JP2741832B2 - 車両検出装置 - Google Patents

車両検出装置

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JP2741832B2
JP2741832B2 JP5251625A JP25162593A JP2741832B2 JP 2741832 B2 JP2741832 B2 JP 2741832B2 JP 5251625 A JP5251625 A JP 5251625A JP 25162593 A JP25162593 A JP 25162593A JP 2741832 B2 JP2741832 B2 JP 2741832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両検出装置に係り、
特に、例えば、手押し車や各種自動車等の存在を検出す
る車両検出装置に関する。
【0002】〔発明の背景〕近年、我が国では、交通機
関の発達と共に自動車の保有台数も増加の傾向にあり、
自動車はまさに我々の足代わりになっている。
【0003】このため、例えば、百貨店やスーパーマー
ケット等では、来客者に対するサービスの一環として駐
車場を確保し、一定額の利用者に一定時間の駐車料金を
無料にするといったことを行っている。
【0004】ところで、近時における地価の上昇に伴
い、駐車場を確保することは難しくなっており、そこ
で、駐車場を有効に管理し、効率良く駐車場を運用する
ために、車両の有無を精度良く検出することが要求され
ている。
【0005】
【従来の技術】従来、このような車両検出装置として
は、例えば、図8に示すようなループ式車両感知器10
0がある。
【0006】図8は、従来のループ式車両感知器100
の要部構成を示すブロック図である。
【0007】このループ式車両感知器100は、発振回
路101、感度調整ボリューム102、電流増幅回路1
03、ループコイル104、同調回路105、検出回路
106、電圧増幅回路107、リレー出力回路108か
ら構成されている。
【0008】発振回路101は、一定周波数の発振電流
を電流増幅回路103に出力するものであり、感度調整
ボリューム102は、電流増幅回路103の増幅率を調
節するものである。
【0009】電流増幅回路103は、感度調整ボリュー
ム102による調節値に基づいて発振回路101から入
力される発振電流を増幅し、同調回路105に出力する
ものである。
【0010】ループコイル104は、車路に埋設された
導電性のコイルであり、電流増幅回路103により増幅
された発振電流が出力されることにより高周波磁界を発
生させるものである。
【0011】同調回路105は、ループコイル104の
埋設された車路上に金属体が存在しない状態での位相の
調整(以下、この調整をゼロ点調整という)を行うこと
により、発振回路101から電流増幅回路103を介し
て入力される発振電流と、ループコイル104の定数に
基づいて設定される基本波との同調をとるためのもので
ある。
【0012】検出回路106は、ループコイル104の
定数変化による、基本波との位相のズレを検出し、位相
差を電圧に変換して出力するものである。
【0013】電圧増幅回路107は、検出回路106か
ら出力される電圧を増幅し、リレー出力回路108に出
力するものである。
【0014】リレー出力回路108は、電圧増幅回路1
07から入力される電圧が所定のレベルに達した場合、
図示しないシュミットトリガ回路が駆動され、リレーを
動作させるためのリレー駆動信号を出力するものであ
る。
【0015】以上の構成において、ループ式車両感知器
100内の発振回路101で生成された発振電流がルー
プコイル104に流され、予めゼロ点調整が行われたル
ープコイル104により形成される高周波磁界内に、自
動車等の金属性の物体が進入した場合、ループコイル1
04に流れる発振電流の位相が進むことにより、発振電
流と基本波との位相差が生じ、位相差に基づいて電圧が
検出回路106から出力される。
【0016】ここで、検出回路106において位相差が
検出されると、検出回路106から電圧増幅回路107
を介してリレー出力回路108に位相差に基づく所定レ
ベルの電圧が入力され、リレー出力回路108に入力さ
れる電圧が所定のレベルに達した場合、すなわち、位相
差がある一定値を越えた場合にリレー駆動信号が出力さ
れてリレーが動作する。
【0017】したがって、リレー駆動信号の出力によ
り、ループコイル104が埋設された車路上に自動車が
存在することが検出される。
【0018】ちなみに、自動車の存在を検出した後の処
理は、リレーの動作によって制御される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両検出装置(ループ式車両感知器100)
