JP2780192B2 - α−オレフィン系重合体用接着剤で積層された積層体を用いた成形法 - Google Patents

α−オレフィン系重合体用接着剤で積層された積層体を用いた成形法

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JP2780192B2 JP1175344A JP17534489A JP2780192B2 JP 2780192 B2 JP2780192 B2 JP 2780192B2 JP 1175344 A JP1175344 A JP 1175344A JP 17534489 A JP17534489 A JP 17534489A JP 2780192 B2 JP2780192 B2 JP 2780192B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリオレフィンを相互に接着するのに適し
た塩素化ポリオレフィン接着剤により、ポリオレフィン
層、接着剤層、発泡ポリオレフィン層がこの順序で積層
された積層体を用いた成形方法に関する。
発明の技術的背景 近年ポリプロポレン(以下単に『PP』と記載すること
もある)が安価な汎用樹脂として大量に供給されるよう
になってきており、これに伴なって自動車の内装材とし
てもPPが使用され始めている。
一方PPは、結晶性が高い上に樹脂表面に極性基を有し
ていないため、接着することが難しいので、PP用接着剤
として、塩素化プロピレン・エチレン共重合体(例えば
特開昭48−4534号公報参照)、あるいは無水マレイン酸
等によりグラフト変性されてなるプロピレン・エチレン
共重合体(例えば特開昭55−48260号公報参照)等が提
案されている。
発明の目的 一方、本発明者は、自動車内装材用途を念頭に置い
て、真空成形法によりポリプロピレンシートとポリプロ
ピレン発泡体とを上記の接着剤を介して接着して積層体
を形成することを考えたが、得られる積層体は70〜80℃
程度の高温になると接着強度が低下するので、夏場に車
内温度が上昇した場合、接着面の剥離が予想され、実用
的でないことがわかった。そして、またシートと発泡体
とを接着する際には、予めポリプロピレンシートを加熱
して骨材としての発泡ポリプロピレンとの温度を近づけ
る必要があり、接着工程が煩雑化することが予想され
た。
しかしながら、本発明者は驚くべきことに以下に記載
する特定の接着剤を用いると、予めポリプロピレンシー
トを予熱しなくても真空成形によりポリプロピレンシー
トと発泡ポリプロピレンが実用的接着強度で接着した積
層体を得ることができること、そして高温雰囲気下でも
実用的接着強度を保持することを見出した。
すなわち本発明は、塩素化オレフィン系重合体を接着
成分とする接着剤を用いて未発泡ポリオレフィン層と発
泡ポリオレフィン層とが接着された積層体を用いて、成
形体を製造する方法を提供することにある。
発明の概要 本発明に係る成形方法は、未発泡のポリオレフィン
層、塩素化オレフィン系重合体からなる接着剤層および
発泡ポリオレフィン層がこの順序で積層された積層体を
用いた成形方法であって、 該塩素化オレフィン系重合体が、下記(a)、
(b)、(c)および(d)の特性: (a)プロピレン単位と炭素数4〜6のα−オレフィ
ン単位を含有してなり、 (b)上記プロピレン単位とα−オレフィン単位の合
計量を基準にして、プロピレン単位の含有率が60〜80モ
ル%であり、そして炭素数4〜6のα−オレフィン単位
の含有率が40〜20モル%であり、 (c)結晶化度が10〜50%の範囲にあり、そして (d)極限粘度[η]が0.8〜6.0dl/gの範囲にある、 を有するオレフィン系重合体を塩素化することによって
得られ、しかも (e)塩素含有率が5〜35重量%の範囲にある塩素化
オレフィン系重合体であり、 上記未発泡のポリオレフィン層を予め予熱することな
く該積層体を製造し、該積層体を真空成形法により金形
に圧着して賦形することを特徴としている。
発明の具体的説明 以下、α−オレフィン重合体用接着剤を用いた積層体
の成形方法について具体的に説明する。
本発明で使用されるオレフィン系重合体(以下オレフ
ィン重合体(A)という)は、上記(a)、(b)、
(c)および(d)の特性を有する。
オレフィン系重合体(A)は、プロピレン成分単位と
炭素数4〜6のα−オレフィン成分単位を含有してな
る。炭素数4〜6のα−オレフィンとしては、たとえば
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテンおよび1−ヘキセンなど
を挙げることができる。これらは1種または2種以上併
用することができる。
オレフィン系重合体(A)は、プロピレン成分単位と
