JP2832297B2 - 水易分散性超微粒子マグネタイトの製造方法 - Google Patents

水易分散性超微粒子マグネタイトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、水に極めて容易に分散する水易分散性超微
粒子マグネタイトの製造方法に関するものである。
(b)従来の技術 水分散性の超微粒子マグネタイトは、水ベース磁性流
体、印刷インキ及び顔料の他、化粧料の安全な顔料とし
て注目されれている。
従来、水分散性の超微粒子マグネタイトの製造方法と
しては、以下のものが挙げられる。
即ち、水分散性の超微粒子マグネタイトを製造する
にあたり、可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩の混合溶液
に塩基性水溶液を加えてアルカリ性にすることにより超
微粒子マグネタイトを一挙に得、この超微粒子マグネタ
イトの水懸濁液に、不飽和脂肪酸或いはその塩類を主成
分とする界面活性剤を該懸濁液中に超微粒子マグネタイ
トに少なくとも単分子吸着層を完結せしめるに要する量
添加して上記懸濁液中の超微粒子マグネタイト表面に上
記界面活性剤を単分子層以上吸着せしめたのち、更に酸
を添加してpH7以下の酸性水溶液となして懸濁質を凝集
させ、この凝集物を水或いは他の極性溶媒を用いて洗浄
した後水中におき陰イオン型或いは非イオン型の界面活
性剤を加えて懸濁液となすことを特徴とするものである
(特開昭51−44580号公報)。
水分散性の超微粒子マグネタイトを製造するにあた
り、可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩の混合溶液に塩基
性水溶液を加えることによりアルカリ性にして超微粒子
マグネタイトを一挙に得た後、この超微粒子マグネタイ
トの周囲を不飽和脂肪酸或いはその塩類を主成分とする
第1の界面活性剤の単分子吸着層で被覆し、更にその周
囲を陰イオン型或いは非イオン型の第2の界面活性剤で
被覆して、水分散型磁性流体を得、次いで該水分散性磁
性流体に酸を添加してpH値を上記第2の界面活性剤の種
類に応じた所定の値にまで低下させることにより超微粒
子マグネタイトを凝集させ、該凝集液を濾過によって固
液分離し、この分離された濾過ケーキに、上記第2の界
面活性剤の種類に応じて予め定られたpH値になるまで、
塩基性水溶液を加えて再分散させるものである(特開昭
52−103760号公報)。
(c)発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記の方法では、第一鉄塩及び第二
鉄塩を含む水溶液をアルカリ性にして超微粒子マグネタ
イトを一挙に形成し、次にこの溶液に不飽和脂肪酸塩類
を添加して超微粒子マグネタイトを不飽和脂肪酸塩類の
単分子膜で被覆するのであるが、これではコロイド粒子
の粒度が大きくバラツキ、このため分散性が悪く、沈降
や凝集更に濃度変化並びに偏析等が生じ品質上の課題が
ある。
又、上記の方法では、上記の同様の課題がある
上、pHの調整に相当の注意を要し、又、濾過が必要で面
倒であり、しかも、得られた水分散型の磁性流体はアル
カリ性で不安定なため変質しやすく、この結果、用途が
至極限定され、特に皮膚刺激性があり化粧料に全く使用
できないなどの課題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、粒度の揃った超微粒子マ
グネタイトを分散質とし、分散性が極めて良好で沈降や
凝集更に濃度変化並びに偏析等が生じず、しかも濾過が
不要で、且つ飽和磁化が高い上、顔料として種々の用途
に好適に使用できる水易分散性超微粒子マグネタイトを
得ることを目的とする。
(d)課題を解決するための手段 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意、検討を重
ねた結果、以下の知見を得た。
即ち、可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩を含む溶液に
塩基性水溶液を加えて超微粒子マグネタイトを一挙に形
成し、次にこの超微粒子マグネタイト表面に不飽和脂肪
酸塩類を添加して超微粒子マグネタイトを不飽和脂肪酸
の単分子膜で被覆したのでは超微粒子マグネタイトの粒
度が大きくバラツキ、このため、安定した品質の水易分
散性超微粒子マグネタイトが得られないとの知見を得
た。
そこで、超微粒子マグネタイトを分散質とする水易分
散性超微粒子マグネタイトを製造するにあたり、塩基性
水溶液を2段階に分けて添加し、その第一段階ではpHを
抑制して酸性領域で平均粒径が300Å以下の透明で陽性
の水和酸化鉄のゾルを調製した後、これを熟成すると、
驚くべきことに、ゾルの粒径が揃うのであり、次いで、
これに塩基性水溶液を加えて(第二段階)pHを9以上に
することにより粒径が揃い、且つ分散性が著しく優れた
超微粒子マグネタイトが得られるとの知見を得た。
又、この方法により、濾過が不要で、しかも最終物質
が中性である結果、安定で且つ皮膚刺激性がなく化粧料
