JP2726819B2 - 絹不織布 - Google Patents

絹不織布

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JP2726819B2
JP2726819B2 JP5018518A JP1851893A JP2726819B2 JP 2726819 B2 JP2726819 B2 JP 2726819B2 JP 5018518 A JP5018518 A JP 5018518A JP 1851893 A JP1851893 A JP 1851893A JP 2726819 B2 JP2726819 B2 JP 2726819B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絹不織布に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】繊維製品基布を大別すると、織物編
物不織布の3つに分類することができ、近年不織布の
生産、消費とも増大の一途をたどっている。
【0003】従来、絹不織布として、特開昭56−15
9337号公報及び特開昭61−108759号公報が
公知であり、また、真綿ふとんとして特開昭58−97
308号公報及び特開昭60−142884号公報が公
知である。上記特開昭56−159337号公報のもの
は、通常の繭玉ではなく、平面繭を使用しているため、
原料の入手が困難で高価となる欠点があり、しかも、セ
リシンを3〜10重量%しか除去しておらず、20〜2
7重量%残存させているため、化粧用カット綿など人体
の肌に直接触れる用途には不向きであり、そこで、帯芯
地等に利用されているにすぎない。また、特開昭61−
108759号公報のものは、生糸の原料とされる繭糸
(未精練)を実施例では50mmに切断し、これ単独、
又は、これに他の短繊維を混合したものをウェブ化し、
次いで繊維相互を機械的に固定した後、精練して絹不織
布を得るものであるが、これは、原料が高価な繭糸を使
用する必要があり、製品が高価となる欠点があり、しか
も、未精練の状態で繊維を切断しており、硬くゴワゴワ
したものであるため、切断が容易でなく、副蚕糸に適用
する場合では未精練でウェブ化することは極めて困難で
あって円滑に機械を運転することができない欠点があ
り、さらに、精練を最後にしており、セリシンを100
%除去しているものでもないため、柔軟性を欠き、人体
に有害な物質が残存する恐れがある。さらに、特開昭5
8−97308号公報のものは、平面繭を使用して真綿
ふとんとするもので、原料の入手が困難で高価となる欠
点があり、しかも、セリシンを完全に除去させている訳
ではないため、化粧用カット綿など人体の肌に直接触れ
る用途には不向きである。また、特開昭60−1428
84号公報のものは、練り繭を使用して機械的に開繊
し、展綿とし、これを7〜15×30cmにカットし、
梳綿機にかけて、ふとんの大きさのユニット綿とし、こ
れを複数枚積層し、その際、ポリエステル綿を50%以
下に混入してふとん綿とするものであって、これも、原
料が高価であり、製品も高価となる欠点があり、しか
も、繊維の切断長さが長すぎるため、カードなどでのウ
ェブ化が極めて困難であって円滑に機械を運転すること
ができない欠点があり、さらに、セリシンを100%除
去しているものでもないため、柔軟性を欠き、人体に有
害な物質が残存する恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】絹繊維は、肌への馴染
みがよい事、繊維断面が三角形状であり、円形断面の綿
繊維に比べて肌への接触角が鋭角状となり、肌に付着し
た化粧品等の拭き取り効果が大きい事、吸水性及び脱水
性に優れている事等化粧用カット綿、ウエットティッシ
ュ、その他人体の皮膚に接する商品全般に使用すること
が可能であり、特に、このような用途に使用した場合、
絹繊維の持つ特性が生かされる。
【0005】しかし従来では、このような用途に使用す
る工夫がなされておらず、この種用途に適する絹不織布
が提供されていない。
【0006】そこで本発明は、この種用途に適する絹不
織布を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の1つは、副蚕糸を、半練り若しくは七部練
