JP2882651B2 - ポリエステル系モール糸 - Google Patents

ポリエステル系モール糸

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリエステル系モール糸に関するものであ
り、その目的とするところは、通常のポリエステルの染
色条件である100〜130℃の高温高圧熱水処理下でも寸法
安定性であり、かつ形態安定性を維持し、更に易染性で
あり、しかも、150〜210℃の乾熱処理を行なうことによ
り、花糸の抜け出しを防ぐ目止め性も良好であり、かつ
目止め後も柔軟で風合も良好で更にコスト的にも比較的
安価であることを特徴としたポリエステル系モール糸を
提供せんとするものである。
(従来の技術) モール糸は、一般的に高級シート素材及び高級カーテ
ン素材等に多く用いられてきた。モール糸の製造方法と
しては、一般的に第14図で示すような装置を用い、花
糸、芯糸、押え糸(押え糸は実質的に芯糸の一部を構成
しているので、本発明では押え糸を芯糸に含める)の3
者から構成された第15図で示すような構造の繊維素材が
モール糸であるが、花糸が芯糸から抜け出さないよう
に、通常芯糸の一部である押え糸にバインダー効果を発
揮する繊維を用い、芯糸と芯糸の目止めを行う必要があ
る。この押え糸による接着効果が不十分であると製品と
して使用している過程で花糸が素抜けてくるトラブルが
発生し、繊維製品としては外観的にも不良になるばかり
でなく、花糸の抜け出しによる繊維屑の大量の発生によ
り、使用できなくなつてしまう問題が出てくる。
従来、上記のようなトラブルが発生することを防ぐた
め、押え糸として低温で溶解する低温ホツトメルトタイ
プのポリアミド変性繊維を用い、約100℃前後の乾熱処
理により該ポリアミド変性繊維を溶融させ芯糸と芯糸の
接合点を固定させて花糸の素抜けを防止する方法などが
一般的に行なわれてきた。しかしながら、このようなポ
リアミド変性繊維からなる押え糸は約100℃前後の低温
で溶融してしまうため、花糸や芯糸にナイロン6などの
ポリアミド繊維を用いる場合には、100℃以下の条件で
酸性染料により染色処理をすることができるためあまり
問題とはならなかつたが、ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステル繊維を用いる場合は、染色温度が通
常100℃以上の高温高圧熱水下での分散染料による染色
処理を行なわざるを得ないため、染色処理工程中で該ポ
リアミド変性繊維からなる押え糸が軟化溶融しポリマー
が流れ出してしまい、染色処理後目止め効果がかなり消
失してしまい、問題となつていた。また、従来の押え糸
はポリアミド変性繊維が主に用いられているため、花
糸、芯糸がナイロン6などのポリアミド繊維の場合には
相溶性が良好なことから優れた熱接着性が発揮され、好
都合であつたが、花糸、芯糸がポリエステルの場合ポリ
マー間の相溶性が不良なため熱接着性が不十分となり、
押え糸の低融点ポリマーのみによる固定効果が期待され
ないのが実情であつた。
以上のように理由からモール糸として従来ポリアミド
系の繊維製品が主に用いられ、ポリエステル系のものは
あまり使用されていないのが現状であつた。しかしなが
ら近年繊維分野でポリエチレンテレフタレート(以下、
PETと略記)を代表とするポリエステル系繊維の役割が
大きくなり、生産効率、省エネルギー、優れた繊維物性
等の観点よりモール糸においてもポリエステル系繊維が
強く望まれていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、商業生産可能なレベルまで工程性が良
好で繊維製品として良好なポリエステル系モール糸を得
るためには、いかなるものを用い、いかなる構成とした
らよいかという点を究明したものである。特に、通常の
ポリエステル繊維の染色条件である100〜130℃の高温高
圧熱水処理下でもモール系を構成している熱接着性ポリ
マー成分の繊維が溶融流動してしまうことなく、モール
糸の形態安定性を維持し、更に易染性であり、しかも15
0〜210℃の乾熱処理を行なうことにより、ポリエステル
繊維に対する優れた熱接着性を有し目止め効果を発揮さ
せるために、更に目止めした後においてもモール糸の柔
軟性や風合を実質的に損うことのないようにするため
に、しかもそれを比較的安価に提供するためにはいかな
るものを用いたらよいかという点を究明したものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、花糸および芯糸がポリエチレンテレフタレ
ート系繊維またはポリブチレンテレフタレート系繊維か
らなるモール糸において、該花糸および該芯糸が、融点
が150〜200℃でかつ該ポリエチレンテレフタレート系繊
