JP2756552B2 - 伝導冷却型超電導磁石装置 - Google Patents

伝導冷却型超電導磁石装置

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JP2756552B2
JP2756552B2 JP4306296A JP30629692A JP2756552B2 JP 2756552 B2 JP2756552 B2 JP 2756552B2 JP 4306296 A JP4306296 A JP 4306296A JP 30629692 A JP30629692 A JP 30629692A JP 2756552 B2 JP2756552 B2 JP 2756552B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は伝導冷却型超電導磁石装
置にかかるもので、とくに超電導コイルを冷却する構造
を改良した伝導冷却型超電導磁石装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の超電導磁石装置(たとえば特願平
3−104042号)においては、超電導コイルを冷凍
機の冷却ステージに直接接触させることにより極低温に
冷却して超電導状態を得る方式を採用しているものがあ
る。
【0003】しかしながら、超電導コイルを常温から極
低温までに冷却する初期冷却に長時間を要すること、超
電導コイルの冷却温度分布が不均一であることなどの問
題があった。
【0004】たとえば、冷却ステージとして第一段冷却
ステージおよびこの第一段冷却ステージより低温の第二
段冷却ステージを設けた冷凍機を用いた場合に、熱負荷
の小さい第一段冷却ステージの温度が先行して冷却さ
れ、所定の温度(50〜液体窒素温度の70K)に到達
する一方、熱容量の大きな超電導コイル、および超電導
コイルに熱連結されている第二段冷却ステージが漸次熱
伝達により冷却されるので、所定の超電導状態を得る温
度に到達するのに長時間を要しているという問題があ
る。
【0005】また、超電導コイルの構造として、銅など
の良熱伝導体を採用するとともに巻芯および端部フラン
ジからなるコイル巻き枠に超電導線材を巻き付けたもの
を採用した場合に、超電導コイルはそのコイル内周面お
よびコイル巻枠の端部フランジ面から冷却されるため、
上述のように長時間の初期冷却を余儀なくされると同時
に、超電導コイル内部の部分的温度偏差が生じやすいと
いう問題がある。
【0006】なお、超電導コイルに給電する電流リード
を酸化物高温超電導体などの高温超電導体により構成す
ることも行われているが、酸化物超電導体の臨界電流
は、外部磁場により大幅に低下することが知られてい
る。
【0007】したがって、各種超電導コイルの電流リー
ドとして酸化物高温超電導体を用いる場合には、超電導
磁石からのもれ磁場に対して何らかの磁気シールドを施
すことにより臨界電流の低下を防ぐ必要がある。
【0008】従来は、磁気シールド材料には、フェライ
ト等鉄系の金属が用いられてきたが、金属ではもれ磁場
を完全にシールドすることができないとともに、重量が
重いなどの欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、とくに冷凍機を用い
て伝導伝熱作用により超電導コイルを冷却する伝導冷却
型超電導磁石装置において、超電導コイルの初期冷却時
間を短縮可能として冷却効率を向上可能であるととも
に、有効な磁気シールドを施すことにより電流リードの
臨界電流の低下を防止した伝導冷却型超電導磁石装置を
提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、冷凍
機の冷却ステージに超電導コイルを直接熱連結すると同
時に、とくに超電導コイルの外周から補助的に冷却する
ことができるような構造に着目したもので、第一の発明
は、冷凍機と、この冷凍機により冷却可能とした超電導
コイルと、を有する伝導冷却型超電導磁石装置であっ
