JP2788264B2 - 酵素の定量法およびそれに用いる装置 - Google Patents

酵素の定量法およびそれに用いる装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、一般に反応生成物を生成する酵素触媒反応
を利用した、試料中の酵素分析対象物の定量方法および
該方法に用いる装置に関する。さらに詳しくは、本発明
は、酵素分析対象物がクロマトグラフ媒体上の反応部位
に固定化され、該分析対象物酵素触媒反応の基質および
補助因子ならびに該反応の反応生成物がクロマトグラフ
溶媒移動により該部位へ、または該部位から移動する、
酵素の定量方法に関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) 試料中の酵素分析対象物を検出する方法として技術分
野で知られたものには、一般に、分析しようとする試料
を、その反応が該酵素分析対象物により触媒される基質
および補助因子の混合物と接触させることが含まれる。
試料中に存在する酵素分析対象物の決定は、酵素分析対
象物により触媒された反応の結果としての反応生成物の
生成速度または反応物(基質または補助因子)の消失速
度を観察することにより行うことができる。酵素の存在
を示すために反応生成物の生成速度を利用する場合に
は、生成物は視覚によりまたは分光光度計により決定す
ることができる。別法として、反応生成物が視覚または
分光光度計により容易に検出できない場合には、さらに
引き続き1またはそれ以上の反応に供し、容易に検出可
能な反応生成物を生成させることにより検出することが
できる。そのような反応には、染料前駆体物質の活性化
がしばしば含まれる。酵素の存在を示すために反応物の
消失速度を利用する場合には、反応物は視覚または分光
光度計により検出可能でなければならない。一般に利用
される反応物は補助因子のニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド(NADH)であり、これは分光光度計で(340n
mにおいて)または蛍光測定法により(410nmにおいて)
検出することができる。この補助因子は多くの酵素触媒
反応においてNAD+に酸化されるが、NAD+は特徴的な分光
学的または蛍光的シグナルを放出しない。従って、多く
の酵素分析対象物触媒反応はNADHの消失を追跡すること
により追跡される。
たとえばアラニンアミノトランスフェラーゼ(以下AL
Tという)酵素を検出するための方法が知られている。
この酵素の血中レベルの上昇は肝炎と関連している。本
発明と関連するものとしては、マレー(Murray)のMeth
ods in Clinical Chemistry、1062〜1065頁、ペス(Pes
ce)&ワプラン(Waplan)編、モスビー・パブリッシン
グ(Mosby Publishing Co.,)、セントルイス、MO(198
7)の開示が挙げられる。ALTはL−アラニンのα−ケト
グルタール酸とのアミノ基転位反応を触媒してピルビン
酸とL−グルタミン酸を生成する。ALTを検出するため
に広く用いられている手順の一つによれば、血清をL−
アラニンおよびα−ケトグルタール酸とともにインキュ
ベートし、一定の測定された長さの時間の後に反応を停
止させ、新しく生成したピルビン酸をジニトロフェニル
ヒドラジン(DNPH)と反応させて対応するヒドラゾンを
得る。ついで反応混合物をアルカリ化して、ヒドラゾン
のアニオン形により青色を生じさせる。比色分析手順
は、ピルビン酸によりALTがフィードバック阻害される
結果として一次性が制限されるという欠点を有する。他
の手順によれば、NADHが乳酸デヒドロゲナーゼとともに
反応媒体中に入れられる。乳酸デヒドロゲナーゼはピル
ビン酸の乳酸への変換を触媒し、それと同時に還元型NA
DHが酸化NAD+に酸化される。NADHの消失は、分光光度計
によりまたは蛍光的に追跡する。
同様の方法が、アスパラギン酸アミノトランスフェラ
ーゼ(以下、ASTという)酵素の検出についても知られ
ている。ASTの血中レベルの上昇は、急性心筋梗塞、急
性膵炎、ウイルス肝炎、毒性肝炎および急性(肝)硬変
と関連している。ASTは、アスパラギン酸およびα−ケ
トグルタール酸のオキザロ酢酸およびグルタミン酸への
アミノ基転位反応を触媒する。この酵素を検出するため
の方法には、試験しようとする試料をアスパラギン酸、
α−ケトグルタール酸および2,4−ジニトロフェニルヒ
ドラジンを含有する溶液とともにインキュベートし、オ
キザロ酢酸のAST触媒反応生成が2,4−ジニトロフェニル
ヒドラゾン誘導体(520nmで光を吸収する)の生成と共
役するようにすることが含まれる。従って、試料流体中
に存在するASTは色シグナルにより示すことができ、こ
の色シグナルは分光光度計で測定するかまたは色チャー
トと比較することができるのでASTの存在を半定量的に
示すことが可能となる。2,4−ジニトロフェニルヒドラ
ゾン染料前駆体の代わりにアゾツェン(azozene)染料
を用いた同様の手順が知られており、該アゾツェン染料
はオキザロ酢酸と反応することができる。ASTのさらに
他の検出方法も知られており、その方法には、NADHおよ
びNAD+とともにリンゴ酸デヒドロゲナーゼを利用した反
応において、オキザロ酢酸のリンゴ酸への変換が含まれ
