JP2790353B2 - 有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子

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JP2790353B2
JP2790353B2 JP2013712A JP1371290A JP2790353B2 JP 2790353 B2 JP2790353 B2 JP 2790353B2 JP 2013712 A JP2013712 A JP 2013712A JP 1371290 A JP1371290 A JP 1371290A JP 2790353 B2 JP2790353 B2 JP 2790353B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子に関
し、詳しくは各種表示装置の発光体として用いられる有
機薄膜エレクトロルミネッセンス素子に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
エレクトロルミネッセンス素子(以下EL素子という)
は、自己発光のため視認性が高く、また完全固体素子で
あるため耐衝撃性に優れるという特徴を有しており、現
在、無機,有機化合物を発光層に用いた様々なEL素子が
提案され、実用化が試みられている。このうち、有機薄
膜EL素子は、印加電圧を大幅に低下させることができる
ため、各種材料が開発されつつある。
一方、紫外線発光固体素子は、研究室レベルにおい
て、BN pn接合型発光ダイオードが実現されている(Sci
ence,238,181(1987)及びJSAP Catalog Number 881105
−03,p.916)。この素子は、200〜400nmの紫外線を発光
することが可能である。しかし、大型のBNの結晶を成長
させることは困難であり、現在のところ、わずか1mm大
の結晶により発光が得られているにすぎない。そのた
め、実用化は極めて難しく、面発光は不可能である。
ところで、有機薄膜EL素子は、比較的簡易な素子構成
で可視光の面発光が、数十Vの電圧を印加するだけで得
られているが、紫外光発光は未だ得られていない(Thin
Solid Films,94,171(1982),特開昭61−43682号公報
〜同61−43691号公報,同59−194393号公報,Appl.Phys.
Lett.51,913(1987)及び米国特許第9720437号明細
書)。
また、有機単結晶のEL素子は、p−ターフェニル,ナ
フタレンの結晶を用いて紫外光発光を得ているが、印加
電圧が100V以上必要であり、しかも単結晶を用いなけれ
ばならないので、生産性が低く実用的でない(Z.Bursht
ein,Mol.Cryst.60,207(1980))。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、上記従来技術の問題点を解消
し、低電圧を印加するだけで高輝度に発光し、しかも構
成が簡単で容易に製造でき、そのうえ不良品の発生が少
なく高い歩留りで製造することのできるEL素子を開発す
べく鋭意研究を重ねた。
その結果、特定の有機化合物を発光材料として用いる
こと、あるいは所望によりこの有機化合物を電極間に設
けることにより、これらの条件を達成でき、しかも紫外
光面発光を実現できることを見出した。本発明はかかる
知見に基いて完成したものである。すなわち、本発明は 一般式(I) 又は一般式(II) 〔式中、R1〜R10はそれぞれ水素原子,炭素数1〜6の
アルキル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,水酸基,ス
ルホン酸基,カルボニル基,カルボキシル基,アミノ
基,ジメチルアミノ基,シアノ基,ハロゲン原子,アシ
ルオキシ基,アシル基,アルコキシカルボニル基,アリ
ールオキシカルボニル基,アミノカルボニル基あるいは
アシルアミノ基を示し、また、これらR1〜R10は互いに
結合して置換,無置換の飽和5員環あるいは置換,無置
換の飽和6員環を形成してもよい。nは2〜5の整数を
示す。なお、複数のR4〜R6はそれぞれ同じでも異なって
もよい。但し、式(I)において、R1〜R9のすべてが水
素原子を示し、かつnが3を示す場合を除く。〕 で表わされる化合物を発光材料として用いたことを特徴
とする有機薄膜EL素子を提供するものである。
本発明において、発光材料として用いられる有機化合
物は、上記一般式(I)あるいは(II)で表わされる化
合物であり、この化合物は式中の置換基R1〜R10の種類
により各種のものがあげられる。つまり、R1〜R10はそ
れぞれ水素原子,炭素数1〜6のアルキル基(メチル
基,エチル基,イソプロピル基,tert−ブチル基等),
炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基等),水酸基,スルホン
酸基,カルボニル基,カルボキシル基,アミノ基,ジメ
チルアミノ基,シアノ基,ハロゲン原子(塩素,フッ
素,臭素,沃素),アシルオキシ基(アセトキシ基,ベ
ンゾイルオキシ基など),アシル基(アセチル基,ベン
ゾイル基など),アルコキシカルボニル基(メトキシカ
ルボニル基など),アリールオキシカルボニル基(フェ
ノキシカルボニル基など),アミノカルボニル基あるい
はアシルアミノ基(アセトアミノ基,ベンズアミノ基な
ど)を示し、また、これらR1〜R10は互いに結合して置
換,無置換の飽和5員環あるいは置換,無置換の飽和6
員環を形成してもよい。nは2〜5の整数を示す。ま
た、nの数に対応する数のR4〜R6の各々は、同じでも異
なってもよい。但し、式(I)において、R1〜R9のすべ
てが水素原子を示しかつnが3を示す化合物は、本発明
の対象から除外される。
このような本発明の化合物のうち、特に一般式(I)
あるいは(II)中のフェニレン基(置換フェニレン基)
