JP2696100B2 - 磁気異方性焼結磁石の製造方法 - Google Patents

磁気異方性焼結磁石の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉末冶金法で製造する1軸異方性磁石なら
びにラジアル異方性永久磁石及びその製造方法に関する
ものである。
〔発明の概要〕
本発明は、粉末冶金法で製造する異方性永久磁石にお
いて、結合剤を封入したマイクロカプセル(以下単にカ
プセルと記す)を磁石粉末(以下単に粉末と記す)に混
合しておき、磁場成形プレスで粉末を磁場配向成形した
後、加圧力でカプセルを破壊し、結合剤で粉末を結合す
ることで結晶軸の整列状態(以下配向率と略記する)を
低下させずに粉末成形体(以下グリーンと略記する)の
強度を向上するものである。その結果、グリーンの取扱
が容易となり、製造歩留りが向上し、さらにグリーンの
ハンドリングの自由度が向上するものである。
また、グリーンの強度が向上することで、ラジアル異
方性の永久磁石の製造が可能となるものである。
〔従来の技術〕
粉末冶金法で製造する永久磁石は、磁気特性を向上す
るため単結晶状態に粉砕した粉末を磁場中で磁化容易方
向を揃えながら成形することで磁気異方性化している。
また、グリーン強度を向上して取扱を容易にするため微
粉砕後の粉末に、粉末同士を結合するパラフィンなどの
結合剤を少量添加する方法が用いられていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記した従来の製造方法において、 (1) この結合剤は粉末同士を接着する性質を持って
おり、結合剤を添加した粉末を磁場中で配向させて成形
すると粉末粒子同士の滑りが悪く、配向しにくいため磁
気特性が低下するという問題があった。
(2) 従来の技術では粉末の磁気的配向率を向上して
高い磁気特性を得るため、粉末同士の滑りをよくする潤
滑剤を混合している。そのためグリーン強度が弱く、取
扱によるグリーンの欠け、割れなどが発生し製造歩留り
が低下するという問題があった。また、グリーンの強度
が弱いためグリーンのハンドリングに制約があり、自動
化手段にも制限が生じるという問題があった。
(3) グリーン強度を向上させながら高配向率による
高い磁気特性を得るため、結合剤と潤滑剤とを混合添加
した例もあるが、結合剤と潤滑剤が各々の効果を相殺す
るため効果は少ない。
(4) 粉末冶金法でラジアル配向した薄肉のリング状
の永久磁石を製造する場合、磁場配向したグリーンの粉
末同士が同極となるため互いに反発し、グリーンにクラ
ックが入ったり、極端な場合グリーンが破壊するため製
造が困難だった。
本発明はこれらの問題を解決することを目的とするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題を解決するために、本発明は、粉末冶金法で
製造する磁気異方性永久磁石において、微粉砕した粉末
に、結合剤を封入したカプセルを混合し、磁場成形プレ
スで粉末を配向した後、加圧力でカプセルを破壊する方
法。または、粉末に必要に応じて添加剤を混合し、さら
にカプセルを混合して造粒後、磁場成形プレスで粉末を
配向した後、加圧力でカプセルを破壊する方法。これら
の破壊により結合剤で粉末を結合してグリーンの磁場配
向率を低下させることなく、グリーンの強度を得る永久
磁石の製造方法であり、これらの方法から製造した1軸
異方性、またはラジアル異方性の永久磁石を提供するも
のである。
〔作用〕
本発明によれば、成形前の粉末には結合剤が封入され
たカプセルが混合されている。よって磁場配向するとき
粉末は結合剤によって接着されることなく一つ一つバラ
バラに分離している。そのため磁場成形機で磁界を印加
することで良好な配向が得られる。
〔実施例〕
実施例−1 Sm35.8wt%Co残の組成となるように調整秤量した原料
(以下SmCo5系合金と記す)をアーク炉でAr雰囲気中で
溶解後、クラッシャーミルで#32メッシュスルーに粗粉
砕し、ジェットミルによりN2ガス中で3μmの粒径に粉
砕した物を出発合金とした。
前記出発合金に造粒、潤滑剤としてステアリン酸を0.