炭素数4〜6のα−オレフィン成分単位の合計量を基準
にして、プロピレン成分単位60〜80モル%および炭素数
4〜6のα−オレフィン成分単位40〜20モル%を含有
し、好ましくは35〜25モル%の範囲である。
オレフィン系重合体(A)は、下記の示すようなその
他の重合性成分に由来する成分単位を含有していてもよ
い。
そのような重合性成分としては、たとえばブタジエン
およびイソプレンなどの共役ジエン; 1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペ
ンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−
ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボ
ルネンおよび2,5−ノルボルナジエンなどの非共役ジエ
ン; (メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、(メ
タ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、1−ウンデシレン酸および1−ウンデセノール無水
マレイン酸成分単位などの極性ビニル単量体; エチレン; スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンおよ
びインデンなどの芳香族系ビニル単量体等を挙げること
ができる。
これらのうち、たとえばアクリル酸、メタクリル酸ま
たは無水マレイン酸のような重合性不飽和化合物はグラ
フト共重合してもよい。
α−オレフィンの共重合成分として、前記の共役ジエ
ンまたは非共役ジエンを含有する場合、その含有量は好
ましくは3モル%以下、さらに好ましくは0.3モル%以
下である。
また、他の共重合成分として、上記極性ビニル単量
体、エチレンあるいは芳香族系ビニル単量体を使用する
場合には、その含有量は好ましくは20モル%以下、さら
に好ましくは10モル%以下である。
オレフィン重合体(A)として、具体的には、 プロピレン−ブテン共重合体、 プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、 プロピレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、 プロピレン・1−ブテン・1−ウンデシレン酸共重合
体、 プロピレン・4−メチル−1−ペンテン・1−ウンデ
シレン酸共重合体、 プロピレン・1−ブテン・1−ウンデセノール共重合
体、 プロピレン・4−メチル−1−ペンテン・1−ウンデ
セノール共重合体、 プロピレン・1−ブテン・スチレン共重合体、 プロピレン・3−メチル−1−ブテン・スチレン共重
合体、 プロピレン・4−メチル−1−ペンテン・スチレン共
重合体、 プロピレン・3−メチル−1−ペンテン・スチレン共
重合体などを例示することができる。これらの中では、
プロピレン・1−ブテン共重合体が好ましい。
これらのオレフィン系重合体(A)は、従来良く知ら
れた方法、たとえばバナジウム系触媒やマグネシウム、
チタン、ハロゲンなどを成分とするチタン系触媒を用い
て、上記プロピレンとα−オレフィン類とを共重合させ
ることにより得ることができる。
本発明で使用されるオレフィン系重合体(A)は、結
晶化度が10〜50%の範囲にある。結晶化度が10〜40%の
範囲にある結晶性ポリオレフィンが好ましく用いられ
る。
また、該オレフィン系重合体(A)は、その極限粘度
[η](デカリン中135℃で測定した値)が0.8〜6.0dl/
gである。極限粘度[η]は好ましくは1.0〜5.0dl/gの
範囲にある。
本発明で使用されるオレフィン系重合体(A)は、さ
らに、その分子量分布(Mw/Mn、GPC法により測定した
値)が通常1〜20、特には1〜15の範囲にあることが好
ましい。
本発明で使用される塩素化オレフィン系重合体は、上
記の如きオレフィン系重合体(A)を塩素化することに
よって得られるものであり、塩素含有率は5〜35重量%
の範囲にあり、好ましくは15〜35重量%の範囲にあり、
特に好ましくは18〜33重量%の範囲にある。
オレフィン系重合体(A)の塩素化物は、次の方法に
よって製造することができる。
第1の方法は、オレフィン系重合体(A)を粉砕して
細粒化し、この細粒を水性懸濁状態にして、約70〜90℃
の温度で分子状の塩素と接触させる方法、第2の方法
は、オレフィン系重合体(A)を四塩化炭素、テトラク
ロルエチレン、クロルベンゼンのような塩素に対して安
定な溶媒中に溶解し、均一な溶液状態として分子状塩素
と接触させる方法、第3の方法は、N−クロルアセトア
ミド、N−クロルサクシイミド、1,3−ジクロル−5,5−