がp−位において両側の隣接基と結合している化合物
(換言すれば、p−フェニレン基(置換p−フェニレン
基)を有する化合物)が、結晶性が良好で平滑な蒸着膜
が形成できるため好ましい。
このような本発明の化合物の具体例を挙げれば次のと
おりである。
本発明のEL素子において、上記発光材料からなる薄膜
の膜厚は、適宜状況に応じて選定すればよいが、通常は
5nm〜5μm程度とすればよい。また、本発明のEL素子
の構成は各種の形態があるが、基本的には二つの電極
(陽極と陰極、そのうち少なくとも一方が透明または半
透明)の間に、上記発光材料からなる発光層を挟持した
構成として、これに必要に応じて他層を介在させればよ
い。具体的には、(1)陽極/発光層/陰極,(2)陽
極/正孔注入層/発光層/陰極,(3)陽極/正孔注入
層/発光層/電子注入層/陰極,(4)陽極/発光層/
電子注入層/陰極などの構成がある。なお、これらのEL
素子は、支持基板上に形成することが好ましい。
本発明のEL素子における発光層は、以下の三つの機能
を併せ持つものである。即ち、 注入機能 電界印加時に、陽極又は正孔注入輸送層より正孔を注
入することができ、陰極又は電子注入輸送層より電子を
注入することができる機能 輸送機能 注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる
機能 発光機能 電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげ
る機能 但し、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさ
に違いがあってもよく、また正孔と電子の移動度で表わ
される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の
電荷を移動することが好ましい。
しかしここで、本発明のように近紫外光を発光するエ
レクトロルミネッセンス素子においては、この波長域の
光が多くの有機化合物により吸収される為、広い意味で
の発光層を形成する材料と相互作用が生じやすく、下記
,の理由から一義的に発光領域を特定することが困
難な場合がある。
発光層と正孔注入層の相互作用(エキサイプレックス
生成)により界面に形成される励起状態が発光をする。
つまり正孔注入層も発光に寄与をする。
発光層において発光した近紫外光が、蛍光性の正孔注
入層を励起し、蛍光を生じる。
本発明のEL素子において、発光材料(発光層)として
用いる前記一般式(I)または(II)の化合物は、構造
上イオン化エネルギーが比較的小さく、適当な陽極金属
または陽極化合物を選べば、比較的正孔を注入し易い。
また電子親和力は比較的大きく、適当な陰極金属または
陰極化合物を選べば、比較的電子を注入し易い。しか
も、電子,正孔の輸送機能もすぐれている。さらに固体
状態の蛍光性が強いため、電子と正孔の再結合時に形成
された上記化合物,その会合体または結晶等の励起状態
を光に変換する能力が大きい。
本発明のEL素子において使用できる基板は、透明性を
有するものが好ましく、一般にガラス,透明プラスチッ
ク,石英等が充当される。また、電極(陰極,陰極)と
しては、金,アルミニウム,インジウムなどの金属,合
金,混合物あるいはインジウムチンオキサイド(酸化イ
ンジウムと酸化錫の混合酸化物;ITO),SnO2,ZnO等の透
明材料を用いることが好ましい。また、特開昭63−2956
95号公報に開示されている合金や混合物電極が好まし
い。なお陽極には、仕事関数の大きい金属または電気伝
導性化合物が好適であり、また陰極には、仕事関数の小
さい金属または電気伝導性化合物が好適である。これら
の電極は、少なくとも一方が透明あるいは半透明である
ことが、発光の透過率を高める上で好ましい。
前述した(1)陽極/発光層/陰極よりなる構成のEL
素子を作成するには、例えば次の如き手順にしたがえば
よい。即ち、まず、基板上に電極を蒸着もしくはスパッ
タ法にて製膜する。この際、膜状の電極の膜厚は、一般
に10nm〜1μm、特に200nm以下が、発光の透過率を高
める上で好ましい。次に、この電極の上に発光材料(一
般式(I)または(II)の化合物)を、薄膜状に形成し
て発光層とする。発光材料の薄膜化方法は、スピンコー
ト,キャスト,蒸着法等があるが、均一な膜が得やすい
こと、及びピンホールが生成しないことから、とりわけ
蒸着法が好ましい。発光材料の薄膜化に際して蒸着法を
採用する場合、その蒸着の条件は、例えばボート加熱温
度50〜400℃、真空度10-5〜10-3Pa、蒸着速度0.03〜50n
m/秒、基板温度−50〜+300℃の範囲で膜厚5nm〜5μm
となるように選定すればよい。この薄膜形成後、対向電
極を蒸着法やスパッタ法にて膜厚50〜200nmで形成すれ
ば、EL素子が作成される。なお、発光層の形成の条件
は、一般式(I)または(II)の化合物の種類,分子堆
積膜の目的とする結晶構造、会合構造等によって異な
り、様々に変動しうるが、ボート加熱温度は一般式
(I)または(II)の化合物が分解しない温度にとどめ
ることが好ましい。
また、(2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極の構成
のEL素子を作成するには、まず電極を上記(1)のEL素
子と同様に形成し、その後、正孔注入材料(正孔伝達化
合物)を電極上に蒸着法で薄膜化して正孔注入輸送層を
形成する。この際の蒸着条件は、前記発光材料の薄膜形
成の蒸着条件に準じればよい。その後は上記(1)のEL
素子を作成する場合と同様に、発光材料の薄膜形成及び
対向電極の形成を行えば、所望する上記(2)の構成の
EL素子が作成される。なお、この(2)の構成のEL素子
において、正孔注入層と発光層の作製順序を逆にし、電
極,発光層,正孔注入層,電極の順に作製することも可
能である。
さらに、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入