維または該ポリブチレンテレフタレート系繊維の融点よ
り低く、そして共重合成分の割合が15〜50モル%である
ポリブチレンテレフタレート系共重合ポリマーにより固
定されていることを特徴とするポリエステル系モール糸
であり、そして花糸および芯糸がポリエチレンテレフタ
レート系繊維またはポリブチレンテレフタレート系繊維
からなるモール糸において、該花糸または該芯糸中に下
記またはの繊維が含まれていることを特徴とするポ
リエステル系モール糸である。
融点が150〜200℃でかつ該ポリエチレンテレフタレ
ート系繊維または該ポリブチレンテレフタレート系繊維
の融点より低く、そして共重合成分の割合が15〜50モル
%であるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリマー
からなる繊維、 上記の共重合ポリマー層と融点がそれよりも高い
熱可塑性ポリマー層からなる多成分系繊維であつて、該
多成分系繊維表面積の40%以上が上記の共重合ポリマ
ーで覆われている多成分系繊維、 本発明をより具体的に説明すると、優れた目止め効果
を有する熱接着性繊維の熱接着性ポリマーとして、酸成
分がテレフタル酸(TA)を主成分とし、グリコール成分
が1,4−ブタンジオール(BD)を主成分とするポリブチ
レンテレフタレート系ポリマーであつて、TA、BD以外の
第3成分の共重合量が15〜50モル%であるポリマーを用
いるものである。そして融点が150℃以上であることが
ポリブチレンテレフタレート系共重合の場合の染色時の
溶融流動を防ぎ形態安定性および優れた風合を得る上で
必要である。さらに結晶融解熱(△H)が2cal/g以上、
最短結晶化時間が90秒以内である結晶性ポリエステルで
あることが好ましい。
従来より種々のポリエステル繊維が知られている。本
発明は、従来より公知のポリエステル系接着性繊維の中
で、特に特定の共重合量でかつ特定の融点を有するポリ
ブチレンテレフタレート系繊維がモール糸の目止め性に
極めて優れ、かつモール糸としての柔軟化や花糸の性能
を損わないことを見出したものである。
なお本発明で言う共重合モル%は、ポリエステルを構
成するジカルボン酸中に占める共重合するために加えた
TA以外のジカルボン酸のモル数とポリエステルを構成す
るジオール中に占める共重合するために加えたBD以外の
ジオールのモル%の合計量であり、共重合成分としてオ
キシカルボン酸が用いられている場合には、ポリエステ
ルを構成しているジカルボン酸とジオールとオキシカル
ボン酸の合計モル数に0.5を掛けたモル数に対するオキ
シカルボン酸のモル数の割合である。
本発明においてモール糸の目止めとして用いられる繊
維を構成する共重合ポリエステルは、生成ポリエステル
の全酸成分(オキシ酸を含む場合には、その2分の1を
酸成分、2分の1をジオール成分とみなす)に対する共
重合%(以下、共重合%は全酸成分に対するモル%で示
す)として、TAを50モル%以上、望ましくは60モル%以
上含むものが用いられる。TAが50モル%未満ではポリマ
ー物性、繊維の品質、工程性が良好でなく、またコスト
的にも適当でない。
本発明の共重合ポリエステルには、グリコール成分の
BDが50モル%以上、望ましは60モル%以上、さらに好ま
しくは70モル%以上のものが用いられる。50モル%未満
では目的とするポリマー物性が得られにくく物性的に好
ましくなく、やはり繊維の品質、工程性が低下し、また
コスト的にも適当ではない。もちろん共重合量が、15〜
50モル%の範囲内でなければならないことは言うまでも
ない。共重合量が50モル%を越える場合には、ポリマー
物性、繊維品質および工程性の点で所期の目的が得られ
ず、また15モル%未満の場合には、目止め処理が不十分
となつたり、あるいは目止め処理によりモール糸自体が
収縮等を起こし形態安定性が得られなくなる。
TA、BD以外の他の共重合成分としては、各種の芳香族
ジカルボン酸、オキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族
ジオール、脂肪族ジオール、脂環族ジオール等が用いら
れ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸や、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル
類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,6
ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、p−キシリレングリコール、シクロヘキ
サン1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどのジオール化合物、オ