05wt%混合し、流動パラフィンを封入したカプセルを1w
t%混合し、10kOeの磁界中で1ton/cm2の圧力で成形し
た。このとき、カプセルの寸法を外径20μmに固定し、
膜厚を0.2,0.5,1,2,3μmの5種類とした。また、カプ
セルの材質はポリウレタンとした。
前記グリーンの強度比をラトラー試験機で100回転し
た後の残重量比で表した。また、グリーンを500℃1時
間真空中で脱ガスしてカプセル及び結合剤を蒸発させ11
20℃Arガス中で焼結後、830℃まで1℃/分の割合で冷
却し830℃で2時間保持後急冷した焼結体の配向率を振
動試料型磁化測定装置で測定した。
なお、配向率は磁化容易方向に磁化したときの残留磁
束密度(Br11)と磁化困難方向に磁化したときの残留磁
束密度(Br⊥)とを用い、 より求めた。グリーン強度比及び焼結体の配向率のカプ
セル膜厚依存性を第1図の特性図に示す。
実施例1によりカプセル膜厚が薄すぎると粉末を混合
〜磁場配向する時の圧力でカプセルが破壊し、結合剤が
カプセルから流れ出すことにより磁場による配向の前に
粉末同士が接着され配向率が低下する。また、膜厚が厚
すぎると成形圧力でカプセルを破壊できず結合剤が流出
しないため成形終了時点で粉末同士が接着されずグリー
ン強度は従来と変わらないことがわかった。
実施例−2 カプセルの膜厚を1μm、外径を20μm、材質をポリ
ウレタンとし、結合剤を流動パラフィン、ショウノウ、
ポリビニールブチラール(以下PVBと記す)として前記
結合剤の配向比を1.5,1,2,3,4,5wt%とした。SmCo5系合
金を実施例−1に従って試料製作し、グリーン強度比及
び磁気特性を測定した結果を第2図の特性図に示し、結
合剤をPVBとしたときの磁気特性を第1表に示す。ショ
ウノウ及びPVBは固体であるためメタノールに溶解しグ
リース状にしてカプセルに封入した。
比較として、結合剤をまったく配合せず、造粒、潤滑
剤としてステアリン酸のみ配合した試料を測定したとこ
ろ、保磁力は19kOe、グリーン強度比は70であった。
実施例−2により結合剤配合比は0.5〜5wt%で磁気特
性及びグリーン強度は実用上問題ない値を示すことが分
かった。結合剤がパラフィンの場合、配合比が5wt%に
なると残留カーボンの影響と思われる磁気特性の低下が
認められた。しかし、PVBは広い範囲で特性が安定して
いることが分かった。
実施例−3 実施例−1,2よりSmCo5の合金についてカプセルの膜厚
及び最適な結合剤が得られたので、Sm26.75Co残Fe15Cu8
Zr1.77wt%となるように調整秤量した合金(以下Sm2Co
17系合金と記す)について実施例−1に従って製作した
物を出発合金とし、実施例−2で用いたPVB法入のカプ
セル1.5wt%を混合して10kOeの磁界中で1ton/cm2の圧力
で磁場成形後、500℃1時間真空中で脱ガスしてカプセ
ル及び結合剤を蒸発させ、1200℃1時間Ar中焼結、1170
℃2時間保持後Ar急冷による溶体化を行いさらに800℃
4時間保持後0.5℃/分で冷却し、400℃8時間保持の時
効を行った。このとき、造粒、潤滑剤はステアリン酸0.
