JP2823072B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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- JP2823072B2 JP2823072B2 JP62101296A JP10129687A JP2823072B2 JP 2823072 B2 JP2823072 B2 JP 2823072B2 JP 62101296 A JP62101296 A JP 62101296A JP 10129687 A JP10129687 A JP 10129687A JP 2823072 B2 JP2823072 B2 JP 2823072B2
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- piezoelectric ceramic
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- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成物とする圧電
磁器で、圧電歪定数が大きく、かつ機械的強度が大きい
圧電磁器組成物に関するものである。 〔従来の技術〕 近年、圧電磁器材料は、微小変位素子として使用され
るようになっている。このような機械的要素への応用に
は、圧電特性のみならず、機械的強度も大きいことが要
求れる。しかし、圧電磁器材料は粉末治金的手法で作ら
れるものであるため、実用上の機械的強度が不足する欠
点があった。また素子自体の薄片化が要求されているた
め、製作過程における破損も問題となっている。 微小変位素子用圧電磁器材料には、圧電歪定数(d定
数)が大きいことが要求される。このような圧電磁器材
料として、Pb(ZrxTiy)O3(但しx+y=1)で表わさ
れる組成において、0.54≦x≦0.56の範囲内の組成から
なり、Pb原子の8〜12モル%をCa,SrおよびBaの少なく
とも一種で置換し、これにSbをSb2O3に換算して0.5〜1.
5重量%含有した磁器組成物があり、優れた圧電特性を
示す。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記圧電磁器組成物は、微小変位素子
として用いるには、機械的強度が小さく実用上問題があ
った。 本発明の目的は、機械的強度が大きく、かつ圧電特性
にも優れた圧電磁器組成物を提供することである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記組成物を基本組成とし、微量のAl2O3
を添加することにより、機械的抗折強度が向上し、か
つ、優れた圧電特性を有することを特徴とするものであ
る。 本発明において、微量添加したAl2O3は、結晶粒界に
析出し、粒界強度を上げ、機械的強度を向上させるもの
である。 以下、実施例により、本発明の効果を具体的に説明す
る。 〔実施例〕 (実施例1) 一酸化鉛〔PbO〕,酸化チタン〔TiO2〕,酸化ジルコ
ニウム〔ZrO2〕、炭酸ストロンチウム〔SrCO3〕、酸化
アンチモン〔Sb2O3〕を所定比で秤量し、これをプラス
チック製のボールとポットを用いたボールミルで2時間
混合した。得られたスラリーを150℃で乾燥し、仮プレ
ス後850℃で2時間仮焼した。これに、酸化アルミニウ
ム(Al2O3)を所定比加え、さらに24時間、前記ボール
とポットでボールミル粉砕した。これを造粒後20φ×2m
mtでプレス成形し、酸素中1250℃2時間焼結した。得ら
れた焼結体の両面に、銀ペーストを印刷し、乾燥後550
℃で20分間で電極の焼付けを行なった。次に分極装置に
セットして、シリコンオイル中で3kV/mmの直流電圧を5
分間印加して分極処理した。 得られた試料の圧電歪定数及び機械抗折強度を評価し
た。 第1図に圧電歪定数d31を組成依存性を示す。第1図
より圧電歪定数d31はTiが44〜46モル%の範囲内で大き
な値を示す。 第1表に代表的な結果例を示す。第1表より明らかな
ように、Al2O3を添加したことにより、機械抗折強度σ
は著しく改善され、かつ圧電歪定数d31の値は維持され
ている。なお、Al2O3添加量が1wt%を超えると機械抗折
強度が低下するのは、結晶粒径が大きくなるためであ
る。 (実施例2) Srの代わりにBaおよびCaを用いて、実施例1と同様の
方法により、試料を作成して評価した。 第2表にその結果を示すが、Ba,CaをSrの代わりに用
いても同様の効果が得られることがわかる。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明は圧電歪定数が非常に大き
く、かつ機械的強度も大きいため、バイモルフ、積層型
アクチュエータ等の微小変位素子に適した圧電磁器組成
物を提供するものである。
磁器で、圧電歪定数が大きく、かつ機械的強度が大きい
圧電磁器組成物に関するものである。 〔従来の技術〕 近年、圧電磁器材料は、微小変位素子として使用され
るようになっている。このような機械的要素への応用に
は、圧電特性のみならず、機械的強度も大きいことが要
求れる。しかし、圧電磁器材料は粉末治金的手法で作ら
れるものであるため、実用上の機械的強度が不足する欠
点があった。また素子自体の薄片化が要求されているた
め、製作過程における破損も問題となっている。 微小変位素子用圧電磁器材料には、圧電歪定数(d定
数)が大きいことが要求される。このような圧電磁器材
料として、Pb(ZrxTiy)O3(但しx+y=1)で表わさ
れる組成において、0.54≦x≦0.56の範囲内の組成から
なり、Pb原子の8〜12モル%をCa,SrおよびBaの少なく
とも一種で置換し、これにSbをSb2O3に換算して0.5〜1.