キシ安息香酸、オキシエトキシ安息香酸、ナフトエ酸な
どのオキシカルボン酸化合物である。そして該共重合ポ
リエステルの構造単位の50モル%以上がブチレンテレフ
タレート単位であるポリエステルが用いられる。またポ
リエステル中には少量の添加剤、螢光増剤、艶消し剤、
安定剤あるいは紫外線吸収剤などを含んでいても良い。
また、該共重合ポリエステルは、融点が150〜200℃の
範囲であることが必要で、好ましくは160〜190℃の範囲
である。融点があまり低くすぎるとポリエステル繊維の
通常の染色処理条件である約30℃染色処理時のポリブチ
レンテレフタレート系繊維の耐熱性が不十分であり、モ
ール糸としての形態がポリブチレンテレフタレート系共
重合体を用いる限りにおいて不良になつたり、風合が不
良になつたり、更に融点が低く悪い場合には熱接着性効
果をもたす必要がある。該共重合ポリマー成分が溶融流
動し、モール糸上から消失してしまうため、本来の最終
仕上製品での目止め効果を発揮させることができなくな
り好ましくない。すなわち本発明の重要な目的である良
好な目止め性と良好な風合と良好な染色性を有するポリ
エステル系モール糸が得られない結果となつてまう。更
に、モール糸による織物などの製品に対してアイロンな
どの処理をする場合、融点が150℃以上であることが好
ましい。なぜならばアイロンの熱などによりポリマーが
溶融流動を開始してしまい、風合が悪化する場合がある
からである。一方、融点が200℃以上の高温となると目
止め処理をする接着に高温を要し、従来の装置が使用不
可能であつたり、あるいは高温処理装置を使用したとし
てもモール糸が形態変化を起こしたり、風合が悪化し、
またエネルギーの損失が多いので好ましくない。
また、本発明に用いられる共重合ポリエステルは、結
晶融解熱(ΔHu)が2.0cal/g以上、望ましくは2.5cal/g
以上、さらに好ましくは3.0cal/g以上のものが好適に用
いられる。2.0cal/g未満では繊維製造時に膠着が起り易
く好ましくない。ΔHuの測定は、溶融ポリマーより微細
な繊維状または薄膜フイルム小片として取り出して冷却
し、3日以上室温で放置した試料を差動走査熱量計(DS
C)にかけ、窒素中10℃/分の速度で昇温し、融解時の
吸熱ピークの面積より求めて行なう。
さらに、本発明に用いられるポリブチレンテレフタレ
ート系共重合ポリエステルは、最短結晶化時間(CTmi
n.)が90秒以内、望ましくは70秒以内、さらに好ましく
は50秒以内のものが好適に用いられる。90秒以上では繊
維製造時に膠着が起り起好ましくない。
CTmin.とは、溶融状態より所定温度のシリコン浴また
は水浴中に投入した、実質的に無配向のフイルム微小片
を該浴中で放置し、白化を開始する時間を結晶開始時間
とし、0〜150℃の温度範囲での結晶化開始時間が最も
短い温度での結晶化開始時間である。CTmin.を求めるに
は、浴中に投入せず、空気中で放置してもよいが、浴中
の方が熱交換速度が大であり、冷却過程の影響を小とで
きるので好ましく、本発明では、浴中での値を採用す
る。CTmin.を求めるには、温度を変えてCTmin.そのもの
を測定することは必ずしも必要でなく、0〜150℃の範
囲のある温度での結晶化時間が90秒以内であることが十
分条件である。CTmin.を示す温度は0℃近くの場合もあ
り、また150℃近くのこともある。実際の繊維製造工程
での結晶化時間は温度履歴等により異なるが、CTmin.を
示す温度に設定すると工程での結晶化速度が遠くなるこ
とは当然である。また、紡糸時のごとく繊維に配向がか
ゝると結晶化速度が大となる場合があるが、本発明に定
義するCTmin.をもつて工程性と関連した尺度とすること
ができる。
本発明に用いられるポリブチレンテレフタレート系共
重合ポリエステルは、二次転移点が室温付近であるため
結晶化速度はできるだけ速い方が良い。紡糸時に捲き取
るまでに配向結晶化が進んでいなければ、単繊維間の膠
着等のトラブルが発生し好ましくない。
今迄説明してきたポリブチレンテレフタレート系共重
合ポリエステルを用いた繊維をモール糸の花糸抜け出し
を防ぐ目止め効果を有する熱接着性繊維として用いてモ
ール糸を構成するのが本発明の重要な点であるが、該熱
接着性繊維をつくる上で重要なことは、一つは、適切な
固有粘度の範囲のものを用いなければ、ある程度の繊維
化工程性を維持した状態で繊維化を行なうことが難しい
ことである。このことから固有粘度〔η〕は0.50dl/g以
上にするのが好ましい。更に好ましくは0.60〜1.50dl/g
であり、特に好ましくは0.70〜1.20dl/gの範囲である。
なおこの固有粘度条件は、ポリブチレンテレフタレー