等にも充分に使用できるとの知見も得た。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。
先ず、本願請求項1の水易分散性超微粒子マグネタイ
トの製造方法について説明する。
本発明においては、可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩
を含む水溶液に塩基性水溶液を加えてpH1〜4.5にするこ
とにより平均粒径が300Å以下の透明で陽性の水和酸化
鉄のゾルを調整する工程(A)、を実施する。
本発明に用いられる可溶性第一鉄塩としては、水或い
は温水に可溶な第一鉄塩であれば特に限定されるもので
はなく、具体的には、例えば塩化第一鉄、臭化第一鉄、
ヨウ化第一鉄、過塩素酸第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一
鉄、酢酸第一鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。
又、本発明に用いられる可溶性第二鉄塩としては、水
或いは温水に可溶な第二鉄塩であれば特に限定されるも
のではなく、具体的には、例えばフッ化第二鉄、塩化第
二鉄、過塩素酸第二鉄、臭化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸
第二鉄、チオシアン酸第二鉄、シュウ酸第二鉄、硫酸ア
ンモニウム第二鉄、硫酸カリウム第二鉄等が挙げられ
る。
そして、上記可溶性第一鉄塩水溶液と可溶性第二鉄塩
水溶液の濃度としては共に、0.1〜5mol/の範囲とする
のが好ましく、5mol/を超えると、濁りが生じたり或
いは粒度分布が拡大する恐れがあるから好ましくない。
一方、0.1mol/未満では、濃度が薄くなり過ぎて量産
性に欠け、極めて不経済であるから好ましくない。
又、上記可溶性第一鉄塩(a)と可溶性第二鉄塩
(b)のモル比としては特に限定されないが、黒色顔料
として用いる場合、(a)が1に対し(b)が0.7〜1.3
の範囲とするのが好ましく、この範囲以外では、安定な
超微粒子マグネタイトが得られないだけでなく、飽和磁
化や黒色の度合が低いなどの理由より望ましくない。
又、上記塩基性水溶液としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶
液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩水溶液、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アン
モニウム等の炭酸水素塩の水溶液、アンモニア水等が挙
げられる。
又、上記塩基性水溶液の濃度としては、0.5〜5mol/
とするのが好ましく、5mol/を超えると濃度が高過ぎ
てpHの調整が困難になり、一方、0.5mol/未満になる
と逆に濃度が薄くなり過ぎて液量が多くなり、このた
め、反応装置が大形化したり、取り扱い性が悪くなるか
ら好ましくない。
上記の可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩を含む水溶液
に塩基性水溶液とを反応させて水和酸化鉄のゾルを調製
するにあたり、pH1〜4.5の範囲、つまり酸性領域で行う
のが好ましく、pH1未満ではpHが高くなり過ぎて水和酸
化鉄のゾルを完全に得難いのであり、一方pHが4.5を超
えると一挙に超微粒子マグネタイトが生成し、後工程の
熟成によっても粒度を揃えることが困難となり、分散性
及び品質の安定性等の観点より、望ましくないのであ
る。
本発明においては、上記工程(A)で得られた水和酸
化鉄のゾルを室温以上で熟成安定化する工程(B)、を
実施する。
そして、この工程(B)で得られた水和酸化鉄のゾル
の粒子径や形状がそのまま超微粒子マグネタイトの大き
さや形状となり、従って、この工程(A)で超微粒子を
調製するにあたり、熟成温度や熟成時間が重要となる。
この熟成温度としては室温以上であればよいが、具体
的には、例えば20〜450℃の範囲が好ましく、この温度
が20℃未満では熟成時間が長くなって量産性に欠けた
り、熟成が不充分となって粒径を揃えることができない
のであり、又、450℃を超えると装置が複雑になるので
好ましくない。
この場合、熟成温度が100℃を超えるときにはオート
クレーブを用いれば良いのである。
又、熟成時間としては温度によっても異なるが、生産
性、経済性の観点から1〜24時間の範囲となるように調
整するのが好ましい。
このように熟成することにより、粒径がほとんど100
〜150Åの範囲の水和酸化鉄のゾルが得られるのであ
る。
本発明においては、上記工程(B)で得られた分散液
に一次界面活性剤を加えて水和酸化鉄のゾルを凝集させ
る工程(C)、を実施する。
この一次界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナ
トリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、カ
