JP2657232B2 - 原稿自動送り機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は原稿自動送り機構に係り、特に、画像形成装
置の原稿複写位置に対向して開閉可能に取り付けられる
原稿搬送用カバーで、給紙トレイに載せた原稿を自動的
に原稿複写位置まで搬送セットし、複写後、装置外に送
り出す原稿自動送り機構に関する。

〔従来技術〕

一般に、画像形成装置、例えばプリンタ、ファクシミ
リ、複写機等の原稿複写位置（上面）には開閉カバーが
設けられており、原稿を給紙トレイから自動的に原稿複
写位置まで搬送するためには、開閉カバーに原稿搬送手
段が設けられる。この原稿搬送手段は従来搬送ベルト方
式になっており、搬送ベルトは給紙トレイからの原稿を
原稿複写位置まで搬送し、複写終了後、原稿を複写機外
に送り出している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、このような従来の原稿自動送り機構の原稿
搬送手段は、給紙トレイからの原稿を検知し、そのまま
搬送路に沿って原稿複写位置面の所定の位置に原稿の先
端を揃えた後に複写を行うのみである。この為、原稿と
複写用紙との向きが相違する場合、例えばA4サイズの原
稿を横向きに給紙トレイにセットし、A4サイズの複写用
紙のカセットを縦向きにセットした場合に、そのまま複
写するとミスコピーになる不具合がある。

また、このようなミスコピーを事前に防止するため、
複写作動を停止（α禁止）させることが考えられてい
る。しかし、このようにミスコピーの防止操作を行って
も、作業者は原稿搬送用カバーを一旦開き、原稿の向き
を変えて或いは複写用紙のカセットを変えて改めて複写
しなければならない煩わしさがある。

このような従来の原稿自動送り機構では、原稿複写位
置面での原稿の位置決めに於いて更に次の欠点を有して
いる。それは搬送方向の位置決めに於いては、原稿を検
知しその先端を揃えることによって正確にできる。しか
し、原稿の幅方向の位置決めは給紙トレイの案内ガイド
材の規制によってのみ行われている為、給紙トレイから
原稿複写位置までの原稿の搬送時にずれる虞がある。そ
して、従来の原稿自動送り機構の搬送ベルトのみでは、
この様なずれに対するルートの補正ができない不具合が
ある。

本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、原
稿と複写用紙との向きが相違してもミスコピーとなるこ
となく自動的に複写を行うことができ、原稿の幅方向の
ルート補正ができる原稿自動送り機構を提供することを
目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、画像形成装置の原稿複写
位置に対向して開閉可能に取り付けられる原稿搬送用カ
バーで、給紙トレイに載せた原稿を自動的に原稿複写位
置まで搬送セットし、複写後、装置外に送り出す原稿自
動送り機構に於いて、 本発明に係る原稿自動送り機構は、前記原稿自動送り
機構の搬送路に配せられる球状コロと、前記球状コロを
回転し、該球状コロを介して原稿を搬送路上で移動させ
る第１の駆動手段と、前記球状コロを回転し、該球状コ
ロを介して原稿を搬送路で回転させる第２の駆動手段
と、が設けられることを特徴としている。

また、本発明の原稿自動送り機構は、前記球状コロを
前記搬送用カバーの内面或いは搬送用カバーに埋設して
搬送路に配することを特徴としている。

更に、本発明の原稿自動送り機構は、前記球状コロを
前記給紙トレイ上に取り付け、給紙トレイ上の原稿を挟
んで給紙トレイ面上に当接するように搬送路に配するこ
とも特徴としている。

〔作用〕

本発明に係る原稿自動送り機構によれば、原稿は給紙
トレイ上に載せられ後、原稿搬送用カバーと原稿複写位
置面上との間に送られる。

球状コロが原稿搬送用カバーに配せられる場合、搬送
路である原稿搬送用カバー内の搬送に於いては、第１の
駆動手段を駆動させて球状コロを回転させることによ
り、原稿を複写位置面上に搬送方向に沿って移動して位
置決めする。原稿は従来と同様に検知手段によってその
位置とサイズが検知される。