ている。そのような分析的反応は試験管やマイクロタイ
ターウエルのような反応容器中で行うこともできるが、
吸収浸漬ストリップ上で行うこともできる。
本発明に関連するものとしてフォージオン(Forgion
e)の米国特許第3,875,014号明細書の開示があり、これ
には上記反応に従ってアスパラギン酸、α−ケトグルタ
ール酸およびジアゾニウム塩を利用した血清中のAST濃
度の決定のための試験インジケーターが開示されてい
る。このインジケーターは一対の多孔質ストリップから
なり、各ストリップはオキザロ酢酸に対して選択透過性
の接着剤により互いに接着されている。第一のストリッ
プは基質のL−アスパラギン酸およびα−ケトグルター
ル酸を含んでおり、第二のストリップは乾燥ジアゾニウ
ム塩を含んでいる。インジケーターを血清と接触させる
と、もし血清がASTを含んでいるならば基質の反応が触
媒されてオキザロ酢酸が生成することになる。こうして
生成したオキザロ酢酸は第二のストリップの方へ拡散し
ていき、ジアゾニウム塩との色反応を活性化する。
酵素分析対象物の定量検出のための種々のアッセイ法
は、しかしながら、酵素触媒反応の反応動力学的性質に
より正確さが制限される傾向にある。一般にそのような
アッセイでは、未知の量の酵素を含有する試料を該酵素
に対する基質と接触させ、所定期間にわたる反応で生成
した生成物の量を決定する。反応生成物の量は反応の平
均速度を示すものであり、また反応の平均速度はそれ自
身試料中の酵素の量と関係付けられる。しかし、存在す
る酵素の量を決定するのに反応の平均速度を利用するこ
とは、典型的な反応条件下ではそのような反応は一般に
一定の反応速度を示さないという事実により制限される
ことになる。一定容積の基質/補助因子溶液中で行なわ
れる酵素触媒反応は数多くの始動(startup)および濃
度の影響を受け、これらは反応速度に影響する。一般に
酵素触媒反応は、「定常状態」に達するまでの低い始動
速度で特徴付けられる。反応が進行し酵素基質/補助因
子グループの1種が消費されその濃度が減少するにつれ
て、反応速度は低下するであろう。反応速度はまた、反
応生成物が蓄積することによるフィードバック阻害の結
果としても低下するであろう。分析対象物酵素触媒反応
が反応条件の変化によって、または阻害剤の添加によっ
て停止する場合には、反応の停止は全く即時には行なわ
れないので、このことがまた平均反応動力学の決定に不
確かさをもたらす。従って、分析対象物酵素触媒反応の
真の定常状態反応動力学は、限られた期間での評価によ
り示された平均反応速度とは有為に異なるものである。
それゆえ平均反応速度の決定に基づく酵素濃度の決定
は、定常状態反応動力学が平均反応速度と異なる程度に
不正確になるであろう。従って、一定の反応の定常状態
における反応動力学、好ましくは任意の時間での即時反
応動力学を評価し得るアッセイ法を提供することが望ま
れている。
(課題を解決するための手段) 本発明は、調節量の基質/補助因子グループの分析対
象物酵素触媒反応の速度を決定することによる、試料中
に存在する酵素分析対象物の定量方法に関する。さらに
詳しくは、酵素分析対象物の存在は基質/補助因子グル
ープの1種の触媒反応により決定され、本発明の方法
は、 (a)分析しようとする一定量の試料中に存在する酵素
分析対象物をクロマトグラフ媒体上の反応部位に固定化
し、 (b)基質/補助因子グループの1種を含有する溶液に
該クロマトグラフ媒体を接触させ、その際、少なくとも
1種の反応生成物を生じさせるための該基質/補助因子
グループの1種の反応は、存在する酵素の量に関連した
速度で該酵素分析対象物により触媒され、 (c)該溶液を該反応部位に移動させ、該酵素の存在下
で該基質/補助因子グループの1種を反応させて該反応
生成物を生成させ、 (d)該溶液および該反応生成物を該反応部位から該反
応部位の下流に位置する検出領域に移動させ、ついで、 (e)(i)基質/補助因子グループの1種の消失速度
かまたは(ii)該反応生成物の生成速度を測定すること
を特徴とする。
反応生成物の生成速度は、該反応生成物をさらに1ま
たはそれ以上の反応に供し、(i)該1またはそれ以上
の反応における反応物の消失速度かまたは(ii)該1ま
たはそれ以上の反応における生成物の生成速度を測定す
ることにより決定する。
反応物の消失速度または生成物の生成速度は、検出領
域中の選択された部位での反応物または生成物の濃度を
測定することにより決定することができる。本発明の方
法は、定常状態および非定常状態の両方の酵素反応動力
学を決定するのに用いることができる。本発明はさら
に、本発明の方法を行うためのキットをも提供する。
(発明の構成および効果) 本発明は、試料中に存在する酵素を定量するための新
規な方法を提供するものであり、その場合、酵素の存在
は基質/補助因子グループの1種の酵素触媒反応により
決定される。本発明の方法は、限られた期間における分
析対象物酵素の平均速度を測定することにより酵素分析
対象物の濃度を決定する従来のアッセイ法の制限を除く
ものである。本発明はまた、意味のある結果を得るため
にアッセイ試薬とともに試料をインキュベートする時間
を計らなければならなかった従来のアッセイ法の制限を
除くものである。分析対象物含有試料を一定容量の基質
/補助因子含有溶液と接触させ、反応物および生成物の