り程度アルカリ精練して真綿状にし、1〜3インチ四方
に裁断し、裁断後、不純物除去、晒度アップを兼ねてセ
リシンを100%近い数値まで落とす本練りアルカリ精
練を行い、開繊し、ウェブを形成させ、このウェブを上
下面に配置し、他の繊維不織布を中間層に配置して3層
構造から形成された絹不織布を提供する。
【0008】また、本発明のもう1つは、副蚕糸を、半
練り若しくは七部練り程度アルカリ精練して真綿状に
し、1〜3インチ四方に裁断し、裁断後、不純物除去、
晒度アップを兼ねてセリシンを100%近い数値まで落
とす本練りアルカリ精練を行い、開繊し、この開繊繊維
と熱融着性繊維とを後者に対して前者Aが70%≦A<
100%の範囲の配合比で略均一に混合したウェブから
形成された絹不織布を提供する。
【0009】
【作用】副蚕糸は、そのままでは利用できないので、先
ず、半練り若しくは七部練り程度アルカリ精練し、真綿
状にする。真綿状にした後、1〜3インチ四方の大きさ
に裁断する。裁断後、再度本練りと云われるアルカリ精
練を行い、不純物の除去、晒度アップを図り、出来るだ
け100%近い数値で、セリシンを落とす。
【0010】副蚕糸を半練り若しくは七部練り程度アル
カリ精練するのは、そのままでは繭や、生糸くずは硬
く、ほぐすことが出来ず、真綿に加工することが不可能
なためである。また、副蚕糸をいきなり、本練りまでし
てしまうと、繊維の塊には塵埃や蛹くずが残り、不純物
除去が不可能となるためである。
【0011】一方、真綿を1〜3インチ四方の大きさに
裁断しているのは、繊維長を均整化し、ウェブ加工条件
を満足させるため及び不純物除去を容易化するためであ
る。本発明は、上記したように、絹不織布の原料とし
て、副蚕糸(選除繭、製糸工程から出るくず、製織工程
から出るくず等)を利用したから、絹不織布を安価に提
供することができる。また、上記副蚕糸(選除繭、製糸
工程から出るくず、製織工程から出るくず等)を、半練
り若しくは七部練り程度アルカリ精練して真綿状にし、
1〜3インチ四方に裁断したため、ウェブを形成する
際、カードローラ等に繊維が絡み付くことを防止するこ
とができ、確実かつ円滑に絹不織布を製造することがで
きる。そして、上記副蚕糸(選除繭、製糸工程から出る
くず、製織工程から出るくず等)を、半練り若しくは七
部練り程度アルカリ精練して真綿状にしているため、副
蚕糸に含まれる塵埃や蛹くずなどの夾雑物・不純物を除
去しつつ容易に真綿状にすることができる。さらに、上
記副蚕糸(選除繭、製糸工程から出るくず、製織工程か
ら出るくず等)を、半練り若しくは七部練り程度アルカ
リ精練して真綿状にしこの真綿状物を1〜3インチ四方
に裁断した後、不純物除去、晒度アップを兼ねてセリシ
ンを100%近い数値まで落とす本練りアルカリ精練を
行っているため、真綿状物は1〜3インチ四方に裁断さ
れた状態で上記本練り精練を受け、これによって、真綿
状物に含まれている夾雑物・不純物の完全な除去及び真
綿状物の晒度アップが図れ、人体に害を及ぼす恐れのあ
る真綿状物中の有害物質が完全に除去処理され、しか
も、フィブロイン繊維の一部がフィブリルに分解され、
蚕の営繭曲線を活かした繭糸特有の天然のクリンプを引
き出すことができ、柔軟性の向上に寄与し、化粧用カッ
ト綿等の人体の皮膚に直接触れる商品全般に使用する不
織布としての厳しい品質基準を満たすことができる。ま
た、本練り精練と開繊との関係を、先ず、本練り精練
し、本練り精練後、開繊しているため、本練り精練によ
り、繭糸の表面のセリシンを100%近い数値まで溶解
除去し、絹繊維の主体たるフィブロイン繊維を表面に出
現させた際、硬い板状物となるが、これを開繊して、し
なやかな篠状物とすることができる。従って、これをウ
ェブ工程へ供給して不織布とすることが容易となる。ウ
ェブの形成は、公知の各種の方法で行うことができる。
このウェブを上下面に配置し、他の繊維不織布を中間層
に配置してニードルパンチングその他の方法の接着によ
り、3層構造の絹不織布とする。このような3層構造と
することによって、表裏両面が絹繊維100%の不織布
となり、肌への馴染みや感触を向上させ、高級感を付与
でき、しかも、中間層には絹よりも安価な繊維を使用す