05wt%、フタル酸ジnブチル2.5wt%、ステアリング酸
マグネシウム0.05wt%をそれぞれ1種類ずつ配合した。
比較材としてPVBを封入したカプセルを混合せずに同様
の方法で試料を作成した。
グリーン強度比及び磁気特性を第2表に示す。
実施例−3により、Sm2Co17系の磁石についても本発
明が有効であることが分かった。また、造粒、潤滑剤の
種類が変わっても同様の効果が得られることが分かっ
た。
実施例−4 Nd34Fe残B1wt%となるように調整秤量した合金(以下
Nd−Fe系合金と記す)について実施例−1に従って製作
した物を出発合金とし、実施例−2で用いたPVB封入の
カプセル1.5wt%を混合して10kOeの磁界中で1ton/cm2
圧力で磁場成形後、500℃1時間真空中で脱ガスとして
カプセル及び結合剤を蒸発させ、1070℃1時間Ar焼結後
1℃/分で冷却し、600℃2時間保持後急冷を行った。
このとき、造粒、潤滑剤はステアリング酸マグネシウム
及びステアリン酸マグネシウムとポリエチレングリコー
ルとを1:1で配合したものをそれぞれ0.05wt%混合し
た。
比較材としてPVBを挿入したカプセルを混合せずに同
様の方法で試料を作成した。
グリーン強度比及び磁気特性を第3表に示す。実施例
−4により、本発明がNd−Fe系の磁石にも有効であるこ
とが分かった。
また、造粒、潤滑剤を2種類配合しても同様の効果が
得られることが分かった。
実施例−5 SmCo5系合金、Sm2Co17系合金、Nd−Fe系合金をそれぞ
れ実施例−1に従って溶解、粉砕し、実施例−2で用い
たPVB封入のカプセルを1.5wt%混合した粉末試料をフッ
素化炭化水素と混合してスラリー状とし、スラリー状の
まま磁界中で1ton/cm2の圧力下で成形した。(以下湿式
法と記す)得られたグリーンを12時間以上真空中で常温
乾燥しそれぞれの組成毎に実施例−1,−3,−4に従って
脱ガス、焼結、時効を施した。
比較例として結合剤を混合しない試料を製作した。グ
リーン強度比及び磁気特性を第4表に示す。
実施例−5により湿式法による磁場成形においても本
発明が有効であることが分かった。
実施例−6 実施例−2,−3,−4で用いたSmCo5系合金、Sm2Co17
合金及びNd−Fe系合金に実施例−2で用いたPVB封入カ
プセル1.5wt%を混合し10kOeの磁場中で1ton/cm2の圧力
下でラジアル状に磁場配向成形したリング状のグリーン
を、それぞれの組成毎に実施例−1,−3,−4に従って脱
ガス、焼結、時効を施した。
比較例として結合剤を混合しない試料を製作した。グ
リーン強度及び磁気特性を第5表に示す。
実施例−6により本発明がラジアル配向した焼結磁石
に対しても有効であることが分かった。
実施例−7 実施例−6で用いたPVB封入のカプセルを混合した合
金にステアリン酸を0.05wt%混合し、実施例−6に従っ
て磁場中成形したリング状のグリーンをそれぞれの組成
毎に実施例−1,−3,−4に従って脱ガス、焼結、時効を
施した。比較材として、結合剤を混合しない試料を製作
した。
グリーン強度及び磁気特性を第6表に示した。
実施例−6により本発明が、原料微粉末に潤滑剤を混
合し配向率を向上した、ラジアル配向焼結磁石に対して
も有効であることが分かった。
〔発明の効果〕 本発明によれば、磁気特性の低下させることなくグリ
ーン強度を大幅に向上できるため、グリーンの取扱が容
易となり成形時のグリーンの割れ、欠くなどの不良も少
なくなると同時にグリーンのハンドリングの自由度が向
上するため自動化による工数削減の効果も期待できる。
また、従来製造が困難だったラジアル異方性の焼結磁石
が容易に製造できるなど実用上の効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はグリーン強度比及び配向率のカプセル膜厚依存
性の特性図、第2図はグリーン強度比及び磁気特性(保
磁力)の結合剤配合比依存性の特性図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末冶金法で製造する磁気異方性焼結磁石
    において、 微粉砕した磁石粉末に、結合剤を封入したマイクロカプ
    セルを混合して造粒する工程と、 磁石粉末を配向する工程と、 結合剤を封入したマイクロカプセルを含む磁石粉末を加
    圧成形する工程と、 該粉末成形体を真空中で脱ガスして、カプセル及び結合
    剤を蒸発させる工程と、 該脱ガスした粉末成形体を焼結する工程とを有すること
    を特徴とする磁気異方性焼結磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】磁石粉末に造粒性および潤滑性を向上させ
    る1種または2種以上の添加剤を混合する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気異方性焼結磁石の
    製造方法。
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