にあっては、すべてアナログ回路により構成され、同調
回路105によりゼロ点調整が行われた後、検出回路1
06によってループコイル104に流れる発振電流と基
本波との位相差を検出することにより車両の存在を検出
するようにとなっていたため、以下に述べるような問題
点があった。
【0020】すなわち、検出回路106により発振電流
と基本波との位相差を正確に検出するためには、同調回
路105でのゼロ点調整が正確に行われることが条件と
なる。
【0021】ところが、ループコイル104の発振周波
数は、気象の変化や気候の変化により変動することか
ら、ゼロ点調整は、四季の環境変化に敏感に反応し、あ
る環境条件の元で正確にゼロ点調整を行ったとしても、
環境が変化するとループコイル104と基本波との同調
がズレることにより、検出回路106での位相差検出が
どうしても不正確になる。
【0022】このため、環境変化に対応するために絶え
ずゼロ点調整を行うことが要求され、装置の管理が大変
面倒であるという問題があった。
【0023】〔目的〕本発明は、上記問題点に鑑みてな
されたものであり、第1の目的は、車両の存在を正確に
検出することにある。
【0024】また、第2の目的は、装置のメンテナンス
を容易にすることにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示すよ
うに、導電性コイル2と、コイル発振手段3と、パルス
出力手段4と、演算手段5と、検出手段6と、を備える
車両検出装置1であって、前記導電性コイル2は、地中
に埋設された状態で高周波磁界を発生させるものであ
り、前記コイル発振手段3は、前記導電性コイル2の定
数に基づいて該導電性コイル2を所定周波数で発振させ
るものであり、前記パルス出力手段4は、前記導電性コ
イル2の発振周波数を検出して分周し、分周した周波数
に基づくパルス波を出力するものであり、前記演算手段
5は、予め設定された所定周波数の基準パルス波と、
記パルス出力手段4により出力されたパルス波との論理
積を演算し、該パルス出力手段4により出力されたパル
ス波の所定区間内における該基準パルス波のパルス数を
計数するものであり、 前記検出手段6は、前記演算手段
5により計数されたパルス数に基づいて前記導電性コイ
ル2近傍における車両の有無を検出するものであること
を特徴としている。
【0026】
【0027】この場合、請求項1記載の発明おいて請求
項2に記載するように、 前記検出手段6は、前記演算手
段5により計数されたパルス数と記憶手段7に記憶され
た基準値とを比較することにより前記導電性コイル2近
傍における車両の有無を検出し、前記導電性コイル2近
傍において車両の存在を検出していない場合、所定時間
毎に該演算手段5により計数されたパルス数を新たな基
準値として前記記憶手段7に記憶することが有効であ
る。
【0028】請求項1記載の発明によれば、パルス出力
手段は導電性コイルの発振周波数を検出して分周し、分
周した周波数に基づくパルス波を出力し、演算手段は、
予め設定された所定周波数の基準パルス波と、前記パル
ス出力手段により出力されたパルス波との論理積を演算
し、該パルス出力手段により出力されたパルス波の所定
区間内における該基準パルス波のパルス数を計数し、検
出手段は、前記演算手段により計数されたパルス数に基
づいて前記導電性コイル近傍における車両の有無を検出
する。したがって、電圧値に変換された位相差に基づい
て車両の検出を行う従来例と比較して車両の有無を正確
に検出することができる。また、前記所定期間を、分周
した周波数を1周期とするパルス波の1つの“H”区
間、すなわち、前記パルス波の半周期等と設定すること
により、車両の有無を極めて短時間で検出することが可
能となり、検出時間を高速化することができる。
【0029】
【0030】この場合、請求項2記載の発明によれば、
検出手段は、演算手段により計数されたパルス数と記憶
手段に記憶された基準値とを比較することにより導電性
コイル近傍における車両の有無を検出し、前記導電性コ
イル近傍において車両の存在を検出していない場合、所
定時間毎に該演算手段により計数されたパルス数を新た
な基準値として前記記憶手段に記憶する。したがって、
環境変化により導電性コイルの定数が変化した場合であ
っても頻繁なゼロ点調整によらず車両の有無を正確に検
出することができ、また、装置のメンテナンスを極めて
簡素化することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を、図2〜図7
を参照して説明する。
【0032】まず、本実施例の構成を説明する。
【0033】図2は、本実施例の車両検出装置1の要部
構成を示すブロック図である。
【0034】図2において、車両検出装置1は、導電性