プロン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、リシノー
ル酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナ
トリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、
或は、リン酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤、例え
ば、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム
塩、高級アルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等の
陰イオン界面活性剤、オレイン酸、リノール酸、リシノ
ール酸、リノレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミ
リスチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、低重合度ポリカ
ルボン酸の塩、例えば低重合度ポリアクリル酸ソーダ、
低重合度ポリアクリル酸ブチル、低重合度ポリメタアク
リル酸ソーダ、更に、カゼイン或いはそのアルカリ金属
塩、アミノ酸或いはその誘導体、アミノカルボン酸或い
はそのアルカリ金属塩、ヒドロキシカルボン酸或いはそ
のアルカリ金属塩、下記一般式 で示されるスルホン化ポリスチレン、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエー
テル等の界面活性剤等が挙げられ、これらのうち特に高
級不飽和脂肪酸又はそのアルカリ金属塩、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポ
リオキシアルキレンオレイルエーテルを用いるのが好ま
しい。
この工程(C)において、一次界面活性剤水溶液の濃
度や添加量は、用いる一次界面活性剤の種類によって異
なるので適宜決定される。
上記一次界面活性剤の水溶液の濃度としては、0.05〜
1mol/の範囲とするのが望ましく、この濃度が0.05mol
/未満では濃度が薄くなりすぎて量産性に欠けるので
あり、一方、1mol/を超えると濃度が高くなり過ぎて
過剰の一次界面活性剤を加える恐れがあり、その取り扱
いに相当の注意を要するので好ましくない。
又、上記一次界面活性剤の水溶液を加えて水和酸化鉄
のゾルを凝集させるにあたり、その温度は室温〜250℃
の範囲とするのが望ましい。
本発明においては、上記工程(C)で得られた水和酸
化鉄のゾルを凝集させた溶液に有機分散媒を加えて当該
ゾルを有機層に移行、分散させ、これを水洗、脱塩する
工程(D)、を実施する。
ここで用いられる有機分散媒としては水に不溶液のも
のであれば特に限定されるものではなく、具体的には、
例えばn−ヘキサン、n−ドデカン、トルエン、エチル
エーテル、キシレン、ペンタエリスリットカプロン酸エ
ステル等のヒンダードエステル、ケロシン、リグロイ
ン、MEK、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、2−ピロ
リドン、アルキルナフタリン、タービン油、脂肪酸、植
物油脂等が挙げられる。
又、この工程(D)において、有機層のゾルを洗浄、
脱塩する方法としては、特殊な技術を要するものではな
く、水或いは熱水を用いて洗浄、分液除去を繰り返せば
よいのである。
本発明においては、上記工程(D)で得られた溶液を
分液し、その有機層を採取し、これに水を加えて温度50
℃以上で加熱、撹拌しつつ塩基性水溶液を加えてpH9以
上にすることにより超微粒子マグネタイトとする工程
(E)、を実施する。
ここで用いられる塩基性水溶液としては、上述のもの
と同様のものが挙げられる。
そして、この塩基性水溶液を加えてpH9以上にするこ
とにより超微粒子マグネタイトを生成するのである。
この超微粒子マグネタイトの粒径はほとんど100〜150
Åの範囲と揃っており、分散性が良好で、しかも飽和磁
化が高く品質の安定した超微粒子マグネタイトが得られ
るのである。
本発明においては、上記工程(E)で得られた溶液を
水洗し、水層を除去後、新たに水を加える工程(F)、
を実施する。
この工程(F)での水洗には特殊な技術や装置を要す
るものではなく、上記工程(D)と同様に行えば良いの
である。
本発明においては、最後に、上記工程(F)で得られ
た溶液に二次界面活性剤を加えて超微粒子マグネタイト
を水層に移行、分散させた後、有機分散媒を除去する工
程(G)、を実施する。
ここで用いられる二次界面活性剤としては、陰イオン
界面活性剤或いは非イオン界面活性剤であれば特に限定
されるものではない。
上記陰イオン界面活性剤としては、特に限定されるも
のではなく、具体的には、たとえば脂肪酸石鹸、アルキ
ルサルフェート又はアルキルエーテルサルフェートのア
ルカリ金属塩或いはエタノールアミン塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸或いはそのアルカリ金属塩、ジアルキル