ト系ポリマーを前記の繊維として使用する場合の好適
な条件であり、前記のような多成分系繊維として使用
する場合には、この条件を外れる範囲であつても所期の
目的は達成される。
ここで述べている固有粘度の測定は、フエノール50wt
%、テトラクロルエタン50wt%で調製した溶液を用い、
30℃下オストワルド粘度計で測定したものである。
〔η〕が0.50dl/g未満では、溶融粘度が低くすぎて紡糸
性、延伸性が不良であつた。特に延伸性が不良で、単糸
切れ、断糸が頻発するとともに、得られた繊維の強度が
低く好ましくない。〔η〕が1.50dl/gをこえると、逆に
溶融粘度が高くなりすぎて、紡糸時ドラフトがかかつた
時の曳糸性が極端に悪くなり、断糸が多発し好ましくな
い。
該共重合ポリエステル繊維を得る上でもう一つ重要な
ことは、単繊維デニールを8デニール以下にすることが
好ましい。更に好ましくは5デニール以下にすることが
望ましい。単繊維デニールが8デニールを越えると、該
共重合ポリエステル繊維を一部分として構成されている
モール糸としての風合が堅くなるとともに、花糸の抜け
出しを防ぐバインダー効果がやや悪くなり、該繊維の混
率を多くしてモール糸を作製しなければならなくなつて
しまい好ましくない。これの考えられる理由としては、
単繊維デニールがあまり太くなつてしまうと、熱処理を
した時にバインダーポリマーとしての役割をはたす時
に、バインダーポリマーがやや偏在化してしまい、風合
の硬さとバインダー接着効果の低下をもたらすのであろ
うと考えられる。望ましくは細デニールのマルチフイラ
メントの形態で使用することが好ましい。このことは、
本研究者らが種々検討している過程で始めてわかつたこ
とであり、興味ある事実である。
なおこの単繊維繊度条件も前記固有粘度条件と同様
に、前記の繊維として使用する場合の好適な条件であ
り、前記のような多成分系繊維として使用する場合に
は、この条件を外れる範囲であつても所期の目的は達成
される。
本発明に用いられる該共重合ポリエステルの繊維化の
条件について説明すると、共重合ポリエステルペレツト
を溶融押出し230〜250℃に加熱されている紡糸口金より
吐出させ約1000m/min前後の紡糸速度で捲取り、その後
フイラメントの場合は、ローラー、ブレートが50〜140
℃の加熱条件で延伸し、ステーブルの場合は水浴が50〜
95℃の温度条件で延伸することによつて良好な繊維が得
られる。
ポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステル繊
維はモール糸全体の1wt%以上用いて構成させるのが好
ましい。
上記したポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエ
ステル繊維は主として、前記の場合について説明した
が、より好ましくは前記の場合、すなわち融点が150
〜200℃でかつ該ポリエチレンテレフタレート系繊維ま
たは該ポリブチレンテレフタレート系繊維の融点より低
く、そして共重合成分の割合が15〜50モル%であるポリ
ブチレンテレフタレート系共重合ポリマー層と、融点が
それよりも高い熱可塑性ポリマー層からなる多成分系繊
維であつて、該多成分系繊維表面積の40%以上が上記ポ
リブチレンテレフタレート系共重合ポリエステルポリマ
ーにより覆われている多成分系繊維を用いる場合であ
る。このような多成分系繊維を用いることにより、高温
高圧染色時の寸法安定性に優れるという効果が得られ
る。また熱接着時そしてその後のモール糸の収縮を抑え
ることが出来るという効果も得られる。多成分系繊維表
面積の40%未満しかポリブチレンテレフタレート共重合
ポリエステルポリマーで覆われていない場合には、熱融
着により芯糸および花糸の固定化が十分には得られな
い。
上記多成分系繊維を構成する他の熱可塑性ポリマーと
しては、融点が同時に用いられるポリブチレンテレフタ
レート系共重合ポリエステルポリマーより高いものであ
れば特に限定されない。好ましくは該共重合ポリエステ
ルより融点が20℃以上高いポリエステルかポリアミドで
あり、ポリエステルとしては、例えばテレフタール酸、
イソフタール酸、ナフタリン2,6−ジカルボン酸、フタ
ール酸、α,β−(4−カルボキシフエノキシ)エタ
ン、4,4−ジカルボキシジフエニール、5ナトリウムス
ルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸もしくはア
ジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はこ
れらのエステル類と、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン1,4−ジ
メタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコールなどのジオール化合物とから合成される
繊維形成性ポリエステルであり、構成単位の80モル%以
上が、エチレンテレフタレート単位又はブチレンテレフ
タレート単位であるポリエステルが好ましい。又、ポリ
エステル中には、少量の添加剤、螢光増白剤、安定剤あ
るいは紫外線吸収剤などを含んでいても良い。
またポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン12を主成分とするポリアミドで
あり、少量の第3成分を含むポリアミドでもよい。これ
らに少量の添加剤、螢光増白剤、安定剤等を含んでいて
も良い。
融点が該共重合ポリエステルより低い場合には、目止
め処理時に同時に溶融したり、あるいは染色時に溶融し
たりして、所期の目的が達成されない。本発明に用いら
れる多成分系繊維の好ましい例としては複合繊維が挙げ
られるが、その断面形状の具体的な例を図で説明する
と、第1図の如き完全芯鞘型複合繊維、第2、3、5図
の如き芯成分が異形形状の芯鞘型複合繊維、第4図の如
き多芯型複合繊維、第6図の如き偏心芯鞘型複合繊維、
第7、10図の如き異形断面芯鞘複合繊維、第8図の如き
貼合せ型複合繊維、第9図の如き多層型貼り合せ複合繊
維、第11図の如き多層型貼り合せの変形タイプの複合繊
維、第12図、第13図の如きランダム複合繊維等も含まれ
る。第1図〜第13図中の(イ)成分はポリブチレンテレ
フタレート系共重合ポリマーであり、(ロ)成分は
(イ)成分より高融点の熱可塑性ポリマーである。繊維
表面の40%以上を(イ)成分ポリマーで占めることが必
要である。40%未満では前述したように本発明の目的の
良好な花糸の目止め効果を有する繊維が得られにくいの
で好ましくない。(イ)成分と(ロ)成分の複合比率は
80対20〜20対80重量%の範囲にすることが好ましい。
(イ)成分が20重量%未満になると、本発明の目的とす
る良好ポリエステル系花糸の接着効果が不十分となつて
くるため好ましくない。また、80重量%を越えると、紡
糸性、延伸性等の工程性が低下し、A格率が低下してく
るため好ましくない。
上記した多成分系繊維を用いる場合には、多成分系繊
維はモール糸全体の2重量%以上用いるのが好ましい。
多成分系、特に複合繊維の製造は、通常の複合紡糸装
置を用いて行なうことができる。すなわち2台の溶融押
出機の一方(1)には(イ)成分、もう一方(2)には
(ロ)成分が充填されている。押出機により融解、押出
されたポリマー流はギヤーポンプでそれぞれ正確に計量
され紡糸ヘツドへ送られる。2種のポリマー流はヘツド
に装置されたパツク金具によつて複合されその後紡糸口
金より吐出され繊維化される。
(イ)成分と(ロ)成分の複合形態は、紡糸性・延伸
性等の工程性と接着効果とを考慮した結果、先にも述べ
たように(イ)成分が繊維表面積の40%以上を含めるよ
うな形態であればどれでもよいことがわかつた。
第12図、第13図の様に成分(イ)と(ロ)をある程度
混練する場合、静止型混合器を用いる。
紡糸速度は一般的な繊維と同様に3000m/min.以下で行
なうか、又3000〜5000m/min.の高速紡糸を行うか、どち
らでもよい。(イ)成分ポリマーは単独では曳糸性に欠
ける所があるが、PET、PBTやナイロン等と複合すること
によりかなりの高速紡糸も問題なく行うことができる。
複合する樹脂や複合形態によつては、延伸時2つの樹脂
の剥離が生ずる場合があるので、その場合高速紡糸が有
効である。又、そうでない場合は通常の紡速で紡糸し確
実に延伸を行うことにより強度の高い糸を得ることも可
能である。
第14図に一般的なモール糸の製造工程を概略で示した
が、花糸、芯糸、押え糸(これも前述したように芯糸に
含まれる)の3種類からモール糸が構成されており、押
え糸が花糸の抜け出しを押える重要な役割を担つている
のが普通である。従つてポリブチレンテレフタレート系
バインダー繊維は押え糸として用いるのが常道である
が、目的によつては風合をややギセイにして目止め性を
upさせる必要がある場合には、花糸又は押え糸以外の芯
糸の一部として混合させてもよい。ただし、使用量が30
wt%以上となると、花糸の目止め性は十分であるが、モ
ール糸としての風合がやや硬くなつてくるため好ましく
ない。本発明の最大の特長は、花糸及び芯糸にポリエス
テル繊維を用いても、特定のポリブチレンテレフタレー
ト系共重合ポリエステル繊維を芯糸の一部である押え糸
として用いることにより、熱接着処理により良好な花糸
の抜け出しを抑える目止め性が発揮されると同時に、ポ
リエステルの通常の染色条件である約130℃の高温高圧
下の染色処理によつても何らトラブルが発生しないこと
