JP2675414B2 - 発色性及び深色性に優れたポリエステル繊維 - Google Patents

発色性及び深色性に優れたポリエステル繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた発色性及び深色性を有し、かつ独特
の良好な風合いを呈するポリエステル繊維に関する。
[従来の技術] ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆえに繊
維として広く用いられているが、染色加工後の色艶が悪
いという欠点があり、例えば、綿、絹、羊毛のような天
然繊維、あるいはレイヨン、アセテートのような半合成
繊維に比べ、色の鮮明性、深みに劣る点があげられる。
染色特性に関するこれらの欠点は、繊維の屈折率、繊
維の表面形状、繊維の形態(繊維の太さ、断面形状、中
空部の有無、クリンプ形態など)に起因することが知ら
れている。
ポリエステル繊維の屈折率は1.6〜1.7程度であり、他
の繊維素材の屈折率(1.45〜1.6程度)と比較するとか
なり高く、また、ポリエステル繊維は溶融紡糸法によっ
て製造されるため、一般にその表面が極めてなめらかで
あり、繊維表面での白色光の反射率を増大させ、深色性
の低下を引き起こす。
更に、ポリエステル繊維は、風合が硬く、独特のヌメ
リ感があり、感性面でも劣るという欠点も有している。
従来より、ポリエステル繊維の染色性を改善するため
に、繊維内部の改質、あるいは繊維表面の改質による種
々の方法が提案されている。そのような例としては、適
当な溶剤を用いて布帛の前処理を行ってから染色する方
法や、高温熱セットしてから染色する方法等が知られて
いる。
これらの方法を用いれば、確かに染色性を向上させる
ことができるが、得られた染色布は非常に硬く、粗剛に
なってしまい実用に適さないものとなる。
また、繊維の表面改質によって染色性を改良する方法
も数多く提案されている。例えば特公昭59−24233号公
報には、粒子径が0.1μm以下の微粒子を0.5〜10重量%
含有させたポリエステル繊維をアルカリ処理して、繊維
表面に微細な凹凸を形成させる方法が提案されている。
しかしながら、このような表面微多孔化ポリエステル
繊維は、微細な無機不活性粒子を含有させてアルカリ溶
液により溶出させるという手法だけにたよっているため
に、繊維表面の凹凸は無機不活性微粒子の粒子径と分散
性に大きく左右されてしまい、また、ポリエステル繊維
に良好な発色性及び深色性を与えるには不充分なもので
ある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、優れた発色性及び深色性を有するととも
に、独特の良好な風合を呈し、尚かつ、工業的に安定に
製造できるポリエステル繊維を提供することを目的とし
てなされたものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明者らは、前記問題点を解決するために、ポリエ
ステル繊維に含有される無機系及び有機系物質の種類と
含有量、及びそれらの組み合わせ、そしてその結果アル
カリ処理によって形成される繊維表面の微多孔化構造、
及び光学特性、あるいは、染料吸着特性、感触性等との
関係、更には製造工程の安定通過性等について、詳細に
研究を重ねてきた結果、ポリエステル繊維に、二酸化ケ
イ素、カオリン及びポリアルキレングリコールを含有さ
せ、また、これら粒子の粒子径とポリアルキレングリコ
ールの分子量、及びこれら三者各々の含有量をコントロ
ールすることにより、従来では得られなかった優れた発
色性と深色性及び独特の良好な風合を有するポリエステ
ル繊維が得られること見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、 一次粒子の平均粒径が0.2μm以下である二酸化ケイ
素を0.2〜2重量%、一次粒子の平均粒径が0.2〜2μm
であるカオリンを0.05〜1重量%、及び平均分子量が5,
000以上であるポリアルキレングリコールを0.1〜3重量
%含有してなる、主たる繰返し単位がエチレンテレフタ
レート単位であるポリエステル繊維であって、アルカリ
化合物の水溶液により繊維表面が粗面化された、発色性
及び深色性に優れたポリエステル繊維である。
本発明の特徴をさらに明瞭にするために、ポリエステ
ル繊維の深色性及び発色性の向上技術に関して説明す
る。
繊維に白色光が入射すると、その繊維表面で反射され
たり(正反射光)、散乱されたり、屈折して繊維内部に
入ったりする。繊維内部に入った光は、さらに内部で反
射されたり(内部反射光)、あるいは繊維を透過する
(透過光)。このうち、内部反射光と透過光は繊維が染
色されていると着色光となり、染料に吸収されなかった
可視光波長領域、すなわち補色が人間の目に見える。こ
こで繊維が良好な深色性や発色性を有するためには、以
下の二つの点が重要となる。
(イ)正反射光量が少なく、着色光すなわち内部反射光