スルホコハク酸或いはそのアルカリ金属塩、アルキルア
ルコシネート、ポリカルボン酸或いはそのアルカリ金属
塩等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤としては、特に限定されるも
のではなく、エーテル型、アルキルフェノール型、エス
テル型、ソルビタンエステルエーテル型、オキシエチレ
ンブロックポリマー、オキシプロピレンブロックポリマ
ー、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
この工程(F)での水洗は上記工程(D)と同様に行
えばよいのである。
又、有機分散媒を除去する方法としては、有機層の分
液や蒸留等の方法を採用すればよいのである。
これによって、水易分散性超微粒子マグネタイトが得
られるが、この場合、分散媒である水を減圧蒸留するこ
とによって所望の濃度に濃縮しても良いのである。
上記工程(A)〜(G)を経て水易分散性超微粒子マ
グネタイトが得られるのであり、かくして得られた超微
粒子マグネタイトは、粒径が揃い、分散性が良好であ
り、その製造に濾過が不要で生産性が良好であり、しか
も飽和磁化が高く、中性で品質の長期安定性が確保され
る上、化粧料にも用いることができるのである。
次に、本願請求項2の水易分散性超微粒子マグネタイ
トの製造方法について詳細に説明する。
即ち、この水易分散性超微粒子マグネタイトの製造方
法は、可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩を含む水溶液に
塩基性水溶液を加えてpH1〜4.5にすることにより平均粒
径が300Å以下の透明で陽性の水和酸化鉄のゾルを調整
する工程(A)、 上記工程(A)で得られた水和酸化鉄のゾルを室温以
上で熱成安定化する工程(B)、 上記工程(B)で得られた分散液に安定剤を加えた
後、一次界面活性剤を加えて水和酸化鉄のゾルを凝集さ
せる工程(C)、 上記工程(C)で得られた水和酸化鉄のゾルを凝集さ
せた溶液に有機分散媒を加えて当該ゾルを有機層に移
行、分散させ、これを水洗、脱塩する工程(D)、 上記工程(D)で得られた溶液を分液し、その有機層
を採取し、これに水を加えて温度50℃以上で加熱、撹拌
しつつ塩基性水溶液を加えてpH9以上にすることにより
超微粒子マグネタイトを生成する工程(E)、 上記工程(E)で得られた溶液を水洗し、水層を除去
後、新たに水を加える工程(F)、 上記工程(F)で得られた溶液に二次界面活性剤を加
えて超微粒子マグネタイトを水層に移行、分散させた
後、有機分散媒を除去する工程(G)、よりなるもので
ある。
この水易分散性超微粒子マグネタイトの製造方法は、
本願請求項1の磁性流体の製造方法において、その工程
(C)において界面活性剤を加える前に、安定剤を加え
た点に特徴を有し、従って、工程(A)及び工程(B)
更に工程(D〜G)は本願請求項1と同様であるので重
複を避けるため説明を省略する。
上記安定剤としては、第一鉄イオンと第二鉄イオンの
中和等電点(pH)で陽イオン化している化合物であれば
有機化合物、無機化合物のいずれでもよく、特に限定さ
れるものではない。そして、この安定剤は、負に帯電し
ている超微粒子マグネタイトの表面に安定剤が静電気的
に結合し、該超微粒子マグネタイトを安定化するのであ
る。
上記安定剤としては、可溶性アルミニウム塩、可溶性
亜鉛塩、可溶性オルト硫酸塩、可溶性オルト硅酸塩、ア
スコルビン酸、エリソルビシ酸、没食子酸、アミノ酸
類、レダクトン類(アミノレダクトン類)、錫、アンチ
モン、チタン、ジルコニウム、ニオブ等の可溶性塩、デ
ヒドロ酢酸、フェニルβ−ナフチルアミン等のアミン
類、ジチオリン酸等のリン化合物、アルキルアミノカル
ボン酸類等が挙げられる。
かくして、本願請求項1の水易分散性超微粒子マグネ
タイトの各種特性に加えて更に安定性の優れた磁性流体
が得られるのである。
(e)作用 本発明は、上記構成を有し、可溶性第一鉄塩と可溶性
第二鉄塩を含む水溶液に塩基性水溶液を加えるにあた
り、超微粒子マグネタイトを一挙に形成すると、超微粒
子マグネタイトの粒径が大きくバラツクので塩基性水溶
液を2段階に分けて添加するように調整し、その第一段
階ではpHを抑制して酸性領域で平均粒径が300Å以下の
透明で陽性の水和酸化鉄のゾルを調製した後、これを熟
成することにより、水和酸化鉄ゾルの粒径を揃え、次い
で、これに更に塩基性水溶液を加えて(第二段階)pHを
9以上にすることにより超微粒子マグネタイトを得るよ
うにしたものであり、かくして得られた超微粒子マグネ
タイトは粒径が揃い、且つ分散性が著しく良好で沈降や
凝集更に濃度変化並びに偏析等が生じない上、飽和磁化
が高く、品質の優れた水易分散性超微粒子マグネタイト
が得られる作用を有するのである。
本発明の水易分散性超微粒子マグネタイトの製造方法
において、水和酸化鉄ゾルの分散液に界面活性剤を加え
てこのゾルを凝集させるにあたり、この界面活性剤を加
える前に、予め、安定剤を加えることにより、上述の作
用に加えて更に長期安定性が良好になるのである。