ジメチルヒダントインのような塩素化合物をロールやバ
ンバリーミキサーなどでオレフィン系重合体(A)の中
に均一に練り込み、塩素が遊離する温度に加熱する方法
である。中でも水性懸濁状態または溶液状態での塩素化
がとくに好ましい。なお溶液状態でハロゲン化反応を行
う場合、ラジカル開始剤の存在下に実施するかまたは紫
外線や可視光線の照射下に実施すると、効率的に反応が
進行するので一層好適である。塩素化の程度は分子状塩
素その他の塩素化剤の使用量、反応時間、反応温度など
を適宜選択することにより調節することができる。
本発明で使用される塩素化オレフィン系重合体は、約
45%以下の結晶化度を有することが多く、10〜30%の結
晶化度を有するものが好ましく提供される。また、本発
明で使用される塩素化オレフィン系重合体は、塩素化す
る前の上記オレフィン系重合体(A)の極限粘度とほと
んど同じ値の極限粘度の値を有し、1.0〜5.0dl/gの極限
粘度を有するものが有利に提供される。
本発明で使用される接着剤は、上記塩素化オレフィン
系重合体を含有してなる。本発明で使用される接着剤
は、たとえば、上記の塩素化オレフィン系重合体のみか
らなることができ、また接着性能を損わない範囲で他の
ポリマー成分や、酸化防止剤、紫外線吸収剤、塩酸吸収
剤、脱塩酸防止剤、可塑剤、顔料、染料、充填剤、核
剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、難
燃剤、導電剤などの添加剤を加えて組成物を形成してい
ても差しつかえない。
塩素化オレフィン系重合体に混合され得る他のポリマ
ーとしては、たとえば前記したオレフィン系重合体
(A)の他、エチレン、α−オレフィン共重合ゴム、エ
チレン・α−オレフィン・ジエン共重合ゴム、ポリイソ
ブチレン、ブチルゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴ
ム、ニトリルゴム、シリコンゴムなどのゴム成分を例示
することができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−
クレゾール、o−tert−ブチル−p−クレゾール、テト
ラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β
−ナフチルアミンおよびp−フェニレンジアミンなどを
例示することができる。
紫外線吸収剤としては、2,4−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−(2′−ジヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert
−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチル
フェニル)−5−クロルベンゾトリアゾールおよびビス
(2,2′,6,6′)−テトラメチル−4−ピペリジン)セ
バケートなどを例示できる。
塩酸吸収剤および脱塩酸防止剤としては、エポキシ大
豆油、ステアリン酸を始めとする飽和および不飽和の高
級脂肪酸の金属塩、ジブチル錫マレエート、トリブロモ
フォスフェート、テトラソジウムピロフォスフェート、
4′−tert−ブチルフェニルサリシレート、ジ−ソジウ
ム−o−フォスフェート、アルカリ金属のピロフォスフ
ェート、o−フォスフェート、フォスファイトなどを例
示できる。
可塑剤としては、メチルフタリルエチルグリコレー
ト、エチルフタリルエチルグリコレート、9,10−エポキ
システアリン酸(2,3−エポキシ−2−エチルヘキシ
ル)、ジ−(α−フェニルエチル)エーテル、ジブチル
フタレート、ジオクチルフタレートのようなフタル酸の
アルキルエステル類、アジピン酸やセバシンのエステル
類を例示することができる。
上記のような接着剤は、溶剤を用いて希釈して使用す
ることもできるし、溶剤を用いずに、例えばフィルム状
にしてホットメルトタイプの接着剤として使用すること
もできる。
溶剤型接着剤は、塩素化反応の際に用いた溶媒をその
まま使用することもできるが、さらにアセトン等の貧溶
媒を加えて重合体を析出させ、析出した重合体を濾過
し、乾燥させた後、新たな溶媒に加えて溶解させること
により製造することができる。この場合に使用する溶剤
としては、例えば ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水
素; ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカン等の脂肪
族炭化水素; トリクロルエチレン、パークロロエチレン、ジクロロ