ることが可能となり、製品コストの上昇を防止できる。
【0012】また、上記開繊繊維と熱融着性繊維とを後
者に対して前者Aが70%≦A<100%の範囲の配合
比で略均一に混合したウェブから形成された絹不織布
は、前記3層構造のものに比べて、製造が簡単となり、
製品コストの引下げに有利であり、化粧用カット綿等に
使用した場合、70%以上含まれている絹繊維によっ
て、化粧品等の肌からの拭き取り作用を向上させること
ができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明に係る絹不織布の製造工程の第
1実施例を示す説明図、図2は本発明に係る絹不織布の
製造工程の第2実施例を示す説明図であって、本発明の
1つは、副蚕糸(選除繭、製糸工程から出るくず、製織
工程から出るくず)を、半練り若しくは七部練り程度ア
ルカリ精練して真綿状にし、1〜3インチ四方に裁断
し、裁断後、本練りアルカリ精練を行い、必要に応じて
帯電防止剤を配合して開繊し、ウェブを形成させ、この
ウェブを上下面に配置し、他の繊維不織布を中間層に積
層配置してニードルパンチングその他の方法の接着によ
り3層構造の絹不織布としたものである。上記中間層に
配置する繊維不織布としては、綿、スパンレース(例え
ば、レーヨンパルプ製)、ポリエステル、その他絹以外
の繊維不織布であり、繊維長には特に制約はない。上記
3層構造の絹不織布の具体的用途例として、化粧用カッ
ト綿に使用する場合では、上下面に配置される絹繊維ウ
ェブの目付けは、上下ともに30〜80g/m2 とし、
中間層に配置する繊維不織布の目付けは、40〜100
g/m2 とする。
【0014】また本発明のもう1つのものは、副蚕糸
(選除繭、製糸工程から出るくず、製織工程から出るく
ず)を、半練り若しくは七部練り程度アルカリ精練して
真綿状にし、1〜3インチ四方に裁断し、裁断後、本練
りアルカリ精練を行い、必要に応じて帯電防止剤を配合
して開繊し、この開繊繊維と熱融着性繊維とを、後者に
対して前者Aを70%≦A<100%の範囲の配合比で
略均一に混合してウェブを形成し、混合型絹不織布とし
たものである。上記熱融着性繊維としては、ポリエステ
ル等や絹繊維よりも低融点の繊維を使用し、その繊維長
は、開繊後の絹繊維と同程度とする。熱融着性繊維の配
合比が少なくなる程、不織布全体としての繊維同士の絡
みが悪くなり、多くなる程、絹繊維の特徴が減少し、皮
膚への刺激が増大するので、30%が限度である。この
混合型絹不織布の用途は、ウエットティッシュ、アトピ
ー性幼児等の紙おむつの肌に接触する部分、化粧用カッ
ト綿、その他、皮膚に直接接触する商品全般に適用可能
である。例えば、ウエットティッシュの場合、全体の目
付けは、30〜60g/m2 とする。
【0015】上記副蚕糸は、そのままでは利用できない
ので、先ず、半練り若しくは七部練り程度アルカリ精練
し、真綿状にする。真綿状にした後、1〜3インチ四方
の大きさに裁断する。裁断後、本練りアルカリ精練を行
い、不純物の除去、晒度アップを図り、出来るだけ10
0%近い数値で、セリシンを落とす。
【0016】副蚕糸を半練り若しくは七部練り程度アル
カリ精練するのは、そのままでは繭や、生糸くずは硬
く、ほぐすことが出来ず、真綿に加工することが不可能
である。また、この段階で、本練りまでしてしまうと、
繊維の塊には塵埃や蛹くずが残り、不純物除去が不可能
になるためである。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】最終それぞれの短繊維状態の真綿原料を、
本練りアルカリ精練することにより、不純物の除去は勿
論のこと、100%近い数値でセリシンを除去し、晒度
をアップする工程の中で、絹糸を形成しているフィブロ
イン繊維、一本のフィブロインは、100本内外のフィ
ブリルから出来ており、フィブロインの繊維同士が絡み
合い、叩き合い、フィブロインの一部がフィブリルに分
解され、フィブロイン組織より剥離したりし、微妙なク
リンプを持ったウェブ形成に好適な原料に変化する。
【0021】この現象は、蚕が営繭する際、頭をS又は
8の字状に振って吐糸する。この曲線を営繭曲線と呼
び、営繭曲線は繭から糸を取る時に、微妙なクリンプと
して糸に表れるもので、本発明ではこの特徴をウェブ形
成に利用したものである。そのため、副蚕糸等簡単に真
綿になるものは、精練し、真綿状になりさえすればよ
く、真綿に簡単になりにくい副蚕糸等は、真綿状にする
時、あまり強く丁寧に梳綿機で梳らないようにしなけれ
ばならない。単に、不純物の除去のみに抑えるべきであ
り、あまり強くすると営繭曲線が持っているクリンプを
殺してしまう恐れがある。従って、精綿までいかず、真
綿状になればそれで問題がない絹ウェブ原料になる。
【0022】精練剤としては、アルカリ剤のみで精練す
るのが、一番良い。即ち、アルカリ精練は、他の精練剤
と違ってフィブロイン同士が付着せず、フィブロインを
一番軟らかくすることができ、また、フィブロインは、
アルカリ溶液の中で叩かれると、簡単にフィブリル化し
たりし、営繭曲線が持つ天然の微妙なクリンプを、一番
生かすことができるためである。なお、酵素精練等も有
効であるが、後処理をアルカリ浴等で行なうことが必要
なため、コスト高になる事が考えられる。
【0023】現在の設備の大部分では、直線の繊維で不
織布を加工することは不可能であり、クリンプが多けれ
ば多い程よく、副蚕糸を真綿状態にし、裁断し、アルカ
リ精練することで、絹糸の一部がフィブリル化したり
し、微妙なクリンプを、絹の原料より引き出し、均整な
ウェブを作りやすくする。高度のクリンプを持った繊維
で作られたウェブは、その後の工程でも原構造を保つ上
で非常に有効であることが確認されている。
【0024】各種不織布は、従来から紡毛機械が使用さ
れており、紡毛の技術が中心をなしている。本発明の絹
不織布用絹ウェブの形成にも上記紡毛機械及び紡毛技術
を利用する。
【0025】例えば、原料絹繊維の開俵、調合、開繊
は、紡績の前工程とほぼ同じで、ホッパー・ベール・ブ
レーカー、ホッパー・ミキサー等が適している。開繊
時、この様に処理された絹原料繊維は、固塊状になって
おらず、綿状が容易にファイバー段階まで開繊され、絹
繊維の密度を極力一定に保つ事が可能になり、ガーネッ
ト機やカードを用い、ウェブ形成へと導くことができ
る。
【0026】絹短繊維原料のカット長を1〜3インチと
しているのは、ウェブ加工方法にもよるが、繊維長に極
端に差があると、ノーズバーやストリッピング・プレー
トの付近で、長繊維の詰まる恐れがあり、また、極短繊
維では、剥離しにくくて、糸状になって出てくるので、
これらを避けるためである。
【0027】ウェブ配列方式は、基本的には、平行配
列法直交と複合配列法ランダム配列法等があるが、
いずれの方法を取るにしても従来の原料と違い、開繊時
に帯電防止剤を用いた方が、より容易にウェブ形成がな
される。絹以外の原材料で、主に疏水性の合繊繊維には
帯電防止剤を使用しているが、絹原料への帯電防止剤の
使用は、製造工程での湿度に関係なく、より効果的であ
る。
【0028】一般論として繊維は、電気抵抗が1010Ω
/cm程度より小さいと帯電しないと云われており、吸
湿、吸水によって電気抵抗は、著しく低下する。絹の場
合は、環境が相対湿度80〜85%以上あればほとんど
発生しない事は、分かっているが、加湿と共に帯電防止
剤の併用は作業効率上良い結果が得られる。
【0029】この様に、副蚕糸をアルカリ精練し真綿状
にし、1〜3インチ四方の大きさに裁断し、再度本練り
アルカリ精練し、不純物除去、晒度アップを兼ね、セリ
シンを100%近い数値で落とし、帯電防止剤の調合に
よりたやすく、乾式ウェブの形成が可能となり、ニード
ルパンチ方式、スパンレース方式等を問わず、いかなる
方式でもバインダーを必要とせず、絹100%目付け2
0〜300g/m2 の不織布を製造することが可能とな
った。
【0030】今まであまり有効利用の道がなく、世界的
にみて副蚕糸がだぶつき傾向であったが、本発明の様
に、副蚕糸を精練し、真綿状にした後、短繊維化するこ
とにより、営繭曲線に残留する微妙なクリンプ、絹原料
繊維が本来備えているクリンプを引き出すことができ、
絹100%の不織布の製造が可能になるのである。
【0031】また、微妙なクリンプが引き出された短繊
維真綿状絹原料を主材料にし、他の繊維を混合してウェ
ブを形成することは、極めて簡単なことである。
【0032】繭は本来出来るだけ長く、出来るだけ細く
糸を紡ぐ様に改良され、生糸にならないその他の繭等も
加工し長く紡ぎ、シャンタン、銘仙、富士絹、スパンク
レープ、ノイルクロス等の繊維製品にしか利用されてい
なかった。
【0033】湿式では、原料にクリンプを与える必要が
ないため、すでに絹の和紙等が製造されているが、乾式
で絹100%のウェブを作るのが、従来、不可能であっ
たが、本発明により、絹不織布の製造が可能になり、絹
の用途開発が飛躍的に発展することが予測される。
【0034】絹フィブロイン繊維を一部フィブリル化し
たりし、微妙なクリンプを引き出すためのアルカリ精練
を行い、副蚕糸を真綿状にし、1〜3インチ四方に裁断
し、最終晒度アップ、不純物除去を兼ねて、本練りアル
カリ精練し、帯電防止剤の配合を行う。上記のように、
繊維長を指定するのは、極端に差があると、ウェブ加工
方法の差もあるが、ノーズバーやストリッピング・プレ
ートの付近で長繊維の詰まる恐れがあり、1インチより
短い繊維長では、剥離しにくく糸状になって出てくるた
めである。
【0035】上記の様にして製造された絹ウェブは、こ
れを上下面に配置し、中間層には他の繊維不織布を配置
してニードルパンチングその他の方法の接着により3層
構造の絹不織布を製造する。或いは、上記絹短繊維原料
に熱融着性繊維を所定の配合比で均一に混合して公知の
方法により混合型絹不織布を製造する。
【0036】
【発明の効果】本発明の3層構造絹不織布によれば、表
裏両面が絹繊維100%の不織布となり、肌への馴染み
や感触を向上させ、高級感を付与でき、しかも、中間層
には絹よりも安価な繊維を使用することが可能となり、
製品コストの上昇を防止できる。特に、絹繊維は、肌へ
の馴染みがよい事、繊維断面が三角形状であり、円形断
面の綿繊維に比べて肌への接触角が鋭角状となり、肌に
付着した化粧品等の拭き取り効果が大きい事、吸水性及
び脱水性に優れている事等化粧用カット綿、ウエットテ
ィッシュ、その他人体の皮膚に接する商品全般に使用す
ることが可能であり、特に、このような用途に使用した
場合、絹繊維の持つ特性が生かされる。
【0037】また、絹の開繊短繊維と熱融着性繊維とを
後者に対して前者Aを70%≦A<100%の範囲の配
合比で略均一に混合してウェブを形成した混合型絹不織
布は、前記3層構造のものに比べて、製造が簡単とな
り、製品コストの引下げに有利であり、化粧用カット綿
やウエットティッシュの他、アトピー性幼児の紙おむつ
等に使用した場合、70%以上含まれている絹繊維によ
って、皮膚への刺激が少なく、アレルギー性のかぶれや
皮膚疾患を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絹不織布の製造工程の第1実施例
を示す説明図。
【図2】本発明に係る絹不織布の製造工程の第2実施例
を示す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−108759(JP,A) 特開 昭60−142884(JP,A) 特開 昭58−97308(JP,A) 特開 昭56−159337(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副蚕糸を、半練り若しくは七部練り程度
    アルカリ精練して真綿状にし、1〜3インチ四方に裁断
    し、裁断後、不純物除去、晒度アップを兼ねてセリシン
    を100%近い数値まで落とす本練りアルカリ精練を行
    い、開繊し、ウェブを形成させ、このウェブを上下面に
    配置し、他の繊維不織布を中間層に配置して3層構造か
    ら形成されたことを特徴とする絹不織布。
  2. 【請求項2】 副蚕糸を、半練り若しくは七部練り程度
    アルカリ精練して真綿状にし、1〜3インチ四方に裁断
    し、裁断後、不純物除去、晒度アップを兼ねてセリシン
    を100%近い数値まで落とす本練りアルカリ精練を行
    い、開繊し、この開繊繊維と熱融着性繊維とを後者に対
    して前者Aが70%≦A<100%の範囲の配合比で略
    均一に混合したウェブから形成されたことを特徴とする
    絹不織布。
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