である。従来の低融点ポリアミド系の繊維をバインダー
繊維として用いた場合には、100℃以上の高温高圧下の
染色処理時に軟化溶融してしまい、モール糸上から散逸
してしまい、最終工程での熱接着処理をしても十分な花
糸の目止め効果が消失してしまう結果となる。上記した
特定のポリブチレンテレフタレート系共重合ポリエステ
ル繊維を用いることにより、初めて良好な風合と良好な
花糸の接着性を有したポリエステル系モール糸が得られ
たわけである。
更にまた本発明のもう一つの大きな特長は、アイロン
処理などをしても風合変化などが発生することのない耐
熱性を有していることである。これは、モール糸を構成
している特定のポリブチレンテレフタレート系共重合ポ
リエステルに原因があるものと思われる。
本発明において、花糸および芯糸を構成する主要繊維
はポリエチレンテレフタレート系またはポリブチレンテ
レフタレート系の繊維、すなわち構成単位の80モル%以
上がエチレンテレフタレート単位またはブチレンテレフ
タレート単位からなる繊維である。もちろん両繊維が併
用されていてもよい。これら主要繊維は前述したポリブ
チレンテレフタレート系共重合ポリエステルより高い融
点を有していることが、当然のことながら目止め処理や
形態安定性の点で必須であり、好ましくは、ポリブチレ
ンテレフタレート系共重合ポリエステルより20℃以上高
い融点を有している場合である。
以下に、本発明を実施例により説明するが、モール糸
の作製は第14図で示した製造装置を用いた。モール糸を
作製後綛状にし、その後得られた綛を210℃の熱風雰囲
気中弛緩状態で10分間熱処理を実施し、花糸の熱接着処
理を行なつた。その後、更に熱処理後の綛を、その状態
のままで通常のポリエステル繊維の染色条件である130
℃×60分高温高圧下で分散染色による染色処理を実施し
た。その後、更に得られた該染色処理後モール糸を緯糸
として平織物を作製し、花糸の抜け出し性評価用サンプ
ルとした。抜け出し性評価は、測定する織物片5×10cm
を採取し、市販セロテープを織物表面へ接着後、荷重5K
gをかけ(0.1Kg/cm2)、そのまま5分間放置した後、該
織物から接着したセロテープをはがし、セロテープ上に
モール糸から抜け出てきた花糸の付着状態を観察し、花
糸の抜け出し性を5段階評価した。
実施例1 重縮合反応装置を用い常法により260℃で重縮合反応
を行ない、TA75モル%、IPA(イソフタル酸)25モル
%、1,4ブタンジオール100モル%よりなる共重合ポリエ
ステルを製造し、その後重合器底部よりシート状に水中
に押し出し、シート・カッターを用いて切断しペレツト
化した。押し出し、切断調子は良好であり、良好な形状
のペレツトを得た。ポリマー物性は、〔η〕0.80、融点
184℃、△H約7.8、100℃の結晶化時間約11秒であつ
た。得られたペレツトを真空乾燥器中100℃で乾燥し
た。
ついで、紡糸ヘツド温度230℃で押し出し1000m/分で
巻取つた。巻取つた繊維は単繊維間および繊維束間での
膠着はほとんどなく、長時間安定に紡糸を行なうことが
できた。押出機中でのペレツト移送性は良好で問題なか
つた。この紡糸原糸をホツトローラー50℃、ホツトプレ
ート130℃、延伸率3.2倍の条件で乾熱延伸、熱セツトを
行ない75デニール24フイラメントの延伸糸を得た。紡糸
性、延伸性は良好で問題なかつた。
ついで、第14図で示した手法によりモール糸を作製し
た。押え糸として該ポリブチレンテレフタレート系共重
合ポリエステル繊維75d/24f2本とポリエステルスパン糸
30/2を用い、芯糸としてポリエステルスパン糸30/2を用
い、花糸としてポリエステルスパン糸30/2を用い、モー
ル糸を作製した。その後該モール糸を綛状にし、その後
得られた綛を210℃の熱風中で弛緩状態で10分間熱処理
を実施し、押え糸による花糸の熱接着処理を行なつた。
その後、更に熱処理後の綛をその状態のままで以下の条
件で染色した。
更に経糸としてポリエステルスパン30/2、密度96本/
インチ、緯糸として染色後モール糸を密度32本/インチ
で平織物を作製した。その後得られた織物片5×10cmを
採取し、セロテープを接着後、荷重5kgをかけ(0.1kg/c
m2となるよう)そのまま5分放置後、該織物から接着し
たセロテープをはがし、はがしたセロテープ上にモール
糸から抜け出てきた花糸の付着状態を観察した。その結
果、ほとんどセロテープへ付着して抜け出てくるものが
ないことが確認された。また、モール糸としての風合も
柔らかく良好なものであつた。また、該織物片に対して
実質温度170℃になつているアイロンにより、織物のア
イロンがけ処理を行なつたが、風合変化は認められず良
好であることがわかつた。
実施例2〜3 実施例1と同様の熱接着性共重合ポリエステル繊維の
モール糸中の混率を実施例2は10wt%、実施例3は20wt
%とした以外は実施例と同じ条件で実施した。いずれも
良好なモール糸が得られることがわかつた。
実施例4〜7 実施例1と同一のポリマー組成の共重合ポリエステル
を用い、表1に掲げる条件でテストを実施し、結果を示
した。実施例4、5は、それぞれ単繊維デニールを1.2
デニール及び5.0デニールとした。実施例6、7は、
〔η〕をそれぞれ1.10及び0.65として実施した。その他
は実施例1と同一の条件で実施した。いずれも繊維化工
程性良好で、しかも花糸の抜け性のない良好なモール糸
が得られた。
実施例8〜11 重縮合反応装置を用い常法により、260℃で重縮合反
応を行ない、実施例8は、TA75モル%、セバシン酸25モ
ル%、BD100モル%の共重合ポリエステルを作製し、実
施例9は、TA60モル%、セバシン酸40モル%、BD100モ
ル%の共重合ポリエステルを作製し、実施例10は、TA10
0モル%、BD75モル%、エチレングリコール25モル%の
共重合ポリエステルを作製し、実施例11は、TA85モル
%、イソフタル酸15モル%、BD85モル%、エチレングリ
コール15モル%の共重合ポリエステルを作製しそれぞれ
ペレツトを作製した。その後、実施例1と同様の方法に
より、モール糸を作製した。いずれも繊維化工程性良好
で、しかも、花糸の抜け性のない良好なモール糸が得ら
れた。
比較例1、2 それぞれ第1表記載の共重合ポリエステルを用いて、
実施例1と同様にして繊維化紡糸を行なつたが、いずれ
も単繊間に膠着が認められ、ヤーン間には膠着が発生し
た。そのため評価できるような良好なモール糸が得られ
なかつた。
比較例3 TA90モル%、イソフタル酸10モル%、BD100モル%の
共重合ポリエステルを用い他は実施例1と同様の方法に
より繊維化し、同様の方法によりモール糸を作製した
が、花糸の抜け出しが多く好ましいモール糸が得られな
かつた。
比較例4 実施例1の熱融着性共重合ポリエステル繊維のかわり
に、市販低融点ナイロン繊維(東レ(株)社製「ナイロ
ンエルダー」)を用い、実施例1と同様の方法により染
色処理したモール糸を得た。その後実施例1と同様にし
て評価用織物を作製しモール糸花糸の抜け出し性を評価
したところ抜け出しが激しく好ましくない結果が得られ
た。
実施例12 重縮合反応装置を用い常法により260℃で重縮合反応
を行ない、TA70モル%、IPA30モル%、1,4ブタンジオー
ル100モル%よりなる共重合ポリエステルを製造し、そ
の後重合器底部よりシート状に水中に押し出し、シート
・カツターを用いて切断しペレツト化した。押し出し、
切断調子は良好であり、良好な形状のペレツトを得た。
ポリマー物性は、〔η〕0.90、融点176℃、△H約6.0、
120℃での結晶化時間約15秒であつた。得られたペレツ
トを真空乾燥器中100℃で乾燥した。
ついで、該共重合ポリエステルを鞘とし、〔η〕0.67
のポリエチレンテレフタレートを芯として、芯/鞘=50
/50重量比で第1図の断面の芯鞘複合紡糸を行なつた。
紡糸ヘツド温度290℃で押し出し1000m/分で巻取つた。
巻取つた繊維は単繊維間および繊維束間での膠着はほと
んどなく、長時間安定に紡糸を行なうことができた。押
出機中での鞘成分のペレツト移送性は良好で問題なかつ
た。この紡糸原糸をホツトローラー75℃、ホツトプレー
ト130℃、延伸率3.2倍の条件で乾熱延伸、熱セツトを行
ない75デニール24フイラメントの延伸糸を得た。紡糸
性、延伸性は良好で問題なかつた。
ついで、第14図で示した手法によりモール糸を作製し
た。押え糸として該複合繊維75d/24f2本とポリエステル
スパン糸30/2を用い、芯糸としてポリエステルスパン糸
30/2を用い、花糸としてポリエステルスパン糸30/2を用
い、モール糸を作製した。その後、該モール糸を綛状に
し、その後得られた綛を210℃の熱風中で弛緩状態で10
分間熱処理を実施し、押え糸による花糸の熱接着処理を
行なつた。その後、更に熱処理後の綛をその状態のまま
で以下の条件で染色した。
更に経糸としてポリエステルスパン30/2、密度96本/
インチ、緯糸として染色後モール糸を密度32本/インチ
で平織物を作製した。その後得られた織物片5×10cmを
採取し、セロテープを接着後荷重5kgをかけ(0.1kg/cm2
となるよう)そのまま5分放置後、該織物から接着した
セロテープをはがして、はがしたセロテープ上にモール
糸から抜け出てきた花糸の付着状態を観察した。その結
果、ほとんどセロテープへ付着して抜け出てくるものが
ないことが確認された。また、モール糸としての風合
も、柔らかく良好なものであつた。また、該織物片に対
して実質温度170℃になつているアイロンにより、織物