て、上記超電導コイルを、コイル巻き枠と、このコイル
巻き枠に巻き付けた超電導線材と、から構成するととも
に、この超電導線材の外周に冷却促進部材を固定し、か
つ上記冷凍機の冷却ステージに上記超電導コイルおよび
上記冷却促進部材を接触させることを特徴とする伝導冷
却型超電導磁石装置である。
【0011】上記冷却促進部材は、これを良熱伝導材料
から構成することが望ましい。
【0012】上記冷却促進部材を、円環分割するととも
に、この冷却促進部材を上記超電導線材の外周面から締
め付けることができる。
【0013】第二の発明は、冷凍機と、この冷凍機によ
り冷却可能とした超電導コイルと、を有する伝導冷却型
超電導磁石装置であって、上記超電導コイルの外周に液
体窒素を導入して、この超電導コイルとの間で熱交換可
能とするとともに、上記冷凍機の冷却ステージに上記超
電導コイルを接触させることを特徴とする伝導冷却型超
電導磁石装置である。
【0014】上記超電導コイルを、コイル巻き枠と、こ
のコイル巻き枠に巻き付けた超電導線材と、この超電導
線材の外周に固定した冷却促進部材と、から構成すると
ともに、この冷却促進部材の外周に伝導冷却用銅管を配
設して、この伝導冷却用銅管内に液体窒素を導入可能と
することができる。
【0015】第三の発明は、冷却ステージとして第一段
冷却ステージおよび該第一段冷却ステージより低温の第
二段冷却ステージを設けた冷凍機と、この冷凍機により
冷却可能とした超電導コイルと、を有する伝導冷却型超
電導磁石装置であって、上記超電導コイルを該第二段冷
却ステージに接触させるとともに、上記超電導コイルと
上記第一段冷却ステージとを接離可能とする接離部材を
設けたことを特徴とする伝導冷却型超電導磁石装置であ
る。
【0016】上記接離部材を、上記冷凍機の第一段冷却
ステージに接離する良熱伝導材料板と、この良熱伝導材
料板を、上記冷凍機の第一段冷却ステージに接離するよ
うに移動可能に駆動する接離駆動手段と、上記良熱伝導
材料板の移動に応じて上記超導コイルに接離する伝熱
用ロッドと、から構成することができる。
【0017】第四の発明は、冷凍機と、この冷凍機によ
り冷却可能とした超電導コイルと、この超導コイルに
給電する電流リードと、を有する伝導冷却型超電導磁石
装置であって、上記冷凍機の冷却ステージに上記超電導
コイルを接触させるとともに、上記電流リードの外周に
高温超電導磁気シールドを設け、この高温超電導磁気シ
ールドを上記冷凍機の冷却ステージに接触させたことを
特徴とする伝導冷却型超電導磁石装置である。
【0018】上記冷凍機の冷却ステージとして第一段冷
却ステージおよび該第一段冷却ステージより低温の第二
段冷却ステージを設け、この第二段冷却ステージに上記
超電導コイルおよび上記高温超電導磁気シールドを接触
させることができる。
【0019】上記高温超電導磁気シールドは、これを酸
化物高温超電導体から構成するとともに、この酸化物高
温超電導体に、熱伝導率の高い金属たとえば銅、銀、あ
るいはアルミニウムなどを複合することができる。
【0020】
【作用】本発明による伝導冷却型超電導磁石装置におい
ては、超電導コイルの外周から補助的に冷却するように
したので、超電導状態に到達するまでの初期冷却の時間
を短縮することができるとともに、超電導コイルの内面
および外面からの冷却が可能となって冷却にともなう部
分的温度偏差も解消可能である。
【0021】とくに第一の発明においては、良熱伝導材
料の外周冷却用銅ブロックなどから構成した冷却促進部
材を超電導コイルの外周に配置したので、冷凍機の冷却
ステージとの直接接触によりこの外周の冷却促進部材か
らも冷却が可能となる。
【0022】また第二の発明においては、超電導コイル
の外周に液体窒素を導入して超電導コイルとの間で積極
的に熱交換させるようにしたので、さらに冷却効率を向
上させることができる。
【0023】なお第三の発明においては、冷却ステージ
として第一段冷却ステージおよび該第一段冷却ステージ