(f)実施例 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 硫酸第一鉄1.2mol/水溶液1と硫酸第二鉄1.0mol/
水溶液1を混合撹拌し、この液温を30℃に保ちなが
ら、この混合溶液に2.5mol/の炭酸ナトリウムをpH2.8
になるまで滴下することにより平均粒径が300Å以下の
透明で陽性の水和酸化鉄ゾルを調製する(工程A)。
このゾルを30℃で3時間熟成安定化した後(工程
B)、この分散液に、0.25mol/のオレイン酸ソーダ
(一次界面活性剤)500mlを加えてこの水和酸化鉄オル
ガノゾルを凝集させ(工程C)、次いで、これにn−ヘ
キサン(有機分散媒)300mlを加え、有機層に水和酸化
鉄オルガノゾルを移行、分散させ、これを水洗、脱塩す
る(工程D)。
その後、この溶液を分液し、その有機層を採取し、こ
れに新たに水200mlを加え凝縮器を付けた2のフラス
コ中に移し、温度75℃で加熱撹拌しながら20重量%水酸
化ナトリウム液400mlを徐々に加えてpH10.5とすること
により超微粒子マグネタイトを生成させる(工程E)。
この反応終了後、この溶液を洗浄し、水層を除去後、
新しく水300mlを加え(工程F)、次いで、超微粒子マ
グネタイトを水層に分散、移行させるために二次界面活
性剤であるラウリル酸ナトリウム30重量%液30mlを撹拌
しながら加えた。超微粒子マグネタイトが水層に移行し
終えたならばn−ヘキサン層を除去し、水層を減圧下で
濃縮し、320gの水ベースの水易分散性超微粒子マグネタ
イトを得た(工程G)。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は130Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、380Gであった。
実施例2 実施例1において、工程(A〜E)で得られた溶液の
水層を除去後、洗浄し、水層を除去後、新たに水300ml
を加え(工程F)、次いで、超微粒子マグネタイトを水
層に分散、移行させるために二次界面活性剤であるドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム30重量%水溶液50ml
を撹拌しながら加えた。超微粒子マグネタイトが水層に
移行し終えたならばn−ヘキサン層を除去し、水層を減
圧下で濃縮し、320gの水ベースの水易分散性超微粒子マ
グネタイトを得た(工程G)。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は125Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、320Gであった。
実施例3 塩化第一鉄1.2mol/水溶液1と塩化第二鉄2mol/
水溶液1を混合撹拌し、この液温を20℃に保ちなが
ら、この混合溶液に2.5molの水酸化ナトリウムをpH2.2
になるまで滴下することにより平均粒径が300Å以下の
透明で陽性の水和酸化鉄ゾルを調製する(工程A)。
このゾルを室温で24時間熟成安定化した後(工程
B)、この分散液に、0.25mol/のイシノール酸ナトリ
ウム(一次界面活性剤)550mlを加えてこの水和酸化鉄
オルガノゾルを凝集させ(工程C)、次いで、これにト
ルエン(有機分散媒)300mlを加え、有機層に水和酸化
鉄オルガノゾルを移行、分散させ、これを水洗、脱塩す
る(工程D)。
その後、この溶液を分液し、その有機層を採取し、こ
れに新たに水200mlを加え凝集器を付けた2のフラス
コ中に移し、温度90℃で加熱撹拌しながら20重量%の水
酸化ナトリウム水溶液400mlを徐々に加え、超微粒子マ
グネタイトを生成させた(工程E)。
この溶液に、新たに300mlの水を加え、これに二次界
面活性剤であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを
撹拌しながら30重量%水溶液で35mlを徐々に添加し、超
微粒子マグネタイトを水層に移行、分散させた後、n−
ヘキサンを分液除去し、水層を減圧濃縮し、310gの水ベ
ース超微粒子マグネタイトを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は125Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この磁性流体の飽和磁化を測定した結果360Gであ
った。
実施例4 硫酸第一鉄1.2mol/水溶液1と硫酸第二鉄1.0mol/
水溶液1を混合撹拌し、この液温を25℃に保ちなが
ら、この混合溶液に2.5mol/の炭酸ナトリウムをpH3.0
になるまで滴下することにより平均粒径が300Å以下の
透明で陽性の水和酸化鉄ゾルを調製する(工程A)。
このゾルを30℃で3時間熟成安定化した後(工程
B)、この分散液に、0.25mol/のオレイン酸ソーダ
(一次界面活性剤)500mlを加えてこの水和酸化鉄オル
ガノゾルを凝集させ(工程C)、次いで、これにn−ヘ