と透過光の光量が多いこと。
(ロ)内部反射光路及び透過光路内に吸着されている染
料分子の数が多いこと。
本発明の特徴は、上記(イ)及び(ロ)を同時に満足
する新規なポリエステル繊維を提供することにある。上
記(イ)のみ、あるいは(ロ)のみの改良技術では本発
明の効果は得られない。
更に、本発明のポリエステル繊維は特定のカオリンを
含有していることにより、延撚工程においてネッキング
現象を生ずることなしに比較的低い延伸倍率にて延伸糸
とすることができる。このことは繊維構造が比較的ルー
ズなままで延伸糸を形成させることができることを示し
ており、その結果、得られた繊維の発色効果、深色化効
果は一層助長される。
一般にポリエステルよりも屈折率の大きな粒子をポリ
エステル繊維に含有させると、繊維表面での白色光の反
射率が増大し、染色物は白茶けたものとなり色の深みが
出ない。ところが、本発明で使用するカオリンはポリエ
ステル繊維の屈折率(1.6〜1.7程度)に近い屈折率を有
しており、屈折率の差に起因する深色性阻害効果を示す
ことなく、前述の発色性及び深色性の助長効果を発揮さ
せることができる。
また、本発明においては、ポリエステル繊維に、二酸
化ケイ素、カオリンと共にポリアルキレングリコールを
含有させる。ポリアルキレングリコール、なかでも特に
ポリエチレングリコールの分散染料に対する吸着特性
は、ポリエステルのそれよりもはるかに優れており、吸
着速度が速く吸着量も多い。従ってポリアルキレングリ
コールを含有するポリエステル繊維は、その発色性及び
深色性が著しく向上したものとなる。また、ポリアルキ
レングリコールは、ポリエステルのアルカリ減量促進効
果を有しているのと同時に、比較的高分子量のポリアル
キレングリコールは繊維が形成される際に繊維軸方向に
配向する効果も有しているため、ポリアルキレングリコ
ールを含有するポリエステル繊維をアルカリ処理するこ
とにより、無機系粒子だけによっては得ることのできな
い独特の深い微多孔化構造を有する繊維表面形態を得る
ことができる。
ポリアルキレングリコールを配合することによるこれ
らの効果は、本発明のポリエステル繊維がポリアルキレ
ングリコールと同時に有する二酸化ケイ素及びカオリン
の効果と相まって、ポリエステル繊維に高度の発色化効
果と深色化効果をもたらのすみならず、優美な色調と優
れた風合をも有する新規なポリエステル繊維の提供を可
能にした。
本発明における二酸化ケイ素は、一次粒子の平均粒径
が0.2μm以下であれば特に限定する必要はないが、粒
子の分散性と染色性向上効果の面より、BET法により測
定した比表面積が100m2/g以下の乾式法シリカが特に好
ましい。
二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径は0.2μm以下で
あることが好ましく、さらに0.1μm以下が特に好まし
い。
平均粒径が0.2μmを超えると、本発明の目的である
最終的なポリエステル繊維の発色性と深色性が低下す
る。尚、ここにいう一次粒子の平均粒径とは、該一次粒
子と同一の容積を持つ仮想的な球の直径を意味する。
更に、上記二酸化ケイ素の含有量は0.2〜2重量%の
範囲にする必要があり、好ましくは0.4〜1.5重量%の範
囲にするのがよい。二酸化ケイ素の含有量が0.2重量%
未満の場合には、本発明の目的である最終的なポリエス
テル繊維の色の深みと鮮明性は得られず、また、2重量
%を超える場合には、もはや色の深みや鮮明性に関する
著しい向上効果を示さないばかりでなく、製糸工程安定
性及び高次加工工程の安定通過性が悪化し、実質上工業
的に安定にポリエステル繊維を製造することが困難にな
る。
本発明において、上記二酸化ケイ素と共にポリエステ
ル繊維中に含有させるカオリンは、一次粒子の平均粒径
が0.2〜2μmであれば特に限定する必要はないが、深
色化効果を効率良く発現させるためには屈折率が1.60〜
1.65の焼成カオリンが特に好ましい。
カオリンの含有量は0.05〜1重量%の範囲内にする必
要があり、好ましくは0.1〜0.7重量%の範囲内にするの
がよい。カオリンの含有量が0.05重量%未満であると、
延撚工程においてネッキング現象を生ずることなしに比
較的低い延伸倍率をとることができなくなり、その結
果、得られる繊維の発色化効果、深色化効果が低減して
しまう。また、1重量%を超えると、もはや発色性や深
色性に関する著しい向上効果を示さないばかりでなく、
製糸工程の安定性及び高次加工工程の通過性が悪化する
というマイナス面の作用が発現する。
更に、本発明において二酸化ケイ素及びカオリンとと
もにポリエステル繊維中に含有させるポリアルキレング
リコールは、平均分子量が5,000以上、特に好ましくは1
0,000以上である必要がある。平均分子量が5,000未満で
あると、ポリアルキレングリコールの繊維軸方向への配
向効果が充分でなく、その結果、良好な発色性及び深色
性を呈する粗面化表面を得ることができない。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレング
リコールや、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイ
ドの共重合体などの平均分子量が5,000以上のものであ
れば特に限定する必要はないが、染料吸着効果、繊維表
面の微多孔化構造の形成のされやすさ等から、ポリエチ
レングリコールが特に好ましく使用される。
本発明において使用するポリアルキレングリコール
は、単独で用いてもよいが、熱安定性を向上させる目的
で、公知の安定剤、抗酸化剤等を少量添加配合して用い
ることが好ましい。
ポリアルキレングリコールに添加配合する安定剤とし
ては、ヒンダードフェノール系化合物及びチオエーテル
系化合物等があげられる。これらはそれぞれを別々に添
加してもよいが、より耐熱性を向上させるために同時に
添加することが好ましい。
これら化合物の添加量は、ポリアルキレングリコール
に対し、2重量%以上10重量%以下、好ましくは5重量
%以上8重量%以下とすることが望ましい。ポリアルキ
レングリコールの含有量は0.1〜3重量%、好ましくは
0.2〜2重量%の範囲内にするのがよい。ポリアルキレ
ングリコールの含有量が0.1重量%未満であると、ポリ
エステル繊維の良好な粗面化表面が得られないばかりで
なく、充分な染料吸着効果も得られず、最終的な色の深
みと鮮明性が得られない。また、ポリアルキレングリコ
ールの含有量が3重量%を超えると、繊維がフィブリル
化して毛羽立ち、機械的強度が低下すると同時に、高次
加工工程の通過性も悪化する。
本発明における、主たる繰返し単位がエチレンテレフ
タレート単位であるポリエステルとは、テレフタル酸ま
たはそのエステル形成性誘導体を主たる酸成分とし、エ
チレングリコールを主たるアルコール成分とするポリエ
ステルであって、これに従来公知の酸成分あるいはアル
コール成分を共重合したものであってもよい。
酸成分の具体例としては、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、ジフェニジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸類またはそ
のエステル形成性誘導体、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,8−ジ
カルボキシナフタレン−3−スルホン酸ナトリウム等の
金属スルホネート基含有ジカルボン酸類、またはこれら
のエステル形成性誘導体、あるいはこれら化合物のカリ
ウム塩、リチウム塩等、及び、p−オキシ安息香酸、p
−β−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸類
またはそのエステル形成性誘導体等があげられる。
また、アルコール成分の具体例としては、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール等の低級アルキレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−ビス(β−オキシエトキシ)
ベンゼン、ビスフェノールAのビスグリコールエーテル
等があげられる。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲で、ト
リメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸、及
びペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン等のポリオール、あるいはモノハイドリックポ
リアルキレンオキシド、フェニル酢酸等の重合停止剤を
用いてもよい。
かかるポリエステルは公知の任意の方法により合成す
ることができる。例えばポリエチレンテレフタレートに
ついて説明すれば、テレフタル酸とエチンレングリコー
ルとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメ
チルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチ
レングリコールとをエステル交換反応させるか、または
テレフタル酸にエチレンオキサイドを付加反応させるか
して、テレフタル酸のグリコールエステル、および/ま
たはその低重合体を合成し、次いで該生成物を常法によ
り重縮合させる方法が一般的である。
更に、本発明におけるポリエステルの合成にあたって
は、公知の触媒、抗酸化剤、着色防止剤、エーテル結合
副生防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を適宜使用するこ
とができる。
前述した二酸化ケイ素、カオリン、及びポリアルキレ
ングリコールのポリエステルへの添加配合は、ポリエス
テルの製造反応が完結する以前の任意の段階で添加配合
することができる。