コイルであるループコイル2、コイル発振手段である発
振回路3、パルス出力手段である周波数検出回路4、
算手段、検出手段、及び記憶手段である演算制御回路5
からなり、さらに、周波数検出回路4は、クロック生成
回路10、分周回路11から構成され、演算制御回路5
は、基本波発生回路12、論理積回路13、感度切換ス
イッチ14、定数記憶回路15、計数演算回路16、リ
レー出力回路17から構成されている。
【0035】図3は、ループコイル3の概略図である。
【0036】ループコイル2は、図3に示すように、テ
ーピング(図3中、■で示す)によりまとめられたコイ
ル部2aと、金属配管2b中においてコイル部2aがよ
り合わせられたフィーダー部2cとから構成されてお
り、車路に埋設された状態で発振回路3より発振電流が
流されることによりループコイル2から高周波磁界を発
生するものである。そして、この磁界内に金属性の物体
が近接することによりループコイル2のインダクタンス
が変化し、ループコイル2に接続された発振回路3の発
振周波数が変化する。
【0037】発振回路3は、コルピッツ型の発振回路に
より構成され、所定周波数の発振電流をループコイル2
に出力するものであり、また、発振電流の発振周波数を
次段の周波数検出回路4で検出するために、ループコイ
ル2に出力する発振電流と同一の発振電流を周波数検出
回路4に出力するものである。
【0038】図4は、発振周波数の検出動作を説明する
ための波形図である。
【0039】周波数検出回路4は、前述したように、ク
ロック生成回路10、分周回路11から構成され、発振
回路3から入力される発振電流の発振周波数を検出する
ものである。
【0040】クロック生成回路10は、クロックオシレ
ータから構成され、分周回路11によって分周を行うた
めの基準となるクロックパルスを生成するものである。
【0041】分周回路11は、発振回路3から入力され
る発振電流の発振周波数を、クロック生成回路10から
のクロックパルスに基づいて1/2048に分周し、図
4に示すように、分周波形として方形波パルス(低周波
パルス)に変換するものであり、本実施例では、車両の
存在を検出していない状態において、発振回路3から入
力される発振電流が1周期14.628msの方形波パ
ルスに変換されている。
【0042】演算制御回路5は、前述したように、基本
波発生回路12、論理積回路13、感度切換スイッチ1
4、定数記憶回路15、計数演算回路16、リレー出力
回路17から構成され、予め設定された基準パルス波
と、周波数検出回路4により検出されたパルス波との論
理積を演算し、演算結果のパルス数を計数することによ
り、ループコイル2のインダクタンスの微少変化を検出
するものである。
【0043】基本波発生回路12は、図4に示すよう
に、一定周波数(本実施例では、発振周波数3MHz)
の基本波となるパルス波を論理積回路13に出力するも
のである。
【0044】論理積回路13は、図4に示すように、分
周回路11から入力される分周波形と、基本波発生回路
12から入力される基本波との論理積を求めることによ
り、分周波形の“H”の区間中における基本波(以下、
基準クロックという)のパルス数を求めるものであり、
本実施例での分周波形の“H”の1区間は、7.314
msであるため、基準クロックにおいて22163個の
パルス波が抽出されることになる。
【0045】感度切換スイッチ14は、論理積回路13
から出力されるパルス波の波高値に対して“0”〜
“7”までの8段階の閾値を設定し、ループコイル2に
よる車両の検出感度を設定するためのディジスイッチで
あり、本実施例では〔表1〕に示すように、“0”で感
度が最高となり、“7”で感度が最低となるように設定
される。すなわち、感度切り換えは、感度切換スイッチ
14の設定値に基づいて、読み取られたデータを検出演
算処理に組み入れるため、検出レベルの調整は簡単にで
きる。
【0046】
【表1】
【0047】定数記憶回路15は、基準値の更新に必要
なデータや、車両の有無の検出等のデータや、その他の
計数演算回路16内のCPU(Central Processing Uni
t )の動作に必要なデータを収納したものであり、これ
らの各データは停電対策として復旧時にも必要となる。
ちなみに、停電期間中においても図示しないバックアッ
プ電源により定数記憶回路15内のデータは保存されて
いるので、復旧時には速やかに現状に合わせた状態にて
復旧することができる。
【0048】計数演算回路16は、前述したように、C
PUを内蔵し、論理積回路13から出力されるパルス数
に基づいてループコイル2に近接する車両の有無を検出
し、車両の存在が検出されるとリレー出力回路17を駆
動するための駆動制御信号を出力するものである。
【0049】リレー出力回路17は、計数演算回路16
から入力される駆動制御信号に基づいて、リレーを動作
させるためのリレー駆動信号を出力するものである。
【0050】また、本実施例における車両検出装置1に
は、動作表示を行うためのLED(Light Emitting Dio
de)が設けられており、例えば、LEDの点灯時には感
知表示、消灯時には不感知表示となっている。
【0051】次に、本実施例の動作(作用)を説明す
る。
【0052】まず、動作原理について説明する。
【0053】本発明の基本原理は前述の従来例と同様で
あり、路面に埋設されたループコイル2のインダクタク
タンスが金属性物体の近接により変化し、ループコイル
2に接続された発振回路3の発振周波数が変化する。こ
の変化量を検出手段によって検出するものである。
【0054】本実施例による変化量の検出は、まず、金
属性物体の無接近時における発振周波数を矩形波に変換
し、波長を一定量増幅するとともに、この増幅された波
長の1/2の期間である“H”の期間だけゲートを開く
ことにより、別途用意したパルスを通過させ、通過した
パルス数をメモリに記憶させて基準数値とする。
【0055】金属性物体がループコイル2に近接すると
発振周波数は高くなり、ゲートの開き幅は短くなる。
【0056】すなわち、ゲートを通過するパルス数は少
なくなり、これを現示数値として、基準数値から現示数
値を差し引いた数値が一定値以上に達すると金属性物体
(この場合、車両)の存在の検出となる。
【0057】一方、金属性物体がループコイル2から遠
ざかると現示数値は徐々に基準数値へと復旧していき、
一定値に達すると金属性物体(車両)の存在の検出は取
り消される。
【0058】これによって、ループコイル2上に金属性
物体(車両)が存在している期間中は存在を示す出力信
号を出力する存在感知型の検出装置となる。
【0059】次に、環境の変化に伴うループコイルの定
数変化の補正処理について説明する。
【0060】まず、〔発明が解決しようとする課題〕の
項目で触れたように、埋設されたループコイル2を元に
した発振周波数は、気象変化や気候変化により変動する
ので基準値を常時更新する必要がある。
【0061】しかし、ループコイル2に金属性物体が接
近してきた時点で基準値を更新すると検出位置がズレる
ため、本実施例では、過去9回分の更新データと現時点
の取り込みデータとの併せて10回分のデータの平均値
を基準値として更新する。
【0062】また、長時間にわたってループコイル2上
に金属性物体が停留(車両の駐車)することもあるが、
この場合の発振周波数は高くなっており、前述したよう
に、過去9回分の更新データと共に10回分の平均値を
基準値として更新しても誤動作の原因となるため、本実
施例では、金属性物体の存在を検出している期間中は基
準値を更新しない。
【0063】さらに、本実施例では、外来ノイズによる
変動されたデータを取り込まないように、連続して入力
されたデータ値が一致するまで取り込みを行わないよう
になっており、連続した入力されたデータ値が一致すれ
ば正しいデータとして、基準数値や現示数値の元として
採用される。
【0064】次いで、図5,図6に示すフローチャート
に基づいて車両の有無を検出する処理を説明する。
【0065】図5は、本実施例の動作例を説明するため
のフローチャートであり、図6は、図5に続く本実施例
の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0066】まず、車両検出装置1が通電されると、計
数演算回路16に内蔵されるCPUの動作モードのセッ
ト、CPUに付随するROMやRAMのチェックが行わ
れ、さらに、メモリバックアップ処理、データチェッ
ク、バッテリチェック等のチェック処理の後にパラメー
タセット等の初期設定が行われる(ステップS1)。
【0067】次いで、定数記憶回路15に記憶されたデ
ータに基づいて平均値が算出され(ステップS2)、算
出された平均値が基準値として設定され(ステップS
3)、ループコイル2と発振回路3とにより発振動作が
行われる。
【0068】なお、本実施例における発振周波数は、ル
ープコイル2のインダクタンスと路面の条件(例えば、
鉄筋等の補強材の有無等)、または環境(気候や温度
等)により異なるが、以下では140kHzの発振周波
数を用いた場合について説明する。
【0069】以上の状態において、発振回路3からの正
弦波の発振電流出力が矩形波に整形されると、分周回路
11により発振周波数が1/2048に分周される。
【0070】つまり、図4に示すように、140kHz
の発振周波数が68.359Hzとなるため1Hzの周
期は14.628msとなり、“H”の期間は、その1
/2である7.314msとなる。この“H”の期間を
ゲートを開いている時間として設定する。
【0071】これによって、3MHzの基本波の周期は
0.33μsであるので、ゲートが開かれている間に通
過するパルス数は22163個となり、これを2216
3ビットと表現して基準値を求めるための現示値データ
として現示値の取り込みが行われる(ステップS4)。
【0072】そして、本実施例では、過去9回分の更新
データと現時点の取り込みデータとの併せて10回分の
データの平均値を基準値として更新する、具体的には、
基準値は1分毎に取り入れた現示値を最高10個まで記
憶し、その平均をもって基準値とするため、取り込みが
10回を越えたか否かのチェックが行われ(ステップS
5)、10回を越えていた場合、11個目の現示値が入
力されたときに一番初めの現示値が削除されるととも
に、2番目の現示値が1番目の現示値、3番目の現示値
が2番目の現示値、・・・、11個目の現示値が10番
目として順次更新されて削除・更新処理が行われ(ステ
ップS6)、一方、10回を越えていない場合、最後の
格納領域に現示値が記憶され、登録処理が行われる(ス
テップS7)。
【0073】次いで、車両の進入があるか否かがチェッ
クされ(ステップS8)、このステップS8の処理にお
いて車両の進入があると判断された場合、検出出力が設
定され(ステップS9)、一方、車両の進入がないと判
断された場合、上記ステップS4の処理から再度実行さ
れる。
【0074】以下、ステップS8における車両の進入の
チェック処理について具体的に説明する。
【0075】例えば、自動車等の金属性物体がループコ
イル2上に接近し、発振回路3の発振周波数が、基準時
の発振周波数140kHzよりも0.3kHz高い14
0.3kHzとなったとする。
【0076】この場合、ゲートの開かれる時間は、7.
304msとなり、ゲートが開かれている間に通過する
パルス数は22115個となる。これを現示値2211
5ビットとして、以下に示す〔数1〕に基づいて計数比
較演算を行う。
【0077】
【数1】 計数比較値=現示値−(基準値−感度切換設定値)
【0078】ここで、〔数1〕に示す計数比較値が負と
なる場合に車両が存在するものとして「車両有り」が検
出される。
【0079】ちなみに、予め感度切換スイッチ14が
“3”に設定してある場合、〔表1〕に示すように、感
度切換設定値は41ビットとなり、上記〔数1〕は、 計数比較値=22115−(22163−41)=−7 となり、計数比較値<0となるので、車両が進入したも
のと判断される。
【0080】〔数1〕に感度切換設定値が含まれている
のは、発振周波数は環境変化によって常に数ビットの変
化を繰り返しており、車両の進入検出を現示値と基準値
とだけで比較すると、わずか1ビットのマイナス変化で
も車両の進入ありと判断することとなり、車両の進入が
ないのに進入ありと誤判断するおそれがあるためであ
る。
【0081】以上の理由により、本実施例では、車両が
進入してビット数が大きく変化したときだけ検出出力が
得られるように、感度切換スイッチ14による感度切換
設定値での補正が行われるようになっている。
【0082】この場合、〔表1〕に示すように、感度切
換設定は“0”の場合、補正値が6ビットで一番小さ
く、“7”の場合、補正値が211ビットで一番大きく
なっているため、検出感度は“0”が一番高く、“1”
から“7”へと数が大きくなるにつれて順に低くなる。
【0083】上記ステップS9の処理で検出出力が設定
されると、上記ステップS4の処理と同様に、現示値の
取り込みが行われるとともに(ステップS10)、上記
ステップS5の処理と同様に、取り込みが10回を越え
たか否かのチェックが行われ(ステップS11)、10
回を越えていた場合、上記ステップS6の処理と同様
に、11個目の現示値が入力されたときに一番初めの現
示値が削除されるとともに、2番目の現示値が1番目の
現示値、3番目の現示値が2番目の現示値、・・・、1
1個目の現示値が10番目として順次更新されて削除・
更新処理が行われ(ステップS12)、一方、10回を
越えていない場合、上記ステップS7の処理と同様に、
最後の格納領域に現示値が記憶され、登録処理が行われ
る(ステップS13)。
【0084】次いで、車両の退出があるか否かがチェッ
クされ(ステップS14)、このステップS14の処理
において車両の退出があると判断された場合、検出出力
が解除され(ステップS15)、一方、車両の退出がな
いと判断された場合、上記ステップS10の処理から再
度実行される。
【0085】以下、ステップS14における車両の退出
のチェック処理について具体的に説明する。
【0086】前述したように、例えば、自動車等の金属
性物体がループコイル2上から退出する場合、発振回路
3の発振周波数が、進入時の発振周波数140.3kH
zよりも0.3kHz低い、基準時における元の140
kHzに戻ろうとする。
【0087】この場合、ゲートの開かれる時間は、7.
314msとなり、ゲートが開かれている間に通過する
パルス数は22163個となる。これを現示値2216
3ビットとして、以下に示す〔数2〕に基づいて計数比
較演算を行う。
【0088】
【数2】 計数比較値=((基準値−感度切換設定値)+ヒステリシス値)−現示値
【0089】ここで、〔数2〕に示す計数比較値が負と
なる場合に車両が存在するものとして「車両無し」が検
出される。
【0090】ちなみに、予め感度切換スイッチ14が
“3”に設定してある場合、〔表1〕に示すように、感
度切換設定値は41ビット、ヒステリシス値は19とな
り、上記〔数2〕は、 計数比較値=((22163−41)+19)−221
63=−22 となり、計数比較値<0となるので、車両が退出したも
のと判断される。
【0091】〔数2〕にヒステリシス値が含まれている
のは、ヒステリシス値がない場合、車両の進入の検出時
に検出出力がチャタリングを起こすため、このチャタリ
ングを防止するためである。
【0092】図7は、本実施例における演算制御回路5
での車両の有無の検出動作を説明するための図である。
【0093】すなわち、図7に示すように、同じ感度切
換設定値であっても、車両の進入を検出する点と車両の
退出を検出する点とではズレがあり、このヒステリシス
特性により検出出力値のチャタリングが防止される。
【0094】以上説明したように、本実施例では、周波
数検出回路4によってループコイル2の発振周波数を検
出して分周し、この分周した周波数を1周期とするパル
ス波を出力する。そして、このパルス波と、基本波発生
回路12により予め設定された所定周波数の基準パルス
波との論理積を論理積回路13によって演算し、計数演
算回路16により周波数検出回路4から出力された前記
パルス波の“H”区間中における前記基準パルス波のパ
ルス数を計数し、この計数されたパルス数に基づいてル
ープコイル2の近傍における車両の有無を検出する。
【0095】したがって、電圧値に変換された位相差に
基づいて車両の検出を行う従来例と比較して、本実施例
では車両の有無を正確に検出することができる。また、
前記分周した周波数を1周期とするパルス波の1つの
“H”区間、すなわち、前記パルス波の半周期で車両の
有無を検出することが可能となり、車両有無の検出時間
を高速化することができる。
【0096】また、本実施例では、計数演算回路16に
より計数されたパルス数と定数記憶回路15に記憶され
た基準値とを比較することによりループコイル2の近傍
における車両の有無を検出し、ループコイル2の近傍に
おいて車両の存在を検出していない場合、所定時間毎に
計数演算回路16により計数されたパルス数の平均値を
新たな基準値として定数記憶回路15に記憶する。した
がって、設置時に調整した後は、自動的に検出レベルが
補正されるため、ループコイル2の設置環境に影響され
ずに正確な車両検出が行え、また、メンテナンスが容易
になる。
【0097】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0098】例えば、前述の実施例では、分周回路11
の分周比は1/2048に設定されているが、この分周
比の設定値は任意であり、また、基本波発生回路12に
より発生される基本波の周波数波も実施例のように3M
Hzに限らず、任意に設定可能である。
【0099】この場合、計数演算回路16に対して、例
えば、調整モードスイッチを設け、基本波の3MHzの
パルス波を6MHzに切り換えることにより検出感度を
高めたり、また、分周比を1/2048から1/409
6に切り換えることにより検出感度を切り換えるように
構成してもよい。
【0100】また、以上の説明では主として発明者によ
ってなされた発明を、その背景となった利用分野である
車両検出装置に適用した場合について説明したが、それ
に限定されるものではない。
【0101】例えば、車両に限らず、金属性の物体の有
無を検出する検出装置にも適用できる。
【0102】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、パルス出力手
段は導電性コイルの発振周波数を検出して分周し、分周
した周波数のパルス波を出力し、演算手段は、予め設定
された所定周波数の基準パルス波と、前記パルス出力手
段により出力されたパルス波との論理積を演算し、該パ
ルス出力手段により出力されたパルス波の所定区間内に