キサン(有機分散媒)300mlを加え、有機層に水和酸化
鉄オルガノゾルを移行、分散させ、これを水洗、脱塩す
る(工程D)。
その後、この溶液を分液し、その有機層を採取し、こ
れに新たに水200mlを加え凝縮器を付けた3のフラス
コ中に移し、温度75℃で加熱撹拌しながら20重量%の水
酸化ナトリウム液350mlを徐々に加えてpH10.0とするこ
とにより超微粒子マグネタイトを生成させる(工程
E)。
この溶液に、新たに300mlの水を加え、これにジオク
チルスルホコハク酸ナトリウムを二次界面活性剤として
撹拌しながら30重量%溶液35mlを徐々に添加し、超微粒
子マグネタイトを水層に移行、分散させた後、n−ヘキ
サンを分液除去し、水層を減圧濃縮し、310gの水ベース
の水易分散性超微粒子マグネタイトを得た。
この水易分散性超微粒子マグネタイトトの飽和磁化は
320Gであった。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は125Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
実施例5 硫酸第一鉄1.2mol/水溶液1と硫酸第二鉄1.0mol/
水溶液1を混合撹拌し、この液温を40℃に保ちなが
ら、この混合溶液に2.5mol/の水酸化ナトリウムをpH
2.3になるまで滴下することにより平均粒径が300Å以下
の透明で陽性の酸化鉄水和ゾルを調製する。
このゾルを温度70℃で1時間熟成安定化した後、0.25
molオレイン酸ソーダ(界面活性剤)500mlを加えて水和
酸化鉄オルガノゾルとした後、更に20重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液を加えて(温度80〜90℃で加熱撹拌し、
pH10.5)超微粒子マグネタイトを生成させた後、水層を
除去、洗浄後新しく水300mlを加え、水層に分散移行さ
せるために二次界面活性剤としてラウリル酸ナトリウム
30重量%液30mlを撹拌しながら加えた。超微粒子マグネ
タイトが水層に移行、分散し終えたならばn−ヘキサン
層を除去し、水層を減圧下で濃縮し、320gの水ベースの
水易分散性超微粒子マグネタイトを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は125Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果320Gであった。
実施例6 硫酸第一鉄アンモニウム(モール塩)(FeSO4(N42
SO4・6H2O)1.3mol/水溶液1と硫酸第二鉄アンモニ
ウム(鉄ミョウバン)(FeNH4(SO4・12H2O)2.0mo
l/水溶液1を用いた以外は、実施例1と同様にして
水易分散性超微粒子マグネタイト330gを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は125Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果320Gであった。
実施例7 実施例1で調製したn−ヘキサン超微粒子マグネタイ
ト層(工程A〜E)に、新たに水300mlを加え、温度50
℃で10%過酸化水素水溶液を添加しながら超微粒子マグ
ネタイトを徐々に酸化すると同時にポリオキシエチレン
オレイルエーテル32gを加え、ブラウン色で、且つ表面
がγ−Fe2O3に酸化されたの水ベースの水易分散性超微
粒子マグネタイトを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は125Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果280Gであった。
実施例8 実施例1における工程Cにおいて、一次界面活性剤
(オレイン酸ナトリウム)を加える前に、安定剤として
0.2mol/塩化アルミニウム水溶液500mlを加えて水和酸
化鉄ゾルの表面にアルミニウムイオン電荷を付与した以
外は実施例1と同様にして水易分散性超微粒子マグネタ
イト340gを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は125Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、320Gであった。
実施例9 実施例2における工程Cにおいて、一次界面活性剤
(オレイン酸ナトリウム)を加える前に、安定剤として
0.2mol/塩化アルミニウム水溶液500mlを加えて水和酸
化鉄ゾルの表面にアルミニウムイオン電荷を付与した以
外は実施例2と同様にして水易分散性超微粒子マグネタ
イト315gを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は130Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、320Gであった。
実施例10 実施例3における工程Cにおいて、一次界面活性剤
(リシノール酸ナトリウム)を加える前に、安定剤とし
