるが、本実施例では、全周方向をカ
バーしている。
炉心外周と反射体との間の構造物は、炉心からの中性
子を遮蔽するので、反射体の効果も減少することにな
る。したがって、炉心および炉心周辺の構成要素、炉容
器を含めた構造材のステンレス鋼の厚さを約10cmとして
いる。
炉心性能目標(炉の精算出力の最大化)には炉容器外
に反射体を設置する場合には、炉容器への中性子照射条
件等からの要求事項、制約事項を考慮する必要がある。
一般的には、炉精算出力の最大化と炉心径Rとの関係
は、第5図に示すようになる。
炉心径Rの拡大は、炉出力当りの炉からの中性子漏れ
を減少させ、構造物への照射量の制約の範囲で、燃焼反
応減少による反応度寿命長期化に有効となる。
以上のことから、炉心径Rに関した大筋が決められる
が、次の燃料基本仕様として、燃料体積比について説明
する。これは、主として炉心ボイド係数に対する目標性
能(ボイド係数零化)と関係している。
第1図に示す炉心を運転していく場合、運転中の制御
用反射体の概略軸方向レベルと炉寿命中のボイド係数と
の関係を第6図に示す。
燃焼の進んでいない初期は、反応体の炉心燃料部分の
重なりは少なく、燃焼が進むに従って、反射度の補償の
ために、反射体と炉心との重なりが増加していく。
第6図に示す例(炉出力125MWth)では、運転開始後
約8年で反射体が炉心部と完全に重なるようになり、8
〜12年では、反射体長さは炉心部高さの範囲に含まれ
る。
このような反射体の動きと、炉心燃焼状態との関連を
示すために、第7図に中心軸の軸方向出力分布を示す。
第7図において、曲線BOCは燃焼初期の場合、曲線MOCは
燃焼中期の場合、曲線EOCは燃焼末期の場合をそれぞれ
示す。
第7図からも明らかなように、反射***置に従って、
軸方向出力ピーク位置が軸方向に変化している様子が判
る。このピーク値は、核***反応を維持させる中性子束
分布のピーク位置と重なっているので、反射体が重なっ
ている軸方向範囲が、実質的な炉心部分となっているこ
とを示している。また、第7図の出力分布で示されてい
るように、燃料インベントリの多い初期は、反射体のカ
バーしていない領域でも、出力分担を比較的多く持って
いる。このことは、径方向の中性子漏れを考えたときに
は、反射体との重なりのない部分からの中性子漏れが多
いことを意味し、第6図の下段に示すボイド係数の図で
示すように、運転初期ほど“負”となっている。
燃焼中期の反射体の重なりの多くなった状態では、実
質炉心部が反射体との重なり領域とほぼ一致する。この
場合には、径方向反射効率が大きいことは、実質的に径
方向への中性子漏れが減少することになる。また、軸方
向への中性子漏れも相対的に減少することが、出力分布
の曲線BOC,MOCの比較から理解される。
反射体が炉心の上部に配置される燃焼末期(EOC)で
は、第6図に示すようにボイド係数がほぼ最大となる。
これは、燃焼が進んだ燃焼末期では、実質の炉心部の燃
料インベントリが減少しており、反射体による反応度回
復が特に重要となるので、反射度寿命の長期化のために
は反射体の長さが重要となる。第6図に示すボイド係数
も、燃焼末期では増加する。その理由は、核***生成物
(EP)が増加しているので、スペクトル効果もあり、燃
焼初期(BOC)より増加するという本質的なものである
が、燃焼中期(MOC)に比べ燃焼末期(EOC)は出力分布
が若干急となっているにもかかわらず、ボイド係数は両
者ほとんど一致している。燃焼末期のボイド反応度が
“非正”となることに反射体長さとは関係がある。した
がって、可動反射体の長さは、反射***置に決めた後で
は、寿命ボイド係数の点で炉心の基本仕様となる重要な
ものである。
本発明が目標とするプルトニウム利用炉心で、ボイド
反応度を“非正”とする長尺炉心における反射体の長さ
の最適化については後に詳述するが、まず炉心径Rの決
定と関係する燃料体積化について、ボイド係数の観点か
ら説明する。
第8図は、炉心半径および高さを、第1図で説明した
値に設定したときの燃焼末期の炉心ボイド係数と燃料体
積比(スメア)との関係および反応度寿命を示す。第8
図において、曲線Dは燃料体積比とボイド係数との関係
を示し、また曲線Eは、燃料体積比と反応度寿命との関
係を示す。
スメア燃料体積比は、ピン内側半径をdi、ピン本数を
N、炉心の断面積をSとしたとき、 π・di 2・N/S …(2) で定義される値であり、炉心の断面積に対する燃料部分
の断面積の比である。そして、この半径di内に実効スメ
ア密度Piの燃料が入る。
燃料体積比が大きいと、高い密度を有する燃料シート
が多くなるので、平均自由工程が小さくなり、径方向の
漏れが減少してボイド係数は正となるが、この例で示さ
れる35%程度では、ボイド係数が“非正”となることが
示されている。原子炉反応度寿命長期化のためには、燃
料体積比は大きい方がよいが、ボイド反応度低減のため
には、上限として約35%のスメア燃料体積比が見積ら
れ、よって、第8図に示すように、スメア燃料体積比を
20〜38%の範囲に設定する、好ましくは約35%程度に設