濃度を酵素触媒反応の経時的に変化させる代わりに、本
発明では試料溶液中の存在する酵素を反応部位に固定化
し、新鮮な基質/補助因子含有溶液を該反応部位に連続
的に送り込む。さらに、反応生成物および未反応の基質
/補助因子物質を含有する溶液は該反応部位からクロマ
トグラフ媒体に沿って移動させ、反応生成物および反応
物が該反応部位において本質的に一定のままであるよう
にする。未反応の基質/補助因子グループおよび反応の
反応生成物を含有する溶液の移動は、結合させた酵素の
量、酵素の位置の幾何図形的配列および溶液の流速によ
り決定されるように、クロマトグラフの長さのどの位置
に存在する反応生成物および/または基質/補助因子グ
ループの1種の濃度も特定の時間おける反応速度を示し
得るようなものにする。
本発明の実施形態に従って、クロマトグラフ媒体が好
ましくはストリップの形態で提供される。分析しようと
する一定量の試料をクロマトグラフ媒体と反応部位で接
触させると試料中に存在する酵素は該部位に固定化され
る。ついでクロマトグラフ媒体を、基質/補助因子グル
ープの1種を含む特定の反応システムに対して選択され
たpHおよびイオン状態を有するクロマトグラフ的に可動
の溶液と接触させる。上記反応システムの基質/補助因
子グループの1種は、分析対象物酵素により触媒された
反応において消費され反応生成物を生成する。基質/補
助因子グループの1種を含有する溶液は、クロマトグラ
フ媒体上を反応部位まで移動していき、そこで酵素基質
および補助因子は分析対象物酵素により触媒された反応
中で消費され、1またはそれ以上の反応生成物を生成す
る。ついでこれらの反応生成物は、反応部位に移動した
一定量の流体中に存在する基質/補助因子グループの未
反応成分とともに、移動が停止するまで該反応部位から
クロマトグラフ媒体に沿って検出領域を通って移動す
る。そのような移動は、溶媒がクロマトグラフ媒体の第
一の末端から除かれるか、または物質がクロマトグラフ
媒体の第二の末端に達したときなどのようにクロマトグ
ラフ媒体が飽和したときに停止する。
反応部位への未反応溶液および反応部位からの反応溶
液の流れが一定であるため、基質、補助因子および反応
生成物の濃度は該反応部位において実質的に一定であ
る。酵素基質および補助因子の濃度が変化することによ
る動力学的影響が回避されるように、分析対象物酵素触
媒反応のフィードバック阻害も回避されるであろう。始
動効果の結果として初期の速度を除いては、反応部位に
おける酵素触媒反応の速度は一般に実質的に一定である
であろう。基質/補助因子過剰の適当な条件下では、定
常状態における反応速度は分析対象物酵素の濃度と直接
関係付けられるであろう。反応部位から流れ出る溶液中
の基質、補助因子および反応生成物の濃度は、該反応部
位における酵素触媒反応の反応速度と直接関係付けられ
るであろう。従って、反応部位の下流のクロマトグラフ
行路に沿った反応生成物、酵素基質および補助因子の濃
度は、ある期間にわたる該反応部位での酵素触媒反応の
反応速度の経時的な記録を提供することになる。従っ
て、本発明は酵素の未知濃度を決定するのに有用である
ばかりでなく、より一般的に酵素の動力学を研究するの
にも有用である。
従って、検出領域に沿った反応生成物、酵素基質およ
補助因子よりなる群から選ばれた1種の濃度を決定する
ことは、調節された反応条件下で試料中に存在する酵素
分析対象物の濃度を示すことになるであろう。一般に、
検出領域の全領域、または反応生成物および基質/補助
因子グループの1種の濃度が非定常状態反応の動力学を
示す第二の末端に近い小領域を除く検出領域の全領域に
沿った部位を、基質および補助因子の定常状態反応の間
に生成された生成物および消費された反応物の濃度を決
定する分析のために選択する。にもかかわらず、始動や
反応系の他の異常な反応動力学を、そのような反応動力
学に対応する検出領域に沿った部位に存在する生成物の
量を測定することにより分析することもできる。
分析対象物酵素触媒反応の反応生成物が視覚または分
光測光では容易に検出できない場合がしばしばある。そ
のような場合には、さらに1またはそれ以上の反応を分
析対象物酵素触媒反応のあとに行って、視覚または分光
測光により容易に検出可能な反応生成物または反応物を
生成または消費することが望ましい。基質/補助因子含
有溶液中にさらに別の試薬を用いることもできる。その
ような試薬は、追加した反応において分析対象物酵素触
媒反応の反応生成物と反応して検出可能な反応物を消費
するかまたは検出可能な反応生成物を生成する。追加し
た反応は、第一の反応の1またはそれ以上の反応生成物
が第二の反応における反応物であるという点で連続的な
ものである。一般に、一対の追加反応を行うための反応
溶液は、第一の反応の反応生成物を除いて第二の反応の
ためのすべての反応物を含んでいる。従って、第一の反
応を触媒する分析対象物酵素が存在しないときは、第二
の反応によって反応物が消費されることも反応生成物が
生成することもないであろう。追加反応は、基質/補助
因子含有溶液中に存在する反応物が、反応部位に存在す
る上記条件下での分析対象物酵素触媒反応の1またはそ
れ以上の反応生成物と容易に反応を完了することができ
るようなものであるのが好ましい。さらに、追加した第
二の反応の反応速度は速度制限的なものでないのが好ま