5重量%含有した磁器組成物があり、優れた圧電特性を
示す。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記圧電磁器組成物は、微小変位素子
として用いるには、機械的強度が小さく実用上問題があ
った。 本発明の目的は、機械的強度が大きく、かつ圧電特性
にも優れた圧電磁器組成物を提供することである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記組成物を基本組成とし、微量のAl2O3
を添加することにより、機械的抗折強度が向上し、か
つ、優れた圧電特性を有することを特徴とするものであ
る。 本発明において、微量添加したAl2O3は、結晶粒界に
析出し、粒界強度を上げ、機械的強度を向上させるもの
である。 以下、実施例により、本発明の効果を具体的に説明す
る。 〔実施例〕 (実施例1) 一酸化鉛〔PbO〕,酸化チタン〔TiO2〕,酸化ジルコ
ニウム〔ZrO2〕、炭酸ストロンチウム〔SrCO3〕、酸化
アンチモン〔Sb2O3〕を所定比で秤量し、これをプラス
チック製のボールとポットを用いたボールミルで2時間
混合した。得られたスラリーを150℃で乾燥し、仮プレ
ス後850℃で2時間仮焼した。これに、酸化アルミニウ
ム(Al2O3)を所定比加え、さらに24時間、前記ボール
とポットでボールミル粉砕した。これを造粒後20φ×2m
mtでプレス成形し、酸素中1250℃2時間焼結した。得ら
れた焼結体の両面に、銀ペーストを印刷し、乾燥後550
℃で20分間で電極の焼付けを行なった。次に分極装置に
セットして、シリコンオイル中で3kV/mmの直流電圧を5
分間印加して分極処理した。 得られた試料の圧電歪定数及び機械抗折強度を評価し
た。 第1図に圧電歪定数d31を組成依存性を示す。第1図
より圧電歪定数d31はTiが44〜46モル%の範囲内で大き
な値を示す。 第1表に代表的な結果例を示す。第1表より明らかな
ように、Al2O3を添加したことにより、機械抗折強度σ
は著しく改善され、かつ圧電歪定数d31の値は維持され
ている。なお、Al2O3添加量が1wt%を超えると機械抗折
強度が低下するのは、結晶粒径が大きくなるためであ
る。 (実施例2) Srの代わりにBaおよびCaを用いて、実施例1と同様の
方法により、試料を作成して評価した。 第2表にその結果を示すが、Ba,CaをSrの代わりに用
いても同様の効果が得られることがわかる。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明は圧電歪定数が非常に大き
く、かつ機械的強度も大きいため、バイモルフ、積層型
アクチュエータ等の微小変位素子に適した圧電磁器組成
物を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における圧電歪定数d31の組成依存性を
示す。
示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭63−185080(JP,A)
特開 昭61−91062(JP,A)
特公 昭54−32956(JP,B1)
特公 昭42−13915(JP,B1)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.Pb(ZrxTiy)O3(但しx+y=1)で表される組成
をもって基本組成とし、0.54≦x≦0.56の範囲内の組成
からなり、Pb原子の8〜12モル%を、それぞれ2価の元
素であるCa、SrおよびBaの少なくとも一種で置換し、こ
れに3価の元素であるSbをSb2O3に換算して0.5〜1.5重
量%含有するとともにAlをAl2O3に換算して0.01〜1.0重
量%含有し、該Al2O3は結晶粒界に析出することを特徴
とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62101296A JP2823072B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 圧電磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62101296A JP2823072B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 圧電磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63266706A JPS63266706A (ja) | 1988-11-02 |
JP2823072B2 true JP2823072B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=14296868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62101296A Expired - Fee Related JP2823072B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 圧電磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2823072B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6310775B2 (ja) * | 2014-05-29 | 2018-04-11 | Fdk株式会社 | 圧電磁器組成物および圧電磁器組成物の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5432956A (en) * | 1977-08-19 | 1979-03-10 | Omron Tateisi Electronics Co | Input circuit |
JPS5518063A (en) * | 1978-07-26 | 1980-02-07 | Seiko Epson Corp | Rare earth element permanent magnet |
JPS5613032A (en) * | 1979-07-16 | 1981-02-07 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Fluidizing method of solid particle |
JPS6191062A (ja) * | 1984-10-09 | 1986-05-09 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | セラミツク圧電材料 |
JPS63185080A (ja) * | 1987-01-28 | 1988-07-30 | Denki Kagaku Kogyo Kk | チタン酸ジルコン酸鉛系圧電体用組成物 |
-
1987
- 1987-04-24 JP JP62101296A patent/JP2823072B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63266706A (ja) | 1988-11-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |