JP2596839Y2 - 枚葉印刷物検査装置の検査胴に対する印刷物密着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、専用の検査胴に枚葉印
刷物を巻付けて搬送する間に検査器により検査する枚葉
印刷物検査装置の検査胴に対する印刷物密着装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種の検査装置として、本出願人は、
先に、検査胴により枚葉印刷物をその検査胴に巻付けて
搬送する間に、その枚葉印刷物のインキ飛び・汚れ・ヒ
ッキー等の飛び欠点、文字欠け・文字埋まり等の欠け欠
点および濃度欠点等を検査し、その枚葉印刷物を正紙・
不正紙に選別して夫々の排紙部に排紙積載する枚葉印刷
物検査装置を提案した（特願平４─９５５８９号明細書
参照）。

【０００３】ところが、上記のように専用の検査胴を備
えた検査装置においては、枚葉印刷物はその紙端を検査
胴に設けたくわえ爪にくわえられ、他端は無支持状態で
搬送されるために、枚葉印刷物と検査胴との間に隙が生
じ、検査胴の回転の大小によりその間隙寸法を変化させ
て検査器に対する枚葉印刷物の距離を変化させるもので
ある。したがって、検査胴の低速時と高速時とでは検査
精度が変化するという問題が生じる。このため、検査装
置において検査誤差を少なくするためには、検査胴の回
転数の大小に拘らず枚葉印刷物を検査器に対して常に一
定状態に保持して搬送する必要がある。

【０００４】そこで、従来、枚葉印刷物を検査胴に密着
させるために、エアー吹き装置を検査胴に対向して設け
ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記のエアー
吹き装置によると、検査装置を、例えば毎時１万枚以上
の高速運転して検査した場合に、印刷物に対するエアー
吹き時間が相対的に短くなるため、印刷物と検査胴との
間のエアーが充分に抜けずに印刷物を検査胴に密着でき
ない。

【０００６】本考案は、上記の事情に鑑みて提案された
もので、印刷物を検査胴に確実に密着させることによ
り、印刷物全面に対する検査精度を向上させることを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は上記の如き課題
を解決するために開発したものであって、印刷物を検査
する検査胴の周面に複数の吸気孔を設け、該吸気孔から
印刷物を吸引して検査胴に密着保持させる印刷物の密着
装置において、前記吸気孔の小孔が印刷物と検査胴間の
エアーを吸引して印刷物の全面を検査胴の表面全体に密
着させる構成からなり、該検査胴の表面全体に吸着させ
て印刷紙の大小に関係なく印刷紙全体を検査胴に密着か
つ安定吸着させることを特徴とする枚葉印刷物検査装置
の検査胴に対する印刷物密着装置の提供にある。

【０００８】

【作用】本発明は、印刷物を検査する検査胴の周面に複
数の吸気孔を設け、該吸気孔から印刷物を吸引して検査
胴に密着保持させる印刷物の密着装置の改良に関するも
のであって、前記吸気孔の小孔が印刷物と検査胴間の
エアーを吸引して印刷物の全面を検査胴の表面全体に密
着させる構成からなり、更に該検査胴の表面全体に吸
着させて印刷紙の大小に関係なく印刷紙全体を検査胴に
密着かつ安定吸着させる印刷物密着装置である。すなわ
ち、本発明は印刷物を検査胴の表面全体で吸着されるよ
うに構成されているので、印刷紙の大きさがどのように
変わっても何らの問題もなく印刷紙の全体を安定させて
吸着することができる。

【０００９】したがって、検査胴の回転によりその検査
胴に巻付けられて搬送される枚葉印刷物は、検査胴に密
着した状態で、その検査胴に対向して配置した検査器に
より検査される。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は、本考案を適用した枚葉印刷物検査
装置の側面図にして、Ａは給紙部、Ｂは検査部、Ｃはデ
リバリ部である。

【００１１】印刷終了後の枚葉印刷物Ｐは、同図に示す
ように給紙部Ａの紙積板１に紙端を揃えてパイルされ、
給紙板２・スイング装置３・渡し胴４を介して検査部Ｂ
に一枚づつ送紙される。

【００１２】５は原動機６によりプーリ７・歯車８ａ〜
８ｃを介して回転される検査胴で、前記のように給紙部
Ａから送紙された枚葉印刷物Ｐを、その検査胴５に設け
たくわえ爪９によりくわえてその外周に巻付け搬送する
ものである。その枚葉印刷物Ｐの搬送中に、枚葉印刷物
Ｐは上記の検査胴５に対向して配置した検査器10により
印刷欠点を全長に亘って検査される。