エタン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素; メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびブ
タノール等のアルコール; アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチ
ルケトン等のケトン類; 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよび酢
酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。これら
は単独で、あるいは組み合わせて使用することができ
る。
上記の接着剤は、未発泡のポリオレフィンと発泡ポリ
オレフィンとの接着に特に適している。
上記のような接着剤により接着されるポリオレフィン
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリ
4−メチルペンテン−1、1−テトラデセン等の炭素数
20〜20のα−オレフィンの単独重合体、 エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、オクテン、デセン、ドデセン等の炭素数2〜20
のα−オレフィンの内から選ばれる2種類以上のα−オ
レフィンを共重合させることにより得れるα−オレフィ
ン共重合体を挙げることができる。
このようなポリオレフィンは、ノルボルネン、シクロ
ドデセン、エチルノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン、トリシクロデセン等の環状オレフィンあるいはこれ
らの開環物等の他の単量体から誘導される成分単位を60
モル%以下の量であれば有していてもよい。
なお、本発明において、接着剤と被接着体との組合わ
せに特に制限はないが、接着剤と被接着体とが共通の成
分単位を有していることが好ましく、特に両者がプロピ
レン成分単位を有していることが好ましい。
被接着体である上記のようなポリオレフィンは、所望
の形態で使用することができるが、特に本発明において
は、一方がフィルム状、シート状あるいは板状の未発泡
ポリオレフィンであり、他方が発泡体状の形態のポリオ
レフィンを相互に良好に接着させることができる。殊に
上記の接着剤は、発泡させたポリオレフィンとポリオレ
フィンシートあるいはフィルムとを接着して成形体を製
造する際に特に有利に使用することができる。
本発明において、接着剤は、例えば次のようにして使
用するこどができる。
接着剤として、上記の塩素化オレフィンを溶剤に溶解
して使用する場合には、上記のような被接着体であるポ
リオレフィンの接着予定面の片面もしくは両面に接着剤
を塗布し、溶剤を除去した後、加熱圧着することにより
接着することができる。この場合の接着剤の塗布量を、
塩素化オレフィンの乾燥重量で0.5〜50g/m2の範囲にす
ることにより、良好な接着力を得ることができると共
に、被接着体であるポリオレフィンの優れた特性が損な
われることがない。接着剤の塗布方法に特に制限はな
く、例えばバーコーター等の公知の塗布装置を用いて行
うことができ、また、単にスプレー塗布することによっ
ても行うことができる。
本発明においては、上記のように塩素化ポリオレフィ
ンを溶剤に溶解して使用することもできるが、例えば塩
素化ポリオレフィンの薄フィルムを用いて被接着体を接
着することもできる。
すなわち、例えば、被接着体であるポリオレフィン
と、接着剤である塩素化ポリオレフィン薄フィルムと、
被接着体である発泡ポリオレフィンとをこの順序に積層
し、被接着体であるポリオレフィンを予め予熱すること
なく、加熱圧着することにより、被接着体を相互に接着
することができる。ここで使用される塩素化ポリオレフ
ィン薄フィルムとしては、厚さが10〜500μmの塩素化
ポリオレフィンを使用することが好ましい。このような
フィルムは公知の方法を利用して製造することができ
る。
本発明において、接着剤を用いた被接着体の加圧接着
は、接着温度を通常は40〜200℃、好ましくは50〜170
℃、圧力を通常は0.1〜10kg/cm2、好ましくは0.2〜5kg/
cm2の範囲内に設定して行われる。上記のような加圧お
よび加熱条件における接着時間は、通常は1〜60秒であ
る。
なお、上記のよう加熱圧着に先立って、被接着体であ
るポリオレフィン層を予備加熱することを要しない。例
えば、ポリオレフィン発泡体とポリオレフィンシートと
を接着する場合、ポリオレフィン発泡体を製造した直後
にポリオレフィンシートを接着するのが一般的であり、
この時点では、ポリオレフィン発泡体は充分には冷却さ
れていない。従って、このポリオレフィン発泡体に接着
されるポリオレフィンシートは、80℃程度に加熱したの