より低温の第二段冷却ステージを設けた冷凍機を採用
し、超電導コイルと、冷凍機の第一段冷却ステージとを
接離する接離部材を設けたので、第二段冷却ステージに
よる超電導コイルの冷却に合わせて、初期冷却において
第一段冷却ステージからも冷却が可能となり、初期冷却
の時間を短縮することができる。
【0024】さらに第四の発明においては、電流リード
の外周に高温超電導磁気シールドを設け、この高温超電
導磁気シールドを冷凍機により超電導コイルとともに冷
却するようにしたので、低温となった高温超電導磁気シ
ールドによる磁気シールドを効率よく行うことができ
る。
【0025】
【実施例】つぎに、本発明の第一の実施例による伝導冷
却型超電導磁石装置1を図1ないし図3にもとづき説明
する。
【0026】図1は、伝導冷却型超電導磁石装置1の一
部縦断面図であって、この伝導冷却型超電導磁石装置1
は、基台2と、真空容器(クライオスタット)3と、熱
シールド板4と、超電導コイル5と、正負極一対の高温
超電導電流リード6と、蓄冷式冷凍機7と、外部電源8
とを有する。
【0027】真空容器3は、真空としたその内部に熱シ
ールド板4と、超電導コイル5と、高温超電導電流リー
ド6と、蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ステージ7Aおよ
び第二段冷却ステージ7Bとを収容している。
【0028】熱シールド板4は、蓄冷式冷凍機7の第一
段冷却ステージ7Aに接触固定するとともに、その内部
の超電導コイル5および高温超電導電流リード6への熱
侵入を防止している。
【0029】超電導コイル5は、コイル巻き枠9に超電
導線材10を巻いたもので、その外周に冷却促進部材と
して外周冷却用銅ブロック11を締め付けてある。
【0030】コイル巻き枠9は、巻芯9A、およびこの
巻芯9Aの上下両端部に一体形成した端部フランジ9B
からこれを構成する。
【0031】この外周冷却用銅ブロック11およびコイ
ル巻き枠9を蓄冷式冷凍機7の第二段冷却ステージ7B
に接触固定することにより、超電導線材10を効率的に
極低温まで冷却可能としてある。
【0032】図2は、この外周冷却用銅ブロック11の
具体的構成を示す要部縦断面図、図3は図2のIII−
III線断面図であって、外周冷却用銅ブロック11は
円周方向に等角度間隔で分割することにより任意の数た
とえば三つの円弧状単位ブロック部11A、11B、1
1Cからこれを構成する。
【0033】各円弧状単位ブロック11A、11B、1
1Cの互いの間には、クエンチ時のうず電流を防止する
ための最低一個のうず電流防止用電気絶縁材12、およ
び銅シート13を介在させるとともに、ボルト14によ
り超電導線材10の外周から所定締付け力で締め付け、
互いの密着性を高めて熱接触性を向上させてある。
【0034】なお、シム(図示せず)による厚さ調整を
行うことによりこの密着性を調整することもできる。
【0035】また、外周冷却用銅ブロック11と超電導
線材10との間に良熱伝導性の低温グリースを充填して
もよい。
【0036】図1に戻って、前記高温超電導電流リード
6は、その正負極一対を設けてあり、電流リード端子1
5および常電導電流リードワイヤ16を介して外部電源
8に接続してあり、その高温側端部を蓄冷式冷凍機7の
第一段冷却ステージ7Aに、低温側端部を第二段冷却ス
テージ7Bにそれぞれ取り付けてある。
【0037】蓄冷式冷凍機7は、GM冷凍機など任意の
冷凍機であって、その第一段冷却ステージ7Aは液体窒
素温度77K付近まで冷却可能であり、第二段冷却ステ
ージ7Bは極低温4〜10Kまで冷却可能としてある。
【0038】したがって、常電導電流リードワイヤ16
が真空容器3の常温(300K)部分から蓄冷式冷凍機
7の第一段冷却ステージ7Aの温度(70K)付近まで
の範囲での給電を行い、高温超電導電流リード6が第一
段冷却ステージ7Aの部分から第二段冷却ステージ7B
の温度範囲での給電を行う。