て0.2mol/塩化アルミニウム水溶液500mlを加えて水和
酸化鉄ゾルの表面にアルミニウムイオン電荷を付与した
以外は実施例3と同様にして水易分散性超微粒子マグネ
タイト300gを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は130Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、350Gであった。
実施例11 実施例4における工程Cにおいて、一次界面活性剤
(オレイン酸ナトリウム)を加える前に、安定剤として
0.2mol/塩化アルミニウム水溶液500mlを加えて水和酸
化鉄ゾルの表面にアルミニウムイオン電荷を付与した以
外は実施例4と同様にして水易分散性超微粒子マグネタ
イト310gを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は130Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、350Gであった。
実施例12 実施例6における工程Cにおいて、一次界面活性剤
(オレイン酸ナトリウム)を加える前に、安定剤として
0.2mol/塩化アルミニウム水溶液500mlを加えて水和酸
化鉄ゾルの表面にアルミニウムイオン電荷を付与した以
外は実施例6と同様にして水易分散性超微粒子マグネタ
イト338gを得た。
この超微粒子マグネタイトの平均粒径は120Åであ
り、しかも粒径が揃っていることが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、320Gであった。
比較例1 1mol/硫酸第一鉄と1mol/硫酸第二鉄の水溶液を各
々1を反応槽中に入れ、これを混合しながら6NNaOH水
溶液をpHが7.3になるまで滴下した。その後約20分間混
合して超微粒子マグネタイトコロイド溶液を調製し、次
いで10%オレイン酸ナトリウム溶液640mlを添加して30
分間混合し、これによって、このコロイド粒子をオレイ
ン酸ナトリウムの単分子膜で被覆する。この溶液に、非
水溶液有機溶媒であるケロシン550mlを注ぐと黒褐色の
有機層が生ずる。
反応終了後水層を除去、洗浄後新たに水300mlを加
え、水層に分散移行させるために二次活性剤としてラウ
リン酸ナトリウム30重量%液30mlを撹拌しながら加え
た。超微粒子マグネタイトが水層に移行し終えたならば
n−ヘキサン層を除去し、水層を減圧下で濃縮し、320g
の水ベースの水易分散性超微粒子マグネタイトを得た。
この超微粒子マグネタイトは粒径の極めて小さいもの
から凝集物もあり、しかも粒径に大きなバラツキがある
ことが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、145Gであった。
比較例2 5フラスコに、水40g、トルエン1600g、水酸化ナト
リウム14.0g(0.349mol)を順次加え、これを撹拌しな
がらオレイン酸96g(0.349mol)を添加し、液温を75〜8
0℃に保ちながら30分間撹拌するとオレイン酸ナトリウ
ムを含むエマルジョンとなった。次に、液温を35℃に下
げ、28%アンモニア水534.3g(8.8mol)を加えて撹拌混
合し、均一なエマルジョンを得た。
一方、予め硫酸第一鉄7水塩278g(1mol)、硫酸第二
鉄6水塩508g(1mol)、水1125gの混合水溶液を上記の
エマルジョン中に滴下し、超微粒子マグネタイトコロイ
ドの生成及び吸着処理を行った。この鉄塩水溶液の滴下
には2.5時間を要した。滴下終了時点で反応液は、黒色
の分散液となったため、液温を75〜80℃に上昇し、この
温度で30分間撹拌・熟成した。この後、5の分液ロー
トに移し、静置した。この上層の超微粒子マグネタイト
コロイドが分散したトルエン層を採取した。
このトルエン層を、再び5のフラスコに移し、共沸
脱水を行った。
反応終了後水層を除去、洗浄後新しく水300mlを加
え、水層に分散移行させるために二次活性剤としてラウ
リル酸ナトリウム30%液30mlを撹拌しながら加えた。マ
グネタイトが水層に移行し終えたならばn−ヘキサン層
を除去し、水層を減圧下で濃縮し、320gの水ベースの水
易分散性超微粒子マグネタイトを得た。
この超微粒子マグネタイトは粒径の極めて小さいもの
から凝集物もあり、しかも粒径に大きなバラツキがある
ことが認められた。
又、この水易分散性超微粒子マグネタイトの飽和磁化
を測定した結果、280Gであった。
上記各実施例及び各比較例について、以下に述べる方
法で分散性、安定性について調査した。
分散性…0.1μm〜1.0μmのメンブランフィルターを
用いて製造直後及び製造後室温放置2ケ月後の分散性を
調べるため減圧下20mmHgで濾過テストを実施した。
濾過に用いた試料はマグネタイト量として20重量%水
分散液に調製したものである。
その結果を第1表に示す。
安定性…温度60℃で1ケ月放置後の飽和磁化の減少
と、温度60℃で放置した場合の色の変化の両方で判断し
た。
その結果を第2表及び以下に示す。
分散性について、各実施例のものはそのままで孔径0.