ただし、ポリアルキレングリコールの添加配合にあた
っては、熱劣化を抑制するために、ポリアルキレングリ
コールとポリエステルが高温において混合された状態を
なるべく短くするような方法が好ましい。
かくして得られた前述の無機系微粒子、艶消剤及びポ
リアルキレングリコールを含有したポリエステルは、繊
維に形成されるが、この際格別な方法を採用する必要は
なく、公知の任意のポリエステル繊維の溶融紡糸方法、
延伸熱処理方法等が採用される。
かかるポリエステル繊維は、中空部を有しない中実繊
維であっても、中空部を有する中空繊維であってもよ
く、また、繊維の横断面における外形や中空部の形状は
円形であっても異形であってもよい。更に、前述の二酸
化ケイ素、カオリン及びポリアルキレングリコールを含
有する変性ポリエステルと未変性ポリエステルとからな
り、変性ポリエステルを鞘成分とし、未変性ポリエステ
ルを芯成分とする芯鞘型複合繊維であっても、変性ポリ
エステルと未変性ポリエステルとからなる二層またはそ
れ以上の多層のサイド・バイ・サイド型複合繊維であっ
てもよい。
かくして得られる二酸化ケイ素、カオリン及びポリア
ルキレングリコール含有ポリエステル繊維を粗面化する
には、必要に応じて該ポリエステル繊維を、延伸熱処理
または仮撚加工等を施した後、または更に布帛にした
後、アルカリ化合物の水溶液で処理することにより容易
に行うことができる。
ここで使用するアルカリ化合物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を
あげることができるが、なかでも水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムが特に好ましく使用される。
かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アルカリ化
合物の種類、処理条件等によって異なるが、通常0.1〜3
0重量%の範囲が好ましい。処理温度は常温〜100℃、と
くに70〜100℃の範囲が好ましく、処理時間は1分〜4
時間、好ましくは30〜90分の範囲で通常行われる。
また、このアルカリ化合物水溶液処理によって溶出除
去する量は、繊維重量に対して2重量%以上、好ましく
は5重量%以上にすべきであり、このアルカリ化合物の
水溶液で処理することが、本発明のポリエステル繊維を
得るための重要な要件となる。
[実施例] 以下、本発明により本発明をさらに具体的に説明す
る。
尚、実施例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%
を意味し、また、表中の○印、△印、×印は各々良好、
やや良好、不良であることを示す。
耐摩耗性評価は、摩擦試験器にて200回処理後の布帛
表面のフィブリル化の様子を、走査型電子顕微鏡(倍率
5,000倍)にて観察することにより行った。
深色性の評価は、標準サンプルと試験サンプルとを隣
接して並べ直射日光をさけ5401xの光源の部屋で観察す
ることにより行った。この時、光源は約45゜の角度で試
料表面にあて見る方法は試料に対してほぼ直角になるよ
うにした。
標準サンプルは実施例1〜9及び比較例1〜17に関し
てはポリエチレンテレフタレートよりなる100デニール/
48フィラメントのマルチフィラメントをメリヤス編地と
し実施例1と同様の加工処理を行なって得た。また、実
施例10,11比較例18〜21に関しては、ポリエチレンテレ
フタレートよりなる100デニール/48フィラメントの加工
糸をメリヤス編地とし、実施例1と同様の加工処理を行
なって得た。
判定は下記基準にて行ない+3度以上を合格とした。
−2度 標準サンプルと比べ深色性が劣る −1度 標準サンプルと比べ深色性がやや劣る 0度 標準サンプルと比べ深色性の差なし +1度 標準サンプルと比べ深色性があるが差は少ない +2度 標準サンプルと比べ深色性がある +3度 標準サンプルと比べ深色性に優れている +4度 標準サンプルと比べ深色性が特に優れている [実施例1] テレフタル酸100部、エチレングリコール52部をエス
テル化槽に仕込み、4kg/cm2の加圧下260℃にてエステル
化反応を行った。引き続き、得られた反応生成物に、ト
リメチルホスファイト、三酸化アンチモン、一次粒子の
平均粒径が0.04μmで、BET法により測定した比表面積
が46m2/gである乾式法微粒子状二酸化ケイ素、及び一次
粒子の平均粒径が0.8μmで屈折率が1.62である焼成カ
オリンを、生成ポリエステルに対して実質上、0.01%、
0.04%、0.3%、0.5%となるよう各々エチレングリコー
ル分散液として加え、重合槽に移した。更に、平均分子
量20,000のポリエチレングリコールを0.3%加え、高真
空下285℃にて所定時間重縮合反応を行ない、1,1,2,2−
テトラクロルエタンとフェノールの1:1の混合溶媒中25
℃でオストワルド型粘度計で測定した極限粘度が0.68の
ポリマーを得た。
このポリマーを常法によりチップ化、乾燥し、孔径0.