【００１３】本考案は、上記この種の枚葉印刷物検査装
置において、後に詳述するように、上記の枚葉印刷物Ｐ
が対応する検査胴５の表面に複数の小孔20を開口させ、
その小孔20に枚葉印刷物Ｐと検査胴５の表面５ａとの間
のエアーを吸引する吸引手段21を設けたものである。

【００１４】図２は検査胴５の正面図にして、小孔20
は、枚葉印刷物Ｐがくわえ爪９にくわえられた場合にお
ける検査胴５の対応範囲内全面に亘って複数個開口させ
る。22はベアラ23に設けた吸引孔で、この吸引孔22に吸
引手段21たるポンプ等を接続するものである。５ｂは検
査胴５の軸、９ａはくわえ爪９の爪軸である。なお、く
わえ爪９の開閉機構等は図に省略した。

【００１５】図３は、検査胴５の一部拡大縦断側面図に
して、上記の小孔20は、同図に示すように検査胴５の内
部に隔壁24を設けて吸引小室25を形成して吸引孔22に連
通される。その吸引孔22に吸引手段21たるポンプ等を接
続すると、枚葉印刷物Ｐと検査胴５との表面５ａとの間
のエアーが、小孔20・吸引小室25・吸引孔22を介して吸
引され、枚葉印刷物Ｐは同図実線示のように検査胴５に
密着するものである。

【００１６】図示例の検査胴５は、その外周４個所に紙
くわえ部30を設けているもので、図４に示すように、吸
引孔22に対して樋状の接続具31を被せ、その接続具31に
設けたパイプ32を介してポンプ等の吸引手段21を接続す
る。この場合、検査器10により検査される枚葉印刷物Ｐ
のみ検査胴５に密着されるように吸引孔22・接続具31は
形成される。33は印刷物外面に対すエアー吹き装置であ
る。上記の吸引手段21の検査胴５に対する接続手段は、
図示例に限定されるものではなく、検査胴５の側面に設
けることもある。

【００１７】なお、図１中、35、36は、上記の検査胴５
に接してデリバリ部を構成する第一・第二排紙胴で、検
査器10の良否信号によって枚葉印刷物Ｐを正紙・不正紙
に選別し、例えば、正紙Ｐ１はその第一排紙胴35、不正
紙Ｐ２は第二排紙胴36を介してそれぞれに設けた搬送チ
ェーン37、38のチェーングリッパ37ａ、38ａに受け渡さ
れ、正紙排紙部39、不正紙排紙部40に各別に搬送排紙さ
れるものである。

【００１８】

【考案の効果】本考案は印刷物を検査する検査胴の周面
に複数の吸気孔を設け、該吸気孔から印刷物を吸引して
検査胴に密着保持させる印刷物の密着装置において、前
記吸気孔の小孔が印刷物と検査胴間のエアーを吸引して
印刷物の全面を検査胴の表面全体に密着させる構成から
なり、該検査胴の表面全体に吸着させて印刷紙の大小に
関係なく印刷紙全体を検査胴に密着かつ安定吸着させる
印刷物密着装置であるから、印刷紙の大きさがどのよう
に変わっても何らの問題もなく印刷紙の全体を安定させ
て吸着することができ、更に検査胴の低・高速回転に拘
らず印刷物の全体が検査胴に確実に密着させることがで
きるので検査精度の向上を図ることができる。また、枚
葉印刷物のサイズが変化した場合においても検査胴に対
して何らの調整を加える必要がなくそのまま対応できる
ので極めて実用的である。

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した枚葉印刷物検査装置の側面
図。

【図２】本考案の検査胴の正面図。

【図３】検査胴の一部の拡大縦断側面図。

【図４】本考案装置の一部の縦断側面図。

【符号の説明】

５ 検査胴 ５ａ 検査胴表面 10 検査器 20 小孔 21 吸引手段 Ｐ 枚葉印刷物

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷物を検査する検査胴の周面に複数の
   吸気孔を設け、該吸気孔から印刷物を吸引して検査胴に
   密着保持させる印刷物の密着装置において、前記吸気孔
   の小孔が印刷物と検査胴間のエアーを吸引して印刷物の
   全面を検査胴の表面全体に密着させる構成からなり、該
   検査胴の表面全体に吸着させて印刷紙の大小に関係なく
   印刷紙全体を検査胴に密着かつ安定吸着させることを特
   徴とする枚葉印刷物検査装置の検査胴に対する印刷物密
   着装置。