1μmのメンブランフィルターでも円滑、且つ完全に透
過し、沈澱物がメンブランフィルター上に堆積しないこ
とが認められた。
これに対し、各比較例のものはそのままでは孔径1μ
mでもメンブランフィルター上に堆積することが認めら
れた。そこで各比較例のものを各々遠心分離器にかけ
(5000G)、この分散液のみを採取し、上記と同様の試
験を行ったところ孔径0.65μmのメンブランフィルター
で透過した。しかし、この場合、超微粒子マグネタイト
の収率は50〜70重量%となった。
安定性について、実施例1〜7のもとは10目ごろから
僅かに色変が認められ、又、実施例8〜12のものは30日
間変化が認められなかったが、各比較例のものは2日程
度で色変が認められた。この差は粒径のバラツキの程度
に起因しているものと解される。
上述の結果より、各比較例のものに比べて、各実施例
のものは粒径が揃い、安定で黒色顔料として種々の用途
に好適に使用できるものであり、しかも分散性が良好で
あるうえ、飽和磁化が高いことが認められる。
特に安定剤を用いた磁性流体(実施例8〜12)は長期
安定性に優れていることが認められる。
又、各実施例のものは得られた状態で沈降、凝集、濃
度変化更に偏析が生じないが、各比較例のものは得られ
た状態で沈降や凝集などが認められた。
(g)発明の効果 本発明は、上述のとおりに構成されているので、以下
に記載されるような効果を奏する。
請求項1の水易分散性超微粒子マグネタイトの製造方
法において、上記構成を有し、可溶性第一鉄塩と可溶性
第二鉄塩を含む水溶液に塩基性水溶液を加えて超微粒子
マグネタイトを形成するにあたり、超微粒子マグネタイ
トの粒径を揃えるために塩基性水溶液を2段階に分けて
添加するように調整し、その第一段階でpHを抑制して酸
性領域で平均粒径が300Å以下の透明で陽性の水和酸化
鉄のゾルを調製した後、これを熟成することにより、水
和酸化鉄のゾルの粒径を備え、次いで、これに更に塩基
性水溶液を加えて(第二段階)pHを9以上にすることに
より超微粒子マグネタイトを得る ようにしたものであ
り、かくして得られた超微粒子マグネタイトは粒径が揃
い、且つ分散性が著しく良好で沈降や凝集更に濃度変化
並びに偏析等が生じない上、飽和磁化が高く、品質の優
れた磁性流体が得られる効果を有するのである。
特に、本発明では、超微粒子マグネタイトの分散性が
極めて良好で沈降や凝集更に濃度変化並びに偏析等が生
じず、しかも濾過が不要で、且つ飽和磁化が高い上、顔
料として種々の用途に好適に使用できる効果を有するの
である。
請求項2の水易分散性超微粒子マグネタイトの製造方
法においては、水和酸化鉄ゾル分散液に一次界面活性剤
を加えてこのゾルを凝集させるにあたり、この一次界面
活性剤を加える前に、予め、安定剤を加えることによ
り、超微粒子マグネタイトは粒径が揃い、且つ分散性が
著しく良好で沈降や凝集更に濃度変化並びに偏析等が生
じない上、飽和磁化が高く、品質等が優れるのであり、
しかも濾過が不要で、且つ飽和磁化が高い上、顔料とし
て種々の用途に好適に使用でき、更に一層長期安定性が
良好になる効果を有するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/28 C01G 49/08 B01J 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩を含む水
    溶液に塩基性水溶液を加えてpH1〜4.5にすることにより
    平均粒径が300Å以下の透明で陽性の水和酸化鉄のゾル
    を調整する工程(A)、 上記工程(A)で得られた水和酸化鉄のゾルを室温以上
    で熱成安定化する工程(B)、 上記工程(B)で得られた分散液に一次界面活性剤を加
    えて水和酸化鉄のゾルを凝集させる工程(C)、 上記工程(C)で得られた水和酸化鉄のゾルを凝集させ
    た溶液に有機分散媒を加えて当該ゾルを有機層に移行、
    分散させ、これを水洗、脱塩する工程(D)、 上記工程(D)で得られた溶液を分液し、その有機層を
    採取し、これに水を加えて温度50℃以上で加熱、撹拌し
    つつ塩基性水溶液を加えてpH9以上にすることにより超
    微粒子マグネタイトとする工程(E)、 上記工程(E)で得られた溶液を水洗し、水層を除去
    後、新たに水を加える工程(F)、 上記工程(F)で得られた溶液に二次界面活性剤を加え
    て超微粒子マグネタイトを水層に移行、分散させた後、
    有機分散媒を除去する工程(G)、よりなる水易分散性
    超微粒子マグネタイトの製造方法。
  2. 【請求項2】可溶性第一鉄塩と可溶性第二鉄塩を含む水
    溶液に塩基性水溶液を加えてpH1〜4.5にすることにより
    平均粒径が300Å以下の透明で陽性の水和酸化鉄のゾル
    を調整する工程(A)、 上記工程(A)で得られた水和酸化鉄のゾルを室温以上
    で熟成安定化する工程(B)、 上記工程(B)で得られた分散液に安定剤を加えた後、
    一次界面活性剤を加えて水和酸化鉄のゾルを凝集させる
    工程(C)、 上記工程(C)で得られた水和酸化鉄のゾルを凝集させ
    た溶液に有機分散媒を加えて当該ゾルを有機層に移行、
    分散させ、これを水洗、脱塩する工程(D)、 上記工程(D)で得られた溶液を分液し、その有機層を
    採取し、これに水を加えて温度50℃以上で加熱、撹拌し
    つつ塩基性水溶液を加えてpH9以上にすることにより超
    微粒子マグネタイトを生成する工程(E)、 上記工程(E)で得られた溶液を水洗し、水層を除去
    後、新たに水を加える工程(F)、 上記工程(F)で得られた溶液に二次界面活性剤を加え
    て超微粒子マグネタイトを水層に移行、分散させた後、
    有機分散媒を除去する工程(G)、よりなる水易分散性
    超微粒子マグネタイトの製造方法。
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