ち接着されるのが一般的であり、従来の方法においてこ
の予備加熱を怠ると、接着強度が著しく低下する。しか
しながら、上記接着剤を使用することにより、上記のよ
うな予備加熱を行わなくとも良好な接着力が発現する。
このようにして被接着体であるポリオレフィンを接着
することにより本発明の方法で使用される積層体を得る
ことができる。
本発明の成形方法で使用される積層体は、上記のよう
に塩素化ポリオレフィン層を接着剤層として接着された
未発泡ポリオレフィン層と発泡ポリオレフィン層とから
なる。
このような積層体における接着剤層の厚さは、通常1
〜500μm、好ましくは2〜100μmである。また被接着
体であるポリオレフィン層の厚さは、得られる積層体の
用途等に合わせて適宜設定することができるが、被接着
体として、ポリオレフィン発泡体を使用する場合には、
このポリオレフィン発泡体の厚さを通常は0.5〜500mm、
好ましくは1〜50mmにする。
本発明の方法で使用される積層体は、上記のような2
種3層の積層体の外、被接着体であるポリオレフィンの
種類、あるいは接着剤の種類を変えることにより、3種
3層、3種4層、4種4層、3種5層、4種5層、5種
5層、さらに6層以上の積層体とすることもできる。
このようにして得られた積層体は、真空成形法を利用
して、金型に圧着することにより所望の形状に賦形され
る。
本発明において、上記の積層体を用いた真空成形は、
例えば、厚さ0.05〜5mmの積層シートを、金形上にクラ
ンプ等を用いて張り、このシートを上方から50〜170℃
の範囲内の温度で加熱する。次いで、金形に設けられた
吸引ノズルから、金形とシートの間にある空気を抜き、
加熱されたシートを変形させて金形に密着させ、冷却す
る。
このようにして成形することにより、金形に対応した
形態を有する成形体を製造することができる。
このようにして賦形された成形体は、接着剤として塩
素化ポリオレフィンを使用しているため、高い接着強度
を有している。
発明の効果 本発明では、ポリオレフィンの接着に塩素化ポリオレ
フィンを使用して、従来接着性が悪いとされていたポリ
オレフィン発泡体とポリオレフィンフィルムあるいはシ
ートとを積層しており、この接着剤はポリオレフィン発
泡体とポリオレフィンフィルムとの積層体から真空成形
で成形体を製造するときの積層体として適している。し
かも、このような発泡体とフィルムとを接着させる際に
フィルムを予備加熱しなくとも実用上充分な接着強度を
有する。
次に実施例を示して本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明は、これら実施例によって限定的に解釈され
るべきではない。
実施例 積層体の製造例 積層体の製造例1 デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が2.0dl/g
のプロピレン・1−ブテン共重合体(共重合比=70/30
モル%、結晶化度25%、GPC法により測定したMw/Mn=5.
0)を常法に従って塩素化を行った。
得られた塩素化プロピレン・1−ブテン共重合体につ
いて、酸素燃焼法により分析した結果、塩素含有率は21
重量%であった。
この塩素化物を濃度が10重量%になるようにトルエン
に溶解し、塩素化ポリオレフィン溶液を得た。
この溶液を厚さ500μmのポリプロピレンシート(商
品名500T−T、東京セロ化学(株)製)の一方の面に
バーコーターを用いて、乾燥塗布量が5g/m2(乾燥厚さ
5μm)になるように塗布し、室温で風乾した。
上記のようにして調製した二枚のポリプロピレンシー
トを塩素化ポリオレフィン層が対面するように重合わ
せ、次いでヒートシールバーを用いて100℃、2kg/cm2
20秒間の条件でヒートシールして積層体を製造した。
得られた積層体について、引張り試験機を用いて、常
温下50mm/分間の引張り速度で180度剥離テストを行った
ところ、この積層体は、1.7kg/15mmの剥離強度を有して
いた。
積層体の比較製造例1 積層体の製造例1において、プロピレン/1−ブテン共
重合体の代わりにプロピレン/エチレン共重合体(商品
名:三井ノーブレンBJH、三井東圧化学工業(株)製)
を使用した以外は同様にして接着剤を製造し、次いで、
この接着剤を用いた以外は同様にして積層体を製造し
た。
得られた積層体の剥離強度は、常温下で0.1kg/15mmで
あった。
積層体の製造例2 積層体の製造例1で製造した塩素化ポリオレフィン溶
液を、厚さ500μmのポリプロピレンシートにスプレー
を用いて乾燥塗布量が15g/m2(乾燥厚さ14μm)になる
ように塗布し、室温で風乾した。
このシートを80℃、5分間の条件で予備加熱した。
別に、140℃、5分間の条件に予備加熱したポリプロ