しい。
追加した反応が分析対象物酵素触媒反応の反応生成物
の存在下で自然に進行する場合には、第二の反応は反応
部位または反応部位のわずかに下流で起こり得るし起こ
るであろう。従って、この反応で生成された検出可能な
反応生成物、またはこの反応で消費された検出可能な反
応物の濃度は、反応部位の下流域で測定することができ
る。
しかしながら、追加した反応が分析対象物酵素触媒反
応の反応生成物の存在下で自然に進行しない場合があ
る。そのような場合には、追加の反応が完了まで進行す
るように反応を触媒する必要がある。そのような追加の
反応システムを利用するために、本発明は、分析対象物
酵素を固定化した第一の反応部位に位置するか、好まし
くはその下流に位置する第二の反応部位に酵素または他
の触媒を固定化したアッセイ装置を提供する。本発明の
一実施態様に従って、基質/補助因子の1種および追加
反応の反応物を含有する溶液は第一の反応部位に移動
し、そこで分析対象物酵素は基質/補助因子の1種の反
応を触媒して1またはそれ以上の反応生成物を生成す
る。これらの反応生成物は、未反応の基質/補助因子グ
ループの1種および追加反応の反応物とともに、第一の
反応部位かまたは第一の反応部位の下流に位置する第二
の反応部位で追加反応のための触媒と接触する。ついで
触媒は分析対象物酵素触媒反応の反応生成物の反応を触
媒し、その反応において視覚または分光測光的に検出可
能な反応物が消費されるかまたは同様に検出可能な反応
生成物が生成される。反応条件ならびに反応物の量およ
び同定は、分析対象物酵素触媒反応の反応生成物が完全
に消費されるように選択する。
分析対象物酵素触媒反応の反応生成物の反応が定量的
で完全なものであるときは、その第一の反応生成物の
量、従って分析対象物酵素の濃度は、第二の反応部位の
下流に移動した検出可能な反応物または反応生成物の量
により決定することができる。追加反応の反応速度は分
析対象物酵素触媒反応の反応速度に対応するので、分析
対象物酵素触媒反応の動力学、従って分析対象物酵素の
濃度は追加反応を観察することによって決定することが
できる。
単一反応部位装置 第1a図、第1b図および第1c図には、試料中に存在する
酵素の定量のための単一反応部位試験装置10を示してあ
る。本装置は、不活性な支持ストリップ12に付着させた
一定の長さのクロマトグラフ媒体11からなる。クロマト
グラフ媒体11は、クロマトグラフ移動が開始される第一
の末端13およびクロマトグラフ移動が終了する第二の末
端14を有している。クロマトグラフ媒体11は、クロマト
グラフ物質の第一の末端13の方へ配列した反応部位15お
よび該反応部位15とクロマトグラフ物質の第二の末端14
との間に配列させた検出領域16を含んでいる。この図お
よび他の図において注意すべきは、第二の末端14の近く
にある破線は、この図形と反応部位15とのあいだに広範
な距離が存在し、このことによって基質/補助因子物質
および反応生成物のクロマトグラフ移動が反応部位15の
はるか遠方にまで達するようにしていることを示してい
ることである。
第1a図、第1b図および第1c図の装置10を使用する手順
に従って、酵素の存在について分析しようとする物質の
液体試料を反応部位15に加える。ついて装置10の第一の
末端13を、その反応が該分析対象物酵素により触媒され
る基質/補助因子グループの1種からなる溶液18を含む
容器17中の内容物と接触させる。ついで基質/補助因子
含有溶液はクロマトグラフ媒体11の長さ方向を反応部位
15まで進行してゆき、そこで分析対象物酵素は基質/補
助因子グループの1種の反応を触媒する働きをして1ま
たはそれ以上の反応生成物を生成する。基質/補助因子
グループの未反応成分および分析対象物酵素触媒反応の
反応生成物からなる溶液は、反応部位からクロマトグラ
フ媒体の第二の末端14の方へ向かって検出領域16の方へ
および検出領域14を通って移動する。反応生成物および
基質/補助因子グループの1種を含む溶液のクロマトグ
ラフ移動は、溶液のフロントが第二の末端14に達するか
またはその量の溶液が使い果たされるまで続く。ついで
検出領域を評価して、(i)基質/補助因子グループお
よび(ii)反応生成物よりなる群から選ばれた1種の濃
度を検出する。
第2a〜2d図は、第1a図に示した装置の正平面図であ
る。第2a図は、反応部位15にある量の分析対象物含有試
料を含浸させた装置10を示している。装置は基質/補助
因子グループの1種を含有する溶液18と接触しており、
溶液はクロマトグラフ媒体11の第一の末端13から移動を
しつつあり、溶媒のフロント19は第一の末端13と反応部
位15との間にある。第2b図では、溶媒のフロント19は反
応部位15を通りすぎており、反応部位15の下流には基質
/補助因子グループの1種の分析対象物酵素触媒反応の
始動相のあいだに生成した検出可能な反応生成物が多量
に含まれている。第2c図では、溶媒のフロント19はさら
にクロマトグラフストリップの第二の末端14の方へ進行
している。同時に反応部位15で起こっている分析対象物
酵素触媒反応は始動相を過ぎて、検出可能な反応生成物
が一層多量に生成することから示されるように定常状態
速度で進行している。反応の始動の動力学から定常状態
の動力学への移行は徐々に行なわれ特定の時間に行なわ