ここで、原稿の向きが複写用紙のカセット等の向きに
合致している場合にはそのまま複写を行い、終了後、複
写機外に送り出される。一方、原稿の向きが複写用紙の
カセット等の向きと相違している場合には第２の駆動手
段が駆動して球状コロを回転し、原稿を球状コロを介し
て原稿複写位置面上で90゜方向転換する。そして角度を
変えて複写を行う。

これにより、原稿と複写用紙との向きが相違しても、
ミスコピーに成ることなく、自動的に複写ができる。

また、第１の駆動手段によって原稿を原稿複写位置面
上で移動させるとは、第２の駆動手段で原稿を回転させ
ない場合においては、原稿を原稿複写位置面上で搬送方
向に進退させることになる。しかし、第２の駆動手段で
原稿を回転させると、原稿を第１の駆動手段によって搬
送方向に限らず原稿の幅方向にも移動することができ
る。この為、給紙トレイからの原稿は、従来のように原
稿複写位置上に配せられる案内材等を使用せずに、原稿
複写位置面上でルートを補正して正確な幅方向の位置決
めができる。

更に、第３の本発明に於いて、球状コロを給紙トレイ
に設けると、予め原稿のルート補正ができる。この為、
給紙トレイに於いては原稿を揃えないでラフに載せた場
合でも、正確に原稿を原稿複写位置に送り込むことがで
きる。

〔発明の好ましい実施態様〕

以下、本発明に係る原稿自動送り機構の好ましい実施
態様を説明する。

第１図は本発明に係る原稿自動送り機構が設けられた
複写機の斜視図である。第１図に示すように複写機10の
上面は原稿複写位置としての複写面12及び操作パネルが
形成されている。複写面12の右側には給紙トレイ14が設
けられると共に複写面12に対向して原稿搬送用カバー16
がヒンジ18、18を介して開閉可能に取り付けられてい
る。

給紙トレイ14上には原稿20が載せられ、原稿20は挿入
口カバー22内を通って複写面12に供給される。挿入口カ
バー22内には図示しないが原稿の検知器が設けられてい
る。

原稿搬送用カバー面16Aには複数の球状コロ24、24、
……が突き出して設けられ、球状コロ24は原稿搬送用カ
バー16を閉じた際に複写面12に当接する。球状コロ24は
合成樹脂等から成り、原稿20との摩擦係数がガラスと原
稿20とに比べて高い。この為、球状コロ24が回転すると
原稿20はガラス面である複写面12上を滑る。

第２図乃至第４図に示すように原稿搬送用カバー16内
には各球状コロ24を回転させる駆動モータ26、28がそれ
ぞれ設けられている。第１の駆動モータ26の駆動軸30は
カバー面16Aと平行に（水平方向に）配せられ、駆動軸3
0には駆動ローラ32が取り付けられている。駆動ローラ3
2と球状コロ24とは球状コロ24と原稿及び複写面12との
間の摩擦力より大きく、球状コロ24は第１の駆動モータ
26によって水平方向を軸として回転される。従って、原
稿20は第１の駆動モータ26によって複写面12上を移動さ
せられる。

第１の駆動モータ26は折り曲げプレートから成る支持
カバー34に支持され、支持カバー34はその上面で第２の
駆動モータ28の駆動軸36に取り付けられている。第２の
駆動モータ28が回転駆動すると、支持カバー34を介して
第１の駆動モータ26全体が回転され、更に駆動ローラ32
を介して球状コロ24も回転される。このような球状コロ
24の回転により、原稿20は複写面12上で回転し向きが変
えられる。

前記の如く構成された本発明に係る原稿自動送り機構
によれば、原稿20は給紙トレイ14上に載せられ後、原稿
搬送用カバー16と複写面12上との間に送られる。原稿20
の搬送は各第１の駆動モータ26を駆動して各球状コロ24
の回転によって行われ、第５図（Ａ）に示すように原稿
20は複写面12で一旦位置決めされる。

原稿20は搬送中又は搬送後に検知手段によってその位
置とサイズと状態とが検知される。ここで、原稿20の向
きが複写用紙のカセット等の向きに合致している場合に
はそのまま複写を行い、終了後、複写機外に送り出され
る。一方、原稿20の向きが複写用紙のカセット等の向き
と相違している場合には、第１の駆動モータ26が逆転さ
れ、原稿20はその中心が第６図に示すように中央球状コ
ロ24Aの位置に来るように戻される。