ピレン発泡体(角板)上に上記の予備加熱したシートの
塩素化ポリオレフィン層が対面するように重合わせ、荷
重0.4kg/cm2、20秒間の条件で圧着して積層体を調製し
た。
得られた積層体について、引張り試験機を用いて80
℃、200mm/分間の引張り速度で180度剥離試験を行った
ところ、この積層体は、2.4kg/25mm以上の剥離強度を有
しており、引張り強度試験により発泡体側の基材が破壊
された。
積層体の製造例2〜5 積層体の製造例2において、塩素化ポリオレフィンの
塩素含有率を10重量%(製造例3)、20重量%(製造例
4)、30重量%(製造例5)にかえた以外は同様にして
塩素化ポリオレフィン溶液を調製し、この塩素化ポリオ
レフィン溶液を用いた以外は同様にしてポリプロピレン
シートとポリプロピレン発泡体とが塩素化ポリオレフィ
ンで接着された積層体を調製した。
ただし、製造例3および4においては、塩素化ポリオ
レフィン層が設けられた塩素化ポリプロピレンシートを
80℃で予備加熱する態様の外に、予備加熱することな
く、室温に放置し、このシートを140℃、5分間の条件
で予備加熱したポリプロピレン発泡体と加熱圧着する態
様により積層体を製造した。
得られた積層体について、引張り試験機を用いて常温
および80℃の温度条件で、かつ200mm/分間の引張り速度
で180度剥離試験を行った。
結果を第1表に示す。
なお、80℃における剥離強度は、上記のような積層体
を真空成形する際の積層体の加熱温度における剥離強度
に相当する。
積層体の比較製造例2 積層体の製造例2において、塩素化プロピレン・1−
ブテン共重合体の代わりに塩素含有率30重量%の塩素化
プロピレン単独重合体を使用した以外は同様にして積層
体を製造した。
得られた積層体について、引張り試験機を用いて常温
および80℃の温度条件で、かつ200mm/分間の引張り速度
で180度剥離試験を行った。
結果を第1表に示す。
製造例3および製造例4並びに比較製造例2で製造し
た積層体において、室温における剥離強度の測定の際
し、3個の試験片はすべて破壊された。80℃における剥
離強度の測定に際し、製造例3では3個の試験片がすべ
て破壊されたが、製造例4および比較製造例2において
破壊された試験片の数は3個のうち2個である。
上記の製造例2、3、4、5で得られた積層体を真空
成形装置に配置し、50〜170℃に加熱しながら金形と積
層体との間にある空気を除去して積層体と金形とを密着
され、次いで室温まで冷却することにより、成形体を製
造することができ、製造された成形体に層間剥離等は見
られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 B29L 9:00 (56)参考文献 特開 昭61−268703(JP,A) 特開 昭62−214923(JP,A) 特開 昭62−214926(JP,A) 特開 平1−120333(JP,A) 特開 平2−252525(JP,A) 実開 昭61−172836(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 51/00,51/02,51/14,51/26,51/3 6,51/10 B32B 27/32 B32B 5/18 - 5/22 C09J 123/28 B29K 23:00 B29L 9:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未発泡のポリオレフィン層、塩素化オレフ
    ィン系重合体からなる接着剤層および発泡ポリオレフィ
    ン層がこの順序で積層された積層体を用いた成形方法で
    あって、 該塩素化オレフィン系重合体が、下記(a)、(b)、
    (c)および(d)の特性: (a)プロピレン単位と炭素数4〜6のα−オレフィン
    単位を含有してなり、 (b)上記プロピレン単位とα−オレフィン単位の合計
    量を基準にして、プロピレン単位の含有率が60〜80モル
    %であり、そして炭素数4〜6のα−オレフィン単位の
    含有率が40〜20モル%であり、 (c)結晶化度が10〜50%の範囲にあり、そして (d)極限粘度[η]が0.8〜6.0dl/gの範囲にある、 を有するオレフィン系重合体を塩素化することによって
    得られ、しかも (e)塩素含有率が5〜35重量%の範囲にある塩素化オ
    レフィン系重合体であり、 上記未発泡のポリオレフィン層を予め予熱することなく
    該積層体を製造し、該積層体を真空成形法により金形に
    圧着して賦形することを特徴とする成形方法。
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