れるように正確に設計できるものではないが、そのよう
な始動の動力学と定常状態の動力学とのあいだの境界は
定常状態反応のフロント20で示される。第2d図において
は、溶媒フロント19はクロマトグラフ媒体の第二の末端
14に達しており、クロマトグラフ移動は終わっている。
この時点で定常状態反応フロント20は検出領域16を通過
して検出領域16の向こう側へ移動しており、分析対象物
触媒反応の定常状態速度、従って存在する分析対象物酵
素の量は存在する反応生成物の濃度を測定することによ
り評価することができる。
2反応部位装置 第3a図および第3b図には、試料中の分析対象物酵素の
濃度を測定するための2反応部位試験装置30が示してあ
る。該装置は、不活性な固体支持体32に付着させたクロ
マトグラフ媒体31からなる。クロマトグラフ媒体31は、
クロマトグラフ移動が開始される第一の末端33およびク
ロマトグラフ移動が終了する第二の末端34を有してい
る。クロマトグラフ媒体は、第一の反応を触媒すること
のできる分析対象物酵素を含有する試料物質を接触させ
乾燥させる第一の反応部位35、および第二の反応におい
て分析対象物酵素触媒反応の生成物の1種またはそれ以
上の反応を触媒する酵素が固定化されている第二の末端
36からなる。クロマトグラフ媒体31はさらに検出領域37
を含んでおり、ここで反応物および第二の反応部位36で
生成した反応生成物よりなる群から選ばれた1種が検出
される。
第3a図および第3b図の装置30を使用する手順に従っ
て、酵素の存在について分析しようとする物質の液体試
料を反応部位35に加える、ついで装置30の第一の末端33
を、その反応が該分析対象物酵素により触媒される基質
/補助因子グループの1種からなりまた分析対象物酵素
触媒反応の反応生成物との反応のための試薬をも含有す
る溶液39を含む容器38中の内容物と接触させる。ついで
基質/補助因子含有溶液はクロマトグラフ媒体31の長さ
方向を第一の反応部位35まで進行してゆき、そこで分析
対象物酵素は基質/補助因子グループの1種の反応を触
媒する働きをして1またはそれ以上の反応生成物を生成
する。基質/補助因子グループの未消費成分、分析対象
物酵素触媒反応の反応生成物および分析対象物酵素触媒
反応の反応生成物との反応のための試薬を含む溶液は、
第一の反応部位から第二の反応部位36へ移動していく。
ついで第二の反応部位36に固定化された触媒は、分析対
象物酵素触媒反応の第一の反応生成物の反応を触媒し、
1またはそれ以上の反応生成物を生成する。第二の反応
生成物は、基質/補助因子グループの未反応成分および
分析対象物酵素触媒反応の反応生成物との反応のための
試薬とともに、第二の反応部位36からクロマトグラフ媒
体31の第二の末端34に向かって検出領域37の方へおよび
検出領域37を通って移動する。溶液のクロマトグラフ移
動は、溶液のフロントが第二の末端34に達するかまたは
その量の基質/補助因子溶液が使い果たされるまで続
く。検出領域を評価して、(i)第二の反応の反応生成
物および(ii)第二の反応の反応生成物よりなる群から
選ばれた1種の量を検出する。
クロマトグラフ媒体 本発明に有用なクロマトグラフ媒体には、言葉の最も
厳格な意味に従って移動速度の差異の結果として物質の
分離に有用なクロマトグラフ媒体のみならず、一般に本
発明に用いる種々の試薬および反応生成物の溶媒移動に
有用な物質もまた含まれる。適当なクロマトグラフ媒体
には、毛管現象を有し、基質、補助因子および反応生成
物の溶媒移動を行うことのできる基体物質が含まれる。
本発明に用いるクロマトグラフ媒体はストリップの形態
であるのが好ましいが、当業者には明らかなように種々
の大きさおよび形に作ることができる。ペーパークロマ
トグラフィーに用いられる織繊維物質や不織繊維物質の
ような広範囲のクロマトグラフ媒体が本発明に用いるの
に適している。特に微多孔質または微顆粒薄層クロマト
グラフィー基体物質を使用することは本発明のアッセイ
のスピードと解析力を改善するので特に好ましい。他の
適当な媒体としては、逆相高速薄層クロマトグラフ媒体
や硫酸処理媒体などの化学的に修飾した物質が挙げられ
る。そのような物質では、それが望まれる場合に反応物
および反応生成物の分離能が向上している。微多孔質ニ
トロセルロース物質が特に好ましく、Type SSWP(ミリ
ポア・コーポレーション、ベッドフォード、マサチュー
セッツ)で示される孔径が3μmの微多孔質ニトロセル
ロース物質が最も好ましい。これらの物質は、好ましく
は不活性で、一般に基質、補助因子または反応生成物の
いずれとも反応してはならない。
装置のクロマトグラフ媒体は化学的に不活性であるこ
とが好ましいので、分析対象物または第二の反応の触媒
反応に用いる触媒を溶媒移動に対して固定化するのが望
ましい反応部位において活性化しなければならないかも
しれない。試薬を固定化させるためには、試薬の特定の
化学的性質に従って種々の方法が必要とされるであろ
う。一般に媒体がニトロセルロースまたは混成ニトロセ
ルロースエステルである場合には、酵素を固定化するの
に特別の化学的結合を必要としない。分析対象物酵素を
含有する試料をクロマトグラフ媒体に加え、室温で10〜
15分後に乾燥させてよい。試料中に存在する酵素は溶媒
移動に対して反応部位に固定化され、一般に酵素活性を
完全にまたは実質的に保持しているであろう。アッセイ