層/陰極の構成のEL素子を作成するには、まず電極を上
記(1)のEL素子と同様に形成し、その後、正孔注入層
を上記(2)のEL素子と同様に形成し、その上から上記
(1)のEL素子を作成する場合と同様に、発光材料の薄
膜を形成する。しかる後に、電子注入材料(電子伝達化
合物)を蒸着法にて薄膜化することにより、発光層上に
電子注入層を形成し、最後に上記(1)のEL素子を作成
する場合と同様に、対向電極を形成すれば、目的とする
上記(3)の構成のEL素子が作成される。(4)の構成
のEL素子を作製するには、発光層の形成までは(1)の
構成と同様であり、その後、(3)の構成の電子注入層
以降の作製方法に従えばよい。ここで、正孔注入層,発
光層,電子注入層あるいは発光層,電子注入層の作製順
序は、素子構成の(1)及び(2)と同様逆の順序にし
ても構わない。
なお、本発明のEL素子では、正孔注入層や電子注入層
は必ずしも必要ではないが、これらの層があると、発光
性能が一段と向上する。ここで、正孔注入層は、正孔伝
達化合物(正孔注入材料)よりなり、陽極より注入され
た正孔を、発光層に伝達する機能を持つ。この層をEL素
子の陽極と発光層間に挟むことにより低電圧でより多く
の正孔が発光層に注入され、素子の輝度は向上する。
ここで用いられる正孔注入層の正孔伝達化合物は、電
場を与えられた二個の電極間に配置されて陽極から正孔
が注入された場合、正孔を適切に発光層へ伝達すること
ができる化合物である。正孔注入層を陽極と発光層との
間に挟むことにより、より低い電界で多くの正孔が発光
層に注入される。さらに、陰極や電子注入層から発光層
に注入された電子は、発光層と正孔注入層の界面に存在
する電子の障壁により、この発光層内の界面付近に蓄積
され発光効率が向上する。ここで好ましい正孔伝達化合
物は、104〜106ボルト/cmの電場を与えられた電極間に
層が配置された場合、少なくとも10-6cm2/ボルト・秒の
正孔移動度をもつ。従って好ましい例としては、光導電
材料において正孔の電荷輸送材として用いられている各
種化合物があげられる。
このような電荷輸送材として以下のような例があげら
れる。
米国特許第3112197号明細書等に記載されているトリ
アゾール誘導体、 米国特許第3189447号明細書等に記載されているオキ
サジアゾール誘導体、 特公昭37−16096号公報等に記載されているイミダゾ
ール誘導体、 米国特許第3615402号,同3820989号、同3542544号明
細書や特公昭45−555号,同51−10983号公報さらには特
開昭51−93224号,同55−17105号,同56−4148号,同55
−108667号,同55−156953号,同56−36656号公報等に
記載されているポリアリールアルカン誘導体、 米国特許第3180729号,同4278746号明細書や特開昭55
−88064号,同55−88065号,同49−105537号,同55−51
086号,同56−80051号,同56−88141号,同57−45545
号,同54−112637号,同55−74546号公報等に記載され
ているピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、 米国特許第3615404号明細書や特公昭51−10105号,同
46−3712号,同47−25336号公報さらには特開昭54−534
35号,同54−110536号,同54−119925号公報等に記載さ
れているフェニレンジアミン誘導体、 米国特許第3567450号,同3180703号,同3240597号,
同3658520号,同4232103号,同4175961号,同4012376号
明細書や特公昭49−35702号,同39−27577号公報さらに
は特開昭55−144250号,同56−119132号,同56−22437
号公報、***特許第1110518号明細書等に記載されてい
るアリールアミン誘導体、 米国特許第3526501号明細書等に記載されているアミ
ン置換カルコン誘導体、 米国特許第3257203号明細書等に記載されているオキ
サゾール誘導体、 特開昭56−46234号公報等に記載されているスチリル
アントラセン誘導体、 特開昭54−110837号公報等に記載されているフルオレ
ノン誘導体、 米国特許第3717462号明細書や特開昭54−59143号,同
55−52063号,同55−52064号,同55−46760号,同55−8
5495号,同57−11350号,同57−148749号公報等に記載
されているヒドラゾン誘導体、 特開昭61−210363号,同61−228451号、同61−14642
号,同61−72255号,同62−47646号,同62−36674号,
同62−10652号,同62−30255号,同60−93445号,同60
−94462号,同60−174749号,同60−175052号公報等に
記載されているスチルベン誘導体などを列挙することが
できる。
さらに特に好ましい例としては、特開昭63−295695号
公報に開示されているホール輸送層としての化合物(芳
香族三級アミン)や正孔注入帯としての化合物(ポリフ
ィリン化合物)をあげることができる。
さらに特に正孔伝達化合物として好ましい例は、特開
昭53−27033号公報,同54−58445号公報,同54−149634
号公報,同54−64299号公報,同55−79450号公報,同55
−144250号公報,同56−119132号公報,同61−295558号
公報,同61−98353号公報及び米国特許第4127412号明細
書等に開示されているものである。それらの例を示せば
次の如くである。
これらの正孔伝達化合物から正孔注入層を形成する
が、この正孔注入層は一層からなってもよく、あるいは
上記一層と別種の化合物を用いた正孔注入層を積層して
もよい。好ましい例としては特開昭63−295695号公報に
開示されている。