次に、原稿20は第５図（Ｃ）に示すように90゜の角度
で回転される。その操作としては、中央球状コロ24Aの
第１の駆動モータ26を停止し、第２の駆動モータ28のみ
を駆動して、球状コロ24Aを第６図に示すよに回転され
る。一方、中央球状コロ24Aの周囲の各球状コロ24、24
……は第６図の各矢印が示す方向に原稿20が移動するよ
うに第１の駆動モータ26と第２の駆動モータ28とが適宜
に同時に駆動される。これらの駆動モータの駆動タイミ
ングは図示しない搬送用カバー内に設けられた制御機構
に基づいて行われる。

この操作後の状態で、各駆動ローラ32は、一旦球状コ
ロ24から離れて、第２の駆動モータ28で第１の駆動モー
タ26の向きを搬送方向に正した後、再び球状コロ24に当
接する。90゜方向転換された原稿20は、第５図（Ｄ）に
示すように再び第１の駆動モータ26によって複写面12の
位置決め位置まで移動される。そして、原稿20は複写さ
れ、終了後、複写機10外に送り出される。これにより、
原稿と複写用紙との向きが相違しても、ミスコピーに成
ることなく、自動的に複写ができる。

また、前記実施態様では、原稿20の挿入向きの手違い
について説明した。しかしながら、この様な手違いによ
る原稿20の挿入にのみ、球状コロ24を使用するものでは
ない。例えば、第５図（Ａ）に示す原稿20に於いて、原
稿20が幅方向（矢印Ｂの方向）にずれていた場合には、
第１の駆動モータ26の駆動ローラ32を球状コロ24から一
旦離す操作をする。次に、第２の駆動モータ28を介して
第１の駆動モータ26を回転させ、原稿20が第１の駆動モ
ータ26の駆動回転によって球状コロ24を介して第５図
（Ａ）の矢印Ｂ方向に移動するようにする。

これにより、給紙トレイ14からの原稿20が搬送路から
若干ずれた場合でも原稿のルート補正及び幅方向の位置
決め補正をすることができる。

尚、従来、複写面12上に原稿20の幅方向規制をするた
め、３ミリ程度の内側に案内材を設けていたが、この様
な案内材は本発明において不要となる。

第７図は第１図の別の実施態様を示した原稿自動送り
機構が設けられた複写機の斜視図である。第７図に示す
ように複写機10には、第１図と相違する搬送用カバー40
が設けられ、搬送用カバー40の内面中央には一個の球状
コロ24が突き出して設けられる。球状コロ24は第１図に
示したものと同様なものから成り、且つ第１の駆動モー
タ26と第２の駆動モータ28とによって回転される。

また、球状コロ24の両側には一対の搬送ベルト42、42
が配せられ、搬送ベルト42は図示しない駆動装置によっ
て駆動され、原稿20はこれ等の搬送ベルト42、42によっ
て複写面12上で進退移動する。

前記の如く構成された本発明に係る原稿自動送り機構
によれば、原稿20は給紙トレイ14上に載せられ後、原稿
搬送用カバー16と複写面12上との間に送られる。原稿20
の搬送は搬送ベルト42、42及び球状コロ24によって行わ
れる。第５図（Ａ）に示すように原稿20は複写面12で一
旦位置決めされる。この間、搬送ベルト42及び球状コロ
24は第８図（Ａ）に示すようにれぞれの矢印の方向に回
転あるいは移動している。

原稿20は搬送中又は搬送後に検知手段によってその位
置とサイズと状態とが検知される。ここで、原稿20の向
きが複写用紙のカセット等の向きと相違している場合に
は、第８図（Ｂ）に示すように第１の駆動モータ26が逆
転され搬送ベルト42が反対に移動され、第５図（Ｂ）に
示すように原稿20はその中心が球状コロ24の位置に来る
まで後退される。

次に、原稿20は第５図（Ｃ）に示すよに90゜の角度で
回転される。その操作としては、搬送ベルト42を上動し
て原稿から一旦離し、第８図（Ｃ）に示すように球状コ
ロ24を第２の駆動モータ28のみによって回転させる。