に一対の反応を利用し、そのうち第二の反応が触媒され
る場合には、第二の反応のために触媒を第二の反応部位
に固定化することが必要である。第二の反応の触媒を酵
素とし、分析対象物酵素が第一の反応部位に固定化する
のと同じ手順で触媒を該部位に固定化するようにするの
が好ましい。
酵素 本発明は、一般に酵素の定量検出に利用することがで
きる。本発明のアッセイにより分析するのに特に適して
いると思われる酵素としては、アラニンアミノトランス
フェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフ
ェラーゼ(AST)、乳酸脱水素酵素(LDH)、酸ホスファ
ターゼ、アルドラーゼ、アルカリホスファターゼ、α−
ナフチル酪酸エステラーゼ、α−1トリプシン、アミラ
ーゼ、アンギオテンシン変換酵素、セルロプラスミン、
クロロ酢酸エステラーゼ、クレアチンキナーゼ、コリン
エステラーゼ、ガラクトース−1−リン酸ウリジルトラ
ンスフェラーゼ、γグルタミルトランスフェラーゼ、ヘ
モグロビン(オキシダーゼとして)、リパーゼ、リゾチ
ーム、2′,5′−アデニレートホスホジエステラーゼ、
2′,5′−アデニレートシンテターゼ、5′ヌクレオチ
ダーゼ、レニン、トリプシンおよび他の多くの酵素が挙
げられる。本発明によりアッセイすることができる酵素
は、選択した酵素が適当なクロマトグラフ媒体上に固定
化することができないか、またはそのようにして結合さ
せたときに実質的にすべての酵素活性を失うような範囲
で制限されるだけである。ある酵素が第一の反応部位に
固定化されたときに活性の幾らかを失うということは本
発明の有用性を損なうものではない。なぜなら、そのよ
うな失活は充分当業者の能力の範囲内でアッセイの結果
を評価するときに説明することができるからである。本
発明の方法に従って分析することができる酵素含有試料
としては、種々の生物学的物質が挙げられ、血液、血
清、血漿、尿、だ液、大便、涙、のどの綿棒で集めた標
本、傷浸出液、汗、細胞、細胞溶解液、細胞上澄み液、
細菌および細菌培地などが含まれるがこれらに限られる
ものではない。
基質/補助因子系 分析対象物酵素により反応を受けることができる本発
明に用いるのに適した試薬の基質/補助因子グループの
1種は、分析しようとする酵素の特定の性質に応じて選
択する。そのような反応系は一般に技術分野で知られて
おり、本発明の方法に従って容易に応用することができ
る。一般に、従来の試験管またはストリップ浸漬法に従
って有用な単一および2酵素反応系は、本発明に従って
利用することができる。適当な系には、酵素触媒反応の
基質またはそのような反応の補助因子が反応して染料の
ような視覚または分光光学的に検出可能な反応生成物を
生成するような系が含まれる。別の方法としては、酵素
基質または分析対象物酵素触媒反応の補助因子それ自体
が視覚または分光光学的に検出可能(補助因子NADHのよ
うに)であるが、酵素触媒反応の進行につれて消費され
るようなものであってよい。
本発明の別の態様に従って、酵素触媒反応の試薬の基
質/補助因子グループの1種もその反応の反応生成物も
視覚または分光光学的に容易に検出可能でない場合に、
分析対象物酵素触媒反応を第二の反応と組み合わせ、こ
の第二の反応において容易に検出可能な反応物が消費さ
れるかまたはそのような反応生成物を生成するようにす
る。リットマン(Litman)らの米国特許第4,533,629号
明細書(1985年8月6日発行)には、多くの組合わせ酵
素反応系を利用して酵素標識イムノアッセイにおいてシ
グナルを生成することが開示されている。そのような組
合わせ反応系では、しばしば加水分解または酸化還元反
応を利用して染料前駆体を活性化することを行う。幾つ
かの方法に従えば、基質を酸化して過酸化水素を生成
し、ついで過酸化水素が染料前駆体と反応して検出可能
な染料を活性化する。基質/補助因子グループ含有溶液
には、安定化剤、インヒビターなどの他の試薬を加えて
もよい。分析対象物酵素触媒反応を第二の反応と組合わ
せる場合には、基質/補助因子グループ含有溶液はまた
分析対象物酵素触媒反応の反応生成物との反応のための
試薬をも含んでいてよい。そのような試薬はそれ自体が
検出可能であり、組合わせた第二の反応において消費す
ることができるかまたは分析対象物酵素触媒反応の反応
生成物と反応して検出可能な反応生成物を生成すること
ができる。
実施例1 本実施例においては、乳酸脱水素酵素(LDH)の定量
のための装置を製造し、これを本発明の方法に従って用
いた。厚さが約0.15mmで孔径が3μmの微多孔質ニトロ
セルロース物質(ミリポアSSWP)を、フィルム乾燥装置
中60〜65℃でミラール・アンド・アドヒーシブ(Mrlar
and adhesive)[モノコート(Monokote)、トップ
・フライト・モデルズ(Top Flite Models,Inc.,シカ
ゴ、IL)]にラミネートした。膜および支持体は幅0.3c
m、長さ8.5cmのストリップにカッティングした。
上記のごとく構成した装置の使用方法に従って、ウシ
血清アルブミン(0.8mg/ml)を含む溶液中のLDH(シグ
マ・ケミカル社、セントルイス、MO)の種々の希釈液を
調製した。LDH溶液2μを含むアリコートを、クロマ
トグラフストリップの第一の末端から1cmにある反応部