【0039】高温超電導電流リード6の高温側電極17
は、常電導電流リードワイヤ16にこれを接続するとと
もに、熱アンカー銅線18、および高温側窒化アルミニ
ウム板などによる高温側絶縁材19を介して蓄冷式冷凍
機7の第一段冷却ステージ7Aにこれを接続してある。
【0040】高温超電導電流リード6の低温側電極20
は、低温側窒化アルミニウム板などによる低温側絶縁材
21を介して蓄冷式冷凍機7の第二段冷却ステージ7B
にボルトによりこれを接続固定して固定端とするととも
に、超電導コイル5の超電導線材10に接続してある。
【0041】こうした構成の伝導冷却型超電導磁石装置
1において、外部電源8からの正極電流は最初に電流リ
ード端子15を経て、常電導電流リードワイヤ1に導
かれ、ついで順次、高温側電極17、高温超電導電流リ
ード6、低温側電極20に導かれ、超電導コイル5が励
磁される。なお、負極電流は上述と逆のコースで外部電
源8まで戻る。
【0042】超電導コイル5と蓄冷式冷凍機7の第二段
冷却ステージ7Bとの間の熱接触はコイル巻き枠9を介
して行われるが、この熱伝導に加えて、第二段冷却ステ
ージ7Bに接触している外周冷却用銅ブロック11を介
しても熱伝導が行われる。
【0043】したがって、超電導コイル5の内面側から
の熱交換とともに、超電導コイル5の外表面全体からも
熱交換が行われるので、超電導コイル5の初期冷却が速
やかに行われ、かつ超電導コイル5内部が温度均一に冷
却される。
【0044】つぎに、本発明の第二の実施例による伝導
冷却型超電導磁石装置30を図4にもとづき説明する。
ただし、以下の説明において図1ないし図3と同様の部
分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
【0045】図4は、伝導冷却型超電導磁石装置30の
一部縦断面図であって、この伝導冷却型超電導磁石装置
30は前述の伝導冷却型超電導磁石装置1と基本的構造
は同じである。
【0046】この伝導冷却型超電導磁石装置30におい
ては、外周冷却用銅ブロック11のさらに外周面に伝導
冷却用銅管31を周回するように配設し、この伝導冷却
用銅管31に真空容器3の外部からステンレス製の液体
窒素注入管32および窒素ガス吐出管33を接続してあ
る。
【0047】なお、材質の変化する箇所には異材継ぎ手
34を設け、液体窒素供給源35から初期冷却時にのみ
液体窒素を伝導冷却用銅管31内に注入する。
【0048】こうした構成の伝導冷却型超電導磁石装置
30とすれば、上記伝導冷却用銅管31内の液体窒素に
より超電導コイル5の外周の外周冷却用銅ブロック11
部分で熱交換が行われ、ガス化した窒素ガスは液体窒素
注入管32から外部に排出される。
【0049】なお、被冷却体である超電導コイル5が所
定の第一段冷却ステージ7A温度に到達すれば、液体窒
素の注入を停止し、伝導冷却用銅管31、液体窒素注入
管32および液体窒素注入管32内部を真空として断熱
作用を働かせる。
【0050】かくして、超電導コイル5の冷却にあた
り、蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ステージ7Aおよび第
二段冷却ステージ7Bによる冷却作用に加えて、液体窒
素との熱交換による補助的な冷却作用により、初期冷却
の時間を短縮可能である。
【0051】つぎに、本発明の第三の実施例による伝導
冷却型超電導磁石装置40を図5にもとづき説明する。
【0052】図5は、伝導冷却型超電導磁石装置40の
一部縦断面図であって、この伝導冷却型超電導磁石装置
40も前述の伝導冷却型超電導磁石装置1と基本的構造
は同じである。
【0053】この伝導冷却型超電導磁石装置40におい
ては、超電導コイル5と蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ス
テージ7Aとを接離可能とするための接離部材41を設
けてある。
【0054】この接離部材41は、良熱伝導材料板42