定することが好適である。
本実施例におけるサーベイ解析の結果は、反射体長お
よび燃料体積比(スメア)について炉心ボイド(EOC)
係数の“非正”化目標および炉心反応度寿命長期化目標
の達成範囲を第9図に示す。第9図において、曲線F
は、ボイド係数零の成立範囲を示し、また曲線Gは、反
応度寿命10年の曲線を示し、さらに曲線Hは、反応度寿
命12年の曲線を示す。
燃料体積比が大きい場合は、寿命中のボイド係数を
“非正”化するためには、軸方向への漏れを増大させる
ために反射体長さは短くする必要がある。一方、炉の反
応度寿命増大のためには、反射体は長くする方が有効で
あるという傾向があるので、この両者を成立させる範囲
が限定される。本実施例では、燃料体積比約35%、反射
体長さ/炉心長さの比約0.6が選定される。
次に、第2図に示すように燃料富化度に径方向分布を
つける効果と、ボイド係数低減と、反応度寿命のサーベ
イ結果を第10図に示す。
反射体に近い側の燃料富化度を高くすることで、反射
体による反応度印加効果を増大させることになる。この
とき、燃焼初期の“裸の炉心”の未臨界度を確保する範
囲で成立することが確認されている。ボイド係数につい
ては、炉心の内側領域については、中性子漏れによるボ
イド係数を負にする成分が減少するが、富化度を高くし
た外側領域では、外側への中性子漏れ成分が増大し、全
体として燃焼末期のボイド係数が低減し、第10図に示す
ように、初期富化度が径方向に一様の場合にわずかに正
のボイド係数であっても、富化度比(外側富化度ε2/平
均富化度ε)が約1.2の場合に、ボイド係数が負にな
っている。
この出力分布の平坦化は、一般にはボイド係数を正側
にシフトさせる傾向を有するが、前述のように、反応度
寿命の長期化およびボイド係数の低減が両立すること
は、一般に偏平型炉心(H/D<1)では難しい。第10図
のように、反応度寿命増大とボイド係数低減が両立する
のは、小型炉心に特徴的なものである。
次に、炉の出力の増大または反応度寿命の増大のため
に、炉心を第1図に示す例(炉心高さ3m)からさらに長
大化し、6mとした場合の反射体長さとの関係を第11図に
示す。第11図において、曲線Iは3m炉心当りの反応度寿
命、曲線Jは3m炉心の場合のL/H、曲線Kは6m炉心の場
合のL/Hをそれぞれ示す。
同一出力の場合、径方向サイズ、燃料仕様を同一にし
たときには、反応度寿命はほぼ倍増することが確認され
ている。第11図の曲線Iは、3m当りの反応度寿命に換算
したが、炉心長を増大させてもこの割合はほぼ同一で、
プラスαの効果は顕著ではなかった。
燃焼末期に“非負”ボイド係数達成目標については、
炉心の長大化によって成立範囲が第11図の曲線Kのよう
になり、反射体長さL/炉心高さHの値で0.4から0.6とな
った。そして、径方向の富化度比の調整を行なうことに
より、寿命の長期化の若干の改善とL/Hを0.6に近付ける
ことができた。
したがって、本方式では、L/H=0.4〜0.6とすること
が反射体長と炉心高さの最適化範囲となる。
以上、第4図で説明したように、炉心半径が大きい方
が寿命長期化に一般に有利となる傾向があるが、例えば
炉心半径を小さくした場合には、ボイド係数の低減には
有利となる。このときの反射体長さとの関係を第12図に
示す。第12図からも明らかなように、径が小さい場合に
は、反射***置についての条件を同一にすると、(反応
度寿命)×(出力)値については低下する傾向にある
が、ボイド係数を負とすることは容易となる。
しかして、第13図に示すように、ATWS流量低下型事象
時においても、負のフィードバックのみを有し、低流量
時にも冷却材の温度上昇が小さく、炉の固有の特性を行
って安全に炉を停止させることができる。
第14図ないし第16図は、本発明の第2実施例を示すも
ので、以下これについて説明する。
反射体を炉容器外に設置する場合は、炉心と反射体と
の間に構造材を多く入れることは、反射体印加反応度を
小さくし寿命低減につながる。したがって、構造材を少
なくすることを狙うが、そのために炉容器のフルエンス
は高くなる。これを低減する方策としては、第14図に示
すように、軸方向の富化度分布を設置する方法がある。
すなわち、従来は、第14図(a)に示すように、燃料
の軸方向富化度分布が一様であったものを、第14図
(b)に示すように、炉心下端より炉心有効長の約1/3
の位置を中心にして、幅約50cmの天然ウラン(ブランケ
ット)領域を設けるようにする。この領域は、NU(天然
ウラン)の他に、DU(劣化ウラン)、NP(ネプチニウ
ム)を含んでいてもよい。
このようにすることにより、第14図(c)に示すよう
に、高速中性子積分照射量の最大値が下がり、炉容器フ
ルエンスを低減することができる。
軸方向に富化度を変更する場合には、第15図(a)に
示すように、反射体に近い最外周の集合体(図中縦線で
示した。)のみを、第14図(b)に示す集合体構造とす
る方法と、第15図(b)に示すように、天然ウラン領域
の設置位置を、最外周(図中斜線で示した。)とその内