位に含浸させた。ついでストリップの第一の末端を、リ
ン酸バッファー(0.1mM、pH7.8)、ピルビン酸、還元β
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)(0.22
mM)およびピルビン酸ナトリウム(1mM)を含む溶液中
に浸した。流動バッファーは、LDH試料を固定化してあ
る反応部位に達するまでストリップに沿ってクロマトグ
ラフ的に移動した。反応部位においてLDHは、ピルビン
酸とNADHおよびプロトンとの反応を触媒して乳酸および
酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)
を生成した。これらの反応生成物は溶液の他の成分とと
もに、溶液がストリップの末端に達して溶媒移動が停止
するまで、反応部位から下流の方へクロマトグラフスト
リップに沿ってクロマトグラフ的に移動した。その結果
は、紫外線(375nm)ランプの下で観察したところ、反
応部位の下流において蛍光の消失として視覚的に観察さ
れた。
実施例2 本実施例においては、ALT酵素の定量のための2反応
部位装置を製造し、これを本発明の方法に従って用い
た。厚さが約0.15mmで孔径が3μmの微多孔質ニトロセ
ルロース物質(ミリポアSSWP)を、フィルム乾燥装置中
60〜65℃でミラール・アンド・アデヒーシブ[モノコー
ト、トップ・フライト・モデルズ(シカゴ、IL)]にラ
ミネートした。膜および支持体は幅0.3cm、長さ8.5cmの
ストリップにカッティングした。各ストリップの第一の
末端から2cmのところにある第二の反応部位には、乳酸
脱水素酵素(LDH)(シグマ・ケミカル社、セントルイ
ス、MO)のアリコート(2μ)を固定化させた。上記
のごとく構成した装置の使用方法に従って、ウシ血清ア
ルブミン(BSA)(0.8mg/ml)を含む溶液中のALTの種々
の希釈液を調製した。ついで臨床化学試薬(A試薬、ア
ボット・ラボラトリーズ、ノースシカゴ、IL)を用い、
溶液を酵素活性について分析した。LDH含浸部位と第一
の末端とのあいだに位置し第一の末端から1cmのところ
にある第一の反応部位にALT含有溶液(2μ)を含浸
させた。酵素試料を該反応部位で10〜15分間乾燥させ
た。
ストリップの第一の末端を、L−アラニン(500m
M)、還元βニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(N
ADH)(0.3mM)、αケトグルタール酸(15mM)、ピリド
キサル−5−リン酸(0.1mM)、トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン(100mM)、コハク酸(30.3mM)お
よびエチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)(2.26
mM)からなる溶媒の溶液中に浸した。溶媒は、ALT試料
を固定化してある第一の反応部位に達するまでストリッ
プに沿ってクロマトグラフ的に移動した。第一の反応部
位においてALTは、L−アラニンとαケトグルタール酸
との反応を触媒してピルビン酸およびL−グルタミン酸
を生成する。溶媒が進行するに従い、これらの反応生成
物は未反応の酵素基質および補助因子および流動バッフ
ァーの他の成分とともに、ALT試料が固定化してある第
一の反応部位からLDHが固定化してある第二の反応部位
へクロマトグラフ的に移動した。ピルビン酸および溶媒
の他の成分が第二の反応部位に固定化されたLDHと接触
すると、LDHは、ピルビン酸とNADHおよびプロトンとの
反応を触媒した乳酸および酸化型ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(NAD+)を生成した。ついで第二の反
応のこれらの反応生成物は、クロマトグラフ移動が停止
するまでクロマトグラフ媒体に沿って3〜4cm移動し
た。NADHのNAD+への酸化は、紫外線(375nm)ランプの
下での観察により、LDH反応部位の下流において蛍光の
消失として視覚的に追跡した。フロントの前方の流体は
蛍光を示さなかったが、始動の動力学に対応するフロン
トにおける流体は蛍光のピークを示し、これが一定のレ
ベル(定常状態の動力学に対応)に減少し、ついで第二
の反応部位に広がっていく。
蛍光は視覚により観察することもできるが、CAMAGス
キャナーII(CAMAG、ムッテンツ、スイス)のような薄
層クロマトグラフィースキャナーを用い分光光学的に観
察することもできる。スキャナーは365nmの励起波長を
用い、検出は420nm未満で遮断したフィルターを用い
る。
【図面の簡単な説明】
第1a図および第3a図は、本発明の試験装置の2つの異な
る態様の正平面図、 第1b図および第3b図は、それぞれ第1a図および第3a図に
示した本発明の試験装置の1b−1b線および3b−3b線での
横断面図、 第1c図は、一定量の基質/補助因子溶液と接触させた状
態の第1a図に示した本発明の試験装置の横断面図、 第2a図〜第2d図は、本発明の方法を実施した場合の異な
る時点における第1a図に示した本発明の試験装置の正平
面図、 第4図は、本発明の装置において、アラニンアミノトラ
ンスフェラーゼの濃度とNADH補助因子の消費により引き
起こされた蛍光の減少との関係を示すグラフである。 (図面の主要符号) 11、31……クロマトグラフ媒体 15……反応部位 16、37……検出領域 19……溶媒フロント 35……第一の反応部位 36……第二の反応部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャヨド・イー・トンプソン アメリカ合衆国イリノイ 60048、リバ テイビル、プレズント・コート1616番 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/00 G01N 30/90 G01N 30/88 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素の存在の決定を基質/補助因子グルー
    プの1種の酵素触媒反応により行う試料中の酵素分析対
    象物の定量法であって、 (a)分析しようとする一定量の試料中に存在する酵素
    分析対象物をクロマトグラフ媒体上の反応部位に固定化
    し、 (b)基質/補助因子グループの1種を含有する溶液に
    該クロマトグラフ媒体を接触させ、その際、少なくとも
    1種の反応生成物を生じさせるための該基質/補助因子
    グループの1種の反応は、存在する酵素の量に関連した
    速度で該酵素分析対象物により触媒され、 (c)該溶液を該反応部位に移動させ、該酵素の存在下
    で該基質/補助因子グループの1種を反応させて該反応
    生成物を生成させ、 (d)該溶液および該反応生成物を該反応部位から該反
    応部位の下流に位置する検出領域に移動させ、ついで (e)(i)基質/補助因子グループの1種の消失速度
    かまたは(ii)該反応生成物の生成速度を測定すること
    により酵素触媒反応の速度を決定する ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】反応生成物の生成速度を、該反応生成物を
    さらに1またはそれ以上の反応に供し、(i)該1また
    はそれ以上の反応における反応物の消失速度かまたは
    (ii)該1またはそれ以上の反応における生成物の生成
    速度を測定することにより決定する特許請求の範囲第
    (1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】(i)基質/補助因子グループの1種、
    (ii)該第一の反応生成物、(iii)該1またはそれ以
    上の反応の少なくとも1つの反応における反応物、およ
    び(iv)該1またはそれ以上の反応の少なくとも1つの
    反応の反応生成物よりなる群から選ばれた1種の消失ま
    たは生成速度を、検出領域中の選択された部位で該1種
    の濃度を測定することにより決定する特許請求の範囲第
    (1)項または第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】検出領域中の選択された部位が、(i)基
    質/補助因子グループの1種、(ii)該第一の反応生成
    物、(iii)該1またはそれ以上の反応の少なくとも1
    つの反応における反応物、および(iv)該1またはそれ
    以上の反応の少なくとも1つの反応の反応生成物よりな
    る群から選ばれた1種を含み、該1種が酵素分析対象物
    の定常状態反応中に生成される特許請求の範囲第(3)
    項記載の方法。
  5. 【請求項5】1またはそれ以上の反応が、第二の反応部
    位に固定化された触媒により触媒される特許請求の範囲
    第(2)項記載の方法。
  6. 【請求項6】触媒が酵素である特許請求の範囲第(5)
    項記載の方法。
  7. 【請求項7】(i)基質/補助因子グループの1種、
    (ii)該第一の反応生成物、(iii)該1またはそれ以
    上の反応の少なくとも1つの反応における反応物、およ
    び(iv)該1またはそれ以上の反応の少なくとも1つの
    反応の反応生成物よりなる群から選ばれた1種の濃度
    が、視覚によりまたは分光光度計により決定される特許
    請求の範囲第(3)項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記濃度が視覚により決定される特許請求
    の範囲第(7)項記載の方法。
  9. 【請求項9】酵素の存在の決定を基質/補助因子グルー
    プの1種の酵素触媒反応により行う試料中の酵素分析対
    象物の定量法に使用するキットであって、 (a)該試料中に存在する酵素分析対象物が固定化され
    た反応部位を含むクロマトグラフ媒体、および (b)その反応が該酵素により触媒される基質/補助因
    子グループの1種を含む一定の量の溶液 からなることを特徴とするキット。
  10. 【請求項10】クロマトグラフ媒体が第二の反応部位を
    含み、該第二の反応部位には触媒が固定化され、該酵素
    分析対象物により触媒された反応の生成物を消費する第
    二の反応を触媒することができるものである特許請求の
    範囲第(9)項記載のキット。
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