と、接離駆動手段43と、伝熱用銅ロッド44とからこ
れを構成してある。
【0055】良熱伝導材料板42は、銅板などによりこ
れを構成したもので、熱シールド板4にその外方から接
離することにより、この熱シールド板4を介して冷凍機
7の第一段冷却ステージ7Aに接離するものである。
【0056】接離駆動手段43は、真空容器3にOリン
グ45を介して取り付けた操作用ロッドなどからこれを
構成するもので、良熱伝導材料板42に形成したスリッ
トなどにその先端部を押し付け係合してこれを回転操作
することにより熱シールド板4に接離するように移動可
能に駆動するものである。
【0057】伝熱用銅ロッド44は、その片端にネジ切
り(オス)してあり、外周冷却用銅ブロック11の外周
に形成したネジ穴46(メス)に係合可能とすることに
よって、良熱伝導材料板42の移動に応じて超導コイ
ル5の外周の外周冷却用銅ブロック11に接離するもの
である。
【0058】したがって、接離駆動手段43を回転操作
することによって伝熱用銅ロッド44を外周冷却用銅ブ
ロック11に移動させると、良熱伝導材料板42が熱シ
ールド板4に当接して熱接触し、逆回転させれば、良熱
伝導材料板42が熱シールド板4から離れるようになっ
ている。
【0059】こうした構成の伝導冷却型超電導磁石装置
40とすれば、初期冷却時のみに良熱伝導材料板42を
熱シールド板4に接触させることができ、熱シールド板
4および蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ステージ7Aと外
周冷却用銅ブロック11とが、良熱伝導体である良熱伝
導材料板42および伝熱用銅ロッド44を介して熱接触
されることになる。
【0060】したがって、超電導コイル5および外周冷
却用銅ブロック11は蓄冷式冷凍機7の第二段冷却ステ
ージ7Bのみならず、第一段冷却ステージ7Aによって
も冷却が行われ、冷却作用が促進される。
【0061】なお、良熱伝導材料板42を熱シールド板
4に一度接触させたのちは、接離駆動手段43を逆回転
操作することにより、蓄冷式冷凍機7による冷却中には
接離駆動手段43と良熱伝導材料板42とは切り離して
おくものとし、超電導コイル5が所定の第二段冷却ステ
ージ7Bの温度になれば、接離駆動手段43を正逆回転
操作して良熱伝導材料板42と熱シールド板4とを熱的
に切り離す。
【0062】図6は、伝導冷却型超電導磁石装置30お
よび40における冷却時間と被冷却体の温度との関係を
示すグラフであって、所定極低温になるまでの冷却時間
として従来の構造の場合に比較して短縮されていること
がわかる。
【0063】ただし図示のように、第一段冷却ステージ
7Aの温度降下曲線は、伝導冷却型超電導磁石装置30
については従来より早くなり、伝導冷却型超電導磁石装
置40のときは従来より遅くなる。
【0064】つぎに、本発明の第四の実施例による伝導
冷却型超電導磁石装置50を図7ないし図9にもとづき
説明する。
【0065】図7は、伝導冷却型超電導磁石装置50の
一部縦断面図であって、この伝導冷却型超電導磁石装置
50も前述の伝導冷却型超電導磁石装置1と基本的構造
は同じである。
【0066】この伝導冷却型超電導磁石装置50におい
ては、高温超電導電流リード6のまわりに円筒状の高温
超電導磁気シールド51を設けてある。
【0067】高温超電導電流リード6は、強磁界中に設
置された場合には、通電能力(電流密度)が劣化する特
性があるので、リード本体への磁気を低減させる機能が
要求される。
【0068】高温超電導磁気シールド51は、酸化物高
温超電導体などからこれを構成し、高温超電導電流リー
ド6の外側に環状に覆う構造としたもので、超電導コイ
ル5から高温超電導電流リード6への磁気をシールドす
ることにより高温超電導電流リード6にかかる外部磁界
を低減させている。
【0069】なお高温超電導磁気シールド51は、蓄冷
式冷凍機7の第二段冷却ステージ7Bとの直接接触によ
りこれを極低温に伝導冷却可能としてある。