のアイロンがけ処理を行なつたが、風合変化は認められ
ず良好であることがわかつた。
実施例13〜14 実施例12と同様の熱接着性複合繊維のモール糸中の混
率を実施例13は10wt%、実施例14は20wt%とした以外は
実施例と同じ条件で実施した。いずれも良好なモール糸
が得られることがわかつた。
実施例15〜21 実施例12と同一のポリマー組成の共重合ポリエステル
を用い、表2に掲げる条件でテストを実施し、結果を示
した。実施例15、16は芯鞘複合比を変更してテストし
た。実施例17〜19は繊維断面形状を変更してテストし
た。実施例20は芯成分ポリマーにポリブチレンテレフタ
レートを用い、実施例21はナイロン6を用いて実施し
た。いずれも繊維化工程性良好で、しかも、花糸の抜け
性のない良好なモール糸が得られた。
実施例22〜25 重縮合反応装置を用い常法により260℃で重縮合反応
を行ない、実施例22は、TA80モル%、イソフタル酸20モ
ル%、BD100モル%の共重合ポリエステルを作製し、実
施例23は、TA60モル%、セバシン酸40モル%、BD100モ
ル%の共重合ポリエステルを作製し、実施例24は、TA10
0モル%、BD70モル%、エチレングリコール30モル%の
共重合ポリエステルを作製し、実施例25は、TA85モル
%、イソフタル酸15モル%、BD85モル%、エチレングリ
コール15モル%の共重合ポリエステルを作製しそれぞれ
ペレツトを作製した。その後、実施例12と同様の方法に
より、モール糸を作製した。いずれも繊維化工程性良好
で、しかも、花糸の抜け性のない良好なモール糸が得ら
れた。
比較例5、6 それぞれ第2表記載の共重合ポリエステルを鞘とし、
実施例12と同様にして芯・鞘複合紡糸を行なつたが、い
ずれも単繊間に膠着が認められ、ヤーン間にも膠着が発
生した。そのため評価できるような良好なモール糸が得
られなかつた。
比較例7 TA90モル%、イソフタル酸10モル%、BT100%の共重
合ポリエステルを用い、他は実施例12と同様の方法によ
り繊維化し、同様の方法によりモール糸を作製したが、
花糸の抜け出しが多く好ましいモール糸が得られなかつ
た。
上記実施例12〜25で得られたモール糸は、前記実施例
1〜11で得られたモール糸と比べて、熱処理後の収縮が
殆んどなく、形態安定性の点でより優れたものであつ
た。また実施例1〜25で得られたモール糸は全て熱処理
後においても極めて柔軟なものであつた。
(発明の効果) 以上本発明は、特定の結晶性共重合ポリエステルを用
い、該共重合ポリエステルから製造した繊維を使用して
所定の条件でポリエステル系モール糸を作製することに
より、工程性のトラブルもなく、しかも良好な風合を有
し又、花糸の抜け出しもない比較的安価なポリエステル
系モール糸を提供することにある。
【図面の簡単な説明】 第1図〜第13図は、本発明のモール糸の一部を構成する
熱接着性繊維が複合繊維の場合の代表的な断面図であ
る。第14図は、モール糸製造装置の一例の模式図であ
り、第15図は、典型的なモール糸の模式図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D01F 8/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】花糸および芯糸がポリエチレンテレフタレ
    ート系繊維またはポリブチレンテレフタレート系繊維か
    らなるモール糸において、該花糸が、融点が150〜200℃
    でかつ該ポリエチレンテレフタレート系繊維または該ポ
    リブチレンテレフタレート系繊維の融点より低く、そし
    て共重合成分の割合が15〜50モル%であるポリブチレン
    テレフタレート系共重合ポリマーにより固定されている
    ことを特徴とするポリエステル系モール糸。
  2. 【請求項2】花糸および芯糸がポリエチレンテレフタレ
    ート系繊維またはポリブチレンテレフタレート系繊維か
    らなるモール糸において、該花糸または該芯糸中に下記
    またはの繊維が含まれていることを特徴とするポリ
    エステル系モール糸。 融点が150〜200℃でかつ該ポリエチレンテレフタレ
    ート系繊維または該ポリブチレンテレフタレート系繊維
    の融点より低く、そして共重合成分の割合が15〜50モル
    %であるポリブチレンテレフタレート系共重合ポリマー
    からなる繊維 上記の共重合ポリマー層と融点がそれよりも高い
    熱可塑性ポリマー層からなる多成分系繊維であつて、該
    多成分系繊維表面積の40%以上が上記の共重合ポリマ
    ーで覆われている多成分系繊維
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