回転後、球状コロ24に当接する駆動ローラ32が上動
し、再び搬送ベルト42が下動され、第５図（Ｄ）に示す
ように再び複写面12の位置決め位置まで移動される。そ
して、原稿20は複写され、終了後、複写機10外に送り出
される。これにより、原稿と複写用紙との向きが相違し
ても、ミスコピーに成ることなく、自動的に複写ができ
る。

また、前記実施態様では、球状コロ24を搬送用カバー
に設けたが、第２の発明として、球状コロ24を給紙トレ
イ14上に配してもよい。この球状コロ24は原稿を載せた
時に、給紙トレイ14上の原稿を挾んで給紙トレイ面に当
接する。

このような構成の原稿自動送り機構によれば、球状コ
ロ24は第１図のものと同様な機能を有するため、給紙ト
レイ14に原稿を給紙した時から原稿のルート変更が容易
にでき、原稿の複写位置での幅方向のずれを無くすこと
ができる。この為、給紙トレイ14上に原稿20を揃えない
でラフに載せることができる。

〔発明の効果〕

前記の如く構成された本発明に係る原稿自動送り機構
によれば、原稿自動送り機構の搬送路に球状コロを設
け、該球状コロに第１の駆動手段と第２の駆動手段とを
設け、球状コロを介して原稿を原稿複写位置面上で移動
させると共に原稿を原稿複写位置面上で回転させるよう
にしたので、先ず第１に、原稿自動送り機構は原稿と複
写用紙との向きが相違してもミスコピーとなることなく
自動的に複写を行うことができる。第２にこのような構
成に於いて、原稿の幅方向の位置決め補正又はルート補
正も可能である。

また、このような構成の他に前記球状コロを給紙トレ
イ上に取り付けた場合、給紙時に於いて原稿のルート変
更が容易にでき、原稿の複写位置での幅方向のずれを無
くすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る原稿自動送り機構が設けられた複
写機の斜視図、 第２図は本発明に係る原稿自動送り機構の側面説明図、 第３図は球状コロ及び駆動手段の側面図、 第４図は球状コロ及び駆動手段の斜視図、 第５図（Ａ）乃至（Ｄ）は本発明に係る原稿自動送り機
構の操作時に於ける複写面上での原稿の移動工程図、 第６図は本発明に係る原稿自動送り機構の上面透視図、 第７図は本発明に係る別な実施態様の原稿自動送り機構
が設けられた複写機の斜視図、 第８図（Ａ）乃至（Ｄ）は第７図の原稿自動送り機構の
搬送用カバー面の操作手順を示す工程図である。 10……複写機、12……複写面、14……給紙トレイ、16、
40……搬送用カバー、16A,40A……搬送用カバー面、20
……原稿、24……球状コロ、26……第１の駆動モータ、
28……第２の駆動モータ、42……搬送ベルト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田渕 秀博 大阪府大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 中野 邦昭 大阪府大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 松尾 恭宏 大阪府大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−1544（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−148138（ＪＰ，Ａ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画像形成装置の原稿複写位置に対向して開
   閉可能に取り付けられる原稿搬送用カバーで、給紙トレ
   イに載せた原稿を自動的に原稿複写位置まで搬送セット
   し、複写後、装置外に送り出す原稿自動送り機構に於い
   て、 前記原稿自動送り機構の搬送路に配せられる球状コロ
   と、 前記球状コロを回転し、該球状コロを介して原稿を搬送
   路上で移動させる第１の駆動手段と、 前記球状コロを回転し、該球状コロを介して原稿を搬送
   路で回転させる第２の駆動手段と、が設けられることを
   特徴とする原稿自動送り機構。
2. 【請求項２】前記球状コロを前記搬送用カバーの内面或
   いは搬送用カバーに埋設して搬送路に配することを特徴
   とする請求項第１項記載の原稿自動送り機構。
3. 【請求項３】前記球状コロを前記給紙トレイ上に取り付
   け、給紙トレイ上の原稿を挟んで給紙トレイ面上に当接
   するように搬送路に配することを特徴とする請求項第１
   項の原稿自動送り機構。