2mmの円形紡糸孔を48個設けた紡糸口金を使用し、285℃
にて溶融紡糸した。吐出糸条を冷却固化した後油剤を付
与し1800m/分の巻取り速度で巻き取った。この未延伸糸
糸条を通常の延伸機を用いて延伸ホットロール88℃、熱
処理ホットプレート160℃、延伸速度900m/分の条件で延
伸し、100デニール/48フィラメントの延伸糸を得た。得
られた延伸糸をメリヤス編地とし、精錬、プリセットを
施した後、減量率が20%になるように3%のカセイソー
ダ水溶液で沸騰温度にて減量処理し、その後染色加工処
理を行なった。このようにして得られたメリヤス編地に
て深色性の評価を行なった。結果を第1表に示した。
また、得られた延伸糸を製織し、精錬、プリセット、
減量処理、染色加工処理を行ない、布帛を得た。布帛の
減量率は20%とした。このようにして得られた布帛にて
発色性、風合、及び摩耗の評価を行なった。結果を第1
表に示した。
[実施例2〜7、比較例1〜14] 二酸化ケイ素、カオリン、及びポリエチレングリコー
ルの各添加量を第1表に記載したように変更した以外
は、実施例1と同様に実施した。
結果を第1表に示した。
[実施例8,9比較例15〜17] 芯成分(A)として比較例2で使用したポリマーを、
鞘成分(B)として各々実施例2,4,比較例10〜12で使用
したポリマーを用い芯鞘構造の複合繊維に常法の装置を
用いて溶融紡糸を行なった以外は、実施例1と同様に実
施した。複合比率はA:B=5:5とした。
結果を第2表に示した。
[実施例10,11,比較例18〜21] 比較例2、実施例2,4,比較例10〜12で使用したポリマ
ーを用い、孔径0.2mmの円形紡糸孔を48ヶ設けた紡糸口
金を使用し、常法に従って溶融紡糸した。吐出糸条を冷
却固化した後油剤を付与し、3,200m/分の巻きとり速度
で巻き取り、高配向未延伸糸(POY)とした。このPOYを
通常のスピナー仮撚機を用いて、ヒーター温度160℃、
スピナー回転数350,000rpm、仮撚速度100m/分の条件で
仮撚加工を施し100デニール/48フィラメントの加工糸を
得た。得られた加工糸をメリヤス編地及び布帛とし、実
施例1と同様にして評価を行なった。結果を第3表に示
した。
さらに、実施例2〜4で得た100デニール/48フィラメ
ントの延伸糸を用いてメリヤス編地を作成し、カーボン
アーク形耐候試験機(FAL−5HB、スガ(株)製)にて耐
色テストを行ったところ、非常に良好な結果がえられ
た。
[発明の効果] 本発明のポリエステル繊維は、発色性と深色性に優
れ、特に濃色に染色する際に好適である。また、本発明
のポリエステル繊維は、ヌメリ感のない良好な風合いを
呈するとともに、染色物の耐光堅牢性に極めて優れてい
る。
フロントページの続き (72)発明者 岩上 厚 愛知県豊橋市牛川通4丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (56)参考文献 特開 昭59−9216(JP,A) 特開 昭56−18644(JP,A) 特開 昭59−137565(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次粒子の平均粒径が0.2μm以下である
    二酸化ケイ素を0.2〜2重量%、一次粒子の平均粒径が
    0.2〜2μmであるカオリンを0.05〜1重量%、及び平
    均分子量が5,000以上であるポリアルキレングリコール
    を0.1〜3重量%含有してなる、主たる繰返し単位がエ
    チレンテレフタレート単位であるポリエステル繊維であ
    って、アルカリ化合物の水溶液により繊維表面が粗面化
    された、発色性及び深色性に優れたポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】二酸化ケイ素が、BET法により測定した比
    表面積が100m2/g以下の乾式法シリカである請求項第
    (1)項記載のポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】カオリンが、屈折率1.60〜1.65の焼成カオ
    リンである請求項第(1)項記載のポリエステル繊維。
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