【0070】具体的には第二段冷却ステージ7Bに接触
している低温側絶縁材21にこの高温超電導磁気シール
ド51を固定してある。
【0071】こうした構成の伝導冷却型超電導磁石装置
50とすれば、極低温に冷却された高温超電導磁気シー
ルド51がよりシールド性能よく磁気をシールドするこ
とができる。
【0072】図8は、高温超電導磁気シールド51を温
度4.2Kに冷却した場合の磁気シールド特性を示すグ
ラフ、図9は、温度77Kに冷却した場合の磁気シール
ド特性を示すグラフであって、前者が0.091テスラ
で完全に外部磁場をシールドし、後者の場合には0.0
16テスラで完全に外部磁場をシールドしており、温度
4.2Kと、77Kとでは約6倍のシールド効果の差が
あることがわかる。
【0073】なお、図示を省略するが、高温超電導体
と、銅、銀、アルミニウムなどの熱伝導度の高い金属と
を複合し、蓄冷式冷凍機7の冷却ステージからの熱伝導
作用を高め、高温超電導磁気シールド51の冷却を促進
することもでき、熱伝導率が低い高温超電導体から高温
超電導磁気シールド51を形成する場合には有効であ
る。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超電導コ
イルを冷凍機により冷却するにあたって、補助的な冷却
機構ないし部材を設けることとしたので、初期冷却の時
間を短縮するとともに温度分布を均一化することができ
る。
【0075】さらに、この高温超電導電流リードの磁気
シールドを低温とした高温超電導磁気シールドによって
行うこととしたので、高いシールド特性を得ることがで
きる。
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による伝導冷却型超電導
磁石装置1の一部縦断面図である。
【図2】同、外周冷却用銅ブロック11の具体的構成を
示す要部縦断面図である。
【図3】同、図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第二の実施例による伝導冷却型超電導
磁石装置30の一部縦断面図である。
【図5】本発明の第三の実施例による伝導冷却型超電導
磁石装置40の一部縦断面図である。
【図6】同、伝導冷却型超電導磁石装置30および40
による冷却時間と被冷却体の温度との関係を示すグラフ
である。
【図7】本発明の第四の実施例による伝導冷却型超電導
磁石装置50の一部縦断面図である。
【図8】同、高温超電導磁気シールド51を温度4.2
Kに冷却した場合の磁気シールド特性を示すグラフであ
る。
【図9】同、高温超電導磁気シールド51を温度77K
に冷却した場合の磁気シールド特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 伝導冷却型超電導磁石装置 2 基台 3 真空容器(クライオスタット) 4 熱シールド板 5 超電導コイル 6 高温超電導電流リード 7 蓄冷式冷凍機 7A 蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ステージ 7B 蓄冷式冷凍機7の第二段冷却ステージ 8 外部電源 9 コイル巻き枠 9A コイル巻き枠9の巻芯 9B コイル巻き枠9の端部フランジ 10 超電導線材 11 外周冷却用銅ブロック(冷却促進部材) 11A、11B、11C 外周冷却用銅ブロック11の
円弧状単位ブロック 12 うず電流防止用電気絶縁材 13 銅シート 14 ボルト 15 電流リード端子 16 常電導電流リードワイヤ 17 高温側電極 18 熱アンカー銅線 19 高温側絶縁材(高温側窒化アルミニウム板) 20 低温側電極 21 低温側絶縁材(低温側窒化アルミニウム板) 30 伝導冷却型超電導磁石装置 31 伝導冷却用銅管 32 液体窒素注入管 33 窒素ガス吐出管 34 異材継ぎ手 35 液体窒素供給源 40 伝導冷却型超電導磁石装置 41 接離部材 42 良熱伝導材料板 43 接離駆動手段(操作用ロッド) 44 伝熱用銅ロッド(伝熱用ロッド) 45 Oリング 46 外周冷却用銅ブロック11の外周に形成したネジ