一方、電子注入層は陰極より注入された電子を発光層
に伝達する機能を有する。
電子注入層を形成する電子伝達化合物(電子注入材
料)の好ましい例には、 などのニトロ置換フルオレノン誘導体、 特開昭57−149259号,同58−55450号,同63−104061
号公報等に記載されているアントラキノジメタン誘導
体、 Polymer Preprints,Japan Vol.37,No.3(1988),p.68
1等に記載されている などのジフェニルキノン誘導体、 などのチオピランジオキシド誘導体、 J.J.APPl.Phys.,27,L 269(1988)等に記載されてい
で表わされる化合物、 Appl.Phys.Lett.Vol.55(1989),p.1489等に記載され
ている 式 で表わされる化合物、 特開昭60−69657号,同61−143764号,同61−148159
号公報等に記載されているフレオレニリデンメタン誘導
体、 特開昭61−225151号,同61−233750号公報等に記載さ
れているアントラキノジメタン誘導体及びアントロン誘
導体などをあげることができる。
本発明のEL素子は、印加電圧が交流の場合(交流駆
動)には、陽極側にプラスの電圧が印加されているバイ
アス状態の時のみ発光が観測される。また、印加電圧が
直流の場合(直流駆動)には、陽極側にプラスの電圧を
印加することにより常に発光が観測される。
〔実施例〕
次に本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説
明する。
実施例1 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定しモリブテン製の抵抗加熱ボ
ートに3,5,3′,5′−テトラブチルキンクフェニル
(TBQ)を200mg入れ、真空槽を1×10-4Paまで減圧し
た。
その後前記ボートを270〜290℃まで加熱し、TBQを蒸
着速度0.2〜0.5nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜
厚0.7μmの結晶性発光体薄膜を得た。このときの基板
温度は150℃であった。これを真空槽より取り出し、発
光体薄膜上にステンレススチール製のマスクを設置し、
再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートに金20mgを入れて
真空槽を2×10-4Paまで減圧した。
その後、ボートを1400℃まで加熱し、50nmの膜厚で金
電極を発光体薄膜上に形成し対向電極とした。
この素子に金電極を正極、ITO電極を負極として直流6
0Vを印加した。その結果電流が50μA流れ、近紫外域か
ら可視光青色の領域に及び暗所可視の両電極に挟まれた
領域全域からの面上発光を得た。発光波長域は分光測定
の結果、380nmから500nmに分布し、極大波長は435nmで
あった。フォトダイオードにより発光強度を測定すると
0.02mW/cm2であった。
実施例2 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートにN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチル
フェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
(TPDA)を200mg入れ、また別のモリブテン製ボートに
実施例1と同様にTBQを200mg入れて真空槽を1×10-4Pa
まで減圧した。
その後TPDAの入った前記ボートを215〜220℃まで加熱
し、TPDAを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に
蒸着して、膜厚90nmの正孔注入層を製膜させた。この時
の基板温度は室温であった。これを真空槽より取り出す
ことなく、正孔注入層の上に、もう一つのボートよりTB
Qを発光層として厚さ70nmとなるように積層蒸着した。
蒸着条件は基板温度が室温であることを除いて実施例1
と同様である。これを真空槽より取り出し、上記発光層
の上にステンレススチール製のマスクを設置し、再び基
板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また真空槽中心部基板ホルダー下に位置
する電子ビーム蒸着用電子銃のターゲットとして銅のペ
レットを装着した。その後真空槽を2×10-4Paまで減圧
してから、電子ビーム蒸着法により銅を、0.03〜0.08nm
/秒の蒸着速度で、同時に抵抗加熱法によりモリブデン
ボートからマグネシウムを1.7〜2.8nm/秒の蒸着速度で
蒸着し始めた。電子銃のフィラメントのエミッション電
流は230〜250mA、加速電圧は4kVであった。またボート
の温度は500℃程度であった。上記条件でマグネシウム
と銅の混合金属電極を発光層の上に90nm積層蒸着し対向
電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムと銅の混合
金属電極を陰極として、直流20Vを印加すると電流が50
μA流れ、近紫外域から可視光青色に及ぶ発光を得た。
発光波長域は分光測定の結果、380nmから500nmに分布
し、極大波長は435nmであった。また実施例1と同様に
より求めた発光強度は、0.08mW/cm2であった。
実施例3 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定しモリブテン製の抵抗加熱ボ
ートにp−クォーターフェニル(PQP)を200mg入れ、真
空槽を1×10-4Paまで減圧した。
その後前記ボートを230〜250℃まで加熱し、PQPを蒸
着速度0.2〜0.5nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜
厚0.4μmの結晶性発光体薄膜を得た。このときの基板