側とで異ならしめる方法とがある。すなわち、第15図
(b)の場合は、最外周の集合体は、第16図(a)に示
すように、天然ウラン領域が中心レベルよりも下方に設
置され、それ以外の集合体は、第16図(b)に示すよう
に、天然ウラン領域が中心レベルよりも上方に設置され
ている。
第17図および第18図は、本発明の第3実施例を示すも
ので、中性子遮蔽体21を、炉心1とともに炉心バレル5
内に配したり(第17図参照)、あるいは炉心バレル5外
に配したり(第18図参照)して炉容器内に設置し、一方
反応度調整用運転反射体は炉容器外に設置するようにし
たものである。
前記中性子遮蔽体21は、炉容器へのフルエンスを低減
させるために設置されるもので、第17図(a)、第18図
(a)に示すように、部分的な遮蔽体開口部22を有し、
この遮蔽体開口部22に対応する外側反射体を操作する。
この遮蔽体開口部22の炉容器フルエンスが設計制限値に
達したら、第17図(b),第18図(b)に示すように、
遮蔽体開口部22を変更するよう中性子遮蔽体21を移動操
作し、次の運転を行なう。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、燃料にプルトニ
ウムを利用して長寿命化を図る場合に、寿命中のどの燃
焼状態においても、炉心部ボイド係数が正とならないよ
うにし、仮に炉心の流量が低下しても、原子炉が固有の
反応度フィードバック作用により自然炉停止する能力を
強化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る小型原子炉を示す炉
心概念図、第2図は炉心の水平断面図、第3A図は通常の
燃料集合体の構成図、第3B図は特殊形状の燃料集合体の
構成図、第4図は円柱炉心における炉心半径、反射体に
よる印加反応度、および燃焼反応度の関係を示すグラ
フ、第5図は原子炉積算出力と原子炉直径との関係を示
すグラフ、第6図は燃焼制御反射体の位置変動とNaボイ
ド係数との関係を示すグラフ、第7図は燃焼初、中、末
期における軸方向出力分布を示すグラフ、第8図は燃料
体積比、ボイド反応度、および反応度寿命の関係を示す
グラフ、第9図は反射体有効長、燃料体積比、ゼロボイ
ド領域、および反応度寿命長期化の関係を示すグラフ、
第10図は径方向富化度とボイド係数との関係を示すグラ
フ、第11図はボイド反応度と反射体長さ/炉心高さの比
との関係を示すグラフ、第12図は炉半径とボイド係数
“非負”のためのL/Hとの関係を示すグラフ、第13図は
サイクル末期における流量低下型事象の反応度印加の様
子を示すグラフ、第14図(a)〜(c)はそれぞれ本発
明の第2実施例を示す説明図、第15図(a),(b)は
軸方向に富化度分布を設けた集合体の炉心配置をそれぞ
れ示す説明図、第16図(a)は第15図(b)の炉心にお
ける最外周の集合体の富化度分布の状態を示す模式図、
第16図(b)は第15図(b)の炉心における中心側の集
合体の富化度分布の状態を示す模式図、第17図(a),
(b)および第18図(a),(b)は本発明の第3実施
例をそれぞれ示す説明図、第19図はPu利用高速炉の炉心
ボイド係数と反応度減少量との関係を示すグラフ、第20
図はPu利用高速炉の炉心ボイド係数と内部転換比の傾向
例を示すグラフである。 1……炉心、2……反射体、7……炉容器、H……炉心
の高さ、D……炉心の等価直径、L……反射体の有効長
さ、R……炉心径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 正明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−52593(JP,A) 特開 平3−282397(JP,A) 特開 平3−282396(JP,A) 特開 平2−222861(JP,A) 特開 平63−269093(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 1/02 G21C 7/28 G21C 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プルトニウムを燃料の全部または一部とし
    て利用するとともに、冷却材として液体金属を使用し、
    かつ炉心反応度を、炉心外に設置した反射体を駆動する
    ことにより制御する小型原子炉において、炉心燃料部分
    の高さをH、炉心の等価直径をD、反射体の有効長をL
    としたときに、炉心をH/D>1を満足する縦長円柱形状
    に形成し、L/Hを0.4〜0.6の範囲とするとともに、スメ
    ア燃料体積比を20%〜38%の範囲に設定したことを特徴
    とする小型原子炉。
  2. 【請求項2】前記炉心の下端より炉心有効長の1/3の位
    置を含む領域を、天然ウラン領域とすることを特徴とす
    る請求項1記載の小型原子炉。
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