穴(メス) 50 伝導冷却型超電導磁石装置 51 高温超電導磁気シールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/04 ZAA F25B 9/00 ZAA H01F 6/00 ZAA

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍機と、 この冷凍機により冷却可能とした超電導コイルと、を有
    する伝導冷却型超電導磁石装置であって、 前記超電導コイルを、コイル巻き枠と、このコイル巻き
    枠に巻き付けた超電導線材と、から構成するとともに、 この超電導線材の外周に、円環分割した冷却促進部材を
    均一に配置するとともに、これら冷却促進部材の互いの
    間に少なくともひとつのうず電流防止用電気絶縁材を介
    在させて、前記超電導線材の外周面から締め付け、かつ
    前記冷凍機の冷却ステージに前記超電導コイルおよび前
    記冷却促進部材を接触させることを特徴とする伝導冷却
    型超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】 冷却ステージとして第一段冷却ステー
    ジおよび該第一段冷却ステージより低温の第二段冷却ス
    テージを設けた冷凍機と、 この冷凍機により冷却可能とした超電導コイルと、 前記冷凍機の前記第一段冷却ステージに接触固定すると
    ともに、その内部の前記超電導コイルへの熱侵入を防止
    している熱シールド板と、を有する伝導冷却型超電導磁
    石装置であって、 前記超電導コイルを該第二段冷却ステージに接触させる
    とともに、 前記熱シールド板にその外方から接離することにより、
    この熱シールド板を介して前記冷凍機の前記第一段冷却
    ステージに接離する良熱伝導材料板と、 この良熱伝導材料板を、前記熱シールド板に接離するよ
    うに移動可能に駆動する接離駆動手段と、 前記良熱伝導材料板の移動に応じて前記超電導コイルに
    接離する伝熱用ロッドと、から構成した接離部材を設
    け、 この接離部材を介して前記超電導コイルと前記第一段冷
    却ステージとを接離可能としたことを特徴とする伝導冷
    却型超電導磁石装置。
  3. 【請求項3】 冷凍機と、 この冷凍機により冷却可能とした超電導コイルと、 この超電導コイルに給電する電流リードと、を有する伝
    導冷却型超電導磁石装置であって、 前記冷凍機の冷却ステージに前記超電導コイルを接触さ
    せるとともに、 前記電流リードの外周に高温超電導磁気シールドを設
    け、 この高温超電導磁気シールドを前記冷凍機の冷却ステー
    ジに接触させたことを特徴とする伝導冷却型超電導磁石
    装置。
  4. 【請求項4】 前記冷凍機の冷却ステージとして第一
    段冷却ステージおよび該第一段冷却ステージより低温の
    第二段冷却ステージを設け、 この第二段冷却ステージに前記超電導コイルおよび前記
    高温超電導磁気シールドを接触させたことを特徴とする
    請求項3記載の伝導冷却型超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】 前記高温超電導磁気シールドは、これ
    を酸化物高温超電導体から構成するとともに、 この酸化物高温超電導体に、熱伝導率の高い金属を複合
    することを特徴とする請求項4記載の伝導冷却型超電導
    磁石装置。
  6. 【請求項6】 前記熱伝導率の高い金属は、これを
    銅、銀、あるいはアルミニウムなどとすることを特徴と
    する請求項5記載の伝導冷却型超電導磁石装置。
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