温度は室温であった。これを真空槽より取り出し、発光
体薄膜上にステンレススチール製のマスクを設置し、再
び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートに金20mgを入れて
真空槽を2×10-4Paまで減圧した。
その後、ボートを1400℃まで加熱し、50nmの膜厚で金
電極を発光体薄膜上に形成し対向電極とした。
この素子に金電極を正極、ITO電極を負極として直流4
0Vを印加した。その結果電流が3.2mA流れ、近紫外域か
ら可視光青色の領域に及ぶ暗所可視の発光を得た。発光
波長域は分光測定の結果、360nmから550nmに分布し、極
大波長は440nm及び470nmであった。また実施例1と同様
により求めた発光強度は0.03mW/cm2であった。
実施例4 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートにN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチル
フェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
(TPDA)を200mg入れ、また別のモリブテン製ボートに
実施例3と同様にPQPを200mg入れて真空槽を1×10-4Pa
まで減圧した。
その後TPDAの入った前記ボートを215〜220℃まで加熱
し、TPDAを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に
蒸着して、膜厚95nmの正孔注入輸送層を製膜させた。こ
の時の基板温度は室温であった。これを真空槽より取り
出すことなく、正孔注入輸送層の上に、もう一つのボー
トよりPQPを発光層として厚さ60nmとなるように積層蒸
着した。蒸着条件は実施例3と同様である。これを真空
槽より取り出し、上記発光層の上にステンレススチール
製のマスクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また真空槽中心部基板ホルダー下に位置
する電子ビーム蒸着用電子銃のターゲットとして銅のペ
レットを装着した。その後真空槽を2×10-4Paまで減圧
してから、電子ビーム蒸着法により銅を0.03〜0.08nm/
秒の蒸着速度で、同時に抵抗加熱法によりモルブデンボ
ートからマグネシウムを1.7〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸
着し始めた。電子銃のフィラメントのエミッション電流
は230〜250mA、加速電圧は4kVであった。またボートの
温度は500℃程度であった。上記条件でマグネシウムと
銅の混合金属電極を発光層の上に130nm積層蒸着し対向
電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムと銅の混合
金属電極を陰極として、直流20Vを印加すると電流が3.5
mA流れ、近紫外域から可視光青色に及ぶ発光を得た。発
光波長域は分光測定の結果、360nmから500nmに分布し、
極大波長は420nmであった。また実施例1と同様により
求めた発光強度は0.2mW/cm2であった。
実施例5 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートにN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メトキ
シフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミ
ン(MPDA)を200mg入れ、また別のモリブテン製ボート
にPQPを200mg入れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。
その後MPDA入りの前記ボートを220℃まで加熱し、MPD
Aを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し
て、膜厚60nmの正孔注入層を製膜させた。この時の基板
温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことな
く、正孔注入層の上に、PQPを発光層として60nm積層蒸
着した。蒸着条件はボート温度が218℃で蒸着速度は0.3
〜0.5nm/秒、基板温度は室温であった。これを真空槽よ
り取出し、上記発光層の上にステンレススチール製のマ
スクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また別のモリブテンボートにインジウム
500mgを装着した。その後、真空槽を2×10-4Paまで減
圧してから、インジウムを0.1nm/秒の蒸着速度で、同時
にもう一方のモリブテンボートからマグネシウムを1.7
〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸着し始めた。ボートの温度は
インジウム,マグネシウム各々、800℃,500℃程度であ
った。
上記条件でマグネシウムとインジウムの混合金属電極
を発光層の上に150nm積層蒸着し対向電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムとインジウ
ムの混合金属電極を陰極として直流7.5Vを印加すると電
流が7mA/cm2流れ、明所可視青紫色の発光を得た。
詳細な発光波長域は分光測定より380〜600nmで、ピー
ク波長は436nmであった。発光強度はフォトダイオード
測定によるパワー測定から、上記条件下、0.03mW/cm2
あった。
実施例6 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートに1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェ
ニル)シクロヘキサン(TPAC)を200mg入れ、また別の
モリブテン製ボートにPQPを200mg入れて真空槽を1×10
-4Paまで減圧した。
その後TPAC入りの前記ボートを220℃まで加熱し、TPA
Cを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し
て、膜厚60nmの正孔注入層を製膜させた。この時の基板
温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことな
く、正孔注入層の上に、PQPを発光層として60nm積層蒸
着した。蒸着条件はボート温度が218℃で蒸着速度は0.3
〜0.5nm/秒、基板温度は室温であった。これを真空槽よ
り取出し、上記発光層の上にステンレススチール製のマ
スクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また別のモリブテンボートにインジウム
500mgを装着した。その後、真空槽を2×10-4Paまで減
圧してから、インジウムを0.1nm/秒の蒸着速度で、同時
にもう一方のモリブテンボートからマグネシウムを1.7
〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸着し始めた。ボートの温度は
インジウム,マグネシウム各々、800℃,500℃程度であ
った。
上記条件でマグネシウムとインジウムの混合金属電極
を発光層の上に150nm積層蒸着し対向電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムとインジウ
ムの混合金属電極を陰極として直流15Vを印加すると電
流が8.4mA/cm2流れ、明所可視青紫色の発光を得た。
詳細な発光波長域は分光測定より380〜600nmで、ピー
ク波長は450nmであった。またこの時の発光強度はフォ
トダイオード測定により0.05mW/cm2であった。
実施例7 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定しモリブテン製の抵抗加熱ボ
ートにN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(2−メチルフ
ェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
(TPDA′)を200mg入れ、また別のモリブテン製ボート
にPQPを200mg入れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。
その後TPDA′入りの前記ボートを220℃まで加熱し、T
PDA′を蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着
して、膜厚60nmの正孔注入層を製膜させた。この時の基
板温度は室温であった。これを真空槽より取り出すこと
なく、正孔注入層の上に、PQPを発光層として60nm積層
蒸着した。蒸着条件はボート温度が218℃で蒸着速度は
0.3〜0.5nm/秒、基板温度は室温であった。これを真空
槽より取出し、上記発光層の上にステンレススチール製
のマスクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また別のモリブテンボートにインジウム
500mgを装着した。その後、真空槽を2×10-4Paまで減
圧してから、インジウムを0.1nm/秒の蒸着速度で、同時
にもう一方のモリブテンボートからマグネシウムを1.7
〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸着し始めた。ボートの温度は
インジウム,マグネシウム各々、800℃,500℃程度であ
った。
上記条件でマグネシウムとインジウムの混合金属電極
を発光層の上に150nm積層蒸着し対向電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムとインジウ
ムの混合金属電極を陰極として直流10Vを印加すると電
流が4.2mA/cm2流れ、明所可視青紫色の発光を得た。
詳細な発光波長域は分光測定より380〜700nmで、ピー
ク波長は430nmであった。近紫外域から長波長の広い波
長域で発光しているのが観測された。また発光強度は、
フォトダイオード測定により0.05mW/cm2であった。
実施例8 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートに1,1′−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフ
ェニル)シクロヘキサン(TPAC)を200mg入れ、また別
のモリブテン製ボートに3,5,3,5′−テトラブチル
キンクフェニル(TBQ)を200mg入れて真空槽を1×10-4
Paまで減圧した。
その後TPAC入りの前記ボートを220℃まで加熱し、TPA
Cを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し
て、膜厚60nmの正孔注入層を製膜させた。この時の基板
温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことな
く、正孔注入層の上に、TBQを発光層として60nm積層蒸
着した。蒸着条件はボート温度が220℃で蒸着速度は0.3
〜0.5nm/秒、基板温度は室温であった。これを真空槽よ
り取出し、上記発光層の上にステンレススチール製のマ
スクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また別のモリブテンボートにインジウム
500mgを装着した。その後、真空槽を2×10-4Paまで減
圧してから、インジウムを0.1nm/秒の蒸着速度で、同時
にもう一方のモリブテンボートからマグネシウムを1.7
〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸着し始めた。ボートの温度は
インジウム,マグネシウム各々、800℃,500℃程度であ
った。
上記条件でマグネシウムとインジウムの混合金属電極
を発光層の上に150nm積層蒸着し対向電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムとインジウ
ムの混合金属電極を陰極として直流15Vを印加すると電
流が11mA/cm2流れ、明所可視の発光を得た。発光波長域
は分光測定より400nmから長波長の広い波長域で発光し
た。なお、上記条件での発光強度は、フォトダイオード
測定により0.02mW/cm2であった。
実施例9 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートに1,1′−ビス(4−ジ−メタ−トリルアミノフ
ェニル)エーテル(ETPA)を200mg入れ、また別のモリ
ブテン製ボートに3,5,3,5′−テトラブチルキンク
フェニル(TBQ)を200mg入れて真空槽を1×10-4Paまで
減圧した。
その後ETPA入りの前記ボートを210℃まで加熱し、ETP
Aを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し
て、膜厚60nmの正孔注入層を製膜させた。この時の基板
温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことな
く、正孔注入層の上に、TBQを発光層として60nm積層蒸
着した。蒸着条件はボート温度が220℃で蒸着速度は0.3
〜0.5nm/秒、基板温度は室温であった。これを真空槽よ
り取出し、上記発光層の上にステンレススチール製のマ
スクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また別のモリブテンボートにインジウム
500mgを装着した。その後、真空槽を2×10-4Paまで減
圧してから、インジウムを0.1nm/秒の蒸着速度で、同時
にもう一方のモリブテンボートからマグネシウムを1.7
〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸着し始めた。ボートの温度は
インジウム,マグネシウム各々、800℃,500℃程度であ
った。
上記条件でマグネシウムとインジウムの混合金属電極
を発光層の上に150nm積層蒸着し対向電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムとインジウ
ムの混合金属電極を陰極として直流15Vを印加すると電
流が1.5mA/cm2流れ、明所可視の紫色の発光を得た。発
光波長域は分光測定より360nm〜600nmの範囲で、近紫外
成分の発光が確認された。なお、上記条件での発光強度
は、フォトダイオード測定により0.06mW/cm2であった。
実施例10 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートにN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(2−メチル
フェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
(TPDA′)を200mg入れ、また別のモリブテン製ボート
に3,5,3,5′−テトラブチルキンクフェニル(TBQ)
を200mg入れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。
その後TPDA′入りの前記ボートを210℃まで加熱し、T
PDA′を蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着
して、膜厚60nmの正孔注入層を製膜させた。この時の基
板温度は室温であった。これを真空槽より取り出すこと
なく、正孔注入層の上に、TBQを発光層として60nm積層
蒸着した。蒸着条件はボート温度が220℃で蒸着速度は
0.3〜0.5nm/秒、基板温度は室温であった。これを真空
槽より取出し、上記発光層の上にステンレススチール製
のマスクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また別のモリブテンボートにインジウム
500mgを装着した。その後、真空槽を2×10-4Paまで減
圧してから、インジウムを0.1nm/秒の蒸着速度で、同時
にもう一方のモリブテンボートからマグネシウムを1.7
〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸着し始めた。ボートの温度は
インジウム,マグネシウム各々、800℃,500℃程度であ
った。
上記条件でマグネシウムとインジウムの混合金属電極
を発光層の上に150nm積層蒸着し対向電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムとインジウ
ムの混合金属電極を陰極として直流15Vを印加すると電
流が27mA/cm2流れ、明所可視の紫色の発光を得た。発光
波長域は分光測定より360nm〜550nmの範囲で近紫外の発
光成分が確認された。なお、上記条件での発光強度は、
フォトダイオードによるパワー測定から20V印加時、1.0
mW/cm2であった。
実施例11 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて
100nmの厚さで製膜したものを透明支持基板とした。こ
の透明支持基板を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)
製)の基板ホルダーに固定し、モリブテン製の抵抗加熱
ボートにN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メトキ
シフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミ
ン(MPDA)を200mg入れ、また別のモリブテン製ボート
に3,5,3,5′−テトラブチルキンクフェニル(TBQ)
を200mg入れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。
その後MPDA入りの前記ボートを220℃まで加熱し、MPD
Aを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し
て、膜厚60nmの正孔注入層を製膜させた。この時の基板
温度は室温であった。これを真空槽より取り出すことな
く、正孔注入層の上に、TBQを発光層として60nm積層蒸
着した。蒸着条件はボート温度が220℃で蒸着速度は0.3
〜0.5nm/秒、基板温度は室温であった。これを真空槽よ
り取出し、上記発光層の上にステンレススチール製のマ
スクを設置し、再び基板ホルダーに固定した。
次にモリブテン製の抵抗加熱ボートにマグネシウムリ
ボン1gを入れ、また別のモリブテンボートにインジウム
500mgを装着した。その後、真空槽を2×10-4Paまで減
圧してから、インジウムを0.1nm/秒の蒸着速度で、同時
にもう一方のモリブテンボートからマグネシウムを1.7
〜2.8nm/秒の蒸着速度で蒸着し始めた。ボートの温度は
インジウム,マグネシウム各々、800℃,500℃程度であ
った。
上記条件でマグネシウムとインジウムの混合金属電極
を発光層の上に150nm積層蒸着し対向電極とした。
この素子にITO電極を陽極、マグネシウムとインジウ
ムの混合金属電極を陰極として直流15Vを印加すると電
流が12mA/cm2流れ、明所可視の紫色の発光を得た。発光
波長域は分光測定より430nmにピークを持ち、370〜550n
mの範囲に及んでいた。これより近紫外の発光成分の存
在が確認された。発光強度は、フォトダイオードによる
パワー測定から20V印加時、0.7mW/cm2であった。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明のEL素子は低電圧を印加するだけ
で高輝度を得ることができ、その構成も簡単であり、容
易に製造することができる。また、このEL素子によれ
ば、従来困難とされていた近紫外域から青色域の発光を
高輝度,高効率で達成することができる。この領域の光
はエネルギーが大きい為、ある種のエネルギー変換、例
えば蛍光などにより、これより低エネルギー、つまり長
波長の青,緑,赤の可視光を得ることが可能である。
さらに、ピンホールなどの不良も少なく、また大面積
化も容易であり、生産性が高く、各種機器の表示用のEL
素子として安価で安定した製品を提供することが可能で
ある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 又は一般式(II) 〔式中、R1〜R10はそれぞれ水素原子,炭素数1〜6の
    アルキル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,水酸基,ス
    ルホン酸基,カルボニル基,カルボキシル基,アミノ
    基,ジメチルアミノ基,シアノ基,ハロゲン原子,アシ
    ルオキシ基,アシル基,アルコキシカルボニル基,アリ
    ールオキシカルボニル基,アミノカルボニル基あるいは
    アシルアミノ基を示し、また、これらR1〜R10は互いに
    結合して置換,無置換の飽和5員環あるいは置換,無置
    換の飽和6員環を形成してもよい。nは2〜5の整数を
    示す。なお、複数のR4〜R6はそれぞれ同じでも異なって
    もよい。但し、式(I)において、R1〜R9のすべてが水
    素原子を示し、かつnが3を示す場合を除く。〕 で表わされる化合物を発光材料として用いたことを特徴
    とする有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】請求項1の化合物からなる発光材料を、少
    なくとも一方が透明または半透明の二つの電極間に挟持
    したことを特徴とする有機薄膜エレクトロルミネッセン
    ス素子。
  3. 【請求項3】請求項1の化合物からなる発光材料層と正
    孔注入層を積層したものを、少なくとも一方が透明また
    は半透明の二つの電極間に挟持したことを特徴とする有
    機薄膜エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】陰極,一般式(I) 又は一般式(II) 〔式中、R1〜R10はそれぞれ水素原子,炭素数1〜6の
    アルキル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,水酸基,ス
    ルホン酸基,カルボニル基,カルボキシル基,アミノ
    基,ジメチルアミノ基,シアノ基,ハロゲン原子,アシ
    ルオキシ基,アシル基,アルコキシカルボニル基,アリ
    ールオキシカルボニル基,アミノカルボニル基あるいは
    アシルアミノ基を示し、また、これらR1〜R10は互いに
    結合して置換,無置換の飽和5員環あるいは置換,無置
    換の飽和6員環を形成してもよい。nは2〜5の整数を
    示す。なお、複数のR4〜R6はそれぞれ同じでも異なって
    もよい。但し、式(I)において、R1〜R9のすべてが水
    素原子を示し、かつnが3を示す場合を除く。〕 で表わされる化合物,芳香族第三級アミン化合物,陽極
    及び基板を順次積層してなる有機薄膜エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
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