おける該基準パルス波のパルス数を計数し、検出手段
は、前記演算手段により計数されたパルス数に基づいて
前記導電性コイル近傍における車両の有無を検出する。
したがって、電圧値に変換された位相差に基づいて車両
の検出を行う従来例と比較して車両の有無を正確に検出
することができる。また、前記所定期間を、分周した周
波数を1周期とするパルス波の1つの“H”区間、すな
わち、前記パルス波の半周期等と設定することにより、
車両の有無を極めて短時間で検出することが可能とな
り、検出時間を高速化することができる。
【0103】
【0104】この場合、請求項2記載の発明によれば、
検出手段は、演算手段により計数されたパルス数と記憶
手段に記憶された基準値とを比較することにより導電性
コイル近傍における車両の有無を検出し、前記導電性コ
イル近傍において車両の存在を検出していない場合、所
定時間毎に該演算手段により計数されたパルス数を新た
な基準値として前記記憶手段に記憶する。したがって、
環境変化により導電性コイルの定数が変化した場合であ
っても頻繁なゼロ点調整によらず車両の有無を正確に検
出することができ、また、装置のメンテナンスを極めて
簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両検出装置の原理図である。
【図2】本実施例の車両検出装置の要部構成を示すブロ
ック図である。
【図3】ループコイルの概略図である。
【図4】発振周波数の検出動作を説明するための波形図
である。
【図5】本実施例の動作例を説明するためのフローチャ
ートである。
【図6】図5に続く本実施例の動作例を説明するための
フローチャートである。
【図7】本実施例における車両の有無の検出動作を説明
するための図である。
【図8】従来のループ式車両感知器の要部構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 車両検出装置 2 ループコイル(導電性コイル) 2a コイル部 2b 金属配管 2c コイル部 3 発振回路(コイル発振手段) 4 周波数検出回路(パルス出力手段) 5,6,7 演算制御回路(演算手段、検出手段、及
び記憶手段) 10 クロック生成回路 11 分周回路 12 基本波発生回路 13 論理積回路 14 感度切換スイッチ 15 定数記憶回路(記憶手段) 16 計数演算回路 17 リレー出力回路 100 ループ式車両感知器 101 発振回路 102 感度調整ボリューム 103 電流増幅回路 104 ループコイル 105 同調回路 106 検出回路 107 電圧増幅回路 108 リレー出力回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性コイルと、 コイル発振手段と、パルス出力手段と、 演算手段と、検出手段と、 を備える車両検出装置であって、 前記導電性コイルは、地中に埋設された状態で高周波磁
    界を発生させるものであり、 前記コイル発振手段は、前記導電性コイルの定数に基づ
    いて該導電性コイルを所定周波数で発振させるものであ
    り、前記パルス出力手段は、前記導電性コイルの発振周波数
    を検出して分周し、分周した周波数に基づくパルス波を
    出力するものであり、 前記演算手段は、予め設定された所定周波数の基準パル
    ス波と、前記パルス出力手段により出力されたパルス波
    との論理積を演算し、該パルス出力手段により出力され
    たパルス波の所定区間内における該基準パルス波のパル
    ス数を計数するものであり、 前記検出手段は、 前記演算手段により計数されたパルス
    数に基づいて前記導電性コイル近傍における車両の有無
    を検出するものであることを特徴とする車両検出装置。
  2. 【請求項2】前記検出手段は、前記演算手段により計数
    されたパルス数と記憶手段に記憶された基準値とを比較
    することにより前記導電性コイル近傍における車両の有
    無を検出し、前記導電性コイル近傍において車両の存在
    を検出していない場合、所定時間毎に該演算手段により
    計数されたパルス数を新たな基準値として前記記憶手段
    に記憶することを特徴とする請求項1記載の車両検出装
    置。
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